JPH1047338A - チルトヒンジ - Google Patents

チルトヒンジ

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JPH1047338A
JPH1047338A JP8206272A JP20627296A JPH1047338A JP H1047338 A JPH1047338 A JP H1047338A JP 8206272 A JP8206272 A JP 8206272A JP 20627296 A JP20627296 A JP 20627296A JP H1047338 A JPH1047338 A JP H1047338A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で従来公知の1軸のものよりも強いフリ
クショントルクを得ることができた上で、クリック停止
をも可能としたチルトヒンジを提供する。 【解決手段】 装置本体側に取り付けられるブラケット
と、このブラケットの軸受部へ回転自在に取り付けられ
たところの開閉体の端部へ取り付けられる構造の回転シ
ャフトと、この回転シャフトの大径部と前記軸受部との
間、及び又は前記軸受部の他側面に中心部に回転シャフ
トを挿通させつつ設けられたフリクションプレートと、
このフリクションプレートを前記大径部及び又は軸受部
へ圧接するために中心部に前記回転シャフトを挿通させ
つつ設けられた弾性手段とを有するものにおいて、前記
回転シャフトと前記ブラケットの間にクリック停止手段
を設ける。また、クリック停止手段を、回転シャフトと
共に回転するカムプレートと、このカムプレートに当接
すべくブラケット側に設けられたボールと、このボール
を前記カムプレート側へ押圧する弾性手段とで構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、テレビ、OA機
器等のさまざまな電子機器に用いて好適なチルトヒンジ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のチルトヒンジは、ほとん
どが取付部材へ取り付けた1軸から成る回転シャフトの
回転を、該回転シャフトに作用させたフリクション機構
により制御するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の1軸の回転シャ
フトから成るチルトヒンジは、構造が簡単であることか
ら安価に製造できる利点があるが、強いフリクションを
得ようとすると、大型にならざるを得ないという問題が
ある。このことは、クリック停止機能と強いフリクショ
ン機能を同時に得ようとする場合にもまた、言えること
であった。
【0004】この発明の目的は、小型で従来公知の1軸
のものよりも強いフリクショントルクを得ることができ
た上で、クリック停止をも可能としたチルトヒンジを提
供せんとするにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ためにこの発明は、装置本体側に取り付けられるブラケ
ットと、このブラケットの軸受部へ回転自在に取り付け
られたところの開閉体の端部へ取り付けられる構造の回
転シャフトと、この回転シャフトの大径部と前記軸受部
との間、及び又は前記軸受部の他側面に中心部に回転シ
ャフトを挿通させつつ設けられたフリクションプレート
と、このフリクションプレートを前記大径部及び又は軸
受部へ圧接するために中心部に前記回転シャフトを挿通
させつつ設けられた弾性手段とを有するものにおいて、
前記回転シャフトと前記ブラケットの間にクリック停止
手段を設けたことを特徴とする。
【0006】その際にこの発明は、クリック停止手段
を、回転シャフトと共に回転するカムプレートと、この
カムプレートに当接すべくブラケット側に設けられたボ
ールと、このボールを前記カムプレート側へ押圧する弾
性手段とで構成することができる。
【0007】この発明はまた、装置本体側に取り付けら
れるブラケットと、このブラケットの軸受部に回転自在
に取り付けられたところの開閉体の端部へ取り付けられ
る構造の回転シャフトと、この回転シャフトの大径部と
前記軸受部の一側面との間に該回転シャフトを中心部に
挿通させつつ該回転シャフトと共に回転するように介在
させたカムプレートと、このカムプレートと前記軸受部
との間に前記回転シャフトを中心部に挿通させつつカム
プレートと共に回転するように介在されたフリクション
プレートと、前記軸受部の他側面に前記回転シャフトを
中心部に挿通させつつ前記ブラケットに係止させて設け
られた非回転のフリクションプレートと、このフリクシ
ョンプレートに接してその中心部に前記回転シャフトを
挿通させつつ設けられた複数枚の皿バネと、前記回転シ
ャフトの一端に前記皿バネを軸受部側へ押圧するために
取り付けられたナットと、このナットと前記皿バネとの
間に前記回転シャフトを中心部に挿通させつつ該回転シ
ャフトと共に回転するように介在された押えワッシャー
と、前記カムプレートとに当接すべく前記ブラケット側
に設けられたボールと、このボールを前記カムプレート
側へ押圧する板バネとで構成することができる。
【0008】さらにこの発明は、フリクションプレート
の表面に小孔を設けたり、凹部を設けたり、或は切欠を
設けることにより、グリス溜りを形成させることができ
る。
【0009】そして、この発明は、複数の皿バネを使用
するに当り、これらの皿バネを、一枚ずつ互いに向かい
合わせるか、全て同じ方向に重ねるか、或は複数枚ずつ
同一方向に重ねて向きを変えるかして使用することがで
きる。
【0010】
【作用】請求項1のように構成すると、小径の回転シャ
フトを用いても、弾性手段とフリクションプレートが創
出するフリクショントルクと、クリック停止手段が創出
するフリクショントルクの相乗効果により回転シャフト
に強い回転トルクが創出されると共に、クリック停止手
段により開閉体を所定の位置で安定的にクリック停止さ
せることができる。
【0011】請求項2のように構成すると、ボールがカ
ムプレートに圧接してクリック停止とフリクショントル
クが創出される。
【0012】請求項3のように構成すると、複数の皿バ
ネとこの皿バネをフリクションプレート側へ押圧するナ
ットにより、回転シャフトの外径を小さくしても回転軸
に強いフリクショントルクが創出されると共に、ボール
がカムプレートに圧接することによるフリクショントル
クが創出されるので、全体として、回転シャフトに大き
な回転トルクが創出されると共に、ボールがカムプレー
トに設けた凹部と嵌合することによる吸い込みと、嵌合
に伴うクリック停止により開閉体を所定の角度で安定停
止させることができる。
【0013】請求項4のように構成すると、潤滑用のグ
リスがフリクションプレートに設けた凹部や小孔や切欠
で構成したグリス溜りの部分に保持され潤滑される。
【0014】請求項5のように構成すると、複数の皿バ
ネのそれぞれの組み合わせにより、高トルクでありなが
らさまざまなフリクショントルクを発生させることがで
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1はこの発明に係るチルトヒン
ジを用いたテレビゲーム機を示し、テレビゲーム機1の
ブラウン管2の両側部に一対の扉状のスピーカーから成
る開閉体3,3が開閉可能に取り付けられており、チル
トヒンジは、A,B視した個所に合計で4個用いられる
ものである。勿論、これは一使用例であって、この発明
に係るチルトヒンジは、他の例えばラップトップ型のO
A機器のディスプレー体の開閉用にも用いることができ
る。
【0016】図2乃至図9はこのチルトヒンジの詳細を
示すものである。11は上述した小型のOA機器や液晶
テレビ等の装置本体側に取り付けられるブラケットであ
り、その一側部を折り曲げて一方向へ突出させて軸受孔
12aを設けることにより、軸受部12が形成されてい
る。13は例えばディスプレー体等の開閉体の端部に取
り付けられてこれを開閉自在に支持する回転シャフトで
ある。この回転シャフト13は両側を削って取付孔14
a,14aを設けた取付部14と、断面が円形の大径部
15と、両側を削り取った変形中径部16と、両側を削
り取った変形小径部17と、この変形小径部17に設け
た雄ネジ部18とから成る。尤もこの雄ネジ部18は断
面円形としても良い。この回転シャフト13は、小径で
あり、例えば大径部の部分で、直径6〜8mmであり、
小径部の部分で直径3〜4mm程度である。
【0017】大径部15と軸受部12の一側面との間に
は、その中心部に設けた変形孔19aへ回転シャフト1
3の変形中径部16を挿通係合させてカムプレート19
が取り付けられている。このカムプレート19は外縁に
係止用切欠19bと係合切欠19c,19cとストッパ
ー部19dを備えている。このカムプレート19と軸受
部12の一側面との間には、例えば燐青銅のような粘性
と耐摩耗性に富んだ材料で構成した第1フリクションプ
レート20が介在されており、その中心部に設けた挿通
孔20aに回転シャフト13の変形小径部17を挿通さ
せつつその外周に設けた係止片20bをカムプレート1
9に設けた係止用切欠19bと係合させている。尚、こ
の第1フリクションプレート20は、図5の(a),
(b)に示したように、その面部にグリス溜りとなる小
孔201aを設けた係止片201b付きの第1フリクシ
ョンプレート201としたり、切欠202aや202b
を設けた係止片202c付きの第1フリクションプレー
ト202とすることができる。
【0018】軸受部12の他側面側に接して、燐青銅製
のような粘性と耐摩耗性に富んだ材料で構成した第2フ
リクションプレート21がその中心部に設けた挿通孔2
1aに変形小径部17を挿通させつつ設けられており、
この第2フリクションプレート21はその外周に設けた
係止片21bをブラケット11に設けた係止孔11aへ
係止させることにより、非回転状態となっている。この
第2フリクションプレート21にも図5の(a),
(b)に示したように第1フリクションプレート20と
同じようなグリス溜りを設けることは任意である。この
第2フリクションプレート21に接して複数枚(実施例
では3枚)の皿バネ22aから成る弾性手段22が、そ
の中心部に設けた挿通孔22bに変形小径部17を挿通
させつつ設置されており、この各皿バネ22aは1枚と
2枚をそれぞれ方向を揃えて設置し、この方向が揃った
もの同志の互いの突出部側を対向させている。
【0019】尚、弾性手段22を構成する複数枚の皿バ
ネ22aの用い方は、この実施例のものに限定されず、
図6の(a),(b),(c)に示したような揃え方も
ある。即ち、図6の(a)のものでは皿バネ22aを1
枚ずつを反対方向に向かい合わせて使用しており、
(b)と(c)のものは、皿バネ22a全てを同一方向
へ揃えてあり、設置する方向だけが異なっている。さら
に、皿バネ22aの数と大きさ及び組み合わせ方は、上
述した実施例以外にも考えられ、必要とされるトルクに
よって、これを変えることができる。
【0020】雄ネジ部18には、弛み止め付きのナット
23(実施例のものはナイロン等の合成樹脂製)がネジ
着されると共に、このナット23と弾性手段22との間
には、その中心部に設けた変形挿通孔24aを変形小径
部17に挿通させ、回転シャフト13と共に回転するよ
うに押えワッシャー24が介在されている。
【0021】ブラケット11には、さらにボール収装孔
11bが設けられ、内部にカムプレート19の一面に接
してボール25が収装されると共に、ブラケット11に
はさらに、このボール25をカムプレート19側へ押圧
するための板バネから成る弾性手段26がビス27を介
して取り付けられている。尚、この弾性手段26は、他
にコンプレッションスプリング、ゴム、合成樹脂その他
の弾性手段を用いても良く、さらに、ボール自身を弾性
を有するものにしたり、カムプレート自身を弾性を有す
るものにすることができよう。
【0022】そして、第1フリクションプレート20,
201,202と軸受部12との間、第2フリクション
プレート21と接する皿バネ22aの間には、図示して
ないが、潤滑用のグリスが塗布されている。
【0023】
【発明の効果】この発明は以上のように構成したので、
次のような効果を奏し得る。
【0024】請求項1のように構成すると、回転シャフ
トが回転する際にフリクションプレートと軸受部との間
に強いフリクショントルクが創出されると共に、クリッ
ク停止手段からもフリクショントルクが創出されるの
で、フリクションプレートにフリクショントルクを創出
させる弾性手段の構成を簡単にしても、かつ、小径の回
転シャフトを用いても高トルクを創出できる。さらに、
チルトヒンジ全体を小型にできた上で、回転シャフトに
取り付けたディスプレー体のような開閉体を任意の開成
角度で自在に停止保持することができ、その上、所定の
開成角度でさらに一層安定的にクリック停止させること
ができるものである。
【0025】請求項2のように構成すると、簡単な構造
で、製作コストを下げた上で、小型でも必要とされる高
トルクと安定した開閉体のクリック停止を創出すること
ができるものである。
【0026】請求項3のように構成すると、ナットを締
め付けることにより押さえワッシャーを介して皿バネを
強い力で均一にフリクションプレートへ押圧させること
ができるので、小径の回転シャフトを用いて創出させる
トルクにバラつきが生ずることなく、強いトルクを創出
させることができる上に、この皿バネの枚数を少なくし
ても、カムプレートに圧接するボールによってフリクシ
ョントルクを創出できるので、全体として、製作コスト
を下げ、小型でも大きなトルクを創出させることが可能
となるものである。その上、カムプレートとこれに押圧
されるボールにより、所定の開成角度において開閉体に
安定したクリック停止を行わせることができるものであ
る。
【0027】請求項4のように構成すると、グリス溜り
に溜められたグリスがフリクションプレートの両面に長
期間に渡って行き渡るので、フリクションプレートが油
切れで摩耗したり、異音を発生したりすることなく、チ
ルトヒンジの長寿命性を達成することができるものであ
る。
【0028】請求項5のように構成すると、複数枚の皿
バネを重ねて用いることにより弾性変形に余欲が生じる
ことから、ナットの締め付けを調節することにより、任
意の高トルクを創出することができるので、小型で高ト
ルクを必要とするチルトヒンジに対するさまざまな用途
に対応できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るチルトヒンジを用いるテレビゲ
ーム機の斜視図である。
【図2】この発明に係るチルトヒンジの正面図である。
【図3】図1に示したチルトヒンジの側面図である。
【図4】図2のA−A線断面図である。
【図5】(a),(b)フリクションプレートの他の実
施例を示す正面図である。
【図6】(a),(b),(c)複数のスプリングワッ
シャーの組み合わせ方を説明するための説明図である。
【図7】図1に示したチルトヒンジの平面図である。
【図8】回転シャフトが180°回転した状態の平面図
である。
【図9】図2に示したチルトヒンジの分解斜視図であ
る。
【符号の説明】
11 ブラケット 11a 係止孔 12 軸受部 13 回転シャフト 15 大径部 18 雄ネジ部 19 カムプレート 19b 係止用切欠 19c 係合切欠 20,201,202 第1フリクションプレート 20b 係止片 201a 小孔(グリス溜り) 202a,202b 切欠(グリス溜り) 21 第2フリクションプレート 21b 係止片 22 弾性手段 22a 皿バネ 23 ナット 24 押えワッシャー 25 ボール 26 弾性手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置本体側に取り付けられるブラケット
    と、このブラケットの軸受部へ回転自在に取り付けられ
    たところの開閉体の端部へ取り付けられる構造の回転シ
    ャフトと、この回転シャフトの大径部と前記軸受部との
    間、及び又は前記軸受部の他側面に中心部に回転シャフ
    トを挿通させつつ設けられたフリクションプレートと、
    このフリクションプレートを前記大径部及び又は軸受部
    へ圧接するために中心部に前記回転シャフトを挿通させ
    つつ設けられた弾性手段とを有するものにおいて、前記
    回転シャフトと前記ブラケットの間にクリック停止手段
    を設けたことを特徴とする、チルトヒンジ。
  2. 【請求項2】 クリック停止手段を、回転シャフトと共
    に回転するカムプレートと、このカムプレートに当接す
    べくブラケット側に設けられたボールと、このボールを
    前記カムプレート側へ押圧する弾性手段とで構成したこ
    とを特徴とする、請求項1記載のチルトヒンジ。
  3. 【請求項3】 装置本体側に取り付けられるブラケット
    と、このブラケットの軸受部に回転自在に取り付けられ
    たところの開閉体の端部へ取り付けられる構造の回転シ
    ャフトと、この回転シャフトの大径部と前記軸受部の一
    側面との間に該回転シャフトを中心部に挿通させつつ該
    回転シャフトと共に回転するように介在させたカムプレ
    ートと、このカムプレートと前記軸受部との間に前記回
    転シャフトを中心部に挿通させつつカムプレートと共に
    回転するように介在されたフリクションプレートと、前
    記軸受部の他側面に前記回転シャフトを中心部に挿通さ
    せつつ前記ブラケットに係止させて設けられた非回転の
    フリクションプレートと、このフリクションプレートに
    接してその中心部に前記回転シャフトを挿通させつつ設
    けられた複数枚の皿バネと、前記回転シャフトの一端に
    前記皿バネを軸受部側へ押圧するために取り付けられた
    ナットと、このナットと前記皿バネとの間に前記回転シ
    ャフトを中心部に挿通させつつ該回転シャフトと共に回
    転するように介在された押えワッシャーと、前記カムプ
    レートとに当接すべく前記ブラケット側に設けられたボ
    ールと、このボールを前記カムプレート側へ押圧する板
    バネとで構成したことを特徴とする、チルトヒンジ。
  4. 【請求項4】 フリクションプレートは、その表面に小
    孔や切欠を設けることにより、グリス溜りが形成されて
    いることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記
    載のチルトヒンジ。
  5. 【請求項5】 複数の皿バネを使用するに当り、これら
    の皿バネを、一枚ずつ互いに向い合わせるか、全て同じ
    方向に重ねるか、或は複数枚ずつ同一方向に重ねて向き
    を変えるかすることを特徴とする、請求項1乃至4のい
    ずれかに記載のチルトヒンジ。
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