JPH10501494A - エアーバッグ構成 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 インナー層（１４）とアウター層（１９）を備えたプラスチックマテリアルの積層体からなるエアーバッグ（１３）。インナー層には、チャンネルにより構成された機械的強度が脆弱なライン（１７）が設けられている。アウター層には、アウター層の残余の部分よりも薄いアウター層の領域により構成された機械的強度が脆弱なライン（２０）が設けられている。機械的強度が脆弱な二つのラインは、少なくとも２ｍｍの間隔をおいてオフセットされていて、機械的強度が脆弱なラインの位置は、カバーの外部から見えない。エアーバッグ（１０）が膨らんだとき、機械的強度が脆弱なラインにそってインナー層とアウター層が割れて、カバーの部分（１８）は、扉状に開く。

Description

【発明の詳細な説明】 名称 “エアーバッグ構成” 本発明は、エアーバッグ構成に関するものである。 自動車にエアーバッグを設けることが提案されてきており、事故が発 生したときにエアーバッグを膨張させる手段が設けられ、膨張したエアーバッグ により自動車内のドライバーまたは乗員を保護するようになっている。 エアーバッグは、使用される前は、カバーの背後に隠されているのが 通常である。このカバーは、エアーバッグが車のドライバーを保護するためのも のでれば、ステアリングホイールの中央部分を形成するか、または、エアーバッ グが車内の乗員を保護するためのものであれば、車のダッシュボードの一部を形 成する。 一般的には、エアーバッグカバーは、プラスチックマテリアルを二層 にラミネートしたものである。内層は、比較的スティッフで、ハードなものであ り、カバーに所望の強度を与え、外層は、柔らかく、ときには、外面に“スキン 層”を有する発泡体で作られている。 内層は、カバー全体がステアリングホイールの中央部分と一体の部分 か、または、ダッシュボードと一体の部分かになっている。外層は、自動車にみ られる通常の度合いの快適さを与えるようになっている。 必要なことは、前記カバーに機械的に弱いラインを設けることで、そ の結果、エアーバッグが膨らんだとき、該カバーの一つの部分またはそれ以上の 部分が“扉”となり、この扉に所定の圧力が作用し、エアーバッグを所望の態様 で膨らませるとき、外方向へヒンジ開きするようになっている。これは、機械的 に弱いラインまたは“スプリットライン”を設けることで達成されるのが通常で ある。 添付の図面における図１は、現在のエアーバッグカバーの代表的なも のの部分断面図である。内層１は、熱可塑性エラストマーのような比較的硬いプ ラスチックマテリアルからなり、該層の厚みが該層の残余の部分よりもかなり薄 くなっている領域２を有している。このように、領域２は、機械的に脆弱なライ ンを構成する。該領域２は、また、上方へ突出している。 サーモプラスティックエラストマーの層１は、これもサーモプラステ ィックエラストマーで作られた比較的厚い上位の外層３を支持し、サーモプラス ティックエラストマーは比較的ソフトであるが、内層１の変形形状により、領域 ４にあっては、ポリウレタン発泡体層３も厚さが薄くなっていることが分かる。 領域２は、領域４に正合していて、この結合した領域は、かくして、“スプリッ トライン”を構成する。該スプリットラインの一方のサイドのカバーの部分（ま たはスプリットラインの両サイド）は、エアーバッグが膨らむに連れて所定の圧 力を受け、“扉”の態様で開く。 このようなタイプのカバーを製造するとき、外層の外面が実質的に平 滑であっても、それにも拘らず、厚さがうすくなっている領域２，４により構成 されている該“スプリットライン”の正確な位置は、はっきり見えることが判明 している。これは、見苦しいものになる。 この見苦しさをなくすために、図２に示すように、へこませた“スタ イルライン”５をカバーの外層３の外面に設けることが提案されている。しかし ながら、これは、“スタイル”ライン５のパターンが機械的に弱いラインによる パターンに一致してしまい、このようなパターンは、美観を損ね、特に、エアー バッグカバーがダッシュボードの一部を構成する場合、極めて“場違い”の感を 抱かせる。 本発明は、改良されたエアーバッグ構成の提供を目的とする。 この発明によれば、エアーバッグ用のカバーが提供されるもので、こ のカバーは、ポリマーマテリアルのインナー層と、ポリマーマテリアルのアウタ ー層の積層体からなり、各層には、機械的強度が脆弱なラインが設けられていて 、アウター層における機械的強度が脆弱なラインは、インナー層における機械的 強度が脆弱なラインに対し、少なくとも２ｍｍの寸法で位置がずれており、これ らのスプリットラインは、所定の圧力が内側から作用したとき、開くようになる カバーの扉を共に区画し、各層における機械的強度が脆弱なラインは、厚みが薄 くなっているラインを構成しているものである。 インナー層は、比較的硬く、強いマテリアルで作られ、アウター層は 、より柔らかいマテリアルで作られていることが好ましい。 両層は、サーモプラスチックエラストマーで作られるのが便宜である 。 一つの実施例においては、各層の厚さは、１．５ｍｍから３ｍｍの間 である。 アウター層に形成された機械的強度が脆弱なラインの領域においては 、インナー層にアウター層内へ隆起している突出部または隆起部を設け、これに よって、たとえ隆起部の上の領域におけるアウター層のマテリアルがアウター層 の他の領域におけるアウター層のマテリアルよりも薄くても、アウター層の外面 は、実質的にフラッシュになる。 一つの実施例においては、機械的強度が脆弱なラインの領域における アウター層の厚みは、０．５ｍｍから１ｍｍの間である。 便宜的には、インナー層の機械的強度が脆弱なラインは、厚みを減ら したラインを構成する長細いチャンネルからなり、該チャンネルのベースを複数 の孔が貫通し、これら孔は、インナー層を完全に貫通して延びている。 該孔は、長細い形状が好ましい。 一つの実施例においては、この孔の幅は、０，５ｍｍから１ｍｍの間 であり、長さは、３ｍｍから１０ｍｍの間であって、孔それぞれの長さは、約５ ｍｍが好ましい。 該孔は、等間隔になっており、孔の間の間隔は、各孔の長さと実質的 に等しいことが好ましい。 一つの実施例においては、厚みが薄くされたインナーカバーの一部の 部分の厚みは、０．５ｍｍから１ｍｍの間である。 インナー層におけるスプリットラインは、アウター層におけるスプリ ットラインから２ｍｍから１０ｍｍの間の間隔をおいてオフセットされているこ とが好ましい。 便宜的には、インナー層におけるスプリットラインは、アウター層に おけるスプリットラインから４ｍｍから６ｍｍの間の間隔をおいてオフセットさ れている。 スプリットラインとインナー層とは、アウター層におけるスプリット ラインから約５ｍｍの間隔をおいてオフセットされていることが最も好ましい。 発明は、また、上記したエアーバッグを組み入れたエアーバッグアレ ンジメントに関するものである。 発明がさらにもっとよく理解されるために、そして、発明のさらなる 特徴が認識されるよう、添付の図面を参照しながら、発明を実施例により記載す るもので、図面において 図３は、発明による、カバーを組み入れたエアーバッグ構成の断面図 であり、そして 図４は、図３のＡ−Ａ線にそった部分断面図である。 まず最初似ず３を参照すると、エアーバッグ１０は、ハウジング１１ 内に内蔵され、このハウジングは、ガス発生器１２を支持している。カバー１３ は、ハウジング１１に取り付けられて設けられている。 カバー１３は、サーモプラスチックエラストマーから作られたインナ ー層１４を備える。該層１４は、コンベンショナルに行われているように、ハウ ジング１１に接合する二つの下方へ突き出たフランジ１５，１６を有する。 機械的強度が脆弱なライン１７が層１４に設けられていて、これによ り、後記するように扉の態様で開く層１４の一部１８を区分けする。図３から分 かるように、機械的強度が脆弱なライン１７は、長細いチャンネルからなり、該 チャンネルと層１４の頂部との間の層１４のマテリアルは、厚みが減らされてい る。 しかしながら、図４から分かるように、複数の長細い孔１８がチャン ネル１７のベースに形成されていて、したがって、孔１８は、層１４を貫通し、 層１４に積層されているアウター層１９の下側面に露出している。アウター層１ ９は、サーモプラスチックエラストマーで作るもので、アウター層１９のために 選んだ該エラストマーは、インナー層１４のために選んだプラスチックエラスト マーよりもソフトのものである。しかしながら、ポリウレタン発泡体のような他 のマテリアルもアウター層１９のために使えるものである。 層１４に形成された機械的強度が脆弱なライン１７から離れた位置に は、第２の機械的強度が脆弱なライン２０がアウター層１９に区画されている。 機械的強度が脆弱なライン２０の領域では、カバーの外面は、実質的 に平滑であって、インナー層１４のアウター面に突起２１が形成されている。 インナー層１４の厚みと、アウター層１９の厚みとは、１．５ｍｍか ら３ｍｍの間になるように選らばれているが、図示の実施例においては、インナ ー層１４の厚みは、２ｍｍであり、アウター層１９の厚みは、２．５ｍｍである 。 機械的強度が脆弱なラインを形成するアウター層１９におけるマテリ アルの厚みは、０．５ｍｍから１ｍｍの間のものでよいが、記載された実施例で は、突起２１の頂部における、このポイントでのマテリアルの厚みは、約０．８ ｍｍである。 機械的強度が脆弱なライン１７を形成するチャンネルの幅は、約１ｍ ｍであり、その深さは、該チャンネルのベースとインナー層１４の頂部との間の 第１の層を形成するマテリアルの厚みが０．５ｍｍから１ｍｍの間になるような 深さである。図示の実施例においては、機械的強度が脆弱なライン１７を形成す るンチャンネルのベースと層１４の頂面との間のマテリアルの厚みは、実質的に １ｍｍである。 スロット１８と隣り合うスロット１８の間の領域は、同じ長さをもつ 。この長さは、３ｍｍから１０ｍｍの間であるが、記載の実施例では、５ｍｍに なっているのが好ましい。スロット孔の幅は、０．５ｍｍから１ｍｍであるが、 記載の実施例では、１ｍｍの幅をもち、これは、機械的強度が脆弱なライン１７ を形成するチャンネルの幅に等しいものである。 機械的強度が脆弱なライン１７は、２ｍｍから１０ｍｍの間隔、好ま しい間隔は、４ｍｍから６ｍｍをおいて機械的強度が脆弱なライン２０からオフ セットされていいる。図示の実施例では、このオフセットの間隔は、５４ｍｍで ある。 エアーバッグ１０が膨らみ、層１４の下側に所定の圧力が作用すると 、インナー層１４においては、扉として開く部分１８が機械的強度の脆弱なライ ン１７にそって裂け、かくして、矢印２２方向へ開く。該扉が開くと、アッパー 層１９は、スプリットライン２０にそって割れる。 該オフセットされたスプリットラインで“扉”は満足できる態様で開 くが、上記したデザインを使用することで、スプリットラインの位置は、カバー の外側から見えないものである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． エアーバッグ用のカバーであって、このカバーは、ポリマーマテリア ルのインナー層と、ポリマーマテリアルのアウター層の積層体からなり、各層に は、機械的強度が脆弱なラインが設けられていて、アウター層における機械的強 度が脆弱なラインは、インナー層における機械的強度が脆弱なラインに対し、少 なくとも２ｍｍの寸法で位置がずれており、これらのスプリットラインは、所定 の圧力が内側から作用したとき、開くようになるカバーの扉を共に区画し、各層 における機械的強度が脆弱なラインは、厚みが薄くなっているラインを構成して いるもの。 ２． インナー層は、比較的硬く、強いマテリアルで作られ、アウター層は 、より柔らかいマテリアルで作られている請求項１によるカバー。 ３． 両層は、サーモプラスチックエラストマーで作られる請求項１または ２によるカバー。 ４． 各層の厚さは、１．５ｍｍから３ｍｍである前記請求項のいずれかに よるカバー。 ５． アウター層に形成された機械的強度が脆弱なラインの領域においては 、インナー層にアウター層内へ隆起している突出部または隆起部を設け、これに よって、たとえ隆起部の上の領域におけるアウター層のマテリアルがアウター層 の他の領域におけるアウター層のマテリアルよりも薄くても、アウター層の外面 は、実質的にフラッシュになる前記請求項のいずれかによるカバー。 ６． 機械的強度が脆弱なラインの領域におけるアウター層の厚みは、０． ５ｍｍから１ｍｍの間である前記請求項のいずれかによるカバー。 ７． インナー層の機械的強度が脆弱なラインは、厚みを減らしたラインを 構成する長細いチャンネルからなり、該チャンネルのベースを複数の孔が貫通し 、これら孔は、インナー層を完全に貫通して延びている前記請求項のいずれかに よるカバー。 ８． 該孔は、長細い形状である請求項７によるカバー。 ９． 孔の幅は、０，５ｍｍから１ｍｍであり、長さは、３ｍｍから１０ｍ ｍであっる請求項７又は８によるカバー。 １０． 各孔の長さは、約５ｍｍである請求項７から９のいずれかによるカバ ー。 １１． 該孔は、等間隔になっており、孔の間の間隔は、各孔の長さと実質的 に等しい請求項７から１０のいずれかによるカバー。 １２． 厚みが薄くされたインナーカバーの一部の部分の厚みは、０．５ｍｍ から１ｍｍである前記請求項のいずれかによるカバー。 １３． インナー層におけるスプリットラインは、アウター層におけるスプリ ットラインから２ｍｍから１０ｍｍの間隔をおいてオフセットされている前記請 求項のいずれかによるカバー。 １４． インナー層におけるスプリットラインは、アウター層におけるスプリ ットラインから４ｍｍから６ｍｍの間隔をおいてオフセットされている請求項１ ３に夜カバー。 １５． スプリットラインとインナー層とは、アウター層におけるスプリット ラインから約５ｍｍの間隔をおいてオフセットされている請求項１４によるカバ ー。