JPH1043398A - 遊技機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型の入賞装置を機枠と干渉することなく設
置するとともに、関東及び関西の機枠サイズの相違に対
処し、多くの部品を共用して安価に製作する。 【手段】 機枠２にヒンジ３を介して前面枠４を回動可
能に支持する。前面枠４に入賞装置９を取り付け、前面
枠４を前後に開閉して入賞装置９を機枠２の内外に出し
入れする。ヒンジ３に案内部材を設け、前面枠４の回動
中心を左右方向の略定位置で前後方向にシフトさせる。
関西サイズのパチンコ機においては、機枠３５の右側板
３６に前面枠４と略同一平面を形成する張出部３６ｆを
突設する。張出部の３６ｆに装飾部材を設け、その前面
を意匠面としてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機等の遊
技機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のパチンコ機は、図２１及び図２２
に示すように、機枠５１にヒンジ５２を介して前面枠５
３を回動可能に支持し、前面枠５３にランプ、入賞器等
遊技に係る入賞装置５４を取り付け、前面枠５３を前方
へ開放し、入賞装置５４を機枠５１の外側に取り出し
て、機内のメンテナンスをできるように構成されてい
る。ヒンジ５２としては、前面枠５３の回動中心を前後
左右の定位置に保持するものが広く使用されている。ま
た、前面枠を大きな角度で開放できるように、その回動
中心を前後及び左右の両方向にシフトさせる追出しヒン
ジ（特公平８−４６５４号公報参照）も知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前者のヒン
ジ５２によると、近年大型化の傾向にある入賞装置５４
を設置する場合、図２２に鎖線で示すように、前面枠５
３の開閉時に入賞装置５４が機枠５１と干渉するため、
入賞装置５４の大きさが制限されるという問題点があっ
た。また、後者の追出しヒンジによると、前面枠の開閉
時に入賞装置が前後のみならず左右方向にもシフトする
ため、大型入賞装置の設置はさらに困難であった。

【０００４】一方、パチンコ機の機枠の大きさは、設置
島の寸法に応じ東日本と西日本とで異なる。東日本で使
用される関東枠は高さ８０９ｍｍ、幅５２１ｍｍであ
り、西日本で使用される関西枠は高さ８１８ｍｍ、幅５
３０ｍｍであり、関西サイズの方が関東サイズよりも大
きく設定されている。従って、大型入賞装置の設置にあ
たっては、ヒンジの改良技術のほか、機枠サイズの相違
による部品コスト、管理面での不利益を回避する技術が
望まれている。

【０００５】そこで、本発明の課題は、大型の入賞装置
を機枠と干渉することなく設置できるとともに、機枠サ
イズの相違に対処して多くの部品を共通に使用できる遊
技機を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、機枠にヒンジを介して前面枠を回動可
能に支持し、前面枠に入賞装置を取り付け、前面枠を前
後に開閉して入賞装置を機枠の内外に出し入れする遊技
機において、ヒンジに前面枠の回動中心を左右方向の略
定位置で前後方向にシフトさせる案内部材を設けたこと
を特徴とする。また、本発明の遊技機においては、ヒン
ジと反対側の機枠の側板に、前面枠と略同一平面を形成
する張出部が設けられる。好ましくは、張出部の前面に
意匠面が設けられる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明をパチンコ機に具体
化した実施形態を図面に基づいて説明する。図１〜図５
は関東サイズのパチンコ機の一実施形態を示すものであ
る。このパチンコ機１においては、長方形の機枠２の前
面にヒンジ３を介して前面枠４が回動可能に支持されて
いる。前面枠４の上部には透明ガラス５が設けられ、そ
の下側に供給皿６、貯留皿７、及び発射ハンドル８が配
設され、前面枠４の裏面には入賞装置９が取り付けら
れ、機枠２の左側にはカードユニット１０が設置されて
いる。そして、パチンコ機１の稼動時には、前面枠４を
後方へ閉じて、入賞装置９を機枠２の内側に格納し（図
２参照）、メンテナンス時には、前面枠４を前方へ開い
て、入賞装置９を機枠２の外側に取り出すようになって
いる（図４参照）。

【０００８】関東サイズの機枠２は上板１１と下板１２
と左側板１３と右側板１４とから構成されている（図５
参照）。上板１１、下板１２、及び左側板１３は関東枠
及び関西枠共に同じ寸法で形成され、部品の共通化が計
られている。ヒンジ３と反対側の右側板１４は関東枠固
有の寸法で形成され、その上端及び下端にて上板１１及
び下板１２に対し着脱可能に組み付けられている。な
お、図５の左側に示す右側板１４（Ａ）は、垂直部１４
ａ及び水平部１４ｂをプラスチックで一体成形して製作
されている。また、同図の右側に示す右側板１４（Ｂ）
は、木材からなる垂直部品１４ｃの上下両端にプラスチ
ック製の上コーナ部品１４ｄ及び下コーナ部品１４ｅを
嵌着して製作されている。なお、材料はこれに限定され
るものではなく、たとえば金属薄板であっても良い。

【０００９】図６〜図１３はヒンジの幾つかの実施例を
示すものである。図６及び図７に示す第一実施例のヒン
ジ３は、機枠２に固定される案内部材１６と、前面枠４
に枢着される可動部材１７とを備え、案内部材１６の溝
１６ａに可動部材１７をボルト１８でスライド可能に連
結し、案内部材１６が前面枠４の回動中心である枢軸１
９を左右方向の定位置で前後方向にシフトさせるように
構成されている。そして、開放時には、前面枠４を機枠
２から前方へスライドしたのち（図３参照）、枢軸１９
の周りで前方へ回動して、入賞装置９を機枠２の外側に
取り出し（図４参照）、閉成時には逆順に操作して、入
賞装置９を機枠２の内側に格納する。従って、このヒン
ジ３によれば、パチンコ機１に大型の入賞装置９を機枠
２と干渉させることなく設置することができる。

【００１０】図８〜図１０に示す第二実施例のヒンジ２
１は、機枠２側の案内部材２２と、前面枠４側のヒンジ
板２３と、両者間に設けられたスライド板２４とを備え
ている。スライド板２４の基端はボルト２５で案内部材
２２の溝２２ａにスライド可能に結合されるとともに、
先端は連結軸２６でヒンジ板２３に回動可能に連結さ
れ、前面枠４の回動中心である連結軸２６が案内部材２
２によりスライド板２４を介して左右方向の定位置で前
後方向にシフト可能に構成されている。従って、このヒ
ンジ２１によっても、第一実施例と同様に、前面枠４を
スライド及び回動操作して、大型の入賞装置９を機枠２
と干渉させることなくその内外に出し入れできる（図８
参照）。

【００１１】図１１〜図１３に示す第三実施例のヒンジ
２８は、機枠２側の固定部材２９と、前面枠４側の可動
部材３０と、両者間に設けられた案内部材としてのリン
ク機構３１とを備え、リンク機構３１が可動部材３０を
円弧軌跡（図１３参照）に沿って案内し、前面枠４の回
動中心３２を左右方向の略定位置で前後方向にシフトさ
せるように構成されている。従って、このヒンジ２８に
よれば、前面枠４をスライドと同時に回動して、スムー
ズな操作で大型の入賞装置９を機枠２と干渉させること
なく出し入れできる。

【００１２】図１４〜図１７は関西サイズのパチンコ機
の一実施形態を示すものである。このパチンコ機３４は
機枠３５の構成において関東サイズのパチンコ機１と相
違する。関西サイズの機枠３５は上板１１と下板１２と
左側板１３と右側板３６とスペーサ３７とから構成され
ている（図１７参照）。上板１１、下板１２、及び左側
板１３は関東サイズの機枠２と共通の部品が用いられて
いる。ヒンジ３と反対側の右側板３６は関西枠固有の寸
法で形成され、上板１１及び下板１２に着脱される上下
両端の水平部３６ｂは関東枠のそれよりも９ｍｍ（設置
島の幅寸法差）だけ長く形成されている。また、右側板
３６の前端には前面枠４と略同一平面を形成する張出部
３６ｆが設けられている。

【００１３】なお、図１７の左側に示す右側板３６
（Ａ）は、垂直部３６ａ及び水平部３６ｂをプラスチッ
クで一体成形して製作されている。同図の右側に示す右
側板３６（Ｂ）は、木材からなる垂直部品３６ｃの上下
両端にプラスチック製の上コーナ部品３６ｄ及び下コー
ナ部品３６ｅを嵌着して製作されている。また、機枠３
５の下側には厚さ９ｍｍ（設置島の高さ寸法差）のプラ
スチック製のスペーサ３７が付設され、釘孔３７ａに挿
通される釘によって下板１２に固定されている。

【００１４】従って、このパチンコ機３４によれば、右
側板３６を除く、前面枠４、入賞装置９、上板１１、下
板１２、左側板１３等の多くの部品を関東サイズのパチ
ンコ機１と共通に使用することができる。また、右側板
３６の張出部３６ｆが閉成状態の前面枠４の右側に前面
枠４と略同一平面を形成するため（図１５参照）、この
部分に段差が生じるおそれがなく、パチンコ機３４を見
栄えよく構成することも可能である。しかも、関東サイ
ズのパチンコ機１と同様、前面枠４がヒンジ３を介し機
枠３５にスライド及び回動可能に支持されているので、
大型の入賞装置９を機枠３５と干渉させることなく設置
することもできる（図１６参照）。なお、ヒンジとして
は、前記第一実施例のヒンジ３のほか、第二及び第三実
施例のヒンジ２１，２８を用いてもよい。

【００１５】図１８及び図１９は関西サイズのパチンコ
機３４の別の実施形態を示すものである。図１８のパチ
ンコ機３４においては、右側板３６の張出部３６ｆの前
面に、意匠面３９ａを有する装飾部材３９が貼着されて
いる。図１９のパチンコ機３４においては、右側板３６
の張出部全体が装飾部材４０によって形成され、その前
面に意匠面４０ａが設けられている。装飾部材３９，４
０としては、模様入りのプラスチック板、光輝テープ、
蛍光プラスチック板又は棒など、各種の装飾部品を使用
できる。

【００１６】図２０は関西サイズの機枠３５の別の実施
例を示すものである。ここでは、右側板４１が左側板１
３よりも幅広に形成され、右側板４１の前端に張出部４
１ａが設けられ、上板４２の右端には張出部４１ａの上
端面に被さる突起４２ａが形成されている。

【００１７】なお、本発明はパチンコ機のみに限定され
るものではなく、スロットマシン等の各種遊技機に適用
することもできる。その他、本発明は上記実施形態に限
定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状並
びに構成を適宜に変更して具体化することも可能であ
る。

【００１８】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明のパチンコ
機によれば、ヒンジに案内部材を設けて、前面枠の回動
中心を左右方向の略定位置で前後方向にシフトさせるの
で、大型の入賞装置を機枠と干渉することなく設置でき
る。また、ヒンジと反対側の機枠の側板に張出部を設け
たので、関西サイズのパチンコ機を、前面枠の側方に段
差を生じることなく、関東サイズのパチンコ機と共通の
部品を用いて安価に製作できる。さらに、張出部の前面
に意匠面を設けたので、関西サイズのパチンコ機の見栄
えをより一層向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による関東サイズのパチンコ機の一実施
形態を示す斜視図である。

【図２】同パチンコ機を前面枠の閉成状態で示す平面図
である。

【図３】同パチンコ機を前面枠のスライド状態で示す平
面図である。

【図４】同パチンコ機を前面枠の開放状態で示す平面図
である。

【図５】同パチンコ機の機枠を示す分解斜視図である。

【図６】ヒンジの第一実施例を示すパチンコ機の一部拡
大斜視図である。

【図７】同ヒンジの斜視図である。

【図８】ヒンジの第二実施例を示すパチンコ機の平面図
である。

【図９】同ヒンジの取付構造を示すパチンコ機の一部拡
大斜視図である。

【図１０】同ヒンジの斜視図である。

【図１１】ヒンジの第三実施例を示すパチンコ機の平面
図である。

【図１２】同ヒンジの取付構造を示すパチンコ機の一部
拡大斜視図である。

【図１３】同ヒンジの作用を示す平面図である。

【図１４】本発明による関西サイズのパチンコ機の一実
施形態を示す斜視図である。

【図１５】同パチンコ機を前面枠の閉成状態で示す平面
図である。

【図１６】同パチンコ機を前面枠の開放状態で示す平面
図である。

【図１７】同パチンコ機の機枠を示す分解斜視図であ
る。

【図１８】関西サイズのパチンコ機の別の実施形態を示
す斜視図である。

【図１９】同パチンコ機のさらに別の実施形態を示す斜
視図である。

【図２０】同パチンコ機の機枠の別の実施例を示す斜視
図である。

【図２１】従来のパチンコ機を示す斜視図である。

【図２２】同パチンコ機の平面図である。

【符号の説明】

１・・関東サイズのパチンコ機、２・・機枠、３・・ヒ
ンジ、４・・前面枠、９・・入賞装置、１１・上板、１
２・・下板、１３・・左側板、１４・・右側板、１６・
・案内部材、１７・・可動部材、１９・・枢軸、２１・
・ヒンジ、２２・・案内部材、２３・・ヒンジ板、２４
・・スライド板、２６・・連結軸、２８・・ヒンジ、２
９・・固定部材、３０・・可動部材、３１・・リンク機
構、３２・・回動中心、３４・・関西サイズのパチンコ
機、３５・・機枠、３６・・右側板、３６ｆ・・張出
部、３７・・スペーサ、３９，４０・・装飾部材、３９
ａ，４０ａ・・意匠面、４１・・右側板、４１ａ・・張
出部、４３・・軸孔。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 機枠にヒンジを介して前面枠を回動可能
   に支持し、前面枠に入賞装置を取り付け、前面枠を前後
   に開閉して入賞装置を機枠の内外に出し入れする遊技機
   において、ヒンジに前面枠の回動中心を左右方向の略定
   位置で前後方向にシフトさせる案内部材を設けてなる遊
   技機。
2. 【請求項２】 機枠にヒンジを介して前面枠を回動可能
   に支持し、前面枠に入賞装置を取り付け、前面枠を前後
   に開閉して入賞装置を機枠の内外に出し入れする遊技機
   において、ヒンジと反対側の機枠の側板に前面枠と略同
   一平面を形成する張出部を設けてなる遊技機。
3. 【請求項３】 張出部の前面に意匠面を設けた請求項２
   記載の遊技機。
4. 【請求項４】 機枠にヒンジを介して前面枠を回動可能
   に支持し、前面枠に入賞装置を取り付け、前面枠を前後
   に開閉して入賞装置を機枠の内外に出し入れする遊技機
   において、ヒンジに前面枠の回動中心を左右方向の略定
   位置で前後方向にシフトさせる案内部材を設け、ヒンジ
   と反対側の機枠の側板に前面枠と略同一平面を形成する
   張出部を設け、張出部の前面に意匠面を設けてなる遊技
   機。