JPH1043706A - 廃棄物処分施設の汚染水漏出防止方法および汚染水漏出防止構造 - Google Patents

廃棄物処分施設の汚染水漏出防止方法および汚染水漏出防止構造

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JPH1043706A
JPH1043706A JP8206256A JP20625696A JPH1043706A JP H1043706 A JPH1043706 A JP H1043706A JP 8206256 A JP8206256 A JP 8206256A JP 20625696 A JP20625696 A JP 20625696A JP H1043706 A JPH1043706 A JP H1043706A
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water
impermeable layer
contaminated water
waste disposal
preventing
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JP8206256A
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Takuro Odawara
卓郎 小田原
Hisashi Takenaka
久 竹中
Minoru Imai
實 今井
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遮水層が破損しても、内部の汚染水の漏出が
生じず、また、その場合には漏洩箇所の特定や漏洩箇所
に対する対処が可能であるような廃棄物処分施設の汚染
水漏出防止方法および汚染水漏出構造を提供する。 【解決手段】 廃棄物処分施設1の側部または底部にあ
って汚染水の漏出を防ぐための不透水層8を内部不透水
層9と外部不透水層10に区画された二重構造として形
成し、内部不透水層9と前記外部不透水層10の間の間
隙部12に水を注入して内部不透水層9に対して外方か
ら水圧を作用させておき、内部不透水層9において破損
箇所が生じた際に、間隙部12に注入された水を内部不
透水層9の内側に流入させ、汚染水の内部不透水層9外
側への漏出を防止することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物処分施設に
おいて、その施設から外部へ汚染水が漏出することを防
止するための廃棄物処分施設の汚染水漏出防止方法およ
び汚染水漏出防止構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】廃棄物最終処分場や汚染土壌処理施設な
どの廃棄物処分施設においては、施設内部へ浸透した雨
水等による廃棄物の浸出水や廃棄物の保有していた水分
などが汚染水として施設内部に滞留することがあり、こ
のような汚染水が外部に漏出して周囲の環境を汚染しな
いように、その側面および底面に汚染水の漏出防止構造
が設けられているのが一般的である。このような汚染水
の漏出防止構造は、通常、遮水シートを配置することに
よって形成される。
【0003】図3は、このような廃棄物処分施設におけ
る汚染水の漏出防止構造の一例を示したものである。廃
棄物処分施設1の底部および側部に配置された汚染水の
漏出防止構造2は不透水シート3、シート保護マット・
排水材4、下地整形層5、および保護土層6による積層
構造とされている。また、不透水シート3上には、廃棄
物処分施設1に集積された廃棄物7からの滲出水や廃棄
物7に浸透した雨水などの汚染水のオーバーフローによ
る流出が生じないよう、図示しない集水管が配置され、
汚染水を検出、排除できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の廃棄物処分施設
においては、このように、内部の汚染水が周辺土壌等を
汚染しないよう厳重に遮水対策がとられているにもかか
わらず、不透水シートなどの遮水層の破損によると思わ
れる汚染水の漏洩が発生している、というのが実状であ
る。また、いったん汚染水の漏洩が始まってしまうと、
漏洩箇所の特定やその対策は非常に困難なものとなる。
さらに、廃棄物処分施設周辺においては、上記のような
理由によると思われる環境汚染が頻発しており、今後、
廃棄物処分場の適地選定、建設にあたって周辺住民との
合意形成を図っていく上では、上記のような問題点を克
服し、廃棄物処分施設の安全性を高める技術を確立する
ことが必須となってきている。
【0005】上記の事情に鑑み、本発明の廃棄物処分施
設の汚染水漏出防止方法および汚染水漏出防止構造にお
いては、万一遮水層が破損しても、内部の汚染水の漏出
が生じず、また、その場合には漏洩箇所の特定や漏洩箇
所に対する対処が可能であるような廃棄物処分施設の汚
染水漏出防止方法および汚染水漏出構造を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
課題を解決するために以下の手段を採用した。すなわ
ち、請求項1記載の廃棄物処分施設の汚染水漏出防止方
法は、廃棄物処分施設においてその内部に滞留する汚染
水が外部に漏出することを防ぐための廃棄物処分施設の
汚染水漏出防止方法であって、前記廃棄物処分施設の側
部または底部にあって前記汚染水の漏出を防ぐための不
透水層を内部不透水層と外部不透水層に区画された二重
構造として形成し、前記内部不透水層と前記外部不透水
層の間の間隙部に水を注入して前記内部不透水層に対し
て外方から水圧を作用させておき、前記内部不透水層に
おいて破損箇所が生じた際に、前記間隙部に注入された
水を前記内部不透水層の内側に流入させ、前記汚染水の
前記内部不透水層外側への漏出を防止することを特徴と
する。
【0007】この廃棄物処分施設の汚染水漏出防止方法
においては、廃棄物処分施設の側部および底部に設ける
不透水層を外部不透水層と内部不透水層の二重構造とし
ておき、この外部不透水層および内部不透水層の間の間
隙部に水を注入して、内部不透水層に対して外方から水
圧を作用させておくことによって、前記内部不透水層に
おいて破損箇所が生じた際には、間隙部から水が内部不
透水層内側に流入することにより、内部不透水層内側か
らの汚染水の漏出を防ぐ。
【0008】請求項2記載の廃棄物処分施設の汚染水漏
出防止方法は、請求項1記載の廃棄物処分施設の汚染水
漏出防止方法であって、前記間隙部に水位観測井を設け
るとともに、前記内部不透水層の内側に内部水位観測井
を設け、前記間隙部における水位および前記内部水位観
測井における水位を監視し、前記内部不透水層において
破損箇所が生じた際には、これら水位の変動によって前
記内部不透水層における破損箇所の存在を検知すること
を特徴とする。
【0009】この廃棄物処分施設の汚染水漏出防止方法
においては、内部不透水層の内側とその外側の間隙部
に、それぞれ水位を測定するための水位観測井を設け、
それぞれの水位を監視することによって、内部不透水層
に破損箇所があるかどうかの判断が行われる。
【0010】請求項3記載の廃棄物処分施設の汚染水漏
出防止方法は、請求項1または2記載の廃棄物処分施設
の汚染水漏出防止方法であって、前記内部不透水層の内
側に揚水パイプを設け、前記内部不透水層において破損
箇所が生じた際には、前記揚水パイプから前記内部不透
水層内側に滞留する前記汚染水を揚水することによっ
て、前記間隙部における水位を前記内部水位観測井にお
ける水位よりも高く保ち、前記汚染水の前記内部不透水
層外側への漏出を防止することを特徴とする。
【0011】この廃棄物処分施設の汚染水漏出防止方法
においては、内部不透水層の内側に揚水パイプを配置す
ることによって、内部不透水層破損時に間隙部から水が
流入しても、その水を揚水することで、間隙部の水位を
内部不透水層内側の水位よりも高く保つことができるよ
うにしておく。内部不透水層破損時には、これらの水位
差による水圧で、常に間隙部から内部不透水層内側に向
かって水が流れるようにし、内部不透水層内側の汚染水
の外部への漏出を防ぐ。
【0012】請求項4記載の廃棄物処分施設の汚染水漏
出防止構造は、廃棄物処分施設においてその内部に滞留
する汚染水が外部に漏出することを防ぐための廃棄物処
分施設の汚染水漏出構造であって、前記廃棄物処分施設
の側部または底部にあって汚染水漏出を防ぐための不透
水層が内部不透水層と外部不透水層に区画された二重構
造として構成され、前記内部不透水層と前記外部不透水
層の間に位置する間隙部に注水パイプが設けられている
ことを特徴とする。
【0013】この廃棄物処分施設の汚染水漏出防止構造
においては、内部不透水層と外部不透水層との間に位置
する間隙部に注水パイプが設けられることにより、間隙
部に水を注入することが可能となり、間隙部に水を注入
することによって内部不透水層に対して外方から水圧を
作用させることが可能である。したがって、このように
内部不透水層に対して水圧を作用させておけば、内部不
透水層破損時には間隙部から水が内部不透水層内側に向
かって流入することにより、汚染水の外部への漏出を防
ぐことができる。また、間隙部に注水パイプを設けるこ
とにより、内部不透水層破損時に間隙部から内部不透水
層内側に向かって流入する水の量に応じて間隙部に水を
補給し、間隙部の水位を内部不透水層内側の汚染水の水
位より高く保ち、常に内部不透水層の内側に向かう水圧
を作用させることができ、汚染水の流出を防ぐことが可
能とされる。
【0014】請求項5記載の廃棄物処分施設の汚染水漏
出防止構造は、請求項4記載の廃棄物処分施設の汚染水
漏出防止構造であって、前記間隙部に水位観測井が設け
られ、前記内部不透水層の内側に前記汚染水の水位を観
測することを可能とする内部水位観測井が設けられてい
ることを特徴とする。この廃棄処分施設の汚染水漏出防
止構造においては、内部不透水層の内側および外側に水
位を観測するための井戸が設けられるため、これら井戸
の水位を監視することによって内部不透水層に破損箇所
があるかどうかを検知することができる。
【0015】請求項6記載の廃棄物処分施設の汚染水漏
出防止構造は、請求項4または5記載の廃棄物処分施設
の汚染水漏出防止構造であって、前記内部不透水層の内
側に前記汚染水を揚水可能とする揚水パイプが設けられ
ていることを特徴とする。この廃棄処分施設の汚染水漏
出防止構造においては、内部不透水層の内側に汚染水を
揚水することが可能な揚水パイプが設けられることによ
り、内部不透水層破損時には、内部不透水層の外側から
流入した水を揚水することができる。こうすることによ
り、内部不透水層内側の水位を外側の間隙部の水位より
も低く保ち、この水位差による水圧で、内部不透水層内
側からの汚染水の流出を防ぐことが可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。図1(a)は、本発明の一実施
の形態を模式的に示した廃棄物処分施設1の断面図であ
る。この廃棄物処分施設1の側部および底部には、内部
不透水層9と外部不透水層10とに区画され二重構造と
された不透水層8が設けられている。内部不透水層9
は、遮水シートから構成され、外部不透水層10は、周
囲の地盤11に粘土を締め固めて張り付けることによっ
て形成されている。また、内部不透水層9と外部不透水
層10の間に位置する間隙部12には、砂からなる透水
材13が配置されるとともに、注水パイプ14および水
位観測井15が設けられている。
【0017】内部不透水層9の内側は、廃棄物を蓄積す
るための廃棄物載置場16とされており、廃棄物載置場
16の底面の周辺部は、廃棄物載置場16内に滞留する
汚染水を集水するためのピット17とされている。ピッ
ト17には、水位を観測するためのパイプ状の内部水位
観測井18の一端と、汚染水を揚水するための揚水パイ
プ19の一端が配置されており、揚水パイプ19の別の
一端には揚水ポンプ20が設置されている。また、揚水
ポンプ20によって揚水された汚染水を処理するために
処理棟21が別に設置される。
【0018】廃棄物載置場16に廃棄物7が蓄積された
ときの状態を示したのが図1(b)である。廃棄物7に
浸透した雨水または廃棄物7が保有していた水分などに
よる汚染水が廃棄物載置場16底面に滞留して、汚染水
の水面22を形成している。一方、間隙部12において
は、注水パイプ14から注入された水が注水水面23を
形成している。注水水面23は汚染水の水面22よりも
常に高い位置にあるように注水パイプから間隙部12に
水が注入される。このとき、間隙部12の注水水位およ
び汚染水の水面22の位置を確認するとともに、廃棄物
7の高さ、あるいは、廃棄物7および間隙部12中にお
ける間隙水圧や、内部不透水層9に作用する側圧などを
測定し、間隙部12に注入された水によって内部不透水
層9に対して外方から水圧が作用するように、また、内
部不透水層9に過度の負荷を与えないように、注水水面
23の位置をコントロールしておく。
【0019】廃棄物7は、内部不透水層9および外部不
透水層10からなる不透水層8によって、周囲の地盤1
1と隔絶されている。これらが破損した際には廃棄物載
置場16に滞留する汚染水が周囲の地盤に漏出すること
が懸念されるが、このときには、以下のようにして汚染
水の漏出が防止される。まず、外部不透水層10が破損
した際には、間隙部12の水位が周辺の地盤11におけ
る地下水位より低い場合には、間隙部12の水位が上昇
し、逆に高い場合には、間隙部12の水位が低下するこ
ととなる。これらのことは水位観測井15において観測
され、またこのとき、内部水位観測井18の水位には変
化は生じない。したがって、外部不透水層10の破損が
確認され、対策を取ることができる。対策を施すまでの
間は、間隙部12の注水水面23が内部の汚染水の水面
22より高い位置を保つよう注水パイプ14から間隙部
12に水を補給する。
【0020】また、内部不透水層9が破損した際には、
注水水面23が汚染水の水面22よりも高く保たれてい
るため、これらの水位差ΔHによって、内部不透水層9
の内側と外側で水圧差が生じ、間隙部12の水が破損箇
所から内部不透水層9の内側に流入してくることとな
る。このため、汚染水が内部不透水層9の外部に漏出す
ることが防止される。また、水位観測井15と内部水位
観測井18との水位を観測することによって、内部不透
水層9の破損を確認することができる。
【0021】このように内部不透水層9が破損した状態
が継続すると、汚染水の水面22が上昇する一方で、注
水水面23の位置が低下し、水位差ΔHが減少してくる
が、このときには、汚染水が内部不透水層9の外側に漏
出しないように、揚水パイプ19から揚水ポンプ20に
よって汚染水を汲み上げるとともに、注水パイプ14に
よって間隙部12に水の注入を行い、水位差ΔHを保
ち、汚染水の漏出を防止する。汲み上げた汚染水は、処
理棟21に送水され浄化処理されて排水される。また、
このように注水パイプ14による注水、および揚水ポン
プ20の運転を継続することによって、汚染水の漏洩を
防いでいる間に対策を取ることができる。
【0022】以上のように、本実施の形態の廃棄物処分
施設の汚染水漏出防止方法および汚染水漏出防止構造
は、廃棄物7および廃棄物7の浸出水を外部と遮断する
内部不透水層9に対して、外方から水位差ΔHによる水
圧を作用させることによって、内部不透水層9の内側に
滞留する汚染水の漏出を防止するものであり、廃棄物の
遮蔽を厳重に行うことによって施設の安全性を高めると
いう考え方に基づいた従来の技術とは全く異なるもので
ある。そのため、本実施の形態においては、不透水層に
破損が生じた場合にも対応が可能であり、単に不透水シ
ート等を重ねて不透水層を形成しただけの従来の汚染水
の漏出防止構造にくらべ、汚染水の漏出に対する安全性
が極めて高いものとなる。
【0023】また、本実施の形態においては、従来の汚
染水の漏出防止構造に比べて、管理および監視を容易か
つ確実に行うことができる。従来は、廃棄物処分施設周
辺に水質観測用の井戸を掘り、この井戸における地下水
の水質を監視することにより、汚染水の漏出の存否を確
認しなければならず、また、汚染水が漏出していること
が確認されても、それは既に汚染が拡散してはじめて異
常が確認されたものであって、安全性の保持を図るもの
ではなかった。また、従来は、汚染水漏出箇所の特定や
汚染水の漏出に対する対処が難しく、遮水層破損の際の
処置が容易でなかった。しかし、本実施の形態において
は、単に間隙部12の水位が低下しないように観測およ
び管理を行えばよく、また、万一、内部不透水層9が破
損しても、揚水パイプ19から揚水を続け、注水パイプ
14によって注水を継続する間に対策をとることができ
る。
【0024】さらに、本実施の形態の汚染水漏出防止構
造を用いた廃棄物処分施設1は、安全性が高く、建設場
所に制約がないため、廃棄物処分場確保の面でも利点を
有するものである。
【0025】以上で本発明における一実施の形態を説明
したが、本発明は上記実施の形態のみに限定されるもの
でなく、使用する材料および形態などの変更が可能であ
る。図2は、本発明の他の実施の形態を示したものであ
り、間隙部12に配置される透水材13には透水コンク
リートが使用され、内部不透水層9および外部不透水層
10を構成する材料には、ともに遮水シートが使用され
ている。このように、内部不透水層9および外部不透水
層10を構成する材料としては、ゴムシートやビニール
シートなどの遮水シート、コンクリートの打設や吹き付
け、または、上記実施の形態のような粘土張り付けによ
る不透水層形成等が考えられ、あるいはこれらを組み合
わせて使用することも可能である。同様に、透水材13
には砂利や発泡スチロールビーズ等を適用してもよい。
【0026】また、図2においては、廃棄物載置場16
に浸透してきた水を揚水パイプ19および揚水ポンプ2
0によって汲み上げ、処理棟21で処理してからバルブ
24を介して間隙部12に注入することが可能な構成と
されている。このように、廃棄物載置場16から揚水し
た汚染水を浄化処理して再利用するようにすることも可
能である。また、雨水等による廃棄物の浸出水を極力少
なくするために、屋根その他で上部を覆工するようにし
てもよい。この場合には、廃棄物からの発生ガス対策を
併せて実施するようにしてもよい。
【0027】
【発明の効果】本発明の廃棄物処分施設の汚染水漏出防
止方法および汚染水漏出防止構造においては、廃棄処分
施設の側部または底部に配置される不透水層が、内部不
透水層および外部不透水層の二重構造とされるととも
に、これらに挟まれた間隙部に注水パイプが配置され、
この注水パイプによって注水を行い、内部不透水層に対
して外方から水圧を作用させることによって、内部不透
水層に破損箇所が生じた際には、前記間隙部から水を前
記内部不透水層の内側に流入させ、前記汚染水の前記内
部不透水層外側への漏出を防止することができる。した
がって、本発明の汚染水漏出防止方法および汚染水漏出
防止構造は、廃棄物を外部の地盤から遮蔽する内部不透
水層に破損が生じた場合にも、汚染水の漏出が生じず、
単に不透水シート等を重ねて不透水層を形成しただけの
従来の汚染水の漏出防止構造にくらべ、汚染水の漏出に
対する安全性が極めて高い。また、本発明の廃棄物処分
施設の汚染水漏出防止方法および汚染水漏出防止構造に
おいては、内部不透水層の内側に内部水位観測井を設
け、さらに、間隙部に水位観測井を設け、これらにおけ
る水位の変動を観測することによって、内部不透水層に
おける破損箇所の存否を確認することが可能となる。し
たがって、従来のこの種の施設においては、汚染が周囲
の地盤に拡散してはじめて異常が確認されたのに対し
て、本発明の廃棄物処分施設の汚染水漏出防止方法およ
び汚染水漏出防止構造においては、汚染が拡散する前に
異常を検知し対策を講じることが可能である。さらに、
本発明の廃棄物処分施設の汚染水漏出防止方法および汚
染水漏出防止構造においては、内部不透水層の内側に揚
水パイプを設置し、内部不透水層破損の際には、間隙部
から内部不透水層の内側に浸透してきた水を揚水パイプ
によって揚水することにより、間隙部における水位を内
部不透水層内側の水位よりも高く保ち、汚染水の外部へ
の漏出を防止することが可能である。したがって、この
ように汚染水の漏出を防いでいる間に対策をとることが
可能である。このように、本発明の廃棄物処分施設の汚
染水漏出防止方法および汚染水漏出防止構造において
は、間隙部の水位が低下しないように観測および管理を
行えばよく、従来の技術に比べ、管理および監視の容易
化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す廃棄物処分施設
の断面図である。
【図2】 本発明の他の実施の形態を示す廃棄物処分施
設の断面図である。
【図3】 本発明の従来の技術を説明するための、廃棄
物処分施設の断面図である。
【符号の説明】
1 廃棄物処分施設 8 不透水層 9 内部不透水層 10 外部不透水層 12 間隙部 14 注水パイプ 15 水位観測井 18 内部水位観測井 19 揚水パイプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物処分施設においてその内部に滞留
    する汚染水が外部に漏出することを防ぐための廃棄物処
    分施設の汚染水漏出防止方法であって、前記廃棄物処分
    施設の側部または底部にあって前記汚染水の漏出を防ぐ
    ための不透水層を内部不透水層と外部不透水層に区画さ
    れた二重構造として形成し、前記内部不透水層と前記外
    部不透水層の間の間隙部に水を注入して前記内部不透水
    層に対して外方から水圧を作用させておき、前記内部不
    透水層において破損箇所が生じた際に、前記間隙部に注
    入された水を前記内部不透水層の内側に流入させ、前記
    汚染水の前記内部不透水層外側への漏出を防止すること
    を特徴とする廃棄物処分施設の汚染水漏出防止方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の廃棄物処分施設の汚染水
    漏出防止方法であって、前記間隙部に水位観測井を設け
    るとともに、前記内部不透水層の内側に内部水位観測井
    を設け、前記間隙部における水位および前記内部水位観
    測井における水位を監視し、前記内部不透水層において
    破損箇所が生じた際には、これら水位の変動によって前
    記内部不透水層における破損箇所の存在を検知すること
    を特徴とする廃棄物処分施設の汚染水漏出防止方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の廃棄物処分施設
    の汚染水漏出防止方法であって、前記内部不透水層の内
    側に揚水パイプを設け、前記内部不透水層において破損
    箇所が生じた際には、前記揚水パイプから前記内部不透
    水層内側に滞留する前記汚染水を揚水することによっ
    て、前記間隙部における水位を前記内部水位観測井にお
    ける水位よりも高く保ち、前記汚染水の前記内部不透水
    層外側への漏出を防止することを特徴とする廃棄物処分
    施設の汚染水漏出防止方法。
  4. 【請求項4】 廃棄物処分施設においてその内部に滞留
    する汚染水が外部に漏出することを防ぐための廃棄物処
    分施設の汚染水漏出構造であって、前記廃棄物処分施設
    の側部または底部にあって汚染水漏出を防ぐための不透
    水層が内部不透水層と外部不透水層に区画された二重構
    造として構成され、前記内部不透水層と前記外部不透水
    層の間に位置する間隙部に注水パイプが設けられている
    ことを特徴とする廃棄物処分施設の汚染水漏出防止構
    造。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の廃棄物処分施設の汚染水
    漏出防止構造であって、前記間隙部に水位観測井が設け
    られ、前記内部不透水層の内側に前記汚染水の水位を観
    測することを可能とする内部水位観測井が設けられてい
    ることを特徴とする廃棄物処分施設の汚染水漏出防止構
    造。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の廃棄物処分施設
    の汚染水漏出防止構造であって、前記内部不透水層の内
    側に前記汚染水を揚水可能とする揚水パイプが設けられ
    ていることを特徴とする廃棄物処分施設の汚染水漏出防
    止構造。
JP8206256A 1996-08-05 1996-08-05 廃棄物処分施設の汚染水漏出防止方法および汚染水漏出防止構造 Withdrawn JPH1043706A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11333402A (ja) * 1998-03-25 1999-12-07 Toda Constr Co Ltd 遮水構造、その漏水検知方法および漏水部補修方法
JP2001070907A (ja) * 1999-09-07 2001-03-21 Geo-Research Institute 廃棄物処分場の遮水構造
JP2001070906A (ja) * 1999-09-07 2001-03-21 Geo-Research Institute 自己修復型廃棄物処分施設

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