JPH10139998A - 密閉型蓄電池ケーシング用熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

密閉型蓄電池ケーシング用熱可塑性樹脂組成物

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JPH10139998A
JPH10139998A JP8309927A JP30992796A JPH10139998A JP H10139998 A JPH10139998 A JP H10139998A JP 8309927 A JP8309927 A JP 8309927A JP 30992796 A JP30992796 A JP 30992796A JP H10139998 A JPH10139998 A JP H10139998A
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JP
Japan
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weight
parts
resin composition
layered silicate
polyolefin
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Application number
JP8309927A
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English (en)
Inventor
Kiyoji Takagi
喜代次 高木
Yoshihiro Kurasawa
義博 倉沢
Koji Nishida
耕治 西田
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Original Assignee
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性、機械的強度、耐熱性のバランスに優
れ、かつ水蒸気バリヤー性に優れた密閉型蓄電池ケーシ
ング用材料を提供すること。 【解決手段】(a)ポリフェニレンエーテル 5〜95
重量部、(b)ポリオレフィン 95〜5重量部、及び
(c)層状珪酸塩、(a)と(b)の合計量100重量
部に対して、0.01〜10重量部を含有し、温度25
℃、相対湿度90%での、JIS K7129のB法に
基づく、水蒸気透過係数が0.7g・mm/m2 ・24
h以下であることを特徴とする密閉型蓄電池ケーシング
用熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、力学強度、耐熱性
のバランスに優れ、かつ水蒸気バリヤー性に優れた合成
樹脂製密閉型蓄電池ケーシング、具体的には電槽、ふた
等に関するものであり、さらに詳しくは、密閉型蓄電池
ケーシング用の熱可塑性樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】蓄電池は、自動車、大型車、特殊車両等
の車両や、各種電気製品、産業機器の動力源として幅広
く使われている。また、鉛蓄電池を始め、ニッケル−カ
ドミウム電池、リチウム電池等各種電池の需要が大きく
なってきている。それに伴い、蓄電池電槽の大型化、デ
ザインの多様化、軽量化、薄肉化等の要求が出ており、
それに使われる材料にも、成形性、強度、耐熱性といっ
た要求が厳しくなってきている。
【0003】従来は、蓄電池電槽向け樹脂として、例え
ば、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
共重合体)が使われている。ABSは、成形性に優れ、
剛性、強度、寸法精度のバランスにも優れた樹脂であ
り、このため、蓄電池電槽用樹脂として多くの実績があ
る。しかしながら、ABSでは耐熱性や強度の不足する
場合もあり、こういった場合には、変性ポリフェニレン
エーテルが用いられている。この変性ポリフェニレンエ
ーテルは、ポリフェニレンエーテルとポリスチレンの混
合物であり、その割合を任意に変えることにより、目的
とする耐熱性を得ることができ、また、難燃性の付与が
比較的容易なため、難燃性が必要とされる場合にも適し
ている。しかしながら、どちらの樹脂も、水蒸気バリヤ
ー性に劣る(水蒸気を透過してしまう)という欠点があ
る。
【0004】これは、蓄電池の中に含まれる電解液中の
水分が、長期間の使用中に、水蒸気として蒸発し、蓄電
池電槽を透過し、外部に散逸してしまう現象である。蓄
電池の使用環境が高温かつ低湿度になり、期待される寿
命も長くなる傾向の中で蓄電池の電解液が減少する傾向
はますます増加する方向にある。電解液が減少すると、
蓄電池の内部抵抗は大きくなり、放電性能に重大な支障
をきたすため、このような現象は好ましくなく、極力、
水蒸気の透過の少ない樹脂の使用が望まれている。
【0005】一方、この観点から、ポリプロピレンを使
用することも考えられる。ポリプロピレンは、水蒸気バ
リヤー性に優れ、かつ、成形性に優れた樹脂である。し
かしながら、機械的強度、耐熱性の点からは、必ずしも
十分とは言えず、タルク等の無機フィラーを配合する研
究がなされているが、タルクを配合すると耐衝撃性が低
下する問題が生じていた。そのバランスを改良するた
め、タルクとエチレンプロピレンゴムを配合した組成物
の記載が、特開昭60−3420号公報にある。しか
し、これらの組成物を用いた成形体も、力学強度、寸法
特性のバランスにおいて、必ずしも充分ではなく、ま
た、難燃性が必要とされる場合には、難燃性の付与が困
難であり、多量の難燃剤を配合しなければならないとい
う欠点があった。この様な状況のもと、密閉型蓄電池ケ
ーシング用材料としては、必ずしも満足のいくものはな
いのが現状であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもと、成形性、機械的強度、耐熱性のバランスに
優れ、かつ水蒸気バリヤー性に優れた密閉型蓄電池ケー
シング用材料を提供することを目的としてなされたもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な現状に鑑み、ポリフェニレンエーテル、ポリオレフィ
ンそして層状珪酸塩により、ガスバリヤー性と耐熱性等
からなる機械的強度が優れた、密閉型蓄電池ケーシング
が得られることを見いだし、本発明に至ったものであ
る。すなわち、本発明は、(a)ポリフェニレンエーテ
ル 5〜95重量部、(b)ポリオレフィン 95〜5
重量部、及び(c)層状珪酸塩、(a)と(b)の合計
量100重量部に対して、0. 01〜10重量部を含有
し、温度25℃、相対湿度90%での、JIS K71
29のB法に基づく、水蒸気透過係数が0.7g・mm
/m2 ・24h以下であることを特徴とする密閉型蓄電
池ケーシング用熱可塑性樹脂組成物に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。 <本発明の組成> (a)ポリフェニレンエーテル 本発明で使用するポリフェニレンエーテルは、下記一般
【化1】 (式中、Q1 は各々ハロゲン原子、第一級若しくは第二
級アルキル基、フェニル基、アミノアルキル基、炭化水
素オキシ基又はハロ炭化水素オキシ基を表し、Q2 は各
々水素原子、ハロゲン原子、第一級若しくは第二級アル
キル基、フェニル基、ハロアルキル基、炭化水素オキシ
基又はハロ炭化水素オキシ基を表し、mは10以上の数
を表す)で示される構造を有する単独重合体又は共重合
体である。
【0009】Q1 及びQ2 の第一級アルキル基の好適な
例は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n
−アミル、イソアミル、2−メチルブチル、n−ヘキシ
ル、2,3−ジメチルブチル、2−、3−若しくは4−
メチルペンチル又はヘプチルである。第二級アルキル基
の好適な例は、イソプロピル、sec−ブチル又は1−
エチルプロピルである。多くの場合、Q1 はアルキル基
又はフェニル基、特に炭素数1〜4のアルキル基であ
り、Q2 は水素原子である。
【0010】好適なPPEの単独重合体としては、例え
ば、2,6―ジメチル―1,4―フェニレンエ−テル単
位からなるものである。好適な共重合体としては、上記
単位と2,3,6―トリメチル―1,4―フェニレンエ
−テル単位との組合せからなるランダム共重合体であ
る。多くの好適な、単独重合体又はランダム共重合体
が、特許、文献に記載されている。例えば、分子量、溶
融粘度及び/又は耐衝撃強度等の特性を改良する分子構
成部分を含むPPEも、また好適である。ここで使用す
るPPEは、クロロホルム中で、30℃の固有粘度が
0.2〜0.8dl/gであるものが好ましい。更に好
ましくは、固有粘度が0.2〜0.5dl/gのもので
あり、とりわけ好ましくは、固有粘度が0.25〜0.
4dl/gのものである。固有粘度が0.2dl/g未
満では組成物の耐衝撃性が不足し、0.8dl/g以上
では組成物の成形性と成形品外観に難が生じる。
【0011】(b)ポリオレフィン 本発明に使用するポリオレフィンは、エチレン、プロピ
レン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、3−
メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン
−1、オクテン−1等のα−オレフィンの単独重合体、
これらα−オレフィン同士のランダム又はブロック共重
合体、これらα−オレフィンの過半重量と他の不飽和単
量体とのランダム、グラフト又はブロック等の共重合
体、これらのオレフィン系重合体に酸化、ハロゲン化、
スルホン化等の処理を施したものであり、少なくとも部
分的にポリオレフィンに由来する結晶性を示すものであ
り、結晶化度は20%以上が好ましい。これらは、単独
又は2種以上を併用しても差し支えない。
【0012】ここで他の不飽和単量体の例としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチ
ル、無水マレイン酸、アリールマレイン酸イミド、アル
キルマレイン酸イミド等の不飽和カルボン酸又はその誘
導体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;ス
チレン、メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;ビニ
ルトリメチルメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン;ジシ
クロペンタジエン、4−エチルデン−2−ノルボルネン
等の非共役ジエンなどが挙げられる。
【0013】ポリオレフィンは、既知の方法による重合
又は変性等により得られるが、市販のものから適宜選ん
で用いても良い。ポリオレフィンとしては、プロピレ
ン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペ
ンテン−1の単独重合体又はこれらを過半重量含む共重
合体が好ましく、中でも特に結晶性プロピレン系重合
体、すなわち結晶性プロピレン単独重合体、結晶性プロ
ピレン−α−オレフィンブロックもしくはランダム共重
合体、又はこれらの結晶性プロピレン系重合体とα−オ
レフィン系ゴム、すなわち複数のα−オレフィンよりな
るゴム状共重合体又は複数のα−オレフィンと非共役ジ
エンよりなるゴム状共重合体、を含む混合物が、機械的
物性バランスの点で好ましい。
【0014】しかして、上記結晶性プロピレン系重合体
又は上記結晶性プロピレン系重合体とα−オレフィン系
ゴムを含む混合物のメルトフローレイト(MFR)(2
30℃,荷重2.16kg)の値は、0.01〜250
g/10分の範囲が好ましく、0.05〜150g/1
0分の範囲がより好ましく、とりわけ0.1〜50g/
10分の範囲が好ましい。MFRの値が、上記範囲より
低いと成形加工性に難点が生じ、また高いと機械的物性
バランスのレベルが低く好ましくない。もちろん、より
高分子量のものを、ラジカル発生剤、例えば有機過酸化
物等の存在下で、加熱処理により分子量を変化させて、
上記範囲内のMFRの値としたものも含まれる。
【0015】(c)層状珪酸塩 本発明で使用される層状珪酸塩は、珪酸マグネシウム又
は珪酸アルミニウムの層から構成される層状フィロ珪酸
鉱物を例示することができる。具体的には、モンモリロ
ナイト、サボナイト、バイデライト、ノントロナイト、
ヘクトライト、スティブンサイトなどのスメクタイト系
粘土鉱物やマイカ、タルク、バーミキュライト、バイロ
サイトなどを例示することができ、これらは天然のもの
であっても、合成されたものであっても良い。これら層
状珪酸塩の中でも、膨潤しやすい点で、合成マイカ、モ
ンモリロナイト、バーミキュライトを選択することが好
ましい。
【0016】また、本発明において膨潤とは、層状珪酸
塩が溶媒を吸収して、その体積を増大させる現象を言
い、膨潤に好ましい組み合わせとは、膨潤度が1cc/
g以上の層状珪酸塩と溶媒の組み合わせを言う。膨潤度
の測定には、種々のものがあるが、沈降容積法(198
7年4月30日技報堂出版株式会社発行「粘土ハンドブ
ック」第2版P513〜514参照)に従い、沈積面が
一定になったときの沈積層の体積と、層状珪酸塩の絶乾
時の重量の比によって求められる。層状珪酸塩と溶媒の
膨潤性が非常に良い場合は、溶媒中で層状珪酸塩が超分
散してしまい、重力では沈降せず測定不能になる。もち
ろんこの場合も、非常に良く膨潤する層状珪酸塩と溶媒
の組み合わせである。
【0017】ここで、層状珪酸塩を膨潤させるために用
いる溶媒量は、重量比で層状珪酸塩:溶媒が、1:0.
5〜1:50であり、好ましくは1:1〜1:30、と
りわけ好ましくは1:2〜1:20である。1:0.5
未満では層間距離が短く、1:50を越えると、溶融混
練が困難である。
【0018】本発明においては、膨潤させた層状珪酸塩
の層間距離は15Å以上であることが好ましく、特に好
ましくは20Å以上、とりわけ好ましくは30Å以上で
ある。層間距離が15Å未満では、樹脂中での層状珪酸
塩の分散が不均一である。
【0019】ここで層状珪酸塩の膨潤に用いる溶媒は、
常温において液体であれば良く、特に限定されるもので
はない。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素類、ヘプタン、シクロヘキサン等の鎖状及
び環状の脂肪炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベ
ンゼン、トリクロロベンゼン、ジクロロメタン等のハロ
ゲン化炭化水素類、ジオキサン、ジエチルエーテル等の
エーテル類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチ
ルケトン、アセトフェノン等のケトン類、エチルアセテ
ート、プロピオラクトン等のエステル類、アセトニトリ
ル、ベンゾニトリル等のニトリル類、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール等のアルコール類、その他、
水、ニトロベンゼン、スルホラン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができる。こ
れらの溶媒は単独で、あるいは混合物として使用され
る。上記の溶媒の中でも、好ましいものとして、水、芳
香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類
が挙げられ、特に好ましいものとして、水、キシレン、
トルエン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、メ
タノール、エタノールが挙げられ、とりわけ好ましいも
のとして、水が挙げられる。
【0020】また、本発明で使用される層状珪酸塩は、
溶媒に膨潤しやすくするために前処理したものが好まし
い。前処理剤としては、分子中にオニウムイオン基を有
するオニウム塩であるアンモニウム塩、ピリジニウム
塩、スルホニウム塩を例示することができる。さらに具
体的には、オクタデシルアンモニウムイオン、モノメチ
ルオクタデシルアンモニウムイオン、ジメチルオクダシ
ルアンモニウムイオン、ドデシルアンモニウムイオン、
6−アミノ−n−カプロン酸イオン、12−アミノドデ
カン酸イオンを有するものを例示することができる。た
だし、膨潤させる溶媒として水を使用する場合には、未
処理の層状珪酸塩が最も膨潤しやすいので、敢えて上記
前処理はしなくても良い。
【0021】<難燃剤>本発明の組成物においては、熱
可塑性樹脂の難燃性を改善する意味から、難燃剤成分を
含有することが好ましい。実際に用いる難燃剤は特に限
定されず、ハロゲン化有機化合物、有機又は無機のリン
化合物、元素状リン等のリン系難燃剤、その他の無機系
難燃剤、ハロゲン化有機化合物等の難燃剤とアンチモン
化合物等の難燃助剤の混合物、又はそれらの2種類以上
の混合物を使用することができる。また、これらの難燃
剤は使用する樹脂に合わせて表面処理を施したものを用
いることも好ましい。これら難燃剤又は難燃助剤の配合
量は、いずれも、ポリフェニレンエーテルとポリオレフ
ィンの合計量100重量部に対して、1〜40重量部で
あることが好ましく、より好ましくは3〜35重量部、
とりわけ好ましくは5〜20重量部である。
【0022】上記ハロゲン化有機化合物難燃剤として
は、芳香族ハロゲン化合物、ハロゲン化エポキシ樹脂、
ハロゲン化ポリカーボネート、ハロゲン化芳香族ビニル
系共重合体、ハロゲン化シアヌレート樹脂、ハロゲン化
ポリフェニレンエーテル等が挙げられ、好ましくはエチ
レンビスペンタブロモベンゼン、デカブロモジフェニル
オキサイド、テトラブロムビスフェノールA、テトラブ
ロモビスフェノールAのオリゴマー、ブロム化ビスフェ
ノール系エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系フェ
ノキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系ポリカーボネー
ト、ブロム化ポリスチレン、ブロム化架橋ポリスチレ
ン、ブロム化ポリフェニレンオキサイド、ポリジブロム
フェニレンオキサイド、デカブロムジフェニルオキサイ
ドビスフェノール縮合物及び含ハロゲンリン酸エステル
等である。
【0023】また、上記有機又は無機のリン化合物難燃
剤としては、例えば、ホスフィン、ホスフィンオキシ
ド、ビホスフィン、ホスホニウム塩、ホスフィン酸塩、
リン酸エステル、亜リン酸エステル等を挙げることがで
きる。無機リン酸塩としては、ポリリン酸アンモニウム
が代表的である。
【0024】また、上記元素状リン難燃剤としては、一
般の赤リンの他に、その表面をあらかじめ、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チ
タンより選ばれる金属水酸化物の被膜で被覆処理された
もの、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸
化亜鉛、水酸化チタンより選ばれる金属水酸化物及び熱
硬化性樹脂よりなる被膜で被覆処理されたもの、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸
化チタンより選ばれる金属水酸化物の液膜の上に熱硬化
性樹脂の被膜で二重に被覆処理されたものなども好適に
用いることができる。
【0025】さらに、その他の無機系難燃剤としては、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイ
ト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バ
リウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化ジルコニウ
ム、酸化錫の水和物等の無機金属化合物の水和物、ホウ
酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、炭酸亜
鉛、炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム−カルシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウ
ム、酸化モリブテン、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化
アンチモン等が挙げられる。これらは、1種でも2種以
上を併用しても良い。この中で特に、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハ
イドロタルサイトからなる群から選ばれたものが難燃効
果がよく、経済的にも有利である。
【0026】本発明の樹脂組成物では、必要に応じて、
難燃剤に併せて難燃助剤を配合することができる。この
ような難燃助剤としては、例えば、トリアジン骨格含有
化合物、三酸化アンチモン、酸化銅、酸化マグネシウ
ム、酸化亜鉛、酸化モリブテン、酸化ジルコニウム、酸
化スズ、酸化鉄、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金
属酸化物や、ポリジオルガノシロキサン等のシリコーン
樹脂等である。ここで、リン系難燃剤の難燃助剤として
は、特に上記トリアジン骨格含有化合物が好ましい。そ
の具体例としては、メラミン、メラム、メロン、シアヌ
ル酸メラミン、サクシノグアナミン、アジボグアナミ
ン、ネチログルタログアナミン、リン酸メラミン、メラ
ミン樹脂、BTレジン等を挙げることができるが、特に
シアヌル酸メラミンが好ましい。
【0027】<相溶化剤>本発明の組成物においては、
ポリフェニレンエーテルとポリオレフィンの相溶性を改
善する意味から、相溶化剤成分を含有することが好まし
い。相溶化剤としては、ポリフェニレンエーテルとポリ
プロピレンとの相溶性を改良するものなら特に制限はな
い。具体的には、ポリフェニレンエーテルグラフト・ポ
リプロピレン、スチレングラフト・ポリプロピレン、部
分水素添加アルケニル芳香族化合物−共役ジエンブロッ
ク共重合体等を挙げることができる。かかる相溶化剤と
しては、市場にて、上記スチレングラフト・ポリプロピ
レンとして、三菱化学社より「VMX」の商品名で、ま
た、上記部分水素添加アルケニル芳香族化合物−共役ジ
エンブロック共重合体として、シェル化学社より「クレ
イトンG」の商品名で、クラレ社より「セプトン」の商
品名で、旭化成工業社より「タフテック」の商品名で、
販売されており容易に入手することができる。これら相
溶化剤の配合量は、ポリフェニレンエーテルとポリオレ
フィンの合計量100重量部に対して、0.1〜40重
量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3
5重量部、とりわけ好ましくは1〜30重量部である。
【0028】<付加的成分>本発明の樹脂組成物には、
既述の難燃剤及び相溶化剤以外にも、他の付加的成分を
添加することができる。改善すべき物性に応じ、例え
ば、非晶性熱可塑性樹脂、周知の酸化防止剤、耐候性改
良剤、造核剤、耐衝撃改良剤、可塑剤、流動性改良剤を
添加することができる。また、層状珪酸塩以外の有機・
無機充填剤、補強剤、特にガラス繊維、チタン酸カリウ
ム、炭酸カルシウム、シリカ等の添加は、剛性、耐熱
性、寸法精度等の向上に有効である。実用のために各種
着色剤及びそれらの分散剤なども周知のものが使用でき
る。
【0029】<構成成分の組成比>上記(a)ポリフェ
ニレンエーテルの量は、5〜95重量部、好ましくは1
0〜70重量部、さらに好ましくは20〜50重量部で
あり、上記(b)ポリオレフィンの量は、95〜5重量
部、好ましくは90〜30重量部、さらに好ましくは8
0〜50重量部であり、かつ上記(c)層状珪酸塩の量
は、上記(a)と(b)の合計量100重量部に対し
て、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜8重量
部、とりわけ好ましくは0.5〜5重量部である。しか
して、(c)層状珪酸塩の量が、上記(a)と(b)の
合計量100重量部に対して、0.01重量部未満で
は、剛性、耐熱性が不満足であり、10重量部超過で
は、成形性、外観に難点を生じる。
【0030】<組成物の形態>本発明において、熱可塑
性樹脂組成物中の層状珪酸塩は、ポリオレフィン内に存
在し、好ましくは該層状珪酸塩が分子レベルで分散する
結晶核が存在し、該結晶核の長径と短径の比で表される
アスペクト比が20以上であり、好ましくは30以上、
より好ましくは40以上である。アスペクト比が20未
満では造核効果が小さい。
【0031】すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物に
おいては、ポリフェニレンエーテル及びポリオレフィン
は、それぞれ別個の相を形成して分散している。しかし
て、層状珪酸塩は、ポリオレフィン相内に存在すること
が好ましく、少なくとも層状珪酸塩の80%がポリオレ
フィン相内に存在することがより好ましい。層状珪酸塩
の全てがポリフェニレンエーテル相内にのみ存在する場
合は、剛性及び耐熱性が改良できなくなるので好ましく
ない。
【0032】また、膨潤前の層状珪酸塩は、通常、複数
の層状分子が弱く結合した積層体を形成している。しか
して、このような層状珪酸塩のポリオレフィン相内での
分散状態は、分子レベルであること、すなわち積層体を
形成していた複数の層状分子が弱い結合を解かれて、各
層状分子が個々にポリオレフィン相内に分散した状態で
あることが好ましい。
【0033】さらに、この層状珪酸塩が結晶核として存
在すること、すなわち上記の分散した層状分子の周囲に
存在するポリオレフィン分子が、規則正しく配列してい
ることが好ましい。また、本発明においては、該層状珪
酸塩結晶核から垂直方向にポリオレフィンの結晶ラメラ
が成長していることが、特に好ましい。なお、該ラメラ
の厚みが、層状珪酸塩無添加のものに比べて1.1倍以
上であることが好ましく、より好ましくは1.2倍以
上、とりわけ好ましくは1.3倍以上である。
【0034】ここでいう結晶核は、組成物又は成形品の
電子顕微鏡観察から、その存在と大きさを確認すること
ができる。すなわち、結晶構造を明らかにするために、
四酸化ルテニウム又は四酸化オスミウムでポリオレフィ
ン分子を染色した後、超薄切片を作成して透過型電子顕
微鏡で観察すると、層状珪酸塩の層状分子が未だ弱く結
合したまま分散するもの以外に、分子レベルで分散する
筋状の結晶核を観察することができる。結晶核の長径と
短径の比で表されるアスペクト比は、電子顕微鏡写真を
画像処理し、得られた長径及び短径のデータを所定数集
めて、統計処理を行うことによって求められる。
【0035】本発明の熱可塑性樹脂組成物又はその成形
品中の層状珪酸塩結晶核の形状は、一辺の長さ(上記電
子顕微鏡観察による長径)が、好ましくは0.002〜
5μm、より好ましくは0.05〜1μm、とりわけ好
ましくは0.4〜0.8μmであり、層状珪酸塩の厚み
(上記電子顕微鏡観察による短径)が、好ましくは0.
003〜0.1μm、より好ましくは0.005〜0.
05μm、とりわけ好ましくは0.01〜0.02μm
であり、層状珪酸塩の層間距離が、好ましくは20Å以
上である。
【0036】<組成物の製造法>本発明の熱可塑性樹脂
組成物を得るためには、層状珪酸塩にモノマーを膨潤さ
せて重合を行う方法、熱可塑性樹脂と層状珪酸塩を溶融
混合する方法、熱可塑性樹脂と層状珪酸塩を溶液混合す
る方法などを採り得るが、前項<組成物の形態>で述べ
た好ましい分散状態を実現するためには、混練機を用い
て、熱可塑性樹脂と層状珪酸塩を溶融混合することが好
ましい。また、所望の結晶核の形成を容易にするために
は、層状珪酸塩は、溶媒で膨潤させたものを用いること
が好ましい。
【0037】熱可塑性樹脂と層状珪酸塩を溶融混合する
ための混練機としては、熱可塑性樹脂について一般に実
用されている混練機が適用できる。例えば、一軸又は多
軸混練押出機、ロール、バンバリーミキサー等であって
もよい。本発明においては、混練機にベント口を設け、
溶融混練にベント口は減圧に保持されていることが好ま
しい。混練機内の樹脂は、ベント口の前段部において少
なくとも一部が溶融し、減圧シールできるようにすべき
である。また、混練機内の樹脂は、ベント口到達以前
に、溶融状態で長時間保持されると、耐衝撃性が低下す
るので、可能な範囲でベント口に到達する直前で溶融す
るのが好ましい。
【0038】ベント口に直結させる真空装置は、ベント
口の減圧度に応じて、その能力を選択すれば良く、その
型式等については任意である。ベント口の減圧度は20
0トール以下が好ましく、より好ましくは100トール
以下、とりわけ好ましくは50トール以下である。減圧
度が200トールより大きいと、耐熱性及び成形外観が
不満足となる。
【0039】本発明における混練条件は、溶融混練時の
樹脂温度が前述した示差走査熱量測定装置を用いて測定
した融点から2〜30℃高い温度が好ましく、より好ま
しくは5〜25℃高い温度、とりわけ好ましくは10〜
20℃高い温度である。また、溶融混練時の平均滞留時
間が、好ましくは3〜10分、より好ましくは3〜7
分、とりわけ好ましくは4〜6分である。
【0040】また、最終組成物中の溶媒は1重量%以下
であることが好ましく、より好ましくは0.9重量%以
下、とりわけ好ましくは0.5重量%以下である。最終
組成物中の溶媒が1重量%超過では、耐熱性及び外観が
不満足である。また、混練の順序は、全成分を同時に混
練してもよく、あらかじめ予備混練したブレンド物を用
いて混練する方法、更に押出機の途中から逐次、各成分
をフィードし、混練してもよい。特に、溶媒で膨潤され
た層状珪酸塩が液状の場合には、液体添加ポンプを用い
て押出機の途中からフィードすることが好ましい。ま
た、本発明においては、押出機でのせん断速度が、20
0sec-1以上であることが好ましく、より好ましくは
300sec-1以上、さらに好ましくは400sec-1
以上、とりわけ好ましくは500sec-1以上である。
【0041】<密閉型蓄電池ケーシングの成形>本発明
の熱可塑性樹脂組成物から、密閉型蓄電池ケーシングを
成形加工する方法は特に限定されるものではなく、熱可
塑性樹脂について一般に用いられている成形法、すなわ
ち射出成形、中空成形、押出成形、シート成形、熱成
形、回転成形、積層成形、プレス成形等の成形法が適用
できる。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって、
詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に記載の範
囲内に限定されるものでは無い。
【0043】<熱可塑性樹脂組成物の調製>各成分とし
て、次に示すものを用いた。 1.ポリフェニレンエーテル:ポリ−2,6−ジメチル
−1,4−フェニレンエーテル(三菱ガス化学社製30
℃クロロホルム中で測定した固有粘度:0.40dl/
g)(以下、PPEと略記する) 2.ポリプロピレン:(三菱化学社製 商品名:ノーブ
レンTA8 MFR:1.0) 3.高密度ポリエチレン:(三菱化学社製 商品名:三
菱ポリエチ−HD HY340 MFR:1.4) 4.層状珪酸塩:合成マイカ (コープケミカル社製
商品名:ME100) 5.アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体:(三菱化学社製 商品名:タフレックスTFX−2
10)(以下、ABSと略記する) 6.ハイインパクトポリスチレン:(三菱化学社製 商
品名:HT478)(以下、HIPSと略記する) 7.相溶化剤:部分水素添加ビニル芳香族化合物−共役
ジエンブロック共重合体(クラレ社製 商品名:セプト
ン2104)(以下、SEPSと略記する) 8.難燃剤: ・エチレンビスペンタブロモベンゼン(アルベマール社
製 製品名:Saytex8010)(以下、S801
0と略記する) ・トリフェニルフォスフェート (大八化学社製)(以
下、TPPと略記する) 9.難燃助剤 三酸化アンチモン (住友金属鉱山社製)(以下、Sb
2 3 と略記する)
【0044】<実施例1>合成マイカ2重量部及び水2
重量部を、スーパーミキサーを用いて十分混合し、合成
マイカを水で膨潤させた。得られた膨潤した合成マイカ
を、PPE50重量部、ポリプロピレン50重量部、相
溶化剤(SEPS)10重量部、難燃剤(S8010)
16重量部及び難燃助剤(Sb2 3 )8重量部ととも
に、二軸押出機(日本製鋼所製TEX44)を用いて、
シリンダー温度210℃、スクリュー回転数250rp
mで、溶融混練し、ニーディング部より下流に設置した
ベント口で減圧条件下(ベント口圧力10トール)で溶
融混練し、樹脂組成物を得た。
【0045】<実施例2>実施例1において、PPE、
ポリプロピレン、合成マイカ及び水の配合を第1表に記
載のように変更し、それ以外は実施例1と全く同様にし
て、樹脂組成物を得た。
【0046】<実施例3>実施例1において、ポリプロ
ピレンに代えて高密度ポリエチレンを使用し、PPE、
高密度ポリエチレン及び水の配合を第1表に記載のよう
にし、それ以外は実施例1と全く同様にして、樹脂組成
物を得た。
【0047】<実施例4>合成マイカ2重量部及び水1
重量部を、スーパーミキサーを用いて十分混合し、合成
マイカを水で膨潤させた。得られた膨潤した合成マイカ
を、あらかじめ高密度ポリエチレン60重量部と二軸押
出機(日本製鋼所製TEX44)を用いて、シリンダー
温度210℃、スクリュー回転数250rpmで、ニー
ディング部より下流に設置したベント口で減圧条件下
(ベント口圧力10トール)で溶融混練し、ポリエチレ
ンと合成マイカの混合物を調製した後は、実施例1と同
様に、二軸押出機を用いて、第1表記載の割合のPP
E、SEPS、難燃剤及び難燃助剤ともに溶融混練し、
樹脂組成物を得た。
【0048】<実施例5>実施例4において、高密度ポ
リエチレンに代えてポリプロピレンを使用し、それ以外
は実施例4と同様にして、樹脂組成物を得た。
【0049】<比較例1〜5>実施例1において、比較
例3以外はスーパーミキサーを用いた混合は行わず、熱
可塑性樹脂その他の配合を第2表に記載のように変更
し、それ以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物を得
た。
【0050】上記の各実施例及び比較例で得られた樹脂
組成物についての、形態又は物性は、後記<評価方法>
の各項目に記載の手順に従って、観察又は測定し、それ
らの結果を、第1表、第2表に示した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】<評価方法> [分散形態及びアスペクト比]樹脂組成物を、射出成形
機(日本製鋼所製、型締め力55T)を用い、シリンダ
ー温度240℃、金型温度60℃の条件で、射出成形
し、成形品とした。「分散形態」は、上記成形品から一
部を切り出し、四酸化オスミウムで染色した後、ウルト
ラミクロトームを用いて超薄切片を作成して、透過型電
子顕微鏡(日本電子社製、JEM2010)により観察
することで、樹脂成形体中の、層状珪酸塩の存在場所と
層状珪酸塩が分子レベルで分散した結晶核の形態を確認
した。また、「アスペクト比」は、観察された写真か
ら、画像解析装置(日本アビオニスク社製、スピカ2)
により、樹脂中に存在している結晶核の、厚み方向の大
きさとそれと直角方向の大きさとを算出し、その比から
求めた。その際、結晶核の両方向の大きさの算出は、樹
脂中に分散している100個以上の結晶核についての測
定値の数平均値を採用した。
【0054】[一般物性評価方法]樹脂組成物を、射出
成形機(日本製鋼所製、型締め力55T)を用い、シリ
ンダー温度240℃、金型温度60℃の条件で、射出成
形し、必要な試験片を成形し、以下の各試験を行った。 (1)アイゾット衝撃試験 ASTM D256に従い、切り欠き付きアイゾット衝
撃試験を行った。 (2)曲げ弾性率 ASTM D790による曲げ試験法に従い三点曲げ試
験を行った。 (3)熱変形温度 ASTM D648に従い、18.6kg/cm2 の条
件で、荷重たわみ試験を行った。 (4)燃焼試験 UL94に従い、1/16インチ厚みの試験片で試験を
行った。
【0055】[水蒸気透過性]樹脂組成物を、射出成形
機(日本製鋼所製、型締め力150T)を用い、シリン
ダー温度240℃、金型温度60℃の条件で、150m
m×150mmで、厚み1mmのシートを成形し、試験
片とした。試験条件は、温度25℃、相対湿度90%を
選らび、JIS K7129のB法(赤外センサー法)
に従って試験を行い、水蒸気透過度(g/m2 ・24
h)を算出した。本明細書では、これにフィルムの厚み
(mm)を乗じた、水蒸気透過係数(g・mm/m2
24h)で表示した。
【0056】
【発明の効果】本発明に従い、密閉型蓄電池ケーシング
に適した熱可塑性樹脂組成物を採用することによって、
電解液のドライアップが抑制され、密閉型蓄電池の長寿
命化が可能となった。小型蓄電池は、単位容積あたりの
表面積が大きいために、特にドライアップし易い傾向が
あるが、小型蓄電池が市場のあらゆる場所で使用される
には長寿命化が必要条件であり、本発明により安価でか
つ長寿命の密閉型鉛蓄電池を提供することが可能となっ
た。その工業的価値は極めて大きいと考える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 耕治 神奈川県平塚市東八幡五丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター平塚内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリフェニレンエーテル 5〜95
    重量部、(b)ポリオレフィン 95〜5重量部、及び
    (c)層状珪酸塩、(a)と(b)の合計量100重量
    部に対して、0. 01〜10重量部を含有し、温度25
    ℃、相対湿度90%での、JIS K7129のB法に
    基づく、水蒸気透過係数が0.7g・mm/m2 ・24
    h以下であることを特徴とする密閉型蓄電池ケーシング
    用熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】上記層状珪酸塩が、ポリオレフィン中に存
    在し、かつ分子レベルで分散していることを特徴とする
    請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】上記層状珪酸塩が、分子レベルで分散する
    結晶核として存在し、該結晶核の長径と短径の比で表さ
    れるアスペクト比が20以上であることを特徴とする請
    求項1〜2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(d)難燃剤及び必要に応じ難燃助剤を、
    上記(a)と(b)の合計量100重量部に対して、1
    〜40重量部含有することを特徴とする請求項1〜3記
    載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4記載の樹脂組成物を用いて成
    形した密閉型蓄電池ケーシング。
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