JP2966526B2 - 樹脂組成物及び二次電池電槽用樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物及び二次電池電槽用樹脂組成物

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JP2966526B2
JP2966526B2 JP9504315A JP50431597A JP2966526B2 JP 2966526 B2 JP2966526 B2 JP 2966526B2 JP 9504315 A JP9504315 A JP 9504315A JP 50431597 A JP50431597 A JP 50431597A JP 2966526 B2 JP2966526 B2 JP 2966526B2
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義邦 秋山
修 庄司
祐次 久住
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Asahi Kasei Corp
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、電気・電子分野、自動車分野、その他の各
種工業材料分野で利用できる耐油性、耐薬品性、耐熱
性、耐衝撃性、耐熱クリープ性、耐水蒸気透過性、及び
剛性と熱履歴後の靭性(伸び)とのバランスに優れた樹
脂組成物に関する。さらに具体的には、本発明はリチウ
ム金属電池及びリチウムイオン電池(以下これらをまと
めてリチウム電池と略称する。)、ニッケル−水素電
池、鉛蓄電池、アルカリ蓄電池などの二次電池の電槽
(容器)用材料として特に好適に用いられる樹脂組成物
に関するものである。
背景技術 ポリプロピレン樹脂は、成形加工性、耐水性、耐油
性、耐酸性、耐アルカリ性などに優れているものの、耐
熱性、剛性、耐衝撃性に劣るという欠点を有している。
そこで、このポリプロピレン樹脂に、ポリフェニレンエ
ーテル樹脂を配合し、ポリプロピレン樹脂がマトリック
スを形成し、ポリフェニレンエーテル樹脂が分散粒子を
形成するようにすることにより、耐熱性、剛性が改良さ
れた樹脂組成物を製造することが行われている。かかる
先行技術としては、例えば、US−A−3,361,851には、
ポリフェニレンエーテルをポリオレフィンとブレンドす
ることにより耐溶剤性、耐衝撃性を改良することが記載
され、US−A−4383082及びEP−A−115712には、ポリ
フェニレンエーテルをポリオレフィン及び水添ブロック
共重合体とブレンドすることにより耐衝撃性を改良する
ことが記載されている。
また、JP−A−63−113058、JP−A−63−225642、US
−A−4,863,997及びJP−A−3−72512、JP−A−4−
183748、JP−A−5−320471には、ポリオレフィン樹脂
とポリフェニレンエーテル樹脂からなる樹脂組成物に特
定の水添ブロック共重合体を配合し、耐薬品性、加工性
に優れた樹脂組成物が得られることが記載されている。
さらに、JP−A−4−28739、JP−A−28740において
はポリオレフィン樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂及
び特定の水添ブロック共重合体からなる樹脂組成物を特
定の方法で製造することにより、衝撃強度と剛性のバラ
ンスに優れた樹脂組成物が得られることが記載されてい
る。
同様に、JP−A−7−166026においても特定の製造方
法で得られた樹脂組成物が耐衝撃性に優れていることが
記載され、JP−A−7−165998においては、ポリオレフ
ィン樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂からなる樹脂組
成物に特定の水添ブロック共重合体を配合し、耐熱性、
耐衝撃性、成形性に優れた樹脂組成物が得られることが
記載されている。
本出願人は、先に、JP−A−2−225563、JP−A−3
−185058、JP−A−5−70679、JP−A−5−295184、J
P−A−6−9828、JP−A−6−16924、JP−A−6−57
130、JP−A−6−136202において、ポリフェニレンエ
ーテル樹脂とポリオレフィン樹脂及び特定の水添ブロッ
ク共重合体からなる混和性、剛性、耐熱性及び耐溶剤性
に優れた樹脂組成物を記載した。
さらに、二次電池電槽に関しては、JP−A−6−2038
14及びJP−A−8−22811、EP−A−0691694に、ポリフ
ェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂からなる容器
が開示されている。
これらの先行技術に見られるように、ポリプロピレン
樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂からなるポリマーア
ロイの樹脂組成物であって、ポリプロピレン樹脂のマト
リックス中にポリフェニレンエーテル樹脂を分散粒子と
して含む樹脂組成物は、耐熱性が大幅に改良され、実際
短時間の耐熱性の示標となる荷重撓み温度(DTUL)は、
ポリプロピレン樹脂と比べかなり高い。しかし、長時間
にたって内外圧や荷重がかかったり、さらにそれに加え
て高温が続くような環境下での使用においては、荷重撓
み温度(DTUL又はHDT)で示される耐熱性が改良されて
いても、実用上の長時間にわたる耐久性及び耐熱性が荷
重撓み温度と全く対応していないのが実情である。
長時間にわたる内外圧や荷重の負荷の下での耐熱性の
示標としては、耐熱クリープ性が重要視される。上記の
先行技術には、短時間の耐熱性である荷重撓み温度を改
良するという記載はなされているものの、耐熱クリープ
性の改良に関しては何らの記載も示唆もなされていない
のが現状である。
上記の先行技術の樹脂組成物は、用いる水添ブロック
共重合体や他のエラストマーの影響を受けて、剛性が低
くなるので、これを防ぐためにマトリックスを構成する
ポリプロピレン樹脂として、近年、高結晶ポリプロピレ
ン樹脂を用いる傾向がある。
この高結晶ポリプロピレン樹脂を用いたポリプロピレ
ン樹脂−ポリフェニレンエーテル樹脂のポリマーアロイ
は、耐熱性(DTUL)が高く、剛性、耐熱性に優れている
ものの、熱履歴後の靭性低下、特に伸びの低下が著し
く、さらに耐熱材料としての長時間の耐久性に劣るなど
の実用上の欠点をもっているのが現状である。
発明の開示 本発明者らは、このような現状に鑑み、ポリプロピレ
ン樹脂のマトリックス中にポリフェニレンエーテル樹脂
からなる分散粒子が分散した構造をもつ樹脂組成物につ
いて、ポリフェニレンエーテル樹脂の分散粒子の径と耐
熱クリープ性に関し、さらに、かかる樹脂組成物の剛性
と熱履歴後の靭性とのバランスに関し鋭意検討を重ねた
結果、ポリフェニレンエーテル樹脂からなる分散粒子を
特定の径及び分散状態に制御すると、大幅に改良された
耐熱クリープ性を有し、かつ、耐熱性(DTUL)、耐油
性、耐薬品性に優れた樹脂組成物が得られることを見出
し、また、この樹脂組成物のマトリックスを構成するポ
リプロピレン樹脂を特定の二種の異なる結晶性を有する
ポリプロピレン樹脂で構成することにより熱履歴後の靭
性(伸び)に優れた樹脂組成物が得られることを見出し
本発明に到達した。
本発明者らはまた、本発明のポリプロピレン樹脂のマ
トリックス中にポリフェニレンエーテル樹脂からなる分
散粒子を特定の径及び分散状態に制御した樹脂組成物
が、予想外に耐熱クリープ性、耐水蒸気透過性、耐熱性
(DTUL)、耐溶剤性、耐酸性、耐アルカリ性にも優れ、
二次電池電槽(容器)として利用できることを見出し本
発明に到達した。
すなわち、本発明は、ポリプロピレン樹脂、ポリフェ
ニレンエーテル樹脂及び混和剤からなる樹脂組成物にお
いて、ポリプロピレン樹脂(a)からなるマトリックス
中に、ポリフェニレンエーテル樹脂(b)からなる分散
粒子が分散しており、該分散粒子の短軸径の長さが2μ
m以下であり、かつ、その長軸径/短軸径の比が1〜10
である樹脂組成物に関するものである。
図面の簡単な説明 図1は、本発明の樹脂組成物の用途である二次電池の
セパレーター(電極群)及び電解液を収納する電槽(電
池のケース)の斜視図である。
図2は、電槽(電池ケース)に電解液を含むセパレー
ター(電極群)を収納した状態の斜視図である。
図3は、二次電池を構成するパーツの全体を示し、図
2の電解液を含むセパレーター(電極群)を収納した電
槽(電池ケース)と電槽蓋(電池ケース蓋)の斜視図で
ある。
発明を実施するための最良の形態 ポリプロピレン樹脂マトリックス中へポリフェニレン
エーテル樹脂をミクロ分散させることは非常に困難な課
題であり、先行技術で達成されているとはいえない。例
えば、US−P−4,383,082やUS−A−4,863,997によれ
ば、ポリフェニレンエーテル樹脂の分散粒子の短軸径は
2μmよりはるかに大きかったり、あるいは、短軸径が
2μm以下であっても、その長軸径/短軸径の比が10を
超えたはるかに大きな分散粒子が形成されていた。本発
明においては、この分散粒子の短軸径が2μm以下であ
り、かつ、その分散粒子径の長軸径/短軸径の比が1〜
10である。このような形状、大きさの粒子の分散状態を
作ることにより、特に耐熱クリープ性等が大幅に向上す
るのである。さらにこの分散粒子を、短軸径1μm以下
であり、かつ、その長軸径/短軸径の比が1〜3の細か
い粒子とし、これをポリプロピレン樹脂中に微分散させ
ると、より好ましい物性が得られる。
本発明の好ましい分散状態を得るには、後述するよう
な配合方法と特定構造の水添ブロック共重合体を用るこ
とが好ましい。
本発明の樹脂組成物のマトリックスを形成する(a)
成分のポリプロピレン樹脂としては、結晶性ポリプロピ
レンホモポリマー、及び重合の第一工程で得られる結晶
性プロピレンホモポリマー部分と重合の第二工程以降で
プロピレン、エチレン及び/又は少なくとも1つの他の
α−オレフィン(例えば、ブテン−1、ヘキセン−1
等)を共重合して得られるプロピレン−エチレンランダ
ム共重合体部分を有する結晶性プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体が挙げられ、さらに上記結晶性プロピレ
ンホモポリマーと結晶性プロピレン−エチレンブロック
共重合体との混合物であってもよい。
かかるポリプロピレン樹脂は、通常、三塩化チタン触
媒又は塩化マグネシウム等の担体に担持したハロゲン化
チタン触媒等とアルキルアルミニウム化合物との存在下
に、重合温度0〜100℃の範囲で、重合圧力3〜100気圧
の範囲で重合を行うことにより得られる。このとき、重
合体の分子量を調整をするために水素等の連鎖移動剤を
添加することもできる。また重合方法としてバッチ式又
は連続式のいずれも用いることができる。ブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の溶媒下での溶
液重合、スラリー重合、無溶媒下モノマー中での塊状重
合及び、ガス状モノマー中での気相重合方法などが適用
できる。
また、上記した重合触媒の他に、得られるポリプロピ
レンのアイソタクティシティ及び重合活性を高めるた
め、第三成分として電子供与性化合物を内部ドナー成分
又は外部ドナー成分として用いることができる。これら
の電子供与性化合物としては公知のものを使用すること
ができ、例えば、ε−カプロラクトン、メタクリル酸メ
チル、安息香酸エチル、トリイル酸メチルなどのエステ
ル化合物、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリブチル
などの亜リン酸エステル、ヘキサメチルホスホリックト
リアミドなどのリン酸誘導体等や、アルコキシエステル
化合物、芳香族モノカルボン酸エステル及び/又は芳香
族アルキルアルコキシシラン、脂肪族炭化水素アルコキ
シシラン、各種エーテル化合物、各種アルコール類及び
/又は各種フェノール類などが挙げられる。
ポリプロピレン樹脂は上記の方法で得られるものであ
れば、いかなる結晶性や融点を有するものであっても本
発明においては単独で用いることができるが、得られる
樹脂組成物が耐熱材料として熱履歴を受け耐久性を発揮
することが要求される場合は、異なる性質を有する2種
のポリプロピレン樹脂を特定範囲で配合したポリプロピ
レン樹脂を用いることが好ましい。
すなわち、本発明では、(a−1)成分としてパルス
NMRによる自由誘導減衰(FID)より求めたプロピレンホ
モポリマー部分からなる結晶相の割合が96%以上であ
り、融点が163℃以上である高結晶ポリプロピレン樹脂
と、(a−2)成分としてパルスNMRによる自由誘導減
衰(FID)より求めたプロピレンホモポリマー部分から
なる結晶相の割合が93%以上96%未満であり、融点が15
5℃以上〜163℃未満である中結晶ポリプロピレン樹脂と
を、特定の範囲で配合してなるポリプロピレン樹脂が好
ましく用いられる。以下、(a−1)成分を高結晶ポリ
プロピレン、(a−2)成分を中結晶ポリプロピレン、
またこれらの配合物をポリプロピレン樹脂ということに
する。
本発明におけるプロピレンホモポリマー部分の結晶相
の割合は、公知のパルスNMR法により、結晶部と非晶部
の異なる運動性を利用し、スピン−スピン緩和に基づく
90度パルス印加後の磁化変化である自由誘導減衰(FI
D)より求めることができる。具体的には、固体状態の
ポリプロピレンをパルスNMR(Bruker社製PC−120)を用
いて、温度40℃、プロトン共鳴周波数20MHz、パルス時
間4μ秒、積算3回で測定し、ソリッドエコー法でピー
クを緩和時間の短い方から結晶相、非晶相と帰属し、結
晶相をガウス型曲線で回帰させ、非晶相をローレンツ型
曲線で回帰させ、各々のピーク高さをSA1、SA2とし、式
R12={100×(SA1−SA2)×F}÷{(SA1−SA2)×F
+SA2}より、結晶相の比率を求めることができる。な
お、ここでR12は測定したプロピレンホモポリマー部分
の結晶相の割合であり、Fは標準サンプルとしてサラダ
オイル及びポリメチルメタクリレートを用いた場合の強
度比から求まる補正係数である。
この結晶相の割合が93%未満であるポリプロピレンを
含む樹脂組成物は熱履歴後の靭性(伸び)に優れてはい
るものの、剛性、耐熱性(DTUL)が低くなる傾向にあ
る。また、結晶相の割合が96%以上であるポリプロピレ
ンを含む樹脂組成物は剛性、耐熱性(DTUL)が高いもの
の、熱履歴後の靭性(伸び)が小さくなる傾向にある。
本発明におけるプロピレンホモポリマー部分の結晶相
の融点は、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製 DS
C−2型)にて昇温速度20℃/min及び降温速度20℃/min
で測定した融点の値である。更に詳しく述べれば、ま
ず、試料約5mgを20℃に2分間保った後、20℃/minで230
℃まで昇温させ、230℃に2分間保った後、降温速度20
℃/minで20℃まで降温させ、20℃に2分間保った後、昇
温速度20℃/minで昇温させたときに現れる吸熱ピークの
トップピークの温度を融点として求める。
この融点が155℃未満のポリプロピレンから得られる
樹脂組成物は、熱履歴後の靭性(伸び)には優れている
が、剛性、耐熱性(DTUL)が低くなる傾向にある。ま
た、融点が163℃以上のポリプロピレンから得られる樹
脂組成物は、熱履歴後の剛性及び耐熱性(DTUL)に優れ
ているが、熱履歴後の靭性(伸び)が小さくなる傾向に
ある。
本発明で用いるポリプロピレン樹脂は、通常、メルト
フローレート(ASTM D1238に準拠し、230℃、2.16Kgの
荷重下で測定)が0.1〜100g/10分の範囲のものから選択
できるが、十分な耐熱クリープ性を発現させるためには
メルトフローレートが0.1〜2g/10分の範囲にあるポリプ
ロピレン樹脂を選択するのが好ましい。
本発明で用いるポリプロピレン樹脂は、上述のポリプ
ロピレン樹脂の他に、該ポリプロピレン樹脂とα,β−
不飽和カルボン酸又はその誘導体とをラジカル発生剤の
存在下又は非存在下で溶融状態又は溶液状態で30〜350
℃の温度で反応させることによって得られる公知の変性
ポリプロピレン樹脂であってもよい。この場合、該α,
β−不飽和カルボン酸又はその誘導体が0.01〜10重量%
の割合でポリプロピレンにグラフト又は付加しているこ
とが好ましい。さらに上述のポリプロピレン樹脂と該変
性ポリプロピレン樹脂との任意の割合の混合物であって
もよい。
また、(a)成分のポリプロピレン樹脂として、高結
晶ポリプロピレンと中結晶ポリプロピレンとを併用する
場合は、高結晶ポリプロピレン/中結晶ポリプロピレン
の割合は、重量比で95/5〜10/90、好ましくは90/10〜70
/30、より好ましくは90/10〜50/50である。高結晶ポリ
プロピレンの割合が95%を超える場合は、得られる樹脂
組成物は耐熱性(DTUL)、剛性に優れてはいるものの、
熱履歴(80℃×48時間)後の靭性(伸び)が小さくなる
傾向にある。また、中結晶ポリプロピレンの割合が90%
を超える場合は、得られる樹脂組成物の熱履歴(80℃×
48時間)後の靭性(伸び)の低下は顕著ではないが、耐
熱性(DTUL)、剛性が低くなる傾向を示す。
本発明の樹脂組成物において分散粒子を形成する
(b)成分としてのポリフェニレンエーテル樹脂(以
下、単にPPEという。)は、本発明の樹脂組成物に耐熱
性(DTUL)、耐熱クリープ性及び難燃性を付与する上で
必須の成分である。
PPEは、下式の繰返し単位: (ここで、R1,R2,R3及びR4は各々同一でも異なっていて
もよく、水素、ハロゲン、炭素数1〜7の低級アルキル
基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、
炭化水素オキシ基又は少なくとも2個の炭素原子がハロ
ゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭化水素オキシ
基からなる群から選択される。)からなり、還元粘度
(0.5g/dl,クロロホルム溶液,測定温度30℃)が、0.15
〜0.70の範囲、より好ましくは0.20〜0.60の範囲にある
単独重合体及び/又は共重合体である。
PPEの具体的な例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメ
チル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル
−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2
−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテ
ル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテ
ル)等が挙げられ、さらに2,6−ジメチルフェノールと
他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノ
ールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合
体のようなポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられ
る。特に、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエー
テル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチル
フェノールとの共重合体が好ましく、ポリ(2,6−ジメ
チル−1,4−フェニレンエーテル)がより好ましい。
PPEの製造方法は特に限定されない。例えば、PPEはUS
−A−3,306,874に記載のHayによる第一銅塩とアミンと
の錯体を触媒として用い、2,6−キシレノールを酸化重
合することにより容易に製造することができ、そのほか
にもUS−A−3,306,875、US−A−3,257,357、US−A−
3,257,358、JP−B−52−17880、JP−A−50−51197、J
P−A−63−152628等に記載された方法で容易に製造す
ることができる。
本発明で用いるPPEは、また、上述のPPEの他に、該PP
Eとスチレン系モノマー及び/又はα,β−不飽和カル
ボン酸若しくはその誘導体(例えば、エステル化合物、
酸無水物化合物)をラジカル発生剤の存在下又は非存在
下で溶融状態、溶液状態又はスラリー状態で80〜350℃
の温度で反応させることによって得られる公知の変性PP
Eであってもよい。この場合、該スチレン系モノマー及
び/又はα,β−不飽和カルボン酸若しくはその誘導体
が0.01〜10重量%の割合でPPEにグラフト又は付加して
いることが好ましい。さらに上述のPPEと該変性PPEとの
任意の割合の混合物であってもよい。
また、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフ
ェナントレンをPPE100重量部に対し0.2〜5重量部添加
し溶融混練したリン化合物処理PPEも、色調及び流動性
に優れたPPEとして用いることができる。
本発明で用いるPPEは上述のPPEの他に、PPE100重量部
に対してポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、
シンジオタクチックポリスチレン及び/又はゴム補強し
たシンジオタクチックポリスチレンを500重量部を超え
ない範囲、好ましくは200重量部以下で加えたものも好
適に用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、上述のポリプロピレン樹脂
(a)からなるマトリックス中に、ポリフェニレンエー
テル樹脂(b)からなる分散粒子が分散した構造を有
し、該分散粒子の短軸径の長さが2μm以下であり、か
つ、その長軸径/短軸径の比が1〜10の範囲にあり、好
ましくは、短軸径の長さが1μm以下であり、かつ、そ
の長軸径/短軸径の比が1〜3の範囲にある。
この特定の粒子径を有する分散粒子が分散した樹脂組
成物となり得るためには、供するポリプロピレン樹脂
(a)、ポリフェニレンエーテル樹脂(b)の他に、混
和剤が必須成分である。混和剤はポリフェニレンエーテ
ル樹脂(b)をポリプロピレン樹脂(a)のマトリック
ス中に上述の特定の粒子径で分散させる能力を持つもの
であれば、いかなる種類のものでもよく、その化学構造
は限定されず、かつ、樹脂組成物におけるポリプロピレ
ン樹脂(a)とポリフェニレンエーテル樹脂(b)と混
和剤との配合割合も限定されず、その製造方法も限定さ
れるものではない。
かかる混和剤としては、例えば、ポリフェニレンエー
テル分子鎖にポリプロピレン分子鎖が化学結合して得ら
れるブロック(グラフト)共重合体、ポリスチレン分子
鎖にポリプロピレン分子鎖が化学結合して得られるブロ
ック(グラフト)共重合体、ポリフェニレンエーテル分
子鎖にエチレンとα−オレフィンとの共重合体エラスト
マー分子鎖が化学結合して得られるブロック(グラフ
ト)共重合体、ポリスチレン分子鎖にエチレンとα−オ
レフィンとの共重合体エラストマー分子鎖が化学結合し
て得られるブロック(グラフト)共重合体、水添ブロッ
ク共重合体等が挙げられる。
これらの混和剤の中で、より具体的な好ましい混和剤
として、水添ブロック共重合体(c)が挙げられる。
この水添ブロック共重合体は、上述のポリプロピレン
樹脂のマトリックス中にポリフェニレンエーテル樹脂を
分散粒子化させるための分散剤として作用し、さらには
樹脂組成物に耐衝撃性を付与するものである。
この水添ブロック共重合体は、ビニル結合量(すなわ
ち、1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合の合計量)が30
〜95%、好ましくは30〜80%である共役ジエン化合物か
ら主としてなる少なくとも1個の重合体ブロックBと、
ビニル芳香族化合物から主としてなる少なくとも1個の
重合体ブロックAとからなるブロック共重合体を80%以
上水素添加してなる。
この水添ブロック共重合体は、例えばA−B型、A−
B−A型、B−A−B−A型、(A−B−)−X型
(ここでnは1以上の整数、Xは四塩化ケイ素、四塩化
スズなどの多官能カップリング剤の反応残基又は多官能
性有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。)、A
−B−A−B−A型等のブロック単位が結合した構造を
有するビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック
共重合体の水素添加物であり、ブロック共重合体中に結
合したビニル芳香族化合物を27〜80重量%、好ましくは
33〜80重量%、より好ましくは45〜70重量%含む。この
水添ブロック共重合体のヤング率は250〜7000Kg/cm2
値を示し、ヤング率は結合したビニル芳香族化合物の量
に依存する。
さらにブロック構造に言及すると、共役ジエン化合物
から主としてなる重合体ブロックBは、共役ジエン化合
物の単独重合体ブロック又は、共役ジエン化合物を50重
量%を超えて、好ましくは70重量%以上含有する共役ジ
エン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体ブロック
を有している。ビニル芳香族化合物から主としてなる重
合体ブロックAは、ビニル芳香族化合物の単独重合体ブ
ロック又は、ビニル芳香族化合物を50重量%超えて、好
ましくは70重量%以上含有するビニル芳香族化合物と共
役ジエン化合物との共重合体ブロックを有している。
また、これらの重合体ブロックBと重合体ブロックA
とは、それぞれの重合体ブロックにおける分子鎖中のビ
ニル芳香族化合物単位又は共役ジエン化合物単位の分布
が、ランダム、テーパード(すなわち、分子鎖に沿って
モノマー成分が増加又は減少するもの。)、一部ブロッ
ク状又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。重
合体ブロックB及び重合体ブロックAがそれぞれ2個以
上ある場合は、各重合体ブロックはそれぞれ同一構造で
あってもよく、異なる構造であってもよい。
重合体ブロックBについて言及すると、本発明で供す
る水添ブロック共重合体の水添前のブロック共重合体に
おいて、少なくとも1個の重合体ブロックBが、30〜95
%、好ましくは30〜80%の範囲から選ばれる単一のビニ
ル結合量を有する共役ジエン化合物から主としてなるも
のであってもよく、また、30〜55%の範囲から選ばれる
ビニル結合量を有する共役ジエン化合物から主としてな
る少なくとも1個の重合体ブロックBと、55%を超え95
%以下、好ましくは55%を超え80%以下の範囲から選ば
れるビニル結合量を有する共役ジエン化合物から主とし
てなる少なくとも1個の重合体ブロックBとの両方が含
まれていてもよい。
このブロック共重合体Bを構成する共役ジエン化合物
としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペ
ンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうち
から1種又は2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イ
ソプレン及びこれらの組み合わせが好ましい。そして共
役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、その
ブロックにおけるミクロ構造(共役ジエン化合物の結合
形態)が、例えばブタジエンを主体とする重合体ブロッ
クBにおいては1,2−ビニル結合が30〜95%でり、ま
た、イソプレンを主体とする重合体ブロックBにおいて
は3,4−ビニル結合が30〜95%である。また、ブタジエ
ンとイソプレンとを共重合させて得られる重合体ブロッ
クBのビニル結合については、1,2−ビニル結合と3,4−
ビニル結合の合計量が30〜95%である。これらの共役ジ
エン化合物の結合形態は通常、赤外分光スペクトルやNM
Rスペクトル等で知ることができる。
また、重合体ブロックAを構成するビニル芳香族化合
物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、
ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、ジフェニ
ルエチレン等のうちから1種または2種以上が選択で
き、中でもスチレンが好ましい。
上記の構造を有するブロック共重合体の数平均分子量
は5,000〜1,000,000の範囲であり、分子量分布〔ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比〕は10以下であ
るが、本発明の樹脂組成物の効果である耐熱クリープ性
を発揮させるためには、該ビニル芳香族化合物を主体と
する重合体ブロックAの数平均分子量は15,000以上、よ
り好ましくは20,000以上である。さらに、このブロック
共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状又はこ
れらの任意の組み合わせのいずれであってもよい。
このような構造を持つブロック共重合体は、それに含
まれる重合体ブロックBの脂肪族系二重結合を水素添加
することにより、水添ブロック共重合体、すなわちビニ
ル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の
水素添加物として、本発明の(c)成分として用いられ
る。かかる脂肪族系二重結合の水素添加率は80%以上で
ある。そして、この水素添加率は通常、赤外分光スペク
トルやNMRスペクトル等によって知ることができる。
本発明の(c)成分の水添ブロック共重合体は、上記
した水添ブロック共重合体の構造を有するものである
が、本発明の樹脂組成物を製造する上で、水添前のビニ
ル結合量が30〜55%である共役ジエン化合物から主とし
てなる少なくとも1個の重合体ブロックBとビニル芳香
族化合物から主としてなる少なくとも1個の重合体ブロ
ックAよりなるブロック共重合体を水素添加してなる水
添ブロック共重合体であってもよく、あるいはまた、水
添前のビニル結合量が55%を超え95%以下、好ましくは
55%を超え80%以下である共役ジエン化合物から主とし
てなる少なくとも1個の重合体ブロックBとビニル芳香
族化合物から主としてなる少なくとも1個の重合体ブロ
ックAよりなるブロック共重合体を水素添加してなる水
添ブロック共重合体であってもよい。この水添前の共役
ジエン化合物の異なるビニル結合量により二種に分類さ
れる水添ブロック共重合体の中には、各々、さらに水添
前のビニル結合量が5%以上30%未満である共役ジエン
化合物から主としてなる1個の重合体ブロックB′を併
せ持ち、かつ、これらの重合体ブロックの比率が、B/
B′=99/1〜50/50(重量比)であり、さらにビニル芳香
族化合物からの主としてなる少なくとも1個の重合体ブ
ロックAよりなるブロック共重合体を水素添加してなる
水添ブロック共重合体も含まれる。
これらの構造は、例えば、B′−B−A型、B′−A
−B−型、B′−A−B−A−B型、(B′−A−B
−)−X型(ここで、nは1以上の整数、Xは四塩化
ケイ素、四塩化スズなどの多官能カップリング剤の反応
残基亦は多官能性有機リチウム化合物等の開始剤の残基
を示す。)等のブロック単位が結合した構造を有するビ
ニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体
の水素添加物であり、これらの像を持つ水添ブロック共
重合体の分類は、主たる重合体ブロックBの共役ジエン
化合物のビニル結合量で二種に分類されたいずれかに帰
属する。
上記した水添ブロック共重合体における重合体ブロッ
クB又はB′の数平均分子量は1000以上、好ましくは50
00以上である。
上述の(c)成分の水添ブロック共重合体は、上述の
構造を有するものであればどのような製造方法で得られ
るものであってもかまわない。公知の製造方法の例とし
ては、例えば、JP−A−47−11486、JP−A−49−6674
3、JP−A−50−75651、JP−A−54−126255、JP−A−
56−10542、JP−A−56−62847、JP−A−56−100840、
GB−A−1130770およびUS−A−3,281,383及びUS−A−
3,639,517に記載された方法や、GB−A−1020720、US−
A−3,333,024及びUS−A−4,501,857に記載された方法
がある。
また、本発明で用いる(c)成分の水添ブロック共重
合体は、上記した水添ブロック共重合体のほかに、該水
添ブロック共重合体とα,β−不飽和カルボン酸又はそ
の誘導体(エステル化合物や酸無水物化合物)とをラジ
カル発生剤の存在下、非存在下で溶融状態、溶液状態、
スラリー状態で80〜350℃の温度下で反応させることに
よって得られる変性水添ブロック共重合体であってもよ
く、この場合、該α,β−不飽和カルボン酸又はその誘
導体が0.01〜10重量%の割合で水添ブロック共重合体に
グラフト又は付加していることが好ましい。さらに上述
の水添ブロック共重合体と該変性水添ブロック共重合体
との任意の割合の混合物であってもよい。
本発明の樹脂組成物の一つの好ましい態様は、 マトリックス相としてのポリプロピレン樹脂(a)、 分散相としてのポリフェニレンエーテル樹脂(b)及
び水添ブロック共重合体(c)からなる分散粒子からな
り、該分散粒子の短軸径の長さが2μm以下、好ましく
は1μm以下であり、かつ、その長軸径/短軸径の比
が、1〜10、好ましくは1〜3である。
このような樹脂組成物は耐熱クリープ性、耐水蒸気透
過性及び耐熱性(DTUL)に優れている。かかる分散相と
してのポリフェニレンエーテル樹脂からなる分散粒子の
モルホロジーとして、短軸径が2μmを超えたり、短軸
径が2μm以下であっても長軸径/短軸径の比が10を超
えたりすると、耐熱性(DTUL)はある程度維持されるも
のの、耐熱クリープ性、耐水蒸気透過性が顕著に悪化し
好ましくない。
なお、ポリフェニレンエーテル樹脂(b)及び水添ブ
ロック共重合体(c)からなる分散粒子の径は、通常、
透過型電子顕微鏡で容易に測定することができる。分散
粒子は通常、[長軸径/短軸径]≧1の分散粒子を示
し、具体的には、[長軸径/短軸径]=1、すなわち長
軸径=短軸径の時には円状の分散粒子、[長軸径/短軸
径]>1の時にフィブリル構造の分散粒子又はラメラ構
造の分散粒子をとり、これらの分散粒子の1種又は2種
以上からなる。
なお、これらの分散粒子において、水添ブロック共重
合体の大部分は、ポリフェニレンエーテル樹脂からなる
分散粒子の殻(シェル)に存在したり、ポリンフェニレ
ンエーテル樹脂からなる分散粒子の内部に包含されたり
するが、本発明の効果である耐熱性(DTUL)、耐熱クリ
ープ性、耐水蒸気透過性を損なわない程度にポリプロピ
レン樹脂のマトリックス中に分散粒子とは別に単独で存
在してもよい。また、ポリフェニレンエーテル樹脂の分
散粒子は、その分散粒子内部に、他の成分としてビニル
芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体、ハ
イインパクトポリスチレンに含まれるエラストマーの架
橋粒子、無機フィラー等を含んでいても構わない。そし
て、これらの分散形態を確認する方法は、透過型電子顕
微鏡を用いて容易に確認し測定することができる。例え
ば、四塩化ルテニウム等の重金属化合物を用いてサンプ
ルを酸化染色し、ウルトラミクロトーム等で超薄切片を
切り出し、その切片を透過型電子顕微鏡で観察して撮影
し、写真(例えば、10,000倍)として現像し、個々の分
散粒子の短軸径および長軸径を測定し、分散粒子の加算
平均値として、短軸径2μm以下、かつ長軸径/短軸径
=1〜10を判断することができる。
この本発明の樹脂組成物は、一つの好ましい態様とし
て、(a)成分のポリプロピレン樹脂を37〜94重量%、
(b)成分のポリフェニレンエーテル樹脂4〜54重量
%、(c)成分の水添ブロック共重合体を1〜20重量%
含む。中でも、より好ましい態様は、(a)成分のポリ
プロピレン樹脂を48〜71重量%、(b)成分のポリフェ
ニレンエーテル樹脂24〜39重量%、(c)成分の水添ブ
ロック共重合体を5〜13重量%含み、該ポリプロピレン
樹脂が、高結晶ポリプロピレン樹脂と中結晶ポリプロピ
レン樹脂とを2/1〜1/2(重量比)の比で含み、この併用
したポリプロピレン樹脂のメルトフローレートが0.5〜
8(g/10分)、より好ましくは0.5〜2.0(g/10分)であ
る。
以下、本発明の樹脂組成物の製造方法について説明す
る。
この本発明の樹脂組成物となり得るためには、当然な
がら、供するポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンエー
テル樹脂、混和剤となり得る水添ブロック共重合体の選
択、供する各素材の量比関係の選択及びその混合方法
(例えば溶融混練方法、溶剤を用いた溶液ブレンド等)
などの選択が重要となるが、得られる樹脂組成物の耐熱
クリープ性、耐水蒸気透過性を格段に改良する重要なキ
ーテクノロジーは、樹脂組成物において、分散粒子を構
成する主たるポリフェニレンエーテル樹脂及び水添ブロ
ック共重合体が上述の特定の微分散構造を示すことであ
り、この様な微分散構造を示す樹脂組成物が得られるの
であればいかなる製造方法を用いてもよい。
中でも、本発明の樹脂組成物の分散状態を工業的に容
易に得る方法として最も好ましい実施態様としては、 上記した各成分を溶融混練するための溶融混練機が、
ニーディングブロックをスクリューの任意の位置に組み
込むことが可能な二軸以上の多軸押出機であり、用いる
スクリューの全ニーディングブロック部分を実質的にL/
D≧1.5、より好ましくはL/D≧5(ここでLは、ニーデ
ィングブロックの合計長さ、Dはニーディングブロック
の最大外径をあらわす)に組み込み、かつ、π・D・N/
h≧50(ここで、π=3.14、D=メタリングゾーンに相
当するスクリュー外径、N=スクリュー回転数(回転/
秒)、h=メタリングゾーンの溝深さ)を満たし、 これらの押出機は、原料の流れ方向に対し上流側に第
一原料供給口、これより下流に第二原料供給口を少なく
とも有し、必要に応じ、第二原料供給口より下流にさら
に1つ以上の原料供給口を設けてもよく、さらに必要に
応じ、これらの原料供給口の間に真空ベント口を設けて
もよい。
本発明の樹脂組成物を製造する方法において基本とな
る原料供給方法は、第一原料供給口より(b)成分のポ
リフェニレンエーテル樹脂全量又は(b)成分のポリフ
ェニレンエーテル樹脂全量と(a)成分のポリプロピレ
ン樹脂全量の50%を超えない範囲の一部の(a)成分の
ポリプロピレン樹脂を併せて供給し、第二原料供給口よ
り、(a)成分のポリプロピレン樹脂全量又は第一原料
供給口へ分配した後の残部の(a)成分のポリプロピレ
ン樹脂を押出し供給することである。通常、押出機バレ
ル設定温度200〜370℃、好ましくは250〜310℃、スクリ
ュー回転数100〜1200rpm、好ましくは200〜500rpmの条
件で溶融混練する。
なお、混和剤である水添ブロック共重合体(その水添
前のビニル結合量によって上述の二種に分類される)の
原料供給方法は、該ビニル結合量によって異なる供給方
法を選択しなければならない。すなわち、本発明の樹脂
組成物の特徴である、ポリプロピレン樹脂(a)からな
るマトリックス中に、ポリフェニレンエーテル樹脂
(b)及び水添ブロック共重合体(c)からなる分散粒
子が分散した構造をとり、該分散粒子の短軸径の長さが
2μm以下であり、かつ、その長軸径/短軸径の比が1
〜10となるようにするためには、 混和剤として、水添前のブロック共重合体における重
合体ブロックBのビニル結合量が30〜55%である水添ブ
ロック共重合体(c)を用いる場合、該水添ブロック共
重合体(c)は第一原料供給口と第二原料供給口へ分割
して供給し、[第1原料供給口への供給量]/[第二原
料供給口への供給量]の比が90/10〜30/70(重量比)、
好ましくは70/30〜30/70(重量比)である。
また、上述のように、(c)成分の水添ブロック共重
合体を第一原料供給口と第二原料供給口とに分割して供
給すると、得られる樹脂組成物中のポリフェニレンエー
テル樹脂(b)及び水添ブロック共重合体(c)からな
る分散粒子の短軸径が2μm以下、長軸径/短軸径の比
が1〜10となり、かつ、水添ブロック共重合体(c)の
微細な単独ミセルが減少し、耐熱クリープ性、耐水蒸気
透過性に優れた樹脂組成物が得られる。
混和剤として、水添前のブロック共重合体における重
合体ブロックBのビニル結合量が55%を超え95%以下で
ある水添ブロック共重合体(c)を用いる場合、該水添
ブロック共重合体(c)は第一原料供給口より全量供給
する。
水添ブロック共重合体(c)を一括して第一原料供給
口より供給すると、得られる樹脂組成物のポリフェニレ
ンエーテル樹脂(b)の分散粒子の短軸径が2μm以
下、長軸径/短軸径の比が1〜10となり、かつ、水添ブ
ロック共重合体(c)の微細な単独ミセルが減少し、耐
熱クリープ性、耐水蒸気透過性に優れた樹脂組成物が得
られる。
混和剤として水添前のブロック共重合体における重合
体ブロックBのビニル結合量が55%を超え95%以下であ
り、さらにこのビニル結合量の範囲外のビニル結合量を
有する重合体ブロックB(ビニル結合量が30〜55%)又
は重合体ブロックB′(ビニル結合量5%以上〜30%未
満)を併せ持つ水添ブロック共重合体(c)を用いる場
合、該水添ブロック共重合体(c)は第一原料供給口へ
全量供給する。
これらの製造方法を採用することにより、得られる樹
脂組成物中のポリフェニレンエーテル樹脂(b)の分散
粒子の短軸径が2μm以下、長軸径/短軸径の比が1〜
10となり、かつ、水添ブロック共重合体(c)の微細な
単独ミセルが減少し、耐熱クリープ性、耐水蒸気透過性
に優れた樹脂組成物が得られる。
押出機を用いる溶融混練による本発明の樹脂組成物の
製造方法において、得られる樹脂組成物のモルホロジー
制御と性能の関係で最も重要な制御条件は、上記〜
に記載した水添ブロック共重合体の水添前のブロック共
重合体における重合体ブロックB又はB′の共役ジエン
化合物のビニル結合量によって、混和剤として作用させ
る水添ブロック共重合体の押出機への供給方法が異なる
ことである。
本発明では、上記の成分の他に、本発明の特徴及び効
果を損なわない範囲で、必要に応じて他の付加的成分、
例えば、酸化防止剤、金属不活性化剤、難燃剤(有機リ
ン酸エステル系化合物、ポリリン酸アンモニウム系難燃
剤、芳香族ハロゲン系難燃剤、シリコーン系難燃剤な
ど)、フッ素系ポリマー、耐衝撃性を付与するためのエ
ラストマー(水添ブロック共重合体も含む)、可塑剤
(低分子量ポリエチレン、エポキシ化大豆油、ポリエチ
レングリコール、脂肪酸エステル類等)、三酸化アンチ
モン等の難燃助剤、耐候性(耐光性)改良剤、ポリオレ
フィン用造核剤、スリップ剤、無機又は有機の充填材や
強化材(ガラス繊維、カーボン繊維、ポリアクリロニト
リル繊維、ウィスカー、マイカ、タルク、カーボンブラ
ック、酸化チタン、炭酸カルシウム、チタン酸カリウ
ム、ワラストナイト、導電性金属繊維、導電性カーボン
ブラック等)、各種着色剤、離型剤等を添加してもよ
い。
本発明の樹脂組成物は、従来より公知の種々の方法、
例えば、圧縮成形、射出成形、押出成形、多層押出成
形、異形押出成形、中空成形により、シート、フィルム
及び各種部品の成形体として成形することができる。こ
れら各種部品としては、例えば自動車部品が挙げられ、
具体的には、バンパー、フェンダー、ドアーパネル、各
種モール、エンブレム、エンジンフード、ホイールキャ
ップ、ルーフ、スポイラー、各種エアロパーツ等の外装
品や、インストゥルメントパネル、コンソールボック
ス、トリム等の内装部品等に適している。さらに、電気
機器の内外装部品としても好適に使用でき、具体的には
各種コンピュータ及びその周辺機器、その他のOA機器、
テレビ、ビデオ、各種ディスクプレーヤー等のシャーシ
ーやキャビネット、冷蔵庫等の部品用途に適している。
また、さらに本発明の樹脂組成物は、上記した耐熱ク
リープ性の他に、耐水蒸気透過性に優れているため、二
次電池電槽用成形体に適している。
以下、二次電池電槽用樹脂組成物としての本発明の樹
脂組成物について説明する。
近年、自動車等の発展、コンピューターの普及、太陽
エネルギーの有効利用による資源の節約覆び環境保護の
観点から、それぞれ移動機器用駆動電源、コンピュータ
ーのデーターバックアップ電源、太陽電池及び各種二次
電池の用途が拡大されつつある。自動車の内燃機関の所
要電力を供給するために二次電池が多く使用されている
ことは周知であるが、特に、内燃機関の代わりに直接二
次電池を駆動電源とする、いわゆる、電気自動車の開発
が地球環境保護の観点より盛んに行われている。産業技
術の発展に伴い、二次電池の需要は益々増加する傾向に
あり、二次電池は小型軽量化、大電気容量化の要請が高
まっている。
二次電池は、電解液と電極を収納する電槽(容器)が
不可欠である。電槽に要求される主な特性としては、
電解液に対する耐性、長期安定性が挙げられる。
電解液に対する耐性としては、例えばアルカリ蓄電池
ではアルカリ水溶液に対する耐性、リチウムイオン電池
では有機電解液(例えば、6フッ化リン酸リチウム(Li
PF6)を溶質、プロピレンカーボネート/1,2−ジメトキ
シエタンを有機溶媒の主成分として構成した有機電解
液)に対する耐性、鉛蓄電池では酸に対する耐性が要求
される。また、自動車用途に用いられる場合は、さらに
耐油性などが要求される。また、長期間にわたって電解
液の性状を適正に維持する必要があり、例えば、アルカ
リ蓄電池では電槽内のアルカリ水溶液中の水分が電槽外
へ透過すると性能が劣化したり、リチウムイオン電池で
は逆に外部から電槽内に水分が入り込むと有機溶液中の
リチウム塩(例えば、6フッ化リン酸リチウム(LiP
F6)やホウフッ化リチウムなど)が分解して性能が劣化
したりする。
さらに、充電時又は放電時の化学変化に伴う発熱及び
内圧上昇に長期間にわたって耐え得る性能が要求され
る。
特に、密閉型二次電池は、可能な限り小型、軽量で、
かつ電気容量が大きく、電池寿命が長いことが要求され
る。このため、密閉型二次電池の電槽は、薄肉であるこ
と、且つ、充電時又は放電時の発熱、内圧上昇などの過
酷な条件に耐え得る耐熱性、耐熱クリープ性及び、熱時
剛性を有することを要求される。
従来、二次電池の電槽材料は、ポリプロピレン樹脂、
ABS樹脂が多く採用されているが、ポリプロピレン樹脂
は形成時の流動性、耐温水透過性(耐水蒸気透過性)、
耐ガス透過性に優れているものの、薄肉リブ構造の製品
を射出成形により作製する場合、成形収縮率が大きかっ
たり、剛性、特に高温時の剛性や耐熱クリープ性に劣る
等の欠点をもっていた。一方、ABS樹脂は、自動車用途
において、ガソリン、オイル(例えばブレーキオイル、
防錆剤)に対する耐性が十分でなく、さらには温水透過
性、ガス透過性が高いため、長時間の使用において電解
質の性状を維持できなくなり、二次電池の生命である長
時間にわたる電気容量の確保が達成できなくなるなどの
欠点を有している。
本発明の樹脂組成物は、これら従来技術の二次電池葉
電槽材料が持つ欠点を解消するものであり、上述のよう
な特定の分散構造により、特に耐熱クリープ性が改良さ
れ、耐水蒸気透過性、耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性、
耐油性に優れているため、二次電池電槽として利用する
ことができる。
本発明を例によって、さらに詳細に説明するが、本発
明はこれらの例により限定されるものではない。
参考例1 (a−1)成分としての高結晶ポリプロピレ
ンの調製 PP−1:プロピレンホモポリマー プロピレンホモポリマー部分の結晶相の割合 =97.1% 融点=168℃、MFR=0.5 PP−2:プロピレンホモポリマー プロピレンホモポリマー部分の結晶相の割合 =96.7% 融点=167℃、MFR=6.8 PP−3:プロピレンホモポリマー プロピレンホモポリマー部分の結晶相の割合 =96.2% 融点=165℃、MFR=13.4 ポリプロピレンのMFR(メルトフローレート)はASTM
D1238に準拠し、230℃、2.16Kgの荷重下で測定した。
参考例2 (a−2)成分としての中結晶ポリプロピレ
ンの調製 PP−4:プロピレンホモポリマー プロピレンホモポリマー部分の結晶相の割合 =94.0% 融点=160℃、MFR=0.5 PP−5:プロピレンホモポリマー プロピレンホモポリマー部分の結晶相の割合 =95.2% 融点=161℃、MFR=1.9 PP−6:プロピレンホモポリマー プロピレンホモポリマー部分の結晶相の割合 =93.3% 融点=159℃、MFR=2.5 ポリプロピレンのMFRはASTM D1238に準拠し、230
℃、2.16Kgの荷重下で測定した。
参考例3 (b)成分としてのPPEの調製 b−1:2,6−キシレノールを酸化重合して得た還元粘度
0.54のポリフェニレンエーテル b−2:2,6−キシレノールを酸化重合して得た還元粘度
0.31のポリフェニレンエーテル 参考例4 (c)成分としての水添ブロック共重合体の
調製 ポリプロピレン−水素添加されたポリブタジエン−ポ
リスチレンの構造を有し、結合スチレン量60%、数平均
分子量108,000、分子量分布1.08、水素添加前のポリブ
タジエンの1,2−ビニル結合量が35%、ポリブタジエン
部の水素添加率が99.9%、ヤング率6,000Kg/cm2の水添
ブロック共重合体を合成し、このポリマーを(c−1)
とした。
同様に、ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエ
ン−ポリスチレンの構造を有し、結合スチレン量47%、
数平均分子量83,000、分子量分布1.05、水素添加前のポ
リブタジエンの1,2−ビニル結合量が46%、ポリブタジ
エン部の水素添加率が99.9%、ヤング率3,700Kg/cm2
水添ブロック共重合体を合成し、このポリマーを(c−
2)とした。
同様に、水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレ
ン−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンの構
造を有し、結合スチレン量33%、数平均分子量160,00
0、分子量分布1.09、水素添加前のポリブタジエンの1,2
−ビニル結合量が53%、ポリブタジエン部の水素添加率
が99.9%、ヤング率400Kg/cm2の水添ブロック共重合体
を合成し、このポリマーを(c−3)とした。
さらに、ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエ
ン−ポリスチレンの構造を有し、結合スチレン量60%、
数平均分子量103,000、分子量分布1.12、水素添加前の
ポリブタジエンの1,2−ビニル結合量が76%、ポリブタ
ジエン部の水素添加率が99.9%、ヤング率4,500Kg/cm2
の水添ブロック共重合体を合成し、このポリマーを(c
−4)とした。
またさらに、ポリスチレン−水素添加されたポリブタ
ジエン−ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン
の構造を有し、結合スチレン量48%、数平均分子量86,0
00、分子量分布1.07、水素添加前のポリブタジエンの1,
2−ビニル結合量が68%、ポリブタジエン部の水素添加
率が99.9%、ヤング率3,600Kg/cm2の水添ブロック共重
合体を合成し、このポリマーを(c−5)とした。
そしてさらに、ポリスチレン−水素添加されたポリブ
タジエン−ポリスチレンの構造を有し、結合スチレン量
35%、数平均分子量157,000、分子量分布1.09、水素添
加前のポリブタジエンの1,2−ビニル結合量が58%、ポ
リブタジエン部の水素添加率が99.9%、ヤング率500Kg/
cm2の水添ブロック共重合体を合成し、このポリマーを
(c−6)とした。
次に、ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン
−ポリスチレンの構造を有し、結合スチレン量61%、数
平均分子量46,000、分子量分布1.03、水素添加前のポリ
ブタジエンの1,2ビニル結合量が70%、ポリブタジエン
部の水素添加率が99.9%、ヤング率4,300Kg/cm2の水添
ブロック共重合体を合成し、このポリマーを(c−7)
とした。
さらに、水添ブロック共重合体として、クレイトンG1
651(シェル社製)を(c−8)とした。
また、ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン
(水素添加前のポリブタジエンの1,2−ビニル結合量が4
0%)−水素添加されたポリブタジエン(水素添加前の
ポリブタジエンの1,2−ビニル結合量が74%)−ポリス
チレンの構造を有し、結合スチレン量48%、数平均分子
量148,000、分子量分布1.07、水素添加前のビニル結合
量が40%の水素添加されたポリブタジエン/水素添加前
のビニル結合量が74%の水素添加されたポリブタジエン
=30/70(重量比)、ポリブタジエン部の水素添加率が9
9.9%、ヤング率3,600Kg/cm2の水添ブロック共重合体を
合成し、このポリマーを(c−9)とした。
さらに、水素添加されたポリブタジエン(水素添加前
のポリブタジエンの1,2−ビニル結合量が11%)−ポリ
スチレン−水素添加されたポリブタジエン(水素添加前
のポリブタジエンの1,2−ビニル結合量が72%)−ポリ
スチレンの構造を有し、結合スチレン47%、数平均分子
量120,000、分子量分布1.05、[水素添加前のビニル結
合量が11%の水素添加されたポリブタジエン]/[水素
添加前のビニル結合量が72%の水素添加されたポリブタ
ジエン]−10/90(重量比)、ポリブタジエン部の水素
添加率が99.9%、ヤング率3,600Kg/cm2の水添ブロック
共重合体を合成し、このポリマーを(c−10)とした。
そしてさらに、水素添加されたポリブタジエン(水素
添加前のポリブタジエンの1,2−ビニル結合量が10%)
−水素添加されたポリブタジエン(水素添加前のポリブ
タジエンの1,2−ビニル結合量が73%)−ポリスチレン
の構造を有し、結合スチレン47%、数平均分子量88.00
0、分子量分布1.04、[水素添加前のビニル結合量が11
%の水素添加されたポリブタジエン]/[水素添加前の
ビニル結合量が72%の水素添加されたポリブタジエン]
=10/90(重量比)、ポリブタジエン部の水素添加率が9
9.9%、ヤング率3,600Kg/cm2の水添ブロック共重合体を
合成し、このポリマーを(c−11)とした。
実施例1〜17 及び比較例1〜12 表1〜3に示した高結晶ポリプロピレン、中結晶ポリ
プロピレン、ポリフェニレンエーテル、水添ブロック共
重合体の各成分を、温度240〜280℃、スクリュー回転数
500rpmに設定し、第一原料供給口及び第二原料供給口
(押出機のほぼ中央に位置する。)を有する二軸押出機
(ZSK−40;WERNER & PFLEIDERER社製、ドイツ国)を用
い、表1〜3に示した押出機の第一原料供給口での樹脂
組成及び第二原料供給口での樹脂組成に従って樹脂成分
を押出機に供給して溶融混練し、樹脂組成物をペレット
として得た。このペレットを240〜280℃に設定したスク
リューインライン型射出成形機に供給し、金型温度60℃
の条件で引張試験用テストピース、曲げ弾性率測定試験
用テストピース、アイゾット衝撃試験用テストピース及
び荷重撓み温度測定用テストピースを射出成形により得
た。なお、ここで得た樹脂組成物の樹脂構造(モルホロ
ジー)を確認するため透過型電子顕微鏡(TEM)を用い
て、上記で得た引張試験片の各々のサンプルの分散相の
状態を写真に撮った(5,000倍でネガ写真を撮り、10,00
0倍に現像した)。この写真をもとに、ポリプロピレン
樹脂からなるマトリックス中に分散した分散粒子の短軸
径、長軸径を測定し、その結果を表1〜3に併せて載せ
た。
次いで、これらのテストピースを用いて引張強度試験
(ASTM D−638:23℃)を行い、引張強度及び破断伸び
を測定し、さらに曲げ弾性率(ASTM D−790:23℃)、
アイゾット(ノッチ付き)衝撃強度(ASTM D−256:23
℃)及び荷重撓み温度(ASTM D−648:18.6Kg/cm2
重)を測定した。また、これらのテストピースの一部は
予測される熱履歴を想定し、ギアーオーブンを用いた熱
履歴(80℃×48時間)の環境下を経て、同様に引張強度
試験(ASTM D−638:23℃)を行い、引張強度及び破断
伸びを測定し、さらに曲げ弾性率(ASTM D−790:23
℃)、アイゾット(ノッチ付き)衝撃強度(ASTM D−
256:23℃)及び荷重撓み温度(ASTM D−648:18.6Kg/c
m2荷重)を測定した。これらの結果を併せて表1〜3に
載せた。さらに、ここで得た樹脂組成物の耐熱クリープ
性を確認するため、レオバイブロンDDV−01/25FP型(オ
リエンテック株式会社製、日本国)を用いて、1mm×1mm
×30mmの棒状サンプルを応力150Kg・f/cm2相当の荷重を
かけ、温度65℃の条件で耐熱クリープテストを行い、破
断までの時間を測定した。この結果も併せて表1〜3に
載せた。そしてさらに、ここで得た樹脂組成物の耐水蒸
気透過性を確認するため、厚み0.5mmのシートを作成
し、透湿度測定装置:PERMATRAN W−200(MOCON社製、
米国)を用いてASTM F1249に準拠し、温度38℃、相対
湿度90%の条件で透湿度[WVTR(g/m2・24hr):Water
Vapor Transmission Rate]を測定し、厚み1mm当たり
のWVTRを求めた。この結果も併せて表1〜3に載せた。
これらの結果より、 ポリフェニレンエーテル樹脂及び水添ブロック共重合
体からなる分散粒子の短軸径が2μm以下であり、か
つ、その長軸径/短軸径の比が1〜10である本発明の樹
脂組成物は、耐熱クリープ性及び耐水蒸気透過性に優れ
た樹脂成形体をもたらすことが明らかとなった; 樹脂組成物が同じ成分で構成されていてもその製造方
法が異なると、ポリフェニレンエーテル樹脂及び水添ブ
ロック共重合体からなる分散粒子の短軸径が2μm以下
であっても、その長軸径/短軸径の比が1〜10でない樹
脂組成物が得られ、そのような樹脂組成物は、耐熱クリ
ープ性、耐水蒸気透過性に劣ることが明らかとなった。
特に、同程度の結合スチレン量を水添ブロック共重合
体を用いた場合、水添前の共役ジエン化合物のビニル結
合量が55%以下の水添ブロック共重合体を、製造時に第
一原料供給口と第二原料供給口へ分割供給すると、ポリ
フェニレンエーテル樹脂及び水添ブロック共重合体から
なる分散粒子の短軸径が2μm以下、かつ、その長軸径
/短軸径の比が1〜10となり、耐熱クリープ性、耐水蒸
気透過性、耐熱性(DTUL)、剛性(曲げ弾性率)に優れ
た樹脂成形耐が得られる。
一方、水添前の共役ジエン化合物のビニル結合量が55
%を超えた水添ブロック共重合体を、製造時に第一原料
供給口と第二原料供給口へ分割供給したり、第二原料供
給口へ全量供給すると、ポリフェニレンエーテル樹脂及
び水添ブロック共重合体からなる分散粒子の短軸径は2
μmを超えたり、あるいは、その短軸径が2μm以下と
なっても、その長軸径/短軸径の比が10を超え、耐熱ク
リープ性、耐水蒸気透過性、耐熱性(DTUL)、剛性(曲
げ弾性率)が低下する。
ポリプロピレン樹脂が、特定の高結晶ポリプロピレン
樹脂と特定の中結晶ポリプロピレン樹脂とを特定の割合
で含有し、かつ、ポリフェニレンエーテル樹脂及び水添
ブロック共重合体からなる分散粒子の短軸径が2μm以
下であり、かつ、その長軸径/短軸径の比が1/10である
本発明の樹脂組成物は、耐熱クリープ性、耐水蒸気透過
性及び熱履歴(80℃×48時間)後の靭性(伸び)が高い
レベルで保持された樹脂成形体をもたらすことが明らか
となった。
ポリプロピレン樹脂とポリフェニレンエーテル樹脂と
の混和剤として用いる水添ブロック共重合体の、ビニル
芳香族化合物から主としてなる重合体ブロックAの数平
均分子量が15,000未満であると、ポリフェニレンエーテ
ル樹脂及び水添ブロック共重合体からなる分散粒子の短
軸径が2μm以下、かつ、その長軸径/短軸径の比が1
〜10という条件を満足できず、得られた樹脂組成物は耐
熱クリープ性、耐衝撃性、耐熱性(DTUL)が低く好まし
くない。
耐水蒸気透過性に関し、樹脂組成物が同じ成分で構成
されていても、ポリフェニレンエーテル樹脂及び水添ブ
ロック共重合体からなる分散粒子の短軸径が2μm以
下、かつ、その長軸径/短軸径の比が1〜10という条件
を満足した本発明の樹脂組成物は、そのような条件を満
足していない樹脂組成物に比べて、厚み1mm当たりの透
湿度量が少ない樹脂成形体をもたらすことが明らかにな
った。
したがって、本発明の樹脂組成物は、耐熱クリープ性
および熱履歴(80℃×48時間)後の靭性(伸び)、さら
に耐水蒸気透過性の物性バランスが高いレベルで保持さ
れる。さらに、ポリプロピレン樹脂として、高結晶ポリ
プロピレンと中結晶ポリプロピレンとを併用すると、よ
り大幅な相乗効果が見られる。
実施例18 本発明の樹脂組成物を用いて二次電池電槽を射出成形
により作成した。図1は二次電池の電槽(電池ケース)
2の斜視図である。この電槽2の外側表面には複数のリ
ブ11、12及び13を形成した。電槽2の内部には電解液を
含むセパレーター(電極群)4を収納し、これらの電極
群の各々から陰極リード部5と陽極リード部6を引き出
した(図2)。陰極リード部5と陽極リード部6の先端
をそれぞれ陰極集合器7と陽極集合器8で覆い、電槽2
の上部3を、陰極短資9と陽極端子10を設けた電槽蓋
(電池ケース蓋)1とともに熱融着し、電槽内部を密閉
した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 53:00) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08L 53/00 - 53/02 C08L 71/00 - 71/14 C08L 101/00 - 101/14 H01M 2/00 - 2/08

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン樹脂37〜94重量%、ポリフ
    ェニレンエーテル樹脂4〜54重量%及び混和剤1〜20重
    量%からなる樹脂組成物において、 ポリプロピレン樹脂からなるマトリックス中に、ポリフ
    ェニレンエーテル樹脂からなる分散粒子が分散してお
    り、該分散粒子の短軸径の長さが2μm以下であり、か
    つ、その長軸径/短軸径の比が1〜10である樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】分散粒子の短軸系の長さが1μm以下であ
    り、かつ、その長軸径/短軸径の比が1〜3である請求
    項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】混和剤が水添ブロック共重合体である請求
    項1記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】ポリプロピレン樹脂が、 (a−1)パルスNMRによる自由誘導減衰(FID)より求
    めたプロピレンホモポリマー部分の結晶相の割合が96%
    以上であり、融点が163℃以上である高結晶ポリプロピ
    レン樹脂、及び (a−2)パルスNMRによる自由誘導減衰(FID)より求
    めたプロピレンホモポリマー部分の結晶相の割合が93%
    以上〜96%未満であり、融点が155℃以上〜163℃未満で
    ある中結晶ポリプロピレン樹脂 の異なる性質を有する二種のポリプロピレン樹脂からな
    り、高結晶ポリプロピレン樹脂/中結晶ポリプロピレン
    樹脂の比が95/5〜10/90(重量比)である請求項1記載
    の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】水添ブロック共重合体が、水添前のビニル
    結合量が30〜95%である共役ジエン化合物から主として
    なる少なくとも1個の重合体プロックBと、ビニル芳香
    族化合物から主としてなる少なくとも1個の重合体ブロ
    ックAからなるブロック共重合体を水素添加してなるも
    のである請求項3記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】水添前のビニル結合量が30〜55%である請
    求項5記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】水添前のビニル結合量が55%を超え95%以
    下である請求項5記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】重合体ブロックBが、水添前のビニル結合
    量が55%を超え95%以下である共役ジエン化合物から主
    としてなる少なくとも1個の重合体ブロックBと、さら
    に、水添前のビニル結合量が30〜55%である共役ジエン
    化合物から主としてなる少なくとも1個の重合体ブロッ
    クBとを含み、[該ビニル結合量が55%を超え95%以下
    である共役ジエン化合物から主としてなる重合体ブロッ
    ク]/[該ビニル結合量が30%〜55%である共役ジエン
    化合物から主としてなる重合体プロック]の比が97/3〜
    3/97(重量比)である請求項5記載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】水添ブロック共重合休が、水添前のビニル
    結合量が30〜95%である共役ジエン化合物から主としで
    なる少なくとも1個の重合体ブロックBと、さらに、水
    添前のビニル結合量が5%以上〜30%未満である共役ジ
    エン化合物から主としてなる少なくとも1個の重合体ブ
    ロックB′とを含み、重合体プロックBとB′の比率が
    B/B′=97/3〜50/50(重量比)であり、さらにビニル芳
    香族化合物から主としてなる少なくとも1個の重合体ブ
    ロックAからなるブロック共重合体を水素添加してなる
    ものである請求項3記載の樹脂組成物。
  10. 【請求項10】重合体ブロックAの数平均分子量が15,0
    00以上である請求項3記載の樹脂組成物。
  11. 【請求項11】水添ブロック共重合体のヤング率が250K
    g/cm2〜7,000Kg/cm2である請求項3記載の樹脂組成物。
  12. 【請求項12】65℃以上に少なくとも一つの結晶相の融
    点を有する請求項1記載の樹脂組成物。
  13. 【請求項13】ASTM−D648に基づく荷重撓み温度(DTU
    L:18.6Kg/cm2の荷重下)が70〜150℃である請求項1記
    載の樹脂組成物。
  14. 【請求項14】二次電池電槽用である請求項1〜13のい
    ずれか一項記載の樹脂組成物。
  15. 【請求項15】分散粒子がポリフェニレンエーテル樹脂
    及び水添ブロック共重合体からなる請求項3記載の樹脂
    組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002003712A (ja) * 2000-04-21 2002-01-09 Jsr Corp 熱可塑性樹脂組成物
US6602637B1 (en) 1999-11-17 2003-08-05 Mitsubishi Engineering-Plastics Corporation Secondary battery case
JP2013194208A (ja) * 2012-03-22 2013-09-30 Japan Polypropylene Corp プロピレン系樹脂組成物からなる射出成形体および射出成形体の耐水蒸気透過性の向上方法

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