JPH1048525A - 変倍光学系 - Google Patents

変倍光学系

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JPH1048525A
JPH1048525A JP8219483A JP21948396A JPH1048525A JP H1048525 A JPH1048525 A JP H1048525A JP 8219483 A JP8219483 A JP 8219483A JP 21948396 A JP21948396 A JP 21948396A JP H1048525 A JPH1048525 A JP H1048525A
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JP
Japan
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lens
lens group
end state
wide
optical system
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JP8219483A
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English (en)
Inventor
Motoyuki Otake
基之 大竹
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Priority to US08/904,841 priority patent/US5880892A/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化および高変倍化に適した変倍光学系。 【解決手段】 最も物体側に配置された正の屈折力を有
する正レンズ群G1と、最も像側に配置された最終レン
ズ群Geとを備えている。そして、広角端状態から望遠
端状態へのレンズ位置状態の変化に際して、正レンズ群
G1および最終レンズ群Geは物体側へ移動する。この
場合、広角端状態を基準とした任意の所定レンズ位置状
態までの正レンズ群G1の移動量と最終レンズ群Geの
移動量との比は、条件式(1)を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は変倍光学系に関し、
特に3つ以上の可動レンズ群を備えた変倍光学系に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラに用いられる撮影光学系で
は、ズームレンズが主流である。特に、変倍比が3倍を
超える、いわゆる高変倍ズームレンズを備えたカメラが
主流となりつつある。また、レンズシャッター式のカメ
ラや電子スチルカメラでは、小型で且つ軽量のカメラの
方が携帯性に優れるため、小型で且つ高変倍化に適した
ズームレンズに関して種々の提案がなされている。これ
ら高変倍ズームレンズには、変倍に際して3つ以上のレ
ンズ群が移動するように構成された、いわゆる多群ズー
ムレンズが主に用いられており、多群ズームレンズに関
しても種々の提案がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、少ない
可動レンズ群で構成されたズームレンズにおいて高変倍
化を図る場合、変倍に伴う各レンズ群の横倍率の変化が
大きくなる。その結果、製造時に所要の光学性能を得る
には、高精度のレンズ位置制御が不可欠とされたり、レ
ンズ全長の短縮化が難しいなどという不都合があった。
また、従来のズームレンズでは、望遠端状態においてレ
ンズ全長に対するバックフォーカスの割合が大きい。そ
の結果、望遠端状態においてレンズ鏡筒が倒れ易くなる
ので、被写体像が傾いて、いわゆる像の片ボケが起こり
易いという不都合があった。
【0004】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
のであり、小型化および高変倍化に適した変倍光学系を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明においては、最も物体側に配置された正の屈
折力を有する正レンズ群G1と、最も像側に配置された
最終レンズ群Geとを備え、広角端状態から望遠端状態
へのレンズ位置状態の変化に際して、前記正レンズ群G
1および前記最終レンズ群Geは物体側へ移動し、広角
端状態を基準とした任意の所定レンズ位置状態までの前
記正レンズ群G1の移動量をΔG1とし、広角端状態を
基準とした前記所定レンズ位置状態までの前記最終レン
ズ群Geの移動量をΔGeとしたとき、広角端状態から
望遠端状態へのレンズ位置状態の変化に際して常に、 0.3<|ΔGe/ΔG1|<0.6 の条件を満足することを特徴とする変倍光学系を提供す
る。
【0006】本発明の好ましい態様によれば、前記最終
レンズ群Geは負の屈折力を有し、前記最終レンズ群G
eの物体側に隣接して配置された負の屈折力を有する負
レンズ群Gnをさらに備えている。この場合、広角端状
態から望遠端状態へのレンズ位置状態の変化に際して、
前記負レンズ群Gnと前記最終レンズ群Geとの空気間
隔は増大することが好ましい。
【0007】また、本発明の好ましい態様によれば、前
記正レンズ群G1の焦点距離をf1とし、広角端状態に
おけるレンズ系全体の焦点距離をfwとし、望遠端状態
におけるレンズ系全体の焦点距離をftとしたとき、 0.8<f1/(fw・ft)1/2 <1.4 の条件を満足する。さらに、望遠端状態におけるレンズ
全長をTLt とし、望遠端状態におけるバックフォーカス
をBft としたとき、 Bft /TLt <0.5 の条件を満足することが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】レンズシャッター式のカメラのよ
うに撮影レンズ系をカメラ本体内に組み込んだレンズ一
体型カメラでは、撮影レンズ系のバックフォーカスに制
約がない。したがって、この種のカメラに用いられる撮
影レンズ系には、最も像側に負レンズ群を配置した望遠
型のズームレンズが用いられる。最も像側に負レンズ群
を配置した望遠型のズームレンズでは、広角端状態(最
も焦点距離の短い状態)から望遠端状態(最も焦点距離
の長い状態)までレンズ位置状態が変化する際に、負レ
ンズ群を増倍(広角端状態よりも望遠端状態の方が負レ
ンズ群の横倍率の大きさが増大する)に用いている。
【0009】また、開口絞りは、負レンズ群よりも物体
側に配置されている。そして、広角端状態から望遠端状
態までレンズ位置状態が変化する際に、開口絞りと負レ
ンズ群との間隔を狭めている。こうして、軸外光束が負
レンズ群を通過するとき、広角端状態では光軸から離れ
て通過し、望遠端状態では光軸の近くを通過する。した
がって、変倍による軸外収差の変動を良好に補正し、高
性能化を達成することができる。但し、広角端状態での
バックフォーカスが短すぎると、負レンズ群の像面寄り
の面に付着したゴミの影がフィルム面上に写り込んでし
まう。したがって、広角端状態におけるバックフォーカ
スを適切な値とすることが望ましい。
【0010】さらに、ズームレンズの最も物体側に正レ
ンズ群を配置し、広角端状態ではレンズ全長を短くする
構成にすることにより、正レンズ群を通過する軸外光束
が光軸に近づく。また、望遠端状態では、正レンズ群と
その像側のレンズ群(広角端状態では正レンズ群の像側
に近接して配置される)との間隔を広げ、正レンズ群を
介して光束を強く収斂させることによって、レンズ全長
の短縮化を図っている。なお、小型で且つ高変倍化に適
した多群ズームレンズの具体的な構成として、例えば正
正負3群タイプのズームレンズ、正負正負4群タイプの
ズームレンズ、および正負正正負5群タイプのズームレ
ンズが知られている。
【0011】いづれのタイプのズームレンズにおいて
も、レンズ系の最も物体側に正レンズ群が配置され、最
も像側に負レンズ群が配置されている。そして、最も物
体側の正レンズ群と最も像側の負レンズ群との間に、1
つの正レンズ群を配置するか、あるいは全体として正の
合成屈折力を有する複数のレンズ群を配置し、広角端状
態から望遠端状態への変倍時にすべてのレンズ群を物体
側へ移動させている。ところで、前述のように、広角端
状態でのバックフォーカスを適切な値とした場合、広角
端状態での負レンズ群の横倍率はほぼ同じ値であり、変
倍比の増大にしたがって望遠端状態における負レンズ群
の横倍率が増大するので、より高いレンズ位置制御が要
求される。このように、変倍比が増大すると望遠端状態
において要求されるレンズ位置精度が非常に高くなるの
で、望遠端状態における負レンズ群の横倍率を抑える必
要がある。
【0012】例えば、特開平7−13080号公報や特
開平7−72392号公報に開示のズームレンズでは、
負レンズ群の像面寄りにさらに負屈折力のレンズ群を追
加することにより、望遠端状態における負レンズ群の横
倍率を小さくしている。しかしながら、広角端状態を基
準とした任意のレンズ位置状態までの最も像側の負レン
ズ群の移動量がレンズ全長の変化に比べて大きいため、
望遠端状態におけるバックフォーカスが大きく、レンズ
鏡筒の倒れが発生し易かった。
【0013】そこで、本発明においては、次の条件か
らを満足するようにレンズ系を構成することにより、
本発明の課題を解決している。 レンズ系の最も像側に2つの負レンズ群を配置して、
広角端状態から望遠端状態へのレンズ位置状態の変化に
際して、2つの負レンズ群をその間隔が広がるように物
体側へ移動させる。 レンズ系の最も物体側に、正レンズ群を配置する。 正レンズ群と2つの負レンズ群との間に、少なくとも
1つのレンズ群を配置する。
【0014】従来より、レンズ系の小型化の目安とし
て、望遠比が知られている。望遠比とは、レンズ全長
(レンズ系の最も物体側の面と像面との間の軸上距離)
を焦点距離で割った値である。正レンズ群と負レンズ群
とが所定の間隔を隔てて配置されている場合、レンズ系
全体の焦点距離および望遠比が一定とすると、負レンズ
群の屈折力が強まるにつれて正レンズ群と負レンズ群と
の間隔が広がる。また、2つの負レンズ群が所定の間隔
を隔てて配置されている場合、その間隔が広がるにつれ
てその合成屈折力は負に強まる。従って、本発明におい
ては、の条件を満足することにより、望遠端状態にお
いて2つの負レンズ群の合成屈折力を負に強めて、望遠
端状態における負レンズ群の位置を像側へ移動させ、レ
ンズ全長に占めるバックフォーカスの割合を小さくして
レンズ鏡筒の倒れを抑えることができる。
【0015】前述の通り、レンズ全長の短縮化を図るに
は、望遠型の屈折力配置が効果的である。従って、本発
明においても、レンズ系の最も物体側に正レンズ群を配
置することによりレンズ全長の短縮化を図っているの
で、の条件が必要となる。ところで、正負2群タイプ
のズームレンズでは、正レンズ群と負レンズ群との間隔
が広角端状態よりも望遠端状態で狭くなる。特に、変倍
比が高まると、レンズ全長に対してバックフォーカスが
極端に増大して、レンズ鏡筒の倒れが発生してしまう。
このため、本発明においては、正レンズ群と負レンズ群
との間に1つのレンズ群あるいは複数のレンズ群を配置
することにより、望遠端状態におけるレンズ全長の短縮
化を図ってレンズ鏡筒の倒れの発生を抑えているので、
条件が必要となる。
【0016】以下、本発明の各条件式について説明す
る。本発明においては、次の条件式(1)を満足する。 0.3<|ΔGe/ΔG1|<0.6 (1) ここで、 ΔG1:広角端状態を基準とした任意の所定レンズ位置
状態までの正レンズ群G1の移動量 ΔGe:広角端状態を基準とした所定レンズ位置状態ま
での最終レンズ群Geの移動量
【0017】条件式(1)は、広角端状態を基準とした
広角端状態から望遠端状態までのレンズ位置状態のうち
任意のレンズ位置状態までの正レンズ群G1の移動量と
最終レンズ群Geの移動量との比について適切な範囲を
規定している。条件式(1)の上限値を上回った場合、
望遠端状態においてレンズ全長に対するバックフォーカ
スの割合が大きくなる。その結果、レンズ鏡筒が倒れ易
くなり、片ボケが発生し易くなってしまう。
【0018】一方、条件式(1)の下限値を下回った場
合、広角端状態から望遠端状態まで最終レンズ群Geが
移動する際に、最終レンズ群Geを通過する軸外光束の
高さがあまり変化しなくなる。その結果、変倍時に伴う
軸外収差の変動を抑えることができなくなってしまう。
なお、レンズ鏡筒の倒れをさらに抑えるには、条件式
(1)の上限値を0.55に設定することが望ましい。
また、製造時に発生するレンズ位置誤差を抑えるには、
広角端状態から望遠端状態までの任意のレンズ位置状態
において条件式(1)の値がほぼ一定になるように構成
することが望ましい。
【0019】また、本発明においては、望遠端状態にお
けるレンズ全長を短縮化するために、以下の条件式
(2)を満足することが望ましい。 0.8<f1/(fw・ft)1/2 <1.4 (2) ここで、 f1:正レンズ群G1の焦点距離 fw:広角端状態におけるレンズ系全体の焦点距離 ft:望遠端状態におけるレンズ系全体の焦点距離
【0020】条件式(2)は、レンズ系の最も物体側に
配置される正レンズ群G1の焦点距離f1について適切
な範囲を規定している。条件式(2)の上限値を上回っ
た場合、正レンズ群G1による収斂作用が弱まり、レン
ズ系が大型化してしまうので好ましくない。一方、条件
式(2)の下限値を下回った場合、正レンズ群G1によ
る収斂作用が強まる。その結果、特に望遠端状態におい
て正レンズ群G1を通過する軸外光束が光軸から離れて
しまい、レンズ系の大型化を招いてしまうので好ましく
ない。
【0021】また、本発明においては、望遠端状態にお
いて発生し易いレンズ鏡筒の倒れをさらに確実に防ぐた
めに、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。 Bft /TLt <0.5 (3) ここで、 TLt :望遠端状態におけるレンズ全長 Bft :望遠端状態におけるバックフォーカス 条件式(3)は、望遠端状態におけるレンズ全長に占め
るバックフォーカスの割合について適切な範囲を規定し
ている。条件式(3)の上限値を上回った場合、望遠端
状態においてレンズ鏡筒の倒れが起こり易く、片ボケが
発生し易くなるので好ましくない。
【0022】また、本発明においては、レンズ全長の短
縮化を図るために、最終レンズ群Geが負屈折力を有
し、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。 −5<fe/(fw・ft)1/2 <−1 (4) ここで、 fe:最終レンズ群Geの焦点距離
【0023】条件式(4)は、最終レンズ群Geの屈折
力について適切な範囲を規定している。条件式(4)の
上限値を上回った場合、望遠端状態における屈折力配置
の非対称性が強まり、正の歪曲収差を良好に補正するこ
とが困難となってしまう。逆に、条件式(4)の下限値
を下回った場合、最終レンズ群Geによる発散作用が弱
まるので、レンズ全長の短縮化が難しくなってしまう。
【0024】本発明において、レンズ系の最も物体側に
配置された正レンズ群G1とレンズ系の最も像側に配置
された2つの負レンズ群GnおよびGeとの間に1つの
可動レンズ群Gaを配置する場合、可動レンズ群Gaは
負部分群とその像側に隣接して配置された正部分群とで
構成されることが望ましい。以下、この理由について説
明する。まず、広角端状態において適切なバックフォー
カスを得るには、可動レンズ群Ga中の負部分群によっ
て正レンズ群G1で収斂された光束を発散させることが
望ましい。また、負部分群を配置することにより、広角
端状態において2つの負レンズ群GnおよびGeで発生
する正の歪曲収差を良好に補正することができる。さら
に、負部分群を通過する光束は発散作用を受けるので、
負部分群の像側に正部分群を配置することが望ましい。
【0025】また、本発明において、レンズ系の最も物
体側に配置された正レンズ群G1とレンズ系の最も像側
に配置された2つの負レンズ群GnおよびGeとの間に
複数の可動レンズ群を配置する場合、複数の可動レンズ
群は、正レンズ群G1の像側に隣接して配置された負屈
折力のレンズ群Gaと、2つの負レンズ群GnおよびG
eの物体側に隣接して配置された正屈折力のレンズ群G
bとを含み、複数の可動レンズ群の合成屈折力は変倍中
常に正であることが望ましい。以下、この理由について
説明する。
【0026】まず、前述の通り、広角端状態において適
切なバックフォーカスを得るには、負屈折力のレンズ群
Gaによって正レンズ群G1で収斂された光束を発散さ
せることが望ましい。また、負屈折力のレンズ群Gaを
配置することにより、広角端状態において2つの負レン
ズ群GnおよびGeで発生する正の歪曲収差を良好に補
正することができる。さらに、レンズ群Gaを通過する
光束は、発散作用を受けるので、レンズ群Gaの像側に
正屈折力のレンズ群Gbを配置することが望ましい。
【0027】また、本発明において、広角端状態を基準
とした任意のレンズ位置状態までの正レンズ群G1の移
動量と最終レンズ群Geの移動量との比をほぼ一定にす
ることが望ましい。この場合、レンズ鏡筒の構造上、正
レンズ群G1と最終レンズ群Geとを線形カムで移動さ
せることが可能となり、レンズ位置制御の精度を高める
ことができる。
【0028】小型化に適したズームレンズ鏡筒として、
2段沈胴構造が知られている。2段沈胴構造は、第1鏡
筒と第2鏡筒と暗箱と駆動用モータとで構成され、第1
鏡筒と第2鏡筒とがヘリコイド嵌合し、第2鏡筒と暗箱
とがヘリコイド嵌合している。そして、駆動用モータに
より第2鏡筒が回転しながら光軸方向に移動し、第2鏡
筒の回転力により第1鏡筒が第2鏡筒に対して相対的に
光軸方向に移動する。また、正レンズG1は第1鏡筒に
直接固定されるか、あるいはレンズ室を介して第1鏡筒
に固定されている。したがって、第1鏡筒の光軸方向の
移動に従って正レンズ群G1が光軸方向に案内され、第
2鏡筒内に設けられたズームカムに沿って他のレンズ群
が光軸方向に案内される。
【0029】2段沈胴構造では、第1鏡筒の光軸方向の
長さと第2鏡筒の光軸方向の長さと暗箱の光軸方向の長
さとが互いにほぼ等しくなるとき、カメラ本体の小型化
を効率的に図ることができる。この場合、第1鏡筒と第
2鏡筒との移動比率は、約2:1となる。従って、本発
明においては、広角端状態を基準した任意のレンズ位置
状態までの正レンズ群G1の移動量と最終レンズ群Ge
の移動量と比率を約2:1で常にほぼ一定にすることが
望ましい。これにより、正レンズ群G1を第1鏡筒に取
り付け、最終レンズ群Geを第2鏡筒に取り付けること
が可能となる。その結果、鏡筒構造の複雑化を招くこと
なく、高変倍化を達成することも可能となる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の各実施例を、添付図面に基づ
いて説明する。本発明の各実施例にかかる変倍光学系
は、最も物体側に配置された正の屈折力を有する正レン
ズ群G1と、最も像側に配置された最終レンズ群Geと
を備えている。そして、広角端状態から望遠端状態への
レンズ位置状態の変化に際して、正レンズ群G1および
最終レンズ群Geは物体側へ移動する。
【0031】各実施例において、非球面は、光軸に垂直
な方向の高さをy、高さyにおける光軸方向の変位量
(サグ量)をS(y)、基準の曲率半径をR、円錐係数
をκ、n次の非球面係数をCn としたとき、以下の数式
(a)で表される。
【数1】 S(y)=(y2 /R)/{1+(1−κ・y2 /R2 1/2 } +C2 ・y2 +C4 ・y4 +C6 ・y6 +C8 ・y8 +C10・y10+・・・ (a) 各実施例において、非球面には面番号の右側に*印を付
している。
【0032】〔第1実施例〕図1は、本発明の第1実施
例にかかる変倍光学系の屈折力配分および広角端状態
(W)から望遠端状態(T)へのレンズ位置状態の変化
を示す図である。図1に示すように、本発明の第1実施
例にかかる変倍光学系は、物体側から順に、正の屈折力
を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2
レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3
と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折
力を有する第5レンズ群G5と、負の屈折力を有する第
6レンズ群G6とから構成されている。すなわち、第1
レンズ群G1が正レンズ群G1を、第6レンズ群G6が
最終レンズ群Geをそれぞれ構成している。
【0033】そして、広角端状態から望遠端状態へのレ
ンズ位置状態の変化に際して、第1レンズ群G1と第2
レンズ群G2との空気間隔は増大し、第2レンズ群G2
と第3レンズ群G3との空気間隔は減少し、第3レンズ
群G3と第4レンズ群G4との空気間隔は増大し、第4
レンズ群G4と第5レンズ群G5との空気間隔は減少
し、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との空気間隔
は増大するように、各レンズ群が物体側へ移動する。な
お、第1実施例では、広角端状態から望遠端状態へのレ
ンズ位置状態の変化に際して、第2レンズ群G2と第4
レンズ群G4との間隔は常に一定である。また、広角端
状態を基準とした任意のレンズ位置状態までの第1レン
ズ群G1の移動量と第6レンズ群G6の移動量とは、常
に2:1である。
【0034】図2は、本発明の第1実施例にかかる変倍
光学系の構成を示す図である。図2の変倍光学系は、物
体側から順に、両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メ
ニスカスレンズとの接合正レンズL1からなる第1レン
ズ群G1と、両凹レンズL21、両凸レンズL22、および
物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL23からなる
第2レンズ群G2と、両凸レンズL3からなる第3レン
ズ群G3と、両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニ
スカスレンズとの接合正レンズL4からなる第4レンズ
群G4と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL
51、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL52、お
よび物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL53から
なる第5レンズ群G5と、物体側に凹面を向けた負メニ
スカスレンズL6からなる第6レンズ群G6とから構成
されている。
【0035】また、開口絞りSは、第3レンズ群G3と
第4レンズ群G4との間に配置され、広角端状態から望
遠端状態へのレンズ位置状態の変化に際して第4レンズ
群G4と一体的に移動する。図2は、広角端状態におけ
る各レンズ群の位置関係を示しており、望遠端状態への
レンズ位置状態の変化に際して図1に矢印で示すズーム
軌道に沿って光軸上を移動する。また、第3レンズ群G
3を光軸に沿って移動させることにより、フォーカシン
グ(合焦)を行っている。
【0036】次の表(1)に、本発明の第1実施例の諸
元の値を掲げる。表(1)において、fは焦点距離を、
FNOはFナンバーを、2ωは画角を、Bfはバックフォ
ーカスを、D0 は物体と最も物体側の面との光軸に沿っ
た距離をそれぞれ表している。さらに、面番号は光線の
進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序を、
屈折率およびアッベ数はそれぞれd線(λ=587.6
nm)に対する値を示している。
【0037】
【表1】 f=38.80 〜75.35 〜113.02〜153.20 FNO= 4.30 〜 6.88 〜 8.99〜 11.01 2ω=58.29 〜31.01 〜 17.96〜 15.69° 面番号 曲率半径 面間隔 屈折率 アッベ数 1 59.4129 4.2698 1.48749 70.45 2 -37.9306 1.3814 1.84666 23.83 3 -63.2599 (D3= 可変) 4 -30.9582 1.0047 1.83500 42.97 5 20.5865 1.0047 6 18.8731 2.6372 1.78472 25.70 7 -47.1212 0.5023 8 -20.6854 1.0047 1.83500 42.97 9 -135.8101 (D9= 可変) 10 323.8179 2.0093 1.48749 70.45 11 -19.4306 (D11=可変) 12 ∞ 2.2605 (開口絞りS) 13 27.6565 4.3953 1.48749 70.45 14 -12.2958 1.2558 1.84666 23.83 15 -22.8266 (D15=可変) 16 -49.9703 3.0140 1.84666 23.83 17 -20.6312 1.2583 18 -26.6528 1.2583 1.78800 47.50 19 -65.6297 3.9296 20 -14.9671 1.5070 1.78800 47.50 21 -64.1269 (D21=可変) 22 -51.9711 1.0047 1.62041 60.35 23 -157.2480 (Bf) (変倍における可変間隔) f 38.8039 75.3465 113.0189 153.2019 D3 1.6326 11.9215 19.1983 26.2823 D9 4.3754 2.8045 2.3398 1.8837 D11 2.5316 4.1025 4.5672 5.0233 D15 18.6826 9.6691 4.9215 1.8837 D21 2.5116 12.6690 20.5388 28.2532 Bf 5.0227 16.4559 26.8561 36.2226 (撮影倍率−1/30倍時の第3レンズ群G3のフォーカシング移動量) 焦点距離f 38.8039 75.3465 113.0189 153.2019 D0 1117.0386 2182.0510 3276.2251 4447.4776 移動量 1.0769 0.8390 0.8086 0.7919 ただし、移動量の符号は物体側から像側への移動を正とする (条件対応値) f1= 83.0700 fe=−125.5812 TLt = 130.8522 (1)|ΔGe/ΔG1| =0.5(常に一定) (2)f1/(fw・ft)1/2 =1.077 (3)Bft /TLt =0.277 (4)fe/(fw・ft)1/2 =1.629
【0038】図3乃至図10は、d線(λ=587.6
nm)に対する第1実施例の諸収差図である。図3は広
角端状態(最短焦点距離状態)における無限遠合焦状態
での諸収差図であり、図4は第1中間焦点距離状態にお
ける無限遠合焦状態での諸収差図であり、図5は第2中
間焦点距離状態における無限遠合焦状態での諸収差図で
あり、図6は望遠端状態(最長焦点距離状態)における
無限遠合焦状態での諸収差図である。また、図7は広角
端状態における撮影倍率−1/30倍での諸収差図であ
り、図8は第1中間焦点距離状態における撮影倍率−1
/30倍での諸収差図であり、図9は第2中間焦点距離
状態における撮影倍率−1/30倍での諸収差図であり
図10は望遠端状態における撮影倍率−1/30倍での
諸収差図である。
【0039】各収差図において、FNOはFナンバーを、
NAは開口数を、Yは像高を、Aは各像高に対する半画
角を、Hは各像高に対する物体高をそれぞれ示してい
る。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジ
タル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示してい
る。さらに、球面収差を示す収差図において、破線はサ
インコンディション(正弦条件)を示している。各収差
図から明らかなように、本実施例では、各撮影距離状態
および各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され
ていることがわかる。
【0040】図11は、第1実施例の変倍光学系を組み
込んだレンズ鏡筒の断面図であって、(a)は広角端状
態におけるレンズ鏡筒を、(b)は望遠端状態における
レンズ鏡筒をそれぞれ示している。図11のレンズ鏡筒
は、第1鏡筒6と、第2鏡筒7と、変倍光学系をカメラ
本体に取り付けるための暗箱5と、第2鏡筒7を回転駆
動するための駆動用モーター(不図示)とで構成されて
いる。そして、第1鏡筒6と第2鏡筒7とがヘリコイド
嵌合し、第2鏡筒7と暗箱5とがヘリコイド嵌合してお
り、モーターの回転にしたがって第2鏡筒7が回転しな
がら変倍光学系の光軸2に沿って繰り出される。第2鏡
筒7の回転力は第1鏡筒6に伝達され、第1鏡筒6は第
2鏡筒7の回転にしたがって光軸方向に直進する。直進
筒8は、第2鏡筒7に取り付けられている。したがっ
て、直進筒8は、第2鏡筒7が光軸方向に移動する際に
第2鏡筒7と一体的に繰り出されるが、暗箱5内に設け
られた直進溝の作用により回転することなく光軸方向に
直進する。
【0041】撮影レンズ系を構成する第1レンズ群G1
は、第1鏡筒6に取り付けられ、第1鏡筒6の移動にし
たがって光軸方向に移動する。また、第2レンズ群G2
は第1レンズ室10に保持され、第3レンズ群G3は第
2レンズ室11に保持され、第4レンズ群G4は第3レ
ンズ室12に保持され、第5レンズ群G5は第4レンズ
室13に保持され、第6レンズ群G6は直進筒8に取り
付けられている。そして、第1レンズ室10と第2レン
ズ室11とはヘリコイド嵌合し、第1レンズ室10およ
び第3レンズ室12はシャッターユニット9に前後から
それぞれ取り付けられている。また、第3レンズ室12
および第4レンズ室13の外周部には、フォロアーピン
14および15がそれぞれ設けられている。フォロアー
ピン14および15は、直進筒8の内部に設けられた直
進溝を介して、第2鏡筒7内に設けられたズームカムに
達している。こうして、第3レンズ室12および第4レ
ンズ室13は、フォロアーピン14および15を介して
第2鏡筒7内に設けられたズームカムによりそれぞれ保
持されている。
【0042】変倍時において、第2レンズ群G2〜第5
レンズ群G5は、ズームカムにしたがって第2鏡筒7に
対して相対移動するが、直進溝により回転が抑えられて
いるので回転することなく光軸方向に沿って直進移動す
る。また、第1レンズ群G1は第1鏡筒6と一体的に、
第6レンズ群G6は直進筒8と一体的にそれぞれ光軸方
向に移動する。変倍時およびフォーカシング時には、第
3レンズ群G3はシャッターユニット9に設けられた回
転レバー16の作用により回転駆動され、ヘリコイドに
沿ってシャッターユニット9に対して相対移動する。な
お、図11において、参照番号4はフィルム開口部を、
参照番号3はフィルム面をそれぞれ示している。
【0043】〔第2実施例〕図12は、本発明の第2実
施例にかかる変倍光学系の屈折力配分および広角端状態
(W)から望遠端状態(T)へのレンズ位置状態の変化
を示す図である。図12に示すように、本発明の第2実
施例にかかる変倍光学系は、物体側から順に、正の屈折
力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第
2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G
3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成
されている。すなわち、第1レンズ群G1が正レンズ群
G1を、第4レンズ群G4が最終レンズ群Geをそれぞ
れ構成している。
【0044】そして、広角端状態から望遠端状態へのレ
ンズ位置状態の変化に際して、第1レンズ群G1と第2
レンズ群G2との空気間隔は増大し、第2レンズ群G2
と第3レンズ群G3との空気間隔は減少し、第3レンズ
群G3と第4レンズ群G4との空気間隔は増大するよう
に、各レンズ群が物体側へ移動する。なお、第1実施例
では、広角端状態を基準とした任意のレンズ位置状態ま
での第1レンズ群G1の移動量と第4レンズ群G4の移
動量とは、常に2:1である。
【0045】図13は、本発明の第2実施例にかかる変
倍光学系の構成を示す図である。図13の変倍光学系
は、物体側から順に、両凸レンズと物体側に凹面を向け
た負メニスカスレンズとの接合正レンズL1からなる第
1レンズ群G1と、両凹レンズと両凸レンズとの接合レ
ンズL21、および両凸L22からなる第2レンズ群G2
と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL31、お
よび物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL32から
なる第3レンズ群G3と、物体側に凹面を向けた負メニ
スカスレンズL4からなる第4レンズ群G4とから構成
されている。
【0046】また、開口絞りSは、第2レンズ群G2と
第3レンズ群G3との間に配置され、広角端状態から望
遠端状態へのレンズ位置状態の変化に際して第2レンズ
群G2と一体的に移動する。図13は、広角端状態にお
ける各レンズ群の位置関係を示しており、望遠端状態へ
のレンズ位置状態の変化に際して図12に矢印で示すズ
ーム軌道に沿って光軸上を移動する。また、第2レンズ
群G2を光軸に沿って移動させることにより、フォーカ
シング(合焦)を行っている。
【0047】次の表(2)に、本発明の第2実施例の諸
元の値を掲げる。表(2)において、fは焦点距離を、
FNOはFナンバーを、2ωは画角を、Bfはバックフォ
ーカスを、D0 は物体と最も物体側の面との光軸に沿っ
た距離をそれぞれ表している。さらに、面番号は光線の
進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序を、
屈折率およびアッベ数はそれぞれd線(λ=587.6
nm)に対する値を示している。
【0048】
【表2】 f=38.80 〜62.79 〜110.50 FNO= 4.07 〜 6.00 〜 9.50 2ω=56.57 〜36.54 〜 21.65° 面番号 曲率半径 面間隔 屈折率 アッベ数 1 41.6230 4.3953 1.48749 70.45 2 -69.0932 1.5070 1.84666 23.83 3 -136.2375 (D3= 可変) 4* -19.4865 1.2558 1.77250 49.61 5 67.5145 2.5116 1.53172 48.83 6 -60.4669 3.1395 7 27.6463 5.0233 1.83500 42.97 8* -14.3801 1.8837 9 ∞ (D9= 可変) (開口絞りS) 10* -81.7577 3.2651 1.58518 30.24 11 -43.0504 5.4730 12 -11.8920 1.5070 1.77250 49.61 13 -47.8351 (D13=可変) 14 -155.8237 1.2558 1.62041 60.35 15 -10000.0000 (Bf) (非球面データ) κ C2 4 4 面 1.000 0.000 -2.3284×10-56 8 10 -1.2577×10-7 -2.3789×10-10 1.3228×10-11 κ C2 4 8 面 1.000 0.000 5.7157×10-56 8 10 5.6192×10-7 -8.9851×10-9 4.4291×10-11 κ C2 4 10面 1.000 0.000 4.8605×10-56 8 10 1.3267×10-7 2.2118×10-10 9.3828×10-12 (変倍における可変間隔) f 38.8030 62.7872 110.5025 D3 2.6701 8.6645 14.7356 D9 14.0396 7.2512 1.7946 D13 0.6279 9.0954 23.3046 Bf 6.2782 13.9511 28.7785 (撮影倍率−1/40倍時の第2レンズ群G2のフォーカシング移動量) 焦点距離f 38.8030 62.7872 110.5025 D0 1554.2933 2506.5670 4406.4031 移動量 0.5913 0.4264 0.2875 ただし、移動量の符号は像側から物体側への移動を正とする (条件対応値) f1= 79.5995 fe=−251.1624 TLt = 99.8305 (1)|ΔGe/ΔG1| =0.5(常に一定) (2)f1/(fw・ft)1/2 =1.216 (3)Bft /TLt =0.288 (4)fe/(fw・ft)1/2 =3.836
【0049】図14乃至図19は、d線(λ=587.
6nm)に対する第2実施例の諸収差図である。図14
は広角端状態における無限遠合焦状態での諸収差図であ
り、図15は中間焦点距離状態における無限遠合焦状態
での諸収差図であり、図16は望遠端状態における無限
遠合焦状態での諸収差図である。また、図17は広角端
状態における撮影倍率−1/40倍での諸収差図であ
り、図18は中間焦点距離状態における撮影倍率−1/
40倍での諸収差図であり、図19は望遠端状態におけ
る撮影倍率−1/40倍での諸収差図である。
【0050】各収差図において、FNOはFナンバーを、
NAは開口数を、Yは像高を、Aは各像高に対する半画
角を、Hは各像高に対する物体高をそれぞれ示してい
る。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジ
タル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示してい
る。さらに、球面収差を示す収差図において、破線はサ
インコンディション(正弦条件)を示している。各収差
図から明らかなように、本実施例では、各撮影距離状態
および各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され
ていることがわかる。
【0051】図20は、第2実施例の変倍光学系を組み
込んだレンズ鏡筒の断面図であって、(a)は広角端状
態におけるレンズ鏡筒を、(b)は望遠端状態における
レンズ鏡筒をそれぞれ示している。図20のレンズ鏡筒
は、第1鏡筒6と、第2鏡筒7と、変倍光学系をカメラ
本体に取り付けるための暗箱5と、第2鏡筒7を回転駆
動するための駆動用モーター(不図示)とで構成されて
いる。そして、第1鏡筒6と第2鏡筒7とがヘリコイド
嵌合し、第2鏡筒7と暗箱5とがヘリコイド嵌合してお
り、モーターの回転にしたがって第2鏡筒7が回転しな
がら変倍光学系の光軸2に沿って繰り出される。第2鏡
筒7の回転力は第1鏡筒6に伝達され、第1鏡筒6は第
2鏡筒7の回転にしたがって光軸方向に直進する。直進
筒8は、第2鏡筒7に取り付けられている。したがっ
て、直進筒8は、第2鏡筒7が光軸方向に移動する際に
第2鏡筒7と一体的に繰り出されるが、暗箱5内に設け
られた直進溝の作用により回転することなく光軸方向に
直進する。
【0052】撮影レンズ系を構成する第1レンズ群G1
は、第1鏡筒6に取り付けられ、第1鏡筒6の移動にし
たがって光軸方向に移動する。また、第2レンズ群G2
は第1レンズ室10に保持され、第3レンズ群G3は第
2レンズ室11に保持され、第4レンズ群G4は直進筒
8に取り付けられている。そして、第1レンズ室10お
よび第2レンズ室11の外周部には、フォロアーピン2
2および23が設けられている。フォロアーピン22お
よび23は、直進筒8の内部に設けられた直進溝を介し
て、第2鏡筒7内に設けられたズームカムに達してい
る。こうして、第1レンズ室10および第2レンズ室1
1は、フォロアーピン22および23を介して第2鏡筒
7内に設けられたズームカムにより保持されている。
【0053】変倍時において、第2レンズ群G2および
第3レンズ群G3は、ズームカムにしたがって第2鏡筒
7に対して相対移動するが、直進溝により回転が抑えら
れているので回転することなく光軸方向に沿って直進移
動する。また、第1レンズ群G1は第1鏡筒6と一体的
に、第4レンズ群G4は直進筒8と一体的にそれぞれ光
軸方向に移動する。変倍時およびフォーカシング時に
は、第2レンズ群G2はシャッターユニット9に設けら
れた回転レバー(不図示)の作用により回転駆動され、
ヘリコイドに沿ってシャッターユニット9に対して相対
移動する。なお、図20において、参照番号4はフィル
ム開口部を、参照番号3はフィルム面をそれぞれ示して
いる。
【0054】なお、本発明による変倍光学系は、ズーム
レンズに限定されることなく、焦点距離状態が連続的に
存在しないバリフォーカルズームレンズにも適用するこ
とができることはいうまでもない。
【0055】
【効果】以上説明したように、本発明によれば、小型
で、高変倍化が可能な変倍光学系を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる変倍光学系の屈折
力配分および広角端状態(W)から望遠端状態(T)へ
のレンズ位置状態の変化を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例にかかる変倍光学系の構成
を示す図である。
【図3】第1実施例の広角端状態における無限遠合焦状
態での諸収差図である。
【図4】第1実施例の第1中間焦点距離状態における無
限遠合焦状態での諸収差図である。
【図5】第1実施例の第2中間焦点距離状態における無
限遠合焦状態での諸収差図である。
【図6】第1実施例の望遠端状態における無限遠合焦状
態での諸収差図である。
【図7】第1実施例の広角端状態における撮影倍率−1
/30倍での諸収差図である。
【図8】第1実施例の第1中間焦点距離状態における撮
影倍率−1/30倍での諸収差図である。
【図9】第1実施例の第2中間焦点距離状態における撮
影倍率−1/30倍での諸収差図である。
【図10】第1実施例の望遠端状態における撮影倍率−
1/30倍での諸収差図である。
【図11】第1実施例の変倍光学系を組み込んだレンズ
鏡筒の断面図であって、(a)は広角端状態におけるレ
ンズ鏡筒を、(b)は望遠端状態におけるレンズ鏡筒を
それぞれ示している。
【図12】本発明の第2実施例にかかる変倍光学系の屈
折力配分および広角端状態(W)から望遠端状態(T)
へのレンズ位置状態の変化を示す図である。
【図13】本発明の第2実施例にかかる変倍光学系の構
成を示す図である。
【図14】第2実施例の広角端状態における無限遠合焦
状態での諸収差図である。
【図15】第2実施例の中間焦点距離状態における無限
遠合焦状態での諸収差図である。
【図16】第2実施例の望遠端状態における無限遠合焦
状態での諸収差図である。
【図17】第2実施例の広角端状態における撮影倍率−
1/40倍での諸収差図である。
【図18】第2実施例の中間焦点距離状態における撮影
倍率−1/40倍での諸収差図である。
【図19】第2実施例の望遠端状態における撮影倍率−
1/40倍での諸収差図である。
【図20】第2実施例の変倍光学系を組み込んだレンズ
鏡筒の断面図であって、(a)は広角端状態におけるレ
ンズ鏡筒を、(b)は望遠端状態におけるレンズ鏡筒を
それぞれ示している。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群 G2 第2レンズ群 G3 第3レンズ群 G4 第4レンズ群 G5 第5レンズ群 G6 第6レンズ群 Li 各レンズ成分 S 開口絞り

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最も物体側に配置された正の屈折力を有
    する正レンズ群G1と、最も像側に配置された最終レン
    ズ群Geとを備え、 広角端状態から望遠端状態へのレンズ位置状態の変化に
    際して、前記正レンズ群G1および前記最終レンズ群G
    eは物体側へ移動し、 広角端状態を基準とした任意の所定レンズ位置状態まで
    の前記正レンズ群G1の移動量をΔG1とし、広角端状
    態を基準とした前記所定レンズ位置状態までの前記最終
    レンズ群Geの移動量をΔGeとしたとき、広角端状態
    から望遠端状態へのレンズ位置状態の変化に際して常
    に、 0.3<|ΔGe/ΔG1|<0.6 の条件を満足することを特徴とする変倍光学系。
  2. 【請求項2】 前記最終レンズ群Geは負の屈折力を有
    し、 前記最終レンズ群Geの物体側に隣接して配置された負
    の屈折力を有する負レンズ群Gnをさらに備えているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の変倍光学系。
  3. 【請求項3】 広角端状態から望遠端状態へのレンズ位
    置状態の変化に際して、前記負レンズ群Gnと前記最終
    レンズ群Geとの空気間隔は増大することを特徴とする
    請求項2に記載の変倍光学系。
  4. 【請求項4】 前記正レンズ群G1の焦点距離をf1と
    し、広角端状態におけるレンズ系全体の焦点距離をfw
    とし、望遠端状態におけるレンズ系全体の焦点距離をf
    tとしたとき、 0.8<f1/(fw・ft)1/2 <1.4 の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれか1項に記載の変倍光学系。
  5. 【請求項5】 望遠端状態におけるレンズ全長をTLt と
    し、望遠端状態におけるバックフォーカスをBft とした
    とき、 Bft /TLt <0.5 の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至4のい
    ずれか1項に記載の変倍光学系。
  6. 【請求項6】 前記正レンズ群G1と前記負レンズ群G
    nとの間に配置され、広角端状態から望遠端状態へのレ
    ンズ位置状態の変化に際して光軸に沿って移動する少な
    くとも1つの可動レンズ群を有することを特徴とする請
    求項2乃至5のいずれか1項に記載の変倍光学系。
  7. 【請求項7】 前記可動レンズ群のうち少なくとも1つ
    のレンズ群は、正の屈折力を有することを特徴とする請
    求項6に記載の変倍光学系。
  8. 【請求項8】 前記可動レンズ群のうち最も像側に配置
    されたレンズ群は、正の屈折力を有することを特徴とす
    る請求項6に記載の変倍光学系。
  9. 【請求項9】 前記正レンズ群G1と前記負レンズ群G
    nとの間に配置され、広角端状態から望遠端状態へのレ
    ンズ位置状態の変化に際して光軸に沿って移動する少な
    くとも2つの可動レンズ群を有することを特徴とする請
    求項2乃至5のいずれか1項に記載の変倍光学系。
  10. 【請求項10】 前記可動レンズ群のうち最も物体側に
    配置されたレンズ群は負の屈折力を有し、最も像側に配
    置されたレンズ群は正の屈折力を有することを特徴とす
    る請求項9に記載の変倍光学系。
  11. 【請求項11】 広角端状態を基準とした任意のレンズ
    位置状態までの前記正レンズ群G1の移動量ΔG1と前
    記最終レンズ群Geの移動量ΔGeとの割合が常にほぼ
    一定であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれ
    か1項に記載の変倍光学系。
  12. 【請求項12】 前記最終レンズ群Geの焦点距離をf
    eとし、広角端状態におけるレンズ系全体の焦点距離を
    fwとし、望遠端状態におけるレンズ系全体の焦点距離
    をftとしたとき、 −5<fe/(fw・ft)1/2 <−1 の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至11の
    いずれか1項に記載の変倍光学系。
  13. 【請求項13】 広角端状態から望遠端状態へのレンズ
    位置状態の変化に際して前記正レンズ群G1を光軸に沿
    って駆動するための第1案内手段と、 広角端状態から望遠端状態へのレンズ位置状態の変化に
    際して前記最終レンズ群Geを光軸に沿って駆動するた
    めの第2案内手段と有し、 前記第1案内手段と前記第2案内手段とは互いに連結さ
    れ、前記第2案内手段に付与された駆動力が前記第1案
    内手段に伝達されることを特徴とする請求項1乃至12
    のいずれか1項に記載の変倍光学系。
  14. 【請求項14】 広角端状態を基準とした任意のレンズ
    位置状態までの前記第1案内手段の光軸に沿った移動量
    と前記第2案内手段の光軸に沿った移動量との割合が常
    にほぼ一定であることを特徴とする請求項13に記載の
    変倍光学系。
  15. 【請求項15】 前記正レンズ群G1は前記第1案内手
    段によって直接保持され、前記最終レンズ群Geは前記
    第2案内手段によって直接保持されていることを特徴と
    する請求項13または14に記載の変倍光学系。
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