JP3743362B2 - 可変焦点距離レンズ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は固体撮像素子等を用いたビデオカメラや電子スチルカメラ等に適した可変焦点距離レンズに関し、特に変倍比が6倍以上、広角端状態における画角が60°以上で、優れた結像性能を有する可変焦点距離レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平11−52246号公報等によって、固体撮像素子等を用いたビデオカメラや電子スチルカメラ等に適した可変焦点距離レンズ(ズームレンズ)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平11−52246号公報に開示のズームレンズは、変倍比が3倍程度であるため、十分に高変倍化が図られたものではないという問題がある。
【0004】
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、固体撮像素子等を用いたビデオカメラや電子スチルカメラ等に適し、変倍比が6倍以上、広角端状態における画角が60°以上で、優れた結像性能を有する可変焦点距離レンズを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、
物体側から順に、
正の屈折力を有する第1レンズ群と、
負の屈折力を有する第2レンズ群と、
正の屈折力を有する第3レンズ群と、
正の屈折力を有する第4レンズ群と、
正の屈折力を有する第5レンズ群とを有し、
広角端状態から望遠端状態への変倍に際して、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が変化し、前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との間隔が増大し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群は物体側方向に移動し、
以下の条件式(1)〜(5)を満足することを特徴とする可変焦点距離レンズを提供する。
(1) 4.5< f1/fw <8.0
(2) 0.8<|f2/fw|<1.8
(3) 2.3< f3/fw <4.5
(4) 2.0< f4/fw <5.2
(5) 0.2<(D34w−D34t)/fw<1.0
但し、
fw :広角端状態における前記可変焦点距離レンズ全系の焦点距離,
f1 :前記第1レンズ群の焦点距離,
f2 :前記第2レンズ群の焦点距離,
f3 :前記第3レンズ群の焦点距離,
f4 :前記第4レンズの焦点距離,
D34w:広角端状態における前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔,
D34t:望遠端状態における前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔.
【0006】
上記特開平11−52246号公報に開示のズームレンズは、物体側から順に負正正の3つのレンズ群を有する。これに対して本発明の可変焦点距離レンズは、負レンズ群の前(物体側)に正レンズ群を配置し、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔を増大させ、第3レンズ群と第4レンズ群を物体側方向に移動させる構成としている。この構成により、本発明の可変焦点距離レンズの高変倍化を達成している。
また、本発明の可変焦点距離レンズは、第2レンズ群よりも像面側に3つの正レンズ群(第3レンズ群、第4レンズ群、及び第5レンズ群)を配置し、それぞれの間隔を変化させる構成としている。この構成により、高変倍化に伴って増大する収差変動を良好に補正することができる。
【0007】
次に、上記条件式(1)〜(5)について説明する。条件式(1)は、第1レンズ群の焦点距離の適切な範囲を示すものである。条件式(1)の下限値を下回ると、第1レンズ群の焦点距離が短くなる。このため、球面収差、軸上色収差等を十分に補正することが困難となってしまう。一方、条件式(1)の上限値を上回ると、第1レンズ群の働きが弱くなる。このため、高変倍化を達成することが困難となってしまう。
【0008】
条件式(2)は、第2レンズ群の焦点距離の適切な範囲を示すものである。条件式(2)の下限値を下回ると、第2レンズ群の焦点距離が短くなる。このため、球面収差、コマ収差等を十分に補正することが困難となってしまう。一方、条件式(2)の上限値を上回ると、第2レンズ群の焦点距離が長くなる。このため、第1レンズ群の有効径の大型化を招いてしまい好ましくない。
【0009】
条件式(3)は、第3レンズ群の焦点距離の適切な範囲を示すものである。条件式(3)の下限値を下回ると、第3レンズ群の焦点距離が短くなる。このため、球面収差、コマ収差等を十分に補正することが困難となってしまう。一方、条件式(3)の上限値を上回ると、第3レンズ群の働きが弱くなる。このため、高変倍化を達成することが困難となってしまう。
【0010】
条件式(4)は、第4レンズ群の焦点距離の適切な範囲を示すものである。条件式(4)の下限値を下回ると、第4レンズ群の焦点距離が短くなる。このため、球面収差、非点収差等を十分に補正することが困難となってしまう。一方、条件式(4)の上限値を上回ると、第4レンズ群の働きが弱くなる。このため、変倍の際の諸収差の変動を良好に補正することが困難となってしまう。
【0011】
条件式(5)は、変倍に伴う第3レンズ群と第4レンズ群との空気間隔の変化(変化量)の適切な範囲を示すものである。本発明の可変焦点距離レンズにおいて、第3レンズ群と第4レンズ群とには、それぞれ反対方向の収差を残存させている。そして、この互いの残存した収差を相殺させることによって収差の補正を行っている。また、変倍の際に第3レンズ群と第4レンズ群との空気間隔を変化させることによって像面湾曲収差の良好な補正を達成している。
条件式(5)の下限値を下回ると、第3レンズ群と第4レンズ群との空気間隔の変化が小さくなる。このため、像面湾曲収差の変動を十分に補正することが困難となってしまう、或いは各レンズ群(第3レンズ群と第4レンズ群)で発生する収差が大きくなり偏心公差の悪化を招くことになってしまう。一方、条件式(5)の上限値を上回ると、第3レンズ群と第4レンズ群との空気間隔の変化が過大となる。このため、可変焦点距離レンズ全長の大型化を招いてしまう。
【0012】
本発明の好ましい態様では、
広角端状態から望遠端状態への変倍に際して、
望遠端状態における前記第1レンズ群の位置が広角端状態における前記第1レンズ群の位置よりも物体側となるように前記第1レンズ群は移動し、
前記第5レンズ群は固定であり、
以下の条件式を満足することが望ましい。
(6) 0.4<M1/fw<3.0
但し、
M1:広角端状態から望遠端状態へ変倍する際の前記第1レンズ群の移動量,
fw:広角端状態における前記可変焦点距離レンズ全系の焦点距離.
【0013】
本発明の可変焦点距離レンズは、上述のように、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して、望遠端状態における第1レンズ群の位置が広角端状態における第1レンズ群の位置よりも物体側となるように第1レンズ群が移動し、条件式(6)を満足するように構成することによって、小型化を図ることができる。
また本発明の可変焦点距離レンズは、上述のように、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して、第5レンズ群が固定である構成にすることによって、簡素化を図ることができる。
【0014】
条件式(6)は、広角端状態から望遠端状態へ変倍する際の第1レンズ群の移動量の適切な範囲を示すものである。条件式(6)の上限値を上回ると、変倍に伴う第1レンズ群の移動量が過大となる。このため、鏡筒の構造が複雑化してしまい好ましくない。一方、条件式(6)の下限値を下回ると、変倍に伴う第1レンズ群の移動量が小さくなる。このため、第1レンズ群の有効径の大型化を招いてしまい好ましくない。
【0015】
本発明の好ましい態様では、
前記第4レンズ群は、正レンズと負レンズとの接合レンズからなり、
以下の条件式を満足することが望ましい。
(7) 0.2<N4n−N4p
但し、
N4n:前記第4レンズ群中の前記負レンズのd線(λ=587.6nm)に対する屈折率,
N4p:前記第4レンズ群中の前記正レンズのd線(λ=587.6nm)に対する屈折率.
【0016】
本発明の可変焦点距離レンズは、このような構成とすることによって、球面収差、コマ収差、及び非点収差を良好に補正することができる。
条件式(7)は、第4レンズ群中の負レンズの屈折率と第4レンズ群中の正レンズの屈折率との差の適切な範囲を示すものである。条件式(7)の下限値を下回ると、球面収差、コマ収差、及び非点収差等の諸収差を良好に補正することが困難となってしまう。
【0017】
本発明の好ましい態様では、
前記第5レンズ群を物体側方向に移動させることにより、遠距離から近距離へのフォーカシングを行い、
以下の条件式を満足することが望ましい。
(8) 3.0<f5/fw<7.0
但し、
f5:前記第5レンズ群の焦点距離,
fw:広角端状態における前記可変焦点距離レンズ全系の焦点距離.
【0018】
本発明の可変焦点距離レンズは、このような構成とすることによって、近距離撮影時の良好な光学性能を維持すること、及びフォーカシング機構の簡素化を図ることができる。
条件式(8)は、第5レンズ群の焦点距離の適切な範囲を示すものである。条件式(8)の上限値を上回ると、最短の撮影距離を短縮することが困難となってしまう。一方、条件式(8)の下限値を下回ると、可変焦点距離レンズ全体の大型化を招いてしまい好ましくない。
【0019】
本発明の好ましい態様では、
前記第5レンズ群は、正レンズと負レンズとの接合レンズからなり、
以下の条件式を満足することが望ましい。
(9) 15.0<ν5p−ν5n
但し、
ν5p:前記第5レンズ群中の前記正レンズのアッベ数,
ν5n:前記第5レンズ群中の前記負レンズのアッベ数.
【0020】
本発明の可変焦点距離レンズは、このような構成とすることによって、望遠端状態におけるフォーカシングに伴う軸上色収差の変動を良好に抑えることができる。
条件式(9)は、第5レンズ群中の正レンズのアッベ数と第5レンズ群中の負レンズのアッベ数との差の適切な範囲を示すものである。条件式(9)の下限値を下回ると、望遠端状態におけるフォーカシングに伴う軸上色収差の変動が増大してしまい好ましくない。
【0021】
本発明の好ましい態様では、
前記第5レンズ群は、単一の正レンズからなり、
以下の条件式を満足することが望ましい。
(10) 0.7<(rR+rF)/(rR−rF)<2.0
但し、
rF:前記第5レンズ群中の前記単一の正レンズの物体側レンズ面の曲率半径,
rR:前記第5レンズ群中の前記単一の正レンズの像面側レンズ面の曲率半径.
【0022】
本発明の可変焦点距離レンズは、このような構成とすることによって、該可変焦点距離レンズを構成するレンズの枚数を減らすことができる。
条件式(10)は、第5レンズ群中の単一の正レンズの曲率半径の適切な範囲を示すものである。条件式(10)の上限値を上回る、又は条件式(10)の下限値を下回ると、フォーカシングに伴う諸収差の変動が増大してしまい好ましくない。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の各実施例に係る可変焦点距離レンズについて説明する。図1乃至図5は、それぞれ本発明の実施例1乃至5に係る可変焦点距離レンズのレンズ構成を示す図である。また、広角端状態(W)から望遠端状態(T)へのズーム軌跡を矢印で示す。
まず、全ての実施例に係る可変焦点距離レンズについて、共通なレンズ構成を説明する。
各実施例に係る可変焦点距離レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とから構成される。また、第3レンズ群G3は開口絞りSを有する。
そして、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔が変化し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との空気間隔が増大するように、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3と第4レンズ群G4は物体側方向に移動する。
また、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して、望遠端状態における第2レンズ群G2の位置が広角端状態における第2レンズ群G2の位置よりも像面側となるように第2レンズ群G2は移動し、第5レンズ群G5は固定である。
さらに、各実施例に係る可変焦点距離レンズは、第5レンズ群G5を物体側方向に移動させることにより、遠距離から近距離へのフォーカシングを行う。
また、各実施例に係る可変焦点距離レンズは、第5レンズ群G5と像面Iとの間に、ローパスフィルタP1と、カバーガラスP2とを有する。ローパスフィルタP1は、像面Iに配設されたCCD等の固体撮像素子の限界解像以上の空間周波数をカットするためのフィルタである。またカバーガラスP2は、固体撮像素子を保護するガラスである。
【0024】
次に、第1レンズ群G1について実施例毎に説明する。
実施例1乃至4に係る可変焦点距離レンズの第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸形状の正レンズL12との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とからなる。
実施例5に係る可変焦点距離レンズの第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とからなる。
【0025】
次に、第2レンズ群G2について実施例毎に説明する。
実施例1,4,5に係る可変焦点距離レンズの第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹形状の負レンズL22と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL24とからなる。
実施例2に係る可変焦点距離レンズの第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側のレンズ面が非球面である両凹形状の負レンズL21と、両凹形状の負レンズL22と、両凸形状の正レンズL23とからなる。
実施例3に係る可変焦点距離レンズの第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹形状の負レンズL22と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23とからなる。
【0026】
次に、第3レンズ群G3について実施例毎に説明する。
実施例1乃至5に係る可変焦点距離レンズの第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL31と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL32と、両凹形状の負レンズL33とからなる。
【0027】
次に、第4レンズ群G4について実施例毎に説明する。
実施例1,4に係る可変焦点距離レンズの第4レンズ群G4は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL41と両凸形状の正レンズL42との接合レンズからなる。
実施例2に係る可変焦点距離レンズの第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凹形状の負レンズL41と、物体側のレンズ面が非球面である両凸形状の正レンズL42とからなる。
実施例3,5に係る可変焦点距離レンズの第4レンズ群G4は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL41と像面側のレンズ面が非球面である両凸形状の正レンズL42との接合レンズからなる。
【0028】
次に、第5レンズ群G5について実施例毎に説明する。
実施例1に係る可変焦点距離レンズの第5レンズ群G5は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL51と両凹形状の負レンズL52との接合レンズからなる。
実施例2,3に係る可変焦点距離レンズの第5レンズ群G5は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL51からなる。
実施例4に係る可変焦点距離レンズの第5レンズ群G5は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL51からなる。さらに、この物体側のレンズ面は非球面である。
実施例5に係る可変焦点距離レンズの第5レンズ群G5は、両凸形状の正レンズL51からなる。
【0029】
尚、各実施例に係る可変焦点距離レンズおいて、第1レンズ群G1乃至第5レンズ群G5中の任意のレンズ面を非球面、又は回折面としてもよい。
また、各実施例に係る可変焦点距離レンズおいて、第1レンズ群G1乃至第5レンズ群G5中の任意のレンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)、又はプラスチックレンズとしてもよい。
また、上述のように各実施例に係る可変焦点距離レンズは、第5レンズ群G5を移動させることによってフォーカシングを行う。しかしこれに限られず、各実施例に係る可変焦点距離レンズは、第1レンズ群G1を移動させる、第2レンズ群G2を移動させる、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2を同時に移動させる、又は可変焦点距離レンズ全体を移動させることによってフォーカシングを行う構成とすることも可能である。
また、各実施例に係る可変焦点距離レンズにおいて、第1レンズ群G1乃至第5レンズ群G5のいずれかのレンズ群、又はレンズ群中の一部のレンズを光軸に対して垂直な方向に移動させることによって、手ブレ等に起因する像ブレを補正する構成とすることも可能である。
【0030】
以下の表1乃至5に、実施例1乃至5に係る可変焦点距離レンズの諸元の値をそれぞれ掲げる。
[全体諸元]において、fは焦点距離、FNOはFナンバー、2Aは最大画角(単位:度)をそれぞれ示している。また[レンズデータ]において、第1カラム面番号は物体側からのレンズ面の番号、第2カラムrはレンズ面の曲率半径、第3カラムdはレンズ面の間隔、第4カラムνはアッベ数をそれぞれ示している。また、第5カラムnはd線(λ=587.6nm)に対する媒質の屈折率を示し、空気の屈折率1.000000は省略してある。さらに[非球面データ]には、以下の式で非球面を表した場合の非球面係数を示している。
【0031】
【数1】
X(y)=y2/[r・{1+(1−κ・y2/r2)1/2}]+C4・y4+C6・y6+C8・y8+C10・y10
【0032】
但し、X(y)は非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸方向に沿った距離、rは近軸の曲率半径、κは円錐定数、Ciは第i次の非球面係数をそれぞれ示す。
また[非球面データ]において、「E-n」は「×10-n」を示す。例えば、1.234E-5は1.234×10-5を示す。
[可変間隔データ]は、広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態の各状態における焦点距離f及び可変間隔の値と、近距離撮影時の各状態における撮影倍率β及び可変間隔の値をそれぞれ示す。尚、Rは物体から像面までの撮影距離を示す。
【0033】
ここで、以下の全ての諸元値において掲載されている焦点距離f、曲率半径r、レンズ面の間隔d、その他の長さの単位は一般に「mm」が使われる。しかし光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるため、これに限られるものではない。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
以下の表6に、各実施例に係る可変焦点距離レンズの条件式(1)乃至(10)の値をそれぞれ示す。
【0040】
【表6】
【0041】
図6,8,10,12,及び14はそれぞれ、実施例1,2,3,4,及び5に係る可変焦点距離レンズの広角端状態(a)、中間焦点距離状態(b)、望遠端状態(c)における無限遠撮影時の諸収差を示す図である。
図7,9,11,13,及び15はそれぞれ、実施例1,2,3,4,及び5に係る可変焦点距離レンズの広角端状態(a)、中間焦点距離状態(b)、望遠端状態(c)における近距離撮影時の諸収差を示す図である。
【0042】
全実施例の諸収差図において、FNOはFナンバー、NAは開口数、Aは半画角、H0は物体高を示し、球面収差図、非点収差図、歪曲収差図ではその最大値を示し、コマ収差図では各半画角又は各物体高の値を示している。またd,gは、d線(λ=587.6nm),g線(λ=435.6nm)の収差曲線をそれぞれ示す。さらに非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリジオナル像面をそれぞれ示す。
【0043】
各収差図から、各実施例に係る可変焦点距離レンズは、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、固体撮像素子等を用いたビデオカメラや電子スチルカメラ等に適し、変倍比が6倍以上、広角端状態における画角が60°以上で、優れた結像性能を有する可変焦点距離レンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る可変焦点距離レンズのレンズ構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例2に係る可変焦点距離レンズのレンズ構成を示す図である。
【図3】本発明の実施例3に係る可変焦点距離レンズのレンズ構成を示す図である。
【図4】本発明の実施例4に係る可変焦点距離レンズのレンズ構成を示す図である。
【図5】本発明の実施例5に係る可変焦点距離レンズのレンズ構成を示す図である。
【図6】本発明の実施例1に係る可変焦点距離レンズの広角端状態(a)、中間焦点距離状態(b)、望遠端状態(c)における無限遠撮影時の諸収差を示す図である。
【図7】本発明の実施例1に係る可変焦点距離レンズの広角端状態(a)、中間焦点距離状態(b)、望遠端状態(c)における近距離撮影時の諸収差を示す図である。
【図8】本発明の実施例2に係る可変焦点距離レンズの広角端状態(a)、中間焦点距離状態(b)、望遠端状態(c)における無限遠撮影時の諸収差を示す図である。
【図9】本発明の実施例2に係る可変焦点距離レンズの広角端状態(a)、中間焦点距離状態(b)、望遠端状態(c)における近距離撮影時の諸収差を示す図である。
【図10】本発明の実施例3に係る可変焦点距離レンズの広角端状態(a)、中間焦点距離状態(b)、望遠端状態(c)における無限遠撮影時の諸収差を示す図である。
【図11】本発明の実施例3に係る可変焦点距離レンズの広角端状態(a)、中間焦点距離状態(b)、望遠端状態(c)における近距離撮影時の諸収差を示す図である。
【図12】本発明の実施例4に係る可変焦点距離レンズの広角端状態(a)、中間焦点距離状態(b)、望遠端状態(c)における無限遠撮影時の諸収差を示す図である。
【図13】本発明の実施例4に係る可変焦点距離レンズの広角端状態(a)、中間焦点距離状態(b)、望遠端状態(c)における近距離撮影時の諸収差を示す図である。
【図14】本発明の実施例5に係る可変焦点距離レンズの広角端状態(a)、中間焦点距離状態(b)、望遠端状態(c)における無限遠撮影時の諸収差を示す図である。
【図15】本発明の実施例5に係る可変焦点距離レンズの広角端状態(a)、中間焦点距離状態(b)、望遠端状態(c)における近距離撮影時の諸収差を示す図である。
【符号の説明】
G1 ・・・ 第1レンズ群
G2 ・・・ 第2レンズ群
G3 ・・・ 第3レンズ群
G4 ・・・ 第4レンズ群
G5 ・・・ 第5レンズ群
S ・・・ 開口絞り
P1 ・・・ ローパスフィルタ
P2 ・・・ カバーガラス
I ・・・ 像面
W ・・・ 広角端状態
T ・・・ 望遠端状態
Claims (6)
- 物体側から順に、
正の屈折力を有する第1レンズ群と、
負の屈折力を有する第2レンズ群と、
正の屈折力を有する第3レンズ群と、
正の屈折力を有する第4レンズ群と、
正の屈折力を有する第5レンズ群とからなり、
広角端状態から望遠端状態への変倍に際して、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が変化し、前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との間隔が増大し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群は物体側方向に移動し、
以下の条件式を満足することを特徴とする可変焦点距離レンズ。
4.5< f1/fw <8.0
0.8<|f2/fw|<1.8
2.708≦ f3/fw <4.5
2.0< f4/fw <5.2
0.2<(D34w−D34t)/fw<1.0
但し、
fw :広角端状態における前記可変焦点距離レンズ全系の焦点距離,
f1 :前記第1レンズ群の焦点距離,
f2 :前記第2レンズ群の焦点距離,
f3 :前記第3レンズ群の焦点距離,
f4 :前記第4レンズの焦点距離,
D34w:広角端状態における前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔,
D34t:望遠端状態における前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔. - 広角端状態から望遠端状態への変倍に際して、
望遠端状態における前記第1レンズ群の位置が広角端状態における前記第1レンズ群の位置よりも物体側となるように前記第1レンズ群は移動し、
前記第5レンズ群は固定であり、
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の可変焦点距離レンズ。
0.4<M1/fw<3.0
但し、
M1:広角端状態から望遠端状態へ変倍する際の前記第1レンズ群の移動量. - 前記第4レンズ群は、正レンズと負レンズとの接合レンズからなり、
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可変焦点距離レンズ。
0.2<N4n−N4p
但し、
N4n:前記第4レンズ群中の前記負レンズのd線(λ=587.6nm)に対する屈折率,
N4p:前記第4レンズ群中の前記正レンズのd線(λ=587.6nm)に対する屈折率. - 前記第5レンズ群を物体側方向に移動させることにより、遠距離から近距離へのフォーカシングを行い、
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の可変焦点距離レンズ。
3.0<f5/fw<7.0
但し、
f5:前記第5レンズ群の焦点距離. - 前記第5レンズ群は、正レンズと負レンズとの接合レンズからなり、
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の可変焦点距離レンズ。
15.0<ν5p−ν5n
但し、
ν5p:前記第5レンズ群中の前記正レンズのアッベ数,
ν5n:前記第5レンズ群中の前記負レンズのアッベ数. - 前記第5レンズ群は、単一の正レンズからなり、
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の可変焦点距離レンズ。
0.7<(rR+rF)/(rR−rF)<2.0
但し、
rF:前記第5レンズ群中の前記単一の正レンズの物体側レンズ面の曲率半径,
rR:前記第5レンズ群中の前記単一の正レンズの像面側レンズ面の曲率半径.
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