JPH1045974A - ポリプロピレン樹脂組成物およびそれを用いたポリプロピレンフィルム - Google Patents

ポリプロピレン樹脂組成物およびそれを用いたポリプロピレンフィルム

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JPH1045974A
JPH1045974A JP20694296A JP20694296A JPH1045974A JP H1045974 A JPH1045974 A JP H1045974A JP 20694296 A JP20694296 A JP 20694296A JP 20694296 A JP20694296 A JP 20694296A JP H1045974 A JPH1045974 A JP H1045974A
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film
polypropylene
friction
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weight
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JP20694296A
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Tadashi Imai
正 今井
Tadashi Asanuma
浅沼  正
Shigeru Kimura
茂 木村
Takayuki Yamada
孝行 山田
Yoshito Imabayashi
良人 今林
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリプロピレンフィルム製膜時、冷却ロールへ
の滑剤の付着が少なく、製膜時のフィルム同志の摩擦係
数が高く、かつ透明性、アンチブロッキング性は良好
で、経時後の摩擦係数は低下し、ドライラミした後も摩
擦係数の小さい押出フィルム用ポリプロピレン樹脂組成
物を提供する。 【解決手段】吸油量が100〜180ml/100gで
あり、しかも、その60重量%以上がBET法比表面積
が500m2 /g以上で、平均細孔径が100Å以下で
ある少なくとも1種以上の無機系不活性物質を、結晶性
ポリプロピレン100重量部に対して、0.01〜0.
5重量部、滑剤として高級脂肪酸アミドを0.01〜
0.5重量部配合してなるポリプロピレン樹脂組成物。
また該ポリプロピレン樹脂組成物を押出成形してなるポ
リプロピレンフィルムおよび該ポリプロピレンフィルム
を、接着剤により他のフィルムとドライラミネートした
複合ポリプロピレンフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は押出フィルム用ポリ
プロピレン樹脂組成物およびそれを用いた押出ポリプロ
ピレンフィルムおよび複合ポリプロピレンフィルムに関
する。詳しくは、押出成形した時、製膜時のフィルム同
志の摩擦係数が大きく、かつ透明性、アンチブロッキン
グ性は良好で、しかも経時後の摩擦係数は小さく、他の
フィルムとドライラミネートした後の摩擦係数も小さな
フィルムを与えることのできる押出ポリプロピレン樹脂
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンの押出フィルムは外観は
もちろん、機械的性質、包装特性等のフィルム特性が優
れていることから、食品包装、繊維包装等に多く使用さ
れている。特に、包装材の最内層のシーラント層として
はポリプロピレン系フィルムを用いた複合フィルムが主
流になりつつある。
【0003】しかしながら、ポリプロピレン樹脂組成物
の押出フィルムは、フィルム同志の密着、いわゆるブロ
ッキングが起こりやすい。その改良方法としては、アン
チブロッキング剤としてBET法比表面積200m2
g以下、嵩比重0.2以上のゼオライト、シリカ等の無
機粒子(特開昭56−4642号公報)、面積率が90
以上100%以下であり、かつ細孔容積が0.1ml/
g以上、3.0ml/g以下である不活性粒子(特開昭
63−105040号公報)、また粒子表面のOH基量
が200μmol/g以下であるゼオライト、シリカ等
の無機粒子(特開平4−22044号公報)が提案され
ており、一定の成果をあげている。
【0004】さらに、平均一次粒径が100〜270n
m、見掛け比重0.24〜0.55g/cm3 、BET
法比表面積200〜500m2 /g、吸油量50〜12
0ml/100g、アグロメレート化度10〜50であ
るほぼ球状の非晶質シリカ(特開平4−288353号
公報)を用いることでハンドリング性、加工性、透明
性、アンチブロッキング性、耐擦傷性を改良することも
提案されている。
【0005】また、押出フィルムを包装材として使用す
る場合、高級脂肪酸アミド等の滑剤が一般的に添加さ
れ、巻き取られたフィルムのコーティング、印刷、製
袋、包装などの作業をする際のフィルムのハンドリング
性が改善することが行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の様な特定の形状
の無機粒子や不活性粒子を使用した場合、十分な透明性
やアンチブロッキング性を得られるが、しかしながら、
経時後のフィルム同志の摩擦係数を小さくするため、必
要な添加量まで滑剤を添加すると、特に高速製膜時、滑
剤が冷却ロールに付着し、その滑剤が蓄積してフィルム
表面に転写する問題が生じる。そこで冷却ロールへの滑
剤の付着を改良しようとして、滑剤の添加量を少なくす
ると、製膜した後の経時後の摩擦係数が大きくなり、他
のフィルムとドライラミした後の摩擦係数も大きいとい
う問題があった。
【0007】本発明は、従来のかかる欠点を解消し、フ
ィルム製膜時、冷却ロールへの滑剤の付着が少なく、つ
まり、フィルム表面への滑剤のブリードが少ないため、
製膜時のフィルム同志の摩擦係数が高く、かつ透明性、
アンチブロッキング性は良好で、経時後の摩擦係数は低
下し、ドライラミした後も摩擦係数の小さな押出フィル
ム用ポリプロピレン樹脂組成物およびそれを用いた押出
ポリプロピレンフィルム、複合ポリプロピレンフィルム
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決してフィルム表面への滑剤のブリードが少ないた
め、製膜時のフィルム同志の摩擦係数が大きく、かつ透
明性、アンチブロッキング性は良好で、経時後の摩擦係
数は小さく、ドライラミネートした後も摩擦係数の小さ
な未延伸フィルム用ポリプロピレン樹脂組成物を開発す
べく鋭意検討し本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、吸油量が100〜1
80ml/100gであり、しかも、その60重量%以
上がBET法比表面積が500m2 /g以上で、平均細
孔径が100Å以下である無機系不活性物質を結晶性ポ
リプロピレン100重量部に対して、0.01〜0.5
重量部、滑剤として高級脂肪酸アミド0.01〜0.5
重量部配合してなるポリプロピレン樹脂組成物である。
また、本発明は、上記ポリプロピレン樹脂組成物を押出
成形してなる製膜時のフィルム同志の摩擦係数が1.4
以上で、35℃×5日経時後の摩擦係数が0.4以下で
あるポリプロピレンフィルムであり、しかも、このポリ
プロピレンフィルムを接着剤により他のフィルムとドラ
イラミネート後、一日経時後の摩擦係数が0.6以下で
ある複合ポリプロピレンフィルムである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において結晶性ポリプロピ
レンとしては、結晶性のポリプロピレンであるかぎり特
に制限はないが、アイソタクティックポリプロピレンで
はC13−NMRで測定したアイソタクティックペンタッ
ド分率が0.90以上の高立体規則性のものが好まし
く、またシンジオタクティックポリプロピレンではC13
−NMRで測定したシンジオタクティックペンタッド分
率が0.70以上の高立体規則性のものが好ましく利用
される。
【0011】また、アイソタクティックポリプロピレン
とシンジオタクティックポリプロピレンの混合物であっ
てもよい。その場合、好ましい結晶性ポリプロピレンと
しては、シンジオタクティックポリプロピレンまたはシ
ンジオタクティックポリプロピレンの共重合体、あるい
は、それらのポリマー100重量部に対して0〜200
重量部のアイソタクティックポリプロピレンまたはアイ
ソタクティックポリプロピレンの共重合体を混合したも
のが例示される。また、エチレンまたは炭素数4以上の
α−オレフィンとの共重合体も利用でき、アイソタクテ
ィックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロ
ピレンともに共重合体中の他のオレフィンとしてのエチ
レンまたは炭素数4以上のα−オレフィンの含量として
は6重量%以下のものが好ましく利用される。
【0012】これら結晶性ポリプロピレンの分子量とし
ては230℃で測定したメルトフローインデックスが
0.1〜100g/10min、好ましくは0.5〜5
0g/10minを利用すると押出フィルムの物性の点
で好ましい。
【0013】本発明における無機系不活性物質とは、吸
油量が100〜180ml/100gであり、しかも、
その60重量%以上がBET法比表面積が500m2
g以上で、平均細孔径が100Å以下であるものであ
る。
【0014】ここで無機系不活性物質とは、本発明の結
晶性ポリプロピレン中で不活性であり、それと反応しな
い無機系の物質であれば特に限定しないが、好ましく
は、シリカ、ゼオライトが一般的に使用できる。この無
機系のシリカ、ゼオライトは、市場で入手でき、上述の
特性を有するものであればそのまま利用できる。
【0015】本発明において使用する無機系不活性物質
としては、BET法比表面積が500m2 /g以上で、
平均細孔径が100Å以下である粒子を全無機系不活性
物質中60重量%以上含むことが必要で、これらの条件
の一つでも欠けると製膜後のアンチブロッキング性が悪
化し、作業性が不良となる。
【0016】本発明において使用する無機不活性物質
は、重量平均による吸油量が、100〜180ml/1
00gであることが必要であり、吸油量が110〜17
0ml/100gであることがより好ましい。無機不活
性物質の吸油量が、100ml/100gより低下する
と、製膜時、滑剤が不活性物質に吸着されずにフィルム
表面にブリードし易くなり、マサツ係数が小さくなる。
また、吸油量が、180ml/100gを越えると、製
膜時の摩擦係数は大きく、製膜時フィルム表面にブリー
ドする滑剤量は低減するが、経時後の摩擦係数も大き
く、特にドライラミネート後の摩擦係数が大きい。
【0017】また、本発明における無機系不活性物質の
好ましい平均粒径は0.1〜5.0μmであり、0.5
〜4.0μmがさらに好ましい。この平均粒径が0.1
μm未満のものでは、アンチブロッキング性が不十分で
あり、5.0μm超過のものでは、滑り性、アンチブロ
ッキング性が特に改良されるわけでもなく、透明性が失
われ好ましくない。
【0018】また、本発明における無機系不活性物質の
形状については、特に限定しないが、一般的には不定形
なものでも球形のものでも利用できる。
【0019】本発明における無機系不活性物質の添加量
については、結晶性ポリプロピレン100重量部に対し
て0.05〜0.5重量部であり、好ましくは0.10
〜0.4重量部である。添加量が0.5重量部を越えて
添加してもアンチブロッキング性が特に向上するわけで
もなく、むしろ透明性が悪化する。また0.05重量部
未満では、透明性は良好であるが、アンチブロッキング
性が悪化する。
【0020】また、本発明においてフィルムの摩擦係数
の改良のための滑剤としては市場において入手できるも
のであればよく、例えば、エルカ酸アミド、オレイン酸
アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド等の高
級脂肪酸を主成分とするものが好ましく用いられる。滑
剤の添加量は、結晶性ポリプロピレン100重量部に対
して0.01〜0.5重量部であるのが好ましい。添加
量が0.5重量部を越えて添加しても摩擦係数がが特に
低下するわけでもなく、むしろ経時後の透明性が悪化す
る。また0.01重量部未満では、経時後の透明性は良
好であるが、フィルムの摩擦係数が上昇する。
【0021】本発明の特徴は、特定の特性を有する無機
系不活性物質をアンチブロッキング剤(以下、AB剤と
略記する。)として特定量用いることにある。そうして
得られる組成物は、製膜時の摩擦係数が大きく、製膜時
に滑剤のフィルム表面へのブリードが少なく、製膜時の
冷却ロールへの滑剤の付着が低減され、得られた押出フ
ィルムは、透明性、アンチブロッキング性のバランスが
良好で、製膜後35℃×5日経時後の摩擦係数が0.4
以下で、他のフィルムとドライラミネートした後、一日
経時後の摩擦係数の値が0.6以下であるという特徴を
有する。
【0022】本発明において上記組成物を得る方法とし
て、公知の任意の方法で均一分散させて得ることができ
る。例えば、押出溶融ブレンド法、バンバリーブレンド
法などである。また、マスターバッチとして添加しても
かまわない。また、本発明の組成物には、さらに一般的
に用いられているアンチブロッキング剤、スリップ剤、
安定剤、造核剤などの添加剤は、必要に応じて適宜添加
することができる。
【0023】本発明の押出ポリプロピレンは、上記組成
物をTダイ法、またはインフレーション法等の公知の方
法によって製膜することによって得られる未延伸フィル
ムであり、成形方法は特に限定しない。また、フィルム
の厚みも特に限定はしないが、5〜200μmが好まし
く、さらに好ましくは15〜100μmである。
【0024】本発明のポリプロピレンフィルムは、その
他のフィルム、例えばポリプロピレン二軸延伸フィル
ム、未延伸ナイロンフィルム、延伸ナイロンフィルム、
延伸ポリテレフタール酸エチルフィルム、アルミ箔、紙
類等とドライラミネート、または押出ラミネート等の公
知の方法によって形成された複合フィルム、またはTダ
イ法或いはインフレーション法等による共押出複合フィ
ルムにして使用が可能であり、押出フィルム層の厚みは
特に限定しないが、5〜200μmが好ましく、更に好
ましくは15〜100μmである。
【0025】本発明のポリプロピレン組成物を用いて押
出成形して得られたフィルムは製膜時の冷却ロールへの
滑剤の付着が少なく、透明性、アンチブロッキング性が
良好で、製膜後35℃×5日経時の摩擦係数が0.4以
下であるなど優れた特徴を有する。また、他のフィルム
とのドライラミネートした後、一日経時後の摩擦係数も
0.6以下である優れた複合ポリプロピレンフィルムと
なる。しかもこれらのフィルムを、製膜する際、あるい
は製膜した後、さらにはドライラミネートした後のフィ
ルムのハンドリング性が良好で、生産性に優れる。
【0026】また、本発明のポリプロピレンフィルムに
通常工業的に採用されている方法によってコロナ放電処
理、或いは火炎処理等の表面処理を施すこともできる。
【0027】
【実施例】本発明をさらに詳細に説明するため、以下に
実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、実施例において各測定項目は次の方法に基
づいて測定した。 (1)吸油量:顔料試験方法のJIS−K5101に準
拠した。 (2)平均細孔径:BET法比表面積測定より、Cra
nston−Inkley法により細孔分布を求めて平
均細孔径を計算した。 (3)メルトフローインデックス:ASTM−D123
8に準拠した。 (4)ヘイズ:ASTM−D1003に準拠した。 (5)摩擦係数(tanθ):東洋精機(株)製の摩擦
測定機を用い、下記条件で測定し、ブロック荷重の滑り
はじめる角度(θ)を読み取り、tanθで表示する。
(測定条件;傾斜スピード:2.7度/sec、ブロッ
ク面積:6.3cm×6.3cm、ブロック荷重:20
0g) (6)アンチブロッキング性:所定の大きさに切り取っ
たフィルムを2枚重ね合わせ、加重を20g/cm2
け、50℃の恒温室に放置した後、恒温室から取り出
し、フィルムの密着面積比率を目視で求めた。
【0028】(参考例) 〔触媒の調整〕直径12mmの鋼球9kgの入った内容
積4リットルの粉砕用ポットを4個装備した振動ミルを
用意する。各ポットに窒素雰囲気中で塩化マグネシウム
300g、フタル酸ジイソブチル115ml、四塩化チ
タン60mlを加え40時間粉砕した。上記共粉砕物5
gを200mlのフラスコに入れトルエン100mlを
加え114℃で30分間攪拌処理し、次いで静置して上
澄液を除去した。次いでn−ヘプタン100mlを用い
20℃で3回、固形分を洗浄しさらに100mlのn−
ヘプタンに分散して遷移金属触媒スラリーとした。得ら
れた遷移金属触媒成分はチタンを1.8wt%含有し、
フタル酸ジイソブチルを18wt%含有していた。
【0029】〔プロピレン・エチレン共重合体の製造〕
内容積100リットルの充分に乾燥し窒素で置換し、さ
らにプロピレンで置換したジャケット付きオートクレー
ブにプロピレン25kgを装入して重合の準備とした。
一方、1リットルのフラスコにn−ヘプタン500m
l、トリエチルアルミニウム1.5ml、シクロヘキシ
ルメチルジメトキシシラン2.2mlと上記触媒調整で
得られた遷移金属触媒成分を固形分として0.30gを
混合して、準備した前記内容積100リットルのオート
クレーブに圧入した。次いで、水素及びエチレンを所定
量装入した後ジャケットに温水を通じて内温が70℃で
各々の気相濃度が、水素3.0モル%、エチレン3.0
モル%に保てるように水素、エチレンを装入しながらプ
ロピレンを5kg/hで連続装入して重合し、3時間経
過後ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル
6.0mlを圧入して、さらに60℃で30分間攪拌し
て重合を終了した。
【0030】〔後処理〕得られた共重合体スラリーを、
細長い部分の内径が15cm、上部の太い部分の内径が
30cm、細長い部分の長さが5m、上部の太い部分の
長さが1mの向流洗浄塔の上部に50kg/hで導入
し、下部よりはプロピレン洗浄液を100kg/hの割
合で導入し、向流洗浄塔上方より110kg/hの洗浄
液、下方より洗浄された共重合体スラリーを40kg/
hで取り出す。取り出された共重合体スラリーは、内径
20cm、長さ60mの外側管内に1kg/cm2 ゲー
ジのスチームを通じて加熱できる2重管を経て大気圧に
保たれたサイクロンに放出し、得られたパウダーはさら
に、50℃、60mmHgで10時間乾燥して13.3
kgの結晶性ポリプロピレン(アイソタクティックプロ
ピレン−エチレン共重合体)が得られた。このようにし
て得られた結晶性ポリプロピレン中のエチレン含量は
4.2wt%、230℃で測定したメルトフローインデ
ックス(以下、MFIと記す。)は8.3g/10mi
nであった。
【0031】実施例1 参考例で得たアイソタクティックプロピレン−エチレン
共重合体100重量部にリン系酸化防止剤0.11重量
部、フェノール系酸化防止剤0.08重量部、AB剤
として平均粒径2.7μmの不定形シリカ(富士シリシ
ア化学(株)社製サイリシア550、BET法比表面積
500m2 /g、吸油量160ml/100g、平均細
孔径70Å)0.20重量部、滑剤としてエルカ酸アミ
ド0.08重量部を20リットルヘンシェルで2分間混
合し、65mmφ押出機で造粒した。このペレットを4
0mmφTダイにて樹脂温度250℃で溶融押し出しを
行い、厚み30μmの未延伸フィルムを得た。その評価
結果を表1に示す。さらに、上記のペレットを40mm
φTダイで樹脂温度240℃で溶融押出しを行い、厚み
60μmの未延伸フィルムを得た。得られたフィルムに
コロナ処理を行って5日後ポリウレタン系の接着剤LX
−901(大日本インキ(株))3g/m2塗布してド
ライラミネート法で貼り合わせることにより複合フィル
ムとした。その評価結果を表1に示す。
【0032】実施例2 AB剤として平均粒径3.0μmの不定形シリカ(富
士シリシア化学(株)社製サイリシア730、BET法
比表面積700m2 /g、吸油量95ml/100g、
平均細孔径25Å)0.20重量部、AB剤として平
均粒径3.5μmの不定形シリカ(富士シリシア化学
(株)社製サイリシア440、BET法比表面積300
2 /g、吸油量210ml/100g、平均細孔径1
70Å)0.05重量部とした以外は実施例1と同様に
した。その評価結果を表1に示す。
【0033】実施例3 AB剤の添加量を0.10重量部とした以外は実施例
2と同様にした。その評価結果を表1に示す。
【0034】比較例1 実施例2で用いたAB剤0.20重量部のみを用いた
以外は実施例1と同様にした。その評価結果を表1に示
す。この場合、製膜時の摩擦係数が上昇した。
【0035】比較例2 実施例2で用いたAB剤0.20重量部のみを用いた
以外は実施例1と同様にした。その評価結果を表1に示
す。この場合、透明性は、非常に良好であったが、アン
チブロッキング性が不良であった。
【0036】比較例3 滑剤であるエルカ酸アミドを0.04重量部とした以外
は比較例1と同様にした。その評価結果を表1に示す。
この場合、製膜時摩擦係数値は実施例1と同様ではある
が、製膜後の経時摩擦係数およびドライラミ後の摩擦係
数のいずれも大きくなった。
【0037】比較例4 AB剤としての添加量を0.05重量部とした以外は
実施例3と同様にした。その評価結果を表1に示す。こ
の場合、透明性は、非常に良好であったが、アンチブロ
ッキング性が不良であった。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明における特定の吸油量、BET法
比表面積と平均細孔径を有するアンチブロッキング剤お
よび滑剤を併用することにより、フィルム製膜時の冷却
ロールへの滑剤の付着が少なく、かつ、透明性、アンチ
ブロッキング性、経時後の摩擦係数が良好で、しかも他
のフィルムとドライラミネートした後の摩擦係数の小さ
なフィルムを与えることができる押出用ポリプロピレン
樹脂組成物が得られ、産業上優位である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 孝行 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 今林 良人 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸油量が100〜180ml/100gで
    あり、しかも、その60重量%以上がBET法比表面積
    が500m2 /g以上で、平均細孔径が100Å以下で
    ある少なくとも1種以上の無機系不活性物質を、結晶性
    ポリプロピレン100重量部に対して、0.01〜0.
    5重量部、滑剤として高級脂肪酸アミドを0.01〜
    0.5重量部配合してなるポリプロピレン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の無機系不活性物質が、シリ
    カ、ゼオライト系の無機化合物粒子であるポリプロピレ
    ン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1記載のポリプロピレン樹脂組成物
    を、押出成形してなる、製膜時のフィルム同志の摩擦係
    数が1.4以上で、製膜後35℃×5日経時後の摩擦係
    数が0.4以下であるポリプロピレンフィルム。
  4. 【請求項4】請求項3記載のポリプロピレンフィルム
    を、接着剤により他のフィルムとドライラミネートした
    後の一日経時後の摩擦係数が0.6以下である複合ポリ
    プロピレンフィルム。
JP20694296A 1996-08-06 1996-08-06 ポリプロピレン樹脂組成物およびそれを用いたポリプロピレンフィルム Pending JPH1045974A (ja)

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