JP2003105201A - 帯電防止樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止樹脂組成物

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JP2003105201A
JP2003105201A JP2001298045A JP2001298045A JP2003105201A JP 2003105201 A JP2003105201 A JP 2003105201A JP 2001298045 A JP2001298045 A JP 2001298045A JP 2001298045 A JP2001298045 A JP 2001298045A JP 2003105201 A JP2003105201 A JP 2003105201A
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layered
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JP2001298045A
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Hideyuki Takahashi
英之 高橋
Koji Taniguchi
浩司 谷口
Tetsuya Kusano
哲也 草野
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた帯電防止性能を長期間にわたって発揮
するとともに、機械的強度及び熱的特性にも優れた帯電
防止樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂100重量部、層状珪酸塩
0.1〜20重量部、及び、帯電防止剤0.1〜20重
量部を含有する帯電防止樹脂組成物であって、前記層状
珪酸塩は、層状結晶の少なくとも一部の単層同士が単層
表面の中心をずらせて重なりあって、見掛け上、厚さ5
〜50nm、長さ500nm以上の平板状となって分散
している帯電防止樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた帯電防止性
能を長期間にわたって発揮できるとともに、機械的強度
及び熱的特性にも優れた帯電防止樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】医療器具運送、滅菌等の医療周辺で用い
るトレー、コンテナー、電化製品、電子部品包装材、自
動車部品等の部材は汚れの付着防止や静電気対策という
観点から、表面抵抗値として1.0×1014Ω以下の帯
電防止性能が必要とされる。このため、従来から各種樹
脂に対し帯電防止剤を含有させている。しかし、帯電防
止剤は樹脂によっては極性の差が大きいために表面にブ
リードし、長期間にわたって安定して性能を発現するこ
とは困難であった。
【0003】これに対して、特開2001−20699
5号公報には、ポリプロピレン系樹脂に帯電防止樹脂と
異方形状を有する無機充填材とを添加することにより、
長期間持続的に帯電防止性能を発揮できる樹脂組成物が
提案されている。また、特開2001−192564号
公報には、熱可塑性樹脂に4級アンモニウム塩、分子中
にエーテル構造を有するエステル化合物、及び、脂肪族
アルコールを添加した樹脂組成物が開示されている。し
かしながら、これら方法によっても、樹脂と帯電防止剤
との相溶性が充分でなく、帯電防止剤のブリードを抑制
することができず、充分な効果を発揮できなかった。
【0004】特開平9−309720号公報には、特殊
な4級アンモニウム塩で変性させた層状珪酸塩を分散さ
せた永久帯電防止樹脂組成物が開示されている。しかし
ながら、帯電防止効果が発揮されるには層状珪酸塩の平
均最近接粒子間距離が500nm以下であることが必要
であり、この方法では、層状珪酸塩を凝集体の短径が5
0〜200nmのレベルまでしか分散させることができ
ないため、要件を満たすには変性層状珪酸塩を多量に添
加する必要がある。そのため、実使用条件での機械的物
性を満たすことは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、優れた帯電防止性能を長期間にわたって発揮でき
るとともに、機械的強度及び熱的特性にも優れた帯電防
止樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、層状珪酸塩を樹脂中に高分散させることにより帯
電防止剤のブリードを抑制できることを見出し、本発明
を完成させるに至った。
【0007】本発明は、熱可塑性樹脂100重量部、層
状珪酸塩0.1〜20重量部、及び、帯電防止剤0.1
〜20重量部を含有する帯電防止樹脂組成物であって、
前記層状珪酸塩は、層状結晶の少なくとも一部の単層同
士が単層表面の中心をずらせて重なりあって、見掛け
上、厚さ5〜50nm、長さ500nm以上の平板状と
なって分散している帯電防止樹脂組成物である。以下に
本発明を詳述する。
【0008】本発明の帯電防止樹脂組成物は、熱可塑性
樹脂、層状珪酸塩及び帯電防止剤を含有する。上記熱可
塑性樹脂としては特に限定されないが、ポリオレフィン
系樹脂が好適に用いられる。
【0009】上記ポリオレフィン系樹脂は、分子内に重
合性二重結合を有するオレフィン系単量体を重合してな
るものである。上記オレフィン系単量体としては特に限
定されず、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−
オクテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィ
ン;ブタジエン等のジエン;ノルボルネン系単量体等の
環状オレフィン等が挙げられる。上記ノルボルネン系単
量体の置換体における置換基は、従来公知のものであれ
ば炭化水素基及び極性基のいずれであっても特に限定さ
れず、例えば、アルキル基、アルキリデン基、アリール
基、シアノ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル
基、ピリジル基等が挙げられる。上記ノルボルネン系単
量体の具体的な化合物としては、例えば、ノルボルネ
ン、メタノオクタヒドロナフタレン、ジメタノオクタヒ
ドロナフタレン、ジメタノドデカヒドロアントラセン、
ジメタノデカヒドロアントラセン、トリメタノドデカヒ
ドロアントラセン、ジシクロペンタジエン、2,3−ジ
ヒドロシクロペンタジエン、メタノオクタヒドロベンゾ
インデン、ジメタノオクタヒドロベンゾインデン、メタ
ノデカヒドロベンゾインデン、ジメタノデカヒドロベン
ゾインデン、メタノオクタヒドロフロオレン、ジメタノ
オクタヒドロフルオレン、5−メチル−2−ノルボルネ
ン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル
−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、
5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−
ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボル
ネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5
−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニ
ル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2
−ノルボルネン等が挙げられる。これらのノルボルネン
系単量体は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用
されてもよい。
【0010】上記ポリオレフィン系樹脂としては、例え
ば、プロピレンの単独重合体、プロピレンとα−オレフ
ィンとの共重合体、プロピレンとエチレンとのランダム
又はブロック共重合体、エチレンの単独重合体、エチレ
ンとα−オレフィンとの共重合体、エチレンと(メタ)
アクリル酸との共重合体、エチレンと(メタ)アクリル
酸エステルとの共重合体、エチレンと酢酸ビニルとの共
重合体、ブテンの単独重合体、イソプレンの単独重合
体、ブタジエン等のジエン類の単独重合体及び共重合
体、脂環式炭化水素系樹脂等が挙げられる。なかでもプ
ロピレンの単独重合体、プロピレンと炭素数3以外のα
−オレフィンとの共重合体、エチレンの単独重合体、エ
チレンと炭素数3以上のα−オレフィン、アクリル酸エ
ステル、酢酸ビニルとの共重合体等が好適に用いられ
る。市販品として入手できるノルボルネン系樹脂の重合
体としては、例えば、アートン(JSR社製)、ゼオノ
ア(日本ゼオン社製)等が好適に用いられる。これらは
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0011】上記熱可塑性樹脂の分子量及び分子量分布
は特に限定されないが、重量平均分子量が5000〜5
00万であることが好ましく、2万〜30万であること
がより好ましい。また、重量平均分子量/数平均分子量
で表される分子量分布は1.1〜80であることが好ま
しく、1.5〜40であることがより好ましい。
【0012】上記熱可塑性樹脂には所望の物性を得るた
めに適宜添加剤が添加されてもよい。上記添加剤として
は特に限定されず、例えば、酸化防止剤、耐光剤、滑
剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。また、上記熱可塑性
樹脂に、物性を均一化する補助として結晶核剤となりう
るものを少量添加して、結晶を微細化してもよい。
【0013】本発明の帯電防止樹脂組成物は、層状珪酸
塩を含有する。本明細書において、層状珪酸塩とは、層
状結晶の層間に交換性陽イオンを有する珪酸塩鉱物を意
味する。上記層状珪酸塩としては特に限定されず、例え
ば、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バ
イデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のス
メクタイト系粘土鉱物、バーミキュライト、ハロイサイ
ト、膨潤性マイカ等が挙げられる。なかでも、複合材料
の機械強度の点から下記式(1)で定義される形状異方
性効果が大きいモンモリロナイト、膨潤性マイカが好ま
しい。 形状異方性効果=層状結晶表面の面積/層状結晶側面の面積 (1) 上記層状珪酸塩は天然物又は合成物のいずれであっても
よい。これらの層状珪酸塩は単独で用いられてもよく、
2種以上が併用されてもよい。なお、式中の層状結晶表
面及び層状結晶側面を図1に示した。
【0014】上記層状珪酸塩の層状結晶の層間に存在す
る交換性陽イオンとは、層状結晶表面上のナトリウムや
カルシウム等のイオンであり、これらのイオンは、カチ
オン性物質とイオン交換性を有するため、カチオン性を
有する種々の物質を上記層状珪酸塩の層状結晶の層間に
挿入することができる。
【0015】上記層状珪酸塩の陽イオン交換容量として
は特に限定されないが、50〜200ミリ等量/100
gであることが好ましい。50ミリ等量/100g未満
であると、イオン交換により層状結晶の層間にインター
カレートされるカチオン性物質の量が少ないために層間
が充分に非極性化されないことがあり、200ミリ等量
/100gを超えると、層状結晶の層間の結合力が強固
となり、結晶薄片が剥離しにくくなることがある。
【0016】上記層状珪酸塩は、層状結晶の層間を予め
カチオン性界面活性剤で陽イオン交換し疎水化しておく
ことによって、層状珪酸塩とポリオレフィン系樹脂との
親和性を高め、ポリオレフィン系樹脂中に均一に微分散
させることができる。
【0017】上記カチオン性界面活性剤としては特に限
定されず、例えば、4級アンモニウム塩、4級ホスホニ
ウム塩等が挙げられる。なかでも炭素数が6以上である
アルキル鎖を有する4級アンモニウム塩、すなわちアル
キルアンモニウム塩は、層状珪酸塩の層状結晶の層間を
充分に非極性化し得るので好適に用いられる。上記4級
アンモニウム塩としては、例えば、ラウリルトリメチル
アンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム
塩、トリオクチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチ
ルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム
塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩、ジポリオ
キシエチレンアルキルメチルアンモニウム塩、ポリオキ
シプロピレンメチルジエチルアンモニウム塩等が挙げら
れる。上記4級ホスホニウム塩としては、例えば、ドデ
シルトリフェニルホスホニウム塩(DTPB)、メチル
トリフェニルホスホニウム塩、ラウリルトリメチルホス
ホニウム塩、ステアリルトリメチルホスホニウム塩、ト
リオクチルホスホニウム塩、ジステアリルジメチルホス
ホニウム塩、ジステアリルジベンジルホスホニウム塩等
が挙げられる。
【0018】本発明の帯電防止樹脂組成物中において、
上記層状珪酸塩は図2に示したように、層状結晶の少な
くとも一部の単層同士が単層表面の中心をずらせて重な
りあって、見掛け上、厚さ5〜50nm、長さ500n
m以上の平板状(以下、トランプ状ともいう)となって
分散している。このように熱可塑性樹脂に層状珪酸塩を
トランプ状に分散させた帯電防止樹脂組成物は、図3に
示したように層状結晶の単層が剥離した状態で分散して
いる場合に比べて、分散した層状珪酸塩の形状から得ら
れる特徴として、帯電防止剤のブリードを抑制する効果
が認められる。これは、分散した層状珪酸塩が樹脂フィ
ルムに平行に配列することにより、添加した帯電防止剤
がブリードする際のパスが長くなるためと考えられる。
本発明の帯電防止樹脂組成物中における、帯電防止剤等
の添加剤の移動性は下記式(2)で求めることができ
る。 Pn=Pp×φp/(1+(L/2t)×φc) (2) 式中、Pnは本発明の帯電防止樹脂組成物中での添加剤
の移動性(g/m2/day)を表し、Ppは熱可塑性
樹脂中での添加剤の移動性(g/m2/day)を表
し、φpは熱可塑性樹脂の体積分率(%)を表し、φc
は層状珪酸塩の体積分率(%)を表し、Lは層状珪酸塩
の層状結晶単層の平均長さ(m)を表し、tは層状珪酸
塩の層状結晶単層の平均厚さ(m)を表す。
【0019】近年、層状珪酸塩を分子レベル、すなわ
ち、単層レベルに層剥離させた状態に分散させる方法が
開発されているが、上記式(2)で示されるように、層
状珪酸塩の層状結晶単層の平均長さLは層状珪酸塩の種
類によって異なるものの、単層の平均厚さtはほぼ一定
であるため、汎用的に使用できる層状珪酸塩を単純に分
散させただけでは充分なブリード抑制効果は得られな
い。しかしながら、本発明の帯電防止樹脂組成物では、
上述のように熱可塑性樹脂に層状珪酸塩をトランプ状と
して分散させることにより、単層の平均厚さtはほぼ一
定のまま、見掛け上単層の平均長さLを増大させること
が可能となり、擬似的にアスペクト比の大きなフィラー
を添加したことと同じ効果を発揮できる。
【0020】より少量の添加で効果を発揮するには、上
記層状珪酸塩は厚さ5〜30nm、長さ500nm〜5
μmのトランプ状として分散していることが好ましく、
より好ましくは厚さ5〜15nm、長さ500nm〜2
μmである。
【0021】上記層状珪酸塩の配合量は、熱可塑性樹脂
100重量部に対して0.1〜20重量部である。0.
1重量部未満であると、ブリード抑制、機械物性向上の
効果が小さく、20重量部を超えると、帯電防止樹脂組
成物の密度が高くなり実用性が失われる。好ましくは
0.5〜15重量部である。
【0022】上記熱可塑性樹脂中に層状珪酸塩を分散さ
せる方法としては特に限定されず、例えば、熱可塑性樹
脂と層状珪酸塩をカチオン性界面活性剤で変性させたも
のとを溶融混練する方法や、更に分散剤を添加する方法
等が挙げられる。これらの分散方法を用いることによ
り、より均一かつ微細に層状珪酸塩を分散することがで
きる。上記熱可塑性樹脂がポリプロピレン等の極性の低
い樹脂の場合には、扱いやすく、層状珪酸塩の配向も制
御し易いことから分散剤を用いる方法が好ましい。上記
分散剤としては極性基を有するものが好ましく、例え
ば、エチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体、エチ
レンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、エチ
レンと酢酸ビニルとの共重合体等が挙げられる。上記分
散剤の配合量は、帯電防止樹脂組成物全体の1〜20重
量%が好ましい。1重量%未満であると、層状珪酸塩の
分散、配向性が充分でないことがあり、20重量%を超
えると、物性の低下が生じることがある。
【0023】上記熱可塑性樹脂と層状珪酸塩とを溶融混
練する方法としては特に限定されず、例えば、押出機、
二本ロール、バンバリーミキサー等で溶融混練する方
法、熱可塑性樹脂と層状珪酸塩との両者が溶解する有機
溶媒中で混合等する方法等が挙げられる。
【0024】本発明の帯電防止樹脂組成物は、帯電防止
剤を含有する。上記帯電防止剤としては、樹脂に電導性
を与えるものであれば特に限定されないが、取り扱いや
樹脂の物性に対する影響等から界面活性剤が好適であ
る。
【0025】上記界面活性剤としては、アニオン性界面
活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤
及び両性界面活性剤のいずれも用いることができるが、
なかでもカチオン性界面活性剤が好ましい。
【0026】上記カチオン性界面活性剤としては、例え
ば、第1級アミン塩、第3級アミン及び第4級アンモニ
ウム化合物等が挙げられる。なかでも下記一般式(3)
で表される第4級アンモニウム化合物が好ましい。
【0027】
【化1】
【0028】式中、R1、R2及びR3のうち、いずれか
1つは炭素数5〜24のアルキル基を表し、他の2つは
炭素数1〜5のアルキル基を表す。R1、R2及びR3
全て同じであっても異なっていてもよい。R4は炭素数
2〜4のアルキレン基を表し、nは1〜15の整数を示
す。XはCl−、ClO3−、又は、ClO4−を表す。
【0029】上記帯電防止剤の配合量は熱可塑性樹脂1
00重量部に対して0.1〜20重量部である。0.1
重量部未満であると、充分な帯電防止性能が得られず、
20重量部を超えると、帯電防止樹脂組成物の力学物性
が低下するため実用的ではない。好ましくは0.5〜1
0重量部である。
【0030】本発明の帯電防止樹脂組成物の製造方法と
しては特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂、層状珪
酸塩及び帯電防止剤の所定配合量を直接配合して混合す
る方法、熱可塑性樹脂に所定配合量以上の層状珪酸塩を
配合、又は、所定配合量以上の層状珪酸塩及び帯電防止
剤を配合し混合してマスターバッチを調製し、調製され
たマスターバッチに所定配合量となるように熱可塑性樹
脂を加えて希釈する、いわゆるマスターバッチ法等が挙
げられる。
【0031】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0032】(実施例1)日本製鋼所社製小型押出機T
EX30中に、ポリプロピレン樹脂(日本ポリケム社
製、EA9)84.6重量部、エチレン-酢酸ビニル共
重合体(三井デュポン社製 EV360)7.7重量
部、ジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で有機化
処理した膨潤性フッ素雲母(コープケミカル社製、ソマ
シフMAE−100)7.7重量部及び4級アンモニウ
ム塩の帯電防止剤(積水化学工業社製、AM502)6
重量部をフィードし、設定温度200℃にて溶融混練
し、押し出されたストランドをペレタイザーにてペレッ
ト化した。得られたペレットを200℃の熱プレスによ
り厚さ1mmの板状に成形し評価用サンプルとした。
【0033】(実施例2)ジステアリルジメチル4級ア
ンモニウム塩で有機化処理した膨潤性フッ素雲母7.7
重量部の代わりにジステアリルジメチル4級アンモニウ
ム塩で有機化処理したモンモリロナイト(豊順鉱業社
製、ニューエスベンD)を用いたこと以外は実施例1と
同様にして評価用サンプルを作製した。
【0034】(比較例1)エチレン−酢酸ビニル共重合
体7.7重量部の代わりに、無水マレイン酸変性プロピ
レンオリゴマー(三洋化成工業社製、ユーメックス10
01)7.7重量部をフィードした以外は実施例1と同
様にして評価用サンプルを作製した。
【0035】(比較例2)日本製鋼所社製小型押出機T
EX30中に、ポリプロピレン樹脂(日本ポリケム社
製、EA9)100重量部及び帯電防止剤(積水化学工
業社製、AM502)6重量部をフィードし、設定温度
200℃にて溶融混練し、押し出されたストランドをペ
レタイザーにてペレット化した。得られたペレットを2
00℃の熱プレスにより厚さ1mmの板状に成形し評価
用サンプルとした。
【0036】(比較例3)日本製鋼所社製小型押出機T
EX30中に、ポリプロピレン樹脂(日本ポリケム社
製、EA9)87.3重量部、無水マレイン酸変性プロ
ピレンオリゴマー(三洋化成工業社製、ユーメックス1
001)7.7重量部、膨潤性フッ素雲母(コープケミ
カル社製、ソマシフME−100)5重量部及び帯電防
止剤(積水化学工業社製、AM502)6重量部をフィ
ードし、設定温度200℃にて溶融混練し、押し出され
たストランドをペレタイザーにてペレット化した。得ら
れたペレットを200℃の熱プレスにより厚さ1mmの
板状に成形し評価用サンプルとした。
【0037】<評価>実施例1、2及び比較例1〜3で
作製した評価用サンプルを以下の方法により評価した。
結果を表1に示した。 (1)層状珪酸塩の分散状態 評価サンプルをダイヤモンドカッターにて切り出し、透
過型電子顕微鏡(日本電子社製、JEM−1200EX
II)を用いて写真撮影し、帯電防止樹脂組成物中の層
状珪酸塩の分散状態を観察した。
【0038】(2)表面抵抗値測定 評価サンプルの表面抵抗値を絶縁計(東亜電波工業社
製、DSM−8103)を用いて測定した。また、ブリ
ード抑制効果を評価するために、評価用サンプルを50
℃の温水に2日間浸し、表面を乾燥させた後の表面抵抗
値も測定した。
【0039】
【表1】
【0040】表1より、実施例1、2で作製した評価用
サンプルでは、樹脂中に層状珪酸塩がトランプ状に分散
しているため、50℃の温水に2日間浸した後でも充分
な表面抵抗値を示し、帯電防止剤のブリードが少ないこ
とがわかった。一方、比較例1で作製した評価用サンプ
ルでは、樹脂中に層状珪酸塩が層状結晶の単層が剥離し
た状態で分散しているため、層状珪酸塩がトランプ状に
分散している場合に比較して、帯電防止剤のブリード抑
制の効果が低かった。比較例2、3で作製した評価用サ
ンプルでは、帯電防止剤のブリードが大きく、50℃の
温水に2日間浸した後には表面抵抗値が大きく上昇して
しまった。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、優れた帯電防止性能を
長期間にわたって発揮できるとともに、機械的強度及び
熱的特性にも優れた帯電防止樹脂組成物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】層状珪酸塩の結晶を表す模式図である。
【図2】層状珪酸塩がトランプ状となって分散した状態
を表す模式図である。
【図3】層状珪酸塩が層状結晶の単層が剥離した状態で
分散した状態を表す模式図である。
【符号の説明】
1 層状珪酸塩表面 2 層状珪酸塩側面 3 見掛け上の厚さ 4 見掛け上の長さ 5 厚さ 6 長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AA011 BB011 DJ006 DJ056 FB086 FD107

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂100重量部、層状珪酸塩
    0.1〜20重量部、及び、帯電防止剤0.1〜20重
    量部を含有する帯電防止樹脂組成物であって、前記層状
    珪酸塩は、層状結晶の少なくとも一部の単層同士が単層
    表面の中心をずらせて重なりあって、見掛け上、厚さ5
    〜50nm、長さ500nm以上の平板状となって分散
    していることを特徴とする帯電防止樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン系樹脂
    であることを特徴とする請求項1記載の帯電防止樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 層状珪酸塩は、モンモリロナイト及び/
    又は膨潤性マイカであることを特徴とする請求項1又は
    2記載の帯電防止樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 層状珪酸塩は、炭素数6以上のアルキル
    アンモニウムイオンを含有することを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の帯電防止樹脂組成物。
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