JPH1046066A - アニオン型電着塗料 - Google Patents

アニオン型電着塗料

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JPH1046066A
JPH1046066A JP8207347A JP20734796A JPH1046066A JP H1046066 A JPH1046066 A JP H1046066A JP 8207347 A JP8207347 A JP 8207347A JP 20734796 A JP20734796 A JP 20734796A JP H1046066 A JPH1046066 A JP H1046066A
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meth
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浩司 平野
Yutaka Inoue
裕 井上
Shinji Miyatake
信次 宮武
Masahiro Kondo
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗料の貯蔵安定性や塗膜の耐モルタル性、加工
性等の性能に優れたアニオン型電着塗料を提供する。 【解決手段】ラクトン類化合物で変性されたエステル結
合を有する水分散性ビニル系共重合体(A)及び架橋剤
(B)を熱硬化性樹脂成分として含有するアニオン型電
着塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、仕上り外観、各種性能
に優れた塗膜が形成できるアニオン型電着塗料に係わ
る。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、陽極酸化処理したア
ルミニウム材は軽量で強度が強いこと、及び耐蝕性など
が優れることからサッシなどの建材関係に多く使用され
ている。また、落ち着いた雰囲気をかもしだす艶消し電
着塗膜も多く塗装されるようになってきている。
【0003】艶消し塗膜を形成する電着塗料として、特
開昭62−24519号公報、特開平2−255871
号公報等に記載されているものが公知である。しかしな
がら、このような塗料では貯蔵安定性が十分でないこ
と、艶消し塗膜外観が十分でないこと、耐モルタル性、
耐酸性、耐アルカリ性及び加工性等の塗膜性能が十分で
ないこと等の問題点が残されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記した
問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、基体樹
脂として、特にラクトン類化合物で変性されたエステル
結合を有する水分散性ビニル系共重合体を使用すること
により、上記した問題点のない塗料が提供できることを
見出だし、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、ラクトン類化合物で変性
されたエステル結合を有する水分散性ビニル系共重合体
(A)及び架橋剤(B)を熱硬化性樹脂成分として含有
することを特徴とするアニオン型電着塗料に係わる。
【0006】本発明塗料で使用する共重合体(A)は、
酸価約15〜150、水酸基価約30〜200の水分散
性ビニル系共重合体である。また、このものの重量平均
分子量は約1万〜20万の範囲が好ましい。酸価が約1
5未満になると水分散性が低下するので塗料の貯蔵安定
性が悪くなる、一方、約150を越えると塗膜の耐モル
タル性等の性能が劣るので好ましくない。また、水酸基
価が約30未満になると硬化性が低下し、一方、約20
0を越えると反応しない水酸基が塗膜中に多く残るので
塗膜の耐久性が悪くなるので好ましくない。重量平均分
子量が約1万を下回ると塗料の貯蔵安定性や耐候性、耐
モルタル性等の塗膜性能が悪くなり、一方、約20万を
上回ると塗膜の平滑性等が悪くなるので好ましくない。
【0007】水分散性ビニル系共重合体(A)は、例え
ば、水酸基含有ビニル系モノマ−、カルボキシル基含有
ビニル系モノマ−、ラクトン変性ビニル系モノマ−、及
び必要に応じてその他の不飽和モノマ−をラジカル共重
合反応させてなる共重合体等を使用することができる。
なおラクトン変性ビニル系モノマ−が水酸基を含有する
場合には、水酸基含有ビニル系モノマ−として使用する
ことができ、また、カルボキシル基を含有する場合に
は、カルボキシル基含有ビニル系モノマ−として使用す
ることができる。
【0008】本発明塗料を艶消し塗料として使用する場
合には、モノマ−成分としてアルコキシシラン基含有ビ
ニル系モノマ−を使用することにより艶消し塗料が得ら
れる。
【0009】これらのモノマ−成分としては、下記のも
のを挙げることができる。
【0010】(1)水酸基含有ラクトン変性ビニル系モ
ノマ−類:例えば、下記した水酸基含有ビニル系モノマ
−類とβ−プロピオラクトン、ジメチルプロピオラクト
ン、ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロ
ラクトン、γ−カプリロラクトン、γ−ラウリロラクト
ン、ε−カプロラクトン、δ−カプロラクトン等のラク
トン類化合物との反応物等、商品名としては、プラクセ
ルFM1(ダイセル化学社製、商品名、カプロラクトン
変性(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステル類)、プラ
クセルFM2(同左)、プラクセルFM3(同左)、プ
ラクセルFA−1(同左)、プラクセルFA2(同
左)、プラクセルFA3(同左)等 (2)上記(1)以外の水酸基含有ビニル系モノマ−
類:例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレ−ト、(ポリ)エチレングリコ
−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、(ポリ)プロピレング
リコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシブチル
ビニルエ−テル、(メタ)アリルアルコ−ル等 (3)カルボキシル基ラクトン変性ビニル系モノマ−
類:例えば、上記(1)に記載の水酸基含有ラクトン変
性ビニル系モノマ−類と無水マレイン酸、無水コハク
酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水トリメリット酸、
無水フタル酸等の酸無水物との付加物等や商品名として
プラクセルFM1A、プラクセルFM4A、プラクセル
FM10A(以上、ダイセル化学社製、カプロラクトン
変性カルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマ−)等 (4)上記(1)以外のカルボキシル基含有ビニル系和
モノマ−類:例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸
等 (5)アルコキシシラン基含有ビニル系モノマ−類:例
えば、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等 (6)その他の不飽和モノマ−類:例えば、(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸のC1〜18
のアルキル又はシクロアルキルエステル類、スチレンな
どの芳香族ビニルモノマ−類、(メタ)アクリル酸アミ
ド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−
メチロ−ル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アク
リルアミド及びその誘導体類、(メタ)アクリロニトリ
ル化合物類等 これらのモノマ−の配合割合において、上記(1)及び
(2)に記載の水酸基含有モノマ−類は、共重合体
(A)の水酸基価が約30〜200の範囲に入るように
配合すればよいが、上記(1)〜(6)に記載のモノマ
−類の総モノマ−量換算で上記(1)及び(2)に記載
のモノマ−類の合計量が約3〜40重量%、好ましくは
約5〜30重量%の範囲であり、また、(1)に記載の
モノマ−類は(1)及び(2)に記載のモノマ−類の総
モノマ−量に対して、約1〜100重量%、好ましくは
約3〜90重量%の範囲で配合することが望ましい。
(1)に記載のモノマ−の配合割合が約1重量%を下回
ると塗料の貯蔵安定性、艶消し塗膜外観及び耐モルタル
性等の塗膜の外観及び性能など劣る。
【0011】また、上記(3)及び(4)に記載のカル
ボキシル基含有モノマ−類は、共重合体(A)の酸価が
約15〜150の範囲に入るように配合すればよいが、
上記(1)〜(6)に記載のモノマ−類の総モノマ−量
に対して上記(3)及び(4)に記載のモノマ−類の合
計量が約2〜23重量%、好ましくは約4〜10重量%
の範囲であり、また、(3)に記載のモノマ−類は
(3)及び(4)に記載のモノマ−類の総モノマ−量に
対して、約0〜100重量%、好ましくは約0〜90重
量%の範囲である。
【0012】上記したようにアルコキシシラン基含有ビ
ニル系モノマ−類(5)は艶消し塗膜が要求される場合
に使用される。該モノマ−類の配合量は上記(1)〜
(6)に記載のモノマ−類の総モノマ−量に対して約
0.2〜10重量%、好ましくは約0.5〜5重量%の
範囲である。
【0013】その他の不飽和モノマ−類(6)として
は、(メタ)アクリル酸のC1 〜C18のアルキル又はシ
クロアルキルエステル類及びスチレンなどの芳香族ビニ
ルモノマ−類を使用することが好ましい。該モノマ−類
の配合量は上記(1)〜(6)に記載のモノマ−類の総
モノマ−量に対して約37〜95重量%、好ましくは約
60〜91重量%の範囲である。
【0014】上記(1)〜(6)に記載のモノマ−類を
ラジカル共重合反応させる方法としては、従来から公知
の溶液重合方法等で行うことができる。
【0015】また、水分散性ビニル系共重合体(A)と
して、上記した以外に、例えば、上記(2)、(3)及
び/又は(4)、必要に応じて(5)及び(6)に記載
のモノマ−類をラジカル共重合反応させて得られる水酸
基及びカルボキシル基含有ビニル系共重合体を製造し、
次いで該共重合体の水酸基と上記ラクトン類化合物とを
従来から公知の付加反応によって製造したものも使用で
きる。
【0016】本発明塗料で使用する架橋剤(B)は水分
散性ビニル系共重合体(A)の水酸基と反応して硬化塗
膜を形成するものである。架橋剤(B)としては、従来
から公知のメラミン樹脂、ブロックポリイソシアネ−ト
化合物等を使用することができる。
【0017】メラミン樹脂架橋剤としては、例えば、メ
ラミン樹脂のメチロ−ル基の一部もしくは全部が、メタ
ノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、オク
チルアルコ−ル、2−エチルヘキシルアルコ−ル等の1
種もしくは2種以上のアルコ−ルで変性されたものを使
用することができる。メラミン樹脂は1核体〜多(約
5)核体のものが50重量%以上を占めるものが好まし
い。また、メラミン樹脂中にはイミノ基、メチロ−ル基
等の官能基を含んでいても構わない。
【0018】ブロックポリイソシアネ−ト架橋剤として
は、例えば、イソホロンジイソシアネ−ト、ヘキサメチ
レンジイソシアネ−ト等の脂肪族や脂環族のポリイソシ
アネ−ト化合物にε−カプロラクトン等のラクトン類や
プロパノ−ル、ブタノ−ル、ペンタノ−ル、ベンジルア
ルコ−ル等のアルコ−ル類でブロック化したものを使用
することができる。
【0019】水分散性ビニル系共重合体(A)及び架橋
剤(B)成分の配合割合は両者の総合計量換算で、水分
散性ビニル系共重合体(A)が40〜85重量%、好ま
しくは50〜80重量%の範囲であり、架橋剤(B)は
15〜60重量%、好ましくは20〜50重量%の範囲
である。水分散性ビニル系共重合体(A)の配合割合が
40重量%を下回り、そして架橋剤(B)が60重量%
を上回ると耐候性、耐モルタル性、加工性等の塗膜性能
が悪くなり、一方、共重合体(A)の配合割合が85重
量%を上回り、そして架橋剤(B)が15重量%を下回
ると耐候性、加工性等の塗膜性能が悪くなるので好まし
くない。
【0020】本発明塗料には必要に応じて顔料、染料、
硬化触媒、流動性調整剤等を配合することができる。
【0021】本発明塗料は、例えば、共重合体(A)の
カルボキシル基に対して0.3〜0.5当量になるよう
に中和剤(例えば、ジエチルアミン、トリエチルアミン
等)を配合し、次いで架橋剤(B)を配合分散し、続い
て水分散を行った後、塗料のPHを7.0以上に調整す
ることにより製造できる。
【0022】本発明塗料は、特に着色もしくは無着色陽
極酸化アルミニウム材を使用するアルミニウム建材分野
に適用することが好ましい。
【0023】本発明塗料は、艶消し塗料として使用する
ことが好ましい。
【0024】本発明塗料の塗装方法は、例えば、本発明
塗料をアニオン型電着塗料浴(例えば、固形分約5〜2
0重量%、好ましくは約6〜12重量%)とし、この浴
中にアルミニウム材を浸漬した後、乾燥膜厚が約5〜3
0ミクロンになるようにアニオン電着塗装を行い、次い
で必要に応じて水洗(水道水、透過水等)後、焼付け
(例えば、約160〜200℃で約20〜40分間)る
ことにより行うことができる。
【0025】
【実施例】本発明について、実施例を掲げて詳細に説明
する。本発明は提供した実施例に限定されるものではな
い。
【0026】共重合体(a)の製造例 反応容器中にイソプロピルアルコ−ルを55重量部を仕
込み80℃に保持した中へスチレン10g、メチルメタ
クリレ−ト33g、n−ブチルアクリレ−ト10g、エ
チルアクリレ−ト10g、2−ヒドロキシエチルアクリ
レ−ト5g、アクリル酸7g、プラクセルFM3(ダイ
セル化学社製、商品名、カプロラクトン変性(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシエステル類、以下、同様の意味)2
5g及びアゾビスジメチルバレロニトリル2gの混合物
を3時間かけて滴下し、次いでアゾビスジメチルバレロ
ニトリル1gを添加し、80℃で1時間保持して反応を
行い共重合体(a)ワニスを製造した。該共重合体は、
重量平均分子量約2万、酸価55、水酸基価54であっ
た。
【0027】共重合体(b)の製造例 反応容器中にイソプロピルアルコ−ルを55重量部を仕
込み80℃に保持した中へスチレン10g、メチルメタ
クリレ−ト30g、n−ブチルアクリレ−ト25g、2
−ヒドロキシエチルアクリレ−ト10g、アクリル酸5
g、プラクセルFM4A(ダイセル化学社製、商品名、
カプロラクトン変性カルボキシル基含有アクリルモノマ
−)20g及びアゾビスジメチルバレロニトリル2gの
混合物を3時間かけて滴下し、次いでアゾビスジメチル
バレロニトリル1gを添加し、80℃で1時間保持して
反応を行って共重合体(a)ワニスを製造した。該共重
合体は、重量平均分子量約2万、酸価55、水酸基価4
8であった。
【0028】共重合体(c)の製造例 反応容器中にイソプロピルアルコ−ルを55重量部を仕
込み80℃に保持した中へスチレン10g、メチルメタ
クリレ−ト32g、n−ブチルアクリレ−ト10g、エ
チルアクリレ−ト10g、2−ヒドロキシエチルアクリ
レ−ト15g、アクリル酸5g、プラクセルFM−3を
15g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン3g、及びアゾビスジメチルバレロニトリル1gの混
合物を3時間かけて滴下し、次いでアゾビスジメチルバ
レロニトリル1gを添加し、80℃で1時間保持して反
応を行い共重合体(b)ワニスを製造した。該共重合体
は、重量平均分子量約5万、酸価39、水酸基価90で
あった。
【0029】共重合体(d)の製造例 反応容器中にイソプロピルアルコ−ルを55重量部を仕
込み80℃に保持した中へスチレン10g、メチルメタ
クリレ−ト31g、n−ブチルアクリレ−ト10g、エ
チルアクリレ−ト30g、2−ヒドロキシエチルアクリ
レ−ト12g、アクリル酸7g、及びアゾビスジメチル
バレロニトリル2gの混合物を3時間かけて滴下し、次
いでアゾビスジメチルバレロニトリル1gを添加し、8
0℃で1時間保持して反応い共重合体(c)ワニスを製
造した。該共重合体は、重量平均分子量約2万、酸価5
5、水酸基価58であった。
【0030】共重合体(e)の製造例 反応容器中にイソプロピルアルコ−ルを55重量部を仕
込み80℃に保持した中へスチレン10g、メチルメタ
クリレ−ト30g、n−ブチルアクリレ−ト3g、エチ
ルアクリレ−ト30g、2−ヒドロキシエチルアクリレ
−ト19g、アクリル酸5g、γ−(メタ)アクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン3g、及びアゾビスジメ
チルバレロニトリル1gの混合物を3時間かけて滴下
し、次いでアゾビスジメチルバレロニトリル1gを添加
し、80℃で1時間保持して反応を行い共重合体(d)
ワニスを製造した。該共重合体は、重量平均分子量約5
万、酸価39、水酸基価92であった。
【0031】実施例1 上記共重合体(a)70g(固形分量)に共重合体
(a)のカルボキシル基に対して0.4当量のトリエチ
ルアミンを配合した後、混合分散し、次いでこのもの
に、サイメル303(三井サイテック株式会社製、商品
名、メトキシ化メラミン樹脂)30gを配合し、混合分
散した後、攪拌を行いながら脱イオン水を徐々に滴下
し、更にPHが7.0になるようにトリエチルアミンを
添加して固形分10重量%の電着塗料を製造した。
【0032】実施例2 実施例1において、共重合体(a)に代えて共重合体
(b)を使用した以外は実施例1と同様にして電着塗料
を製造した。
【0033】実施例3 実施例1において、共重合体(a)に代えて共重合体
(c)を使用した以外は実施例1と同様にして電着塗料
を製造した。
【0034】比較例1 実施例1において、共重合体(a)に代えて共重合体
(d)を使用した以外は実施例1と同様にして電着塗料
を製造した。
【0035】比較例2 実施例2において、共重合体(a)に代えて共重合体
(e)を使用した以外は実施例1と同様にして電着塗料
を製造した。
【0036】上記した実施例及び比較例で得られた電着
塗料を電着浴とし、このものに被塗物(皮膜厚約10ミ
クロンの陽極酸化アルミニウム材(Al)、燐酸亜鉛処
理した鋼板(Fe)、大きさは150×70×0.5m
m)を浸漬し、乾燥膜厚が約10ミクロンになるように
電着塗装を行い、次いで塗装物を浴槽から引き上げた
後、セッテングを約10分間行い、続いて160℃で3
0分間焼付けて実施例及び比較例のクリヤ−塗膜を被覆
した。
【0037】表1に結果をまとめて示す。
【0038】
【表1】
【0039】塗料貯蔵安定性:塗料を試験管(高さ20
cm、容量20cc)に充填し、20℃で7日間静置し
た後、容器の底に沈殿した残渣の高さを調べた。◎は残
渣が0.5mm以下で良好、○は残渣が0.6〜5mm
でほぼ良好、△は残渣が6〜10mmでやや不良、×は
11mm以上で不良。
【0040】塗膜性能試験方法 塗膜鏡面反射率:JIS K−5400の60度鏡面反
射率を測定した 塗膜平滑性:塗膜表面(ユズ肌、凹凸等)を目視で評価
した。◎は良好、○はほぼ良好、△はやや不良、×は不
良。
【0041】艶消し塗膜外観:塗膜表面の仕上り外観
(光沢ムラなど)を肉眼で調べた。◎は良好、○はほぼ
良好、△はやや不良、×は不良。
【0042】エリクセン試験:素地に達するように塗膜
にゴバン目を100個作り、ゴバン目を作った塗板の裏
側からエリクセン試験機により5mm押出した後の塗膜
の外観を観察した。◎は塗膜に異常が全く認められない
もの、○は塗膜の1箇所に異常がみとめられたもの、△
は塗膜の2〜5箇所に異常がみとめられたもの、×は塗
膜の6箇所以上に異常がみとめられたもの。
【0043】耐モルタル性:試験はクロスカットを入れ
た試験板をセメント/海砂/水=1/3/0.5(重量
比)に混合したモルタルに、50℃で7日間浸漬した。
次いで試験板をモルタルから剥がしとり塗膜の光沢低
下、フクレ、剥がれ等の塗膜異常の有無を観察した。◎
は全く異常がなく良好、○はほぼ良好、△はやや不良、
×は不良。
【0044】耐酸性:5重量%の塩酸水溶液(20℃)
に72時間浸漬後の塗膜外観を調べた。◎は全く異常が
なく良好、○はほぼ良好、△はブリスタ−が発生したも
の、×はブリスタ−が多く発生したもの。
【0045】耐アルカリ性:1重量%の苛性ソ−ダ−水
溶液(20℃)に72時間浸漬後の塗膜外観を調べた。
◎は全く異常がなく良好、○はほぼ良好、△はブリスタ
−が発生したもの、×はブリスタ−が多く発生したも
の。
【0046】防食性:JIS K−5400塩水噴霧試
験方法に基づいて試験を行った。試験板は素地に達する
ように塗膜にクロスカットをいれたものを使用した。◎
は全く異常がなく良好、○はカット部から幅1.0mm
以内、△はカット部から幅1.1〜2.0mm、×は
2.0mm以上のもの。
【0047】
【発明の効果】本発明塗料によると、特に、水酸基及び
カルボキシル基を含有する水分散性ビニル系共重合体と
して、該共重合体中にラクトン類化合物によるエステル
結合を含有することから、塗料の貯蔵安定性や塗膜の耐
モルタル性、加工性等の性能が優れるといった顕著な効
果が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 全弘 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号関西 ペイント株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラクトン類化合物で変性されたエステル結
    合を有する水分散性ビニル系共重合体(A)及び架橋剤
    (B)を熱硬化性樹脂成分として含有することを特徴と
    するアニオン型電着塗料。
  2. 【請求項2】共重合体(A)が、共重合体(A)を構成
    するモノマ−成分としてラクトン変性ビニル系モノマ−
    を含有することを特徴とする請求項1に記載のアニオン
    型電着塗料。
  3. 【請求項3】共重合体(A)が、アルコキシシラン基を
    側鎖に有する共重合体であり艶消し塗膜を形成すること
    を特徴とする請求項1に記載のアニオン型電着塗料。
  4. 【請求項4】ラクトン変性ビニル系モノマ−が、水酸基
    及び/又はカルボキシル基を含有することを特徴とする
    請求項1に記載のアニオン型電着塗料。
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