JPH103658A - 磁気記録媒体の表面処理方法 - Google Patents

磁気記録媒体の表面処理方法

Info

Publication number
JPH103658A
JPH103658A JP8154642A JP15464296A JPH103658A JP H103658 A JPH103658 A JP H103658A JP 8154642 A JP8154642 A JP 8154642A JP 15464296 A JP15464296 A JP 15464296A JP H103658 A JPH103658 A JP H103658A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording medium
energy beam
magnetic recording
magnetic
height
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8154642A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Ikeda
祥行 池田
Yuzo Seo
雄三 瀬尾
Yoji Arita
陽二 有田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP8154642A priority Critical patent/JPH103658A/ja
Publication of JPH103658A publication Critical patent/JPH103658A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 非磁性基板上に少なくとも磁性層を有す
る磁気記録媒体の表面に、微小突起を設ける表面処理方
法であって、繰り返し周波数が10MHz以上かつパル
ス幅が1ns以下で発振するエネルギー線を用いて、単
一もしくは複数の連続するパルス群から成るパルスエネ
ルギー線を構成し、パルスエネルギー線を非磁性基板又
は任意の層の表面上に照射する。 【効果】 エネルギー線を用いながらガラス基板にも直
接表面加工を施すことができ、かつ磁気ディスクのデー
タ記録領域における磁気ヘッドの安定浮上高さをデータ
記録領域のグライドで規定されるように十分低くするこ
とができるとともに、CSS領域においてはスティッキ
ングが起こらないような適度な高さを有する突起を適度
な密度で生成可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンタクトスター
トアンドストップ(CSS)方式を採用した記録再生方
法に用いる磁気ディスクおよびその記録再生装置に関す
る。特に、良好なCSS特性を保ちながら磁気ヘッドの
磁気ディスク表面へのスティッキング特性と磁気ヘッド
の低浮上化を実現する磁気ディスクおよびその記録再生
装置、並びに記録再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、磁気ディスクへの情報の記録/再
生は磁気ヘッドを介して行っており、その際、磁気ディ
スクは高速で回転して磁気ヘッドを浮上させている。磁
気ディスクが回転していない場合には、磁気ヘッドはコ
ンタクトスタートアンドストップ(CSS)領域で磁気
ディスクと接触した状態で静止している。CSS領域は
磁気ヘッドの浮上/着陸のための領域であるため、従来
情報の記録はなされず、磁気ディスクはCSS領域と情
報記録領域とを有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような磁気ディス
クにおいては、磁気ヘッドのスティッキング(貼り付
き)防止や磁気特性向上のために、基板表面あるいは基
板表面に施されたNiPメッキ等の非磁性体からなる下
地層表面に、機械的研磨による加工痕を設ける表面加工
処理(以下、機械的テキスチャ処理という)が行われる
ことが多い。
【0004】しかしながら、情報量の増大と装置の小型
軽量化により、線記録密度及びトラック密度が高くな
り、1ピット当りの面積が小さくなってくると、従来の
ような機械的テキスチャによる加工痕は、情報再生時に
発生するエラーの原因となる確率が高くなる。
【0005】そのため、磁気ヘッドが静止するCSS領
域のみに機械的テキスチャ加工を施し、情報記録領域は
そのままにする方法が提案されている。しかし、この場
合は、情報記録領域の面がCSS領域の面の高さよりも
高くなること、加えてこの段差を滑らかな傾斜にするこ
とが困難なため、磁気ヘッドがこの段差を通過する時に
クラッシュするという問題があった
【0006】また、機械的テキスチャ加工よりも均一性
がの高い表面状態が実現でき、かつ制御も容易な技術と
して、レーザビームを用いてテキスチャ加工を行う方法
も提案されている。例えば、米国特許第5,062,0
21号、同5,108,781号等には、Nd−YAG
の強パルスレーザ光によりNiP層を局所的に溶融する
ことにより、溶融して形成された凹状の穴部と、その周
囲の溶融したNiPが表面張力で盛り上がって固化して
形成された直径が2.5〜100μmのリム部からなる
クレータ状の凹凸を多数作り、円環状の凸状リムによっ
て磁気ヘッドとのCSS特性を改善する試みが提案され
ている。
【0007】本発明者らは、以前からレーザーを利用し
た磁気記録媒体の製造方法について検討し、例えば特開
平8−77554号公報や特開平8−129749号公
報に開示されるように、種々の方法を提案してきた。こ
れら方法は他の方法に比べて有効な方法であることが分
かっている。
【0008】しかしながら、上述した方法はいずれも一
般的なAl基板に対する加工を主眼においた手法であ
り、他の基板にそのまま移行可能であるとは限らない。
例えば、Al基板に比べて平滑度及び強度に優れるとし
て基板としてガラス基板が近年注目されているが、ガラ
ス基板を直接エネルギー線で加工するには、紫外領域の
波長が必要である。
【0009】しかし、紫外領域で発振するレーザーは存
在しないため、SHG(SecondaryHarmonic Generato
r)、FHG(Fourth Harmonic Generator)等を用い
て、波長の長いレーザー光から紫外領域の波長を有する
レーザー光を得ることになる。しかし、SHGやFHG
の効率は入力するレーザーのエネルギー密度に比例する
ので、特開平8−77554号公報記載のような、エネ
ルギー密度の低い連続のレーザー光を使用する方法で
は、ガラス基板を直接加工可能なレーザー光を得ること
はできない。そのためこの方法をガラス基板に適用する
には熱を吸収する膜をガラス基板上に予め設ける等の前
処理を施す必要がある。
【0010】一方、米国特許第5,062,021号等
に開示される、Qスイッチを用いたレーザーはエネルギ
ー密度が高いため、SHG又はFHGの効率は高く、有
効に紫外領域のレーザー光を得ることができる。しか
し、得られるレーザー光はパルス幅が狭く、また、繰り
返し周波数が小さいため、CSS特性に好ましい突起を
得ることが困難である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】したがって、エネルギ
ー線を用いながらガラス基板にも直接表面加工を施すこ
とができ、かつ磁気ディスクのデータ記録領域における
磁気ヘッドの安定浮上高さをデータ記録領域のグライド
で規定されるように十分低くすることができるととも
に、CSS領域においてはスティッキングが起こらない
ような適度な高さを有する突起を適度な密度で生成可能
な表面処理方法が望まれている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、特定の条件
を満たすレーザー光を用いることによって上述の目的が
達成することを見いだし、本発明に到達した。すなわ
ち、本発明の要旨は、非磁性基板上に少なくとも磁性層
を有する磁気記録媒体の表面に、微小突起を設ける表面
処理方法であって、繰り返し周波数が10MHz以上か
つパルス幅が1ns以下で発振するエネルギー線を用い
て、単一もしくは複数の連続するパルス群から成るパル
スエネルギー線を構成し、該パルスエネルギー線を非磁
性基板又は任意の層の表面上に照射することにより、前
記微小突起を形成することを特徴とする磁気記録媒体の
表面処理方法に存する。
【0013】
【本発明の実施の態様】以下、本発明を詳細に説明す
る。本発明の表面処理方法においては、磁気記録媒体の
基板、下地層、磁性層またはその他必要に応じて設けら
れる保護膜層、潤滑層等の任意の層の表面に、エネルギ
ー線を照射する。
【0014】本発明において、非磁性基板としては、通
常アルミニウム合金板またはガラス基板等の非磁性基板
が用いられるが、銅、チタン等の金属基板、セラミック
基板、樹脂基板又はシリコン基板等を用いることもでき
る。基板の熱伝導率は、エネルギー線照射による熱の冷
却の関係から重要であり、好ましくは100Watt/
mK以下である。
【0015】磁気記録媒体には、通常、非磁性基板上に
膜厚が通常20〜200nmのCr、あるいはCu等の
下地層を設ける。場合によっては基板と上記層との間に
更に膜厚が通常100〜20,000nmのNiPから
なる下地層を設けてもよい。
【0016】下地層と磁性層の間には、Cr層、あるい
はCu層等の中間層を設けるのが好ましく、その膜厚
は、通常、20〜200nm、好ましくは50〜100
nmである。
【0017】磁性層は、無電解メッキ、電気メッキ、ス
パッタ、蒸着等の方法によって形成され、Co−P、C
o−Ni−P、Co−Ni−Cr、Co−Ni−Pt、
Co−Cr−Ta、Co−Cr−Pt、Co−Cr−T
a−Pt系合金等の強磁性合金薄膜が形成され、その膜
厚は通常30〜70nm程度である。
【0018】この磁性層上には必要に応じて保護層が設
けられるが、保護層としては蒸着、スパッタ、プラズマ
CVD、イオンプレーティング、湿式法等の方法によ
り、炭素膜、水素化カーボン膜、TiC、SiC等の炭
化物膜、SiN、TiN等の窒化膜、SiO、AlO、
ZrO等の酸化物膜等が成膜される。これらのうち、特
に好ましくは、炭素膜、水素化カーボン膜である。ま
た、保護層上には通常、潤滑剤層が設けられる。
【0019】磁気記録媒体の基板またはその上に設けら
れた層の表面に、エネルギー線を照射して突起を形成す
るには、出力を精度良く制御したエネルギービームを相
対的に走査して表面に突起を形成する方法等が好まし
い。
【0020】エネルギー線源としては、繰り返し周波数
10MHz以上かつパルス幅1ns以下で発振できるも
の、或いは変調器との組み合わせで繰り返し周波数10
MHz以上かつパルス幅1ns以下のエネルギー線が得
られるものであればよいが、He−Ne等のガスレーザ
又はYAG等の固体レーザをモードロッキングし、電気
光学効果による変調器と組み合わせた構成が好ましい。
【0021】本発明において、エネルギー線照射により
形成される突起の高さは、JIS表面粗さ(B0601
−1982)により規定される、粗さ曲線の中心線を基
準とした場合の突起の高さを表す。この突起の高さは、
1〜60nmが好ましく、1nm未満では基板が元来有
する細かな粗さに埋もれてしまい所望の効果は得られな
い。60nm以上であると、CSS特性は良いがヘッド
の安定浮上高さが下げられない。
【0022】また、前述の突起高さを有する突起は、1
mm2あたり102〜108個存在するのが好ましい。1
2個未満では基板のうねり等によりヘッド下面を突起
のみで支えるのは難しくなり、また108個を超えて突
起を作ろうとすると互いに干渉しあって突起の高さをそ
ろえるのが難しくなる。ここで突起の存在密度は媒体全
体での平均密度ではなく、突起存在部での単位面積当た
りの密度をいう。また、該突起は、その頂点から1nm
下の高さにおける等高線で囲まれた図形の面積(等高線
面積)の平均値が1μm2以下、突起高さの1/2の高さ
における等高線面積の平均値が5μm2以下の範囲の値
をそれぞれ有することが好ましい。
【0023】頂点から1nm下の高さにおける等高線面
積の平均値が1μm2 、突起高さの1/2の高さにおけ
る等高線面積の平均値が5μm2を超えるとヘッドとの
間にスティッキングが発生しやすくなる。なお、この等
高線面積は、レーザ干渉による表面形状測定装置、例え
ば、米国ザイゴ社製ザイゴ(ZYGO)で測定が可能で
ある。
【0024】本発明においてこのような好ましい形状の
突起を形成する条件としては、 (1)突起一つ当たりに照射するパルス状エネルギー線
の掃引時間の合計(パルス群を構成するパルス幅の合
計)をδ、掃引方向に平行な方向での最大スポット径を
D、エネルギー線と加工面との相対速度をVとすると
き、P=δV/Dで定義される掃引パラメータPが、
0.1以下、およびエネルギーの84%が集中する1/
2の径で示されるビームスポット径が 5μm以下、望
ましくは2.5μm以下の条件下で照射する。 (2)掃引パラメータPが0.25以上、およびエネル
ギーの84%が集中する1/e2の径で示されるビーム
スポット径が 5μm以下、望ましくは2.5μm以下の
条件下で照射する。 の2つを挙げることができる。
【0025】(1)の条件で照射した場合、加熱部分で
の温度はほぼ均一であり、加熱または溶融部分は体積が
膨張して中央部が凸となりこのまま急冷され突起とな
る。また、突起の周囲は冷却に伴い収縮して凹部とな
る。本発明においては、溶融範囲が狭く、溶融部分での
温度勾配がほとんど無視できる条件で溶融固化が進行す
るので、溶融部分で温度勾配が生じた場合に見られるク
レータ状の突起にはならない。
【0026】また、(2)の条件で照射した場合には、
エネルギー線の照射により形成された溶融部分で、エネ
ルギー線の走査方向と直角の方向には殆んど温度勾配が
つかない。液体表面は温度が低い方が表面張力が高いた
め、溶融部分のうち温度の低い部分で丸く凸部となり、
最後に固化する高温部分は凹部となり、急冷固化される
ことにより、突起が形成される。
【0027】本発明において、エネルギー線の走査方向
とは、静止した被照射媒体上でエネルギー線が走査する
方向のみならず、エネルギー線は静止させておき、被照
射媒体を回転させた状態で照射する場合の被照射媒体の
回転方向、あるいはエネルギー線及び被照射媒体を移動
させた場合等をも示す相対的な方向である。
【0028】表面に形成される突起高さはレーザの強度
とその平均照射時間、及びディスクの線速度を調節する
ことによって制御でき、突起の密度は、1周当たりの突
起の個数、パルスレーザの半径方向の照射間隔、及び上
記の突起の高さを制御する条件を調節することにより制
御する。また、半径方向については連続的に移動させ、
渦巻状の走査を行なうようにすると時間的に効率がよ
い。
【0029】通常、レーザの強度は200mW〜5W、
平均照射時間(パルス群の最初のパルスの立ち上がりか
ら最後のパルスの立ち下がりまでの時間の平均値)が5
μsec以下、かつパルス群を構成するエネルギー線の
パルス幅が1ns以下、レーザのスポット径は0. 2
〜4μm、基板の線速度は1〜15m/secが好まし
い。
【0030】レーザビームの照射面積を変えるには、通
常、用いるレーザの波長と対物レンズの開口率を変えれ
ばよく、開口率が0.1〜0.95の対物レンズを用い
ることにより、ビームの照射径は0.3〜6μm程度ま
で制御できる。本発明に用いるビームの照射径は2μm
以下、更に望ましくは1μm以下が望ましい。
【0031】本発明の好ましい態様として、ガラス基板
等の面精度の高い基板を用いた高密度記録用磁気ディス
ク等においては、突起は磁気ヘッドがCSS(コンタク
トスタートアンドストップ)を行なう領域に主に存在
し、データ記録領域には存在しないかあるいは低い密度
で存在する様に突起を形成する表面処理方法が挙げられ
る。このようにすることにより、データ記録領域におい
ては磁性層表面を平滑にすることができるため、従来の
機械的テキスチャ加工に起因するエラーを減少させるこ
とができる。
【0032】また、さらに好ましい態様として、突起を
磁気ヘッドがCSSを行なう領域に作成しデータ記録領
域には作成せず、あるいは低い密度で作成し、かつその
突起の高さをデータ記録領域に向かって減少するように
磁気記録媒体を作成することが挙げられる。突起高さを
データ記録領域に向かって減少させることにより、デー
タ記録領域からCSSゾーンあるいは逆の方向にヘッド
を安定にシークすることができる。
【0033】また、突起の密度をデータ記録領域に向か
って減少させることにより突起高さを低減させた場合と
同様な効果を得ることができる。また、該突起の高さお
よび密度の両方をデータ記録領域に向かって減少させる
ことも好ましい。また、磁気テープ等に対しては、テー
プ両端の摺動特性が走行に影響を与えるので、テープの
両端部分に本発明の方法により突起を作成すると、より
効果的である。
【0034】突起高さをデータ記録領域に向かって減少
させるためには、エネルギー線の出力をデータ記録領域
に向かって減少させる等の方法が挙げられる。また、突
起密度をデータ記録領域に向かって減少させるために
は、エネルギー線の照射間隔をデータ記録領域に向かっ
て大きくする等の方法が挙げられる。
【0035】
【実施例】 次に、実施例により本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実
施例によって限定されるものではない。 (実施例1)直径95mmのディスク状ガラス基板上に
膜厚10μmのNiP(熱伝導率、約10Watt/m
K)をメッキした後、表面粗さRaが2nm以下になる
ように表面研磨を行ってNiP下地層を有する基板を得
た。
【0036】次に、強度1. 63WのNd:YAGレ
ーザをモードロックし、電気光学変調した後、FHGに
て波長266nmの紫外レーザーとして、繰り返し周波
数10MHzかつパルス幅1nsのレーザー光を取り出
した。スポット径Dはレーザの集光に用いた対物レンズ
の開口率をNAとして、エネルギーの84%(1/
2 )が集中するスポット径(1.22×λ/NA)で
1.0μmとし、パルス幅1ns、パルス間隔10ns
のパルスエネルギー線を用い、60パルスを1パルス群
として(δ=60ns(1ns×60))、基板の線速
度1650mm/secの範囲内の条件で、ディスクの
内周部の半径18〜21mmのCSS領域に射してNi
P下地表面にピッチ10μmの渦巻線状に突起を作成し
た。掃引パラメータPは0.099である。
【0037】表面形状をレーザ干渉による表面形状測定
装置(米国ザイゴ社製「ZYGO」)で観察した結果、
上述の望ましい形状を有する突起が1mm2あたり104
個観察された。図1aは突起を三次元的に表した図、図
1bは突起の頂点を通り基板に垂直な断面を示す図であ
る。図1から明らかなように、CSS領域に設けるのに
適した形状を有している。
【0038】次いで,スパッタ法により,上記NiP基
板上に、順次、Cr中間層(100nm)、Co−Cr
−Ta合金磁性膜(50nm)を製膜した。さらに、カ
ーボン保護膜を(20nm)を形成し、その後、浸漬法
によりフッ素系液体潤滑剤(モンテエジソン社製「DO
L−2000」)を2nm塗布して、磁気記録媒体を作
製した。
【0039】(実施例2)基板の線速度Vを416mm
/secとし、掃引パラメータPを0.25とした以外
は、実施例1と同様にして磁気記録媒体を作成し、実施
例1と同様に突起形状を観察した。その結果、上述の望
ましい形状を有する突起が1mm2あたり104個の突起
が観察された。突起の形状を図2に示す。
【0040】(比較例1)Nd:YAGレーザーをQス
イッチ、変調器、FHGを用いて、繰り返し周波数1M
Hz、パルス幅10nsのエネルギー線とした以外は、
実施例1と同様にして突起形状を評価した。その結果、
突起頂部から1nm低い高さにおける等高線で囲まれた
図形の面積の平均値が1μm2以下、突起高さの1/2
の高さにおける等高線で囲まれた図形の面積の平均値が
5μm2以下の条件を満たす突起は10〜102/1mm
2未満であった。
【0041】(比較例2)Nd:YAGレーザーを変調
器、FHGを用いて、繰り返し周波数1MHz、パルス
幅100nsのエネルギー線とした以外は、実施例1と
同様にして磁気記録媒体を作成して評価した。その結
果、エネルギー線の強度が不十分で突起が形成されなか
った。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による表面
処理方法を用いることにより、従来前処理を施さないと
加工ができなかったガラス基板においても、エネルギー
線を直接照射して急峻な突起を精度よく生成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法により形成された突起の形状の
一例を示す図
【図2】 本発明の方法により形成された突起の別の形
状例を示す図

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に少なくとも磁性層を有す
    る磁気記録媒体の表面に、微小突起を設ける表面処理方
    法であって、繰り返し周波数が10MHz以上かつパル
    ス幅が1ns以下で発振するエネルギー線を用いて、単
    一もしくは複数の連続するパルス群から成るパルスエネ
    ルギー線を構成し、該パルスエネルギー線を非磁性基板
    又は任意の層の表面上に照射することにより、前記微小
    突起を形成することを特徴とする磁気記録媒体の表面処
    理方法。
  2. 【請求項2】 前記微小突起が、磁気記録媒体表面での
    高さが1〜60nmで、かつ、突起頂部から1nm低い
    高さにおける等高線で囲まれた図形の面積の平均値が1
    μm2以下、突起高さの1/2の高さにおける等高線で囲
    まれた図形の面積の平均値が 5μm2以下であり、表面1
    mm2当たり102〜108個の密度であることを特徴と
    する請求項1記載の磁気記録媒体の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 前記パルスエネルギー線の照射面上にお
    ける相対位置を連続的に移動し、突起1つ当たり照射す
    るパルスエネルギー線の掃引時間の合計をδ、前記エネ
    ルギー線の掃引方向に平行な方向での最大スポット径を
    D、前記エネルギー線スポットと加工面との相対速度を
    Vとする時、P=δV/Dで定義される掃引パラメータ
    Pが0.25以上である条件下において突起形成を行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記掃引パラメータPが0.1以下(か
    つ、1/e2で規定されるビームスポット径が5μm以下)
    である条件下において突起形成を行なうことを特徴とす
    る請求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 突起の中心を通り、エネルギー線の走査
    方向を含む垂直断面形状が、突起底部の片側部分に凹部
    を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気
    記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 突起の底部近傍に凹部を有することを特
    徴とする請求項1又は3に記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 照射されるエネルギー線がモードロック
    されたレーザービームであり、かつ、電気光学的変調器
    を用いて所定周期でエネルギー線のパルス群を出力する
    ことを特徴とする請求項1〜5に記載の磁気記録媒体の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 照射されるレーザ光が、波長300nm 以
    下の紫外領域のレーザービームであることを特徴とする
    請求項6に記載の磁気記録媒体の製造方法。
JP8154642A 1996-06-14 1996-06-14 磁気記録媒体の表面処理方法 Pending JPH103658A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8154642A JPH103658A (ja) 1996-06-14 1996-06-14 磁気記録媒体の表面処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8154642A JPH103658A (ja) 1996-06-14 1996-06-14 磁気記録媒体の表面処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH103658A true JPH103658A (ja) 1998-01-06

Family

ID=15588687

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8154642A Pending JPH103658A (ja) 1996-06-14 1996-06-14 磁気記録媒体の表面処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH103658A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6217970B1 (en) Magnetic recording medium, method of producing the same, and recording and reading-out method
US5861196A (en) Laser texturing a glass or glass-ceramic substrate
US5976714A (en) Magnetic recording medium and method of producing the same
US6147322A (en) Laser texturing magnetic recording medium with ultra-fine texture pattern
JPH103658A (ja) 磁気記録媒体の表面処理方法
JPH10134345A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JPH0877554A (ja) 磁気記録媒体および基板
JP3013717B2 (ja) 磁気記録媒体および基板
JP2856131B2 (ja) 磁気記録媒体の突起形成方法及び磁気記録媒体
JP2843539B2 (ja) テキスチャ装置およびテキスチャ加工方法
JP2970466B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP3629275B2 (ja) 多重レンズフォーカシングを利用するレーザ照射によって磁気記録媒体に集合組織を形成する方法
JP3030246B2 (ja) テキスチャ装置およびテキスチャ加工方法
JPH09295178A (ja) レーザテキスチャ装置
JP3146917B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH09231562A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH08147687A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH08224676A (ja) テキスチャ装置およびテキスチャ加工方法
JP2953364B2 (ja) 磁気記録媒体及び基板
JPH09180180A (ja) 磁気ディスク
JPH08147692A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH1196547A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JPH1049865A (ja) 磁気記録媒体の表面処理方法および表面処理装置
JPH0830963A (ja) 磁気ディスク及びその製造方法
JPH097168A (ja) 磁気記録媒体の製造方法