JPH1045892A - 成形材料用不飽和ポリエステルおよびこれを用いた成形材料 - Google Patents

成形材料用不飽和ポリエステルおよびこれを用いた成形材料

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JPH1045892A
JPH1045892A JP9107852A JP10785297A JPH1045892A JP H1045892 A JPH1045892 A JP H1045892A JP 9107852 A JP9107852 A JP 9107852A JP 10785297 A JP10785297 A JP 10785297A JP H1045892 A JPH1045892 A JP H1045892A
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武宏 森
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俊男 林谷
Kenji Matsukawa
賢治 松川
Mitsuzo Tanaka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば低収縮化剤と着色剤とが添加されてい
る場合においても成形性に優れ、かつ、外観が美麗な成
形品を得ることができる成形材料、および、該成形材料
に好適な不飽和ポリエステルを、比較的安価に提供す
る。 【解決手段】 不飽和ポリエステルは、全多塩基酸成分
と、アルコール成分と、ノルボルネン骨格を有する化合
物とを用いてなる。該化合物は、例えば、不飽和ポリエ
ステルとなるべき全多塩基酸成分中の多塩基酸をA
i (但し、i=1,2,…,n、かつ、nは自然数)、
該全多塩基酸成分中に占めるAi で示される多塩基酸の
モル分率をmi 、Ai で示される多塩基酸1分子が有す
るカルボキシル基の個数をNi (但し、Ni は2以上の
整数であり、酸無水物は有水化して数える)、上記化合
物のモル数をXとするとき、該全多塩基酸成分中のカル
ボキシル基1モルに対する該化合物のモル数Xが、不等
式(1) 【数5】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノルボルネン骨格
を有する化合物を用いてなる成形材料用不飽和ポリエス
テル、および、該成形材料用不飽和ポリエステルを用い
た成形材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、不飽和ポリエステルを用いた
成形材料としては、シートモールディングコンパウンド
(SMC)が知られている。しかしながら、該SMC
は、加熱圧縮成形時に、硬化による収縮を引き起こし
て、得られる成形品に割れや変形を生じる。そこで、一
般に、SMCには、熱可塑性重合体からなる低収縮化剤
が添加されており、この熱可塑性重合体の加熱時の膨張
によって、上記の収縮を低減することにより、成形欠陥
を抑制している。
【0003】ところが、不飽和ポリエステルと低収縮化
剤とは、相分離を引き起こすので、SMCに着色剤が添
加されている場合には、上記の低収縮化剤を用いると、
得られる成形品の着色が不均一となり、色ムラを生じ
る。このため、成形品の外観が著しく損なわれてしま
う。また、不飽和ポリエステルとの相分離を引き起こさ
ない低収縮化剤を使用した場合や、低収縮化剤の使用量
を減らした場合は、上記の収縮を低減する効果が小さい
ので、成形欠陥を充分に抑制することができない。従っ
て、成形性に優れ、かつ、例えば着色剤が添加されてい
る場合においても外観が美麗な成形品を得ることができ
るSMC、つまり、成形材料が求められている。
【0004】このような成形材料として、例えば、特開
昭63−196650号公報には、不飽和ポリエステル
に対して相溶性・非相溶性の両方の性質を備えた熱可塑
性共重合体を低収縮化剤として用いた成形材料が開示さ
れている。特開昭50−67387号公報には、不飽和
ポリエステルとの相溶性に優れた官能基を末端に導入し
た熱可塑性共重合体を低収縮化剤として用いた成形材料
が開示されている。特開昭62−64858号公報に
は、三次元化され、均一分散性の比較的高い低架橋重合
体を低収縮化剤として用いた成形材料が開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の成形材料は、比較的特殊な(いわゆる汎用ではな
い)低収縮化剤を用いる。このため、成形材料のコスト
が比較的高くなるという問題点を有している。
【0006】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、例えば低収縮化剤と着色剤
とが添加されている場合においても成形性に優れ、か
つ、外観が美麗な成形品を得ることができる成形材料、
および、該成形材料に好適な成形材料用不飽和ポリエス
テルを、比較的安価に提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記従
来の問題点を解決すべく、成形材料用不飽和ポリエステ
ル、および、該成形材料用不飽和ポリエステルを用いた
成形材料について鋭意検討した。その結果、ノルボルネ
ン骨格を有する化合物を用いてなる不飽和ポリエステル
であり、該不飽和ポリエステルとなるべき全多塩基酸成
分と該化合物とを、或る特定の不等式を満足するように
用いてなる成形材料用不飽和ポリエステルを用いた成形
材料が、例えば低収縮化剤と着色剤とが添加されている
場合においても成形性に優れ、かつ、外観が美麗な成形
品を得ることができることを見い出して、本発明を完成
させるに至った。
【0008】即ち、請求項1記載の発明の成形材料用不
飽和ポリエステルは、上記の課題を解決するために、ノ
ルボルネン骨格を有する化合物を用いてなる不飽和ポリ
エステルであって、不飽和ポリエステルとなるべき全多
塩基酸成分中の多塩基酸をAi (但し、i=1,2,
…,n、かつ、nは自然数)、該全多塩基酸成分中に占
めるAi で示される多塩基酸のモル分率をmi 、Ai
示される多塩基酸1分子が有するカルボキシル基の個数
をNi (但し、Ni は2以上の整数であり、酸無水物は
有水化して数える)、ノルボルネン骨格を有する化合物
のモル数をXとするとき、該全多塩基酸成分中のカルボ
キシル基1モルに対する該化合物のモル数Xが、不等式
(1)
【0009】
【数2】
【0010】を満足することを特徴としている。
【0011】請求項2記載の発明の成形材料用不飽和ポ
リエステルは、上記の課題を解決するために、請求項1
記載の成形材料用不飽和ポリエステルにおいて、ノルボ
ルネン骨格を有する化合物を用いてなる不飽和ポリエス
テルが、下記に示す三成分(a)〜(c);(a)該不
飽和ポリエステルとなるべき全多塩基酸成分の一部と該
化合物との付加反応物、(b)上記(a)の全多塩基酸
成分の一部と該化合物との付加反応に使用されなかっ
た、該不飽和ポリエステルとなるべき多塩基酸成分、
(c)アルコール成分、の混合物を縮合してなることを
特徴としている。
【0012】請求項3記載の発明の成形材料用不飽和ポ
リエステルは、上記の課題を解決するために、請求項1
または2記載の成形材料用不飽和ポリエステルにおい
て、不飽和ポリエステルとなるべき全多塩基酸成分およ
び/またはアルコール成分が、三官能以上の化合物を含
むことを特徴としている。
【0013】請求項4記載の発明の成形材料用不飽和ポ
リエステルは、上記の課題を解決するために、請求項
1、2または3記載の成形材料用不飽和ポリエステルに
おいて、上記化合物がジシクロペンタジエンであること
を特徴としている。
【0014】請求項5記載の発明の成形材料用不飽和ポ
リエステルは、上記の課題を解決するために、請求項1
〜4の何れか1項に記載の成形材料用不飽和ポリエステ
ルを10重量%以上含んでいることを特徴としている。
【0015】上記の構成によれば、例えば低収縮化剤と
着色剤とが添加されている場合においても成形性に優
れ、かつ、外観が美麗な成形品を得ることができる成形
材料に好適な成形材料用不飽和ポリエステルを提供する
ことができる。また、ジシクロペンタジエンは、比較的
安価な化合物であるので、該化合物がジシクロペンタジ
エンである場合には、より安価な成形材料用不飽和ポリ
エステルを提供することができる。
【0016】また、請求項6記載の発明の成形材料は、
上記の課題を解決するために、請求項1〜5の何れか1
項に記載の成形材料用不飽和ポリエステルと、低収縮化
剤とを含み、該低収縮化剤の添加量(固形分)が、該成
形材料用不飽和ポリエステル100重量部に対して、3
重量部〜100重量部の範囲内であることを特徴として
いる。
【0017】請求項7記載の発明の成形材料は、上記の
課題を解決するために、請求項6記載の成形材料におい
て、さらに増粘剤を含むことを特徴としている。
【0018】上記の構成によれば、従来の成形材料では
必要であった例えば特開昭50−67387号公報に示
される、末端にカルボキシル基を有する熱可塑性重合体
や、特開昭62−64858号公報に示される、3次元
化された低架橋ポリスチレン、特開昭63−19665
0号公報に示される、スチレンと酢酸ビニルとのブロッ
ク共重合体、等の比較的特殊な(いわゆる汎用ではな
い)低収縮化剤を用いる必要がなく、しかも、ポリスチ
レンやポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニルのよう
な汎用の低収縮化剤を多量に添加した場合、例えば、該
成形材料用不飽和ポリエステル100重量部に対するポ
リスチレンの添加量が30重量部である場合でも、該成
形材料は色ムラを生じない。これにより、例えば低収縮
化剤と着色剤とが添加されている場合においても成形性
に優れ、かつ、外観が美麗な成形品を得ることができる
成形材料を、比較的安価に提供することができる。
【0019】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
かかる成形材料用不飽和ポリエステル(以下、単に不飽
和ポリエステルと称する)は、不飽和ポリエステルとな
るべき全多塩基酸成分とアルコール成分とノルボルネン
骨格を有する化合物とを原料として製造される。
【0020】上記の全多塩基酸成分は、少なくとも一種
類の多塩基酸からなる。多塩基酸としては、具体的に
は、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸、無水イタコン酸、メサコン酸、シトラコン
酸、無水シトラコン酸等の不飽和二塩基酸;フタル酸、
無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロフ
タル酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン
酸、セバシン酸、ヘット酸等の飽和二塩基酸;トリメリ
ト酸、トリメリト酸無水物、ピロメリト酸、ピロメリト
酸二無水物等の三官能以上の多塩基酸;等が挙げられ
る。これら多塩基酸は、一種類のみを用いてもよく、ま
た、二種類以上を併用してもよい。尚、全多塩基酸成分
は、三官能以上の多塩基酸を含んでいることがより好ま
しい。また、不飽和ポリエステルの重量平均分子量(M
w)を、比較的高分子量、例えば7,000以上にする
には、全多塩基酸成分は、三官能以上の多塩基酸を含ん
でいることが好ましい。
【0021】上記のアルコール成分は、少なくとも一種
類のアルコールからなる。アルコールとしては、具体的
には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ヘキサ
ンジオール、水素化ビスフェノール等のグリコール;グ
リセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール等の三官能以上のアルコール;エチレンオキシド、
プロピレンオキシド等のエポキシド;等が挙げられる。
これらアルコールは、一種類のみを用いてもよく、ま
た、二種類以上を併用してもよい。尚、アルコール成分
は、三官能以上のアルコールを含んでいることがより好
ましい。また、不飽和ポリエステルの重量平均分子量
を、比較的高分子量、例えば7,000以上にするに
は、アルコール成分は、三官能以上のアルコールを含ん
でいることが好ましい。
【0022】ノルボルネン骨格を有する化合物(以下、
単に化合物と称する)は、比較的嵩高い(バルキーな)
化合物であり、具体的には、例えば、2−ノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン、6−ヒドロキシ−3a,
4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ
インデン(ヒドロキシル化されたジシクロペンタジエ
ン)、および、これら化合物の誘導体等が挙げられる
が、特に限定されるものではない。これら化合物は、一
種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用して
もよい。上記例示の化合物のうち、ジシクロペンタジエ
ンが、比較的安価であるので、特に好ましい。
【0023】該化合物は、上記の全多塩基酸成分との関
係が、前記不等式(1)を満足するように、その使用量
を設定する。即ち、不飽和ポリエステルとなるべき全多
塩基酸成分中の多塩基酸をAi (但し、i=1,2,
…,n、かつ、nは自然数)、該全多塩基酸成分中に占
めるAi で示される多塩基酸のモル分率をmi 、Ai
示される多塩基酸1分子が有するカルボキシル基の個数
をNi (但し、Ni は2以上の整数であり、酸無水物は
有水化して数える)、ノルボルネン骨格を有する化合物
のモル数をXとするとき、該全多塩基酸成分中のカルボ
キシル基1モルに対する該化合物のモル数Xが、前記不
等式(1)を満足するように、その使用量を設定する。
さらに好ましくは、該モル数Xが、不等式(1a)
【0024】
【数3】
【0025】を満足するように、その使用量を設定す
る。
【0026】ここで、前記不等式(1)について、不飽
和ポリエステルとなるべき全多塩基酸成分が無水マレイ
ン酸とトリメリト酸無水物とからなり、両者がモル比
3:1で用いられている場合を例に挙げて、より詳しく
説明する。無水マレイン酸を多塩基酸A1 、トリメリト
酸無水物を多塩基酸A2 とすると、モル分率m1 は0.
75、カルボキシル基の個数N1 は2、モル分率m2
0.25、カルボキシル基の個数N2 は3となる。よっ
て、前記不等式(1)は、 0.42/(2×0.75+3×0.25)≦X<〔(2×0.75
+3×0.25)−1〕/(2×0.75+3×0.25) となり、計算すると(小数点以下3桁目を四捨五入)、 0.19≦X<0.56 となる。従って、全多塩基酸成分中のカルボキシル基1
モルに対する化合物のモル数Xを、0.19モル以上、
0.56モル未満に設定すればよい。化合物として、例
えば2−ノルボルネンとジシクロペンタジエンとを用い
る場合には、両者のモル数の合計が上記の範囲内となる
ようにすればよい。具体的には、例えば、全多塩基酸成
分が無水マレイン酸3モルとトリメリト酸無水物1モル
とからなる場合には、全多塩基酸成分中のカルボキシル
基は9モルであるので、化合物の使用量は、1.71モ
ル以上、5.0モル未満に設定すればよい。
【0027】化合物のモル数Xが、前記不等式(1)で
示される範囲よりも小さい場合、つまり、化合物の使用
量が少ない場合には、該化合物を用いて不飽和ポリエス
テルを製造することにより得られる効果が乏しくなる。
従って、例えば低収縮化剤と着色剤とが添加されている
場合においても成形性に優れ、かつ、外観が美麗な成形
品を得ることができる成形材料に好適な不飽和ポリエス
テルを得ることができない。また、モル数Xが、不等式
(1)で示される範囲よりも大きい場合、つまり、化合
物の使用量が多い場合には、不飽和ポリエステルを合成
すると、低分子量の縮合体(重合体)が多量に生成す
る。このため、成形材料を作成する際に、増粘剤を多量
に用いなければならない。また、このようにして得られ
る成形材料を成形してなる成形品は、機械的強度等の物
性が低下する。さらに、成形品のガラス転移点(Tg)
が低下すると共に、線膨張係数が上昇する。このため、
加熱圧縮成形時に、硬化による収縮を引き起こして、得
られる成形品に割れや変形を生じると共に、成形品表面
の平滑性が著しく損なわれる。
【0028】本発明にかかる不飽和ポリエステルの製造
方法は、特に限定されるものではない。該不飽和ポリエ
ステルの製造方法としては、例えば特公昭62−593
1号公報に示されているように、多塩基酸と該化合物と
の付加反応によって得た、カルボキシル基とノルボルネ
ン骨格とを共に有する反応物、例えばジシクロペンタジ
エンマレートと、多塩基酸成分およびアルコール成分と
を混合して縮合反応させる方法;例えば特公昭39−1
8753号公報に示されているように、アルコール成分
と該化合物との付加反応によって得た、水酸基とノルボ
ルネン骨格とを共に有する反応物、例えばヒドロキシル
化ジシクロペンタジエンと、多塩基酸成分およびアルコ
ール成分とを混合して縮合反応させる方法;例えば特開
平1−221408号公報に示されているように、不飽
和ポリエステルとなるべき全多塩基酸成分と該化合物と
アルコール成分とを同時に仕込んで付加・縮合反応させ
る方法;或いは、不飽和ポリエステルとなるべき全多塩
基酸成分とアルコール成分とを縮合反応させ、該縮合反
応の途中または終了後に該化合物を混合して付加反応さ
せる方法;等が挙げられる。
【0029】反応温度や反応時間等の反応条件は、例え
ば、不飽和ポリエステルとなるべき全多塩基酸成分、ア
ルコール成分、および化合物の種類や組み合わせ、或い
は、所望する不飽和ポリエステルや成形材料の物性等に
応じて適宜設定すればよい。
【0030】尚、これら製造方法のなかでも、本発明に
おいては、不飽和ポリエステルとなるべき全多塩基酸成
分の全部または一部と、該化合物とを付加反応させ、得
られたカルボキシル基とノルボルネン骨格とを共に有す
る反応物を含む反応混合物と、該全多塩基酸成分の残り
の多塩基酸成分と、アルコール成分とを混合して縮合反
応させる方法がより好ましい。付加反応においては、全
多塩基酸成分の全部と該化合物とを混合して反応させて
もよく、或いは、全多塩基酸成分の一部と該化合物とを
混合して反応させてもよい。また、付加反応は、水の存
在下で行うことがより好ましく、窒素ガス等の不活性ガ
スの雰囲気下で行うことがさらに好ましい。付加反応の
進行の度合いは、反応混合物の酸価を測定することによ
って認識することができる。縮合反応においては、前記
付加反応によって得た反応混合物とアルコール成分とを
混合して反応させてもよく、或いは、前記付加反応によ
って得た反応混合物と、アルコール成分と、該全多塩基
酸成分の残りの多塩基酸成分とを混合して反応させても
よい。また、縮合反応は、窒素ガス等の不活性ガスの雰
囲気下で行うことがより好ましい。縮合反応の進行の度
合いは、縮合物の酸価および粘度を測定することによっ
て認識することができる。
【0031】また、従来の不飽和ポリエステルと上記構
成の不飽和ポリエステルとの混合物を用いて、つまり、
従来の(いわゆる着色性に劣る)不飽和ポリエステルと
上記構成の不飽和ポリエステルとを併用して、成形材料
を製造することもできる。従来の不飽和ポリエステルと
上記構成の不飽和ポリエステルとを併用する場合におい
て、両者の混合物(つまり、成形材料用不飽和ポリエス
テル)中における不飽和ポリエステルの割合は、10重
量%以上であることが好ましく、30重量%以上である
ことがさらに好ましい。これにより、例えば低収縮化剤
と着色剤とが添加されている場合においても成形性に優
れ、かつ、外観が美麗な成形品を得ることができる成形
材料を提供することができる。
【0032】本発明において使用し得る低収縮化剤とし
ては、具体的には、例えば、ポリスチレン、ポリメタク
リル酸メチル、ポリエチレン、ポリプロピレン、飽和ポ
リエステル、ポリアミド、ポリウレタン等の熱可塑性重
合体や熱可塑性共重合体;三次元化された低架橋重合
体;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
これら低収縮化剤は、一種類のみを用いてもよく、ま
た、二種類以上を併用してもよい。
【0033】上記低収縮化剤の添加量(固形分)は、上
記構成の不飽和ポリエステル100重量部に対して、3
重量部〜100重量部の範囲内が好ましい。さらに、低
収縮化剤の添加量は、該低収縮化剤の重量平均分子量が
50,000未満である場合には、10重量部〜100
重量部の範囲内がより好ましく、重量平均分子量が5
0,000以上である場合には、3重量部〜60重量部
の範囲内がより好ましい。低収縮化剤の添加量が上記範
囲よりも少ない場合には、得られる成形材料は、加熱圧
縮成形時における硬化による収縮が大きくなる。このた
め、得られる成形品に割れや反り等の変形を生じると共
に、成形品表面の平滑性が損なわれる。低収縮化剤の添
加量が上記範囲よりも多い場合には、得られる成形材料
は、加熱圧縮成形時に低収縮化剤の凝集を起こしつつ硬
化する。このため、得られる成形品の光沢が損なわれ
る。
【0034】上記の増粘剤は、多塩基酸および/または
アルコールと反応し得る化合物であればよく、具体的に
は、例えば、多官能イソシアネート;酸化マグネシウ
ム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等の多価金属酸化物;水
酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニ
ウム等の多価金属水酸化物;等が挙げられる。これら増
粘剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上
を併用してもよい。そして、上記例示の増粘剤のうち、
多価金属酸化物および多価金属水酸化物がより好まし
く、アルカリ土類金属酸化物およびアルカリ土類金属水
酸化物がさらに好ましく、酸化マグネシウムおよび水酸
化カルシウムが最も好ましい。増粘剤の使用量は、特に
限定されるものではなく、不飽和ポリエステルの重量平
均分子量や粘度等に応じて適宜設定すればよい。尚、増
粘剤を用いて上記化学増粘を行う代わりに、常温で結晶
性を有する重合体等を用いて物理増粘を行うこともでき
る。また、化学増粘と物理増粘とを併用することもでき
る。
【0035】不飽和ポリエステルは、重量平均分子量が
7,000以上であれば、多価金属酸化物および/また
は多価金属水酸化物を用いて、良好な増粘を行うことが
できる。従って、増粘時において、不飽和ポリエステル
と充填剤とが分離することはない。また、良好な増粘を
行うことができるので、成形材料を梱包する際に用いる
離型フィルムの剥離性が良好となる。従って、成形作業
時の取り扱い性が良好となる。さらに、多価金属酸化物
および/または多価金属水酸化物を用いて増粘を行うの
で、得られる成形材料の流動性が良好となり、成形性に
優れる。従って、成形欠陥や充填不良を生じることはな
い。
【0036】さらに、成形材料は、必要に応じて、重合
可能なエチレン結合を有する単量体、補強材、副資材
(添加剤)等を含んでいてもよい。上記の副資材として
は、具体的には、例えば、硬化剤、充填剤、着色剤、重
合禁止剤、離型剤、減粘剤、重合調整剤、粘度調整剤等
が挙げられる。本発明にかかる成形材料は、例えば、シ
ートモールディングコンパウンド(SMC)や、バルク
モールディングコンパウンド(BMC)として好適であ
る。
【0037】本発明において使用し得る重合可能なエチ
レン結合を有する単量体としては、具体的には、例え
ば、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、スチレン、ビニルトルエ
ン、ジアリルフタレート等が挙げられるが、特に限定さ
れるものではない。これら単量体は、一種類のみを用い
てもよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記例
示の単量体のうち、スチレンが特に好ましい。単量体の
添加量は、特に限定されるものではないが、不飽和ポリ
エステル100重量部に対して、50重量部〜200重
量部の範囲内がより好ましい。
【0038】本発明において使用し得る補強材として
は、具体的には、例えば、ガラス繊維等が挙げられる
が、特に限定されるものではない。また、補強材の添加
量は、特に限定されるものではない。例えば、ガラス繊
維は、成形材料の成形条件、或いは成形品の用途等に応
じて、その添加量や、繊維長、繊維径、収束本数等を適
宜設定すればよい。例えばガラス繊維の添加量は、10
重量%〜35重量%の範囲内がより好ましい。
【0039】上記の硬化剤としては、具体的には、例え
ば、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパ
ーオキシ・イソプロピルカーボネート(t-Butyl Isopro
pylPeroxy Carbonate、以下、t−BIPCと記す)等
の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル等のアゾ化合物;等のラジカル重合開始剤が挙げられ
るが、特に限定されるものではない。これら硬化剤は、
一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用し
てもよい。硬化剤の添加量は、特に限定されるものでは
なく、不飽和ポリエステルや単量体の種類等に応じて適
宜設定すればよい。
【0040】上記の充填剤としては、具体的には、例え
ば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、タ
ルク、シリカ等が挙げられるが、特に限定されるもので
はない。これら充填剤は、一種類のみを用いてもよく、
また、二種類以上を併用してもよい。充填剤の添加量
は、特に限定されるものではなく、成形材料の成形条
件、或いは成形品の用途等に応じて適宜設定すればよい
が、不飽和ポリエステル100重量部に対して、50重
量部〜300重量部の範囲内がより好ましい。尚、充填
剤を適宜選択することにより、成形品にいわゆる透明感
を付与することもできる。
【0041】上記の着色剤は、特に限定されるものでは
なく、従来より不飽和ポリエステルに使用されている種
々の着色剤を用いることができる。着色剤の添加量は、
特に限定されるものではなく、成形品の用途等に応じて
適宜設定すればよい。
【0042】上記の重合禁止剤としては、具体的には、
例えば、1,4−ベンゾキノン(p−キノン)、ヒドロ
キノン、t−ブチルヒドロキノン、t−ブチルカテコー
ル等が挙げられるが、特に限定されるものではない。こ
れら重合禁止剤は、一種類のみを用いてもよく、また、
二種類以上を併用してもよい。重合禁止剤の添加量は、
特に限定されるものではない。
【0043】上記の離型剤としては、具体的には、例え
ば、ステアリン酸、ラウリル酸等の脂肪酸、およびこれ
らの金属塩等が挙げられるが、特に限定されるものでは
ない。これら離型剤は、一種類のみを用いてもよく、ま
た、二種類以上を併用してもよい。離型剤の添加量は、
特に限定されるものではなく、離型剤の種類や成形材料
の成形条件等に応じて適宜設定すればよい。
【0044】上記の減粘剤、重合調整剤、および粘度調
整剤は、特に限定されるものではなく、従来より不飽和
ポリエステルに使用されている種々の減粘剤、重合調整
剤、および粘度調整剤を用いることができる。
【0045】本発明にかかる成形材料の製造方法は、成
形材料がSMCである場合には、不飽和ポリエステルに
低収縮化剤と増粘剤と単量体と副資材とを混合した後、
補強材に含浸させる方法が好ましい。また、成形材料が
BMCである場合には、不飽和ポリエステルに低収縮化
剤と単量体と増粘剤と補強材と副資材とを添加する方法
が好ましい。
【0046】上記の構成によれば、従来の成形材料では
必要であった例えば特開昭50−67387号公報や特
開昭62−64858号公報、特開昭63−19665
0号公報に示される比較的特殊な(いわゆる汎用ではな
い)低収縮化剤を用いる必要がなく、しかも、汎用の低
収縮化剤と着色剤とが添加されている場合においても、
成形性に優れ、かつ、得られる成形品の着色が均一とな
り、色ムラが生じない。これにより、例えば低収縮化剤
と着色剤とが添加されている場合においても成形性に優
れ、かつ、外観が美麗な成形品を得ることができる成形
材料を、比較的安価に提供することができる。
【0047】成形材料を成形してなる成形品は、耐水
性、耐熱水性に優れているので、浴槽や洗面台等の水廻
り用物品に好適に用いられる。尚、成形材料の成形方法
や成形条件は、特に限定されるものではない。
【0048】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら
限定されるものではない。尚、実施例および比較例に記
載の「部」は、「重量部」を示しており、「%」は、
「重量%」を示している。
【0049】〔実施例1〕温度計、窒素ガス導入管、還
流冷却器、および撹拌機を備えたフラスコを反応器とし
た。この反応器に、無水マレイン酸2.2モル、ジシク
ロペンタジエン2.0モル、および、水2.0モルを仕
込んだ。
【0050】次に、上記の内容物を窒素ガス雰囲気下で
撹拌しながら、100℃〜125℃の温度範囲で反応
(付加反応)させると共に、反応物の酸価を所定の方法
によって随時測定した。そして、該酸価が260mgK
OH/g〜265mgKOH/gとなった時点で、上記
の反応物に、無水マレイン酸1.8モルと、プロピレン
グリコール3.0モルおよびトリメチロールプロパン
0.05モルとを混合した。その後、該混合物を窒素ガ
ス雰囲気下で撹拌しながら、200℃で7時間反応(縮
合反応)させた。
【0051】これにより、本発明にかかる不飽和ポリエ
ステルを得た。この不飽和ポリエステルの酸価は26.
0mgKOH/gであり、重量平均分子量は11,27
8であった。尚、本実施例において、無水マレイン酸中
のカルボキシル基1モルに対するジシクロペンタジエン
のモル数Xの好ましい範囲は、0.21モル以上、0.
5モル未満であり、上記の反応条件において設定された
該モル数Xは、0.25モルである。
【0052】次いで、上記の不飽和ポリエステルに、単
量体としてのスチレンを所定量加えた後、重合禁止剤と
してのヒドロキノンを100ppmとなるように添加
し、均一に混合した。これにより、固形分(不飽和ポリ
エステル)が70%、スチレンが30%の樹脂組成物
(UP−1)を調製した。上記の主な反応条件や結果等
を、表1にまとめた。
【0053】次に、この樹脂組成物(UP−1)75.
00部に、増粘剤としての酸化マグネシウム1.10
部、硬化剤としてのt−BIPC1.33部、充填剤と
しての炭酸カルシウム150.00部、低収縮化剤とし
てのポリスチレン溶液(1)25.00部、着色剤7.
00部、重合禁止剤としての1,4−ベンゾキノン0.
02部、および、離型剤としてのステアリン酸亜鉛5.
00部を加えて混合した。上記のポリスチレン溶液
(1)は、ポリスチレンを30%、スチレンを70%の
割合で含む混合物である。
【0054】そして、得られたコンパウンドを、繊維長
1インチのガラス繊維(補強材)に含浸させ、シート状
にすることにより、本発明にかかる成形材料としてのS
MCを製造した。該SMC中に占めるガラス繊維の割合
は23%である。
【0055】上記のSMCを、以下に示す成形条件で加
熱圧縮成形した。即ち、300mm×300mmの大き
さのキャビティを有する金型を用い、上側の金型の温度
を145℃、下側の金型の温度を135℃に加熱した。
次に、上記のキャビティに所定量のSMCを充填し、圧
力7MPaで所定時間、加熱圧縮成形した。これによ
り、300mm×300mmの大きさの平板(成形品)
を製造した。
【0056】得られた平板の着色の均一性、即ち、着色
性を、目視にて評価した。その結果、該平板は、外観が
美麗であり、色ムラは認められなかった。また、平板の
変形(反り、割れ)の有無と光沢とを、目視にて評価し
た。その結果、該平板に変形は認められず、光沢は良好
であった。さらに、平板を98℃の熱水に300時間浸
漬(煮沸)することにより、耐熱水性を評価した。その
結果、浸漬後の平板の表面に、変化は認められなかっ
た。
【0057】上記の主な製造条件や結果等を、表2にま
とめた。尚、表2において、着色性については、平板の
外観が美麗で、色ムラが認められない場合を「○」、一
部に色ムラが認められる場合を「△」、全体に色ムラが
認められる場合を「×」で表した。変形については、反
りが実質的に認められない場合を「○」、多少の反りが
認められる場合を「△」、著しい反りが認められる場
合、或いは割れが生じている場合を「×」で表した。光
沢については、良好である場合を「○」、光沢が多少損
なわれている場合を「△」、光沢が殆ど無い場合を
「×」で表した。耐熱水性については、平板の表面に変
化が認められない場合を「○」、表面の光沢が減少し、
いわゆるフクレが若干認められる場合を「△」、フクレ
や亀裂が多数認められる場合を「×」で表した。
【0058】〔実施例2〕実施例1の反応器と同様の反
応器に、無水マレイン酸2.5モル、ジシクロペンタジ
エン2.0モル、および、水2.0モルを仕込んだ。次
に、上記の内容物を窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら、
100℃〜125℃の温度範囲で反応させると共に、反
応物の酸価を所定の方法によって随時測定した。そし
て、該酸価が305mgKOH/g〜310mgKOH
/gとなった時点で、上記の反応物に、プロピレングリ
コール0.61モルと、トリメチロールプロパン0.6
モルとを混合した。その後、該混合物を窒素ガス雰囲気
下で撹拌しながら、200℃で7.8時間反応させた。
【0059】これにより、本発明にかかる不飽和ポリエ
ステルを得た。この不飽和ポリエステルの酸価は25.
3mgKOH/gであり、重量平均分子量は7,243
であった。尚、本実施例において、無水マレイン酸中の
カルボキシル基1モルに対するジシクロペンタジエンの
モル数Xの好ましい範囲は、0.21モル以上、0.5
モル未満であり、上記の反応条件において設定された該
モル数Xは、0.40モルである。
【0060】次いで、上記の不飽和ポリエステルに、ス
チレンを所定量加えた後、ヒドロキノンを100ppm
となるように添加し、均一に混合した。これにより、固
形分が70%、スチレンが30%の樹脂組成物(UP−
2)を調製した。上記の主な反応条件や結果等を、表1
にまとめた。
【0061】次に、この樹脂組成物(UP−2)75.
00部に、酸化マグネシウム1.50部、t−BIPC
1.33部、炭酸カルシウム150.00部、ポリスチ
レン溶液(1)25.00部、着色剤7.00部、1,
4−ベンゾキノン0.02部、および、ステアリン酸亜
鉛5.00部を加えて混合した。そして、得られたコン
パウンドを、繊維長1インチのガラス繊維に含浸させ、
シート状にすることにより、SMC(成形材料)を製造
した。該SMC中に占めるガラス繊維の割合は23%で
ある。
【0062】上記のSMCを、実施例1の成形条件と同
一の成形条件で加熱圧縮成形することにより、平板(成
形品)を製造した。得られた平板の着色性、変形、光
沢、並びに、耐熱水性を、実施例1と同様にして評価し
た。その結果、該平板は、外観が美麗であり、色ムラは
認められなかった。また、該平板に変形は認められず、
光沢は良好であった。さらに、浸漬後の平板の表面に、
変化は認められなかった。上記の主な製造条件や結果等
を、表2にまとめた。
【0063】〔実施例3〕実施例1の反応器と同様の反
応器に、無水マレイン酸2.2モル、ジシクロペンタジ
エン2.0モル、および、水2.0モルを仕込んだ。次
に、上記の内容物を窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら、
100℃〜125℃の温度範囲で反応させると共に、反
応物の酸価を所定の方法によって随時測定した。そし
て、該酸価が260mgKOH/g〜265mgKOH
/gとなった時点で、上記の反応物に、無水マレイン酸
2.54モルと、プロピレングリコール3.64モル
と、トリメチロールプロパン0.08モルとを混合し
た。その後、該混合物を窒素ガス雰囲気下で撹拌しなが
ら、200℃で11時間反応させた。
【0064】これにより、本発明にかかる不飽和ポリエ
ステルを得た。この不飽和ポリエステルの酸価は24.
9mgKOH/gであり、重量平均分子量は14,65
0であった。尚、本実施例において、無水マレイン酸中
のカルボキシル基1モルに対するジシクロペンタジエン
のモル数Xの好ましい範囲は、0.21モル以上、0.
5モル未満であり、上記の反応条件において設定された
該モル数Xは、0.21モルである。
【0065】次いで、上記の不飽和ポリエステルに、ス
チレンを所定量加えた後、ヒドロキノンを100ppm
となるように添加し、均一に混合した。これにより、固
形分が70%、スチレンが30%の樹脂組成物(UP−
3)を調製した。上記の主な反応条件や結果等を、表1
にまとめた。
【0066】次に、この樹脂組成物(UP−3)75.
00部に、酸化マグネシウム1.00部、t−BIPC
1.33部、炭酸カルシウム150.00部、ポリスチ
レン溶液(1)25.00部、着色剤7.00部、1,
4−ベンゾキノン0.02部、および、ステアリン酸亜
鉛5.00部を加えて混合した。そして、得られたコン
パウンドを、繊維長1インチのガラス繊維に含浸させ、
シート状にすることにより、SMC(成形材料)を製造
した。該SMC中に占めるガラス繊維の割合は23%で
ある。
【0067】上記のSMCを、実施例1の成形条件と同
一の成形条件で加熱圧縮成形することにより、平板(成
形品)を製造した。得られた平板の着色性、変形、光
沢、並びに、耐熱水性を、実施例1と同様にして評価し
た。その結果、該平板は、外観が美麗であり、色ムラは
認められなかった。また、該平板に変形は認められず、
光沢は良好であった。さらに、浸漬後の平板の表面に、
変化は認められなかった。上記の主な製造条件や結果等
を、表2にまとめた。
【0068】〔実施例4〕実施例1の反応器と同様の反
応器に、マレイン酸1.0モル、プロピレングリコール
0.66モル、および、ネオペンチルグリコール0.4
モルを仕込んだ。次に、上記の内容物を窒素ガス雰囲気
下で撹拌しながら、180℃〜215℃の温度範囲で1
0時間、反応状態を確認しながら反応させた。
【0069】これにより、不飽和ポリエステルを得た。
この不飽和ポリエステルの酸価は25.8mgKOH/
gであり、重量平均分子量は19,704であった。
尚、上記不飽和ポリエステルの合成において、マレイン
酸中のカルボキシル基1モルに対する化合物のモル数X
の好ましい範囲は、0.21モル以上、0.5モル未満
である。しかしながら、上記の反応条件においては化合
物を使用していないので、該モル数Xは0モルであり、
好ましい範囲から外れている。
【0070】次いで、上記の不飽和ポリエステルに、ス
チレンを所定量加えた後、ヒドロキノンを100ppm
となるように添加し、均一に混合した。これにより、固
形分が62%、スチレンが38%の樹脂組成物(UP−
4)を調製した。上記の主な反応条件や結果等を、表1
にまとめた。
【0071】次に、この樹脂組成物(UP−4)と、実
施例2で得られた樹脂組成物(UP−2)とを、重量比
1:1で混合した。その後、混合物である該樹脂組成物
75.00部に、酸化マグネシウム1.00部、t−B
IPC1.33部、炭酸カルシウム150.00部、ポ
リスチレン溶液(1)25.00部、着色剤7.00
部、1,4−ベンゾキノン0.02部、および、ステア
リン酸亜鉛5.00部を加えて混合した。そして、得ら
れたコンパウンドを、実施例1と同様にしてシート状に
することにより、SMC(成形材料)を製造した。該S
MC中に占めるガラス繊維の割合は23%である。
【0072】上記のSMCを、実施例1の成形条件と同
一の成形条件で加熱圧縮成形することにより、平板(成
形品)を製造した。得られた平板の着色性、変形、光
沢、並びに、耐熱水性を、実施例1と同様にして評価し
た。その結果、該平板は、外観が美麗であり、色ムラは
認められなかった。また、該平板に変形は認められず、
光沢は良好であった。さらに、浸漬後の平板の表面に、
変化は認められなかった。上記の主な製造条件や結果等
を、表2にまとめた。
【0073】〔実施例5〕実施例1で得られた樹脂組成
物(UP−1)55.00部に、酸化マグネシウム1.
00部、t−BIPC1.33部、炭酸カルシウム15
0.00部、ポリスチレン溶液(1)45.00部、着
色剤7.00部、1,4−ベンゾキノン0.02部、お
よび、ステアリン酸亜鉛5.00部を加えて混合した。
そして、得られたコンパウンドを、実施例1と同様にし
てシート状にすることにより、SMC(成形材料)を製
造した。該SMC中に占めるガラス繊維の割合は23%
である。
【0074】上記のSMCを、実施例1の成形条件と同
一の成形条件で加熱圧縮成形することにより、平板(成
形品)を製造した。得られた平板の着色性、変形、光
沢、並びに、耐熱水性を、実施例1と同様にして評価し
た。その結果、該平板は、外観が美麗であり、色ムラは
認められなかった。また、該平板に変形は認められず、
光沢は良好であった。さらに、浸漬後の平板の表面に、
変化は認められなかった。上記の主な製造条件や結果等
を、表2にまとめた。
【0075】〔実施例6〕実施例1で得られた樹脂組成
物(UP−1)90.00部に、酸化マグネシウム1.
00部、t−BIPC1.33部、炭酸カルシウム15
0.00部、ポリスチレン溶液(1)10.00部、着
色剤7.00部、1,4−ベンゾキノン0.02部、お
よび、ステアリン酸亜鉛5.00部を加えて混合した。
そして、得られたコンパウンドを、実施例1と同様にし
てシート状にすることにより、SMC(成形材料)を製
造した。該SMC中に占めるガラス繊維の割合は23%
である。
【0076】上記のSMCを、実施例1の成形条件と同
一の成形条件で加熱圧縮成形することにより、平板(成
形品)を製造した。得られた平板の着色性、変形、光
沢、並びに、耐熱水性を、実施例1と同様にして評価し
た。その結果、該平板は、外観が美麗であり、色ムラは
認められなかった。また、該平板に変形は認められず、
光沢は良好であった。さらに、浸漬後の平板の表面に、
変化は認められなかった。上記の主な製造条件や結果等
を、表2にまとめた。
【0077】〔比較例1〕実施例1の反応器と同様の反
応器に、無水マレイン酸5.8モル、ジシクロペンタジ
エン2.0モル、および、水2.0モルを仕込んだ。次
に、上記の内容物を窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら、
100℃〜125℃の温度範囲で反応させると共に、反
応物の酸価を所定の方法によって随時測定した。そし
て、該酸価が605mgKOH/g〜610mgKOH
/gとなった時点で、上記の反応物に、プロピレングリ
コール5.2モルを混合した。その後、該混合物を窒素
ガス雰囲気下で撹拌しながら、200℃で9時間反応さ
せた。
【0078】これにより、比較用の不飽和ポリエステル
を得た。この比較用不飽和ポリエステルの酸価は26.
5mgKOH/gであり、重量平均分子量は13,87
8であった。尚、本比較例において、無水マレイン酸中
のカルボキシル基1モルに対するジシクロペンタジエン
のモル数Xの好ましい範囲は、0.21モル以上、0.
5モル未満であり、上記の反応条件において設定された
該モル数Xは、0.17モルである。従って、設定され
た上記のモル数Xは、好ましい範囲から外れている。
【0079】次いで、上記の比較用不飽和ポリエステル
に、スチレンを所定量加えた後、ヒドロキノンを100
ppmとなるように添加し、均一に混合した。これによ
り、固形分が70%、スチレンが30%の樹脂組成物
(UP−5)を調製した。上記の主な反応条件や結果等
を、表1にまとめた。
【0080】次に、この樹脂組成物(UP−5)75.
00部に、酸化マグネシウム1.00部、t−BIPC
1.33部、炭酸カルシウム150.00部、ポリスチ
レン溶液(1)25.00部、着色剤7.00部、1,
4−ベンゾキノン0.02部、および、ステアリン酸亜
鉛5.00部を加えて混合した。そして、得られたコン
パウンドを、実施例1と同様にしてシート状にすること
により、比較用のSMCを製造した。該比較用SMC中
に占めるガラス繊維の割合は23%である。
【0081】上記の比較用SMCを、実施例1の成形条
件と同一の成形条件で加熱圧縮成形することにより、平
板を製造した。得られた平板の着色性、変形、光沢、並
びに、耐熱水性を、実施例1と同様にして評価した。そ
の結果、該平板に変形は認められず、光沢は良好であっ
た。しかしながら、該平板は、一部に色ムラが認められ
た。また、浸漬後の平板は、表面の光沢が減少し、いわ
ゆるフクレが若干認められた。上記の主な製造条件や結
果等を、表3にまとめた。
【0082】〔比較例2〕実施例1の反応器と同様の反
応器に、マレイン酸1.0モル、および、プロピレング
リコール1.06モルを仕込んだ。次に、上記の内容物
を窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら、180℃〜215
℃で10時間、反応状態を確認しながら反応させた。つ
まり、化合物を用いないで反応させた。
【0083】これにより、比較用の不飽和ポリエステル
を得た。この比較用不飽和ポリエステルの酸価は26.
0mgKOH/gであり、重量平均分子量は18,38
5であった。尚、本比較例において、無水マレイン酸中
のカルボキシル基1モルに対する化合物のモル数Xの好
ましい範囲は、0.21モル以上、0.5モル未満であ
る。上記の反応条件においては、化合物を用いていない
ので、該モル数Xは0モルであり、好ましい範囲から外
れている。
【0084】次いで、上記の比較用不飽和ポリエステル
に、スチレンを所定量加えた後、ヒドロキノンを100
ppmとなるように添加し、均一に混合した。これによ
り、固形分が62%、スチレンが38%の樹脂組成物
(UP−6)を調製した。上記の主な反応条件や結果等
を、表1にまとめた。
【0085】次に、この樹脂組成物(UP−6)75.
00部に、酸化マグネシウム0.80部、t−BIPC
1.33部、炭酸カルシウム150.00部、ポリスチ
レン溶液(1)25.00部、着色剤7.00部、1,
4−ベンゾキノン0.02部、および、ステアリン酸亜
鉛5.00部を加えて混合した。そして、得られたコン
パウンドを、実施例1と同様にしてシート状にすること
により、比較用のSMCを製造した。該比較用SMC中
に占めるガラス繊維の割合は23%である。
【0086】上記の比較用SMCを、実施例1の成形条
件と同一の成形条件で加熱圧縮成形することにより、平
板を製造した。得られた平板の着色性、変形、光沢、並
びに、耐熱水性を、実施例1と同様にして評価した。そ
の結果、該平板に変形は認められず、光沢は良好であっ
た。しかしながら、該平板は、全体に色ムラが認められ
た。また、浸漬後の平板は、表面の光沢が減少し、いわ
ゆるフクレや亀裂が多数認められた。上記の主な製造条
件や結果等を、表3にまとめた。
【0087】〔比較例3〕実施例4で得られた樹脂組成
物(UP−4)75.00部に、酸化マグネシウム1.
00部、t−BIPC1.33部、炭酸カルシウム15
0.00部、ポリスチレン溶液(1)25.00部、着
色剤7.00部、1,4−ベンゾキノン0.02部、お
よび、ステアリン酸亜鉛5.00部を加えて混合した。
そして、得られたコンパウンドを、実施例1と同様にし
てシート状にすることにより、比較用のSMCを製造し
た。該比較用SMC中に占めるガラス繊維の割合は23
%である。
【0088】上記の比較用SMCを、実施例1の成形条
件と同一の成形条件で加熱圧縮成形することにより、平
板を製造した。得られた平板の着色性、変形、光沢、並
びに、耐熱水性を、実施例1と同様にして評価した。そ
の結果、該平板に変形は認められず、光沢は良好であっ
た。しかしながら、該平板は、全体に色ムラが認められ
た。また、浸漬後の平板は、表面の光沢が減少し、いわ
ゆるフクレが若干認められた。上記の主な製造条件や結
果等を、表3にまとめた。
【0089】〔比較例4〕実施例1で得られた樹脂組成
物(UP−1)40.00部に、酸化マグネシウム1.
00部、t−BIPC1.33部、炭酸カルシウム15
0.00部、ポリスチレン溶液(2)60.00部、着
色剤7.00部、1,4−ベンゾキノン0.02部、お
よび、ステアリン酸亜鉛5.00部を加えて混合した。
上記のポリスチレン溶液(2)は、ポリスチレンを50
%、スチレンを50%の割合で含む混合物である。そし
て、得られたコンパウンドを、実施例1と同様にしてシ
ート状にすることにより、比較用のSMCを製造した。
該比較用SMC中に占めるガラス繊維の割合は23%で
ある。
【0090】上記の比較用SMCを、実施例1の成形条
件と同一の成形条件で加熱圧縮成形することにより、平
板を製造した。得られた平板の着色性、変形、光沢、並
びに、耐熱水性を、実施例1と同様にして評価した。そ
の結果、該平板に、色ムラや変形は認められなかった。
しかしながら、該平板の表面は、光沢が非常に乏しくな
っていた。浸漬後の平板の表面に、変化は認められなか
った。上記の主な製造条件や結果等を、表3にまとめ
た。
【0091】〔比較例5〕実施例1で得られた樹脂組成
物(UP−1)95.00部に、酸化マグネシウム1.
00部、t−BIPC1.33部、炭酸カルシウム15
0.00部、ポリスチレン溶液(1)5.00部、着色
剤7.00部、1,4−ベンゾキノン0.02部、およ
び、ステアリン酸亜鉛5.00部を加えて混合した。そ
して、得られたコンパウンドを、実施例1と同様にして
シート状にすることにより、比較用のSMCを製造し
た。該比較用SMC中に占めるガラス繊維の割合は23
%である。
【0092】上記の比較用SMCを、実施例1の成形条
件と同一の成形条件で加熱圧縮成形することにより、平
板を製造した。得られた平板の着色性、変形、光沢、並
びに、耐熱水性を、実施例1と同様にして評価した。そ
の結果、該平板は、色ムラは認められず、光沢は良好で
あった。しかしながら、該平板には、著しい反りが認め
られた。浸漬後の平板の表面に、変化は認められなかっ
た。上記の主な製造条件や結果等を、表3にまとめた。
【0093】〔比較例6〕実施例4で得られた樹脂組成
物(UP−4)90.00部に、酸化マグネシウム1.
00部、t−BIPC1.33部、炭酸カルシウム15
0.00部、ポリスチレン溶液(1)10.00部、着
色剤7.00部、1,4−ベンゾキノン0.02部、お
よび、ステアリン酸亜鉛5.00部を加えて混合した。
そして、得られたコンパウンドを、実施例1と同様にし
てシート状にすることにより、比較用のSMCを製造し
た。該比較用SMC中に占めるガラス繊維の割合は23
%である。
【0094】上記の比較用SMCを、実施例1の成形条
件と同一の成形条件で加熱圧縮成形することにより、平
板を製造した。得られた平板の着色性、変形、光沢、並
びに、耐熱水性を、実施例1と同様にして評価した。そ
の結果、該平板に変形は認められず、光沢は良好であっ
た。しかしながら、該平板は、色ムラが若干認められ
た。また、浸漬後の平板は、表面の光沢が減少し、いわ
ゆるフクレが若干認められた。上記の主な製造条件や結
果等を、表3にまとめた。
【0095】〔比較例7〕実施例4で得られた樹脂組成
物(UP−4)95.00部に、酸化マグネシウム1.
00部、t−BIPC1.33部、炭酸カルシウム15
0.00部、ポリスチレン溶液(1)5.00部、着色
剤7.00部、1,4−ベンゾキノン0.02部、およ
び、ステアリン酸亜鉛5.00部を加えて混合した。そ
して、得られたコンパウンドを、実施例1と同様にして
シート状にすることにより、比較用のSMCを製造し
た。該比較用SMC中に占めるガラス繊維の割合は23
%である。
【0096】上記の比較用SMCを、実施例1の成形条
件と同一の成形条件で加熱圧縮成形することにより、平
板を製造した。得られた平板の着色性、変形、光沢、並
びに、耐熱水性を、実施例1と同様にして評価した。そ
の結果、該平板は、色ムラは認められず、光沢は良好で
あった。しかしながら、該平板には、著しい反りが認め
られた。また、浸漬後の平板は、表面の光沢が減少し、
いわゆるフクレが若干認められた。上記の主な製造条件
や結果等を、表3にまとめた。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
【表3】
【0100】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の成形材料用不飽
和ポリエステルは、以上のように、ノルボルネン骨格を
有する化合物を用いてなる不飽和ポリエステルであっ
て、不飽和ポリエステルとなるべき全多塩基酸成分中の
多塩基酸をAi (但し、i=1,2,…,n、かつ、n
は自然数)、該全多塩基酸成分中に占めるAi で示され
る多塩基酸のモル分率をmi 、Ai で示される多塩基酸
1分子が有するカルボキシル基の個数をNi (但し、N
i は2以上の整数であり、酸無水物は有水化して数え
る)、ノルボルネン骨格を有する化合物のモル数をXと
するとき、該全多塩基酸成分中のカルボキシル基1モル
に対する該化合物のモル数Xが、不等式(1)
【0101】
【数4】
【0102】を満足する構成である。
【0103】本発明の請求項2記載の成形材料用不飽和
ポリエステルは、以上のように、ノルボルネン骨格を有
する化合物を用いてなる不飽和ポリエステルが、下記に
示す三成分(a)〜(c);(a)該不飽和ポリエステ
ルとなるべき全多塩基酸成分の一部と該化合物との付加
反応物、(b)上記(a)の全多塩基酸成分の一部と該
化合物との付加反応に使用されなかった、該不飽和ポリ
エステルとなるべき多塩基酸成分、(c)アルコール成
分、の混合物を縮合してなる構成である。
【0104】本発明の請求項3記載の成形材料用不飽和
ポリエステルは、以上のように、不飽和ポリエステルと
なるべき全多塩基酸成分および/またはアルコール成分
が、三官能以上の化合物を含む構成である。
【0105】本発明の請求項4記載の成形材料用不飽和
ポリエステルは、以上のように、上記化合物がジシクロ
ペンタジエンである構成である。
【0106】本発明の請求項5記載の成形材料用不飽和
ポリエステルは、以上のように、請求項1〜4の何れか
1項に記載の成形材料用不飽和ポリエステルを10重量
%以上含んでいる構成である。
【0107】これにより、例えば低収縮化剤と着色剤と
が添加されている場合においても成形性に優れ、かつ、
外観が美麗な成形品を得ることができる成形材料に好適
な成形材料用不飽和ポリエステルを提供することができ
るという効果を奏する。また、ジシクロペンタジエン
は、比較的安価な化合物であるので、該化合物がジシク
ロペンタジエンである場合には、より安価な成形材料用
不飽和ポリエステルを提供することができるという効果
を奏する。
【0108】本発明の請求項6記載の成形材料は、以上
のように、請求項1〜5の何れか1項に記載の成形材料
用不飽和ポリエステルと、低収縮化剤とを含み、該低収
縮化剤の添加量(固形分)が、該成形材料用不飽和ポリ
エステル100重量部に対して、3重量部〜100重量
部の範囲内である構成である。
【0109】本発明の請求項7記載の成形材料は、以上
のように、さらに増粘剤を含む構成である。
【0110】それゆえ、従来の成形材料では必要であっ
た例えば末端にカルボキシル基を有する熱可塑性重合体
や、3次元化された低架橋ポリスチレン、スチレンと酢
酸ビニルとのブロック共重合体、等の比較的特殊な(い
わゆる汎用ではない)低収縮化剤を用いる必要がなく、
しかも、ポリスチレンやポリメタクリル酸メチル、ポリ
酢酸ビニルのような汎用の低収縮化剤を多量に添加した
場合、例えば、該成形材料用不飽和ポリエステル100
重量部に対するポリスチレンの添加量が30重量部であ
る場合でも、該成形材料は色ムラを生じない。これによ
り、例えば低収縮化剤と着色剤とが添加されている場合
においても成形性に優れ、かつ、外観が美麗な成形品を
得ることができる成形材料を、比較的安価に提供するこ
とができるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 詳三 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノルボルネン骨格を有する化合物を用いて
    なる不飽和ポリエステルであって、不飽和ポリエステル
    となるべき全多塩基酸成分中の多塩基酸をAi (但し、
    i=1,2,…,n、かつ、nは自然数)、該全多塩基
    酸成分中に占めるAi で示される多塩基酸のモル分率を
    i 、Ai で示される多塩基酸1分子が有するカルボキ
    シル基の個数をNi (但し、Ni は2以上の整数であ
    り、酸無水物は有水化して数える)、ノルボルネン骨格
    を有する化合物のモル数をXとするとき、該全多塩基酸
    成分中のカルボキシル基1モルに対する該化合物のモル
    数Xが、不等式(1) 【数1】 を満足することを特徴とする成形材料用不飽和ポリエス
    テル。
  2. 【請求項2】ノルボルネン骨格を有する化合物を用いて
    なる不飽和ポリエステルが、下記に示す三成分(a)〜
    (c); (a)該不飽和ポリエステルとなるべき全多塩基酸成分
    の一部と該化合物との付加反応物、(b)上記(a)の
    全多塩基酸成分の一部と該化合物との付加反応に使用さ
    れなかった、該不飽和ポリエステルとなるべき多塩基酸
    成分、(c)アルコール成分、の混合物を縮合してなる
    ことを特徴とする請求項1記載の成形材料用不飽和ポリ
    エステル。
  3. 【請求項3】不飽和ポリエステルとなるべき全多塩基酸
    成分および/またはアルコール成分が、三官能以上の化
    合物を含むことを特徴とする請求項1または2記載の成
    形材料用不飽和ポリエステル。
  4. 【請求項4】上記化合物がジシクロペンタジエンである
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の成形材料
    用不飽和ポリエステル。
  5. 【請求項5】請求項1〜4の何れか1項に記載の成形材
    料用不飽和ポリエステルを10重量%以上含んでいるこ
    とを特徴とする成形材料用不飽和ポリエステル。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の何れか1項に記載の成形材
    料用不飽和ポリエステルと、低収縮化剤とを含み、該低
    収縮化剤の添加量(固形分)が、該成形材料用不飽和ポ
    リエステル100重量部に対して、3重量部〜100重
    量部の範囲内であることを特徴とする成形材料。
  7. 【請求項7】さらに増粘剤を含むことを特徴とする請求
    項6記載の成形材料。
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