JP2789705B2 - 被覆プラスチックフィルム - Google Patents

被覆プラスチックフィルム

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は酸素、窒素、炭酸ガスや水蒸気などの気体の
遮断性および透明性に優れた包装材料として好適な被覆
プラスチックフィルムに関するものである。
〔従来の技術〕
従来より、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリエステル、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂
よりなるフィルム、特に配向されたポリプロピレン、ポ
リエステル、ポリアミド等のフィルムは、優れた力学的
性質や、耐熱性、透明性などを有し広く包装材料として
用いられている。しかし、これらフィルムを食品包装用
として用いる場合には、その気体透過性が大きすぎるこ
とから酸素遮断性が不十分であり、酸化劣化による場合
や好気性微生物による場合など内容物の変質を招き易
く、通常は他の酸素遮断性の良い膜層を積層するなどの
方法がとられる場合が多い。
その最も代表的な手段としてはアルミニウムなどの金
属箔をラミネートしたり、それ等金属を該熱可塑性樹脂
フィルム表面に蒸着する方法が用いられ、優れた気体遮
断性、特に酸素遮断性が有効に活用されている。
しかし、これらのアルミニウムラミネートや蒸着され
たフィルムは不透明となり、これらを用いて食品の包装
を行った場合にその内容物を見ることができない欠点が
あり、近年の包装形態の多様化、ファッション化傾向と
も相俟って透明で気体遮断性に優れたフィルムへの要求
がますます高まっている。
一方従来より、気体透過性の小さな透明プラスチック
フィルム素材も種々知られており、例えばポリビニルア
ルコールやポリエチレンビニルアルコール、およびポリ
塩化ビニリデン系樹脂から成るフィルム等がある。しか
し、これらのフィルムは何れも単独では強度、伸度、耐
水性、耐熱性などの物性が、配向されたポリプロピレ
ン、ポリエスル、ポリアミド等のフィルムに比し不十分
であり、特にポリビニルアルコール、ポリエチレンビニ
ルアルコールなどは非常に吸湿性が大きく、ロール状フ
ィルムの端面が吸湿によって花びら状になるなど取り扱
い性が困難なものであるとともに、目的である気体遮断
性も吸湿によって大幅に低下してしまう。
よって、これらのフィルムは包装材料用フィルムとし
て到底単独で用い得るものではなく、通常20〜40μm程
度のこれらのフィルムを前記ポリプロピレンフィルムや
ポリエステルフィルムなどと共に積層することによって
用いられているのが現状である。しかもこれらのフィル
ムは単独でも何れも高価格であり、複層化することによ
って更に高価格なものとなるばかりでなくトータルの層
厚みも非常に厚いものになる、高度の透明性が得られ難
いなどの問題点がある。
また、これらのフィルムによって得られる気体遮断性
のレベルも先のアルミニウム積層されたフィルムに比べ
ると未だ充分とは言えないことから、高透明で高度の気
体遮断性を有し、単体で用い得る低価格のフィルムが強
く求められているのが現状である。
一方これらの問題を解決すべく、配向されたポリプロ
ピレンやポリエステル、ポリアミドなどに前記ポリビニ
ルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、ポリ塩
化ビニリデン等のバリアー性樹脂を塗布する方法も検討
されており、特にポリ塩化ビニリデンに就いては多く用
いられている。しかし、それ等の気体遮断性は未だ充分
であるとは言えず、塗布厚みを大きくすることによって
用いられているが、そのレベルは、アルミニウム蒸着な
どのレベルには程遠いものに過ぎない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、上記従来の課題を解決しようとするもので
あり、その目的とするところは、高度の気体遮断性と高
度の透明性を同時に満足する、ラミネートなどの多層化
不要で取り扱い性、経済性に優れたプラスチックフィル
ムを提供しようとするものである。
〔課題を解決するための手段および作用〕
即ち、本発明の被覆プラスチックフィルムは、熱可塑
性樹脂からなる基材フィルムの少なくとも片面に、膨潤
性を有するコロイド性含水層状珪酸塩化合物〔以下、
(A)成分という〕、および分子内にシリル基を有する
化合物の少なくとも一種により変性された変性ポリビニ
ルアルコール系樹脂〔以下、(B)成分というよりなる
層(以下、当該被覆層ともいう)が、少なくとも一層形
成されてなることを特徴とする被覆プラスチックフィル
ムである。
本発明の被覆フィルムに用いられる基材フィルムとし
ては、透明なフィルム形成能を有する熱可塑性樹脂であ
れば、特に制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン2,
6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレートやそれ
等の共重合体などに代表されるごときポリエステル系樹
脂、ポリオキシメチレンに代表されるごときポリエーテ
ル系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシ
レンアジパミドなどに代表されるごときポリアミド系樹
脂、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、
ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニルやそれ等の共重
合体に代表されるごときビニル系樹脂、ポリカーボネー
ト系樹脂等やセロファン、アセテートなどに代表される
ごときセルロース系樹脂、更にはポリイミド、ポリエー
テルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテル
スルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルケトン、ポ
リエーテルケトンケトン、フッ素含有重合体、その他の
多くの樹脂の単体、共重合体、混合体、複合体よりな
る、未延伸あるいは一軸または直行する二軸方向に延伸
された配向フィルムなどを挙げることができる。
なかでも本発明の趣旨からは、基材フィルムには耐熱
寸法変化や機械的強度、更には成型性や経済性などの面
から二軸延伸されたポリプロピレン、ポリエステル、ポ
リアミド等のフィルムである場合が好適であり、更に透
明性、耐熱性、機械的強度の点から、ポリエチレンテレ
フタレートを主成分とするごときポリエステル系フィル
ムであることが最も好ましい。
フィルムの厚みは特に限定はされないが、通常は1〜
250μmであり、包装材料としては3〜50μmである場
合が特に好ましい。
この基材フィルムは、単体であっても複合された多層
フィルムであってもよく、多層フィルムにおける複合方
法や層数などは任意である。
本発明は、かかる熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも
一表面に、特定の樹脂組成物層、即ち(A)成分および
(B)成分よりなる層を被覆して成ることを本質とす
る。
本発明において(A)成分とは、アルミニウム、マグ
ネシウムまたは鉄の含水ケイ酸塩である、クレー鉱物の
内、SiO4の四面体結晶質にもとづく繰り返し単位により
層状構造をなす化合物であり、こうしたSiO4の四面体が
六角網目の板状に連なっており、この上下2枚の板の間
に八面体配位をとるイオン、例えばAl3+、Fe2+、Mg3+
どがイオン結合したサンドイッチ状三層構造を有するも
のである。このような三層構造を有するものとしては膨
脹性の格子を有するものと、例えばタルクのごとき比膨
脹格子のものとがあるが、本発明における膨潤性とは、
前者の膨脹性格子を有するものは、更に、無制限層膨脹
を示すもの、例えばスメクタイトなどと、制限層膨脹を
示すもの、例えばひる石などに分類されるが、本発明の
目的からは、前者の無制限膨脹のものが効果的であり好
ましい。このような無制限膨脹スメクタイトグループと
しては数種の鉱物があり、占有されている中央層におけ
るオクタヘドラルサイトの数の差により、三価および二
価に置換された中央カチオンを有するジオクタヘドラル
スメクタイト及び一価に置換された二価カチオンを有す
るトリオクタヘドラルスメクタイトに分類される。
ジオクタヘドラルスメクタイトの例としては、モンモ
ロリロナイト、ビーデライト、ノントロナイトなどが、
トリオクタヘドラルスメクタイトとしては、ヘクトライ
ト、サボナイト、テニオライトなどが挙げられる。これ
らの鉱物は、天然のクレー中より産するもの、天然品よ
り抽出したものの層間イオン交換処理を行った半合成
品、及び天然品と類似構造を有するごとく合成した純合
成品などがある。
これらの内で、純度、均一性などの点で合成品のトリ
オクタヘドラルスメクタイトが好ましく、膜状にした時
の透明性や、ガス不透過性の点から、〔Si8(Mg5.34Li
0.66)O20(OH)〕M+ 0.66(ただし、M+はNa+などの層
間陽イオン)で示されるごとき、合成ヘクトライトを用
いる場合が最も好ましい。
このような合成ヘクトライトの層状構造における結晶
構造各層は厚さ約1mmの2次元小板状を形成しており、
この小板ユニットに存在するマグネシウム原子が、より
低原子価陽イオンのリチウム原子と同形置換としてお
り、小板ユニットは、負に帯電している。乾燥状態で
は、この負電荷はプレート面の格子構造外側にある置換
可能陽イオン(通常ナトリウムイオン)と釣り合ってお
り、固層では、これら粒子はファン・デァ・ワールス力
により互いに結合し、平板の束となっている。これを水
中に分散すると、置換可能な陽イオンが水和され、粒子
が膨潤を起こし小板が分離する。この完全分離状態で透
明なコロイド分散ゾルとなり、本発明に最も好ましい適
用形態となる。
水中などのイオン状態では、小板は表面負電荷となり
端部は正電荷となる。表面負電荷が端部正電荷よりかな
り大きい条件下では、粒子間反発により安定なゾル状態
となる。しかし、粒子濃度増加や、塩添加などイオン濃
度が増大する条件下では、反発力が減少し、表面負電荷
と端部正電荷の吸引によるいわゆるカードハウス構造を
形成し、増粘或いは、ゲル化を起こす結果となる。従来
この合成ヘクトライトの用途としては、このカードハウ
ス構造や、結果として得られるチクソトロピー性などを
利用したものが多いが、本発明の主旨である気体不透過
性において好ましい結果を得るには、このカードハウス
構造をとらないようにすることが重要である。このカー
ドハウス構造をとらずに、高粒子濃度のゾルを得るため
には、ヘキサメタン酸塩、トリポリリン酸塩、ピロリン
酸塩などのポリリン酸塩によるいわゆる解膠剤を用いる
ことが好ましく、乾燥状態でこの解膠剤を予め付与され
たごとき粉体グレードが、特に好ましく用い得る。
一方、本発明に用いられる(B)成分は、分子内にシ
リル基を有する化合物の少なくとも一種で変性されたポ
リビニルアルコール系樹脂であれば、特に制限はない。
本発明で使用される(B)成分である変性ポリビニル
アルコール系樹脂としては、結果的にその分子内にシリ
ルを有するものであれば何れでもよいが、分子内に含有
されるシリル基がアルコキシル基(例えば、メトキシ、
エトキシ、イソプロポキシブトキシ、ヘキシロキシ、オ
クチロキシ、ラウリロキシ、オレイロキシなどのC
1〜40のアルコキシ基)あるいはアシロキシル基(例え
ば、アセトキシ、ベンゾイルオキシなど)及びこれらの
加水分解物であるシラノール基またはその塩等の反応性
置換基を有してなるものが好ましく、なかでもシラノー
ル基である場合が特に好ましい。
本発明に用いられる(B)成分である変性ポリビニル
アルコール樹脂における好適な変性度、即ちシリル基の
含有量、鹸化度などは他の共重合成分の有無その種類あ
るいは重合度などによってその適正範囲は各々異なる
が、本発明の目的である気体遮断性に対しては、重要な
一要因となる。しかしてシリル基の含有量は、通常重合
体中のビニルアルコール単位に対しシリル基を含む単量
体として0.01モル%から30モル%が好ましく、特に0.1
%から10モル%が好ましく、更に0.1モル%から5モル
%が特に好ましい。重合体中のビニルアルコール単位に
対するシリル基含有単量体が0.01モル%に満たないと気
体遮断効果が低く、また30モル%を超えると気体遮断効
果がが飽和され、より高い気体遮断効果がみられず、む
しろ重合安定性や塗布液の安定性が低下する傾向がみら
れる。
かかる変性ポリビニルアルコール樹脂を得る方法には
特に限定はなく、例えば常法によって得られたポリビニ
ルアルコールあるいは変性ポリ酢酸ビニルなど(ここに
変成とは、例えば(メタ)アクリル酸、ヒドロキシ(メ
タ)アクリレート、アクリルアミド、ビニルピロリド
ン、スチレン、ブタジエン、その他のビニルエステル類
と共重可能な重合性不飽和単量体や、カルボキシル基、
硫酸基、スルホン酸基、リン酸基、4級アンモニウム塩
基、アミン基等のイオン性基含有単量体などとの共重合
体などである)のビニルアルコール系重合体に、分子内
にシリル基を有する化合物を反応させシリル基を重合体
に導入する、あるいはポリビニルアルコールあるいはそ
の前記の如き変性体、特にイオン性親水基を有する重合
体と、分子内にシリル基を有する不飽和単量体とを該単
量体が活性となる温度下で反応させ、重合体中に導入す
る、更には該不飽和単量体をビニルアルコール系重合体
分子鎖にグラフト共重合せしめるなど各種の後変性によ
る方法、ビニルエステル系単量体(例えば、酢酸ビニ
ル、ケイ皮酸ビニル、安息香酸ビニルなど)と分子内に
シリル基を有する不飽和単量体とから共重合体を得てこ
れを鹸化する方法、またはシリル基を有するメルカプタ
ンなどの存在下で前記の如きビニルエステル系単量体を
重合し、これを鹸化するなどの末端にシリル基を導入す
る方法などの各種の方法が有効に用いられる。
これらの変性ポリビニルアルコール系樹脂を得るため
に用いられる分子内にシリル基を有する化合物(シリル
化剤)としては、トリメチルクロルシラン、ジメチルジ
クロルシラン、メチルトリクロルシラン、ビニルトリク
ロルシラン、ジフェニルジクロルシラン、トリエチルフ
ルオロシランなどのオルガノハロシラン、トリメチルア
セトキシシラン、ジメチルジアセトキシシランなどのオ
ルガノシリコンエステル、トリメチルメトキシシラン、
ジメチルジメトキシシランなどのオルガノアルコキシシ
ラン、トリメチルシラノール、ジエチルシランジオール
などのオルガノシラノール、N−アミノエチルトリメト
キシシランなどのアミノアルキルシラン、トリメチルシ
リコンイソシアネートなどのオルガノシリコンイソシア
ネートその他のものが挙げられる。これらシリル化剤に
よる変性度は用いられるシリル化剤の種類、量、反応条
件などによって任意に調節することができる。
また、ビニルエステル系単量体と分子内にシリル基を
有する不飽和単量体とからの共重合体を鹸化する方法に
おいて用いられる該不飽和単量体としては、ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどに代表
される如きビニルアルコキシシランや、ビニルメチルジ
メトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシランなど
に代表される如きビニルアルコキシシランのアルキルあ
るいはアリル置換体等多くのビニルシラン系化合物、更
にこれらのアルコキシ基を一部または全部をポリエチレ
ングリコールなどのポリアルキレングリコール置換した
ポリアルキレングリコール化ビニルシランなどが挙げら
れる。更には、3−(メタ)アクリルアミド−プロピル
トリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルアミド−プ
ロピルトリエトキシシランなどに代表されるごとき(メ
タ)アクリルアミド−アルキルシランなども好ましく用
い得る。
一方、シリル基を有するメルカプタンなどの存在下で
ビニルエステルを重合した後鹸化し、末端にシリル基を
導入する方法には、3−(トリメトキシシリル)−プロ
ピルメルカプタンなどのアルコキシシリルアルキルメル
カプタンが好ましく用いられる。
本発明において、(A)成分と、(B)成分との配合
比は、本発明の変性重合体の特徴である該変性ポリビニ
ルアルコール中のシリル基、特にシラノール基と、無機
化合物との反応性を有効に活用し、効果的な気体遮断効
果を得る意味において重要である。即ち、(A)成分/
(B)成分の重量比が0.5/99.5〜80/20の範囲内である
ことが好適であり、5/95〜50/50である場合が特に好ま
しい。これらの配合比を採用することによって、本来の
気体遮断効果以外にも、被覆フィルムの透明性とすべり
性の関係や、帯電防止性、更には被覆層の耐久性などの
性質がいずれも好ましく改善される。
上記配合比が0.5/99.5より小さい場合には、(A)成
分の添加効果が充分でなく、また、80/20を超える場合
には、(B)成分と無機物との相互作用が強いことか
ら、配合組成物の急激な増粘や、ゲル化を招きやすく、
実質的に有効な効果を発揮し難い。
(A)成分および(B)成分よりなる組成物を得るた
めの配合方法は、公知の任意の混合方法をとることが可
能であるが、(A)成分および(B)成分の配合効果を
最も効果的に得るには、(A)成分を予め水中にて、層
間水和による膨潤を行わしめた後、(B)成分またはそ
の溶液中あるいは(B)成分の製造過程、すなわち重合
反応など、高分子化の過程における任意の段階に添加、
混合せしめる方法が好ましく用いられる。中でも透明性
や、安定性に優れた塗布液組成物を得るためには、
(A)成分および(B)成分両者をそれぞれ充分に希釈
した後、撹拌しつつ混合せしめる方法が特に好ましく用
い得る。
該配合された組成物は、もちろんそれのみで用いられ
てもよいが、本発明の目的を阻害しない限り混合可能な
他の樹脂と併用することができる。このような樹脂とし
ては、例えば共重合されていないポリビニルアルコール
やポリアクリル酸またはそのエステル類、ポリエステル
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポ
キシ樹脂、メラミン樹脂その他の多くのものを挙げるこ
とができる。
また、これらの樹脂組成物中にこれらと反応し得る反
応基を有する高分子または低分子の化合物よりなる架橋
剤を配合することも可能である。架橋剤を配合すること
によって一般に当該被覆層の耐久性や密着性などが向上
する場合が多い。これらの架橋剤としては従来公知のも
のが任意に用い得るが、気体遮断効果の点からは当該被
覆層の分子間隙をできるだけ拡げないためにも、なるべ
く低分子の化合物を用いることがより好ましい。このよ
うな化合物の例としては、硼酸などの硼酸化合物、グル
タルアリデヒドなどの低分子多価アルデヒドなどが好ま
しく挙げられる。また、変性重合体分子中にカルボン酸
成分を含ませ多価金属によるイオン架橋を行うことも可
能である。
該組成物は、通常水または、水と混合可能な任意の有
機溶媒(例えば、メチルアルコール、イソプロピルアル
コールなどの低級アルコールなど)とを混合した水性媒
体に溶解、分散または乳化して用いられる。該水性媒体
の組成は特に限定はされないが、樹脂の溶解性、分散性
などを阻害しない範囲であれば、塗布性、乾燥性などの
点から、水/アルコール系混合溶媒を用いることがより
好ましい。
また、基材フィルムにこのような組成物の層を形成さ
せる方法としては、溶液コーティング法、ラミネート法
など任意の方法が用い得るが、特に樹脂組成物の水性溶
液あるいは水性分散液などの水性樹脂組成物を基材フィ
ルム表面に塗布、乾燥、熱処理を行うコーティング法が
有効に用いられる。コーティング方法としては、グラビ
アやリバース等のロールコーティング法、ドクターナイ
フ法やエアーナイフ、ノズルコーティング法、バーコー
ティング法やこれらを組み合わせたコーティング法など
通常の方法が用い得る。
当該被覆層の厚みは、基材フィルム、および目的とす
るレベルなどによって異なり、通常は乾燥厚みで10μm
以下、好ましくは5μm以下、最も好ましくは3μm下
であることが透明性、取り扱い性、経済性等の点で好ま
しい。下限は特に無いが0.05μm以下である場合には実
質的に充分な効果が得られ難い。
コーティング時の乾燥、熱処理の条件は塗布厚み、装
置の条件にもよるが通常80〜170℃程度が好ましい。
なお、本被覆層を形成させる前に基材フィルムにコロ
ナ処理その他の表面活性化処理や公知のアンカー処理材
を用いてアンカー処理を施してもよい。また、被覆すべ
き組成物中に制電防止剤や滑り剤、アンチブロッキング
剤等の公知の無機、有機の各種添加剤を加えることは本
発明の目的を阻害しない限り任意である。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明をより詳細に述べる。
なお、例中の濃度表示は、特に断らないかぎり重量基
準であり、評価は以下の方法によった。
[酸素透過性] ASTM−D−1434−75に準拠し測定した。
[ヘイズ] ASTM−D−1003−61に準拠した。
[摩擦係数] ASTM−D−1894に準拠し、被覆層面と、基材フィルム
面(裏面)との間の静摩擦係数により判定した。
[製袋物の酸素透過性] レザズリン反応を利用した定性試験によった。
袋の中にチオグリコレートとレザズリン、寒天液を入
れ、密封後、空気中に保存した時包材を通過した酸素と
レザズリンが反応すると赤色に着色することから、着色
度により判定した。
実施例1 (塗布液の調整) 解膠剤としてピロリン酸ナトリウムを6%含有する純
合成ヘクトライト 〔Si8(Mg5.34Li0.66)O20(OH))〕Na+ 0.66(日
本シリカ工業製ラポナイトXLS)を撹拌しつつ水中に添
加し、10%の膨潤吸ゾルとした後、メタノールで希釈し
て(A)成分とした。
一方、ビニルトリエトキシシランと酢酸ビニルとの共
重合体を鹸化し、シリル基をビニルシラン単位として0.
2モル%含有し酢酸ビニル単位の鹸化度が98.5モル%、
重合度が1750の変性ポリビニルアルコール系樹脂を得
た。得られた変性樹脂を、水に溶解した後メタノールで
希釈する方式により、水/メタノール50/50の混合溶媒
中に固形分2%となし、(B)成分とした。
(A)成分と(B)成分をそれぞれの固型分比が
(A)成分/(B)成分=30/70なるごとく混合し、固
型分2%の水/メタノール系溶媒を作製し、塗布液とし
た。
(被覆フィルムの作製) 得られた塗布液をコロナ放電処理された厚さ12μmの
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ
処理面上にロールコーティング方式により、塗布、乾燥
の後、150℃で2分間の熱処理を行い被覆フィルムを得
た。当該被覆層の乾燥厚みは1.0μmであった。
得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
実施例2 基材フィルムとして、コロナ放電処理された厚さ20μ
mの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用い、熱処理温
度を130℃とした以外は実施例1と同様にして被覆フィ
ルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
実施例3 シリル基の含有量をビニルシラン単位として2.0モル
%とし鹸化度99℃、重合度600の変性樹脂を得て水酸化
ナトリウムの存在下に水に溶解した後メタノールで希釈
し、(B)成分とした以外は、実施例1と全く同様にし
て被覆フィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
実施例4 (A)成分と(B)成分との比が(A)成分/(B)
成分=5/95となるごとく変更したこと以外は、実施例1
と全く同様の方法で被覆フィルムを得た。得られたフィ
ルムの評価結果を表1に示す。
実施例5 (A)成分と(B)成分との比を(A)成分/(B)
成分=50/50とし、固型分1.5%となるごとく変更したこ
と以外は、実施例1と全く同様の方法で被覆フィルムを
得た。得られたフィルムの評価結果を1に示す。
比較例1 当該被覆層用樹脂組成物の被覆を行わず、基体ポリエ
ステルフィルムのみで評価を行った。結果を表1に示
す。
比較例2 当該被覆層用樹脂組成物として、シリル基を含まない
ポリビニルアルコール単一ポリマー単独を用いた以外は
実施例1と全く同様にして被覆フィルムを得た。得られ
たフィルムの評価結果を表1に示す。
比較例3 (B)成分を含まず、(A)成分のみにより当該被覆
層を形成した以外は、実施例1と全く同様の方法で被覆
フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に
示す。
比較例4 (A)成分を含まず、(B)成分のみにより当該被覆
層を形成した以外は、実施例1と全く同様の方法で被覆
ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの評価
結果を表1に示す。
比較例5 実施例1における(A)成分の代わりに、非膨潤性球
状シリカコロイドゾルを用いた以外は、実施例1と全く
同様の方法で、被覆フィルムを得た。得られたフィルム
の評価結果を表1に示す。
比較例6 (A)成分と(B)成分の固型分比が、(A)成分/
(B)成分=85/15となるごとく変更した以外は、実施
例1と全く同様の方法で積層ポリエステルフィルムを得
た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
比較例7 厚さ30μmのポリエチレンビニルアルコール(エチレ
ン含量30モル%)から成るフィルムをドライラミネート
法により厚さ20μmの二軸延伸されたポリプロピレンフ
ィルムと積層した。次いで、該積層フィルムのポリエチ
レンビニルアルコールフィルム面に、厚さ40μmの未延
伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネート法により
積層し、3層構造のフィルム積層体を得た。得られたフ
ィルム積層体を未延伸ポリプロピレン側を内側として二
つ折にして重ね、開いている辺の2辺を幅1.5cmにわた
ってヒートシールを行い袋を作成した。この袋のなか
に、レザズリンテスト試薬を含む寒天液を封入後、真空
下で他の1辺をヒートシールした。これらのサンプル
を、40℃、80%RHの条件下で1週間空気中に放置し内容
物の着色度を判定した。
評価結果を表2に示す。
実施例6および比較例8〜9 実施例1および比較例1〜2で得られたブランクおよ
び被覆フィルムをそれぞれ、被覆面に40μmの未延伸ポ
リプロピレンフィルムをドライラミネート法により積層
し、フィルム積層体を得た。これらのフィルム積層体を
比較例7と同様それぞれ袋状と為しレザズリンによる着
色度テストを行った。評価結果を表2に示す。
実施例7および比較例10 実施例1で得られた被覆フィルムおよび比較例7で用
いたポリエチレンビニルアルコール単体フィルムをそれ
ぞれシート状と為し、40℃、90%RHの条件下で一昼夜放
置した後状態観察を行った結果、実施例1のフィルムは
ほとんど変化が認められなかったのに対し、ポリエチレ
ンビニルアルコールフィルムは形態変化が激しく端面の
伸び、波うちなどにより実用に堪えない状態であった。
〔発明の効果〕
以上、実施例で示したように、本発明によれば、
(A)成分と(B)成分とを配合した組成物層が被覆さ
れた場合においてのみ、被覆フィルムは透明性、気体遮
断性およびすべり性が高度に優れており、かつ、総厚み
が薄く経済的有利性を有するとともに、安定性、取り扱
い性に優れていることが判る。
従って、本発明によれば高度の気体遮断性と高度の透
明性を同時に満足する、ラミネート等の多層化不要で取
り扱い性、経済性に優れたプラスチックフィルムを提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−174148(JP,A) 特開 平1−249340(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 7/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂からなる基材フィルムの少な
    くとも片面に、膨潤性を有するコロイド性含水層状珪酸
    塩化合物、および分子内にシリル基を有する化合物の少
    なくとも一種により変性された変性ポリビニルアルコー
    ル系樹脂よりなる層が、少なくとも一層形成されてなる
    ことを特徴とする被覆プラスチックフィルム。
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