JPH104935A - 食肉用液体ソース組成物 - Google Patents

食肉用液体ソース組成物

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JPH104935A
JPH104935A JP8182805A JP18280596A JPH104935A JP H104935 A JPH104935 A JP H104935A JP 8182805 A JP8182805 A JP 8182805A JP 18280596 A JP18280596 A JP 18280596A JP H104935 A JPH104935 A JP H104935A
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meat
liquid
weight
composition
aqueous phase
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JP8182805A
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Hiroshi Ichikawa
比呂志 市川
Kenji Hirasa
建二 平佐
Sumi Motohashi
寿美 本橋
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Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 肉軟化プロテアーゼを含み、その水分活
性値を0.9以下に調整した水相の液面を覆って、液体
油脂層を組成物全体の0.5〜15重量%の割合で形成
し、より好ましくは更に水相にグルタチオンを組成物全
体の0.004〜0.3重量%配合する。 【効果】 本発明の食肉用液体ソース組成物によれば、
その肉軟化効果を長期間に亘って保持することができる
のみならず、味・香味も良好なものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肉軟化プロテアー
ゼが含有され、食肉を軟化させることができる食肉用液
体ソース組成物に関し、更に詳述すると、保存中に肉軟
化プロテアーゼの酵素活性の低下を抑制することがで
き、これにより、長期間に亘り肉軟化効果が維持される
のみならず、味・香味も良好な食肉用液体ソース組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年の
肉消費量の増加に伴い、食肉用液体ソース製品の市場も
年々拡大しているが、現在市場に出回っている各種食肉
用液体ソース製品の組成に関しては、醤油、味噌、味
醂、酒等の発酵調味料、食塩、L−グルタミン酸ナトリ
ウム等の調味料、糖類等を中心に、香辛料や大根おろし
等の野菜や果実で香味特徴を付与し、肉との香味のマッ
チングを訴求したものがほとんどで、肉素材そのものを
柔らかく改質させ、肉料理自体の嗜好レベルを向上させ
るものではない。
【0003】一方、粉末のパパイン、ブロメライン等蛋
白分解酵素を調理前に肉にまぶし、肉を軟化させるとい
う手法は古くから知られており、一部においては工業用
途に活用されているが、粉末という特性上、まぶした時
の均一性が悪いという使用性における問題が挙げられ
る。このような点から、食肉用液体ソース製品中にこれ
らの蛋白分解酵素(肉軟化プロテアーゼ)を配合するこ
とにより、肉素材そのものを柔らかく改質することが考
えられるが、食肉用液体ソース製品中に単に肉軟化プロ
テアーゼを配合しただけでは、保存中に肉軟化プロテア
ーゼの活性が低下し、このため長期保存後にこの食肉用
液体ソース製品を使用しても、肉軟化効果が低下して所
期の目的が達成されないという問題が生じる。
【0004】従来、食肉用液体ソース組成物中へのプロ
テアーゼの配合に関しては、特開平7−51025号公
報(肉軟化用組成物)、特開昭60−256359号公
報(焼き肉用調味料)に提案がある。このうち、特開昭
60−256359号公報の提案は、生醤油や生味噌を
加熱処理せず、これらの有するプロテアーゼを利用する
ものであるが、食肉用液体ソース保存時におけるこれら
の酵素作用の安定化には言及していない。また、特開平
7−51025号公報では、低pH条件下で食肉用液体
ソース組成物中の微生物を静菌化し、更に微粒油脂を配
合することにより酸味の抑制を行うことが提案されてい
るが、提案された食肉用液体ソース組成物は、プロテア
ーゼの肉軟化効果を常温下において長期間維持させるも
のではない。更に、特開平7−298850号公報にお
いては、パパインの活性部位中のSH基を酸化すること
により保存中の劣化を抑制し、使用時に生肉中のシステ
イン等により還元化させる方法が提案されているが、実
際の肉中のシステイン量は、これら酸化した活性部位を
十分還元化させるほど多くは含まれておらず、従って実
際の肉軟化効果も微少である。
【0005】なお、特開平6−141805号公報に
は、プロテアーゼ及びグルタチオンを含有するカラ揚げ
粉が提案されているが、これはカラ揚げの前処理の簡素
化や食感改善を目的として、粉末中にプロテアーゼを配
合するものであり、食肉用液体ソース組成物中へのプロ
テアーゼの安定化配合に関わるものではない。
【0006】一方、液体中に含有された肉軟化プロテア
ーゼに関しては、特開平5−260944号公報にプロ
テアーゼを含む果実を発酵して得られる果実酒の製造法
について記載されているが、これはアルコールの存在下
で肉へのプロテアーゼの浸透をよくすることを目的とす
る果実酒製造法についての提案であり、食肉用液体ソー
ス組成物中での保存安定化に関するものではない。ま
た、特開平7−51064号公報には、パパインを液中
で安定化させる方法が提案されているが、この方法は、
いわゆる液状パパインを提供するための安定化方法であ
り、食肉用液体ソース組成物においてプロテアーゼを安
定化させる方法については何ら記載されていない。
【0007】従って、肉軟化効果を得るべく食肉用液体
ソース組成物に配合した肉軟化プロテアーゼの長期保存
後における酵素活性の低下を可及的に防止する技術の開
発が求められる。この場合、かかる安定化技術において
は、当然のことながら、食肉用液体ソース組成物の味・
香味の低下を避けることが要求される。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、常温での保存下において、肉軟化酵素として配合さ
れたプロテアーゼの酵素活性の低下が抑制されるのみな
らず、味も良好な食肉用液体ソース組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討した結
果、肉軟化プロテアーゼを含有する食肉用液体ソース組
成物の水相の水分活性値を0.9以下に調整すると共
に、液体油脂を特定量配合して水相の液面を油層で覆う
ことにより、肉軟化プロテアーゼの酵素活性の低下を抑
制し得、食肉用液体ソース組成物の味・香味を損なうこ
となく、組成物中に配合された肉軟化プロテアーゼの作
用が長期間における常温保存後においても良好に発揮で
きることを見い出し、本発明をなすに至った。
【0010】即ち、本発明は、肉軟化プロテアーゼを含
み、その水分活性値を0.9以下に調整した水相の液面
を覆って、液体油脂層を組成物全体の0.5〜15重量
%の割合で形成したことを特徴とし、より好ましくは、
更に水相にグルタチオンを組成物全体の0.004〜
0.3重量%配合した食肉用液体ソース組成物を提供す
る。
【0011】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の肉軟化プロテアーゼ含む食肉用液体ソース
組成物は、焼き肉のたれ、焼き鳥のたれ、ステーキ用ソ
ース、スペアリブ用ソースの他、調理前に漬け込みがで
きるあらゆるタイプの肉料理用ソースとして応用するこ
とができる。このような食肉用液体ソースは、調理前に
肉を漬け込み、肉を柔らかくして調理するという使用法
で使われるものであり、これに配合される本発明の肉軟
化プロテアーゼとしては、肉軟化効果を有する公知の蛋
白分解酵素を使用することができ、このような酵素とし
て、例えば強い肉軟化効果を有することが知られている
パパイン、ブロメライン、フィチンのほか、微生物発酵
時に得られる各種プロテアーゼを挙げることができる。
これらは、抽出・精製されたものを使用してもよいが、
これらの酵素を含むパパイヤやパイナップル等をそのま
ま食肉用液体ソース組成物中に配合してもよい。
【0012】これらのプロテアーゼ中でも、60℃にて
5分間加熱殺菌してもその酵素活性が50%以上残存す
る耐熱性肉軟化プロテアーゼが好ましく、このような酵
素として、例えばパパイン、バチルス・コアグランス由
来のプロテアーゼ等を挙げることができる。これらの耐
熱性プロテアーゼは、通常の食肉用液体ソース組成物が
有するpH域に該当するpH3からpH6の間における
安定性にも優れているので、本発明のプロテアーゼとし
て特に好適である。
【0013】本発明の食肉用液体ソース組成物における
プロテアーゼの配合量は、特に制限されるものではない
が、通常、組成物全体に対して精製プロテアーゼとして
0.005〜2重量%が好ましく、特にパパインを配合
する場合、精製パパインとして0.005〜0.8重量
%の範囲とすることが好ましい。精製プロテアーゼ配合
量が0.005重量%未満の場合、肉の軟化効果が明確
ではなく、また、2重量%を超える場合、肉を過度に軟
化させ、ぼろぼろにしてしまうという問題が生じる場合
がある。
【0014】本発明の食肉用液体ソース組成物は、この
ように肉軟化プロテアーゼを配合したものであるが、こ
の場合、その水相の水分活性値が0.9以下、好ましく
は0.88以下になるように調整するものである。ここ
で水分活性値とは、食品中の水の自由度の一指標値であ
り、25℃、1気圧における純粋の蒸気圧をP0、食肉
用液体ソース組成物の蒸気圧をPとすると、水分活性値
w=P/P0により求められるものである。なお、本発
明の組成物は、水相の液面を覆う液体油脂層が形成され
るものであり、ここでいう水分活性値とは、組成物静置
時の油層下の水相におけるものである。このように組成
物の水相の水分活性値を調整する方法は特に制限される
ものではないが、食肉用液体ソース組成物に配合する醤
油等の増量により塩分量を増やす方法や、糖類を増やす
方法等により行うことが好ましい。なお、食肉用液体ソ
ース組成物の甘さをあまり強くすることが好ましくない
場合は、単糖であって、甘味度が比較的低いグルコース
やソルビット等を高割合で配合することにより、組成物
の水相の水分活性値を下げることも可能である。
【0015】本発明の食肉用液体ソース組成物は、その
水相の水分活性値が低いほど組成物中の肉軟化プロテア
ーゼの活性は保持されるが、水分活性値が0.9を超え
ると、長期保存後の肉軟化プロテアーゼの活性低下が生
じる上、製造上での殺菌対象となる微生物が真菌以外に
細菌類にまで拡大されるため、さらに高温での殺菌処理
が必要となり、殺菌処理によるプロテアーゼの活性低下
が大きくなる。なお、本発明の食肉用液体ソース組成物
の水相の水分活性値の下限は特に制限されるものではな
いが、通常の食肉用液体ソース組成物の場合、水分活性
値を0.7以下に調整することは味や香味及びソースの
物性等の点から困難である。
【0016】本発明の食肉用液体ソース組成物は、上記
のように水相の水分活性値を調整することによって、組
成物中の肉軟化プロテアーゼの活性を保持するものであ
るが、更に液体油脂を所定量配合することによって、保
存時の食肉用液体ソース組成物の水相の液面を覆う油層
を形成し、この油層によって組成物中の肉軟化プロテア
ーゼが空気に接触することをある程度防ぐことにより、
本発明の目的を確実に達成させるものである。
【0017】ここで、液体油脂としては、特にその種類
が制限されるものではなく、常温で液体状態であり、食
用に使用されている公知のものを使用することができ、
例えばゴマ油、菜種油、綿実油、オリーブ油、大豆油、
サフラワー油、ひまわり油、コーン油、こめ油、落花生
油、ぶどう油、小麦はい芽油、ニガー油、カポック油、
パーム油、パーム核油、やし油等を挙げることができ
る。
【0018】本発明の食肉用液体ソース組成物における
液体油脂の配合量は、組成物全体に対して0.5〜15
重量%であり、好ましくは1〜10重量%である。液体
油脂の配合量が少なすぎると油層が組成物上に十分に形
成されず、多すぎると組成物中における油脂成分が過剰
となって食肉用液体ソース組成物の味・香味バランスを
崩してしまうという問題が生じる。なお、液体油脂によ
る油層厚さは、全体の1/100〜1/10程度である
ことが望ましい。
【0019】なお、同様の理由により、本発明の食肉用
液体ソース組成物中に配合されたプロテアーゼに対する
液体油脂の配合割合は、重量比としてプロテアーゼ/液
体油脂=1/400〜1/4、特に1/100〜1/1
0であることが好ましい。
【0020】本発明の食肉用液体ソース組成物には、必
要に応じて水相にグルタチオンを所定量配合することが
できる。配合するグルタチオンとしては、特にその種
類、由来が制限されるものではなく、公知のものを使用
することができ、例えば動物組織や酵母等より抽出精製
したものや、合成により製造された純度の高いグルタチ
オン等を挙げることができるが、グルタチオンを多く含
有する酵母エキスや肝臓エキスをそのまま配合してもよ
い。これらの中では、特に食肉用液体ソース組成物との
香味相性を考慮すれば、香味相性のよい酵母エキスが好
適に使用される。
【0021】ここで、グルタチオンを配合する場合、そ
の配合量は、組成物全体に対してグルタチオン含量とし
て0.004〜0.3重量%、特に0.01〜0.2重
量%の範囲で配合すると効果的である。ここで、例えば
グルタチオン含量が8重量%の酵母エキスを使用する場
合は、その酵母エキス配合量として0.05〜3.75
重量%、好ましくは0.125〜2.5重量%の範囲で
配合すると効果的である。グルタチオン含量として0.
004重量%未満であるとグルタチオン配合による明確
な酵素活性保持効果が得られず、0.3重量%を超える
と旨味成分が過剰になり、食肉用液体ソース組成物の味
・香味バランスを崩してしまうという問題が生じる。特
に酵母エキスの場合、グルタチオン含量相当で0.3重
量%を超えると旨味過剰だけでなく酵母特有の臭みが強
くなるという問題が生じる。
【0022】本発明の食肉用液体ソース組成物には、更
に、通常食肉用液体ソース組成物の成分として配合され
る各種成分を本発明の効果を妨げない範囲で適宜配合す
ることができる。このような成分として、例えば醤油、
各種糖類、酸味料、味噌、味醂,酒等の発酵調味料、食
塩、各種香辛料、アミノ酸、アスコルビン酸及びその塩
類、色素、澱粉、増粘多糖類、香料、にんにく,ねぎ,
たまねぎ,トマト,ニンジン等の野菜、リンゴ,パイナ
ップル,レモン,バナナ等の果実等を挙げることができ
る。なお、果実、野菜に関してはエキス、ジュース、ピ
ューレー、ペースト、粉末のいずれの形態のものでも使
用することができる。
【0023】なお、本発明の食肉用液体ソース組成物の
水相のpHは特に制限されるものではないが、通常pH
3〜6であることが好ましい。この範囲以外では、酸味
が生じる等、味・香味の面で満足が得られない場合があ
る。
【0024】本発明の食肉用液体ソース組成物の製造方
法は、特に制限されるものではなく、上記各成分を適宜
配合し、公知の食肉用液体ソース組成物の製造方法によ
って製造することができる。
【0025】
【発明の効果】本発明の食肉用液体ソース組成物によれ
ば、肉軟化プロテアーゼを含む組成物の水相の水分活性
値を下げることによって酵素同士の作用によるいわゆる
「自己消化」作用を弱めることができ、更に液体油脂の
配合によって組成物の水相の液面を覆う油層を形成して
肉軟化プロテアーゼに対する酸素の関与を低減化させる
ことができるので、プロテアーゼの肉軟化効果を長期間
に亘って保持することができるのみならず、食肉用液体
ソース組成物としての味・香味も良好なものである。
【0026】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0027】[実施例1、2](液体油脂の影響)食肉用液体ソース組成物の調製 濃口醤油49重量%、グラニュー糖24重量%、味醂9
重量%、酒3重量%、リンゴペースト4重量%、唐辛子
0.3重量%、クエン酸0.4重量%、アスコルビン酸
ナトリウム0.2重量%、おろしにんにく4重量%、ネ
ギエキス4重量%にパパイン0.1重量%及び酵母エキ
ス0.04重量%を加え、更にゴマ油0.5重量%を配
合した後、水を加えて全量が100重量%になるように
調製したものを63℃にて30分間殺菌し、その後、冷
水下で冷却した後に口径45mm、内径40mmのガラ
スボトルに密閉して水相の液面が0.8mmの油層で覆
われたものを実施例1とした。また、濃口醤油41.5
重量%、グラニュー糖20重量%、味醂7.5重量%、
酒2.6重量%、リンゴペースト3.5重量%、唐辛子
0.25重量%、クエン酸0.35重量%、アスコルビ
ン酸ナトリウム0.17重量%、おろしにんにく3.5
重量%、ネギエキス3.5重量%にパパイン0.1重量
%、酵母エキス0.04重量%を加え、更にゴマ油15
重量%を配合した後、水を加えて全量が100重量%に
なるように調製したものを63℃にて30分間殺菌し、
その後、冷水下で冷却した後に口径45mm、内径40
mmのガラスボトルに密閉して水相の液面が24mmの
油層で覆われたものを実施例2とした。
【0028】なお、これらの実施例では、酵母エキスと
してはグルタチオン含量が8重量%以上の粉末タイプの
ものを使用した。また、それぞれの水相の水分活性値
(水分活性値はロトニック社の水分活性測定機を用いて
25℃で測定した。)はいずれも0.85であり、pH
は4.4であった。
【0029】[比較例1〜3]実施例1において、ゴマ
油を配合しなかった(液体油脂配合量0%)以外は実施
例1と同様に調製したものを比較例1とした。また、実
施例2において、醤油配合量、ゴマ油配合量をそれぞれ
38重量%、19重量%に代えた以外は実施例2と同様
に調製したものを比較例2とした。更に、実施例1にお
いて、ゴマ油配合量を0.4重量%に代えて油層の層厚
さを0.6mmとした以外は実施例2と同様に調製した
ものを比較例3とした。なお、殺菌・冷却処理及び密閉
処理は実施例1、2と同様に行った。
【0030】評価方法 上記各組成物を35℃で保存し、0、4、6週間保存し
た後に、それぞれを牛肉に作用させ、160℃で1分間
焼き上げた肉の硬さを官能評価及びテクスチャロメータ
ー(SMS社 TA−XT2テクスチャーアナライザ
ー)によって測定した。なお、牛肉への作用方法として
は、厚さ3mmの牛もも肉100重量部に対し、各ソー
ス(組成物)30重量部を漬け込み、室温で1時間放置
した後、パパインを作用させる方法を採用した。
【0031】肉の硬さに対する官能評価は、パパインを
含まないソースに上記と同様に漬け込んだものをブラン
クとし、ブランクと硬さを比較することによって5段階
にて評価を行う方法を採用した。なお、評価基準は以下
の通りである。評価ポイント 評価基準 1 ブランクと同程度の硬さ 2 若干柔らかい(比較してわかる程度) 3 柔らかい 4 かなり柔らかい 5 非常に柔らかい
【0032】また、肉軟化性の客観的評価は、焼き上げ
た幅30mm、厚さ3mmの肉を切断するときの最大荷
重をテクスチャロメーターで測定し、ブランクの肉の場
合の最大荷重との比を下記式により求めた。この比の値
は、1に近いほどブランクの肉に近い、つまり肉が硬い
ことを示しており、また0に近いほど肉が軟化している
ことを示す。なお、ブランクの肉としては、上記測定に
よる硬さが5000〜5400gのものを使用した。
【0033】
【数1】
【0034】次に、味・香味について、保存初発のサン
プルの香味を4段階で絶対評価を行った。評価の基準は
以下の通りである。 ◎:良好な味・香味 ○:油脂香味が若干強すぎるが良好な味・香味(許容
内) △:油脂香味がやや強すぎる(許容外) ×:油脂香味がかなり強すぎる(許容外) 上記の結果を表1に示す。なお、表中の%は、重量%で
ある。
【0035】
【表1】
【0036】表1によれば、実施例1及び実施例2の食
肉用液体ソース組成物は、35℃での保存テストで6週
間経過後、つまり常温相当の長期保存後においても確実
に肉を軟化させるだけの酵素活性を保持し得るものであ
る。これに対し液体油脂を含有しないか、その含量が少
なすぎて水相の液面が油層で十分に覆われない場合(比
較例1、3)、保存初期において肉軟化効果は強いもの
の、強制劣化テスト中に効果が弱くなってしまうことが
認められる。また、液体油脂の含量が多すぎる場合(比
較例2)、保存中の肉軟化効果は保持されるものの、味
・香味における油脂感が強すぎて香味的に劣ってしまう
という問題点がある。
【0037】[実施例3](水分活性値による影響) 濃口醤油48重量%、グラニュー糖20重量%、味醂1
0重量%、酒3重量%、リンゴペースト6重量%、唐辛
子0.3重量%、クエン酸0.4重量%、アスコルビン
酸ナトリウム0.2重量%、おろしにんにく3重量%、
ネギエキス4重量%、パパイン0.1重量%、実施例1
と同様の酵母エキス0.04重量%となるように各成分
を配合すると共に、ゴマ油を3重量%となるように加
え、更に水を加えて全量が100重量%になるように調
製した後、実施例1と同様の殺菌・冷却処理を施したも
のを同様のガラスボトルに密閉し、水相の液面が5mm
の油層で覆われたものを実施例3とした。この時の水相
の水分活性値は0.86、pHは4.2であった。
【0038】[比較例4](水分活性値による影響) 実施例3において、濃口醤油を39重量%、グラニュー
糖を10重量%に代えた以外は、実施例3と同様にして
食肉用液体ソースを調製した。この時の水相の水分活性
値は0.92、pHは4.3であった。なお、殺菌・冷
却処理及び密閉処理は実施例1と同様に行った。
【0039】[実施例4](酵母エキスの影響) 実施例3において酵母エキスを0.6重量%に代えた以
外は、実施例3と同様にして食肉用液体ソースを調製し
た。この時の水相部の水分活性値は0.86、pHは
4.2であった。なお、殺菌・冷却処理及び密閉処理は
実施例1と同様に行った。
【0040】[実施例5]実施例3において酵母エキス
を配合しなかった以外は、実施例3と同様にして食肉用
液体ソースを調製した。この時の水相部の水分活性値は
0.86、pHは4.2であった。なお、殺菌・冷却処
理及び密閉処理は実施例1と同様に行った。
【0041】[比較例5]濃口醤油28重量%、グラニ
ュー糖12重量%、味醂5重量%、酒3重量%、リンゴ
ペースト8重量%、唐辛子0.3重量%、クエン酸0.
4重量%、アスコルビン酸ナトリウム0.2重量%、お
ろしにんにく3重量%、ネギエキス4重量%にパパイン
0.1重量%、実施例1と同様の酵母エキス0.04重
量%となるように各成分を配合し、更に水を加えて全量
が100重量%となるように調製した。この時の水分活
性値は0.95、pHは4.3であった。なお、殺菌・
冷却処理及び密閉処理は実施例1と同様に行った。評価方法 上記各組成物について上記実施例1、2及び比較例1〜
3と同様の評価方法による評価を行った。結果を表2に
示す。なお、表中の%は、重量%である。
【0042】
【表2】
【0043】表2によれば、実施例3〜5の組成物は、
保存テスト6週間経過後においても肉軟化効果を保持す
るものであるのに対し、水分活性値が本発明の値より高
い組成物(比較例4)、更に油脂も配合しない組成物
(比較例5)は、各実施例と同様に保存初期においては
軟化効果は強いものの、保存テスト4週間後の段階でほ
ぼ効果を失ってしまうものになっていることが認められ
る。また、比較例4、5では、無菌的に配合を行ってい
るため63℃と比較的低温での殺菌処理を行っている
が、本来、このように水分活性が高い食肉用液体ソース
組成物の場合、70℃以上の殺菌が必要であり、そのた
め本来ならば、比較例4、5の食肉用液体ソース組成物
の肉軟化効果は保存前から低くなるものである。なお、
実施例3、実施例4及び実施例5を比較すると、酵母エ
キスの配合により保存テスト6週間後における肉軟化効
果を強く保持できることが認められる。なお、味・香味
の評価結果は実施例、比較例ともに良好であった。
【0044】以上の評価結果からも明らかなように、肉
軟化プロテアーゼを配合する食肉用液体ソース組成物に
おいて、水相の水分活性値を低く調整すると共に、所定
量の液体油脂を配合して、水相の液面を油層で覆うこと
により、食肉用液体ソース組成物中のプロテアーゼによ
る肉軟化効果を失うことなく、該食肉用液体ソース組成
物を長期間保持できることが確認された。また、その保
持効果は、更にグルタチオンを配合することによって、
より優れたものとなることが確認された。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 肉軟化プロテアーゼを含み、その水分活
    性値を0.9以下に調整した水相の液面を覆って、液体
    油脂層を組成物全体の0.5〜15重量%の割合で形成
    したことを特徴とする食肉用液体ソース組成物。
  2. 【請求項2】 更に水相にグルタチオンを組成物全体の
    0.004〜0.3重量%配合した請求項1記載の食肉
    用液体ソース組成物。
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