JPH08302571A - 制電性および撥水性を有する繊維布帛およびその製造方法 - Google Patents
制電性および撥水性を有する繊維布帛およびその製造方法Info
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Abstract
る繊維布帛を提供する。 【構成】 合成繊維表面に撥水剤および下記の成分、
およびのグラフト重合体よりなる皮膜、または撥水
剤よりなる皮膜および下記成分、およびのグラフ
ト重合体よりなる皮膜を有することを特徴とする制電性
および撥水性を有する繊維布帛およびその製造方法。 ポリオキシアルキレンジアクリレートもしくはジメ
タクリレート 水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スルホン酸基
またはリン酸基を含む単量体 アジリジン基を含む単量体またはアジリジン基を2
個以上含む多官能性単量体
Description
有する繊維布帛およびその製造方法に関するものであ
る。
発揮するほどその疎水性が強力であるものは数少なく、
撥水機能を発揮できるものとしてはパーフルオロエチレ
ン繊維よりなる繊維構造物が挙げられる程度である。従
って、通常、合成繊維構造物にパーフルオロアルキル基
を主要構成成分として含む有機化合物を付与し、熱処理
することによって撥水性能の付与が行われる。しかし、
合成繊維構造物、特にこれらの撥水加工物は、一般に、
静電気を蓄積し易い性質を持ち、衣類のまとわりつき、
ほこりの吸着、火花放電等の諸現象が起こり易く、縫製
時や着用時に障害になることが多い。また、時には、高
電圧で帯電し、その放電により着用者に不快感を与える
こともある。
のこのような欠点を取り除くため、従来、フッ素系撥水
剤にカチオン系帯電防止剤、非イオン系帯電防止剤、有
機アミン塩、無機塩等の水系帯電防止剤を、撥水加工剤
と併用する方法が、通常行われている。しかし、これら
の水系帯電防止剤は、良好な初期制電性能を示すが、洗
濯耐久性に劣るものであった。
は親水性であり、その吸湿作用により静電気を蓄積しに
くいが、洗濯耐久性の良好な撥水性能を付与することは
困難であった。このように、繊維布帛に洗濯耐久性のあ
る制電性と撥水性を同時に付与することは、非常に困難
であり、従来においては満足すべき性能の繊維布帛を与
えることのできる処理方法は存在しなかった。
の如き従来技術の問題点を解消し、洗濯耐久性のある制
電性および撥水性を有する繊維布帛を提供することにあ
る。
決するため、合成繊維表面に撥水剤および下記の成分
、およびのグラフト重合体よりなる皮膜、または
撥水剤よりなる皮膜および下記成分、およびのグ
ラフト重合体よりなる皮膜を有することを特徴とする制
電性および撥水性を有する繊維布帛を提供する。 下記一般式(1)で示される2官能性単量体
2 −,−C(CH3 )2 −,−SO2 −または−Cn H
2n−(ここでnは1〜6の整数を表す)を表し、ZはH
または−CH3 を表し、aおよびbはそれぞれa+bが
0〜50となるような0または正の整数であり、xおよ
びyはそれぞれx+yが0〜30となるような0または
正の整数である。ただし、a+b+x+yは10以上で
あるものとする。〕 水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スルホン酸基
またはリン酸基を含む単量体 アジリジン基を含む単量体またはアジリジン基を2
個以上含む多官能性単量体 本発明の繊維布帛においては、撥水剤と上記成分〜
のグラフト重合体よりなる薄い皮膜、または撥水剤の皮
膜と上記成分〜のグラフト重合体よりなる薄い皮膜
が布帛を構成する繊維表面を包み込んでいるので、この
表面重合体皮膜は水にもはや溶解乃至脱落することがな
く、洗濯耐久性のあるものとなる。
成繊維とは、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどの
一般の合成繊維である。これらの合成繊維は、木綿、レ
ーヨン、麻などのセルロース繊維、アセテート、トリア
セテートなどの半合成繊維等の各種繊維との混紡または
混繊品であってもよい。そのような繊維の布帛は、織
物、編物、不織布などの形態にあってよい。
法により製造することができる。すなわち、第1の方法
は、撥水剤の水溶液に上記の成分、およびを添加
して得られた処理液を繊維布帛に付与し、この布帛上で
重合させて、布帛を構成する合成繊維表面に架橋性被膜
を形成させる方法である(以下、A法という)。第2の
方法は、上記の成分、およびを含む水性処理液を
繊維布帛に付与し、この布帛上で重合させて、布帛を構
成する合成繊維表面に架橋性被膜を形成させた後、さら
にこの布帛を撥水剤を含む水系および/または溶剤系処
理液で処理する方法である(以下、B法という)。
分、およびを添加して得られた処理液を繊維布帛
に付与した後、この布帛上で重合させて、布帛を構成す
る合成繊維表面に架橋性被膜を形成させた後、さらにこ
の布帛を撥水剤を含む溶剤系処理液で処理する方法であ
る(以下、C法という)。上記のB法およびC法で用い
られる撥水剤の水性処理液には、一般に用いられる撥水
加工のための処理液と同様に、通常の架橋剤や帯電防止
剤が添加されていてもよい。
の単量体がラジカル重合によって撥水剤とともにグラ
フト重合して、布帛を構成する繊維の表面および/また
は表面に近い内部に、不溶性の架橋性皮膜が形成され
る。また、B法によれば、成分〜の単量体がラジカ
ル重合によってグラフト重合して、布帛を構成する繊維
の表面および/または表面に近い内部に、不溶性の架橋
皮膜が形成され、さらにその皮膜の外側に撥水剤と架橋
剤などによるもう1つの不溶性皮膜を形成される。
体がラジカル重合によって撥水剤とともにグラフト重合
して、布帛を構成する繊維の表面および/または表面に
近い内部に、不溶性の架橋性皮膜が形成され、さらにそ
の皮膜の外側に撥水剤と架橋剤などによるもう1つの不
溶性皮膜が形成される。このような手法による皮膜形成
により、数十回の家庭洗濯に耐え得る、繊維構造物の撥
水加工が可能であり、また本発明の方法では、合成繊維
の欠点である帯電し易いといった欠点も同時に解消する
ことができる。さらに、制電性に関しても非常に良好な
洗濯耐久性が得られる。
は、例えば、
えば、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン
酸、マレイン酸、イタコン酸、クルトン酸、ビニルスル
ホン酸、2−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンス
ルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒド
ロキシプロピルメタクリレート、
は、例えば、
成分,およびの化合物とラジカル重合触媒および
/または撥水剤とを含む水溶液を、布帛を構成する繊維
構造物に付与した後、コールドバッチ処理、乾熱処理、
蒸気処理、電子線照射、紫外線照射またはマイクロ波照
射などにより重合を行わせる方法がある。
10重量%の範囲であるのがよく、また成分:成分
:成分の割合は1:0.1〜1:0.1〜1の範囲
であるのが好ましい。溶媒としては、水または水と可溶
性の溶媒(アルコール類、ジメチルホルムアミド、アセ
トン、ジメチルスルホキシドなど)の混合溶媒が使用で
きる。ラジカル重合触媒としては、水溶性もしくは水不
溶性の過酸化物やアゾ化合物が用いられる。上記成分
〜の単量体混合物が水に易溶でない場合は、非イオ
ン、アニオンなどの界面活性剤を添加してもよい。
ものが広く使用でき、特にパーフルオロアルキル基を主
要構成成分とするものが好ましい。撥水剤は、布帛を構
成する繊維構造物に対して0.05〜5重量%、好まし
くは0.1〜2.0重量%の量で付与されるのがよい。
本発明において、撥水性能の洗濯耐久性を向上させるた
めに使用される架橋剤としては、公知のものが広く使用
でき、アミノプラスト樹脂、前述した成分の単量体と
同じ化合物などを用いるのが好ましい。適当なアミノプ
ラスト樹脂としては、例えば、ジメチロールジヒドロキ
シエチレン尿素、トリアゾンホルムアルデヒド、尿素ホ
ルムアルデヒド、エチレン尿素ホルムアルデヒドやその
他のN−メチロール化合物、N−メチロールエーテル化
合物などが挙げられ、硬化触媒としてアミン塩または金
属塩等を使用するのが好ましい。架橋剤は、布帛を構成
する繊維構造物に対して、0.05〜5重量%の量で用
いるのがよく、アミノプラスト樹脂を使用する場合には
硬化触媒として有機アミン塩等をアミノプラスト樹脂に
対して50〜100重量%の量で加えるのが好ましい。
架橋剤を使用することによって、撥水性能の洗濯耐久性
が顕著に向上する。
公知のものを広く使用することができ、例えば、塩化カ
ルシウム等の無機塩類、グアニジン塩等の有機塩類、第
4級アンモニウム塩やアミン塩等のカチオン系帯電防止
剤、有機リン酸エステル塩やスルホン酸塩等のアニオン
系帯電防止剤、エチレンオキサイド付加型の非イオン系
帯電防止剤などが挙げられる。このような帯電防止剤
は、布帛を構成する繊維構造物に対して0.01〜5重
量%、特に0.1〜1重量%の量で用いられるのが好ま
しい。
水剤による皮膜は布帛を構成する繊維構造物を包み込ん
でおり、これにより撥水剤に基づく良好な撥水性が得ら
れるとともに、グラフト重合体の吸湿作用により安定し
た制電性が得られる。
が、本発明はこれらの例によって限定されるものではな
い。例中おける、処理繊維製品の評価には、下記の試験
方法を用いた。 (1)洗濯試験 JIS L−0217 103法 (2)撥水度試験 JIS L−1092 スプレー法 (3)制電性試験 摩擦帯電圧 JIS L−1094 B法 実施例1(A法) 下記組成の処理液を調製した。
率70%で含浸させ、水蒸気処理を110℃の温度で1
0分間行った後、湯洗、乾燥およびセットを行い、実施
例1の製品を得た。
率70%で含浸させ、水蒸気処理を110℃で10分間
行い、湯洗および乾燥を行った。その後、上記処方3の
処理液を絞り率70%で含浸させ、100℃の温度で1
分間乾燥した後、160℃の温度で1分間の熱処理を行
い、実施例2の製品を得た。
率70%で含浸させ、水蒸気処理を110℃で10分間
行い、湯洗および乾燥を行った。その後、上記処方4の
処理液を、絞り率70%で含浸させ、100℃の温度で
1分間乾燥した後、160℃の温度で1分間の熱処理を
行い、実施例3の製品を得た。
以外は、実施例1と同様にして、比較例1の製品を得
た。 比較例2 実施例2の処方2による処理を行わず、処方3による処
理のみを行ったこと以外は、実施例2と同様にして、比
較例2の製品を得た。
理のみを行ったこと以外は、実施例3と同様にして、比
較例3の製品を得た。上記により得られた各製品を、前
述の試験方法により評価した結果を下記の表1に示す。
〜3)は、比較例1の布帛に比べて、良好な撥水性を有
し、かつ、比較例2および3の布帛に比べて、洗濯耐久
性のある制電性を有していることがわかる。
性を有する布帛は、非常に優れた制電性および撥水性の
洗濯耐久性を有するものであり、また本発明の方法によ
れば、このような優れた特徴を有する布帛を、効率よく
製造することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 合成繊維表面に撥水剤および下記の成分
、およびのグラフト重合体よりなる皮膜、または
撥水剤よりなる皮膜および下記成分、およびのグ
ラフト重合体よりなる皮膜を有することを特徴とする制
電性および撥水性を有する繊維布帛。 下記一般式(1)で示される2官能性単量体 【化1】 〔上式中、Rは直接結合された−CH2 −,−C(CH
3 )2 −,−SO2 −または−Cn H2n−(ここでnは
1〜6の整数を表す)を表し、ZはHまたは−CH3 を
表し、aおよびbはそれぞれa+bが0〜50となるよ
うな0または正の整数であり、xおよびyはそれぞれx
+yが0〜30となるような0または正の整数である。
ただし、a+b+x+yは10以上であるものとす
る。〕 水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スルホン酸基
またはリン酸基を含む単量体 アジリジン基を含む単量体またはアジリジン基を2
個以上含む多官能性単量体 - 【請求項2】 撥水剤の水溶液に請求項1に記載した成
分、およびを添加して得られた処理液を繊維布帛
に付与し、この布帛上で重合させることを特徴とする制
電性および撥水性を有する繊維布帛の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載した成分、および
を含む水性処理液を繊維布帛に付与し、この布帛上で重
合させた後、さらにこの布帛を撥水剤を含む水系および
/または溶剤系処理液で処理することを特徴とする制電
性および撥水性を有する繊維布帛の製造方法。 - 【請求項4】 撥水剤の水溶液に請求項1に記載した成
分、およびを添加して得られた処理液を繊維布帛
に付与し、この布帛上で重合させた後、さらにこの布帛
を撥水剤を含む溶剤系処理液で処理することを特徴とす
る制電性および撥水性を有する繊維布帛の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10968895A JP3615827B2 (ja) | 1995-05-08 | 1995-05-08 | 制電性および撥水性を有する繊維布帛およびその製造方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08302571A true JPH08302571A (ja) | 1996-11-19 |
JP3615827B2 JP3615827B2 (ja) | 2005-02-02 |
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ID=14516677
Family Applications (1)
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JP10968895A Expired - Lifetime JP3615827B2 (ja) | 1995-05-08 | 1995-05-08 | 制電性および撥水性を有する繊維布帛およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002339237A (ja) * | 2001-05-22 | 2002-11-27 | Teijin Ltd | 機能の耐久性に優れたポリエステル繊維 |
JP2007210168A (ja) * | 2006-02-08 | 2007-08-23 | Komatsu Seiren Co Ltd | シリコーンシートおよびその製造方法 |
JP2008274492A (ja) * | 2007-05-02 | 2008-11-13 | Komatsu Seiren Co Ltd | 車両内装用布帛およびカーシート用表皮材 |
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JP2013072165A (ja) * | 2011-09-29 | 2013-04-22 | Unitika Trading Co Ltd | 防汚性布帛およびその製造方法 |
CN116289204A (zh) * | 2023-04-12 | 2023-06-23 | 潮州市丹辉婚纱礼服有限公司 | 一种抗静电透湿涤纶面料的制备方法和应用 |
-
1995
- 1995-05-08 JP JP10968895A patent/JP3615827B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN116289204B (zh) * | 2023-04-12 | 2023-10-13 | 潮州市丹辉婚纱礼服有限公司 | 一种抗静电透湿涤纶面料的制备方法和应用 |
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