JPH1048786A - 写真処理方法 - Google Patents

写真処理方法

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JPH1048786A
JPH1048786A JP20830996A JP20830996A JPH1048786A JP H1048786 A JPH1048786 A JP H1048786A JP 20830996 A JP20830996 A JP 20830996A JP 20830996 A JP20830996 A JP 20830996A JP H1048786 A JPH1048786 A JP H1048786A
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孝一 住岡
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信 高木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハロゲン化銀写真感光材料の自動現像機の処理
時、現像液に定着液が混じった時に発生するカブリ(溶
解物理現像カブリ)を、写真特性に悪影響を及ぼすこと
なく抑制する。 【解決手段】支持体上に少なくとも30モル%が塩化銀
からなるハロゲン化銀乳剤層を少なくとも一層有する感
光材料の処理において、下記化1で表される化合物の存
在下で現像及び定着処理されることを特徴とする写真処
理方法。 【化1】 式中Lはアルキレン基を表す。R1は下記化2または化
3で示される基を表す。Mは水素原子、アルカリ金属ま
たはアンモニウム基を表す。 【化2】 式中R2は水素原子、アルキル基を表し、R3はアルキル
基を表す。また互いに連結してアルキレン鎖となり、環
を形成していても良い。 【化3】 式中Zは少なくとも1個の酸素原子を有する複素環を形
成するのに必要な原子群を表す

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、現像及び定着処理
される白黒ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法に関す
るもので、詳しくは感光材料が現像液から定着液に入る
際に発生するカブリを防止する処理方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般にハロゲン化銀写真感光材料は現
像、停止、定着、水洗の工程で処理されているが、近
年、自動現像機による迅速高温処理が広く行われてい
る。自動現像機処理では、感光材料は現像槽からすぐに
定着槽に搬送され、停止槽が用いられないのが一般的で
ある。従って現像槽で現像された感光層は、親水性コロ
イド層中及びその表面に現像液成分を含んだまま定着槽
へ搬送される。この時感光層中で、現像液成分と定着液
成分とが混合する状態が一時的に起こり、感光層中の未
現像のハロゲン化銀部にむら状のカブリが発生する場合
があることが知られている。これらのことについては
「写真の化学」(笹井明著、写真工業出版社)の21
9、305ページに2色カブリ等の表現で記載されてい
る。このカブリ(以下、溶解物理現像カブリと記す)
は、現像液がハロゲン化銀の溶剤(例えば定着液成分な
ど)を含有している場合に、溶解物理現像によって、感
光層中に存在している物理現像核上に(この核はゼラチ
ン中の還元性物質と銀イオンとの反応で作られることが
多い)極微粒子の銀が生成するために発生すると考えら
れている。
【0003】このカブリは現像液の組成に大きく影響さ
れる。特に3−ピラゾリドン及びアミノフェノール系現
像主薬を用いた時に発生しやすい。またハロゲン化銀乳
剤の組成にも影響され、一般に塩化銀含有率が高くなる
につれて発生しやすくなる。そして、現像液の亜硫酸塩
濃度やpHにも影響され、pHが10以上になると発生
が顕著になってくる。カブリの発生は感光材料の全面又
は部分的にムラ状に発生し、その色は黒、黄褐色、ピン
ク色とさまざまである。従来からこのカブリを抑制する
ために、種々の写真用添加剤が提案されてきており、特
開平7−301882号等に記載されているメルカプト
基を有するヘテロ環化合物類や、特公平7−31386
号等に記載されているニトロ基を有する有機化合物など
が知られている。
【0004】しかしながらこれらの化合物は、ハロゲン
化銀写真感光材料や現像液中に含有させると著しい感度
の変化、調子の軟調化及び最高濃度の低下及び保存性の
悪化等、写真特性に悪影響を与えるものが多かった。ま
た予め被らされた直接ポジ用ハロゲン化銀感光材料の場
合は、感光層に存在するカブリ核が物理現像核となるた
め、ネガ感材と比較して溶解物理現像カブリが起こりや
すいが、これらの化合物の存在が感度の低下を引き起こ
し、時には反転不良を引き起こすことがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、ハロゲン化銀乳剤層を有する白黒感光材料を現像及
び定着処理する際に発生する溶解物理現像カブリを抑制
する処理方法を提供することにある。また、本発明の第
二の目的は、予め被らされた直接ポジ用白黒ハロゲン化
銀感光材料を現像及び定着処理する場合でも写真特性に
悪影響を与えることなく溶解物理現像カブリを抑制する
処理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の目的は、
支持体上に少なくとも30モル%が塩化銀からなるハロ
ゲン化銀乳剤層を少なくとも一層有する感光材料の処理
において、前記化1で表される化合物の存在下で現像及
び定着処理されることを特徴とする写真処理方法によっ
て達成された。また本発明の第二の目的は、直接ポジ用
白黒ハロゲン化銀感光材料の処理において、前記化1で
表される化合物の存在下で現像及び定着処理することを
特徴とする写真処理方法によって達成された。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、化1の化合物の
存在下で現像及び定着処理するとは、溶解物理現像カブ
リ発生のメカニズム(すなわち、現像処理から定着処理
に入った時点で、感光材料の乳剤層に現像液と定着液が
混在する状態において、定着剤の作用の下で現像が進行
するときに発生する)から、溶解物理現像カブリを抑制
する化1の化合物を感光材料中、現像液中及び/または
定着液中に含有させて現像及び定着処理を行うというこ
とを意味する。本発明の好ましい形態において、化1で
表される化合物は、感光材料中または現像液中に含有さ
れる。感光材料中に含有させる場合は、ハロゲン化銀乳
剤層が塗布されている側の層、例えばハロゲン化銀乳剤
層、下引層、中間層、保護層等に添加する。
【0008】本発明の化合物の使用量は、現像液又は定
着液に添加される場合には、使用液1リットル当たり1
mgから1000mgの範囲の添加量で、好ましくは、10
mgから500mgである。又、写真層に含有させる場合に
は1m2当たり0.1mgから100mgの範囲の含有量
で、好ましくは1mgから20mgである。
【0009】本発明の化合物をハロゲン化銀乳剤中に添
加する場合は、化学熟成後に添加するのが好ましく、水
あるいはメタノール、エタノール、アセトン、ジメチル
ホルムアミド等の水と混和しうる有機溶剤に溶解の後添
加すればよい。
【0010】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
その組成が塩化銀含有率30モル%以上のものであり、
好ましくは50モル%以上、特に好ましくは60モル%
以上の塩化銀含有率からなる塩臭化銀、塩よう臭化銀乳
剤や塩化銀乳剤である。それらの粒子サイズは0.05
〜1.0μ、好ましくは0.1〜0.3μである。粒子
サイズの分布は広くてもよいが、好ましくは狭く、単分
散である方が良い。結晶形も不規則なものでもよいが、
立方体、八面体等の規則的なものが好ましい。
【0011】さらにハロゲン化銀粒子は、化学熟成を施
しても良いし、施さなくても良い。本発明の化合物を感
光材料中に含有させる場合の添加時のpHは3〜10、
好ましくは4〜8である。
【0012】次に化1の化合物について説明する。式中
Lはアルキレン基(例えばメチレン、エチレン、プロピ
レンなど)を表す。うち好ましいものは、炭素数3個以
下のものであり、特にメチレン基が好ましい。R1は前
記化2または化3で示される基を表す。Mは水素原子、
アルカリ金属(例えばナトリウム、カリウムなど)また
はアンモニウム基(例えばアンモニウム、テトラメチル
アンモニウム、テトラエチルアンモニウムなど)を表
す。また、L及びR1は当業界で周知の種々の置換基を
有していても良いが、カルボキシ基、スルホ基などの水
溶性基を有さないことが好ましい。
【0013】化2の式中R2は水素原子、アルキル基
(例えばメチル、エチル、プロピル、n−ブチル基な
ど)、アルケニル基(例えばアリル基など)、アルキニ
ル基(例えばプロパルギル基など)を表し、R3はアル
キル基(R2のアルキル基に同義)、アルケニル基(R2
のアルケニル基に同義)、アルキニル基(R2のアルキ
ニル基に同義)を表す。うち好ましいものは、炭素数2
〜4個のアルキル基、アルケニル基であり、特にR2
3が同時にエチル、またはアリル基であるもの、及び
2が水素原子、R3がn−ブチル基の組み合わせである
ものが好ましい。また互いに連結して環を形成していて
も良い。この場合好ましいものは、4〜7員環であり、
特に5または6員環のものが好ましい。
【0014】化3の式中Zは少なくとも1個の酸素原子
を有する複素環を形成するのに必要な原子群を表す。う
ち好ましいものは、5または6員環であり、特にフラン
環、テトラヒドロフラン環が好ましい。以下に化1で表
される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】以下に、本発明の化合物の代表的な合成例
を述べる。
【0019】5−メルカプト−(1H)−テトラゾリル
酢酸ナトリウム塩9.1g、ジエチルアミン塩酸塩6.
6g、トリエチルアミン6.1g、アセトニトリル20
0mlとを混合し、室温撹拌下にジシクロヘキシルカル
ボジイミド12.4gを加えた。そのまま室温にて24
時間反応後、不溶物を濾別し、濾液を減圧乾固した。つ
いで残査に水100ml、水酸化ナトリウム3gを加
え、不溶物を濾別し、その濾液を酢酸エチル100ml
で洗浄した。ついで水層に濃塩酸10mlを加え、酢酸
エチル100mlにて抽出を行った。この抽出液を飽和
食塩水にて洗浄(100ml×2回)、乾燥(無水硫酸
マグネシウム)後、減圧乾固し、7.5gのT−3を得
た。(融点137〜138.5℃)
【0020】5−メルカプト−(1H)−テトラゾリル
酢酸ナトリウム塩9.1g、ジアリルアミン塩酸塩5.
3g、トリエチルアミン6.1g、アセトニトリル20
0mlとを混合し、室温撹拌下にジシクロヘキシルカル
ボジイミド12.4gを加えた。以下、上記と同様の処
理を行って、5.5gのT−5を得た。(融点128〜
130℃)
【0021】アジ化ナトリウム水溶液(12.5g/2
0ml)中に、室温撹拌下、フルフリルイソチオシアナ
ートエタノール溶液(17.8g/120ml)をゆっ
くりと加えた。ついで浴温を上昇させ、2時間加熱環流
を行った。次に、反応混合物を水200ml中にあけ、
酢酸エチルにて洗浄後(150ml×4回)、水層に濃
塩酸20mlを加えた。この水層から酢酸エチル100
mlにて抽出を行ない、抽出液を飽和食塩水にて洗浄
(100ml×2回)、乾燥(無水硫酸マグネシウム)
後、減圧乾固し、6.5gのT−16を得た。(融点7
6.5〜78.5℃)
【0022】本発明の実施に用いられるハロゲン化銀粒
子の保護コロイド用、及び結合剤としては、ゼラチンが
一番好ましいが、ゼラチン以外の高分子化合物(例え
ば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポ
リアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルイミダ
ゾール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸、ポ
リスチレンスルホン酸、ポリビニルピリジン、メチルセ
ルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース等のセルロース誘導体及びそれらのモノ
マーの共重合体等)でゼラチンの一部又は全部を置き換
えることができる。
【0023】使用されるゼラチンはアルカリ処理、酸処
理ゼラチン(等イオン点5〜9)、酸素処理ゼラチン、
低カルシウム含有量ゼラチン(含有量100ppm以
下)、高ゼリー強度ゼラチン(PAGI法ゼリー強度2
70以上)、ゼラチン誘導体(例えばフタル化ゼラチ
ン、カルバモイル化ゼラチン等の化学修飾ゼラチン)等
が用いられる。
【0024】又、結合剤の一部として寸法安定性を改良
するために、ポリマーラテックスを使用することができ
る。ポリマーラテックスとしては例えばポリ酢酸ビニ
ル、ポリアクリル酸メチル、エチル、ブチル等のポリア
クリル酸系、ポリメタアクリル酸メチル、エチル、ブチ
ル等のポリメタアクリル酸系、ポリスチレン系、ポリブ
タジエン系等及びそれらのモノマーの共重合体等があ
る。ポリマーラテックスの粒径及びガラス転移点等の物
性は特に制限されないが、粒径は1μ以下、ガラス転移
点は50℃以下のものが望ましい。
【0025】本発明の実施に於いて、写真層に400n
m〜700nmに吸収波長をもつ染料を用いることがで
きる。これらの染料は、乳剤層、保護層、中間層、下引
層、裏塗層に添加することができる。特に明室用ハロゲ
ン化銀感光材料では、明室下でのセーフライト性を改良
するために、ハロゲン化銀の可視光領域の感光性を低下
あるいはカットすることが必要で、吸収極大を400〜
550nmに有する染料で、感光材料の現像処理中に溶
出されるか又は処理液中のアルカリや還元剤等によって
消色されるものが望ましい。これらの染料についてはオ
キソノール染料、アゾ染料、ベンジリデン染料、メロシ
アニン染料、スチリル染料、キノリン染料等があげられ
る。特開昭59−154439号、同58−17663
5号、同58−215643号、同52−20822
号、同49−5616号には400〜700nmに吸収
極大をもつ染料が示されている。その使用量は各含有す
る層(例えば保護層、裏塗層等)で1m2当たり0.0
2〜0.3g、好ましくは0. 05〜0.2gの範囲
で使用することができる。
【0026】本発明の実施に於いて分光増感剤及び有機
減感剤を用いることができる。分光増感染料としては、
公知の染料例えばジメチン染料、トリメチンシアニン染
料、ハロゲン置換ヒドロキシフタレイン染料、フェナジ
ン染料、ベンゾチアゾール、ベンゾセレナゾール核を含
むシアニン染料、ナフトオキサゾール核を含むシアニン
染料、トリフェニルメタン系染料、インドレニン核を含
むシアニン染料、チアゾールを核を含むシアニン染料等
を使用することができる。
【0027】有機減感剤としては、酸化電位と還元電位
の和が正であるものが減感剤として有効である。これら
の減感剤として特に公知のものは、ピナクリプトールイ
エロー、ピナクリプトールグリーン、フェノサフラニ
ン、5−ニトロベンゾトリアゾール等があり、特開昭5
4−115219号等に記載されている有機減感剤も使
用することができる。
【0028】本発明の実施に於いて、ハロゲン化銀感光
材料には公知の添加剤を添加することができる。安定剤
としてはメルカプト化合物、ベンゾトリアゾール化合
物、オキサゾール化合物等、硬膜剤としては特に制限は
ないが、アルデヒド化合物、2−ヒドロキシ−4,6−
ジクロロ−1,3,5−トリアジン、N−メチロール化
合物、ビニスルホン系化合物等、塗布助剤としてはサポ
ニン、アルキレンオキサイド系、グリシドール系のノニ
オン界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、硫
酸エステル基、リン酸エステル基などの酸性基を含むア
ニオン活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類等の両
性界面活性剤、ポリアルキレンオキシド化合物等が使用
される。
【0029】本発明の実施に於いて用いられる支持体
は、例えばガラス、フィルムベース例えばセルロースア
セテート、ポリエチレンテレフタレート、バライタ紙、
レジンコート紙、アルミ箔等が使用できる。
【0030】本発明のハロゲン化銀感光材料には、その
他必要に応じて増白剤、紫外吸収剤、マット剤、帯電防
止剤等を含有することができる。
【0031】本発明の現像液に用いる現像主薬として
は、ジヒドロキシベンゼン系現像主薬例えばハイドロキ
ノン、クロロハイドロキノン、ブロムハイドロキノン、
イソプロピルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、
2,3−ジクロロハイドロキノン、2,5−ジクロロハ
イドロキノン、2,3−ジブロモハイドロキノン、2,
5−ジメチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノスル
ホネートなどがあるが特にハイドロキノンが好ましい。
【0032】本発明には3−ピラゾリドン系及び又はP
−アミノフェノール系現像主薬を用いる。3−ピラゾリ
ドン系現像主薬としては1−フェニル−3−ピラゾリド
ン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリド
ン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル
−3−ピラゾリドン、1−フェニル−5−メチル−3−
ピラゾリドン、1−p−アミノフェニル−4,4−ジメ
チル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−4,4−ジ
メチル−3−ピラゾリドンなどがある。本発明に用いる
p−アミノフェノール系現像主薬としてはN−メチル−
p−アミノフェノール、N−(β−ヒドロキシエチル)
−p−アミノフェノール、N−(4−ヒドロキシフェニ
ル)グリシン、2−メチル−p−アミノフェノール、p
−ベンジルアミノフェノール等があるが、なかでもN−
メチル−p−アミノフェノールが好ましい。
【0033】さらに現像主薬としてアスコルビン酸及び
その誘導体を用いることができる。アスコルビン酸及び
その誘導体は単独又はジヒドロキシベンゼン系現像主薬
及び又は3−ピラゾリドン系やP−アミノフェノール系
現像主薬と併用することができる。
【0034】現像主薬は通常0.03モル/L〜1.0
モル/Lの量で用いられるのが好ましい。またジヒドロ
キシベンゼン類と1−フェニル−3−ピラゾリドン類又
はp−アミノフェノール類との組合せを用いる場合には
前者を0.1モル/L〜1.0モル/L、後者を0.0
01〜0.1モル/Lの量で用いるのが好ましい。
【0035】本発明に用いる亜硫酸塩の保恒剤としては
亜硫酸塩類、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウ
ム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、ホル
ムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムなどがある。使用量は
0.2モル/L以上で、好ましくは0.3モル/L〜
1.0モル/Lの範囲である。本発明の効果は0.2モ
ル/L以上で特に効果を現す。
【0036】現像液には、その他必要により緩衝剤(例
えば、炭酸塩、ほう酸、ほう酸塩、アルカノールアミ
ン、スルホサリチル酸)、アルカリ剤(例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、溶
解助剤(ポリエチレングリコール類、これらのエステ
ル)、pH調整剤(例えば、酢酸の如き有機酸)、現像
促進剤、界面活性剤、硬膜剤などを含有させることがで
きる。
【0037】現像液には更にカブリ防止剤(例えば、5
−ニトロインダゾール、5−ニトロ−ベンツイミダゾー
ル、5−メチル−ベンゾトリアゾール、5−ニトロベン
ゾトリアゾールの如きベンゾトリアゾール、ベンゾチア
ゾール、1−フェニル−5−メルカプト−テトラゾール
の如きテトラゾール、チアゾール或は英国特許第1,2
69,268号に記載の化合物など)、キレート化剤
(例えば、エチレンジアミン四酢酸、これらのアルカリ
金属塩、ポリリン酸塩、ニトリロ酢酸塩)を含有させる
ことができる。
【0038】上記成分以外に用いられる添加剤として
は、臭化ナトリウム、ヨウ化カリウムのような現像抑制
剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ジメチルホルムアミド、メチルセ
ロソルブ、ヘキシレングリコール、エタノール、メタノ
ールのような有機溶剤を含んでもよく、更に必要に応じ
て色調剤、消泡剤、硬水軟化剤、特開昭56−1062
44号記載のアミノ化合物などを 含んでもよい。
【0039】この様にして調整された現像液のpH値は
所望の濃度とコントラストをあたえるに充分な程度に選
択されるが、約10〜13の範囲にあることが望まし
い。特に本発明は、pH10〜12.5の範囲において
好適である。
【0040】本発明の処理において用いることの出来る
自動現像機としては、大日本スクリーン製造(株)製L
D281Q、LD360、LD381、富士写真フィル
ム(株)製FG680A、FG950A、FG710A
等があるが自動現像機の種類に限定されない。これら自
動現像機を用いて処理する場合、現像液を補充し長期に
わたって処理することが出来る。一般に補充は感光材料
の処理に伴う補充(処理補充)と空気酸化に伴う補充
(酸化補充)に分けられるが、本発明の現像液は特に補
充方法の制限を受けずに、処理補充、酸化補充の両方を
行うことができる。処理補充量は通常60〜500ml/m
2の範囲で用いることが出来るが、環境対応上現像廃液
量を減少させるため出来るだけ少なくする方がよい。通
常好ましくは100〜200ml/m2の補充量になるよう
成分濃度を上げる等の現像液の組成を構成すればよい。
【0041】感光材料の現像処理温度及び時間は相互に
関係し、且つ全処理時間との関係において決定され、一
般に約20〜50℃で10秒〜3分であるが、高速迅速
処理の場合には約30〜50℃で10秒から40秒であ
る。
【0042】本発明に用いられるハロゲン化銀感光材料
は、黒白写真材料(例えば、医療用または工業用X線写
真材料、リス型写真材料などの写真製版用感光材料、マ
イクロ写真材料、X線用マイクロ反転写真材料、電算写
植用ペーパー、一般撮影用ネガ写真材料、印画紙など)
がある。
【0043】本発明に用いられる直接ポジ用ハロゲン化
銀乳剤は表面が予め被らされたものである。一般に直接
ポジ用ハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子内部にロ
ジウム、イリジウム、ルテニウム、オスニウム、レニウ
ム、化学熟成による内部潜像核等の内部電子トラップ核
を有し、粒子表面が被らされたタイプと、内部に電子ト
ラップ核を有さずに、粒子表面に電子トラップ能をもつ
有機減感剤(例えばピナクトールイエロー等)を吸着さ
せ、表面を被らされたタイプとがあるが、本発明の化合
物は上記両者のタイプに用いても効果がある。被らせの
方法は公知の方法によればよく、光あるいは化学的に行
えばよい。化学的にはチオ尿素ジオキサイドや塩化錫の
ような還元剤や金及び貴金属類で被らせることができ
る。また本発明に用いられる直接ポジ用ハロゲン化銀乳
剤の組成は特に限定されないが、臭化銀あるいは塩化
銀、塩臭化銀が好ましい。
【0044】
【実施例】以下の実施例により具体的に説明するが、こ
れにより本発明の実施の態様が限定されるものではな
い。
【0045】実施例1 現像液の調整 下記に示すように現像液を調製した。 水 600ml 亜硫酸ナトリウム 40g 炭酸カリウム 30g ハイドロキノン 17g アスコルビン酸ナトリウム 5g 1-フェニル-4-ヒト゛ロキシメチル-4-メチル-3-ヒ゜ラソ゛リト゛ン 0.7g ベンゾトリアゾール 0.2g 臭化カリウム 1.5g エチレンシ゛アミン四酢酸ニナトリウム塩 1g 水を加えて1リットルとしてKOHでpHを10.50(25℃)に合わせた 。
【0046】そして上記の現像液(D−1)に、さらに
比較化合物化7と本発明の化合物を表1に示した量添加
した現像液(D−2)〜(D−9)を調製した。
【0047】
【化7】
【0048】
【表1】
【0049】ハロゲン化銀感光材料の調製−1 pAgコントロールダブルジェット法により、ロジウム
を含有する平均粒子径0.25ミクロンの立方体単分散
の塩臭化銀乳剤を調製し、フロキュレーション法により
脱塩、水洗、再溶解した。ハロゲン組成は塩化銀:臭化
銀で60:40(モル比)である。
【0050】この乳剤を常法により化学増感した後、増
感色素として3−エチル−5−[2−(3−エチル−2
(H)−チアゾリニデン−エチリデン]ローダニンを添
加した後、5−メチルベンゾトリアゾール、2−ヒドロ
キシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンナト
リウム及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを加
え分割して、下記表2に示すように比較化合物及び本発
明の化合物を添加した。この乳剤をポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に硝酸銀に換算して5g/m2、ゼ
ラチンが3g/m2になるように塗布した。この上に保
護層としてゼラチン1g/m2及び界面活性剤、マット
剤、硬膜剤を加えて 塗布してフィルム感光材料を調製
した。この試料をF1〜F5とする。
【0051】
【表2】
【0052】明室用ハロゲン化銀感光材料の調製−2 平均粒径0.1ミクロンの立方体結晶からなるゼラチン
−塩化銀乳剤(ロジウムジクロライドを5×10-6モル
/モルAg含有する)をダブルジェット法にて調製し、
フロキュレーション法により、脱塩、水洗、再溶解した
乳剤にポリアクリル酸エチルラテックス、2−ヒドロキ
シ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンナトリ
ウム塩及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを加
えた後、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に銀量
(硝酸銀で1m2当たり)5g、ゼラチン量3gになる
ように塗布した。この上に保護層としてゼラチン量0.8g
(1m2当たり)、400から500nmに吸収極大を持
つ黄色染料を80mg(1m2当たり)及び界面活性剤、
硬膜剤を加え塗布してフィルム感光材料を得た。この試
料No.をF−6とする。
【0053】露光及び処理 F1〜F5の試料 上記試料を色温度5400°kを有する光源で、ステッ
プウエッジを通して露光し、自動現像機で処理した。
又、処理時のカブリの発生を見るために大全(20イン
チ×24インチ)1枚を未露光で膜面を上にして処理し
た。処理には、自動現像機(大日本スクリーン製(株)
LD221)を用い、前記の現像液と下記の定着液を使
用した。現像及び定着条件は38℃−20秒である。現
像液と感光材料の処理の組み合わせは表3、4に示す。
【0054】<定着液> チオ硫酸アンモニウム 120g チオ硫酸ナトリウム5水塩 10g 亜硫酸ナトリウム 25g 酢酸 25g 酒石酸 6g 硫酸アルミニウム 8g 水を加えて 1リットル 硫酸又は水酸化ナトリウムでpHを5.00±0.1に
調製
【0055】明室用感光材料の露光及び処理 F6の試料 上記試料は、ステップウエッジを通して明室用プリンタ
ー(大日本スクリーン製(株)P−627プリンター)
で行い、自動現像機で処理した。処理によるカブリの発
生を見るために大全1枚を未露光で処理した。処理条件
は処理−1と同条件である。写真特性は、最高濃度(Dm
ax)、最高濃度(Dmin)及び感度を測定した。感度は透
過濃度3.0を得るのに必要な露光量として求めた。Dm
inは処理時のカブリがムラ状に発生した場合にはムラ状
部分を測定した。現像液と感光材料の組み合わせを表5
に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【0059】表3〜5で表される現像液と試料の組合せ
で処理した結果を表6に示す。
【0060】
【表6】
【0061】表6で示されるように、現像液に本発明の
化合物を添加、あるいは感光材料中に含有させて処理さ
せることにより、感光材料を現像及び定着処理する際に
発生するカブリ(溶解物理現像カブリ)を抑制すること
ができる。また写真特性への影響も極めて少ないことが
分かる。
【0062】実施例2 明室用直接ポジ用ハロゲン化銀乳剤の調製 40℃に保ったゼラチン水溶液に6モル%の臭化カリウ
ムを含む2規定の塩化ナトリウム水溶液と同濃度の硝酸
銀水溶液をコントロールダブルジェット法にて5分間添
加しコア乳剤を調製した。引き続き、ハロゲン化銀量
(硝酸銀量に換算して)1Kgに対し、チオ硫酸ナトリウ
ム(5水塩)250mgと塩化金酸30mgを水溶液として
添加し、50℃で70分間化学熟成をした。さらに、コ
ア乳剤混合時と同じハロゲン及び硝酸銀水溶液で40℃
で80分間にわたって混合しコアが化学増感されたコア
/シェル型の乳剤を調製した。この乳剤をフロキュレー
ション法により脱塩水洗後、イナートゼラチンの水溶液
を加え、40℃で再溶解を実施した。このハロゲン化銀
粒子の平均粒子径は0.19μであった。
【0063】再溶解後の乳剤に硝酸銀1kgに対して二酸
化チオ尿素10mg、塩化金酸30mgを水溶液として添加
し、pH6.5、60℃の条件下で70分間にわたり加
熱を行いハロゲン化銀粒子表面をカブらせた。この乳剤
を分割し、表7に示すように本発明の化合物及び比較化
合物を添加し、さらに硬膜剤として2−ヒドロキシ−
4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン及び界面活
性剤としてラウリルスルホン酸ソーダを適量添加し、1
00μの厚さのポリエチレンテレフタレートフィルムベ
ースに硝酸銀量で1m2当たり5gになるように塗布し
た。同時に、保護層として、オキソノールイエロー(1
2当たり60mg)を含有させたゼラチン液をゼラチン
量1m2当たり1gになるように同時塗布しフィルム感
光材料を得た。この試料をF7〜F11とする。
【0064】
【表7】
【0065】露光及び処理 上記試料を、ステップウエッジを通して明室用プリンタ
ー(大日本スクリーン製(株)P−627プリンター)
で露光し、自動現像機で処理した。処理によるカブリの
発生を見るために大全(20インチ×24インチ)1枚
を露光(完全に反転させるため)した後処理した。処理
には、自動現像機(大日本スクリーン製(株)LD22
1)を用い、実施例1で用いた現像液と定着液を使用し
た。現像及び定着条件は38℃−20秒である。写真特
性は、最高濃度(Dmax)、最高濃度(Dmin)及び感度を
測定した。感度は透過濃度3.0を得るのに必要な露光
量として求めた。Dminは処理時のカブリがムラ状に発生
した場合にはムラ状部分を測定した。現像液と感光材料
の組み合わせを表8、9に示す。
【0066】
【表8】
【0067】
【表9】
【0068】表8、9で表される本発明の現像液と試料
の組合せで処理した結果を表10に示す。
【0069】
【表10】
【0070】表10で示されるように、直接ポジ用ハロ
ゲン化銀感光材料の処理において、現像液に本発明の化
合物を添加、あるいは感光材料中に含有させて処理させ
ることにより、処理時の溶解物理現像カブリが抑制され
る。また写真特性への影響も極めて少ないことが分か
る。
【0071】
【発明の効果】現像液に本発明の化合物を添加、あるい
は感光材料中に含有させて処理させることにより、写真
特性への影響を及ぼすことなく処理時の溶解物理現像カ
ブリが抑制できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも30モル%が塩化
    銀からなるハロゲン化銀乳剤層を少なくとも一層有する
    白黒感光材料の処理において、下記化1で表される化合
    物の存在下で現像及び定着処理されることを特徴とする
    写真処理方法。 【化1】 式中Lはアルキレン基を表す。R1は下記化2または化
    3で示される基を表す。Mは水素原子、アルカリ金属ま
    たはアンモニウム基を表す。 【化2】 式中R2は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アル
    キニル基を表し、R3はアルキル基、アルケニル基、ア
    ルキニル基を表す。また互いに連結して環を形成してい
    ても良い。 【化3】 式中Zは少なくとも1個の酸素原子を有する複素環を形
    成するのに必要な原子群を表す。
  2. 【請求項2】 直接ポジ用白黒ハロゲン化銀感光材料の
    処理において、前記化1で表される化合物の存在下で現
    像及び定着処理することを特徴とする写真処理方法。
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