JPH1037074A - 制電防汚性を有する撥水撥油性獣毛繊維構造物及びその製造方法 - Google Patents

制電防汚性を有する撥水撥油性獣毛繊維構造物及びその製造方法

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JPH1037074A
JPH1037074A JP19441996A JP19441996A JPH1037074A JP H1037074 A JPH1037074 A JP H1037074A JP 19441996 A JP19441996 A JP 19441996A JP 19441996 A JP19441996 A JP 19441996A JP H1037074 A JPH1037074 A JP H1037074A
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oil
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JP19441996A
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Tadatoshi Satou
唯敏 佐藤
Yasuhiko Takamiya
保彦 高宮
Masatoshi Yoshikawa
雅敏 吉川
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れた制電防汚性を有する撥水撥油
性獣毛繊維製品を提供する。 【解決手段】 フッ素を有する皮膜で被覆された獣毛繊
維を含有する獣毛繊維構造物であり、帯電防止剤の不存
在下でも摩擦帯電圧が低く、かつマーチンデール法によ
る摩耗試験の摩耗回数1万回後に、プレス処理後の撥水
性が100点を示す耐久性のある制電防汚性を有する撥
水撥油性獣毛繊維構造物及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は制電性及び防汚性を
有する獣毛繊維構造物に関し、特に洗濯及びドライクリ
ーニング、さらには着用時の摩耗、摩擦などに対する制
電防汚性及び撥水撥油性の耐久性を向上させた撥水撥油
性獣毛繊維構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、獣毛繊維布帛等の繊維構造物
に高度の撥水撥油性能を与える方法として、フッ素系化
合物よりなる撥水撥油加工剤を付与後熱処理し、繊維表
面に撥水撥油剤を付着させ方法が一般に行われている。
しかしこれらの加工剤は脆く、さらには獣毛繊維に対す
る接着性が乏しいため、洗濯及びドライクリーニング、
さらには着用時の布同士及び布と他の物体との摩擦や摩
耗等により加工剤が繊維より簡単に脱落し、撥水撥油性
が大幅に低下するという問題が生じていた。さらに一般
に、撥水撥油加工を施した布帛は帯電圧が高くなり、製
造工程中の静電気の発生が高くなり、工程を通過し難く
なったり、また製品となった場合には、ほこりが付着し
易くなってしまうという問題が生じていた。
【0003】撥水性に関しては、羊毛等の獣毛繊維は撥
水撥油加工剤との接着性が悪く、耐久性 が十分に得ら
れない。これを改善するものとして以下の様な提案がな
されている。即ち、活性水素基を含むフッ素系撥水撥油
加工剤に、ブロックドイソシアネート系架橋剤を混合す
る方法(特開昭54−133486号)、繊維表面にブ
ロックドイソシアネート系化合物によるベース層を形成
させ、フッ素系撥水撥油加工剤の接着性を改善する方法
(特開昭54−139641号)、水系のフッ素系撥水
撥油加工剤で、処理後に溶剤系のフッ素系撥水撥油加工
剤で処理する方法(特開昭60−151380号)、フ
ッ素基含有アクリル系モノマーを繊維表面で共重合させ
る方法(特公昭63−14117号)などが挙げられ
る。しかしこれらのいずれの方法でも撥水耐久性は不十
分である。特に羊毛等の獣毛繊維含有繊維構造物の洗濯
はドライクリーニングが基本となっているが、繰り返し
のドライクリーニングによる性能の低下が著しく、ドラ
イクリーニング耐久性が悪い。
【0004】帯電防止性については、イオン性の界面活
性剤等の帯電防止剤を加工浴に混合したりする方法が行
われているが、この帯電防止剤は洗浄等の工程で簡単に
落ちてしまう一時的なものであり、耐久性がない。ま
た、帯電防止剤などの界面活性剤が繊維表面に残留する
と撥水撥油性が損なわれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような現
状に鑑みて行ったもので、羊毛等の獣毛繊維に対して従
来技術では得られなかった、高度な耐久性を有するとと
もに、制電性及び防汚性を有する撥水撥油性繊維構造物
を提供するものである。
【0006】本発明者らは、フッ素系撥水撥油加工剤に
より撥水加工された羊毛等の獣毛繊維布帛のドライクリ
ーニング、洗濯及び摩擦による撥水性低下の原因につい
て鋭意検討した結果、羊毛等の獣毛繊維には、撥水撥油
性加工剤が繊維表面に均一に被覆されにくく、また羊毛
等獣毛繊維と撥水撥油性加工剤との結合が弱いためにド
ライクリーニング、洗濯及び着用中の摩耗、摩擦によっ
て撥水剤が脱落してしまうことが主原因であることをつ
きとめた。
【0007】このことから、本発明者らは羊毛等の獣毛
繊維構造物の撥水撥油耐久性を飛躍的に向上させる為に
は、獣毛繊維表面に均一な被覆ができ、ドライクリーニ
ングや洗濯及び磨耗、摩擦に耐えうるような柔軟性を有
し、かつ獣毛繊維との結合力の向上が必要であると考え
本発明に到達した。
【0008】また一般に、撥水撥油加工を施した布帛は
帯電圧が高くなり、製造工程中に静電気が発生し易くな
り、製造工程中のトラブルの原因となる。また製品とな
った場合にも、静電気によりほこりが付着し易くなり、
製品としての価値が下がってしまう。この対策としてイ
オン性の界面活性剤等の帯電防止剤を加工浴に混合して
帯電防止剤を付与する方法が行われているが、この帯電
防止剤は一時的には効果があるが、洗浄等の工程や洗濯
などで簡単に落ちてしまい、耐久性がない。一方、帯電
防止剤が共存すると高度の撥水撥油性の発現は困難であ
り、制電性と撥水撥油性を両立させることが望まれてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、獣毛繊維
の少なくとも表面がフッ素を含有する皮膜で被覆された
獣毛繊維を有する獣毛繊維構造物であり、帯電防止剤が
存在しない状態で、JIS L1094−1992のB
法による20℃、40%RH環境下での帯電圧T(ボル
ト)が、下式(1)の関係を満足し、かつJIS L1
096−1992のE法(マーチンデール法)による摩
耗回数10,000回後の撥水性がプレス後に100点
を示すことを特徴とする制電防汚性を有する撥水撥油性
獣毛繊維構造物。 T≦2(700−W)/F (1) W:繊維構造物織物目付(g/m2 )、但しW≦450 F:X線光電子分析装置(ESCA)により獣毛繊維構
造物表面の炭素、フッ素、酸素、窒素、硫黄の分析をし
た時のフッ素量(%)および獣毛繊維を含む繊維構造物
の獣毛繊維の内部又は/及び表面に、獣毛繊維と化学的
または物理的に結合しうる官能基を2個以上持つ多官能
化合物を結合させた後、該獣毛繊維の最外層表面を主と
してフッ素含有化合物又は/及びフッ素含有化合物と反
応しうる架橋性化合物との反応物で被覆させることを特
徴とする制電防汚性を有する撥水撥油性繊維構造物の製
造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における獣毛繊維とは、羊
毛、らくだ、山羊、うさぎ等の動物から得られる天然ケ
ラチン質繊維を意味し、それらの脱スケールした物も含
む。獣毛繊維構造物とは、獣毛繊維単独で、または獣毛
繊維と他繊維とを混合して得られる織物、編物、不織
布、糸などを意味する。ここで混合使用される獣毛繊維
以外の他繊維としては、ポリエステル、アクリル、ナイ
ロン、アラミド、塩化ビニル等の合成繊維や、絹、綿、
麻などの天然繊維、レーヨン等の再生繊維である。本発
明の効果をより発揮させるためには、獣毛繊維の混用率
は20%以上が好ましく、獣毛繊維の特性を発揮させる
ためには40%以上、より好ましくは50%以上であ
る。
【0011】本発明におけるフッ素を含有する皮膜と
は、フッ素含有化合物あるいはフッ素含有化合物と架橋
性化合物、さらには、獣毛繊維に結合する官能基を有す
る多官能性化合物によって形成された皮膜であり、該皮
膜は獣毛繊維と化学的あるいは物理的に結合しているも
のである。
【0012】フッ素を含有する皮膜の厚みは特に限定さ
れないが、耐久性と風合の観点から0.01〜10μm
が好ましく、0.1〜3μmがより好ましい。
【0013】本発明においてフッ素を含有する皮膜は、
通常、獣毛単繊維の表面をほぼ均一に被覆しており、特
にスケールの隙間をも埋め込んでいるのが特徴である
が、フッ素を含有する皮膜を構成する成分は獣毛繊維の
内部に入り込んでいても何ら支障はなく、この場合、む
しろアンカー効果でより耐久性が向上する場合がある。
【0014】フッ素を含有する皮膜を構成する成分とし
ては、フッ素含有化合物以外に、フッ素含有化合物と獣
毛繊維との両方と反応が可能な架橋性化合物、獣毛繊維
に物理的あるいは化学的に結合する官能基を有する多官
能性化合物が挙げられ、フッ素含有化合物とこれらの化
合物との反応物とで皮膜が形成され、皮膜は獣毛繊維と
化学的または物理的に強固に結合している。
【0015】フッ素含有化合物としては、パーフルオロ
アルキル基含有アクリル系共重合体をはじめとする一般
的なフッ素系撥水撥油剤を使用することができる。これ
らの中で、架橋性化合物と反応する水酸基、カルボキシ
ル基、グリシジル基などの官能基を有するものがより耐
久性が向上するので好ましい。
【0016】架橋性化合物としては、獣毛繊維及びフッ
素含有化合物と反応しうる官能基を2個以上有する化合
物であり、具体的には、イソシアネート化合物、エポキ
シ化合物、アミノホルムアルデヒド樹脂などを挙げるこ
とができるが、耐久性が出し易く、風合を損なわない点
でイソシアネート化合物が好ましい。
【0017】獣毛繊維に化学的または物理的に結合する
官能基を有する多官能化合物とは、水酸基、カルボキシ
ル基、アミノ基、スルホン酸基、ハロゲン基、ビニル基
などの官能基を有する化合物であり、具体的には多価フ
ェノール系化合物及びそのホルムアルデヒド縮合物など
が挙げられる。
【0018】本発明において、より耐久性を向上させる
ためには、浸透剤を併用することが好ましい。浸透剤と
しては、獣毛繊維表面をよくぬらすことができるもので
あればよいが、好ましくは、分子中にエーテル基やエス
テル基や水酸基を有する化合物であり、アルキレングリ
コールのモノアルキルエーテル化物やモノアルキルエス
テル化物などが挙げられる。
【0019】本発明におけるフッ素を含有する皮膜や反
応物を獣毛繊維の表面やスケールのすき間に形成せしめ
る方法としては、特に限定されず、一般的な獣毛繊維の
加工方法を採用することができ、例えば前記の構成成分
を配合した水系の加工液を獣毛繊維にパディングし、乾
燥、キュアリングする方法を採用することができる。本
発明において、獣毛繊維を予め獣毛繊維に物理的あるい
は化学的に結合する多官能性化合物で前処理しておくこ
とは、耐久性の点で好ましい。
【0020】本発明におけるフッ素を含有する皮膜で被
覆された獣毛繊維構造物は、帯電防止剤が存在しない状
態で、かつフッ素系化合物を主体とする疎水性の皮膜で
被覆されているにもかかわらず、摩擦による帯電圧が高
くならず、むしろ未加工の獣毛繊維よりも帯電圧を低く
することができ、制電性を発揮するのである。このこと
は、JIS L1094−1992のB法による20
℃、40%RH環境下での帯電圧T(ボルト)が下式
(1)の関係を満足することから明らかである。 T≦2(700−W)/F (1) W:獣毛繊維構造物目付(g/m2 )、但し、W≦45
0 F:X線光電子分析装置(ESCA)による獣毛繊維構
造物の表面の炭素、フッ素、酸素、窒素、硫黄の分析を
した時のフッ素量(%)。
【0021】また本発明における獣毛繊維構造物は、J
IS L1096−1992のE法(マンデール法)に
よる摩耗テスト後も撥水性の低下がほとんどなく、摩耗
回数10,000回以上でも、プレス処理をすれば撥水
性が100点を示し、さらには、摩耗回数20,000
回後でも100点を示すほどの耐久性を有する。
【0022】プレス処理は、JIS L1042−19
92のH−4法によるプレス処理が好ましいが、家庭の
アイロンでの羊毛用のアイロンがけの条件でもほぼ同等
の撥水性を発現させることが可能である。
【0023】本発明における獣毛繊維構造物が耐久性の
ある制電性や撥水撥油性等を示す理由は、フッ素を含有
する皮膜が、フッ素含有化合物と架橋性化合物とが過度
の反応をせずに柔軟性を保有し、かつ架橋性化合物が獣
毛繊維とフッ素含有化合物との結合に効率的に関与して
いるものと考えられる。また、皮膜を形成している反応
物が獣毛繊維のスケールの隙間にも入り込んで、スケー
ルをより効果的に被覆していることが耐久性に寄与して
いると考えられる。
【0024】皮膜が柔軟性を有するため、摩耗テストや
洗濯によっても皮膜の脱落が抑制され、洗濯などにより
脱落しかけても、皮膜はプレス処理で獣毛繊維に再付着
(結合)するため、耐久性の制電防汚性、撥水撥油性な
どを維持できるものと考えられる。
【実施例】
【0025】以下実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、これらの実施例によって本発明は何等制限され
るものではない。 実施例1及び2の加工剤 (A)フッ素含有化合物 パーフロロオクチルエチルアクリレート成分75部重量
%、ステアリルアクリレート成分10重量%、n−メチ
ロールアクリルアミド成分8重量%、グリシジルメタク
リレート成分7重量%によりなるパーフルオロアルキル
基含有共重合体(有効成分18%、以下FWP1と略
す)。
【0026】(B)架橋剤 トリメチロールプロパンにジフェニルメタンジイソシア
ネートを3モル付加した後、残りの3モルのイソシアネ
ート基をメチルエチルケトオキシムでブロックしたブロ
ックドシソシアネート化合物を水に分散させたブロック
ドイソシアネート架橋剤(有効成分30%、分散粒子径
0.5μm、以下BNCOと略す)。 (C)浸透剤 プロピレングリコールモノメチルエーテル(PMEと略
す)。
【0027】実施例1及び2 平織り(2/60×2/60、目付234g/m2 )と
綾織り(2/60×2/60、目付358g/m2 )の
羊毛織物を用い、下記に示すフッ素含有化合物及び架橋
剤、浸透剤からなる加工剤浴でパッド処理(絞り率:6
0%)した後、110℃で2分間乾燥後、160℃で2
分間硬化処理を行った。 (実施例1加工剤処方) FWP1 : 7部 BNCO : 2部 PGE : 4部 イオン交換水:87部
【0028】実施例2 実施例1と同じ羊毛織物を用い、多価フェノール・ホル
マリン重縮合物のスルホン酸化物2g/lで60℃、3
0分間前処理した後、水洗、乾燥し、次いで実施例1と
同様のフッ素含有化合物及び架橋剤、浸透剤からなる加
工剤浴でパッド処理(絞り率:60%)した後、110
℃で2分間乾燥後、160℃で2分間硬化処理を行っ
た。
【0029】比較例の加工剤 (D)フッ素系撥水撥油加工剤 パーフロロオクチルエチルアクリレート80重量%、2
−エチルヘキシルメタクリレート8重量%、2−アクリ
ロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸7
重量%、メチルメタクリレート5重量%よりなるパーフ
ルオロアルキル基含有共重合体(以下FWP2と略
す)。
【0030】(E)架橋剤 (E−1)架橋剤1 前出の架橋剤BNCO (E−2)架橋剤2 トリメチロールメラミン:住友化学工業(株)製 スミ
テックスレジンM−3(以下TMMと略す)。
【0031】(F)触媒 有機アミン塩酸塩:住友化学工業(株)製 スミテック
スアクセラレーターACX(以下SA と略す)。
【0032】(G)浸透剤 イソプロピルアルコール(以下IPAと略す) (H)帯電防止剤 デレクトールLKM−3(明成化学工業(株)製カチオ
ン系化合物。以下ASと略す)。 (I)エポキシ樹脂 グリセロールポリグリシジルエーテル;ナガセ化成工業
(株)製 デナコールEX313(以下GPEと略
す)。
【0033】比較例 実施例1および2と同じ羊毛織物を用い、下記に示す撥
水撥油処理処方でパッド処理(絞り率:60%)した
後、110℃で2分間乾燥後、160℃で2分間硬化処
理を行った。
【0034】比較例1 (比較例1の加工剤処方) FWP2 : 6部 BNCO : 1部 IPA : 3部 イオン交換水:90部
【0035】比較例2 (比較例2の加工剤処方) FWP2 : 6部 BNCO : 1部 IPA : 3部 AS : 2部 イオン交換水:88部
【0036】比較例3 (比較例3の加工剤処方) FWP2 : 6部 BNCO : 1部 TMM : 1部 SA : 0.4部 IPA : 3部 AS : 2部 イオン交換水:86.6部
【0037】比較例4 前処理として、羊毛織物を5%GPE溶液でパッド処理
(絞り率:60%)した後、110℃で2分間乾燥後、
160℃で2分間硬化処理を行い、次いで下記に示す撥
水撥油処理処方でパッド処理(絞り率:60%)した
後、110℃で2分間乾燥後、160℃で2分間硬化処
理を行った。 (比較例4の加工剤処方) FWP2 : 6部 BNCO : 1部 IPA : 3部 AS : 2部 イオン交換水:88部
【0038】JISドライクリーニング試験方法 JIS L1092−1992のドライクリーニング処
理に準じてドライクリーニング処理を繰り返し3回行っ
た後、タンブル乾燥を60℃で30分間行い、JDC3
とした。同様に6回繰り返したものをJDC6とした。
【0039】商業ドライクリーニング試験方法 市場の商業ドライクリーニング店にて通常のドライクリ
ーニングを依頼し商業ドライクリーニング試験とした。
処理条件は予洗として25℃のパークレン中で、1.5
分間処理し、次いで本洗としてカチオン系ソーピング剤
を0.3容量l%含んだ25℃のパークレン液中で5分
間処理、脱液後タンブル乾燥を60℃で15分間行っ
た。これを1サイクルとし、繰り返し3回行ったものを
SDC3、同様に6回繰り返したものをSDC6とし
た。
【0040】撥水性評価方法 JIS L1092−1992のスプレー試験により、
実施例、比較例の加工布の初期及びJDC3と6及びS
DC3と6の撥水性を評価した。撥水性の評価は表1に
基づいて行った。
【0041】
【表1】
【0042】撥油性評価方法 AATCC−118法により、実施例1〜2および比較
例1〜4の撥油性を比較した。
【0043】フッ素含有化合物の皮膜柔軟性試験方法 実施例1〜2および比較例1〜4の加工液をポリエチレ
ンフィルム上に塗布し、110℃で2分間乾燥、その後
160℃で2分間硬化処理を行い、厚さ約0.1mmの
フッ素含有化合物の皮膜を形成し柔軟性を比較した。
尚、各加工液は、加工処方から純水を除いた混合液を用
いた。
【0044】制電性評価方法 JIS L1094−1992のB法により、20℃,
40%RH環境下で、未加工布、実施例1〜2、比較例
1〜4の加工布の初期の帯電圧を測定し比較を行った。
【0045】摩耗、摩擦耐久性評価方法 JIS L1096−1992のE法(マーチンデール
法)により実施例、比較例の撥水撥油加工後の加工布に
ついて、2,000、5,000、10,000、2
0,000回の摩耗を行った後、撥水性を評価し、摩
耗,摩擦耐久性を比較した。さらに、摩耗後JIS L
1042−1992のH−4法によりプレス処理を行い
撥水性を評価した。
【0046】(表2)及び(表3)に実施例1および
2、比較例1〜4の初期及びドライクリーニング後の撥
水性を示す。これにより比較例1〜4に比べ本発明の実
施例1および2によるものが、JISドライクリーニン
グでも、商業ドライクリーニングにおいても撥水耐久性
が大幅に向上していることがわかる。
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】(表4)に実施例1および2、比較例1〜
4の撥油性を示す。これにより比較例に比べ本発明の実
施例1および2によるものは、優れた耐久性のある撥油
性を示す。
【0050】
【表4】
【0051】(表5)に実施例1および2、比較例1〜
4の皮膜形成性を示す。これにより比較例に比べ本発明
の実施例1および2によるものは、形成された皮膜の柔
軟性に優れていることがわかる。
【0052】フッ素含有化合物の皮膜形成性 作成した皮膜の状態を観察し、○:柔軟性がありなめら
かな皮膜のもの、×:皮膜が硬くひび割れが生じたも
の、で評価した。
【表5】
【0053】(表6)に実施例1および2、比較例1〜
4の帯電圧を示す。これにより比較例に比べ本発明の実
施例1および2によるものは、加工後の帯電圧が低く抑
えられ、加工前の布帛よりも低くなっていることがわか
る。
【0054】
【表6】
【0055】(表7)に実施例1および2の、ESCA
(島津製作所製X線光電子分析装置ESCA−850
型)による獣毛繊維表面のフッ素量(%)を求め、前記
の式(1)により帯電圧との関係を調べた。ここでフッ
素量(%)は、ESCAで加工布帛表面の炭素、フッ
素、酸素、窒素、硫黄の分析を行った時のフッ素含有量
(%)である。これにより、比較例1〜4の場合、式
(1)を満足せず、帯電圧が高くなっているのに対し、
実施例1〜2の場合は、式(1)を満足することがわか
る。
【0056】
【表7】
【0057】(表8)及び(表9)に実施例1および
2、比較例1〜4の摩耗、摩擦耐久性を示す。これによ
り比較例に比べ本発明の実施例1および2によるもの
は、摩耗、摩擦耐久性が非常に優れていることがわか
る。特に実施例1および2は、摩耗回数20,000回
後でもプレス処理後には100点となる。
【0058】
【表8】
【0059】
【表9】
【0060】
【発明の効果】本発明の獣毛繊維構造物は、フッ素を含
有する皮膜で獣毛繊維の単繊維の1本1本が被覆されて
いるので、通常の帯電防止剤を使用することなく制電性
と撥水撥油性とを両立させることができ、かつ従来の獣
毛繊維の撥水撥油性繊維構造物に比べドライクリーニン
グ、洗濯、着用時の摩耗、摩擦などに対する耐久性が格
段に優れる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 獣毛繊維の少なくとも表面がフッ素を含
    有する皮膜で被覆された獣毛繊維を有する獣毛繊維構造
    物であり、帯電防止剤が存在しない状態で、JIS L
    1094−1992のB法による20℃、40%RH環
    境下での帯電圧T(ボルト)が、下式(1)の関係を満
    足し、かつJIS L1096−1992のE法(マー
    チンデール法)による摩耗回数10,000回後の撥水
    性がプレス後に100点を示すことを特徴とする制電防
    汚性を有する撥水撥油性獣毛繊維構造物。 T≦2(700−W)/F (1) W:繊維構造物織物目付(g/m2)、但しW≦450 F:X線光電子分析装置(ESCA)により獣毛繊維構
    造物表面の炭素、フッ素、酸素、窒素、硫黄の分析をし
    た時のフッ素量(%)
  2. 【請求項2】 獣毛繊維を含む繊維構造物の獣毛繊維の
    内部又は/及び表面に、獣毛繊維と化学的または物理的
    に結合する官能基を2個以上持つ多官能化合物を結合さ
    せた後、該獣毛繊維の最外層表面を主としてフッ素含有
    化合物又は/及びフッ素含有化合物と反応しうる架橋性
    化合物との反応物で被覆させることを特徴とする制電防
    汚性を有する撥水撥油性繊維構造物の製造方法。
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JP (1) JPH1037074A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008202174A (ja) * 2007-02-21 2008-09-04 Ist Corp 撥水撥油性獣毛繊維製品

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