JPH1050149A - 被覆電線 - Google Patents
被覆電線Info
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- JPH1050149A JPH1050149A JP8221778A JP22177896A JPH1050149A JP H1050149 A JPH1050149 A JP H1050149A JP 8221778 A JP8221778 A JP 8221778A JP 22177896 A JP22177896 A JP 22177896A JP H1050149 A JPH1050149 A JP H1050149A
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- Japan
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- coating layer
- electric wire
- ethylene
- resin
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A30/00—Adapting or protecting infrastructure or their operation
- Y02A30/14—Extreme weather resilient electric power supply systems, e.g. strengthening power lines or underground power cables
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Insulated Conductors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 電線端末部にポリアミド系樹脂を成形す
る際に、特別なシール対策を施さなくても、電線と成形
体との界面の気密性、水密性が保たれ、電線導体の腐食
や接続した機器部品の性能劣化を防止できる被覆電線を
提供する。 【解決手段】 絶縁電線を複数本撚り合わせた多芯撚り
絶縁電線の外側に被覆層を設けてなり、端末部が樹脂モ
ールドされる被覆電線において、被覆層の最外層がエチ
レン・エチルアクリレート・無水マレイン酸共重合体を
ベース樹脂とする樹脂組成物の架橋体により形成されて
なる被覆電線。
る際に、特別なシール対策を施さなくても、電線と成形
体との界面の気密性、水密性が保たれ、電線導体の腐食
や接続した機器部品の性能劣化を防止できる被覆電線を
提供する。 【解決手段】 絶縁電線を複数本撚り合わせた多芯撚り
絶縁電線の外側に被覆層を設けてなり、端末部が樹脂モ
ールドされる被覆電線において、被覆層の最外層がエチ
レン・エチルアクリレート・無水マレイン酸共重合体を
ベース樹脂とする樹脂組成物の架橋体により形成されて
なる被覆電線。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被覆電線に関す
る。
る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両内やロボット等の機器内
の配線に使用される被覆電線の被覆材料としては、機械
的強度、低温柔軟性が良好なことから、熱可塑性ポリウ
レタンを被覆した電線がよく用いられている。一方、こ
のような配線として用いられる被覆電線の端末部に、セ
ンサーなどの機器部品を接続したり、電極端子を接続
し、その接続部およびその近傍の周囲を樹脂モールド
(成形体)で気密もしくは水密に保護しようという場
合、成形のしやすさや機械的強度に優れることから、ポ
リアミド系樹脂が成形材料としてよく用いられる。
の配線に使用される被覆電線の被覆材料としては、機械
的強度、低温柔軟性が良好なことから、熱可塑性ポリウ
レタンを被覆した電線がよく用いられている。一方、こ
のような配線として用いられる被覆電線の端末部に、セ
ンサーなどの機器部品を接続したり、電極端子を接続
し、その接続部およびその近傍の周囲を樹脂モールド
(成形体)で気密もしくは水密に保護しようという場
合、成形のしやすさや機械的強度に優れることから、ポ
リアミド系樹脂が成形材料としてよく用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電線の
被覆材料とモールド材料の選定によっては材料間の熱収
縮率の差により、電線の端末加工時や使用時の加熱、冷
却過程において、電線と成形体との界面に隙間が生じや
すいという問題がある。界面に生じた隙間から水分が浸
入した場合、電線の導体を腐食させたり、接続された機
器部品の性能劣化などの不具合が発生することがあるの
で、気密性の保持のために各種のシール対策が必要とな
り、電線製造上の作業性が劣るなどの問題があった。
被覆材料とモールド材料の選定によっては材料間の熱収
縮率の差により、電線の端末加工時や使用時の加熱、冷
却過程において、電線と成形体との界面に隙間が生じや
すいという問題がある。界面に生じた隙間から水分が浸
入した場合、電線の導体を腐食させたり、接続された機
器部品の性能劣化などの不具合が発生することがあるの
で、気密性の保持のために各種のシール対策が必要とな
り、電線製造上の作業性が劣るなどの問題があった。
【0004】このような問題を解決するために電線の被
覆材料を、モールド材料、例えばポリアミド系樹脂と同
一もしくは類似材料とする方法が考えられるが、電線の
被覆材料としては成形加工性に問題があり、また高価で
あるために実用的ではない。
覆材料を、モールド材料、例えばポリアミド系樹脂と同
一もしくは類似材料とする方法が考えられるが、電線の
被覆材料としては成形加工性に問題があり、また高価で
あるために実用的ではない。
【0005】本発明の目的は、電線端末部にポリアミド
系樹脂を成形する際に、特別なシール対策を施さなくて
も、電線と成形体との界面の気密性、水密性が保たれ、
電線導体の腐食や接続した機器部品の性能劣化を防止で
きる被覆電線を提供することにある。
系樹脂を成形する際に、特別なシール対策を施さなくて
も、電線と成形体との界面の気密性、水密性が保たれ、
電線導体の腐食や接続した機器部品の性能劣化を防止で
きる被覆電線を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、絶縁電線を複数本撚り合わせた
多芯撚り絶縁電線の外側に被覆層を設けてなり、端末部
が樹脂モールドされる被覆電線において、被覆層の最外
層がエチレン・エチルアクリレート・無水マレイン酸共
重合体をベース樹脂とする樹脂組成物の架橋体により形
成されてなることを特徴とする被覆電線が提供される。
に、本発明においては、絶縁電線を複数本撚り合わせた
多芯撚り絶縁電線の外側に被覆層を設けてなり、端末部
が樹脂モールドされる被覆電線において、被覆層の最外
層がエチレン・エチルアクリレート・無水マレイン酸共
重合体をベース樹脂とする樹脂組成物の架橋体により形
成されてなることを特徴とする被覆電線が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の被覆電線において、多芯
撚り絶縁電線上に設けられる被覆層は、一層でも多層構
造としてもよい。多層構造の場合には、同種の樹脂を2
度にわたって押出被覆してもよいが、少なくともその最
外層はエチレン・エチルアクリレート・無水マレイン酸
共重合体をベース樹脂とする樹脂組成物の架橋体により
形成する。
撚り絶縁電線上に設けられる被覆層は、一層でも多層構
造としてもよい。多層構造の場合には、同種の樹脂を2
度にわたって押出被覆してもよいが、少なくともその最
外層はエチレン・エチルアクリレート・無水マレイン酸
共重合体をベース樹脂とする樹脂組成物の架橋体により
形成する。
【0008】以下に本発明の実施の形態を説明する。図
1は本発明の被覆電線の一実施例を示す概略断面図で、
導体1a上に、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル
からなる絶縁層1bを設けた絶縁電線1を複数本(図1
では2本)撚り合わせてなる多芯撚り絶縁電線の外周
に、内層2aとその上の架橋された外層2bとからなる
被覆層2が押出成形により設けられている。
1は本発明の被覆電線の一実施例を示す概略断面図で、
導体1a上に、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル
からなる絶縁層1bを設けた絶縁電線1を複数本(図1
では2本)撚り合わせてなる多芯撚り絶縁電線の外周
に、内層2aとその上の架橋された外層2bとからなる
被覆層2が押出成形により設けられている。
【0009】本発明における被覆電線の最外層である外
層2bは、エチレン・エチルアクリレート・無水マレイ
ン酸共重合体をベース樹脂とする樹脂組成物の架橋体か
らなる。エチレン・エチルアクリレート・無水マレイン
酸共重合体は、エチレンと2〜4%の無水マレイン、エ
チルアクリレートが共重合されたターポリマーである。
エチレン・エチルアクリレート・無水マレイン酸共重合
体のメルトフローレートは、0.5〜25g/10mi
n(JIS K 6730に準拠して測定)が好まし
い。市販のエチレン・エチルアクリレート・無水マレイ
ン酸共重合体としては、住友化学工業(株)製のボンダ
インなどがあり、柔軟性や耐熱性などの電線の必要特性
を十分考慮し、市販品の各種グレードから適宜選択し使
用することができる。
層2bは、エチレン・エチルアクリレート・無水マレイ
ン酸共重合体をベース樹脂とする樹脂組成物の架橋体か
らなる。エチレン・エチルアクリレート・無水マレイン
酸共重合体は、エチレンと2〜4%の無水マレイン、エ
チルアクリレートが共重合されたターポリマーである。
エチレン・エチルアクリレート・無水マレイン酸共重合
体のメルトフローレートは、0.5〜25g/10mi
n(JIS K 6730に準拠して測定)が好まし
い。市販のエチレン・エチルアクリレート・無水マレイ
ン酸共重合体としては、住友化学工業(株)製のボンダ
インなどがあり、柔軟性や耐熱性などの電線の必要特性
を十分考慮し、市販品の各種グレードから適宜選択し使
用することができる。
【0010】ここで、被覆層の最外層樹脂に含まれる無
水マレイン酸基は、モールド樹脂として使用されるポリ
アミド系樹脂と反応することで電線と成形体との密着性
を一層向上させることができる。さらに、被覆層が多層
構造で、内層樹脂が異種である場合にも、無水マレイン
酸基との反応により密着性が向上する。また、エチレン
・エチルアクリレート・無水マレイン酸共重合体は、金
属との接着剤として好適に使用することができるため
に、最外層にこの樹脂が設けられた電線は、その融点以
上の温度環境下で使用される場合に、電線と、加熱され
た電線周囲の金属や樹脂の部品とが接触すると接着して
しまうという問題が生じることがあり、そのような不本
意な接着を防止するために、特に最外層樹脂の架橋は必
須である。
水マレイン酸基は、モールド樹脂として使用されるポリ
アミド系樹脂と反応することで電線と成形体との密着性
を一層向上させることができる。さらに、被覆層が多層
構造で、内層樹脂が異種である場合にも、無水マレイン
酸基との反応により密着性が向上する。また、エチレン
・エチルアクリレート・無水マレイン酸共重合体は、金
属との接着剤として好適に使用することができるため
に、最外層にこの樹脂が設けられた電線は、その融点以
上の温度環境下で使用される場合に、電線と、加熱され
た電線周囲の金属や樹脂の部品とが接触すると接着して
しまうという問題が生じることがあり、そのような不本
意な接着を防止するために、特に最外層樹脂の架橋は必
須である。
【0011】本発明における被覆層の最外層の組成物に
は、上記樹脂に、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチ
レン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸メチ
ル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エ
チレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル
酸メチル共重合体などのエチレン系共重合体を混合して
もよく、その際、混合するエチレン系共重合体のメルト
フローレートは0.5〜25g/10minが好まし
い。
は、上記樹脂に、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチ
レン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸メチ
ル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エ
チレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル
酸メチル共重合体などのエチレン系共重合体を混合して
もよく、その際、混合するエチレン系共重合体のメルト
フローレートは0.5〜25g/10minが好まし
い。
【0012】内層2aの樹脂は、最外層の樹脂との密着
性を考慮して選択され、特に、熱可塑性ポリウレタン系
組成物、密度が0.86〜0.90g/cm3のエチレ
ン・αオレフィン共重合体またはエチレン・酢酸ビニル
共重合体が好ましい。
性を考慮して選択され、特に、熱可塑性ポリウレタン系
組成物、密度が0.86〜0.90g/cm3のエチレ
ン・αオレフィン共重合体またはエチレン・酢酸ビニル
共重合体が好ましい。
【0013】熱可塑性ポリウレタン系組成物のベース樹
脂となる熱可塑性ポリウレタンの種類としては、ポリエ
ステル系ウレタン樹脂(アジペート系、カプロラクトン
系、ポリカーボネート系)、ポリエーテル系ウレタン樹
脂を挙げることができ、耐水性、耐カビ性の点でポリエ
ーテル系ウレタン樹脂(エラストマー)が好ましい。
脂となる熱可塑性ポリウレタンの種類としては、ポリエ
ステル系ウレタン樹脂(アジペート系、カプロラクトン
系、ポリカーボネート系)、ポリエーテル系ウレタン樹
脂を挙げることができ、耐水性、耐カビ性の点でポリエ
ーテル系ウレタン樹脂(エラストマー)が好ましい。
【0014】本発明で用いることのできるエチレン・α
オレフィン共重合体は、エチレンと、10〜30重量%
のプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ド
デセンなどのαオレフィン1種以上との共重合体であ
る。弾力性に富むこと、取扱いに優れていることから、
密度0.86〜0.90g/cm3であるものが特に好
ましい。
オレフィン共重合体は、エチレンと、10〜30重量%
のプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ド
デセンなどのαオレフィン1種以上との共重合体であ
る。弾力性に富むこと、取扱いに優れていることから、
密度0.86〜0.90g/cm3であるものが特に好
ましい。
【0015】また、エチレン・酢酸ビニル共重合体は、
酢酸ビニル含有量が10〜30重量%を用いると弾力性
に富むという点で特に優れた電線を得ることができる。
酢酸ビニル含有量が10〜30重量%を用いると弾力性
に富むという点で特に優れた電線を得ることができる。
【0016】エチレン・αオレフィン共重合体またはエ
チレン・酢酸ビニル共重合体は、単独でも両者の混合物
としても使用することができる。
チレン・酢酸ビニル共重合体は、単独でも両者の混合物
としても使用することができる。
【0017】エチレン・αオレフィン共重合体およびエ
チレン・酢酸ビニル共重合体は、架橋によって耐熱性を
向上させることができ、ポリアミド系樹脂のように高融
点を有する樹脂でモールドする場合には、架橋させるこ
とが必須である。また、これらの樹脂は、架橋によるゴ
ム弾性特性の向上が特に大きいので本発明の被覆電線の
内層として好適に用いることができる。
チレン・酢酸ビニル共重合体は、架橋によって耐熱性を
向上させることができ、ポリアミド系樹脂のように高融
点を有する樹脂でモールドする場合には、架橋させるこ
とが必須である。また、これらの樹脂は、架橋によるゴ
ム弾性特性の向上が特に大きいので本発明の被覆電線の
内層として好適に用いることができる。
【0018】本発明の被覆電線は、被覆層のベース樹脂
を架橋することによりゴム弾性特性が向上し、変形に対
して復元力を有するために、電線の接続部の成形体と電
線との界面の気密性、水密性をより向上させることが可
能である。被覆層を架橋する方法としては、従来公知の
電子線架橋法や化学架橋法が採用できるが、生産性の点
では電子線照射による架橋の方が優れている。電子線架
橋法の場合は、樹脂組成物を押出成形後に電子線照射し
て架橋を行う。電子線の線量は、1〜30Mradが適
当である。なお、樹脂組成物に多官能モノマー(トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、トリアリルシア
ヌレート等)などの架橋助剤を配合してもしなくてもよ
いが、配合した場合には効率よく架橋が向上が行われ
る。また、化学架橋法の場合には、有機過酸化物を架橋
剤として配合した樹脂組成物を用い、押出成形後に加熱
処理により架橋を完了させる。
を架橋することによりゴム弾性特性が向上し、変形に対
して復元力を有するために、電線の接続部の成形体と電
線との界面の気密性、水密性をより向上させることが可
能である。被覆層を架橋する方法としては、従来公知の
電子線架橋法や化学架橋法が採用できるが、生産性の点
では電子線照射による架橋の方が優れている。電子線架
橋法の場合は、樹脂組成物を押出成形後に電子線照射し
て架橋を行う。電子線の線量は、1〜30Mradが適
当である。なお、樹脂組成物に多官能モノマー(トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、トリアリルシア
ヌレート等)などの架橋助剤を配合してもしなくてもよ
いが、配合した場合には効率よく架橋が向上が行われ
る。また、化学架橋法の場合には、有機過酸化物を架橋
剤として配合した樹脂組成物を用い、押出成形後に加熱
処理により架橋を完了させる。
【0019】本発明における被覆層の内層および外層の
樹脂組成物には、電線被覆層において使用されている各
種の添加剤、例えば、酸化防止剤、金属不活性剤、難燃
剤、分散剤、着色剤、充填剤、滑剤等を本発明の目的を
損なわない範囲で適宜配合することができる。難燃剤と
しては、テトラブロモビスフェノールA、デカブロモジ
フェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルエーテ
ル、ヘキサブロモシクロドデカン、ビストリブロモフェ
ノキシエタン、トリブロモフェノール、エチレンビステ
トラブロモフタルイミド、テトラブロモビスフェノール
A・ポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフ
ェノールA・エポキシオリゴマー、臭素化ポリスチレ
ン、エチレンビスペンタブロモジフェニール、塩素化パ
ラフィン、ドデカクロロシクロオクタンなどのハロゲン
系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムな
どの無機系難燃剤、リン酸化合物、ポリリン酸化合物、
赤リン化合物などのリン系難燃剤等が挙げられる。難燃
助剤、充填剤としては、カーボン、クレー、酸化亜鉛、
酸化錫、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、三酸化ア
ンチモン、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、ほう酸亜鉛などが挙げられる。酸化防止剤と
しては、4,4−ジオクチル・ジフェニルアミン、N,
N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,
4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン系重合物な
どのアミン系酸化防止剤、ペンタエリスリチル−テトラ
キス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル
−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどのフェノール系酸
化防止剤、ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキル
チオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)
スルフィド、2−メルカプトベンズイミダゾールおよび
その亜鉛塩、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−
ラウリル−チオプロピオネート)などの硫黄系酸化防止
剤などが挙げられる。金属不活性剤としては、N,N’
−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニル)ヒドラジン、3−(N−サ
リチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、2,
2’−オキサミドビス−(エチル3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)
などが挙げられる。
樹脂組成物には、電線被覆層において使用されている各
種の添加剤、例えば、酸化防止剤、金属不活性剤、難燃
剤、分散剤、着色剤、充填剤、滑剤等を本発明の目的を
損なわない範囲で適宜配合することができる。難燃剤と
しては、テトラブロモビスフェノールA、デカブロモジ
フェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルエーテ
ル、ヘキサブロモシクロドデカン、ビストリブロモフェ
ノキシエタン、トリブロモフェノール、エチレンビステ
トラブロモフタルイミド、テトラブロモビスフェノール
A・ポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフ
ェノールA・エポキシオリゴマー、臭素化ポリスチレ
ン、エチレンビスペンタブロモジフェニール、塩素化パ
ラフィン、ドデカクロロシクロオクタンなどのハロゲン
系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムな
どの無機系難燃剤、リン酸化合物、ポリリン酸化合物、
赤リン化合物などのリン系難燃剤等が挙げられる。難燃
助剤、充填剤としては、カーボン、クレー、酸化亜鉛、
酸化錫、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、三酸化ア
ンチモン、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、ほう酸亜鉛などが挙げられる。酸化防止剤と
しては、4,4−ジオクチル・ジフェニルアミン、N,
N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,
4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン系重合物な
どのアミン系酸化防止剤、ペンタエリスリチル−テトラ
キス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル
−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどのフェノール系酸
化防止剤、ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキル
チオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)
スルフィド、2−メルカプトベンズイミダゾールおよび
その亜鉛塩、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−
ラウリル−チオプロピオネート)などの硫黄系酸化防止
剤などが挙げられる。金属不活性剤としては、N,N’
−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニル)ヒドラジン、3−(N−サ
リチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、2,
2’−オキサミドビス−(エチル3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)
などが挙げられる。
【0020】
(実施例1〜3、比較例1〜3)導体(導体径1mmφ
の錫メッキ軟銅撚線 構成:20本/0.18mmφ)
の上に、低密度ポリエチレンを押出被覆して外径1.7
mmの絶縁層を形成し、ここに500keV、20Mr
adの電子線を照射して上記絶縁層が架橋されている絶
縁電線を2本撚り合わせることにより、図1で示したよ
うな多芯撚り絶縁電線を用意した。次いで、上記多芯絶
縁電線上に、40mmφ押出機(L/D=25)を用
い、ダイス温度180℃、以下フィーダー側へC3 17
0℃、C2 160℃、C1 150℃の条件により、表1
に示した被覆層樹脂組成物を外径が5.0mmφとなる
ように押出被覆した。実施例1〜3および比較例2につ
いては、押出被覆後さらに加速電圧750keV、照射
量12Mradで電子線照射を行い、被覆層を架橋させ
て被覆電線を得た。なお、比較例1および3の被覆電線
については、被覆層の架橋処理を行わなかった。
の錫メッキ軟銅撚線 構成:20本/0.18mmφ)
の上に、低密度ポリエチレンを押出被覆して外径1.7
mmの絶縁層を形成し、ここに500keV、20Mr
adの電子線を照射して上記絶縁層が架橋されている絶
縁電線を2本撚り合わせることにより、図1で示したよ
うな多芯撚り絶縁電線を用意した。次いで、上記多芯絶
縁電線上に、40mmφ押出機(L/D=25)を用
い、ダイス温度180℃、以下フィーダー側へC3 17
0℃、C2 160℃、C1 150℃の条件により、表1
に示した被覆層樹脂組成物を外径が5.0mmφとなる
ように押出被覆した。実施例1〜3および比較例2につ
いては、押出被覆後さらに加速電圧750keV、照射
量12Mradで電子線照射を行い、被覆層を架橋させ
て被覆電線を得た。なお、比較例1および3の被覆電線
については、被覆層の架橋処理を行わなかった。
【0021】(実施例4〜6)上記多芯撚り絶縁電線上
に、表2に示した内層樹脂を実施例1と同じ条件で、押
出被覆した。実施例4、5についてはさらに電子線照射
により架橋処理を行い、それぞれの上に表2に示した外
層樹脂組成物を外径が5.0mmφとなるように押出被
覆し、実施例1と同条件で架橋させて、被覆層が2層か
らなる実施例4〜6の被覆電線を得た。
に、表2に示した内層樹脂を実施例1と同じ条件で、押
出被覆した。実施例4、5についてはさらに電子線照射
により架橋処理を行い、それぞれの上に表2に示した外
層樹脂組成物を外径が5.0mmφとなるように押出被
覆し、実施例1と同条件で架橋させて、被覆層が2層か
らなる実施例4〜6の被覆電線を得た。
【0022】得られた各被覆電線につき、下記の試験法
で各種の特性を評価した。 1)端末の気密性 図2に示すように、被覆電線の端末部の被覆層2を除去
して導体1を露出させ、その端部に電極端子5を接続し
た。次いで、接続部とその近傍周囲を6ナイロンによる
モールドにより、樹脂成形体4で覆った。この被覆電線
について、120℃×1時間、−40℃×1時間を1サ
イクルとして10サイクルのサイクル試験を行った。樹
脂成形側と反対の端末より2気圧の圧縮空気を注入し、
樹脂成形側から漏れがないかを、水中に浸積し、泡の有
無で気密性を確認した。5サンプルについて試験を行
い、全て合格した場合を○、いずれかのサンプルが不合
格であった場合を×とした。
で各種の特性を評価した。 1)端末の気密性 図2に示すように、被覆電線の端末部の被覆層2を除去
して導体1を露出させ、その端部に電極端子5を接続し
た。次いで、接続部とその近傍周囲を6ナイロンによる
モールドにより、樹脂成形体4で覆った。この被覆電線
について、120℃×1時間、−40℃×1時間を1サ
イクルとして10サイクルのサイクル試験を行った。樹
脂成形側と反対の端末より2気圧の圧縮空気を注入し、
樹脂成形側から漏れがないかを、水中に浸積し、泡の有
無で気密性を確認した。5サンプルについて試験を行
い、全て合格した場合を○、いずれかのサンプルが不合
格であった場合を×とした。
【0023】2)被覆層のゲル分率 試験片をキシレンで110℃×24時間抽出した後の不
溶分を重量%で表した。 ただし、被覆層のベース樹脂
としてポリエーテル系ウレタンを用いた比較例3につい
ては、キシレンに代えてジメチルホルムアミドを用い
た。以上の結果を表1、表2に示す。
溶分を重量%で表した。 ただし、被覆層のベース樹脂
としてポリエーテル系ウレタンを用いた比較例3につい
ては、キシレンに代えてジメチルホルムアミドを用い
た。以上の結果を表1、表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】表1の結果から、被覆層の最外層にエチレ
ン・エチルアクリレート・無水マレイン酸共重合体をベ
ース樹脂とする樹脂組成物の架橋体を用いた実施例1〜
6の被覆電線は、いずれも気密性に優れていることがわ
かる。一方、被覆層の最外層にエチレン・エチルアクリ
レート・無水マレイン酸共重合体をベース樹脂とする樹
脂組成物を用いても、架橋処理を施さない比較例1は、
気密性に劣る。また、被覆層の最外層をエチレン・酢酸
ビニル共重合体またはポリエーテル系ウレタンで形成し
た比較例2、3は、気密性に劣ることがわかる。
ン・エチルアクリレート・無水マレイン酸共重合体をベ
ース樹脂とする樹脂組成物の架橋体を用いた実施例1〜
6の被覆電線は、いずれも気密性に優れていることがわ
かる。一方、被覆層の最外層にエチレン・エチルアクリ
レート・無水マレイン酸共重合体をベース樹脂とする樹
脂組成物を用いても、架橋処理を施さない比較例1は、
気密性に劣る。また、被覆層の最外層をエチレン・酢酸
ビニル共重合体またはポリエーテル系ウレタンで形成し
た比較例2、3は、気密性に劣ることがわかる。
【0027】
【発明の効果】本発明の被覆電線は、被覆層の最外層に
エチレン・エチルアクリレート・無水マレイン酸共重合
体をベース樹脂とする樹脂組成物の架橋体を用いている
ため、電線端末部にポリアミド系組成物による樹脂モー
ルドを形成した場合でも、特別なシール対策を施すこと
なく、電線と成形体とが接する界面の気密性、水密性が
保たれ、電線導体の腐食や接続した機器部品の性能劣化
を防止できる。
エチレン・エチルアクリレート・無水マレイン酸共重合
体をベース樹脂とする樹脂組成物の架橋体を用いている
ため、電線端末部にポリアミド系組成物による樹脂モー
ルドを形成した場合でも、特別なシール対策を施すこと
なく、電線と成形体とが接する界面の気密性、水密性が
保たれ、電線導体の腐食や接続した機器部品の性能劣化
を防止できる。
【図1】本発明の被覆電線の一実施態様を示す概略断面
図である。
図である。
【図2】被覆電線の使用状態の一例を示す模式図であ
る。
る。
1a 導体 1b 絶縁層 1 絶縁電線 2a 被覆層の内層 2b 被覆層の外層 2 被覆層 3 被覆電線 4 樹脂成形体 5 電極端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 220:18 222:06)
Claims (3)
- 【請求項1】 絶縁電線を複数本撚り合わせた多芯撚り
絶縁電線の外側に被覆層を設けてなり、端末部が樹脂モ
ールドされる被覆電線において、被覆層の最外層がエチ
レン・エチルアクリレート・無水マレイン酸共重合体を
ベース樹脂とする樹脂組成物の架橋体により形成されて
なることを特徴とする被覆電線。 - 【請求項2】 被覆層の内層として、熱可塑性ポリウレ
タン系組成物を用いることを特徴とする請求項1記載の
被覆電線。 - 【請求項3】 被覆層の内層として、密度が0.86〜
0.90g/cm3であるエチレン・αオレフィン共重
合体、およびエチレン・酢酸ビニル共重合体からなる群
から選ばれる少なくとも1種をベース樹脂とする樹脂組
成物を用いることを特徴とする請求項1記載の被覆電
線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8221778A JPH1050149A (ja) | 1996-08-05 | 1996-08-05 | 被覆電線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8221778A JPH1050149A (ja) | 1996-08-05 | 1996-08-05 | 被覆電線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1050149A true JPH1050149A (ja) | 1998-02-20 |
Family
ID=16772063
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8221778A Pending JPH1050149A (ja) | 1996-08-05 | 1996-08-05 | 被覆電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1050149A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102034571A (zh) * | 2009-09-24 | 2011-04-27 | 日立电线株式会社 | 带有线缆的树脂模塑构造 |
-
1996
- 1996-08-05 JP JP8221778A patent/JPH1050149A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102034571A (zh) * | 2009-09-24 | 2011-04-27 | 日立电线株式会社 | 带有线缆的树脂模塑构造 |
JP2011091021A (ja) * | 2009-09-24 | 2011-05-06 | Hitachi Cable Ltd | ケーブル付樹脂モールド構造 |
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