JPH1036686A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH1036686A
JPH1036686A JP21214096A JP21214096A JPH1036686A JP H1036686 A JPH1036686 A JP H1036686A JP 21214096 A JP21214096 A JP 21214096A JP 21214096 A JP21214096 A JP 21214096A JP H1036686 A JPH1036686 A JP H1036686A
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metal alkoxide
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JP21214096A
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English (en)
Inventor
Natsuki Yamazaki
夏希 山崎
Fusamitsu Kitada
房充 北田
Masaaki Motai
政明 馬渡
Hisao Nagai
久男 永井
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、剛性、成形品表面外観に優れ、広範
囲の用途に使用し得る樹脂組成物を得ること。 【解決手段】 (A)樹脂と、(B)一般式(I)M
(OR1 n 〔式中、Mは金属元素、R1 はアルキル基
またはアシル基、nは1〜7の整数である〕で表される
金属アルコキシドおよび/または一般式(II) R2 m
(OR1 l 〔式中、M、R1 は一般式(I)に同じ、
2 は有機基、mは1〜6の整数、lは1〜6の整数で
ある〕で表される有機金属アルコキシド、あるいはこれ
らの縮合物とを溶融混練りして得られる樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、剛性、成
形品表面外観に優れた樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ナイロン6、ナイロン6,6、ナ
イロン4,6、ナイロン12などのポリアミド系樹脂、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ートなどのポリエステル樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリ
オレフィン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ABS樹脂、AS
樹脂、HIPS、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂
は、種々の優れた特性を持っており、これらの特性を生
かして、プラスチック製品、フィルム、車両分野、OA
・家電分野、レジャー・スポーツ分野、電気・電子分
野、雑貨などの幅広い分野に使用されている。しかしな
がら、利用分野によっては、耐熱性、剛性が劣るなどの
問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、耐熱性、剛性、成形
品表面外観に優れ、広範囲の用途に使用し得る樹脂組成
物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)樹脂
と、(B)一般式(I)で表される金属アルコキシド M(OR1 n ・・・・・(I) 〔式中、Mは金属元素、R1 はアルキル基またはアシル
基、nは1〜7の整数である〕および/または一般式
(II) で表される有機金属アルコキシド R2 m M(OR1 l ・・・・・(II) 〔式中、M、R1 は一般式(I)に同じ、R2 は有機
基、mは1〜6の整数、lは1〜6の整数である〕の縮
合物とを主成分とする樹脂組成物を提供するものであ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施態様は、次
の〜のとおりである。 (A)樹脂40〜99重量%と、(B)上記一般式
(I)で表される金属アルコキシドおよび/または上記
一般式(II) で表される有機金属アルコキシドの縮合物
60〜1重量%〔ただし、(A)+(B)=100重量
%〕とを主成分とし、かつ(B)成分の少なくとも一部
が(A)成分中に粒子状に分散している樹脂組成物。 (A)樹脂40〜99重量%と、(B)上記一般式
(I)で表される金属アルコキシドおよび/または上記
一般式(II) で表される有機金属アルコキシド、あるい
はこれらの縮合物60〜1重量%〔ただし、(A)+
(B)=100重量%〕とを、溶融混練りする上記樹脂
組成物の製造方法。
【0006】本発明の(A)樹脂としては、公知の熱可
塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂が使用される。こ
のうち、熱可塑性樹脂としては、(ゴム変性)スチレン
系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリ
フェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル系樹
脂、POM、ポリスルホン、熱可塑性ポリウレタン、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリ塩化ビニル系樹脂、液
晶ポリマーなどが挙げられ、これらは、1種単独で使用
することも、あるいは2種以上を混合して用いることも
できる。また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン、尿素
樹脂、フェノール樹脂、ポリカルボジイミドなどが挙げ
られ、これらは、1種単独で使用することも、あるいは
2種以上を混合して用いることもできる。本発明の
(A)樹脂として好ましいものは、(ゴム変性)スチレ
ン系樹脂(a)、または(ゴム変性)スチレン系樹脂
(a)と他の樹脂との組成物である。
【0007】本発明の(ゴム変性)スチレン系樹脂
(a)としては、ゴム状重合体の存在下または非存在下
に、芳香族ビニル化合物または芳香族ビニル化合物およ
び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル系単量
体からなる単量体成分を(グラフト)重合してなる(グ
ラフト)重合体、またはそれと上記単量体成分の(共)
重合体の混合物である。ここで使用されるゴム状重合体
としては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ブ
チルゴム、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン含
量5〜60重量%が好ましい)、スチレン−イソプレン
共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エ
チレン−α−オレフィン系共重合体、エチレン−α−オ
レフィン−ポリエン共重合体、シリコーンゴム、アクリ
ルゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレ
ン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体、水素化ブタジエン系重合体、エチレン系
アイオノマーなどが挙げられる。
【0008】なお、上記スチレン−ブタジエンブロック
共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体に
は、AB型、ABA型、テーパー型、ラジアルテレブロ
ック型の構造を有するものなどが含まれる。また、上記
水素化ブタジエン系重合体には、上記ブロック共重合体
の水素化物のほかに、スチレンブロックとスチレン−ブ
タジエンランダム共重合体のブロック体の水素化物、ポ
リブタジエン中の1,2−ビニル結合含量が20重量%
以下のブロックと、1,2−ビニル結合含量が20重量
%を超えるポリブタジエンブロックからなる重合体の水
素化物などが含まれる。これらのゴム状重合体は、1種
単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用
いることもできる。
【0009】(ゴム変性)スチレン系樹脂(a)に使用
される芳香族ビニル化合物としては、スチレン、t−ブ
チルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、
N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、N,N
−ジエチル−p−アミノメチルスチレン、ビニルピリジ
ン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジクロロス
チレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、フル
オロスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレンなど
が挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ま
しい。これらの芳香族ビニル化合物は、単独であるいは
2種以上混合して用いられる。
【0010】また、他のビニル系単量体としては、アク
リロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニ
ル化合物;メチルアクリレート、エチルアクリレート、
プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミノア
クリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシル
アクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリ
レートなどのアクリル酸エステル;メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、
ブチルメタクリレート、アミノメタクリレート、ヘキシ
ルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレ
ート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリ
レート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレ
ートなどのメタクリル酸エステル;無水マレイン酸、無
水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和酸無水
物;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸;マレイ
ミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、
N−(p−メチルフェニル)マレイミド、N−フェニル
マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのα,
β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物;グリシジルメ
タクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキ
シ基含有不飽和化合物;アクリルアミド、メタクリルア
ミドなどの不飽和カルボン酸アミド;アクリルアミン、
メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸アミノエーテ
ル、メタクリル酸アミノプロピル、アミノスチレンなど
のアミノ基含有不飽和化合物;3−ヒドロキシ−1−プ
ロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒド
ロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−
ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、ヒドロキシスチレンなどの水酸基
含有不飽和化合物;ビニルオキサゾリンなどのオキサゾ
リン基含有不飽和化合物などが挙げられる。これらの他
のビニル系単量体は、1種単独で使用することも、ある
いは2種以上を混合して用いることもできる。
【0011】芳香族ビニル化合物と共重合可能な上記他
のビニル系単量体の中で特に好ましいものは、シアン化
ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル、不飽和無
水物、不飽和酸、α,β−不飽和ジカルボン酸のイミド
化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、および水酸基含
有不飽和化合物の群から選ばれた少なくとも1種の単量
体である。特に好ましい他のビニル系単量体の具体例と
しては、アクリロニトリル、メタクリル酸、メチルメタ
クリレート、無水マレイン酸、N−フェニルマレイミ
ド、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル
メタクリレートなどが挙げられる。なお、上記α,β−
ジカルボジイミド酸のイミド化合物共重合体において、
上記芳香族ビニル化合物と上記不飽和酸無水物との共重
合体を、後イミド化(完全または部分)したものも、
(ゴム変性)スチレン系樹脂(a)に含まれる。以上の
(ゴム変性)スチレン系樹脂(a)は、1種単独で使用
することも、あるいは2種以上を混合して用いることも
できる。
【0012】なお、ゴム変性スチレン系樹脂(a)のグ
ラフト体のグラフト率は、20〜150重量%の範囲に
あることが、本発明の目的を達成する上で好ましい。こ
こでグラフト率とは、ゴム変性スチレン系樹脂(a)中
のゴム量に対し、ゴム状重合体に直接グラフト結合して
いる(共)重合体成分の割合をいう。このグラフト率
は、重合開始剤量、重合温度などによって制御すること
ができる。このグラフト率の具体的な求め方は、まずゴ
ム変性スチレン系樹脂2gを室温のアセトンに投入し、
充分撹拌し、不溶解分(w)を求める。一方、不溶解分
(w)中のゴム状重合体量は、重合処方をもとに算出す
ることができる。この算出されたゴム状重合体総量をR
とし、次式よりグラフト率を求める。 グラフト量(重量%)=〔(w−R)/R〕×100
【0013】また、上記(ゴム変性)スチレン系樹脂の
メチルエチルケトン可溶分(マトリックス成分)の固有
粘度(メチルエチルケトンを溶媒として30℃で測定)
は、0.2〜0.8dl/gが好ましく、さらに好まし
くは0.3〜0.7dl/gである。このマトリックス
成分の固有粘度は、連鎖移動剤や重合開始剤の種類・
量、重合温度を適宜選択することにより、容易に調整す
ることができる。本発明の(ゴム変性)スチレン系樹脂
(a)は、公知の重合法である乳化重合、懸濁重合、塊
状重合、溶液重合などで得ることができるが、好ましく
は乳化重合、懸濁重合である。さらに、(ゴム変性)ス
チレン系樹脂(a)にゴム状重合体を用いた場合、
(a)成分に分散したゴム状重合体の平均粒子径は、2
μm以下が好ましく、さらに好ましくは1μm以下、特
に好ましくは0.05〜0.5μmである。また、本発
明の(ゴム変性)スチレン系樹脂(a)におけるゴム状
重合体の使用量は、40重量%以下が好ましく、さらに
好ましくは20重量%以下、特に好ましくは15重量%
以下である。なお、耐衝撃性の面からは、5〜40重量
%が好ましい。
【0014】一方、(A)樹脂に用いられるポリアミド
の好ましい例は、ナイロン6,6、ナイロン6,9、ナ
イロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン6、ナイ
ロン12、ナイロン11、ナイロン4,6などが挙げら
れる。また、ナイロン6/6,6、ナイロン6/6,1
0、ナイロン6/12、ナイロン6/6,12、ナイロ
ン6/6,6/6,10、ナイロン6/6,6/ナイロ
ン12などの共重合ポリアミド類も使用できる。さら
に、ナイロン6/6,T(T;テレフタル酸成分)、テ
レフタル酸、イソフタル酸のような芳香族ジカルボン酸
とメタキシリレンジアミン、あるいは脂環族ジアミンか
ら得られる半芳香族ポリアミド類、メタキシリレンジア
ミンと上記線状ジカルボン酸から得られるポリアミド
類、ポリエステルアミドなどを用いることもできる。な
お、ポリアミド樹脂は、1種単独で使用することも、あ
るいは2種以上を混合して用いることもできる。
【0015】また、熱可塑性ポリエステル樹脂の具体例
としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ
リブチレンテレフタレート(PBT)、ビスフェノール
Aイソフタレートなどが挙げられ、なかでもPBT、P
ETが好ましい。これらの熱可塑性ポリエステル樹脂
は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混
合して用いることもできる。
【0016】さらに、ポリオレフィン系樹脂としては、
エチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン
−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−
1などのα−オレフィン単独重合体やこれらの共重合体
が挙げられる。代表例としては、高密度、中密度、低密
度ポリエチレンや、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分
子量ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリル酸エチレン共重合体などのポリエチレ
ン類、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブ
ロー共重合体あるいはランダム共重合体、プロピレン−
エチレン−ジエン共重合体などのポリプロピレン類、ポ
リブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1などを挙げ
ることができる。これらの中で、結晶性ポリエチレンお
よび結晶性ポリプロピレンが好ましく、特に結晶性ポリ
プロピレンが好ましい。
【0017】結晶性ポリプロピレンとしては、例えば結
晶性を有するアイソタクチックプロピレン単独重合体
や、エチレン単位の含有量の少ないエチレン−プロピレ
ン共重合体からなる共重合部とから構成された、いわゆ
るプロピレンブロック共重合体として市販されている実
質上、結晶性のプロピレンとエチレンとのブロック共重
合体、あるいはこのブロック共重合体における各ホモ重
合部または共重合部が、さらにブテン−1などのα−オ
レフィンを共重合したものからなる実質上、結晶性のプ
ロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体などが好
ましく挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂は、
メルトインデックス(MI)が0.01〜60g/10
分にあるものが好ましく、0.01〜20g/10分に
あるものが特に好ましい。
【0018】これらのポリオレフィン系樹脂は、1種単
独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用い
ることもできる。このポリオレフィン系樹脂は、得られ
る組成物の引張靱性および耐衝撃性と、耐薬品性のバラ
ンスを考慮して、オレフィン系樹脂と上記ゴム質重合体
の混合物であってもよい。なかでも、結晶性ポリプロピ
レンとエチレンプロピレンゴムの組み合わせが好まし
い。これらを配合する場合の重量配合比(オレフィン系
樹脂/ゴム質重合体)は、機械的物性と耐薬品性とのバ
ランスを考慮に入れて、100/0〜60/40が好ま
しく、90/10〜70/30が特に好ましい。
【0019】さらに、(A)樹脂として用いられるポリ
カーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物またはその
変性物を用いて公知の重合法である、ホスゲン法やエス
テル交換法で得られるものである。好ましい芳香族ジヒ
ドロキシ化合物としては、ジヒドロキシジフェニルスル
ホン、ビスフェノールAなどが挙げられる。さらに、ポ
リフェニレンエーテル系樹脂は、ポリフェニレンエーテ
ル、ポリフェニレンエーテルとポリスチレンおよび/ま
たは耐衝撃性ポリスチレンとの組成物である。
【0020】本発明の樹脂組成物中における(A)樹脂
の使用量は、(A)〜(B)成分中に、好ましくは40
〜99重量%、さらに好ましくは45〜95重量%、特
に好ましくは60〜95重量%である。40重量%未満
では、成形品表面外観が劣り、一方99重量%を超える
と、剛性が劣る。
【0021】次に、本発明の樹脂組成物を構成する
(B)成分は、一般式(I)で表される金属アルコキシ
ド、一般式(II) で表される有機金属アルコキシドであ
る。ここで、一般式(I)〜(II) におけるR1 のアル
キル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好まし
い。例えば、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル
基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、
t−ブチル基、n−ペンチル基などが挙げられる。ま
た、R1 のアシル基としては、炭素数1〜4のアシル基
が好ましく、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチ
ニル基などが挙げられる。
【0022】また、一般式(II) におけるR2 の有機基
としては、炭素数1〜8の有機基が好ましく、例えばメ
チル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、
n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n
−オクチル基などのアルキル基;3−フルオロプロピル
基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリクロロプ
ロピル基などのハロゲン化アルキル基;2−メルカプト
プロピル基などのメルカプト基含有アルキル基;2−ア
ミノエチル基、2−ジメチルアミノエチル基、3−アミ
ノプロピル基、3−ジメチルアミノプロピル基などのア
ミノ基含有アルキル基;フェニル基、メチルフェニル
基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシ
フェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基な
どのアリール基;ベンジル基などのアラルキル基;2−
グリシドキシエチル基、3−グリシドキシプロピル基、
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基など
のエポキシ基含有有機基;ビニル基、3−(メタ)アク
リルオキシプロピル基などの不飽和基含有有機基などが
挙げられる。
【0023】さらに、一般式(I)および(II) におけ
る金属元素Mとしては、これらの式の構造を取り得る、
以下に例示する金属元素が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。例えば、B、Al、Ca、In、
TlなどのIII B族、C、Si、Ge、Sn、Pbなど
のIVB族、Ti、Zr、Zn、Ca、Na、Li、T
e、Mg、Ni、Cr、Ba、Ta、Mo、Tb、Cs
などから選ばれた少なくとも1種の金属元素が挙げられ
る。これらの中では、Al、In、Siが好ましく、S
iがさらに好ましい。
【0024】本発明の金属アルコキシドおよび有機金属
アルコキシドの金属元素として、Siを用いた場合の具
体例を以下に例示するが、これらの例示に限定されるも
のではない。すなわち、テトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テト
ラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラ
ン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブ
トキシシラン、テトラ−t−ブトキシシランなどのテト
ラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、
エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシ
シラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピ
ルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラ
ン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロ
ロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロ
ロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロ
ロプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキ
シシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリル
オキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アク
リルオキシプロピルトリエトキシシランなどのトリアル
コキシシラン類、ジメチルジメトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチ
ルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラ
ン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロ
ピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシ
ラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエト
キシシランなどのジアルコキシシラン類;テトラアセチ
ルオキシシラン、テトラプロピオニルオキシシランなど
のテトラアシルオキシシラン類;メチルトリアセチルオ
キシシラン、エチルトリアセチルオキシシランなどのト
リアシルオキシシラン類;ジメチルジアセチルオキシシ
ラン、ジエチルジアセチルオキシシランなどのジアシル
オキシシラン類などが挙げられる。これらの金属アルコ
キシドおよび/または有機金属アルコキシドのうち、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランが好ま
しい。
【0025】本発明の(B)成分に用いられる金属アル
コキシドおよび有機金属アルコキシドの縮合物は、ゾル
−ゲル法によって得られる。本発明の縮合物を得る手段
として、例えば有機金属アルコキシドの場合の縮合反応
を以下に示す。 M(OR1 n +nH2 O(加水分解)→ M(OH)n +nR1 OH M(OH)n →M(OH)l m →MO2/m(縮合物) (式中、Mは金属元素、l、m、nは任意の数値であ
る。)
【0026】なお、本発明において、上記金属アルコキ
シドおよび/または有機金属アルコキシドの加水分解反
応および/または縮合反応を促進するために、下記金属
キレート化合物を使用することもできる。この金属キレ
ート化合物としては、例えば Zr(OR3 p (R4 COCHCOR5 4-p 、 Ti(OR3 q (R4 COCHCOR5 4-q 、 Al(OR3 r (R4 COCHCOR5 4-r で表される化合物の群から選ばれた少なくとも1種、あ
るいはこれらの部分加水分解物が挙げられる。
【0027】上記式中、R3 およびR4 は同一または異
なり、炭素数1〜6の有機基を示し、R5 は炭素数1〜
6の有機基または炭素数1〜16のアルコキシ基を示
し、pおよびqは0〜3の整数、rは0〜2の整数であ
る。ここで、R3 〜R4 の炭素数1〜6の有機基として
は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブ
チル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル
基、フェニル基などが挙げられる。また、R5 の炭素数
1〜16のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、
エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n
−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、
t−ブトキシ基などが挙げられる。これらのR3 、R4
あるいはR5 が2個以上存在する場合、それぞれ相互い
同一でも異なっていてもよい。
【0028】このような金属キレート化合物の具体例と
しては、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトアセテート
ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセト
アセテート)ジルコニウム、n−ブトキシ・トリス(エ
チルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n
−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキ
ス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス
(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコ
ニウムキレート化合物;ジ−i−プロポキシ・ビス(エ
チルアセトアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキ
シ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジ−i−
プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム
などのチタニウムキレート化合物;ジ−i−プロポキシ
・エチルアセトアセテートアルミニウム、ジ−i−プロ
ポキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、i−プロ
ポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウ
ム、i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ア
ルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミ
ニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウ
ム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトア
セテート)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化
合物などを挙げることができる。これらの金属キレート
化合物のうち、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトアセ
テートジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセ
チルアセトナート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・
エチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチル
アセトアセテート)アルミニウムが好ましい。
【0029】これらの金属キレート化合物は、1種単独
で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いる
こともできる。金属キレート化合物の使用量は、金属ア
ルコキシド〔一般式(I)〕および/または有機金属ア
ルコキシド〔一般式(II) 〕100重量部に対し、通
常、30重量部以下、好ましくは20重量部以下、さら
に好ましくは10重量部以下である。30重量部を超え
ると、成形品表面外観が低下する傾向にある。
【0030】なお、本発明の(B)成分を構成する金属
アルコキシドおよび/または有機金属アルコキシド(あ
るいはこれらの縮合物)には、得られる樹脂組成物の剛
性を高める目的で、コロイド状シリカおよび/またはコ
ロイド状アルミナを配合することができる。上記コロイ
ド状シリカとは、高純度の無水ケイ酸を、水および/ま
たは親水性有機溶媒に分散した分散液であり、その平均
粒径は、通常、5〜100nm、好ましくは10〜50
nmで、固形分濃度は、通常、10〜40重量%程度の
ものである。このようコロイド状シリカとしては、例え
ばスノーテックス、イソプロパノールシリカゾル、メタ
ノールシリカゾル〔以上、日産化学工業(株)製〕、カ
タロイド、オスカル〔以上、触媒化成工業(株)製〕、
Ludex〔米国デュポン社製〕、Syton〔米国モ
ンサント社製〕、Nalcoag〔米国ナルコケミカル
社製〕などの商品名で市販されている。
【0031】また、上記コロイド状アルミナは、通常、
水を分散媒とする、pH2〜6の範囲のアルミナゾル、
あるいは親水性有機溶媒を分散媒とするアルミナゾルで
あり、その平均粒径は、通常、5〜200nm、好まし
くは10〜100nmで、固形分濃度は、通常、5〜3
0重量%程度である。アルミナとして、例えば合成アル
ミナ、ベーマイト、擬ベーマイトなどを使用することが
できる。このようなコロイド状アルミナは、例えばアル
ミナゾル−100、アルミナゾル−200、アルミナゾ
ル−520〔以上、日産化学工業(株)製〕などの商品
名で市販されている。これらのコロイド状シリカおよび
コロイド状アルミナは、1種単独で使用することも、あ
るいは2種以上を混合して用いることもできる。これら
のコロイド状シリカおよびコロイド状アルミナの合計配
合量は、上記金属アルコキシドおよび/または有機金属
アルコキシドの縮合物の固形分100重量部に対し、固
形分換算で、通常、60重量部以下、好ましくは40重
量部以下である。60重量部を超えると、得られる樹脂
組成物の成形品表面外観が劣る傾向にある。
【0032】(B)成分(上記金属アルコキシドおよび
/または有機金属アルコキシドの縮合物)は、その少な
くとも一部が、(A)成分中に粒子状の状態で分散して
いることが必要である。この際、(B)縮合物の(A)
成分中における分散粒子径は、5μm以下が好ましく、
特に好ましくは1μm以下である。5μmを超えると、
得られる樹脂組成物の剛性および成形品表面外観が劣
る。ここで、分散粒子径は、透過型電子顕微鏡を用いて
測定された値である。(B)成分の使用量は、(A)〜
(B)成分中に、好ましくは60〜1重量%、さらに好
ましくは55〜5重量%、特に好ましくは40〜5重量
%である。60重量%を超えると、成形品表面外観が劣
り、一方1重量%未満では、剛性が劣る。
【0033】本発明の樹脂組成物は、上記(A)樹脂
と、(B)上記の金属アルコキシドおよび/または有機
金属アルコキシド、あるいはこれらの縮合物とを、溶融
混練りすることによって得られる。本発明の樹脂組成物
の製造方法を以下の〜に例示するが、この例示に限
定されるものではない。 (B)金属アルコキシドおよび/または有機金属アル
コキシドの縮合物を使用する場合 還流冷却器、攪拌機を備えた反応器内に、(B)金属ア
ルコキシドおよび/または有機金属アルコキシド100
重量部に対し、親水性有機溶媒に分散されたコロイド状
シリカおよび/またはコロイド状アルミナを固形分換算
で0〜60重量部、水5〜40重量部を混合し、加熱し
反応させたのち、親水性有機溶媒10〜500重量部を
添加して得た縮合物を固形分換算で1〜60重量%と、
(A)樹脂99〜40重量%とを混合し、その後、親水
性有機溶媒を除去後、溶融混練りする。
【0034】(B)金属アルコキシドおよび/または
有機金属アルコキシドの縮合物を使用する場合 (A)樹脂99〜40重量%と、(B)金属アルコキシ
ドおよび/または有機金属アルコキシドの、乾燥された
縮合物1〜60重量%とを混合し、溶融混練りする。 (B)金属アルコキシドおよび/または有機金属アル
コキシドを使用する場合 還流冷却器、攪拌機を備えた反応器内に、(A)樹脂9
9〜40重量%と、(B)金属アルコキシドおよび/ま
たは有機金属アルコキシド1〜60重量%〔ただし、
(A)+(B)=100重量%〕とを、親水性有機溶媒
に溶かし、親水性有機溶媒に分散されたコロイド状シリ
カおよび/またはコロイド状アルミナを固形分換算で0
〜60重量部、水5〜40重量部を加え、30分程度攪
拌し、その後、親水性有機溶媒を除去し、溶融混練りす
る。
【0035】以上の製造方法において、使用する(A)
樹脂および(B)金属アルコキシド〔一般式(I)〕お
よび/または有機金属アルコキシド〔一般式(II) 〕
は、上記の樹脂組成物において記載したものである。ま
た、溶融混練りを行う手段としては、例えば各種押し出
し機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどが挙
げられる。これらのなかで、好ましい製造方法は、押し
出し機を用いる方法である。また、各成分を混練りする
に際しては、各成分を一括して混練りしてもよく、多段
添加方式で混練りしてもよい。さらに、溶融混練りを行
う温度としては、150〜330℃であり、150℃未
満では、樹脂が充分に溶融せず、一方330℃を超える
と、成形品表面外観が悪くなる傾向がある。また、溶融
混練りする際には、脱気を行うことが好ましい。脱気が
不充分であると、剛性が低下する傾向にある。さらに、
得られる樹脂組成物は、押し出し成形、射出成形、圧縮
成形などにより成形することができる。
【0036】なお、本発明の(A)樹脂と(B)金属ア
ルコキシドおよび/または有機金属アルコキシド(ある
いはこれらの縮合物)との樹脂組成物の製造に際して
は、(A)成分と(B)成分との相溶性を向上させるた
めに、相溶化剤を用いることができる。相溶化方法とし
ては、混練り時に酸無水物基、ヒドロキシル基、アミノ
基、エポキシ基、オキサゾリン基、およびイミド基の群
から選ばれた少なくとも1種の官能基含有不飽和化合
物、および必要に応じて過酸化物を存在させる方法、上
記官能基を有する他の重合体を用いる方法などが挙げら
れる。上記官能基を有する重合体は、上記官能基含有不
飽和化合物と、これと共重合可能な他のビニル系単量体
とのランダム、ブロック、あるいはグラフト共重合体が
挙げられる。なお、相溶化剤の配合量は、上記(A)〜
(B)成分の合計量100重量部に対し、通常、20重
量部以下、好ましくは0.01〜15重量部である。
【0037】また、本発明の樹脂組成物には、機械的性
質を向上させる目的で、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊
維、金属フレーク、ガラスビーズ、ワラストナイト、ロ
ックフィラー、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、ガラ
スフレーク、ミルドファイバー、カオリン、硫酸バリウ
ム、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化マグネシウム、酸化
亜鉛ウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、セルロ
ース性物質などの充填材を、1種単独で使用すること
も、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
これらの充填材のうち、ガラス繊維、炭素繊維の形状と
しては、6〜60μmの繊維径と30μm以上の繊維長
を有するものが好ましい。これらの充填材は、本発明の
組成物100重量部に対し、通常、5〜150重量部の
範囲で用いられる。
【0038】また、本発明の樹脂組成物には、公知のカ
ップリング剤、抗菌・防カビ剤、発泡剤、難燃剤、酸化
防止剤、可塑剤、着色剤、滑剤、耐候剤、帯電防止剤、
伸展油、メタリック顔料、フッ素樹脂、シリコーンオイ
ルなどの添加剤を配合することができる。さらに、本発
明の樹脂組成物には、要求される性能に応じて、他の重
合体を適宜配合することもできる。この他の重合体とし
ては、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラスト
マー、TPO、各種ゴム質重合体などが挙げられる。本
発明の樹脂組成物を用いて得られる成形品は、耐熱性、
剛性、成形品表面外観に優れている。このため、家庭用
品、電気用品、OA機器などの各種パーツ、自動車など
の各種パーツ、建築材料などの広範囲の用途に使用する
ことができる。
【0039】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、その趣旨を越えない限り、以
下の実施例になんら制約されるものではない。なお、実
施例中の部および%は特に断らない限り、重量部および
重量%である。また、実施例中の各種の測定は、下記に
従った。剛性 ASTM D790に準じ、曲げモジュラス(kg/c
2 )を測定した。耐熱性 平板状試料の片側を固定し、固定していない反対側の高
さ(T0)を測定し、その後、105℃で2時間放置
し、同じようにして高さ(T1)を測定し、下記式に従
い、熱たわみ量(mm)を算出した。 熱たわみ量(mm)=初期高さ(T0)−測定後高さ
(T1)成形品表面外観 成形品の表面外観を目視で判断した。 ○;外観良好 △;外観やや良好 ×;外観不良分散粒子径 樹脂組成物を切片化し、透過型電子顕微鏡にて観察し
た。
【0040】参考例(1)A−1〜A−6〔スチレン系樹脂(a)〕の調製 ゴム状重合体の存在下に単量体成分を重合した樹脂、お
よびゴム状重合体を存在させずに単量体成分を重合した
樹脂を、それぞれ得た。これらの樹脂組成を、表1に示
す。(2)A−7〜A−9の調製 A−7;ポリアミド(PA6)を用いた。 A−8;ポリプロピレン(ブロックPP)を用いた。 A−9;ポリブチレンテレフタレート(PBT)を用い
た。(3)A−10〜A−11の調製 A−10(相溶化剤);メタクリル酸−スチレン−アク
リロニトリル共重合体〔メタクリル酸/スチレン/アク
リロニトリル(重量比)=5/70/25〕 A−11(相溶化剤);エチレン−グリシジルメタクリ
レート共重合体にAS樹脂をグラフトした重合体
【0041】(4)B−1〜B−5(金属アルコキシド
および有機金属アルコキシド)縮合物の調製 還流冷却器、撹拌機を備えた反応器内に、メチルトリメ
トキシシラン25部、メタノール分散コロイド状シリカ
〔固形分濃度30%、日産化学工業(株)製、メタノー
ルシリカゾル)10部、および水6部を混合し、70℃
に加熱して2時間反応させたのち、i−プロピルアルコ
ール38部を添加して、縮合物B−1を得た。上記と同
様の操作により、金属アルコキシドおよび有機金属アル
コキシドの種類および量、コロイド状シリカおよび/ま
たはコロイド状アルミナの種類および量、水の量、親水
性有機溶媒の種類および量、ならびに反応温度および反
応時間を表2に示すように変えて、縮合物B−2〜B−
5を得た。(5)その他の成分の調製 C−1;抗菌剤 C−2;顔料 C−3;マイカ
【0042】(6)樹脂組成物の製造方法−1 表3〜4の実施例1〜13について、縮合物B−1〜B
−5および(A)樹脂を、還流冷却器、攪拌機を備えた
反応器内にはかりとり、親水性有機溶媒を真空下で攪拌
しながら除去した。その後、内径50mmの押し出し機
で温度180〜250℃の範囲で脱気しながら、溶融混
練りし、ペレットを作製した。このペレットを、5oz
射出成形機で試験片を作製した。(7)樹脂組成物の製造方法−2 表3〜4の実施例14について、A−5成分(スチレン
−アクリロニトリル共重合体)80部と、B−6成分
(メチルトリメトキシシラン)20部、水6部を加えた
のち、攪拌機を備えた反応器内で、60℃で30分間攪
拌した。その後、親水性有機溶媒を真空下で除去した。
その後、内径50mmの押し出し機で温度180〜25
0℃の範囲で脱気しながら、溶融混練りし、ペレットを
作製した。このペレットを、5oz射出成形機で試験片
を作製した。(8)樹脂組成物の製造方法−3 表4の比較例1〜4について、実施例1に準じてペレッ
ト、試験片を作製した。
【0043】実施例1〜14、比較例1〜4 実施例1〜14は、本発明の樹脂組成物であり、剛性、
成形品表面外観に優れており、これらのバランスが特に
優れている。これに対し、比較例1および比較例4は、
(B)成分の使用量が本発明の好ましい範囲の外であ
り、成形品表面外観に劣る。比較例2および比較例3
は、(A)成分単独の場合であり、剛性に劣る。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】*)水を6部添加した。
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、耐熱性、剛性、
成形品表面外観に優れたものである。従って、これらの
性能を要求される分野、例えば電気・電子部品やOA機
器、家電分野、車両分野などの広範囲の用途に使用する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 85/00 LSA C08L 85/00 LSA //(C08L 101/00 85:00 83:04) (72)発明者 永井 久男 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)樹脂と、(B)一般式(I)で表
    される金属アルコキシド M(OR1 n ・・・・・(I) 〔式中、Mは金属元素、R1 はアルキル基またはアシル
    基、nは1〜7の整数である〕および/または一般式
    (II) で表される有機金属アルコキシド R2 m M(OR1 l ・・・・・(II) 〔式中、M、R1 は一般式(I)に同じ、R2 は有機
    基、mは1〜6の整数、lは1〜6の整数である〕の縮
    合物とを主成分とする樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009041504A1 (ja) * 2007-09-25 2009-04-02 Arkray, Inc. 分光測定用ペレット、その製造方法および分光測定方法
US7601775B2 (en) 2002-05-24 2009-10-13 Nippon Shokubai Co., Ltd. Fire retardant resin composition, method of its production, shaped articles comprising the same, and silica
JP2016084409A (ja) * 2014-10-24 2016-05-19 国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学 水酸化マグネシウムとポリオレフィンとを含むナノ複合体およびその製造方法

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US8030618B2 (en) 2007-09-25 2011-10-04 Arkray, Inc. Pellet for use in spectrometry, method of preparing the same, and method of spectrometry
JP2016084409A (ja) * 2014-10-24 2016-05-19 国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学 水酸化マグネシウムとポリオレフィンとを含むナノ複合体およびその製造方法

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