JP3714648B2 - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、耐熱性、剛性、透明性に優れるとともに、ガスバリアー性に優れた熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
一般に、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂は、成形性、柔軟性、耐衝撃性、防湿性、耐薬品性および経済性から包装材料、構造材料などに広く使用されている。しかしながら、このような熱可塑性樹脂からなる包装材料、構造材料などは、水蒸気以外のガスに対するバリアー性が低く、そのままでは食品保存などの用途には使用できないという問題があった。
【0003】
このような問題点を解決するため、ガスバリアー性の高い材料、たとえばポリアミド樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン樹脂などとの積層化などによりガスバリアー性を高める方法が知られている。この方法は、ガスバリアー性を高める方法として最も効果的な方法であるが、特別な装置が必要であり汎用性に乏しいという欠点があった。
【0004】
また樹脂自体のガスバリアー性を向上させる方法として、ポリオレフィン系樹脂に、ガスバリアー性樹脂をブレンドする試みがなされている。しかしながら、2種以上の樹脂をブレンドすることによって、ガスバリアーを高めるためには、比較的に大量のガスバリアー性樹脂をブレンドする必要があり、ポリオレフィン系樹脂の長所である耐水蒸気透過性、成形性、低温ヒートシール性などの特性を損なう虞があった。
【0005】
このようなガスバリアー性を向上させる方法として、本出願人は、ポリオレフィン系樹脂に、層状珪酸塩を配合することを提案しているが、層状珪酸塩などの無機充填剤は、樹脂への分散性が低いという欠点があった。
【0006】
このため、層状珪酸塩などの無機充填剤を樹脂に分散させる方法として、ポリアミド系樹脂の溶液重合時に、層状珪酸塩を存在させる方法が提案されている(特開昭62−74957号、特開平6−248176号公報参照)。しかしながら、この製造方法では、ポリオレフィン系樹脂のようなモノマー中に極性基を含有していない樹脂では、層状珪酸塩の分散性が悪いという問題があった。
【0007】
また、極性溶媒中で予め層状珪酸塩と界面活性剤とを反応させて、熱可塑性樹脂に添加する方法(特開平8−302068号公報)が提案されている。なお、この反応とは、層状珪酸塩層間の金属イオンと界面活性剤とのイオン交換反応であり、この反応によって、層状珪酸塩の層間距離が広がるため、層状珪酸塩が脆く、細かく粉砕されやすくなり、樹脂との親和性が増大する。しかしながら、この方法では、無機充填剤と界面活性剤とを反応させ、反応した無機充填剤を濾過・洗浄し、乾燥したのち熱可塑性樹脂と溶融混練するという2工程を経なければ、無機充填剤の分散性が向上しないという問題があった。また、この方法では、極性溶媒中で無機充填剤と界面活性剤との反応が行われるため、反応温度は極性溶媒の沸点以下の低温となる。このため反応速度が遅く、長時間攪拌して反応させることが必要であり、効率的でないという欠点もあった。
【0008】
さらに、ポリオレフィン系樹脂のようなモノマー中に極性基を含有していない樹脂では、界面活性剤のような低分子量成分を添加することによって、樹脂組成物の耐熱性、剛性、靱性が低下するなどの新たな問題を生じてしまう。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、種々の熱可塑性樹脂に、無機充填剤を効率良く微分散させることができる製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、
ポリカーボネート、ポリエチレンオキサイド、ポリスチレン、ポリオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂[A];100重量部に、
無機充填剤が0.1〜20重量%の量で極性溶媒中に懸濁している液状化合物[B];10〜100重量部と、
液状化合物[B]に対して0.05〜20重量%の量の界面活性剤[C]とを添加し、前記極
性溶媒を除去しながら、
溶融混練することを特徴としている。
【0011】
前記製造方法では、加熱状態にある熱可塑性樹脂[A]に、前記液状化合物[B]と界面活性剤[C]とを添加することが好ましい。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法では、前記無機充填剤は、層状珪酸塩であることが好ましく、層状珪酸塩はスメクタイトまたはバーミキュライトであることが好ましく、
前記界面活性剤は、炭素原子数12以上の炭化水素基を含むテトラアルキルアンモニウム塩であることが好ましい。
【0012】
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法では、
熱可塑性樹脂[A]のヘイズ(H1)と、得られた熱可塑性樹脂組成物のヘイズ(H2)との比(H1/H2)が、0.2〜2.0であることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法では、
熱可塑性樹脂[A]の酸素透過係数(OB1)と、得られた熱可塑性樹脂組成物の酸素透過係数(OB2)との比(OB1/OB2)が、1.3〜10であることが好ましい。
【0014】
このような本発明に係る製造方法で得られた熱可塑性樹脂組成物は、フィルム、射出成形品、回転成形体、中空成形体として好適である。
【0015】
【発明の具体的説明】
以下、本発明について具体的に説明する。まず、本発明に係る熱可塑性樹脂の製造方法で使用される各成分について説明する。
【0016】
熱可塑性樹脂 [A]
本発明では、熱可塑性樹脂[A]としては、
ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、ポリスチレン系樹脂などが好ましく使用される。
【0017】
ポリオレフィン系樹脂としては、炭素数2〜20のα-オレフィンの単独重合体または共重合体が挙げられ、具体的には、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリ4-メチルペンテン-1等の単独重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン・1-ヘキセン共重合体、エチレン・1-オクテン共重合体、エチレン・1-デセン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体、プロピレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体、プロピレン・1-ヘキセン共重合体、プロピレン・1-オクテン共重合体、プロピレン・1-デセン共重合体、および上記α-オレフィンとノルボルネン、テトラシクロドデセンなどの環状オレフィンとの共重合体などが挙げられる。
【0018】
これらのうち、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-オクテン共重合体が好ましく使用される。
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12などが挙げられる。
【0019】
ポリスチレン系樹脂としては、スチレン、α-メチルスチレンおよびp-キシレンの単独重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体などが挙げられる。
【0020】
これらの熱可塑性樹脂[A]は、2種以上混合して使用してもよい。
また、上記のような熱可塑性樹脂は、炭素数3〜20の不飽和二重結合を有する直鎖状あるいは環状のヘテロ原子含有化合物で、部分的にグラフト変性されていてもよい。このようなヘテロ原子含有化合物として、具体的には、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、オキサソリンなどが挙げられる。
【0021】
このようなグラフト変性体は常法によって製造することができる。
液状化合物 [B]
本発明で使用される液状化合物[B]は、無機充填剤が極性溶媒中に懸濁している。
【0022】
無機充填剤は、液状化合物[B]中に、0.5〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、さらに好ましくは0.5〜12重量%含まれていることが好ましい。
【0023】
[無機充填剤]
無機充填剤としては、層状珪酸塩、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、中空ガラス球、酸化チタン、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、アスベスト、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維などの充填剤が挙げられる。
【0024】
本発明では、これらのうち、層状珪酸塩が好ましく使用される。
なお、層状珪酸塩とは、膨潤性粘土鉱物を原料とする珪酸層と金属カチオン層とが層状をなしている化合物であって、粉砕またはその他の手段によって微粒子状にされている粉体をいう。
【0025】
このような層状珪酸塩として、具体的には、
サポニナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、サウコナイトなどのスメクタイト、
トリオクトヘドラルーバーミキュライト、ジオクトヘドラルーバーミキュライトなどのバーミキュライト、
マスコバイト、フィロゴパイト、バイオタイト、レピドライト、パラゴナイト、テトラシリシックマイカなどのマイカ、
タルクにフッ素処理を施して得られた膨潤性マイカなどが挙げられる。
【0026】
これらの層状珪酸塩は、層間に存在する金属イオンがナトリムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属カチオン、テトラアルキルアンモニウム塩などの有機カチオンでイオン交換されていてもよい。
【0027】
これらの層状珪酸塩のうち、特にスメクタイトおよびバーミキュライトが好ましい。
このような層状珪酸塩は、層間距離が10〜20nmであることが好ましい。
【0028】
また、本発明では、これらの層状珪酸塩の粒径が0.1〜200μm、好ましくは0.1〜100μm、さらに好ましくは0.1〜50μmであることが好ましい。
【0029】
[極性溶媒]
極性溶媒としては、無機充填剤が溶解しないものであれば、特に制限なく使用することができる。
【0030】
具体的には、水、メタノール、エタノール、アセトン、ジオキサン、イソプロパノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
これらの極性溶媒は2種以上混合して使用してもよい。
【0031】
界面活性剤 [C]
界面活性剤[C]としては、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などが挙げられる。
【0032】
このうち本発明では、陽イオン性界面活性剤が好ましく、特に炭素原子数が12以上、好ましくは12〜60の炭化水素基を少なくとも1つ含むテトラアルキルアンモニウム塩が好ましい。
【0033】
炭素原子数12以上の炭化水素基を少なくとも1つ含むテトラアルキルアンモニウム塩として具体的には、
ドデシルアミン塩酸塩、テトラデシルアミン塩酸塩、オクタデシルアミン塩酸塩、ドデシルエチレンジアミン酢酸塩、ドデシルエチレンジアミン乳酸塩、ドデシルエチレンジアミンプロピオン酸塩、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルピリジニウムクロリド、テトラデシルピリジニウムクロリド、ヘキサデシルピリジニウムクロリド、オクタデシルピリジニウムクロリド、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。
【0034】
このような界面活性剤[C]は、前記層状珪酸塩の陽イオンとイオン交換して、層状珪酸塩に親水性をもたせ、かつ層状珪酸塩の層間を拡大する効果がある。これによって、層状珪酸塩が脆くなって粉砕されやすくなるため、樹脂との親和性が大きくなり、樹脂中に微分散するようになる。
【0035】
熱可塑性樹脂組成物の製造方法
次に、本発明に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法では、
(1)まず、前記熱可塑性樹脂[A]に、前記液状化合物[B]と前記界面活性剤[C]とを添加する。
【0036】
このとき、熱可塑性樹脂[A]は、加熱状態にあることが好ましい。熱可塑性樹脂[A]の加熱温度は、熱可塑性樹脂の種類によって異なるが、通常40〜100℃、好ましくは50〜90℃であることが望ましい。
【0037】
液状化合物[B]の添加量は、熱可塑性樹脂[A]100重量部に対し、10〜100重量部、好ましく10〜80重量部であることが好ましい。
また、界面活性剤[C]の添加量は、前記液状化合物[B]に対して0.05〜20重量%、好ましく0.05〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜5重量%であることが好ましい。
【0038】
さらに、界面活性剤[C]と無機充填剤との比(界面活性剤[C]/無機充填剤重量比)は、0.001〜1、好ましくは0.001〜0.8であることが好ましい。このように熱可塑性樹脂[A]に液状化合物[B]と界面活性剤[C]とを添加する場合、
所定量の液状化合物[B]と界面活性剤[C]とを同時に添加してもよく、あらかじめ熱可塑性樹脂[A]と界面活性剤[C]を混合したのち液状化合物[B]とを添加してもよい。
【0039】
(2)次に、本発明では、加熱して極性溶媒を除去しながら、溶融混練して、無機充填剤と界面活性剤とを熱可塑性樹脂中に分散させる。
溶融混練時の温度は、160〜300℃、好ましくは180〜260℃であることが望ましい。
【0040】
極性溶媒の除去は、減圧しながら行われることが好ましく、このときの圧力は、1〜20mmHg、好ましくは1〜15mmHgであることが望ましい。
このような溶融混練は、通常、同方向二軸混練機、異方向二軸混練機などの混練機で行われる。
【0041】
このような本発明に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法の具体例としては、たとえば図1に示されるサイドフィード方式が挙げられる。
すなわち、予め加熱状態で、熱可塑性樹脂[A]と界面活性剤[C]とを混合する。この混合物に、別ラインから液状化合物[B]を注入する。液状化合物[B]を注入した後、所定の温度に加熱し、かつポンプで減圧して蒸発する極性溶媒を除去しながら、溶融混練を行う。得られた熱可塑性樹脂組成物は、無機充填剤が均一に微分散している。
【0042】
このような本発明に係る熱可塑性樹脂の製造方法では、高温で混練しているため、熱可塑性樹脂[A]の溶融と同時に、無機充填剤と界面活性剤との反応が進む。また、溶融混練の進行に伴い極性溶媒が除去されると、無機充填剤と界面活性剤の濃度が高くなり、さらに反応が促進する。このため、溶融混練が進むにつれて、無機充填剤は微粉砕されやすくなり、かつ熱可塑性樹脂[A]との親和性が大きくなる。その結果、無機充填剤は熱可塑性樹脂[A]に均一に微分散するようになる。
【0043】
また本発明に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法では、必要に応じて、安定剤、顔料、核剤、可塑剤、滑剤などを配合してもよい。
このような本発明に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法では、
得られた熱可塑性樹脂組成物のヘイズ(H2)と使用した熱可塑性樹脂[A]のヘイズ(H1)との比(H1/H2)が、0.2〜2.0であることが好ましく、また得られた熱可塑性樹脂組成物の酸素透過係数(OB2)と、使用した熱可塑性樹脂[A]の酸素透過係数(OB1)との比(OB1/OB2)が、1.3〜10であることが好ましい。
【0044】
このようにして得られる熱可塑性樹脂組成物は、フィルム、射出成形品、回転成形体、中空成形体用に好適に使用することができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、種々の熱可塑性樹脂に、効率よく無機充填剤を微分散させることができる。
【0046】
このような本発明に係る製造方法で得られた熱可塑性樹脂組成物は、耐熱性、剛性、透明性に優れるとともに、ガスバリアー性に優れている。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0048】
本発明で用いた評価方法は、以下の通りである。
(1) メルトフローレート(MFR);ASTM C 1238に準拠して、2.16kg荷重下、ポリプロピレン系の熱可塑性樹脂組成物は230℃、ポリエチレン系の熱可塑性樹脂組成物はは190℃で測定した。
【0049】
(2) 極限粘度[η];135℃デカリン中で測定した。
(3) エチレン含量またはプロピレン含量;13C-NMR測定により求めた。
(4) 曲げ弾性率(FM);厚さ1/8インチの試験片を作成し、ASTM C 790に準拠して、スパン間51mm、曲げ速度20mm/分の条件下で測定した。
【0050】
(5) アイゾット衝撃強度(IZ);厚さ1/8インチの試験片(後ノッチ)を作成し、ASTM C 790に準拠して、23℃で測定した。
(6) 熱分解温度(HDT);厚さ1/4インチの試験片を作成し、JIS K 7207に準拠して、荷重66psiで測定した。
【0051】
(7) ヘーズ;厚さ0.5mmtのプレス試験片を作成し、デジタル濁度計(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
(8) 酸素透過係数;厚さ0.5mmtプレス試験片の酸素透過係数をJIS K 7126 B法に準拠して23℃、湿度0%RHにて測定した。
【0052】
(9) M値;M値はグラフト量を表す指標であり以下のように測定した。
ペレット1gを三角フラスコに秤取し、パラキシレン100mlを入れて、130℃油浴中で攪拌溶融した。冷却後、アセトン中に注いでポリマーを析出させ、ろ過、アセトン洗浄を行い、減圧乾燥した。得られたポリマーのIR分析を行い、予め作成しておいた検量線を用いて定量した。
【0053】
【実施例1】
モンモリロナイト(層間距離12.6Å、粒径10μm)50gを水1リットルに懸濁させて、10分間攪拌させて、液状化合物を得た。
【0054】
得られた液状化合物およびジステアリルジメチルアンモニウムクロライド50gをホモポリプロピレン(MFR=12g/10分)2.5kgに、添加し、200℃で10mmHgに減圧して脱水しながら、溶融混練して、熱可塑性樹脂組成物を製造した。
【0055】
得られた熱可塑性樹脂組成物について、上記のような評価を行った。
結果を表1に示す。
【0056】
【比較例1】
モンモリロナイト(層間距離12.6Å、粒径10μm)50gを水1.5リットルに懸濁させ、10分間攪拌した後、ジステアリルトリメチルアンモニウムクロライドを50g添加し、さらに30分攪拌し、均一になった懸濁液をろ過、凍結乾燥させた。得られた変性モンモリロナイト1.6gと、ホモポリプロピレン(MFR=1.2g/10分)40gとを、230℃、10分間ブラストミルで溶融混練することにより、熱可塑性樹脂組成物を製造した。
【0057】
結果を表1に示す。
【0058】
【実施例2】
モンモリロナイト(層間距離12.6Å、粒径10μm)1kgを水20リットルに懸濁させて、10分間攪拌させて液状化合物を得た。
【0059】
得られた液状化合物を、80℃の加熱状態にあるジステアリルジメチルアンモニウムクロライド1kgとホモポリプロピレン(MFR=12g/10分)50kgに、図1に示すような別ラインからサイドフィードし、その後200℃、10mmHgに減圧して脱水しながら、熱可塑性樹脂組成物を製造し、評価した。
【0060】
結果を表1に示す。
【0061】
【実施例3】
実施例1において、ホモポリプロピレン(MFR=12g/10分)の代わりにマレイン化ホモポリプロピレン(MFR=52g/10分、M値=0.3重量%)を使用した以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物を製造し、評価した。
【0062】
結果を表1に示す。
【0063】
【参考例】
実施例1において、ホモポリプロピレン(MFR=12g/10分)の代わりにナイロン6(東レ(株)製CM1007;MFR=62g/10分)を使用し、かつ、240℃で溶融混練した以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物を製造し、評価した。
【0064】
結果を表1に示す。
【0065】
【実施例5】
実施例1において、ホモポリプロピレン(MFR=12g/10分)の代わりにポリエチレン(プロピレン含量2.5mol%、MFR=62g/10分)を使用し、かつ、230℃で溶融混練した以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物を製造し、評価した。
【0066】
結果を表1に示す。
【0067】
【実施例6】
実施例1において、ホモポリプロピレン(MFR=12g/10分)の代わりにプロピレンブロック共重合体(エチレン含量38mol%、MFR=22g/10分、64℃デカン可溶量=9.7重量%、[η]=2.5dl/g)を使用し、かつ、230℃で溶融混練した以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物を製造し、評価した。
【0068】
結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 サイドフィード方式の模式図を示す。
Claims (11)
- ポリカーボネート、ポリエチレンオキサイド、ポリスチレン、ポリオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂 [A] ;100重量部に、
無機充填剤が0.1〜20重量%の量で極性溶媒中に懸濁している液状化合物[B];10〜100重量部と、
液状化合物[B]に対して0.05〜20重量%の量の界面活性剤[C]とを添加し、
前記極性溶媒を除去しながら、溶融混練することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。 - 加熱状態にある熱可塑性樹脂[A]に、前記液状化合物[B]と前記界面活性剤[C]とを添加することを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 無機充填剤が層状珪酸塩であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 層状珪酸塩がスメクタイトまたはバーミキュライトであることを特徴とする請求項3に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 界面活性剤が炭素原子数12以上の炭化水素基を少なくとも1つ含むテトラアルキルアンモニウム塩であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 熱可塑性樹脂[A]のヘイズ(H1)と、請求項1〜5の方法で得られた熱可塑性樹脂組成物のヘイズ(H2)との比(H1/H2)が、0.2〜2.0であることを特徴
とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法で得られた熱可塑性樹脂組成物。 - 熱可塑性樹脂[A]の酸素透過係数(OB1)と、請求項1〜5の方法で得られた熱可塑性樹脂組成物の酸素透過係数(OB2)との比(OB1/OB2)が、1.3〜10であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法で得られた熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜5に記載のいずれかの方法で得られた熱可塑性樹脂組成物からなるフィルム。
- 請求項1〜5に記載のいずれかの方法で得られた熱可塑性樹脂組成物からなる射出成形品。
- 請求項1〜5に記載のいずれかの方法で得られた熱可塑性樹脂組成物からなる回転成形体。
- 請求項1〜5に記載のいずれかの方法で得られた熱可塑性樹脂組成物からなる中空成形体。
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