JPH1046706A - コンクリート製壁体パネルによる建物構造におけるパネルの定着構造及びその定着方法 - Google Patents

コンクリート製壁体パネルによる建物構造におけるパネルの定着構造及びその定着方法

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JPH1046706A
JPH1046706A JP21811996A JP21811996A JPH1046706A JP H1046706 A JPH1046706 A JP H1046706A JP 21811996 A JP21811996 A JP 21811996A JP 21811996 A JP21811996 A JP 21811996A JP H1046706 A JPH1046706 A JP H1046706A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】コンクリート製壁体パネル相互を横方向に相並
べて壁体が構成される建物において、簡単な構造で壁体
パネルの水準を精確になし得ることができ、また、基礎
部に強固に定着することのできる壁体パネルの定着構造
を得る。 【構成】基礎部Bに所定間隔をもって植設されたアンカ
ーボルト1に、下辺部の両端部に基礎部のアンカーボル
トを埋込み金具13を介して受け入れる凹部6が形成さ
れた壁体パネルPを建て込み、この埋込み金具13を上
下から挟着する上部及び下部ナット20,23をもって
壁体パネルの水準をなす。また、壁体パネルの下端部に
水平アンカー筋8を配し、該水平アンカー筋を土間コン
クリートCにより埋殺し状に打設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はコンクリート製壁
体パネルにより壁体が構成されてなるいわゆるパネル建
物構造に関し、更に詳しくは、当該壁体パネルの基礎部
との定着構造並びにその定着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】壁体パネルを横方向に連接して壁体を構
成する建物構造において、壁体パネルの基礎部への設置
に際し、その水準を精確になす必要がある。従来におい
ては、基礎部の天端と壁体パネルとの間に複数の座板を
介装させる手段が採られている。しかしながら、この従
来手段によって、壁体パネルの水準が段階状に変化し、
連続的に調整することが困難である。また、該壁体パネ
ルの基礎部への定着はアンカーボルト以外には格別の配
慮が払われておらず、強度的にも問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は簡単な構造で
壁体パネルの水準を精確になし得る壁体パネルの定着構
造を得ることを目的とする。更には、壁体パネルを基礎
部に強固に定着することのできる壁体パネルの定着構造
を得ることも他の目的とする。本発明はこのため、壁体
パネルと基礎部の天端とを一定以上の間隔を保持するこ
とに着想を得てなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の壁体パネルの定
着構造は具体的には次の構成を採る。すなわち、コンク
リート製壁体パネル相互を横方向に相並べて壁体が構成
される建物構造において、基礎部にはアンカーボルトが
所定間隔をもって植設され、前記壁体パネルの下辺部の
両端部には前記基礎部のアンカーボルトを埋込み金具を
介して受け入れる凹部が内側に向けて形成され、前記ア
ンカーボルトには前記凹部の埋込み金具を上下から挟着
する上部及び下部ナットが螺装されてなる、ことを特徴
とする。更に、この構成に付加して、壁体パネルの下端
部の内側には、所定間隔をもって、根本部にねじを有す
る水平アンカー筋用のアンカー用インサートが埋め込ま
れてなることを特徴とする。本発明の壁体パネルの定着
方法は、コンクリート製壁体パネル相互を横方向に相並
べて壁体が構成される建物の構築方法において、基礎部
に所定間隔をもって植設されたアンカーボルトに、その
下辺部の両端部に前記基礎部のアンカーボルトを埋込み
金具を介して受け入れる凹部が形成された壁体パネルを
建て込み、前記アンカーボルトに螺装された前記凹部の
埋込み金具を上下から挟着する上部及び下部ナットをも
って壁体パネルの水準をなし、しかる後、前記凹部の上
位に達する土間コンクリートを打設する、ことを特徴と
する。更に、この構成に付加して、壁体パネルの下端部
に水平アンカー筋を配し、該水平アンカー筋を土間コン
クリートにより埋殺し状に配してなることを特徴とす
る。
【0005】(作用)壁体パネルの基礎部への設置にお
いて、アンカーボルトに下部ナットが螺合され、しかる
後、壁体パネルが建て込まれ、該下部ナットで支持す
る。この状態で上部ナットを螺合し、上部及び下部ナッ
トの締込みにより水準をなす。また、水平アンカー筋を
壁体パネルの下端に取り付け、下部凹部並びに水平アン
カー筋を埋殺し状態に土間コンクリートを打設する。壁
体パネルは基礎部の天端から十分な高さのすき間をもっ
て設置され、土間コンクリートはこの隙間にも充填さ
れ、かつ、水平アンカー筋との結合により、壁体パネル
は基礎部との一体化がなされる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のコンクリート製壁体パネ
ルによる建物構造におけるパネルの定着構造の実施の形
態を図面に基づいて説明する。図1〜図11はその一実
施形態のパネル建物構造を示し、平屋建て建物への適用
を示す。すなわち、図1はその全体構成を示し、図2〜
図11はその部分構成を示す。
【0007】図1はこの平屋建て建物の分解構成を示
す。図1において、Bは基礎部であってアンカー部材が
植設されて立設され、Pは壁体パネルであって基礎部B
のアンカー部材に固定され、Kは屋根枠であって壁体パ
ネルPの上部に剛接され、Rは屋根材であって屋根枠K
に載置固定される。
【0008】以下、各部の細部構造を説明する。基礎部B (図2参照) 基礎部Bは鉄筋コンクリート製よりなり、いわゆる布基
礎構造をなし、その本体には上方に突出するアンカーボ
ルト1が植設される。この基礎部Bは、表土を剥がれた
地盤E上に割り栗石100を敷き固め、更にその上に捨
てコンクリート102を打設し、この基礎部Bの本体が
構築されるものであるが、これは通常の施工態様であ
る。アンカーボルト1は、ボルト杆部1aとねじ部1b
とからなり、該杆部1aを基礎本体内に埋設され、上部
のねじ部1bは基礎部Bの上面より突出する。なお、該
アンカーボルト1のねじ部1aを必須とし、ボルト杆1
aの形態は自由である。
【0009】壁体パネルP(図3〜図11参照) 壁体パネルPは、全体として、一定厚さを有し所定の剛
性を保持する矩形平板状をなし、鉄筋コンクリート製を
もって形成される。このため、躯体部は、縦筋2、横筋
3による鉄筋網(メッシュ)4を内部に配し、かつ、補
強筋(図示せず)を適宜に配し、これらをコンクリート
5をもって一体的に包み込んで形成される。また、図3
に示されるように、該壁体パネルPの内側の下辺部に
は、両側端近傍に2つの下部凹部6が凹設され、また、
該下部凹部6に並んで内側面に向けて開口する複数のア
ンカー用インサート7が配される。該下部凹部6は基礎
部のアンカーボルト1を受け入れ、アンカー用インサー
ト7は水平アンカー筋8(図8参照)を受け入れる。更
に、該壁体パネルPの上辺部には頭継ぎ部9が設置さ
れ、一方の側辺部には横継ぎ用の側部凹部10が、ま
た、他方の側辺部には側部凹部10に対応して横継ぎ用
のインサート11が設置される。
【0010】(下部凹部6)下部凹部6は壁体パネルP
の内側の下辺部に複数箇所(本実施形態では2か所)に
わたって形成され、埋込み金具13を介して、基礎部B
との定着に供せられる。 (埋込み金具13)(図4、図5参照) 埋込み金具13は、図4・図5に示されるように、所定
幅と厚さを有する底板14と、該底板14の上面に3方
を囲む壁板15と、両側の壁板15の外側面に固設され
るとともに上方に延設されるアンカー材16と、からな
る。底板14には中央に大径の調整孔17が開設され、
アンカーボルト1を遊嵌する。しかして、該埋込み金具
13はその底板14を壁体パネルPの下面と面一にし
て、下部凹部6の下底に露出して配され、壁板15及び
アンカー材16はコンクリート躯体中に埋設される。
【0011】(アンカー用インサート7・水平アンカー
筋8)アンカー用インサート7は、壁体パネルPの下端
の内側に複数箇所(本実施形態では3か所)にわたって
設置され、水平アンカー筋8を受け入れる。図8はその
詳細を示し、円筒部の内周面にはねじ7aが螺設され、
その基部7bは躯体のコンクリートとの定着を図る。水
平アンカー筋8は、その根本部8aはねじに形成され、
該ねじ部8aをアンカー用インサート7のねじ孔7aに
螺入して固定される。
【0012】図6〜図8において、基礎部Bの上面に突
出するアンカーボルト1のねじ部1bに下部ナット20
及び下部ワッシャ21が装着され、パネルPの下部凹部
8の埋込み金具13の調整孔17に嵌挿され、更に上部
ワッシャ22及び上部ナット23が装着される。
【0013】(頭継ぎ部9)(図9、図10参照) 頭継ぎ部9は、壁体パネルPの上辺部に設けられ、ねじ
筒25と、該ねじ筒25を壁体パネルPの本体に定着す
るアンカー材26と、ねじ筒25に螺合する取付けボル
ト27と、該ボルト27により壁体パネルPの頭部に固
定される頭継ぎ材28と、からなる。29はワッシャで
ある。もっと詳しくは、ねじ筒25は下辺部の下部凹部
8の対応位置に設けられ、その上縁は壁体パネルPの本
体の上面に面一となる。なお、ねじ筒25には、取付け
ボルト27に替えて、壁体パネルPの吊り込み作業に使
用される吊りボルト(図示せず)が螺装される。しかし
て、この頭継ぎ部9の頭継ぎ材28上にチャンネル材よ
りなる屋根枠Kが直接的に溶接等の手段をもって固設さ
れる。
【0014】(横継ぎ構造)(図11参照) 壁体パネルPの側辺部に配される側部凹部10とインサ
ート11とは相隣り合って継ぎ手構造を形成する。すな
わち、側部凹部10には下部凹部6に準じる埋込み金具
31が固設され、そのボルト挿通孔を介してインサート
11のねじ孔11aにボルト32が螺装され、該ボルト
32を締め込んで相隣れるパネルP相互の固定をなす。
【0015】叙上の構成よりなる壁体パネルPによる建
物の構築について述べる。以下、施工手順に従って説明
する。
【0016】(1) 基礎部Bが構築され、アンカーボルト
1は所定の間隔で設置される。この基礎部Bのアンカー
ボルト1のねじ部1bに下部ナット20及び下部ワッシ
ャ21が装着される。
【0017】(2) 壁体パネルPの上辺部の頭継ぎ部9の
ねじ筒25に吊りボルトが螺装され、該吊りボルトを介
してクレーン装置(図示せず)をもって該壁体パネルP
を吊り上げ、その下辺部を基礎部Bに建て込む。すなわ
ち、埋込み金具13の調整孔17にアンカーボルト1を
挿通し、埋込み金具13が下部ナット20・ワッシャ2
1に当接された状態で上部ワッシャ22及び上部ナット
23を装着する。
【0018】(3) しかる後、壁体パネルPの位置調整が
なされる。すなわち、壁体パネルPの横方向のずれは調
整孔17とアンカーボルト1との隙間で吸収され、壁体
パネルPの水準は下部ナット20と上部ナット23との
上下動で吸収される。
【0019】(4) 先に設置された壁体パネルPに隣接し
て、前記(2)(3)の工程と同様の手順で、壁体パネルPを
設置する。これらの隣接する壁体パネルP相互を横継ぎ
構造をもって接合する。
【0020】(5) 横方向に相並べられた壁体パネルPの
上部を屋根枠Kをもって固定し、必要に応じて屋根Rを
設置する。
【0021】(6) 壁体パネルPの設置が安定した状態
で、土間コンクリートCの打設が行われる。すなわち、
これに先立ち、水平アンカー筋8が壁体パネルPに取り
付けられる。しかる後、土間コンクリートCの型枠工が
施され、土間コンクリートCを壁体パネルPと基礎部B
の天端との間に十分に行き渡るよに打設し、かつ、下部
凹部6、水平アンカー筋8を埋殺す状態まで打設する
(図12参照)。
【0022】本実施形態の定着構造によれば、壁体パネ
ルPはアンカーボルト1に螺装された下部ナット20に
より基礎部Bの天端より十分な高さをもって支持される
とともに、該高さを自在に調整できる。これにより、精
確な水準をなすことができ、壁体パネルPと基礎部Bの
天端との間の隙間を十分大きく確保できる。また、埋込
み金具13の調整孔17はアンカーボルト1との間で十
分に空隙を存するので、壁体パネルPの横ずれが吸収で
き、建込み作業が容易に行われる。打設された土間コン
クリートCは壁体パネルPと基礎部Bの天端との間の隙
間に充填され、該土間コンクリートCの固結に伴い、壁
体パネルPを支持するとともに、かつ、水平アンカー筋
8との結合により、壁体パネルPと基礎部Bとの強固な
一体化がなされる。
【0023】本発明は上記実施の形態に限定されるもの
ではなく、本発明の基本的技術思想の範囲内で種々設計
変更が可能である。すなわち、以下の態様は本発明の技
術的範囲内に包含されるものである。 基礎部Bより更に鉛直アンカー筋35を植設するこ
と。鉛直アンカー筋35は水平アンカー筋8の相互間に
位置し、鉛直アンカー筋35と水平アンカー筋8とは鉛
直投影面に交差する。
【0024】
【発明の効果】本発明の壁体パネルの定着構造によれ
ば、壁体パネルはアンカーボルトに螺装された下部ナッ
トにより基礎部の天端より十分な高さをもって支持され
るとともに、該高さを自在に調整でき、精確な水準をな
すことができ、壁体パネルと基礎部の天端との間の隙間
を十分大きく確保できる。また、打設された土間コンク
リートは壁体パネルと基礎部の天端との間の隙間に充填
され、該土間コンクリートの固結に伴い、壁体パネルを
支持するとともに、かつ、水平アンカー筋との結合によ
り、壁体パネルと基礎部との強固な一体化がなされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパネル建物構造の一実施形態の分解構
成図。
【図2】基礎部の断面図。
【図3】パネルの全体構成図。
【図4】埋込み金具の正面図。
【図5】埋込み金具の平面図。
【図6】図3のI部拡大図(図7のVI方向矢視図)。
【図7】図6のVII-VII 線断面図。
【図8】図7のVIII-VIII 線断面図。
【図9】頭継ぎ部の断面図。
【図10】図9のX方向矢視図。
【図11】横継ぎ部の一部断面側面図。
【図12】定着構造の施工態様断面図。
【符号の説明】
P…コンクリート製壁体パネル、B…基礎部、K…屋根
枠、C…土間コンクリート、1…アンカーボルト、6…
下部凹部、7…アンカー用インサート、8…水平アンカ
ー筋、13…埋込み金具、17…調整孔、20…下部ナ
ット、23…上部ナット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンクリート製壁体パネル相互を横方向に
    相並べて壁体が構成される建物構造において、 基礎部にはアンカーボルトが所定間隔をもって植設さ
    れ、 前記壁体パネルの下辺部の両端部には前記基礎部のアン
    カーボルトを埋込み金具を介して受け入れる凹部が内側
    に向けて形成され、 前記アンカーボルトには前記凹部の埋込み金具を上下か
    ら挟着する上部及び下部ナットが螺装されてなる、こと
    を特徴とする壁体パネルの定着構造。
  2. 【請求項2】壁体パネルの下端部の内側には、所定間隔
    をもって、根本部にねじを有する水平アンカー筋用のア
    ンカー用インサートが埋め込まれてなることを特徴とす
    る請求項1に記載の壁体パネルの定着構造。
  3. 【請求項3】コンクリート製壁体パネル相互を横方向に
    相並べて壁体が構成される建物の構築方法において、 基礎部に所定間隔をもって植設されたアンカーボルト
    に、その下辺部の両端部に前記基礎部のアンカーボルト
    を埋込み金具を介して受け入れる凹部が形成された壁体
    パネルを建て込み、 前記アンカーボルトに螺装された前記凹部の埋込み金具
    を上下から挟着する上部及び下部ナットをもって壁体パ
    ネルの水準をなし、 しかる後、前記凹部の上位に達する土間コンクリートを
    打設する、ことを特徴とする壁体パネルの定着方法。
  4. 【請求項4】壁体パネルの下端部に水平アンカー筋を配
    し、該水平アンカー筋を土間コンクリートにより埋殺し
    状に配してなることを特徴とする請求項3に記載の壁体
    パネルの定着方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015086594A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 大成建設株式会社 プレキャスト床版の接合構造およびプレキャスト床版の接合方法
CN105275114A (zh) * 2014-09-30 2016-01-27 中建四局第三建筑工程有限公司 一种预制板连接楼板的施工方法及结构
CN107366371A (zh) * 2017-09-14 2017-11-21 辛红 装配式建筑墙体及其墙体连接组件
JP2022533032A (ja) * 2019-05-01 2022-07-21 シンプソン ストロング タイ カンパニー インコーポレーテッド 延性プレハブせん断壁

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