JPH1048768A - ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

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JPH1048768A
JPH1048768A JP20719196A JP20719196A JPH1048768A JP H1048768 A JPH1048768 A JP H1048768A JP 20719196 A JP20719196 A JP 20719196A JP 20719196 A JP20719196 A JP 20719196A JP H1048768 A JPH1048768 A JP H1048768A
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silver halide
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silver
halide photographic
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Sokuman Hoo
ソクマン ホー
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 画像銀の色調が純黒色で、且つ、色素ステイ
ンがなく、経時保存性が優れた高感度、低カブリ性のハ
ロゲン化銀写真感光材料、およびその処理方法の提供。 【解決手段】 (1)ハロゲン化銀乳剤層の全投影面積
の50〜100%が、アスペクト比2〜20で、平均沃
度含有率が0〜1モル%であるハロゲン化銀粒子であっ
て、該ハロゲン化銀乳剤層中に特定のベンズイミダゾロ
カルボシアニン色素の少なくとも1種と4−ヒドロキシ
−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを
0.1〜20mg/m2含有することを特徴とするハロ
ゲン化銀写真感光材料。(2)上記(1)の感光性ハロ
ゲン化銀乳剤層及び/又は親水性コロイド層中に、下記
一般式で表される化合物を含有するハロゲン化銀写真感
光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料に関し、詳しくは銀画像の色調及び色素汚染を改
良した医療用ハロゲン化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハロゲン化銀写真感光材料の現像
処理に関しては、処理時間の短縮と処理廃液の低減化が
益々強く望まれてきている。
【0003】例えば、医用分野では定期健康診断、人間
ドックなどの普及と一般診療における診断や検査の増加
等によりX線写真の撮影数量が急激に増加している。そ
のため現像処理の更なる迅速化と、処理廃液の更なる低
減化が益々高まってきているのが現状である。
【0004】ハロゲン化銀写真感光材料の迅速処理化の
ためには現像、定着、水洗及び乾燥等の処理時間の短縮
化が必須となる。しかし例えば単に従来の感光材料を現
像時間だけ短くしたとすると、画像濃度及び感度の大幅
の低下や諧調の劣化を招く。また、定着時間を短くする
と定着不良となり画質劣化の原因となる。従って基本的
にはハロゲン化銀写真感光材料の現像速度や定着速度或
いは乾燥速度等を速めることが必要となる。
【0005】従来より現像速度や定着速度を速めるに
は、沃化銀含有率を下げて溶解度の高い塩臭化銀、塩化
銀乳剤の使用、或いはハロゲン化銀粒子の微粒子化と平
板状化などが有利であると考えられている。しかし、沃
化銀含有率を下げて塩化銀、塩臭化銀粒子の使用は感度
の低下を招き高感度感光材料には適当でない。
【0006】また、環境保全のために処理廃液量を低減
するためには、現像性を向上させる必要があり、少ない
銀量で高濃度を得られる高カバーリングパワーのハロゲ
ン化銀粒子が望ましく、感度、粒状性、シャープネス、
色増感効率などの点から平板状粒子が適していることが
知られている。
【0007】しかしながら該平板状ハロゲン化銀粒子の
ように、粒子サイズや粒子厚みが減少すると、現像で形
成される銀の青色光成分の光散乱が増し、黄色味の強い
光となるため銀画像が黄色味を帯びる結果となる。
【0008】銀画像の色調はX線用感光材料の場合、画
像診断上から黒色もしくは青黒色調であることが好まし
く、黄色味を帯びた銀画像は観察者にとって見にくく、
且つ、不快であるなどの欠点を有する。
【0009】従来より銀色調改良技術としては、感光材
料および現像処理サイドから多くの検討が報告されてお
り、例えば代表的色調剤としては特定のメルカプト化合
物がよく知られている。最近では例えば特開平5−16
5147号に記載されているような水不溶性高沸点有機
溶媒に特定の色素を溶解し、水溶媒中で微少サイズに分
散し感光材料に含有させる技術が開示された。しかし該
技術は感光材料の生保存にて感度の変動が大きい欠点を
有していた。さらに該技術は医用X線感光材料に適用し
た場合、露光時に感光材料に接触させる増感紙に汚れが
つくという問題があった。また当該技術では未露光部に
も露光部と同量の染料が含まれるため、カブリ濃度が上
昇するという欠点も合わせ持っていた。
【0010】この欠点を解消するために特開平3−15
7645号では銀画像に対応し拡散性染料を放出する耐
拡散性化合物による技術が提案されているが、画像銀の
色調改良効果とカブリの低減効果は不十分であった。
【0011】さらに特開平3−153234号では銀画
像に対応した青色画像を与えるロイコ染料を用いる技術
が提案されている。当該技術では現像液によるフィルム
のステインは改良されるが、青色染料は色調が長波長で
あり緑色味を帯びているため銀画像の黒色度改良の効果
は不十分であった。また処理済みの感光材料の未露光部
に残存するロイコ染料が経時で発色しやすく、カブリ上
昇の原因になる欠点も有していた。
【0012】一方、迅速処理化のためには各処理工程の
処理時間の短縮化が必須であるが、各処理工程の時間の
短縮は色素染料等の水洗・溶出が不充分となるために、
残留色素による色素汚染の原因となる。
【0013】このような問題を解決するためには、例え
ば感光材料自体の現像速度や定着速度を速める手段、或
いは色素量の低減、色素の脱離と脱色、溶解性の促進な
どが考えられる。
【0014】なお色素汚染を無くすにはバインダー量を
減らすことが有効であることはよく知られている。しか
しバインダー量を減らすと、圧力耐性が著しく劣化し、
迅速処理にて自動現像機のローラーにより擦り傷を生じ
たり、折り曲げ時に圧力カブリや圧力減感を生じるなど
の問題を引き起こす原因となる。
【0015】一方、環境保全のために現像処理廃液の低
減が必須であり、そのためには処理液、補充液量の低減
或いは処理液自体の疲労の低減などが必要となるが、こ
の場合も上記の迅速処理化と同様に種々の問題を伴う。
【0016】このような問題の改良技術として、例えば
特公昭43−4931号、特公昭44−16589号、
EP−0,506,584号、特開平5−88293
号、同5−93975号等には分光増感色素として脱色
性能の良いベンズイミダゾロカルボシアニン類を用いる
技術が開示されている。また、特開平5−61148号
には、沃化銀含有率が1モル%以下のハロゲン化銀乳剤
に分光増感剤としてオキサカルボシアニン類とベンズイ
ミダゾロカルボシアニン類を特定の比率で併用し、更に
セレン化合物及び/又はテルル化合物による化学増感を
施す技術が開示されている。
【0017】しかしながら、これらの開示技術は残色性
と迅速処理性はある程度改良されるものの、その他の要
望レベルを満たすにはまだ不充分である。特に感光材料
の吸収極大が長波側にあって、赤光に対する感度が高す
ぎるため、セーフライトによるカブリ上昇が大きく、且
つ、感光材料を高湿・高温下で経時保存した場合に感度
の低下が大きいという欠点を有していた。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は
画像銀の色調が黄色味がなく、純黒色で、且つ色素汚染
がないハロゲン化銀写真感光材料の提供、及び経時保存
性が優れ、且つ、迅速処理した際にも高感度、低カブリ
であるハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法を提
供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の問題点は以下によ
って解決された。即ち、 (1)支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀
乳剤層と親水性コロイド層を有するハロゲン化銀写真感
光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層の全投影面積の
50〜100%が、アスペクト比2〜20で、平均沃度
含有率が0〜1モル%であるハロゲン化銀粒子であっ
て、該ハロゲン化銀乳剤層中に下記一般式(1)で表さ
れる分光増感色素の少なくとも1種と4−ヒドロキシ−
6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを
0.1〜20mg/m2含有することを特徴とするハロ
ゲン化銀写真感光材料。
【0020】
【化4】
【0021】式中、R1、R3は各々、置換又は無置換の
アルキル基またはアルケニル基を表し、R2、R4は各
々、置換又は無置換のアルキル基でR2、R4のうちの少
なくとも1つは親水性基を置換したアルキル基を表す。
1、Z2、Z3及びZ4は各々同じか、又は異なってもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、
ハロゲン置換アルコキシ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、
ハロゲン置換アルキルチオ基、アルコキシカルボニル
基、カルバモイル基、スルファモイル基、ヒドロキシ
基、ハロアルキル基、カルボキシ基、スルホニル基、ア
シルアミノ基、複素環基、アリール基のいずれかを表
す。X1は分子内の電荷を中和するに必要なイオンを表
し、色素が分子内塩を形成するときはnは1である。
【0022】(2)上記(1)項記載の感光性ハロゲン
化銀乳剤層及び/又は親水性コロイド層中に、下記一般
式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする
ハロゲン化銀写真感光材料。
【0023】
【化5】
【0024】式中、Wは−NR7(R8)、−OHまたは
−OZを表す。Zはアルカリ金属イオン、第4級アンモ
ニウムイオンを表す。R7及びR8はアルキル基、または
アリール基を表す。Z5、Z6は窒素原子または=C(R
9)を表す。Y、Z5、Z6は隣接する炭素原子とともに
5〜6員の芳香族炭素環、または芳香族ヘテロ環を構築
するのに必要な原子群を表す。R6は水素原子、ハロゲ
ン原子又は1価の置換基を表し、nは1〜3を表す。R
9は水素原子または1価の置換基を表す。R5は水素原
子、アシル基、スルホニル基、カルバモイル基、スルホ
基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、アリ
ールオキシカルボニル基を表す。CPは以下の基を表
す。
【0025】
【化6】
【0026】式中、R5〜R8は水素原子、ハロゲン原
子、およびベンゼン環に置換可能な置換基を表す。また
5とR6およびR7とR8は互いに結合して5〜7員の環
を形成してもよい。R9はR4と同義である。R10及びR
11はアルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。R12
はR4と同義である。R13及びR14はR10及びR11と同
義である。R15はR12と同義である。R16はアルキル
基、アリール基、スルホニル基、トリフルオロメチル
基、カルボキシル基、アリールオキシカルボニル基、ア
ルコキシカルボニル基、カルバモイル基及びシアノ基を
表す。R17はR4と同義である。R18はR3と同義であ
り、mは1〜3を表す。Y1は2つの窒素原子とともに
5〜6員の単環または縮合環の含窒素ヘテロ環を構築す
るのに必要な原子群を表す。(★は一般式2におけるC
Pとその他の部分構造との結合点を表す。) (3)上記(1)又は(2)項に記載の感光性ハロゲン
化銀乳剤層及び/又は親水性コロイド層中に下記一般式
(3)で表される化合物を含有することを特徴とするハ
ロゲン化銀写真感光材料。
【0027】 一般式(3) Het−(J)n−(Q)m 式中、Hetはメルカプト基またはメルカプト基をブロ
ックされた基を有しない5〜6員の含窒素ヘテロ環を表
し、Jはa+1価の連結基を表す。Qは水溶性基を表
し、nは0〜5の整数でa及びmは1以上の整数であ
る。
【0028】(4)上記(1)〜(3)項のいずれか1
項に記載のハロゲン化銀写真感光材料の塩化銀含有率
が、20〜100モル%であることを特徴とするハロゲ
ン化銀写真感光材料。
【0029】(5)上記(1)〜(4)項のいずれか1
項に記載のハロゲン化銀写真感光材料を露光後、自動現
像機で処理する際の全処理時間が5〜30秒であり、且
つ、現像液及び定着液の補充量が四つ切り1枚当たり5
〜15mlであることを特徴とするハロゲン化銀写真感
光材料の処理方法。
【0030】(6)上記(1)〜(4)項のいずれか1
項に記載のハロゲン化銀写真感光材料を露光後、自動現
像機で処理する際の処理液が固体状処理剤を連続処理し
ながら供給することを特徴とするハロゲン化銀写真感光
材料の処理方法。
【0031】以下、本発明を詳述する。
【0032】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の一つ
の形態は、支持体上の少なくとも片側に少なくとも1層
の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有するものである。なお
感光性ハロゲン化銀乳剤層は支持体の片側だけでもよ
く、両面でもよい。
【0033】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、ハ
ロゲン化銀として塩化銀、臭化銀、沃塩化銀、塩沃臭化
銀、塩臭化銀、沃臭化銀等を用いることができる。これ
らのうち塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、沃塩化銀が好
ましい。
【0034】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、本
発明の感光材料の全投影面積の50%以上が粒子直径/
粒子厚さ(以下アスペクト比と称す)の平均値が2〜2
0であり、好ましくは2〜12で、さらに好ましくは3
〜8である。
【0035】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は、単分
散性であることが好ましい。具体的には(粒径の標準偏
差/平均粒径)×100=粒径分布の広さ(%)によっ
て表せる相対標準偏差(変動係数)で分布の広さを定義
したとき25%以下のものが好ましく、さらに好ましく
は20%以下のものであり、特に好ましくは15%以下
である。
【0036】本発明のハロゲン化銀粒子は厚さの分布が
小さいことが好ましい。具体的には、(厚さの標準偏差
/平均厚さ)=厚さ分布の広さ(%)によって分布の広
さを定義したとき25%以下のものが好ましく、さらに
好ましくは20%以下のものであり、特に好ましくは1
5%以下である。ここで粒径とは、平均投影面積径(以
下粒径と記す)のことで、該平板状ハロゲン化銀粒子の
投影面積の円相当直径(該ハロゲン化銀粒子と同じ投影
面積を有する円の直径)で示され、厚さとは平板状ハロ
ゲン化銀粒子を形成する2つの平行な主平面間の距離を
示す。
【0037】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は、50
モル%以上の塩化銀を含有することが好ましく、70モ
ル%以上含有することがさらに好ましく、90モル%以
上含有することがより好ましい。
【0038】本発明に係る平板状ハロゲン化銀粒子は、
沃化銀の含有量がハロゲン化銀粒子全体での平均沃化銀
含有率として0〜1.0モル%であることが必要であ
る。好ましくは0〜0.5モル%で、0.01〜0.3
モル%が更に好ましい。
【0039】本発明に係る平板状塩化銀粒子は、臭化銀
の含有量がハロゲン化銀粒子全体での平均臭化銀含有率
として2.0モル%以下であることが好ましい。好まし
くは0モル%以上、1.5モル%以下で、0モル%以
上、1.0モル%以下が更に好ましい。
【0040】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子の平均粒
径は0.2〜3.0μmであることが好ましく、より好
ましくは0.4〜2.0μmである。
【0041】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子の平均厚
みは0.02〜1.0μmであることが好ましく、より
好ましくは0.05〜0.40μm、更に好ましくは
0.05〜0.30μmである。粒径及び厚さは、感
度、圧力特性等を最良にするように最適化することがで
きる。
【0042】本発明において、ハロゲン化銀粒子の保護
コロイド用分散媒としてはゼラチンを用いることが好ま
しく、ゼラチンとしてはアルカリ処理ゼラチン、酸処理
ゼラチン、低分子量ゼラチン(分子量が2万〜10
万)、フタル化ゼラチン等の修飾ゼラチンが用いられ
る。また、これ以外の親水性コロイドも使用できる。具
体的にはリサーチ・ディスクロージャー誌(以下RDと
略す。)No.17643(1978年12月)のIX項
に記載されているものが挙げられる。
【0043】本発明のハロゲン化銀乳剤はハロゲン化銀
粒子の成長時に不要な可溶性塩類を除去してもよいし、
あるいは含有させたままでもよい。該塩類を除去する場
合には、(RD)No.17643のII項に記載の方法
に基づいて行うことができる。
【0044】次に本発明に使用される上記一般式(1)
で示される分光増感色素について説明する。一般式
(1)の式中、R1、R3は各々、置換又は無置換のアル
キル基またはアルケニル基を表す。アルキル基としては
例えばエチル、プロピル、3−メチルブチル基などの直
鎖または分岐の基が挙げられ、置換アルキル基としては
例えば2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2
−エトキシエチル、エトキシカルボニルエチル、アリ
ル、フェネチル、メタンスルホニルエチル、3−オキソ
ブチル基などの各基が挙げられる。
【0045】R2及びR4で表されるアルキル基としては
例えばメチル、エチル、ブチル、イソブチル基などの直
鎖、分岐の基が挙げられ、該基に置換する親水性の基と
しては例えばスルホ、カルボキシ、メタンスルホニルア
ミノカルボニル、メタンスルホニルアミノスルホニル、
アセチルアミノスルホニル、スルホアミノ、トリフルオ
ロアセチルアミノスルホニル、アセチルアミノカルボニ
ル、N−メチルスルファモイル基等の解離性の基があ
り、具体例としては例えば2−スルホエチル、3−スル
ホプロピル、3−スルホブチル、5−スルホペンチル、
2−N−エチル−N−スルホアミノエチル、カルボキシ
メチル、カルボキシエチル、3−スルホアミノプロピ
ル、6−スルホ−3−オキサヘキシル、10−スルホ−
3,6−ジオキサデシル、6−スルホ−3−チアヘキシ
ル、o−スルホベンジル、P−カルボキシベンジル、メ
タンスルホニルアミノカルボニルメチル、アセチルアミ
ノスルホニルメチル基等の各基が挙げられる。
【0046】Z1、Z2、Z3及びZ4は各々同じか、又は
異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子(例えばフッ
ソ、塩素、臭素、沃素原子等)が有り、アルキル基(例
えばメチル、エチル、プロピル基等の低級アルキル
基)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ基等)、ハロゲン原子置換のアルコキシ基として
は(例えばフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、
2,2,2−トリフルオロエチル基等)、アリールオキ
シ基(例えばフェノキシ、p−ブロモフェノキシ基
等)、アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル基等)、
アシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、プロピオニル
オキシ基等)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、エ
チルチオ基等)、ハロゲン原子置換のアルキルチオ基
(例えばトリフルオロメチルチオ、ジフルオロメチルチ
オ基等)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカ
ルボニルメチル、エトキシカルボニル基等)、カルバモ
イル基(例えばカルバモイル、N−メチルカルバモイ
ル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチル
カルバモイル、N,N−3−オキサ−ペンタメチレンカ
ルバモイル、N−フェニルカルバモイル基等)、スルフ
ァモイル基(例えばN−メチルスルファモイル、N,N
−テトラメチレンスルファモイル、N,N−3−オキサ
ペンタメチレンスルファモイル、N−フェニルスルファ
モイル、N,N−ジエチルスルファモイル基等)、ハロ
アルキル基(例えばモノフルオロメチル、ジフルオロメ
チル、トリフルオロメチル、モノクロロメチル基等)、
スルホニル基(例えばメタンスルホニル、エタンスルホ
ニル、トリフルオロメタンスルホニル、フルオロスルホ
ニル、ベンゼンスルホニル、pトルエンスルホニル基
等)、アシルアミノ基(例えばN−アセチルアミノ、N
−トリフルオロアセチルアミノ基等)、置換または無置
換のアリール基(例えばフェニル、o−フルオロフェニ
ル、p−シアノフェニル、m−クロロフェニル基等)、
複素環基としては置換または無置換のものを含み(例え
ば1−ピロリル、2−フリル、2−ベンゾオキサゾリル
基等)の各基が挙げられる。
【0047】色素分子内の電荷を中和するに必要なイオ
ンとしてはアニオンあるいはカチオンのいずれであって
もよく、アニオンとしては例えばハロゲンイオン(クロ
ル、ブロム、沃素等のイオン)、パークロレート、エチ
ルスルファート、チオシアナート、p−トルエンスルホ
ナート、パーフロロボレート等があり、カチオンとして
は例えば水素イオン、アルカリ金属イオン(リチウム、
ナトリウム、カリウム等のイオン)、アルカリ土類金属
イオン(マグネシウム、カルシウム等のイオン)、アン
モニウムイオン、有機アンモニウムイオン(トリエチル
アンモニウム、トリエタノールアンモニウム、テトラメ
チルアンモニウム等のイオン)等がある。
【0048】次に本発明に係る上記一般式(1)で示さ
れる分光増感色素の具体例を挙げるが本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0049】
【化7】
【0050】
【化8】
【0051】
【化9】
【0052】上記の色素は、公知の写真用色素の合成方
法を参考にして、それに準じた方法により容易に合成す
ることができる。
【0053】本発明に於いて上記一般式(1)で表され
る分光増感色素の添加量は、色素の種類及びハロゲン化
銀乳剤の条件などによって一様ではないが通常はハロゲ
ン化銀1モル当たり100mg〜600mgでよく、好
ましくは300mg〜500mgである。
【0054】本発明に係る分光増感色素は2種以上併用
してもよい。さらに他の分光増感色素を併用して用いて
もよい。用いられる色素としてはシアニン、メロシアニ
ン、ホロポーラーシアニンなどを併用してもよい。
【0055】またこれらの分光増感色素とともに、それ
自身、分光増感性を持たない色素或いは可視光を実質的
に吸収しない物質であって、強色増感作用を示す物質を
乳剤層中に添加してもよい。
【0056】分光増感色素の溶剤としては、従来用いら
れている水混和性の有機溶剤が使用できる。例えば、ア
ルコール類、ケトン類、ニトリル類、アルコキシアルコ
ール類等が用いられてきた。具体例として、メタノー
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、アセトン、アセトニ
トリル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノ
ールなどがある。
【0057】分光増感色素は上記のような有機溶媒の溶
液として添加する場合よりも、分光増感色素を酸性溶液
又は固体微粒子状の分散物として添加することにより効
果が増大する。分光増感色素の少なくとも1種が実質的
に有機溶媒及び/又は界面活性剤が存在しない水系中に
分散させた実質的に水に難溶性の固体微粒子分散物の状
態で添加されることが好ましい。
【0058】実質的に有機溶剤及び/又は界面活性剤が
存在しない水系とは、ハロゲン化銀写真乳剤に悪影響を
及ぼさない程度以下の不純物を含有する水であり、より
好ましくはイオン交換水及び蒸留水を指す。
【0059】本発明に於いて分光増感色素の添加時期は
化学熟成工程時、特に好ましくは化学熟成開始時に行う
こともでき、また、ハロゲン化銀乳剤の核形成工程時か
ら脱塩工程終了までに添加することによって、分光増感
効率の優れた高感度ハロゲン化銀乳剤が得られるが、更
に脱塩工程終了後から化学熟成工程を経て塗布工程直前
までのいずれかの時期に前記の工程(核形成工程時から
脱塩工程終了まで)に添加した色素と同一もしくは別種
の本発明に係る分光増感色素を追加して添加してもよ
い。
【0060】次ぎに本発明の一般式(2)の化合物につ
いて説明する。
【0061】一般式(2)において、Wの−NR7及び
(R8)で表されるアルキル基として好ましくは、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル等の基が挙げられる。こ
れらは置換されてもよく、好ましい置換基としてヒドロ
キシル基、スルホンアミド基が挙げられる。またアリー
ル基として好ましくはフェニル基が挙げられる。R6
表される1価の置換基としては、アルキル基(メチル、
エチル、i−プロピル、ヒドロキシエチル、メトキシメ
チル、トリフルオロメチル、t−ブチル等)、シクロア
ルキル基(シクロペンチル、シクロヘキシル等)、アラ
ルキル基(ベンジル、2−フェネチル等)、アリール基
(フェニル、ナフチル、p−トリル、p−クロロフェニ
ル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、i−プロ
ポキシ、ブトキシ等)、アリールオキシ基(フェノキシ
等)、シアノ基、アシルアミノ基(アセチルアミノ、プ
ロピオニルアミノ等)、アルキルチオ基(メチルチオ、
エチルチオ、ブチルチオ等)、アリールチオ基(フェニ
ルチオ、p−トリルチオ等)、スルホニルアミノ基(メ
タンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ
等)、ウレイド基(3−メチルウレイド、3,3−ジメ
チルウレイド、1,3−ジメチルウレイド等)、スルフ
ァモイルアミノ基(ジメチルスルファモイルアミノ
等)、カルバモイル基(メチルカルバモイル、エチルカ
ルバモイル、ジメチルカルバモイル等)、スルファモイ
ル基(エチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル
等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、
エトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基
(フェノキシカルボニル等)、スルホニル基(メタンス
ルホニル、ブタンスルホニル、フェニルスルホニル
等)、アシル基(アセチル、プロパノイル、ブチロイル
等)、アミノ基(メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチ
ルアミノ等)、ヒドロキシル基、ニトロ基、イミド基
(フタルイミド等)、複素環基(ピリジル、ベンズイミ
ダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル等)
が挙げられる。
【0062】式中、Wの−OZで表されるZのアルカリ
金属としては、ナトリウム、カリウムが挙げられる。第
4級アンモニウム基としては、トリメチルベンジルアン
モニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラデシルア
ンモニウム等の炭素総数が8以上のアンモニウム基が挙
げられる。
【0063】Y、Z5及びZ6により形成される5〜6員
の芳香族炭素環としてはベンゼン環、ナフタレン環等が
挙げられ、好ましくはベンゼン環であり、同様に5〜6
員の芳香族複素環としては、ピリジン、ピリミジン、ピ
リダジン、ピラジン、トリアジン、テトラジン、ピロー
ル、フラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、
イミダゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール等の
各環が挙げられるが、好ましくはピリジン環である。R
9は上述のR6と同義の1価の置換基が挙げられる。
【0064】なお式中、CPで表されるうちのR5〜R8
で表されるベンゼン環に置換可能な基としては、上述の
1価の置換基を挙げられ、好ましくはアルキル基であ
る。
【0065】CPで表されるうちのR5、R6、R7及び
8が互いに結合して形成する5〜7員の環として芳香
族炭素環及び芳香族複素環が挙げられるが、好ましくは
ベンゼン環である。またR10及びR11で表されるアルキ
ル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル基等
が挙げられ、アリール基としてはフェニル基、ナフチル
基が挙げられる。複素環基としては酸素、硫黄及び窒素
原子の少なくとも1種を環内に有する5〜6員の芳香族
複素環(ピリジン、ピラジン、ピリミジン環等の6員環
アジン及びそのベンセローグ;ピロール、チオフェン、
フラン及びそのベンゼローグ;イミダゾール、ピラゾー
ル、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサ
ゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール等の5員環
アゾール及びそのベンゼローグ)等の残基が挙げられ
る。R10及びR11として好ましくは、フェニル、ピラゾ
リル、ピリジル等の基が挙げられる。
【0066】R16で表されるアルキル基としては、メチ
ル、i−プロピル、ペンチル、t−ブチル等の基が挙げ
られ、アリール基としては、フェニル、ナフチル基等が
挙げられる。スルホニル基としてはベンゼンスルホニル
等、アリールオキシカルボニル基としてはフェノキシカ
ルボニル等、アルコキシカルボニル基としてはエトキシ
カルボニル等、カルバモイル基としてはジエチルアミノ
カルボニル等が挙げられる。Yの含窒素複素環としては
イミダゾール、トリアゾール、テトラゾールなどの単環
またはベンゼン縮合環を挙げることができる。
【0067】R19及びR20で表されるアルキル基として
は、メチル、ペンチル、t−ブチル基等が挙げられ、ア
リール基としてはフェニル、ナフチル基等が挙げられ
る。
【0068】以下、一般式(2)で表される化合物の代
表的具体例を列挙するが、これらに限定されるものでは
ない。
【0069】
【化10】
【0070】
【化11】
【0071】
【化12】
【0072】
【化13】
【0073】
【化14】
【0074】
【化15】
【0075】
【化16】
【0076】
【化17】
【0077】
【化18】
【0078】
【化19】
【0079】本発明の一般式(2)で表される化合物の
添加量としては、銀1モル当たり1×10-6モル以上5
×10-1モル未満を含有することが本発明の効果の発現
には好ましく、これ以下では銀色調の改良効果が小さ
く、又、これ以上では画像全体が暗く感じられ好ましく
ない。更に好ましくは、銀1モル当たり5×10-5モル
以上5×10-2モル未満、特に銀1モル当たり5×10
-4モル以上1×10-2モル未満を含有するのが好まし
い。
【0080】一般式(2)で表される化合物の添加方法
は、各化合物の性質によって任意の方法が用いられる。
例えば固体微粒子分散体として添加する方法、高沸点溶
媒に溶解し、上記分散を行った後、添加する方法、水混
和性有機溶媒(メタノール、エタノール、アセトン等)
に溶解し添加する方法等が挙げられる。
【0081】好ましい方法としては、固体微粒子分散体
として添加する方法又は水混和性有機溶媒(メタノー
ル、エタノール、アセトン等)に溶解し添加する方法で
ある。固体微粒子分散体として添加する場合、分散方法
は酸析出法、ボールミル、ジェットミル又はインペラー
分散法等の公知の方法が適用でき、これら固体分散され
る染料微粒子の平均粒径は任意の値を取り得るが、好ま
しくは0.01〜20μmであり、より好ましくは0.
03〜2μmである。
【0082】一般式(2)で表される化合物は、写真構
成層中の任意の層に含有することができるが、増感紙汚
染の観点から、X線撮影用としては、乳剤層又は乳剤層
と支持体の間の層に含有するのが好ましく、特に横断光
遮断層に含有するのが好ましい。
【0083】次に本発明の一般式(3)で表される化合
物について詳述する。
【0084】一般式(3)に於いてメルカプト基をブロ
ックされた基とは、現像処理時にブロック基が解裂して
メルカプト基になりうる基で、そのブロック基の具体例
としては例えばアシル基、スルホニル基、シアノエチル
基等が挙げられる。
【0085】一般式(3)におけるHetで表される含
窒素ヘテロ環の具体例としては例えばピロリジン、ピペ
リジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロール、ピリ
ジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、イミダゾー
ル、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、イソキサ
ゾール、イソチアゾール、トリアゾール、テトラゾー
ル、チアジアゾール、オキサジアゾールの各環及びこれ
らとベンゼン環との縮合環類が挙げられる。
【0086】一般式(3)に於けるJで表される連結基
は具体的にはアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレ
ン、−SO2−、−SO−、−O−、−S−、−N
(R3)−を単独、又は組み合わせて構成されるa+1
価の基が挙げられる。但し、R3はアルキル基、アリー
ル基、水素原子を表す。Jは好ましくはアリーレンであ
り、最も好ましくはフェニレンである。nは0又は1が
好ましい。
【0087】一般式(3)のQで表される水溶性基と
は、現像液中でアニオン化が可能な基を表し具体的には
スルホンアミド基、スルファモイル基、フェノール性水
酸基、カルボキシル基、スルホ基、及びそれらの塩が挙
げられる。好ましくはカルボキシル基又はスルホ基であ
る。mは1又は2が好ましい。
【0088】以下に本発明の一般式(3)で表される化
合物の具体例を挙げるが本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0089】
【化20】
【0090】
【化21】
【0091】本発明に係る上記一般式(3)で表される
化合物はジャーナル・フア・プラスティッシェ・ケミー
[2].124,286等の公知の文献に記載の方法で
容易に合成することができる。
【0092】上記一般式(3)の化合物は、化学熟成中
の任意な時期に添加してよい。化学熟成終了前に添加す
ると効果が高い場合があるが、終了前と終了後に振り分
けて添加すると更に効果が高くなることがある。化合物
は2種以上組み合わせて使用してもよく、また他の抑制
剤と併用してもよい。
【0093】添加方法としては、粉体のまま添加しても
よいし、メタノール、エタノール、酢酸エチル等の低沸
点有機溶媒や水又は低沸点有機溶媒と水との混合溶媒に
溶解した溶液を添加しても構わない。このとき必要に応
じて、溶解性を高めるためにpHを変える調整剤を使用
してもよい。また、添加微粒子状固体分散として添加す
ると更に高い効果が得られることがある。いずれの場合
も添加量としては、銀1モル当たり0.01g〜0.5
gであり、好ましくは0.02gから0.2gである。
【0094】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
感光性ハロゲン化銀乳剤を含有する層ないし該乳剤層以
外の層のいずれか任意の少なくとも1層中に、現像処理
中に脱色又は/及び流出可能な染料を含有させると高感
度、高鮮鋭度で、かつ色素ステインの少ない感光材料が
得られる。用いられる染料としては、感光材料に応じ
て、所望の波長を吸収して該波長の影響を除くことによ
り、鮮鋭性を向上させ得るような染料から適宜に選択し
て使用することが出来る。該染料は感光材料の現像処理
中に脱色若しくは流出し、画像完成時には着色が視認出
来ない状態となっていることが好ましい。また乳剤層に
適量の580〜700nmに吸収極大を示し、かつ現像
処理による流出することがないシアン染料を含有するこ
とによって、銀色調及び残色性の優れる感光材料が得ら
れる。
【0095】本発明に係るハロゲン化銀感光材料には、
各種の写真用添加剤を用いることができる。公知の添加
剤としては例えばリサーチ・ディスクロージャー(R
D)No.17643(1978年12月)、同No.
18716(1979年11月)及び同No.3081
19(1989年12月)に記載の化合物が挙げられ
る。
【0096】これら3つのRDに記載されている化合物
種類と記載箇所を以下に掲載した。
【0097】
【表1】
【0098】本発明のハロゲン化銀乳剤は、乳剤層また
はその他の層のある層に現像薬、例えばアミノフェノー
ル、アスコルビン酸、ピロカテコール、ハイドロキノ
ン、フェニレンジアミンまたは3−ピラゾリドンなどを
含んでいてもよい。
【0099】本発明の感光材料に用いることのできる支
持体としては、例えば前述のRD−17643の28頁
及びRD−308119の1009頁に記載されている
ものが挙げられる。適当な支持体としてはポリエチレン
テレフタレートフィルムなどで、これら支持体の表面は
塗布層の接着をよくするために、下塗層を設けたり、コ
ロナ放電、紫外線照射などを施してもよい。
【0100】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は固体
処理剤を連続処理しながら供給することができる。本発
明でいう固体処理剤とは粉末処理剤や錠剤、丸薬、顆粒
の如き固体処理剤などであり、必要に応じ防湿加工を施
したものも挙げられる。粉末処理剤とは微粒子結晶の集
合体をいう。また顆粒とは、粉末に造粒工程を加えたも
ので、粒径50〜5000μmの粒状物のことを言い、
錠剤とは粉末又は顆粒を一定の形状に圧縮成型したもの
のことを言う。
【0101】処理剤を固体化するには、濃厚液または微
粉ないし粒状写真処理剤と水溶性結着剤を混練し成型化
するか、仮成型した処理剤の表面に水溶性結着剤を噴霧
したりすることで被覆層を形成するなど任意の手段が採
用できる(特願平2−135887号、同2−2031
65号、同2−203166号、同2−203167
号、同2−203168号、同2−300409号参
照)。
【0102】好ましい錠剤の製造法としては粉末状の固
体処理剤を造粒した後、打錠工程を行い形成する方法で
ある。単に固体処理剤成分を混合し打錠工程により形成
された固体処理剤より溶解性や保存性が改良され結果と
して写真性能も安定になるという利点がある。錠剤形成
のための造粒方法は転動造粒、押し出し造粒、圧縮造
粒、解砕造粒、攪拌造粒、流動層造粒、噴霧乾燥造粒等
公知の方法を用いることが出来る。錠剤形成のためには
得られた造粒物の平均粒径は造粒物を混合し、加圧圧縮
する際、成分の不均一化、いわゆる偏析が起こりにくい
という点で、100〜800μmのものを用いることが
好ましく、より好ましくは200〜750μmである。
さらに粒度分布は造粒物粒子の60%以上が±100〜
150μmの偏差内にあるものが好ましい。次に得られ
た造粒物を加圧圧縮する際には公知の圧縮機、例えば油
圧プレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機、ブリ
ケッテングマシンを用いることが出来る。加圧圧縮され
て得られる固形処理剤は任意の形状を取ることが可能で
あるが生産性、取扱い性の観点から又はユーザーサイド
で使用する場合の粉塵の問題からは円筒型、いわゆる錠
剤が好ましい。
【0103】好ましくは造粒時、各成分毎例えばアルカ
リ剤、還元剤、保恒剤等を分別造粒することによって更
に上記効果が顕著になる。
【0104】錠剤処理剤の製造方法は例えば、特開昭5
1−61837号、同54−155038号、同52−
88025号、英国特許1,213,808号等に記載
される一般的な方法で製造でき、更に顆粒処理剤は例え
ば、特開平2−109042号、同2−109043
号、同3−39735号及び同3−39739号等に記
載される一般的な方法で製造できる。更に粉末処理剤は
例えば、特開昭54−133332号、英国特許72
5,892号、同729,862号及びドイツ特許3,
733,861号等に記載されるが如き一般的な方法で
製造できる。
【0105】上記の固体処理剤の嵩密度はその溶解性の
観点と、効果の点から錠剤である場合1.0g/cm3
〜2.5g/cm3が好ましく1.0g/cm3より大き
いと得られる固形物の強度の点で、2.5g/cm3
り小さいと得られる固形物の溶解性の点でより好まし
い。固体処理剤が顆粒又は粉末である場合嵩密度は0.
40〜0.95g/cm3のものが好ましい。
【0106】本発明に用いられる固体処理剤は現像剤、
定着剤、リンス剤等写真用処理剤に用いられるが、本発
明の効果とりわけ写真性能を安定化させる効果が大きい
のは現像剤である。
【0107】本発明に用いられる固体処理剤は、ある処
理剤の1部の成分のみ固体化することも本発明の範囲に
入るが、好ましくは該処理剤の全成分が固体化されてい
ることである。各成分は別々の固体処理剤として成型さ
れ、同一個装されていることが望ましい。又別々の成分
が定期的に包装でくり返し投入される順番に包装されて
いることも望ましい。
【0108】処理量情報に応じて各処理槽に補充する処
理剤全てを固体処理剤として投入することが好ましい。
補充水が必要な場合には、処理量情報又は別の補充水制
御情報にもとづき補充水が補充される。この場合処理槽
に補充する液体は補充水のみとすることが出来る。つま
り、補充が必要な処理槽が2種類以上の複数であった場
合に、補充水を共有することによって補充用液体を貯留
するタンクは1つで済み、自動現像機のコンパクト化が
図れる。補充水タンクは外部に外置きでも、自動現像機
に内蔵してもよく、内蔵するのは省スペース等の点から
も好ましい。
【0109】現像剤を固体化する場合、アルカリ剤、還
元剤全てを固体処理剤化し、かつ錠剤の場合には少なく
とも3剤以内最も好ましくは1剤にすることが、本発明
に用いられる固体処理剤の好ましい実施態様である。
又、2剤以上に分けて固体処理剤化した場合は、これら
複数の錠剤や顆粒が同一包装されていることが好まし
い。
【0110】本発明に於いて固体処理剤を処理槽に供給
する供給手段としては、例えば固体処理剤が錠剤である
場合、実開昭63−137783号、同63−9752
2号、実開平1−85732号等公知の方法があるが要
は錠剤を処理槽に供給せしめる機能が最低限付与されて
いればいかなる方法でも良い。又固体処理剤が顆粒又は
粉末である場合には実開昭62−81964号、同63
−84151号、特開平1−292375号記載の重力
落下方式や実開昭63−105159号、同63−19
5345号等記載のスクリュー又はネジによる方式が公
知の方法としてあるがこれらに限定されるものではな
い。
【0111】しかしながら好ましい方法は、固体処理剤
を処理槽に供給する供給手段としては、例えば予め秤量
し分割包装された所定量の固体処理剤を感光材料の処理
量に応じて包装体を開封、取出す方法が考えられる。具
体的には固体処理剤が所定量ずつ好ましくは一回分の補
充量ずつ、少なくとも二つの包装材料から構成される包
装体に挟持収納されており、包装体を2方向に分離もし
くは包装体の一部を開封することにより取出し可能状態
にする。取出し可能状態の固体処理剤は自然落下により
容易に濾過手段を有する処理槽に供給することができ
る。所定量の固体処理剤は外気及び隣の固体処理剤との
通気性が遮断されるよう各々が分割密封された包装体に
収納されているため開封しなければ防湿が保証されてい
る。
【0112】実施態様として、固体処理剤を挟むように
少なくとも二つの包装材料から成る包装体が固体処理剤
の周囲を分離可能なようにお互いの接面で密着もしくは
接着されている構成が考えられる。固体処理剤を挟んだ
各々の包装材料を異った方向に引っ張ることにより密着
もしくは接着された接面が分離し、固体処理剤が取出し
可能状態となる。
【0113】別の実施様態として、固体処理剤を挟むよ
うに少なくとも二つの包装材料から成る包装体の少なく
とも一方が外力により開封可能となる構成が考えられ
る。ここでいう開封とは包装材料の一部を残した切り込
みもしくは破断である。開封方法としては、開封しない
側の包装体から固体処理剤を介して開封可能な包装体の
方向へ圧縮力を加えることにより強制的に固体処理剤を
押し出す、又は開封可能な側の包装体に鋭利な部材で切
り込みを入れることにより固体処理剤を取出し可能状態
にすることが考えられる。
【0114】供給開始信号は処理量の情報を検出するこ
とにより得る。又供給停止信号は所定量の供給が完了し
た情報を検出することにより得る。また処理剤が分包さ
れていて開封が必要な場合には得た供給開始信号に基づ
き分離又は開封するための駆動手段が動作し、供給停止
信号に基づき分離又は開封するための駆動手段が停止す
るよう制御できる。
【0115】上記固体処理剤の供給手段は感光材料の処
理量情報に応じて一定量の固体処理剤を投入する制御手
段を有していてもよい。即ち、自動現像機においては各
処理槽の成分濃度を一定に保ち、写真性能を安定化させ
る為に必要である。
【0116】写真感光材料の処理量情報とは処理液で処
理されるハロゲン化銀写真感光材料の処理量あるいは、
処理されたハロゲン化銀写真感光材料の処理量あるいは
処理中のハロゲン化銀写真感光材料の処理量に比例した
値であり、処理液中の処理剤の減少量を間接的あるいは
直接的に示す。感光材料が処理液中に搬入される前、
後、あるいは処理液に浸漬中いずれのタイミングで検出
されても良い。さらに、処理液中の組成の濃度あるいは
濃度変化やpHや比重などの物理的パラメーターであっ
てもよい。又処理液の乾燥後外部に出た量でも良い。
【0117】本発明の固体処理剤を投入する場所は処理
槽中であればよいが、好ましいのは、感光材料を処理す
る処理部と連通し、該処理部との間を処理液が流通して
いる場所であり、更に処理部との間に一定の処理液循環
量があり溶解した成分が処理部に移動する構造が好まし
い。固体処理剤は温調されている処理液中に投入される
ことが好ましい。
【0118】本発明の処理方法に於ける現像液には、現
像主薬としてジヒドロキシベンゼン類、アミノフェノー
ル類、ピラゾリドン類の他にレダクトン類を用いること
ができる。上記のうちで使用されるピラゾリドン類のう
ち特に4位が置換されたもの(ジメゾン、ジメゾンS
等)は水溶性や固体処理剤自身の経時による変化が少な
く特に好ましい。またジヒドロキシベンゼン類例えばハ
イドロキノンは使用しない現像主薬からなる現像液で処
理することができる。現像液にはその他公知の現像用素
材として例えば保恒剤、アルカリ剤、pH緩衡剤、カブ
リ防止剤、硬膜剤、現像促進剤、界面活性剤、消泡剤、
色調剤、硬水軟化剤、溶解助剤、粘性付与剤などを必要
に応じて用いてもよい。
【0119】定着液にはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩な
どの定着剤が用いられ、さらに硬膜剤として水溶性のア
ルミニウム塩例えば硫酸アルミニウム或はカリ明ばんな
どを含んでいてもよい。その他保恒剤、pH調整剤、硬
水軟化剤などを含有していてもよい。
【0120】処理に先立ち、スターターを添加すること
も好ましく、スターターを固形化して添加することも好
ましい。スターターとしてはポリカルボン酸化合物の如
き有機酸の他にKBrの如きアルカリ土類金属のハロゲ
ン化物や有機抑制剤、現像促進剤が用いられる。
【0121】本発明に於いては、本発明のハロゲン化銀
写真感光材料を露光後、自動現像機での全処理時間がD
ry to Dryで5〜30秒であり、好ましくは5
〜25秒である。ここで言う全処理時間とは感光材料を
現像、定着、水洗及び乾燥工程を含む全処理時間を指
す。
【0122】処理剤の補充は、処理剤疲労と酸化疲労相
当分を補充する。補充法としては特開昭55−1262
43号に記載の幅、送り速度による補充、特開昭60−
104946号記載の面積補充、特開平1−14915
6号記載の連続処理枚数によりコントロールされた面積
補充でもよい。
【0123】本発明に於いて現像液及び定着液の補充量
は、四つ切り1枚当たり5〜15mlである。好ましく
は10ml以下で、より好ましくは7ml以下である。
なお四つ切りとは252×303mm1枚をいう。
【0124】本発明の処理方法にて現像液の処理温度
は、好ましくは25〜50℃で、より好ましくは30〜
40℃である。現像時間は3〜15秒であり、より好ま
しくは3〜10秒である。
【0125】定着温度及び時間は20℃〜50℃で2秒
〜8秒がより好ましい。好ましい定着液としては当業界
で一般に用いられている定着素材を含み、沃度含有量は
0.3g/リットル以下が好ましく、より好ましくは
0.1g/リットル以下である。
【0126】定着液のpHは3.8以上、好ましくは
4.2〜5.5である。定着液は酸性硬膜を行うもので
あってもよい。
【0127】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は高感
度増感紙で挟みX線撮影される。
【0128】ここでいう高感度増感紙の蛍光体層中にお
ける蛍光体の充填率は68%以上であって、好ましくは
70%以上で、さらに好ましくは72%以上である。
【0129】また蛍光体層の厚みは150μm以上、2
50μm以下である。蛍光体層の厚みが150μm未満
であると鮮鋭性が急激に劣化する。放射線増感紙は傾斜
粒径構造で蛍光体を充填することが好ましい。
【0130】特に表面保護層側に大粒径の蛍光体粒子を
塗布し、支持体側に小粒径の蛍光体粒子を塗布すること
が好ましく、小粒径のものは0.5〜2.0μmで大粒
径のものは10〜30μmの範囲が好ましい。本発明に
使用する高感度蛍光増感紙は蛍光体粒子の充填率を高め
ることでそれぞれの増感スクリーンのX線吸収が蛍光体
層の厚み100μm当たりX線吸収率は30%以上であ
ることが好ましい。なおX線吸収量は次のようにして求
めた。
【0131】即ち3相の電力供給で固有濾過がアルミニ
ウム2.2mm相当のX線発生装置から80kVpで運
転されるタングステン・ターゲットから生じたX線を厚
さ3mmの純度99%以上のアルミニウム板を透過さ
せ、ターゲット管のタングステンアノードから200c
mの位置に固定した放射線増感スクリーンに到着させ、
次いでその放射線増感スクリーンの蛍光体層から50c
m後の位置で電離型線量計を用いて測定しX線吸収量を
求めた。基準としては増感スクリーンを透過させないで
測定記測定位置でのX線量を用いた。
【0132】増感紙に用いられる好ましい結合剤として
は熱可塑性エラストマーが挙げられる。具体的にはポリ
スチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニル、天然ゴム、フッ素ゴム、ポリイソ
プレン、塩素化ポリエチレン、スチレン−ブタジエンゴ
ム及びシリコンゴムなどからなる群より選ばれる少なく
とも1種の熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0133】増感紙の好ましい蛍光体としては以下に示
すものが挙げられる。
【0134】タングステン酸塩系蛍光体(CaWO4
MgWO4、CaWO4:Pbなど)、テルビウム賦活希
土類酸硫化物系蛍光体〔Y22S:Tb、Gd22S:
Tb、La22S:Tb、(Y、Gd)22S:Tb、
Tm等〕、テルビウム賦活希土類隣酸塩系蛍光体(YP
4:Tb、GdPO4:Tb、LaPO4:Tb等)、
テルビウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体(L
aOBr:Tb、LaOBr:Tb.Tm、LaOC
l:Tb、LaOCl:Tb.TmGdOBr:Tb、
GdOCr:Tb等)、ツリウム賦活希土類オキシハロ
ゲン化物系蛍光体(LaOBr:Tm、LaOCl:T
m等)、硫酸バリウム系蛍光体〔BaSO4:Pb、B
aSO4:Eu2+、(Ba.Sr)SO4:Eu2+等〕、
2価のユーロビウム賦活アルカリ土類金属燐酸塩系蛍光
体〔Ba3(PO42:Eu2+、(Ba、Sr)3、(P
42:Eu2+等〕、2価のユーロビウム賦活アルカリ
土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体〔BaFCl:Eu
2+、BaFBr:Eu2+、BaFCl:Eu2+.Tb、
BaFBr:Eu2+.Tb、BaF2.BaCl2.XB
aSO4.KCl:Eu2+、(Ba.Mg)F2.BaC
2.KCl:Eu2+等〕、沃化物系蛍光体(CSI:
Na、CSI:Tl、NaI.KI:Tl等)、硫化物
系蛍光体〔ZnS:Ag、(Zn.Cd)S:Ag、
(Zn.Cd)S:Cu、(Zn.Cd)S:Cu.A
l等〕、燐酸ハフニウム系蛍光体(HfP27:Cu
等)。但し、本発明に用いられる蛍光体はこれらに限ら
れものではなく、放射線の照射により可視または近紫外
領域の発光を示す蛍光体であれば使用できる。
【0135】
【実施例】以下、本発明を実施例にて説明するが、本発
明はこれらによって限定されるものではない。
【0136】実施例1 〈沃臭化銀六角平板粒子の調製〉 (Em−1の調製) A1 オセインゼラチン 75.5g 界面活性剤(A)の10%エタノール水溶液 6.78ml 臭化カリウム 64.7g 水で10800mlに仕上げる B1 0.7N硝酸銀水溶液 1340ml C1 2.0N硝酸銀水溶液 1500ml D1 1.3N臭化カリウム水溶液 410ml E1 2.0N臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量 F1 オセインゼラチン 125g 水 4000ml G1 KSCN水溶液(2N) 60ml H1 3重量%のゼラチンと、沃化銀粒子(平均粒径0.05μm) から成る微粒子乳剤(*) 0.008モル相当 (界面活性剤A):ポリプロピレンオキシ−ポリエチレンオキシ−ジサクシネー ト・ナトリウム塩 *:0.06モルの沃化カリウムを含む5.0重量%のゼラチン水溶液6.64 リットルに、7.06モルの硝酸銀と7.06モルの沃化カリウムを含む水溶液 、それぞれ2リットルを10分間かけて添加した。微粒子形成中のpHは硝酸を 用いて2.0に、温度は40℃に制御した。粒子形成後に、炭酸ナトリウム水溶 液を用いてpHを6.0に調整した。
【0137】55℃で特公昭58−58288号に示さ
れる混合撹拌機を用いて溶液(A1)に溶液(B1)を
400ml及び溶液(D1)全量を同時混合法により4
0秒を要して添加し、核形成を行った。
【0138】溶液(B1)及び溶液(D1)の添加終了
後、溶液(F1)を添加し、70℃まで昇温し熟成を行
う。更に溶液(B1)の残量を25分かけて添加した
後、28%アンモニア水溶液を用いて10分間熟成を行
い、酢酸にてpHを中性に戻す。溶液(C1)と(E
1)をpAg=7.8に保ちながら、臨界成長速度に見
合った速度で同時添加混合し、(C1)を全量添加した
後に(G1)と(H1)を添加した。5分間撹拌した
後、沈降法にて可溶性塩類を脱塩除去した。
【0139】この乳剤は、ハロゲン化銀粒子の全投影面
積の90%以上が最大隣接辺比が1.0〜2.0の六角
平板粒子より成り、六角平板粒子の平均厚さは0.20
μm、平均粒径(円直径換算)は0.80μmであるこ
とを電子顕微鏡にて確認した。又、円相当径の分布は1
5%であった。
【0140】引き続き、上記の乳剤Em−1を所定量に
分割し、温度を55℃にした後に、4−ヒドロキシ−6
−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン(TA
I)を150mg、分光増感色素(表2に示す)を固体
微粒子状の分散物として添加した。引き続きチオ硫酸ナ
トリウム10mgを加えた後、チオシアン酸アンモニウ
ム95mg、塩化金酸12.5mg、及びトリフェニル
ホスフィンセレナイド2mgの固体微粒子状分散物を加
え、沃化銀微粒子0.2モル%を添加して、総計2時間
の熟成を施した。熟成終了時に安定剤として1−フェニ
ル−5−メルカプトテトラゾール(PMT)を5mg及
びTAIを表2に示す量を添加した。尚、添加量はAg
X1モル当たりとして添加した。
【0141】 <沃塩化銀平板状粒子の調製> (Em−2の調製) A5 オセインゼラチン 75.0g KI 1.25g NaCl 33.0g 蒸留水で 15000mlとする B5 硝酸銀 410g 蒸留水で 684mlとする C5 硝酸銀 11590g 蒸留水で 19316mlとする D5 KI 4g NaCl 140g 蒸留水で 684mlとする E5 NaCl 3980g ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム 8×10-6モル 蒸留水で 19274mlとする 40℃において、特公昭58−58288号記載の混合
撹拌機中の溶液A5に、B5とD5の全量を1分間かけ
て添加した。EAgを149mVに調整し、20分間オ
ストワルド熟成した後にC5とE5の全量を320分か
けて添加した。その間、EAgは149mVに制御し
た。
【0142】添加終了後、直ちに脱塩、水洗を行った。
このように作成したEm−2は、ハロゲン化銀粒子の全
投影面積の65%が(100)面を主平面とする平板状
粒子よりなり、平均厚さ0.14μm、平均直径は1.
0μm、変動係数は25%であることが電子顕微鏡観察
により判明した。
【0143】乳剤Em−2を所定量に分割し、温度を5
5℃にした後に、(TAI)を150mg加えた後、分
光増感色素(表2に示す)を固体微粒子状の分散物とし
て添加した。引き続きチオシアン酸アンモニウム145
mg、塩化金酸18.5mg、チオ硫酸ナトリウム15
mg及びトリフェニルホスフィンセレナイド3mgの固
体微粒子状分散物を加え、臭化銀微粒子0.5モル%を
添加し撹拌した。総計2時間の熟成を施した。熟成終了
時に安定剤として(PMT)を5mg及び(TAI)を
表2に示す量添加した。尚、添加量はAgX1モル当た
りである。
【0144】(Em−3の調製)比較用乳剤 <種乳剤−1の調製>下記のようにして種乳剤−1を調
製した。
【0145】 A3 オセインゼラチン 100g 臭化カリウム 2.05g 水で 11.5l B3 オセインゼラチン 55g 臭化カリウム 65g 沃化カリウム 1.8g 0.2N硫酸 38.5ml 水で 2.6l C3 オセインゼラチン 75g 臭化カリウム 950g 沃化カリウム 27g 水で 3.0l D3 硝酸銀 95g 水で 2.7l E3 硝酸銀 1410g 水で 3.2l 反応釜を60℃に保温したA3液に、B3液とD3液を
コントロールダブルジェット法により、30分間かけて
添加し、その後、C3及びE3液をコントロールダブル
ジェット法により105分間かけて加えた。撹拌は50
0rpmで行った。流速は粒子の成長に伴い、新しい核
が発生せず、かついわゆるオストワルド熟成をおこし、
粒径分布の広がらない流速で添加した。銀イオン液及び
ハライドイオン液の添加時においてpAgは臭化カリウ
ム液を用い、8.3±0.05に調整し、pHは硫酸を
用いて2.0±0.1に調整した。
【0146】添加終了後、pHを6.0に合わせてか
ら、過剰の塩類を除去するため、特公昭35−1608
6号記載の方法により脱塩処理を行った。この種乳剤を
電子顕微鏡で観察したところ、平均粒径0.27μm、
粒径分布の広さ17%の角がややかけた立方体形状の1
4面体単分散性乳剤であった。
【0147】上記の種乳剤−1と以下に示す7種の溶液
を用い、単分散性コア/シェル型乳剤を調製した。
【0148】 A4 オセインゼラチン 10g アンモニア水(28%) 28ml 氷酢酸 3ml 種乳剤−1 0.119モル相当 水で 600mlに仕上げる B4 オセインゼラチン 0.8g 臭化カリウム 5g 沃化カリウム 3g 水で 110mlに仕上げる C4 オセインゼラチン 2g 臭化カリウム 90g 水で 240mlに仕上げる D4 硝酸銀 9.9g アンモニア水(28%) 7.0ml 水で 110mlに仕上げる E4 硝酸銀 130g アンモニア水(28%) 100ml 水で 240mlに仕上げる F4 臭化カリウム 94g 水で 165mlに仕上げる G4 硝酸銀 9.9g アンモニア水(28%) 7.0ml 水で 110mlに仕上げる A4液を40℃に保温し撹拌機で800rpmで撹拌を
行った。A4液のpHは酢酸を用い9.90に調整し、
種乳剤−1を採取し分散懸濁させ、その後G4液を7分
間かけて等速で添加しpAgを7.3にした。更に、B
4液、D4液を同時に20分かけて添加した。この時の
pAgは7.3一定とした。さらに10分間かけて臭化
カリウム溶液及び酢酸を用いてpH=8.83、pAg
=9.0に調整した後、C4液、E4液を同時に30分
間かけて添加した。
【0149】このとき添加速度時と添加終了時の流量比
は1:10であり、時間とともに流速を上昇せしめた。
又、流量比に比例してpHを8.83から8.00まで
低下せしめた。又、C4液及びE4液が全体の2/3量
だけ添加された時にF4液を追加注入し8分間かけて等
速で添加した。このときpAgは9.0から11.0ま
で上昇した。更に酢酸を加えてpHを6.0に調整し
た。
【0150】添加終了後、過剰な塩類を除去するために
前記の種乳剤と同様の方法で沈澱脱塩を行い、pAg
8.5、40℃においてpH5.85の平均沃化銀含有
率が約2モル%の乳剤Em−3を得た。
【0151】得られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したと
ころ平均粒径0.55μm、粒径分布の広さが14%の
丸みを帯びた14面体単分散性コア/シェル型乳剤であ
った。
【0152】引き続き、上記の乳剤Em−3を所定量に
分割し、温度を55℃にした後に、分光増感色素(表2
に示す)を固体微粒子状の分散物として添加した。引き
続きチオ硫酸ナトリウム11mgを加えた後、チオシア
ン酸アンモニウム105mg、塩化金酸13.8mg、
及びトリフェニルホスフィンセレナイド2mgの固体微
粒子状分散物を加え、沃化銀微粒子0.5モル%を添加
して、総計2時間の熟成を施した。熟成終了時に安定剤
としてTAIを表1に示した量を添加した。尚、添加量
はAgX1モル当たりとして添加した。
【0153】分光増感色素の固体微粒子状分散物は特願
平4−99437号に記載の方法に準じて調製した。即
ち分光増感色素の所定量を予め27℃に調温した水に加
え高速撹拌機(ディゾルバー)で3.500rpmにて
30〜120分間にわたって撹拌することによって得
た。
【0154】上記のセレン増感剤の分散液は次のように
調製した。即ち、トリフェニルフォスフィンセレナイド
120gを50℃の酢酸エチル30kg中に添加、撹拌
し、完全に溶解した。他方で写真用ゼラチン3.8kg
を純水38kgに溶解し、これにドデシルベンゼンスル
フォン酸ナトリウム25wt%水溶液93gを添加し
た。次いでこれらの2液を混合して直径10cmのディ
ゾルバーを有する高速撹拌型分散機により50℃下にお
いて分散翼周速40m/秒で30分間分散を行った。そ
の後速やかに減圧下で、酢酸エチルの残留濃度が0.3
wt%以下になるまで撹拌を行いつつ、酢酸エチルを除
去した。その後、この分散液を純水で希釈して80kg
に仕上げた。このようにして得られた分散液の一部を分
取して実験に使用した。
【0155】得られた乳剤に後記した添加剤を加え乳剤
層塗布液とした。また同時に後記の保護層塗布液も調製
した。両塗布液を用いて、塗布量が支持体の片側当たり
の銀付き量が1.6g/m2、ゼラチン付量2.2g/
2なるように2台のスライドホッパー型コーターを用
い毎分80mのスピードで支持体上に両面同時塗布を行
い、2分20秒で乾燥し試料を得た。
【0156】支持体としてはグリシジメタクリレート5
0wt%、メチルアクリレート10wt%、ブチルメタ
クリレート40wt%の3種モノマーからなる共重合体
の濃度が10wt%になるように希釈して得た共重合体
水性分散液を下引き液とした175μmのX線フィルム
用の濃度0.15に青色着色したポリエチレンテレフタ
レートフィルムベースを用いた。
【0157】乳剤に用いた添加剤は次のとおりである。
【0158】 第1層(染料層) 固体微粒子分散体染料(AH) 180mg/m2 ゼラチン 0.2g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(I) 5mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5− トリアジンナトリウム塩 5mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.014μm) 10mg/m2 第2層(乳剤層) 上記で得た各々の乳剤に下記の各種添加剤を加えた。
【0159】 化合物(G) 0.5mg/m2 2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ− 1,3,5−トリアジン 5mg/m2 t−ブチル−カテコール 130mg/m2 ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 35mg/m2 スチレン−無水マレイン酸共重合体 80mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2 トリメチロールプロパン 350mg/m2 ジエチレングリコール 50mg/m2 ニトロフェニル−トリフェニル−ホスホニウムクロリド 20mg/m2 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 500mg/m2 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(H) 0.5mg/m2 n−C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 350mg/m2 化合物(M) 5mg/m2 化合物(N) 5mg/m2 コロイダルシリカ 0.5g/m2 ラテックス(L) 0.2g/m2 デキストリン(平均分子量1000) 0.2g/m2 一般式2の化合物 表2に示す 第3層(保護層) ゼラチン 0.8g/m2 ポリメチルメタクリレートからなるマット剤(面積平均粒径7.0μm) 50mg/m2 ホルムアルデヒド 20mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5− トリアジンンナトリウム塩 10mg/m2 ビス−ビニルスルホニルメチルエーテル 36mg/m2 ラテックス(L) 0.2g/m2 ポリアクリルアミド(平均分子量10000) 0.1g/m2 ポリアクリル酸ナトリウム 30mg/m2 ポリシロキサン(SI) 20mg/m2 化合物(I) 12mg/m2 化合物(J) 2mg/m2 化合物(S−1) 7mg/m2 化合物(K) 15mg/m2 化合物(O) 50mg/m2 化合物(S−2) 5mg/m2919−O−(CH2CH2O)11−H 3mg/m2 C817SO2N−(C37)(CH2CH2O)15−H 2mg/m2817SO2N−(C37)(CH2CH2O)4−(CH24SO3Na 1mg/m
【0160】
【化22】
【0161】
【化23】
【0162】
【化24】
【0163】
【化25】
【0164】次に得られた試料を用いて写真特性を評価
した。まず試料を2枚の蛍光増感紙(下記の高感度増感
紙)で挟み、アルミウエッジを介して管電圧80kV
p、管電流100mA、0.05秒間のX線を照射し露
光した。
【0165】 (高感度増感スクリーンの製造) 蛍光体 Gd2S:Tb(平均粒径1.8μm) 200g 結合剤 ポリウレタン系熱可塑性エラストマーデモラックTPKL−5−26 25<固形分40%>(住友バイエルウレタン(株)製) 20g ニトロセルロース(消化度11.5%) 2g にメチルエチルケトン溶媒に加え、プロペラミキサーで
分散させて粘度が25PS(25℃)の蛍光体層形成用
塗布液を調製した。(結合剤/蛍光体比=1/22) また別途に下塗層形成用塗布液として軟質アクリル樹脂
固形分90g、ニトロセルロース50gをメチルエチル
ケトンに加え分散、混合して粘度が3〜6PS(25
℃)の分散液を調製した。
【0166】二酸化チタンを練り込んだ厚さ250μm
のポリエチレンテレフタレート(支持体)をガラス板上
に水平に置き、上記の下塗層形成用塗布液をドクターブ
レードを用いて支持体上に均一塗布した後、25℃から
100℃に徐々に上昇させて塗布膜の乾燥を行い、支持
体上に下塗層を形成した。(塗布膜の厚さ15μm)こ
の上に上記の蛍光体層形成用塗布液をドクターブレード
を用いて膜厚240μmの厚みで均一に塗布乾燥し次い
で圧縮を行った。圧縮はカレンダーロールを用いて30
0kgw/cm2の厚力、80℃の温度で行った。この
圧縮の後、特開平6−75097号の実施例1記載の方
法で厚さ3μmの透明保護膜を形成した。得られた増感
紙の特性は蛍光体厚み160μm、蛍光体充填率68
%、鮮鋭度(CTF)は48%であった。
【0167】次いで自動現像機SRX−502(コニカ
(株)製)を用い下記処方の現像液及び定着液で処理し
た。
【0168】 現像液処方 Part−A(12l仕上げ用) 水酸化カリウム 450g 亜硫酸カリウム(50%溶液) 2280g ジエチレンテトラアミン5酢酸 120g 重炭酸水素ナトリウム 132g 5−メチルベンゾトリアゾール 1.2g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.2g ハイドロキノン 340g 水を加えて 5000mlに仕上げる。
【0169】 Part−B(12l仕上げ用) 氷酢酸 170g トリエチレングリコール 185g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 22g 5−ニトロインダゾール 0.4g スターター 氷酢酸 120g 臭化カリウム 225g 水を加えて 1.0lに仕上げる。
【0170】 定着液処方 Part−A(18l仕上げ用) チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol%) 6000g 亜硫酸ナトリウム 110g 酢酸ナトリウム・3水塩 450g クエン酸ナトリウム 50g グルコン酸 70g 1−(N,N−ジメチルアミノ)−エチル−5−メルカプトテトラゾール 18g Part−B 硫酸アルミニウム 800g 現像液の調製は水約5lにPartA、PartBを同
時添加し、撹拌溶解しながら水を加え12lに仕上げ、
氷酢酸でpHを10.40に調整した。これを現像液と
する。
【0171】この現像液1lに対して前記のスターター
を20ml/l添加しpHを10.4に調整し使用液と
する。
【0172】定着液の調製は水約5lにPartA、P
artBを同時添加し、撹拌溶解しながら水を加え18
lに仕上げ、硫酸とNaOHを用いてpHを4.9に調
整した。これを定着補充液とする。
【0173】なお、処理温度はそれぞれ現像35℃、定
着33℃、水洗20℃、乾燥50℃、処理時間はdry
to dryで30秒である。処理液の補充量は14
ml/四つ切り1枚当たりで処理した。
【0174】得られたそれぞれの試料について写真感度
の測定を行ない、試料No.1の感度を基準(100)
としたときの相対感度値で示した。
【0175】残色汚染については未露光試料を現像処理
後、500nmにおける分光吸収濃度を測定して残色性
とした。なお残色性についても試料No.1の値を10
0とした相対値で表し、いずれも数値が小さい方が優れ
ることを表す。
【0176】また銀色調の評価は、35cm×43cm
の各試料を濃度が1.0になるように均一に露光した
後、上記の現像処理を行い、処理後のフィルムを下記の
4段階評価レベルに従って、目視評価した。
【0177】 ◎:現像銀が純黒色 ○:現像銀がほとんど黄色味が認められない △:現像銀が少し黄色味が認められる ×:現像銀が黄色味のある黒色 得られた試料の内訳を表2に、結果を表3に示す。
【0178】
【表2】
【0179】
【表3】
【0180】表3から明らかなように、本発明の試料は
高感度、低カブリ性で、残色汚染が少なく、かつ銀色調
が純黒色調で、黄色味がなく優れていることが分かる。
【0181】実施例2 実施例1で得られた乳剤を実施例と同様に塗布液を調整
した。また塗布量は片側当たりの銀付き量が1.5g/
2、ゼラチン付量が2.0g/m2なるように塗布を行
った。膜厚は実施例1の試料より7%薄く塗布した。
【0182】次に、それぞれの試料を以下の2種類の条
件下で7日間保存した。
【0183】 条件A:23℃、55%RH 条件B:40℃、80%RH 保存後、得られた試料を用いて写真特性を評価した。ま
ず試料を2枚のスクリーン(前記高感度増感スクリー
ン)で挟み、アルミウエッジを介して管電圧80kV
p、管電流100mA、0.05秒間のX線を照射し露
光してから、下記の15秒処理システムで処理した以外
は実施例1と同じ評価方法で写真性能を測定した。
【0184】自動現像機(コニカ(株)製SRX−50
2)を用い下記処方の現像液、定着液で処理した。尚、
以下の操作(A〜D)に従って錠剤を作成した。
【0185】操作(A) 現像主薬のハイドロキノン3000gを市販のバンダム
ミル中で平均粒径10μmになるまで粉砕する。この微
粉に、亜硫酸ナトリウム3000g、亜硫酸カリウム2
000g、ジメゾンS1000gを加えミル中で30分
間混合して市販の撹拌造粒機中で室温にて約10分間、
30mlの水を添加することにより造粒した後、造粒物
を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水
分をほぼ完全に除去する。このようにして調整した造粒
物にポリエチレングリコール6000を100gを25
℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて
10分間均一に混合した後、得られた混合物を菊水製作
所(株)製タフプレストコレクト1527HUを改造し
た打錠機により1錠当たりの充填量を3.84gにして
圧縮打錠を行い、2500個の現像錠剤A剤を作成し
た。
【0186】操作(B) DTPA100g、炭酸カリウム4000g、5−メチ
ルベンゾトリアゾール10g、1−フェニル−5−メル
カプトテトラゾール7g、2−メルカプトヒポキサンチ
ン5g、KOH200g、N−アセチル−D,L−ペニ
シラミンを操作(A)と同様に粉砕、造粒する。水の添
加量は30.0mlとし、造粒後、50℃で30分間乾
燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このように
して得られた混合物を上記と同様の打錠機により1錠当
たりの充填量を1.73gにして圧縮打錠を行い、25
00個の現像補充用錠剤B剤を作成した。
【0187】次に以下の操作で定着錠剤を作成した。
【0188】操作(C) チオ硫酸アンモニウム/チオ硫酸ナトリウム(70/3
0重量比)14000g、亜硫酸ナトリウム1500g
を(A)と同様粉砕した後、市販の混合機で均一に混合
する。次に(A)と同様にして、水の添加量を500m
lにして造粒を行う。造粒後、造粒物を60℃で30分
間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このよ
うにして、調整した造粒物にN−ラウロイルアラニンナ
トリウム4gを添加し25℃、40%RH以下に調湿さ
れた部屋で混合機を用いて3分間混合する。次に得られ
た混合物を上記と同様の打錠機により1錠当たりの充填
量を6.202gにして圧縮打錠を行い、2500個の
定着錠剤C剤を作成した。 操作(D) ほう酸1000g、硫酸アルミニウム・18水塩150
0g、酢酸水素ナトリウム(氷酢酸と酢酸ナトリウムを
等モル混ぜ乾燥させたもの)3000g、酒石酸200
gを操作(A)と同様、粉砕、造粒する。水の添加量は
100mlとし造粒後、50℃で30分間乾燥して造粒
物の水分をほぼ完全に除去する。このようにして、調整
したものにN−ラウロイルアラニンナトリウム4gを添
加し、3分間混合した後、得られた混合物を上記と同様
の打錠機により1錠当たりの充填量を4.562gにし
て圧縮打錠を行い、1250個の定着補充用錠剤D剤を
作成した。
【0189】 現像液 スターター 氷酢酸 2.98g KBr 4.0g 水を加えて1リットルとした。
【0190】現像液の処理開始(ランニング開始)時に
は現像用錠剤を希釈水で希釈調製(調製法は下記のラン
ニング液と同じ)した現像液16.5lに対してスター
ター330mlを添加した液をスタート液として現像槽
を満たして処理を開始した。尚、スターターを添加した
現像液のpHは10.45であった。
【0191】先に調製した感光材料に現像処理後の光学
濃度が1.0となるように露光を施し、ランニングを行
った。ランニングには自動現像機SRX−502(コニ
カ(株)製)に固体処理剤の投入部材をつけ、処理速度
が15秒で処理できるように改造したものを用いた。ラ
ンニング中は現像液には感光材料0.62m2当たり上
記A、B剤が各2個と水を76mlを添加して行った。
A、B各を38mlの水に溶解したときのpHは10.
70であった。定着液には感光材料0.62m2当たり
上記C剤を2個とD剤を1個及び水を74ml添加し
た。各処理剤1個に対して水の添加速度は処理剤の添加
とほぼ同時に開始し処理剤の溶解速度におよそ比例して
10分間等速で添加した。
【0192】 それぞれの試料について、感度測定を行い、試料No.
1の条件Aの結果を基準(100)としたときの相対値
で示した。条件Aと条件Bの差の値が小さい方が変動が
少なく、優れていることを示す。
【0193】また現像ムラの評価は、35cm×43c
mの各試料を、濃度が1.0になるように均一に露光し
た後、上記の現像処理を行い、処理後のフィルム試料を
下記の4段階評価で目視評価した。
【0194】 ◎:ムラが全く認められない ○:ムラが少し認められる △:ムラが相当認められる ×:ムラが全面に認められる 得られた結果を次の表4に示す。
【0195】
【表4】
【0196】表4の結果から明らかなように、本発明の
試料は高温高湿下での経時保存性も優れ、且つ、現像ム
ラが全く認められなかった。さらに固体処理剤を使用
し、15秒といった超迅速処理に際しても感度の劣化が
ないことが分かる。
【0197】
【発明の効果】本発明によれば現像後の画像銀の色調が
純黒色で、且つ、色素ステインがなく、経時保存性が優
れた高感度、低カブリ性のハロゲン化銀写真感光材料と
その処理方法を得られた。さらに本発明は医療用感光材
料に有利であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 5/26 520 G03C 5/26 520 5/31 5/31 5/395 5/395

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層と親水性コロイド層を有するハロゲン化
    銀写真感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層の全投
    影面積の50〜100%が、アスペクト比2〜20で、
    平均沃度含有率が0〜1モル%であるハロゲン化銀粒子
    であって、該ハロゲン化銀乳剤層中に下記一般式(1)
    で表される分光増感色素の少なくとも1種と4−ヒドロ
    キシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデ
    ンを0.1〜20mg/m2含有することを特徴とする
    ハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 式中、R1、R3は各々、置換又は無置換のアルキル基ま
    たはアルケニル基を表し、R2、R4は各々、置換又は無
    置換のアルキル基でR2、R4のうちの少なくとも1つは
    親水性基を置換したアルキル基を表す。Z1、Z2、Z3
    及びZ4は各々同じか、又は異なってもよく、水素原
    子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、ハロゲン置
    換アルコキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
    シル基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン置
    換アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモ
    イル基、スルファモイル基、ヒドロキシ基、ハロアルキ
    ル基、カルボキシ基、スルホニル基、アシルアミノ基、
    複素環基、アリール基のいずれかを表す。X1は分子内
    の電荷を中和するに必要なイオンを表し、色素が分子内
    塩を形成するときはnは1である。
  2. 【請求項2】 上記請求項1記載の感光性ハロゲン化銀
    乳剤層及び/又は親水性コロイド層中に、下記一般式
    (2)で表される化合物を含有することを特徴とするハ
    ロゲン化銀写真感光材料。 【化2】 式中、Wは−NR7(R8)、−OHまたは−OZを表
    す。Zはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウムイオ
    ンを表す。R7及びR8はアルキル基、またはアリール基
    を表す。Z5、Z6は窒素原子または=C(R9)を表
    す。Y、Z5、Z6は隣接する炭素原子とともに5〜6員
    の芳香族炭素環、または芳香族ヘテロ環を構築するのに
    必要な原子群を表す。R6は水素原子、ハロゲン原子又
    は1価の置換基を表し、nは1〜3を表す。R9は水素
    原子または1価の置換基を表す。R5は水素原子、アシ
    ル基、スルホニル基、カルバモイル基、スルホ基、スル
    ファモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
    シカルボニル基を表す。CPは以下の基を表す。 【化3】 式中、R5〜R8は水素原子、ハロゲン原子、およびベン
    ゼン環に置換可能な置換基を表す。またR5とR6および
    7とR8は互いに結合して5〜7員の環を形成してもよ
    い。R9はR4と同義である。R10及びR11はアルキル
    基、アリール基、ヘテロ環基を表す。R12はR4と同義
    である。R13及びR14はR10及びR11と同義である。R
    15はR12と同義である。R16はアルキル基、アリール
    基、スルホニル基、トリフルオロメチル基、カルボキシ
    ル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボ
    ニル基、カルバモイル基及びシアノ基を表す。R17はR
    4と同義である。R18はR3と同義であり、mは1〜3を
    表す。Y1は2つの窒素原子とともに5〜6員の単環ま
    たは縮合環の含窒素ヘテロ環を構築するのに必要な原子
    群を表す。(★は一般式2におけるCPとその他の部分
    構造との結合点を表す。)
  3. 【請求項3】 上記請求項1又は2に記載の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層及び/又は親水性コロイド層中に下記一
    般式(3)で表される化合物を含有することを特徴とす
    るハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(3) Het−(J)n−(Q)m 式中、Hetはメルカプト基またはメルカプト基をブロ
    ックされた基を有しない5〜6員の含窒素ヘテロ環を表
    し、Jはa+1価の連結基を表す。Qは水溶性基を表
    し、nは0〜5の整数でa及びmは1以上の整数であ
    る。
  4. 【請求項4】 上記請求項1〜3のいずれか1項に記載
    のハロゲン化銀写真感光材料の塩化銀含有率が、20〜
    100モル%であることを特徴とするハロゲン化銀写真
    感光材料。
  5. 【請求項5】 上記請求項1〜4のいずれか1項に記載
    のハロゲン化銀写真感光材料を露光後、自動現像機で処
    理する際の全処理時間が5〜30秒であり、且つ、現像
    液及び定着液の補充量が四つ切り1枚当たり5〜15m
    lであることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の
    処理方法。
  6. 【請求項6】 上記請求項1〜4のいずれか1項に記載
    のハロゲン化銀写真感光材料を露光後、自動現像機で処
    理する際の処理液が固体状処理剤を連続処理しながら供
    給することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処
    理方法。
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