JP2016084409A - 水酸化マグネシウムとポリオレフィンとを含むナノ複合体およびその製造方法 - Google Patents

水酸化マグネシウムとポリオレフィンとを含むナノ複合体およびその製造方法 Download PDF

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【課題】ポリオレフィンの物性低下をもたらすことのない金属水酸化物含有ポリオレフィン組成物の提供。【解決手段】ポリオレフィンと金属水酸化物とを含み、ポリオレフィンと金属水酸化物との分散性向上剤を含まず、金属水酸化物が、最大径が500nm以下のナノサイズの粒子としてポリオレフィン中に均一に分散しており、以下の製造方法で得られるナノ複合体。(工程1)ポリオレフィン粉末に金属アルコキシド溶液を含浸させる、含浸工程。(工程2)工程1の後に、ポリオレフィン粉末に含まれる溶媒を除去する、乾燥工程。(工程3)工程2の後に、ポリオレフィン粉末に含まれる金属アルコキシドに水分を供給して金属アルコキシドを水和させる、水和工程。(工程4)工程3を経たポリオレフィン粉末を溶融する、加熱工程。【選択図】 図1

Description

本発明は水酸化マグネシウムとポリオレフィンとを含むナノ複合体およびその製造方法に関する。
ポリオレフィンは安価で成形加工が容易な汎用プラスチックとして知られている。ポリオレフィンの化学構造は、その構成モノマーであるオレフィン類の組合せや重合方法を調節することにより様々に設計することができるため、これまで様々な化学構造を有するポリオレフィンが製造され、それぞれの化学構造に起因する様々な特性を有するポリオレフィンが得られている。さらに、ポリオレフィンは溶融混練が容易であることから、成形時の溶融混練工程でその利用目的に応じた添加剤を配合することによって、様々にポリオレフィンの改質を行うことができる。
中でもポリプロピレンは、安価、軽量、高融点、易成形加工性、幅広い力学的特性、高いリサイクル性を併せ持つ非常に優れた汎用プラスチックである。ポリプロピレンの用途は、生活雑貨、各種包装材、電線被覆材、建築内装材、車輛部品、繊維、電池セパレータなど、幅広い。近年は、構造材向けポリプロピレンの性能が向上したこと、燃費の良い軽量車輛の需要が増していることから、建材や車輛部品に用いられてきた比較的比重の高い無機材料やエンジニアリングプラスチックをポリプロピレンに置き換えられる傾向にある。
しかしながら、ポリプロピレンはそれ自体の融点が無機材料やエンジニアリングプラスチックよりも低く、それ自体の難燃性は低い。例えば、代表的な高結晶性ポリプリピレンの酸素指数は約18であり、20%の酸素を含む空気中では燃焼し易い材料である。そこで、特に難燃性が求められる建築内装材、車輛向け電線・ケーブル材、電気配線部品に用いるポリプロピレン材料には、難燃剤を配合する必要がある。
代表的なプラスチック配合用難燃剤としては、アンチモン化合物、赤リン、金属水酸化物といった無機系難燃剤と、臭素含有芳香族化合物、臭素含有エポキシ化合物などのハロゲン系難燃剤や、リン酸エステル系化合物、ハロゲン含有リン酸エステルといった有機系難燃剤が知られている。このうち、アンチモン化合物、赤リンは毒性の問題から近年は忌避される傾向にある。ハロゲン系難燃剤は、少量の配合で高い難燃性が得られる点で有利であるが、燃焼時のハロゲン性ガスや一酸化炭素の発生が問題視されている。
これに対して金属水酸化物は燃焼時に有害なガスを発生しないため、また比較的安価であることから、難燃剤としての需要が高い。金属水酸化物は、高温下で分解して水分を離脱して水蒸気が発生する際に熱を吸収し、脱水で生成する金属酸化物が周囲のプラスチックと固化して断熱層を形成することによって、材料に難燃性を付与する。金属水酸化物に含まれる水分子の量が難燃化効果に反映する。難燃剤用金属水酸化物としては、水酸化マグネシウムが多用されている。
ところが、ポリプロピレンに難燃性が求められる工業製品に必要な難燃性を付与するためには、多量の金属水酸化物を配合する必要がある。この理由は、疎水性モノマーを重合したポリプロピレンと水酸基を有する金属水酸化物との親和性の低さに存在する。一般的にはポリプロピレン100重量部に対して最低でも60重量部の水酸化マグネシウムが必要と言われている。大量の金属水酸化物を配合した場合は、ポリプロピレン材料全体の比重が増加し、機械的強度が低下して、ポリプロピレン本来の長所である軽量性、高強度性が減じられ、好ましくない。そこで、金属水酸化物のポリプロピレンに対する分散性を向上する対策がとられている。
特開2008− 75052号公報 特開2010−174120号公報 特表2009−522205号公報
特許文献1には、予めペンタエリスリトールとステアリン酸亜鉛で表面処理した水酸化マグネシウムをポリオレフィンに配合することが記載されている。特許文献2には、水酸化マグネシウムにシリカ源としてアルコキシシランをゲル化し乾燥して多孔質体を製造すること、この多孔質体と樹脂との混合に伴い多孔質体を破砕してより小型の水酸化マグネシウムを樹脂中に分散することが記載されている。特許文献3には、水酸化マグネシウムナノ粒子の表面を有機分散剤で表面処理したものをポリマー中に分散することが記載されている。
しかしながら、特許文献1、2、3に記載されたような従来の方法では、水酸化マグネシウムの分散性向上剤として機能する、表面処理剤、アルコキシシラン、有機分散剤が必要であって、これら分散性向上剤が最終的に得られるポリプロピレン組成物に与える影響は避けられない。通常、工業製品用のポリプロピレンには、難燃剤の他に劣化防止剤や着色材といった他の添加剤を同時に多種添加することから、これら分散性向上剤と他の添加剤との相互作用によって、他の添加剤による改質効果が損なわれる恐れがある。また、材料の成形後にこれら分散性向上剤が成形体表面に析出する現象、いわゆるブリード現象も懸念される。
以上のような、ポリプロピレンの難燃化に関する問題点は、ポリエチレンなど他のポリオレフィンの難燃化においても、同様である。水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物を、余分な成分である分散性向上剤の介在なしに、ポリオレフィンに均一に分散させ、工業製品用途に十分な難燃性を有するポリオレフィン組成物を得る手法は、未だ提案されていない。
そこで本発明者は、金属水酸化物を、分散性向上剤が残留しない状態でポリオレフィンに均一に分散させる方法を鋭意検討した。
オレフィンプロピレンに配合し、その後に金属アルコキシドを金属水酸化物に変換することによって、水酸化マグネシウムのナノサイズの粒子を均一にポリオレフィンに分散させることに成功した。
すなわち本発明は以下のものである。
(発明1)ポリオレフィンと金属水酸化物とを含み、ポリオレフィンと金属水酸化物との分散性向上剤を含まず、金属水酸化物が、最大径が500nm以下のナノサイズの粒子としてポリオレフィン中に均一に分散していることを特徴とする、ポリオレフィンと金属水酸化物からなる、ナノ複合体。
(発明2)非樹脂成分が金属水酸化物に限られる、発明1のナノ複合体。
(発明3)ポリオレフィンがポリエチレン及び/又はポリプロピレンであり、金属水酸化物が水酸化マグネシウムである、発明1または2のナノ複合体。
(発明4)ポリオレフィンが、重合直後の粉末である、発明1〜3のいずれかのナノ複合体。
(発明5)金属水酸化物の含有量がポリオレフィンに対して0重量%を超え40重量%以下である、発明1〜4のいずれかのナノ複合体。
(発明6)発明1〜5のいずれかのナノ複合体の製造方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする、ナノ複合体の製造方法。
(工程1)ポリオレフィン粉末に金属アルコキシド溶液を含浸させる、含浸工程。
(工程2)工程1の後に、ポリオレフィン粉末に含まれる溶媒を除去する、乾燥工程。
(工程3)工程2の後に、ポリオレフィン粉末に含まれる金属アルコキシドに水分を供給して金属アルコキシドを水和させる、水和工程。
(工程4)工程3を経たポリオレフィン粉末を溶融する、加熱工程。
(発明7)工程4を終了した時点でナノ複合体に含まれる非樹脂成分が金属水酸化物に限られる、発明6の製造方法。
(発明8)工程1で使用するポリオレフィンがポリエチレン及び/又はポリプロピレンであり、工程1で使用する金属アルコキシドがマグネシウムエトキシドである、発明6又は7の製造方法。
(発明9)工程1で使用するポリオレフィンが、重合直後の粉末である、発明6〜8のいずれかの製造方法。
(発明10)金属水酸化物の含有量がポリオレフィンに対して0重量%を超え40重量%以下である、発明6〜9のいずれかの製造方法。
(発明11)発明1〜5のいずれかのナノ複合体を用いたことを特徴とする、成形体。
(発明12)電線、ケーブル、建材から選ばれる、発明11の成形体。
(ポリオレフィンのナノ複合体)
本発明では、ポリオレフィン中にナノサイズの金属水酸化物粒子が均一に分散した、ポリプロピレンと金属水酸化物とからなるポリオレフィン組成物である。本発明ではこのようなポリオレフィン組成物をナノ複合体と呼ぶ。本発明のナノ複合体は、後述の特殊な製造方法によって得られるポリオレフィン組成物である。本発明のナノ複合体は、ポリオレフィンと金属水酸化物との分散性向上剤を含有しない。しかも、金属水酸化物が、最大径が500nm以下のナノサイズの粒子として存在し、凝集した金属水酸化物粒子がほとんど存在しない。本発明のナノ複合体の構成成分として排除されている上記分散性向上剤は、従来、ポリオレフィンと親和性の低い無機材料の分散性向上剤として使用されてきた化合物や試薬の全てを指す。具体的には、上述の先行技術文献に記載された有機シラン化合物、有機酸、アルコールを含む、金属水酸化物の表面処理剤や表面改質剤の全てを指す。すなわち本発明のナノ複合体は、非樹脂成分としては金属水酸化物のみを含有するものである。
(ポリオレフィン)
本発明で意図するポリオレフィンは、エチレン、炭素数3〜8のαーオレフィンから選ばれる少なくとも1種を重合してなる重合体である。代表的にはエチレン単独共重合体、エチレンと、プロピレン及び炭素数4〜8のαーオレフィンから選ばれる少なくとも1種を重合してなるエチレン共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレンと、エチレン及び炭素数4〜8のαーオレフィンから選ばれる少なくとも1種を重合してなるプロピレン共重合体である。また上記エチレン共重合体あるいはプロピレン共重合体、その他のポリオレフィンには、少量の第二、三のコモノマーとしてジエン類、酢酸ビニル、不飽和カルボン酸又はそのエステル、スチレンまたはその誘導体などの芳香族モノマーを含んでいてもよい。本発明では、上記エチレン単独共重合体とエチレン共重合体を総称してポリエチレン、上記プロピレン単独重合体とプロピレン共重合体を総称してポリプロピレンという。ポリオレフィンとしては、より高い柔軟性や軽量性が必要な用途にはポリエチレンが適しており、より高い強度や耐熱性が求められる場合にはポリプロピレンが適している。本発明で意図するポリオレフィンの製造方法、重合触媒は制限されない。例えば、チーグラー・ナッタ法、メタロセン法、高圧ラジカル重合法のいずれでも構わない。また、本発明のポリオレフィンには、後述の製造方法が実行できる限り、補助的なポリマー成分を含んでいてもよい。
本発明で用いるポリオレフィンとしては、単独、あるいは2種以上のポリオレフィンを混合したものの、何れも使用することができる。そのようなポリオレフィンとしては代表的な物は、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンである。また、本発明では、上記モノマーを上記各種重合方法により重合した直後の粉末を、ポリオレフィンとして使用する。本発明ではこのような重合直後のポリオレフィンの粉末を、ポリオレフィン粉末と呼ぶ。
(金属水酸化物・金属アルコキシド)
本発明で意図する金属水酸化物としては、難燃剤の原料として一般的な水酸化マグネシウムが代表的である。水酸化マグネシウムの他、水酸化アルミニウム、あるいはこれらの混合物も本発明で意図する金属水酸化物に含まれる。本発明のナノ複合体の製造で用いる金属アルコキシドは、上記金属水酸化物を生成するものであり、好ましくはマグネシウムアルコキシド、アルミニウムアルコキシド、及びこれらの混合物である。中でもマグネシウムエトキシド、アルミニウムプロポキシド、及びこれらの混合物が好ましい。本発明のナノ複合体が含有し得る金属水酸化物の量は従来のポリオレフィンと金属水酸化物を含む組成物と同様に、幅広い範囲から選択できる。本発明のナノ複合体の場合、従来の上記組成物では過少の金属水酸化物でも十分な難燃性が得られる。従来の組成物と異なり、金属水酸化物の量が1〜数重量部であっても難燃効果は発現し、金属水酸化物の増量に伴い難燃化度は向上する。本発明のナノ複合体では、概ね40重量%の金属水酸化物が配合されていれば工業製品用途として最も高い難燃性要求に応えられる。
(製造方法)
本発明のナノ複合体の製造方法は、以下の工程を有する。
(工程1)ポリオレフィン粉末に金属アルコキシド溶液を含浸させる、含浸工程である。金属アルコキシド溶液は、金属アルコキシドと溶媒とからなる。金属アルコキシドとしては、水酸化マグネシウムを生成するマグネシウムアルコキシド、水酸化アルミニウムを生成するアルミニウムアルコキシド、あるいはこれらの混合物が一般的である。特に難燃性を要求される場合には、水酸化マグネシウムを生成するマグネシウムエトキシドが好ましい。溶媒としてはトルエンとアルコールの混合溶媒が好ましい。含浸は還元状態(抗酸化状態)で行う。具体的には窒素雰囲気下でポリオレフィン粉末と金属アルコキシド溶液を混合し、加温下に2〜24時間、撹拌する。金属アルコキシドは、最終的な金属水酸化物に換算した量で、ポリオレフィン100重量部あたり40重量部程度まで配合することができる。
(工程2)工程1の後に、ポリオレフィン粉末に含まれる溶媒を除去する、乾燥工程である。除去手段としては真空乾燥が一般的である。
(工程3)工程2の後に、ポリオレフィン粉末に含まれる金属アルコキシドに水分を供給して金属アルコキシドを水和させる、水和工程である。工程2を経たポリオレフィン粉末を十分な時間で解放空気中に暴露する方法、あるいは、チャンバー内で工程2を経たポリオレフィン粉末に水蒸気を接触する方法、チャンバー内で工程2を経たポリオレフィン粉末を湿潤空気に暴露する方法など、水分が十分にポリオレフィン粉末に接触する方法であれば、いずれの方法も採用できる。
(工程4)工程3を経たポリオレフィン粉末を溶融する、加熱工程である。加熱によってポリオレフィン粉末に含まれる金属アルコキシド水和物が金属水酸化物に変換する。一般的には、各種ミキサーを使い、ポリオレフィンの溶融温度以上の温度で、工程3を経たポリオレフィン粉末を溶融混練する。大量のポリオレフィン粉末を用いる場合には、溶融手段として溶融押出機を使用することができる。工程4では、加熱に続いて成形あるいは造粒を行うことができる。具体的には、工程3を経たポリオレフィン粉末を溶融混練した後にシートやフィルム、チップに成形する、あるいは工程3を経たポリオレフィン粉末を溶融混練した後に造粒機を使ってペレット化することができる。
工程1〜工程4を経て、金属水酸化物はポリオレフィン中で下の経路で化学変換する。
M(OR) → M(OR) 水和物 → M(OH)
(Mは金属原子。Rはアルキル基。nは金属Mの価数に応じた数。)
この化学変換を経て、ポリオレフィンに金属水酸化物(M(OH))のナノサイズ粒子が生成する。
金属水酸化物として水酸化物マグネシウムを意図し、水酸化マグネシウムの原料としてマグネシウムエトキシドを使用する場合には、
Mg(OEt) → Mg(OEt) 水和物 → Mg(OH)
と変化する。
本発明で得られたナノ複合体には、さらに、酸化防止剤や紫外線安定剤、充填剤、顔料などの一般的な添加剤を配合することができる。そして、押出成形、射出成形などのポリオレフィンに一般的な各種成形方法によって、本発明で得られたポリオレフィンのナノ複合体を、様々な成形品に加工することができる。
本発明のナノ複合体と従来の金属水酸化物含有ポリオレフィン組成物とは、金属水酸化物の分散性向上剤の有無で、根本的に異なる。本発明のナノ複合体に分散した金属水酸化物表面あるいはその近傍には、ポリオレフィンと金属水酸化物の親和性を高めるいかなる物質も存在しない。そして、ナノ複合体の名が示す通り、本発明のナノ複合体に含まれる金属水酸化物の粒子は、小さいものでは長径が数nm〜数十nm、最大のものでも500nm以下のナノサイズの粒子として存在している。本発明のナノ複合体において、金属水酸化物は凝集することなく均一に分散している。このような、分散性向上剤の非存在下でナノサイズノ金属水酸化物がポリオレフィンに均一に分散した材料は、全く新規のものである。
それゆえ、本発明のナノ複合体と従来の金属水酸化物含有ポリオレフィン組成物との間には、顕著な特性差が認められる。第一に、従来のポリオレフィン組成物では、金属水酸化物含有量が増加するに従って結晶性が低くなるのに対して、本発明のナノ複合体では金属水酸化物含有量に伴い結晶性が低下しないばかりか、むしろ向上する。第二に、本発明のナノ複合体では、金属水酸化物が顕著な難燃効果が得られるような高濃度で配合されている状態でも、弾性や引張強度などの機械的特性の低下が抑えられている。すなわち、従来のポリオレフィン組成物では剛性が大幅に低下するのに対して、本発明のナノ複合体では維持あるいは顕著に向上する。第三に、同じ量の金属水酸化物を含有する場合、本発明のナノ複合体は従来のポリオレフィン組成物に比べて極めて高い難燃性を示す。
このような本発明のナノ複合体の特性は、ナノサイズの金属水酸化物を直接ポリオレフィンに機械的に混合、分散させても全く得られない点は、驚きに値する。このような従来法で製造したポリオレフィン組成物では、金属水酸化物が凝集して巨大粒子を形成するため、ナノサイズの金属水酸化物に期待できる効果は、実際には得られない。
実施例、比較例の酸素指数。 実施例、比較例の結晶化度。 実施例、比較例のヤング率。 比較例5の透過電子顕微鏡像。 比較例6の透過電子顕微鏡像。 実施例4の透過電子顕微鏡像。 実施例5の透過電子顕微鏡像。
本発明のナノ複合体の製造例として、ポリプロピレンを用いた例を以下に示す。本発明は以下の実施例に限定されるものでない。以下の実施例は上述のポリオレフィン全般、金属水酸化物全般に適用できる典型例である。
(実施例1)
(工程1)チーグラー・ナッタ触媒(TiCl/MgCl/フタル酸ジブチル型)を用いて製造されたプロピレン単独共重合体40gに、抗酸化剤としてアデカ社製商品「アデカスタブAO−50」1.0重量%の濃度で混合し、ポリプロピレン粉末を調整した。別途、水酸化マグネシウム換算で1重量%に相当するマグネシウムエトキシドを、メタノールとトルエンとからなる混合溶媒(メタノール:トルエン=5:1(体積比))に50℃で溶解させ、混合溶液60mlを調整した。次に、上記プロピレン粉末に上記混合溶液を加え、窒素雰囲気下、50℃で12時間撹拌した。(工程2)真空乾燥により、溶媒を除去した。(工程3)工程1,2を経たプロピレン粉末を室温で75時間大気に暴露し、ポリプロピレン粉末に含まれるマグネシウムエトキシドを水和させた。(工程4)工程3を終了したポリプロピレン粉末を、インターナルミキサー(東洋精機社製ラボプラストミル)を用いて180℃、100rpmの条件で20分溶融混練した。引き続き、溶融ポリプロピレンをホットプレスによって厚さ100μmのフィルムに成形した。こうして本発明のナノ複合体からなるフィルムを得た。
(実施例2)
工程1で、水酸化マグネシウム換算で3重量%に相当するマグネシウムエトキシドを、メタノールとトルエンとからなる混合溶媒(メタノール:トルエン=5:1(体積比))に50℃で溶解させ、混合溶液60mlを調整した点以外は実施例1と同じ条件で本発明のナノ複合体からなるフィルムを得た。
(実施例3)工程1で、水酸化マグネシウム換算で5重量%に相当するマグネシウムエトキシドを、メタノールとトルエンとからなる混合溶媒(メタノール:トルエン=5:1(体積比))に50℃で溶解させ、混合溶液80mlを調整した点以外は実施例1と同じ条件で本発明のナノ複合体からなるフィルムを得た。
(実施例4)工程1で、水酸化マグネシウム換算で10重量%に相当するマグネシウムエトキシドを、メタノールとトルエンとからなる混合溶媒(メタノール:トルエン=5:1(体積比))に50℃で溶解させ、混合溶液100mlを調整した点以外は実施例1と同じ条件で本発明のナノ複合体からなるフィルムを得た。
(実施例5)工程1で、水酸化マグネシウム換算で20重量%に相当するマグネシウムエトキシドを、メタノールとトルエンとからなる混合溶媒(メタノール:トルエン=5:1(体積比))に50℃で溶解させ、混合溶液120mlを調整した点以外は実施例1と同じ条件で本発明のナノ複合体からなるフィルムを得た。
(比較例1)
実施例の工程1で調整したポリプロピレン粉末を、比較用のポリプロピレン材料として用いた。
(比較例2)
チーグラー・ナッタ触媒(TiCl/MgCl/フタル酸ジブチル型)を用いて製造されたプロピレン単独共重合体40gに、抗酸化剤としてアデカ社製商品「アデカスタブAO−51」1.0重量%の濃度で混合し、ポリプロピレン粉末を調整した。このポリプロピレン粉末と、1重量%のシグマーアルドリッチ社製水酸化マグネシウムナノ粒子粉末(平均粒子径100nm)を、インターナルミキサー(東洋精機社製ラボプラストミル)を用いて180℃、100rpmの条件で20分溶融混練した。引き続き、溶融ポリプロピレンをホットプレスによって厚さ100μmのフィルムに成形した。こうして比較用のフィルムを得た。
(比較例3)
ポリプロピレン粉末に3重量%のシグマーアルドリッチ社製水酸化マグネシウムナノ粒子粉末(平均粒子径100nm)を混合した点以外は比較例2と同じ条件で比較用のフィルムを得た。
(比較例4)
ポリプロピレン粉末に5重量%のシグマーアルドリッチ社製水酸化マグネシウムナノ粒子粉末(平均粒子径100nm)を混合した点以外は比較例2と同じ条件で比較用のフィルムを得た。
(比較例5)
ポリプロピレン粉末に10重量%のシグマーアルドリッチ社製水酸化マグネシウムナノ粒子粉末(平均粒子径100nm)を混合した点以外は比較例2と同じ条件で比較用のフィルムを得た。
(比較例6)
ポリプロピレン粉末に20重量%のシグマーアルドリッチ社製水酸化マグネシウムナノ粒子粉末(平均粒子径100nm)を混合した点以外は比較例2と同じ条件で比較用のフィルムを得た。
実施例1で得たフィルムの赤外吸収スペクトルを日本分光社製フーリエ変換赤外分光光度計FT/IR−6100により得たMg(OH)に起因する450〜550、3690cm−1のピークが検出された。Mg−O−C結合に起因する727、1080cm−1に起因するピークは検出されなかった。このことから、マグネシウムエトキシドから水酸化マグネシウムへのin−situ化学変換が完了していることが確認された。
実施例1〜5、比較例1〜6について、以下の評価を行った。
(難燃性)
ISO 4589−2 に準拠して酸素指数(Limited Oxygen Index:LOI)を測定した。測定機器にはスガ試験機株式会社製燃焼試験器ON2Mを使用した。測定結果を表1、図1に示す。比較例1〜6ではポリプロピレンの難燃性効果が無いか、あるいはほとんど無い。これに対して実施例1〜5では難燃性が向上しており、特に実施例4、5では難燃性向上が著しい。実施例5ではLOIの値が25に達しており、難燃性が求められる工業製品に利用可能なレベルの難燃性が達成されている。本発明のナノ複合体の製造方法を用いれば、難燃化に必要な水酸化マグネシウムの量を従来量の半分以下まで低減することができる。
(結晶性)
示差走査熱測定により、発明品と比較品の結晶化度を測定した。示差走査熱量測定機として、メトラー・トレド株式会社製DSC−822を用いた。窒素雰囲気下で各試料を10℃/分で昇温し、35〜200℃の範囲における溶解熱から重量分率結晶化度を算出した。測定結果を表1、図2に示す。実施例1〜5の結果から、本発明のナノ複合体では、水酸化マグネシウムの増量に伴って結晶性が増加し続けることが分かる。これに対して、比較例1〜6の結果が示すように、市販の水酸化マグネシウムナノ粒子を機械的手段によってポリプロピレンに配合しても、結晶性はほとんど向上せず、約13重量%以上の水酸化マグネシウムナノ粒子はポリプロピレンの結晶性を低下させ、その結晶性低下効果は水酸化マグネシウムの増量に伴って深刻となることが分かる。
(ヤング率)
各試料のヤング率を測定した。厚さ100μmのダンベル状の試験片を作成し、室温、クロスヘッド速度1mm/minにて引張試験を行った。測定結果を表1、図3に示す。実施例は比較例に比べて常に高いヤング率を示す。本発明のナノ複合体では、従来生じていた水酸化マグネシウムの配合による剛性低下が抑えられていることが分かる。
(引張強度)
引張試験機Abe Dat−100を用いて各試料の引張強度を測定した。測定結果を表1に示す。実施例では水酸化マグネシウム含有量の増加に伴う引張強度の低下の程度が、比較例よりも小さい。
(水酸化マグネシウム粒子の形態観察)
10重量%の水酸化マグネシウムを含有する実施例4、比較例5、10重量%の水酸化マグネシウムを含有する実施例5、比較例6の、ポリプロピレン中の水酸化マグネシウムの粒子形態と分散状態を、透過型電子顕微鏡(TEM)(日立製作所製H−7100)により観察した。100nm厚の超薄切片は、ウルトラミクロトーム(Leica社製ULTRACUTS FCS)により調整した。得られたTEM像を図4〜7に示す。比較例5、6と異なり、実施例4、5ではポリプロピレン中に生成した水酸化マグネシウムがナノサイズの粒子として良好に分散していることが分かる。
Figure 2016084409
本発明のナノ複合体の製造方法では、ポリオレフィンとこれと親和性が低い無機材料とのナノ複合体において、20重量%に達する高濃度の無機粒子を、分散性改良剤を介さず、凝集させずに分散させることができた。このような技術は世界初の快挙である。しかも、無機粒子が難燃剤である金属水酸化物の場合、20重量%程度の配合量では難燃化効果が乏しいが、驚くべきことに本発明では十分な難燃性が発現する。本発明のナノ複合体は、高機能化ポリオレフィンとして、あるいは従来の自動車配線、絶縁配線、建材用の難燃性ポリオレフィンの代替品として、利用価値が高い。

Claims (12)

  1. ポリオレフィンと金属水酸化物とを含み、ポリオレフィンと金属水酸化物との分散性向上剤を含まず、金属水酸化物が、最大径が500nm以下のナノサイズの粒子としてポリオレフィン中に均一に分散していることを特徴とする、ポリオレフィンと金属水酸化物からなる、ナノ複合体。
  2. 非樹脂成分が金属水酸化物に限られる、請求項1に記載のナノ複合体。
  3. ポリオレフィンがポリエチレン及び/又はポリプロピレンであり、金属水酸化物が水酸化マグネシウムである、請求項1または2に記載のナノ複合体。
  4. ポリオレフィンが、重合直後の粉末である、請求項1〜3のいずれかに記載のナノ複合体。
  5. 金属水酸化物の含有量がポリオレフィンに対して0重量%を超え40重量%以下である、請求項1〜4の何れかに記載のナノ複合体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載されたナノ複合体の製造方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする、ナノ複合体の製造方法。
    (工程1)ポリオレフィン粉末に金属アルコキシド溶液を含浸させる、含浸工程。
    (工程2)工程1の後に、ポリオレフィン粉末に含まれる溶媒を除去する、乾燥工程。
    (工程3)工程2の後に、ポリオレフィン粉末に含まれる金属アルコキシドに水分を供給して金属アルコキシドを水和させる、水和工程。
    (工程4)工程3を経たポリオレフィン粉末を溶融する、加熱工程。
  7. 工程4を終了した時点でナノ複合体に含まれる非樹脂成分が金属水酸化物に限られる、請求項6に記載の製造方法。
  8. 工程1で使用するポリオレフィンがポリエチレン及び/又はポリプロピレンであり、工程1で使用する金属アルコキシドがマグネシウムエトキシドである、請求項6又は7に記載の製造方法。
  9. 工程1で使用するポリオレフィンが、重合直後の粉末である、請求項6〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 金属水酸化物の含有量がポリオレフィンに対して0重量%を超え40重量%以下である、請求項6〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 請求項1〜5の何れかに記載のナノ複合体を用いたことを特徴とする、成形体。
  12. 電線、ケーブル、建材から選ばれる、請求項11に記載の成形体。
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