JPH1036409A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents
塩化ビニル系重合体の製造方法Info
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- JPH1036409A JPH1036409A JP20898596A JP20898596A JPH1036409A JP H1036409 A JPH1036409 A JP H1036409A JP 20898596 A JP20898596 A JP 20898596A JP 20898596 A JP20898596 A JP 20898596A JP H1036409 A JPH1036409 A JP H1036409A
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Abstract
質に優れた塩化ビニル系重合体の製造方法を提供する。 【解決手段】 (a)温水と塩化ビニル系単量体とを同
時か又は温水を僅かに先に仕込み、(b)上記単量体の
仕込み開始と同時に、油溶性開始剤、水溶性高分子分散
剤の水溶液を仕込み、(c)前記水溶性高分子分散剤は
部分ケン化ポリ酢酸ビニル0.02〜0.07重量部と
水溶性金属塩0.0002〜0.002重量部(いずれ
も単量体100重量部に対し)からなり、(d)前記
(b)工程を前記(a)工程の操作時間の40%以内に
終了する。
Description
体の製造方法に関するものであり、さらに詳細には、重
合安定性に優れ、フィッシュアイなどの品質に優れた塩
化ビニル系重合体を高い生産性を維持しながら製造する
方法に関する。
ランスに優れているため、軽質分野、硬質分野等種々の
広汎な分野で利用されている。例えば、硬質分野では、
パイプ、窓枠、フィルムなどで利用され、軽質分野では
電線被覆、シートなどで利用され、品質についても多岐
に亘って高度な品質が要求されている。
系樹脂に課せられた使命であり、従来から安価に製造す
るための技術的検討が種々なされてきている。例えば、
重合器の容量を大きくして生産性を上げる方法、塩化ビ
ニル系単量体を先に仕込み、続いて脱気された温水を仕
込むことにより昇温時間を短縮して生産性を上げる方
法、さらに、塩化ビニル系単量体と脱気された温水を同
時に仕込むことにより昇温時間を短縮して生産性を上げ
る方法などが提案されている。
は、予め加温された水性媒体(分散剤を水に溶解した混
合物)と、塩化ビニル系単量体と開始剤の均一混合物と
を同時に仕込むことにより昇温時間を短縮して生産性を
上げる方法、特公昭60−26488号には、分散剤
の全量を溶解した水と開始剤の全量を溶解した塩化ビニ
ル系単量体の仕込み時期に若干の時差を設け、両者の仕
込み終了時に所定温度になるようにして生産性を上げる
方法、特開昭60−158207号には、開始剤を含
有する塩化ビニル系単量体と分散剤を含有する水とを5
0℃以下で予備混合し、この混合物を熱交換器にて反応
温度迄昇温しながら重合器に仕込む方法、特開平1−
172407号には、塩化ビニル系単量体の仕込み中に
分散剤の少なくとも20%を、重合器内の塩化ビニル系
単量体の水に対する重量比が1.5以下の間に開始剤を
全量仕込む方法などが開示されている。
方法では、開始剤の均一混合にタンク、特殊な混合器を
必要とし、仕込み操作が複雑化するばかりでなく、重合
器に仕込むと同時に開始反応が急激に始まると共に、分
散剤が懸濁油滴表面に均一に拡散して安定な保護層を形
成する時間的余裕がないため、重合安定性に乏しく、粗
粒分が多かったり、フィッシュアイが増加するという不
都合がある。
開始剤の全量を溶解した塩化ビニル系単量体の仕込み時
期に若干の時差を設けてはいるものの、前記特公昭62
−39601号の方法と同様、重合安定性に乏しく、粗
粒分が多かったり、フィッシュアイが増加するという不
都合がある。
備混合し、この混合物を熱交換器にて反応温度迄昇温す
るため、熱交換に時間が掛かり、生産性向上効果が小さ
いという問題があり、特開平1−172407号の方法
は上記、の改良であるが、、と同様、重合安定
性に乏しく、粗粒分が多かったり、フィッシュアイが増
加するという課題が十分には解決されず、問題が残され
たままであった。このように、加温された分散剤含有温
水と開始剤含有塩化ビニル系単量体とを同時に、または
若干の時差を設けて仕込む方法は、生産性向上効果があ
るものの、重合安定性に乏しい、粗粒分が多い、フィッ
シュアイが増加する、等の問題点を有する上、重合安定
性を維持するために多量の分散剤を必要としコストアッ
プになる、など問題点がある。
予め50〜80℃に加温脱気された水を仕込む方法、特
公昭58−50603号には、分散剤と冷水を重合器に
仕込み、次いで塩化ビニル系単量体を仕込み、最後に、
加温された水を仕込む方法が開示されている。しかし乍
ら、前者(特開昭58−21408号)は、開始剤を含
んだ塩化ビニル系単量体が仕込み中に重合器内面と直接
接触するため、膜状スケールを発生し易く、重合熱の除
熱能力が著しく低下するため、重合時間短縮などが不可
能となり、稼働率アップによる生産性アップができない
という問題がある。また後者(特公昭58−50603
号)は、フィッシュアイの改良効果はあるものの、塩化
ビニル系単量体、温水と順次仕込んでいくため、仕込み
時間が長くなり、稼働率アップによる生産性アップがで
きないという問題があった。
ビニル系単量体と温水との同時仕込み法、塩化ビニル系
単量体の先仕込み法が抱える課題、即ち重合器内面への
スケール付着、重合安定性の低下、粗粒の発生、フィッ
シュアイの発生など品質上の諸問題を生じることなく、
仕込み時間の短縮を行ない、重合稼働率を向上し、生産
性の高い塩化ビニル系重合体の製造方法を提供すること
にあり、換言すれば、品質上の諸問題と生産性の相反す
る関係のバランスを向上させることを目的としている。
諸問題と生産性の相反する関係のバランスを向上するべ
く種々検討した結果、特定の仕込み方法を採用するとと
もに、特定の水溶性高分子分散剤を特定量使用すること
により、攪拌混合効果、重合初期段階の分散力を高め、
品質上の諸問題を発生することなく、生産性向上が可能
であることを見出し本発明を完成した。
性媒体中で、油溶性開始剤、水溶性高分子分散剤を用い
て懸濁重合するに際し、 (a)脱気した重合器に脱気された温水と、塩化ビニル
系単量体とを同時に又は温水を僅かに早く仕込み、 (b)塩化ビニル系単量体の仕込み開始と同時に、油溶
性開始剤、水溶性高分子分散剤の水溶液をそれぞれ専用
計量ラインを通じて、それぞれ塩化ビニル系単量体ライ
ン、温水ラインに導入して仕込み、 (c)前記(b)工程に使用される水溶性高分子分散剤
の水溶液が、(1)部分ケン化ポリ酢酸ビニルと、
(2)Na、Mg、Al、Ca、K、Ba、Znから選
択される水溶性金属塩の少なくとも1種とを組み合わせ
た分散剤系であり、(1)の部分ケン化ポリ酢酸ビニル
の使用量が、塩化ビニル系単量体100重量部に対して
0.02〜0.07重量部であり、(2)の水溶性金属
塩の使用量が、塩化ビニル単量体100重量部に対して
0.0002〜0.002重量部であり、 (d)前記(b)工程の操作を前記(a)工程の操作時
間の40%以内に終了することを特徴とする塩化ビニル
系重合体の製造方法を内容とする。
た温水を先に仕込み始めてから、1〜2分以内の時差を
取って、塩化ビニル系単量体を仕込み始めると重合安定
性が顕著に改善される。
して、脱気した重合器に脱気された温水、塩化ビニル系
単量体を仕込む。その際、温水、塩化ビニル系単量体
は、同時に仕込み初めても良いが、温水を若干早く仕込
むのが好ましい。この時差が長くなると、仕込み終了時
間が長くなるので好ましくない。従って、好ましくは、
1〜2分程度が良い。脱気した温水を先に仕込むことに
より重合が安定化され、粗粒、微粉が少なく、粒度分布
がシャープな重合体が得られる。温水の仕込み、塩化ビ
ニル系単量体の仕込みに要する時間は、ポンプ能力にも
依るが、それぞれ25分以内に終了することが好まし
い。
水溶性高分子分散剤の水溶液をそれぞれ専用計量ライン
を通じて、それぞれ塩化ビニル系単量体ライン、温水ラ
インに導入して仕込み始める。本発明では、油溶性開始
剤、水溶性高分子分散剤水溶液を塩化ビニル系単量体の
仕込みと実質的に同時に開始し、全仕込み時間の40%
(全仕込み時間を25分とした場合は10分)以内に終
了する。全仕込み時間の40%を越えると、開始剤の仕
込みが遅くなり過ぎ、重合時間が長くなって、生産性が
劣る結果となり、また、分散剤の仕込みが遅くなり過ぎ
るため、初期分散油滴を保護する保護力が不足し、異常
重合となったり、粗粒の発生をきたす。従来、油溶性開
始剤、水溶性高分子分散剤水溶液は、塩化ビニル系単量
体又は温水に均一化して仕込むという提案がなされてい
るが、均一化するためには、別のタンクを必要とした
り、均一性を制御するための特別の計量設備を必要とし
実用的ではない。油溶性開始剤、水溶性高分子分散剤水
溶液の計量にはそれぞれ専用のラインを使用し、それぞ
れの計量ラインは、塩化ビニル単量体ライン、温水ライ
ンに接続され、重合器に導入される。油溶性開始剤の導
入と同時に重合反応が開始するが、同時に比較的濃厚な
水溶性高分子分散剤水溶液が存在するため、この比較的
濃厚な分散剤によって、重合系が安定化され、粗粒、微
粉が少なく、粒度分布がシャープな重合体が容易に得ら
れる。また、開始剤の導入と同時に重合反応が進行する
ため、昇温時間を含めた重合時間が短縮され、高生産性
を維持する上で、重要な意味を持つ。
(1)部分ケン化ポリ酢酸ビニルと、(2)Na、M
g、Al、Ca、K、Ba、Znから選択される水溶性
金属塩の少なくとも1種とを組み合わせた分散剤系であ
る。従来公知の分散剤の内、例えば、メチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの水溶性
セルロース系分散剤は、初期分散時の油滴保護力が強
く、均質化が不十分になり易いので好ましくない。但
し、初期分散を損なわない程度の使用量、具体的には、
仕込み単量体100重量部に対して0.02重量部以下
程度の極少量であれば、併用添加してもよい。また、ポ
リアクリル酸系分散剤、デンプン、ゼラチン、ポリオキ
シエチレン、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子
分散剤は、初期分散力が不足するため好ましくない。本
発明で使用する部分ケン化ポリ酢酸ビニルは、従来公知
のものを1種又は2種以上組み合わせ使用することがで
きる。その使用量は、仕込み単量体100重量部に対し
て、0.02〜0.07重量部の従来より少ない使用量
の範囲が良い。0.02重量部未満では分散剤が少な過
ぎ、重合安定性が不十分となるので好ましくなく、また
0.07重量部を越えると初期分散時の油滴保護力が強
くなり過ぎ、微粉の増加、分散不足によるフィッシュア
イの増加、発泡による液面上昇などの不都合を生じるの
で好ましくない。特に好ましい分散剤の種類は、ケン化
度60〜85モル%、重合度1000〜2500のポリ
酢酸ビニルであり、この範囲のものを1種又は2種以上
を使用できる。
a、K、Ba、Znから選択される水溶性金属塩類を1
種又は2種以上使用する必要がある。この水溶性金属塩
類は、仕込み状態が徐々に変化し、さらに重合が進行し
つつあるような不均一系の初期分散を維持するために使
用する。この水溶性金属塩類の種類は、例えば、炭酸N
a、炭酸Mg、炭酸Alなどの炭酸塩類、硫酸Na、硫
酸Mg、硫酸Al、硫酸K、硫酸Znなどの硫酸塩類、
硝酸Na、硝酸Mg、硝酸Al、硝酸Ca、硝酸Znな
どの硝酸塩類、ホウ酸Na、ホウ酸Mg、ホウ酸Al、
ホウ酸Znなどのホウ酸塩類、ラウリン酸Na、ラウリ
ン酸Mg、ラウリン酸Alなどの低級脂肪酸金属塩など
が例示される。その中でも、硫酸Na、硫酸Mg、硫酸
Al、硫酸K、硫酸Znなどの硫酸塩類が、重合安定
性、粒度分布、フィッシュアイなどに及ぼす効果の面か
ら好ましく、特に硫酸Alが好ましい。
0重量部に対して、0.0002〜0.002重量部程
度の極めて少量で良い。0.0002重量部より少量で
は、分散安定性に及ぼす効果が少ないので好ましくな
く、また0.002重量部より多量に使用すると、熱安
定性の悪化、初期着色の悪化、さらに、粒度分布のブロ
ード化などの重合体品質の低下、あるいは分散過多によ
る異常重合の発生などをきたすので好ましくない。
果を従来公知の油溶性乳化剤又は水溶性乳化剤を極く少
量併用することにより、更に高めることができる。この
ような相乗効果を発現する乳化剤の種類は特に限定され
ないが、例えば、グリセリンモノオレエートなどのグリ
セリン系乳化剤、ソルビタントリステアレートなどのソ
ルビタン系乳化剤、エチレンオキサイドプロピレンオキ
サイドブロックコポリマーなどの油溶性乳化剤、又は、
例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト、ポリオキシエチレングリセリンオレエートなどのポ
リオキシエチレン系水溶性乳化剤などが挙げられ、これ
らは1種又は2種以上使用することができる。その使用
量は、仕込み単量体100重量部に対して、0.000
1〜0.01重量部程度の極めて少量で良い。0.00
01重量部未満では、界面張力の低下が不十分で、初期
油滴分散が不足し、フィッシュアイの増加などの不都合
を生じるので好ましくなく、また0.01重量部を越え
ると、初期油滴分散が過剰になり、微粉の増加、過剰分
散による重合安定性の低下などの不都合を生じるので好
ましくない。
ポリ酢酸ビニルと水溶性金属塩の各水溶液の専用計量ラ
インを通じて、温水ライン又は塩化ビニル単量体ライン
に導入して、重合器に仕込んでも良いし、又は、部分ケ
ン化ポリ酢酸ビニルと水溶性金属塩を一定割合で混合溶
解した水溶液を専用計量ラインを通じて、温水ライン又
は塩化ビニル単量体ラインに導入して、重合器に仕込ん
でも良い。該水溶液の仕込み速度は、温水の仕込み開始
とほぼ同時に開始し、ポンプ能力、計量精度の許す限り
早く、全工程操作時間の40%以内に仕込むことが重要
である。該分散剤の仕込み操作が遅くなり過ぎると、前
記した如く、分散安定性が不十分となり、異常重合とな
る。また、仕込み時間が長くなるにしたがって、粒度分
布がブロードとなり、フィッシュアイも多く、品質上の
問題が多くなる。
の開始と同時に行なうのが好ましく、重合器に仕込まれ
た成分の均質化をなるべく早く行なうことが重要であ
る。攪拌速度は、攪拌翼の形状によっても異なるが、
5.0m/sec 以上の攪拌翼周速で行なうと本発明の効
果を容易に発現できる。5.0m/sec 未満の攪拌翼周
速では、均質化が不完全となり、フィッシュアイの増
加、粒度分布のブロード化、粗粒、微粉の増大、異常重
合などの不都合をきたし好ましくない。5.0m/sec
以上の攪拌翼周速を維持するのに好適な攪拌翼は、傾斜
パドル又はブルーマージン翼である。傾斜パドルの傾斜
角は、10°以下の攪拌トルクの小さい傾斜パドル翼が
好ましい。
するが、脱気された温水の温度は、50〜80℃が好ま
しく、重合制御が可能な限り高い温度であることが好ま
しい。(b)工程の途中で所定重合温度に到達し、重合
が開始された状態となっているが、従来の除熱方式、例
えば、ジャケット除熱、リフラックスコンデンサー除
熱、内部ジャケット除熱を使用して、重合反応を制御す
れば良い。
制御したり、(b)工程でのH(水)/M(モノマー)
比をコントロールしたりする必要はなく、重合発熱状態
に合わせて、除熱を実施すれば良い。特別な分散剤系を
選択することにより、十分な均質化が達成され、重合安
定性の低下、粗粒、微粉の発生、粒度分布のブロード
化、フィッシュアイの発生などが容易に抑制されるもの
と考えられる。
の開始剤を使用できる。従来公知の開始剤のうち、10
時間半減期が30〜65℃のものを1種又は2種以上使
用するのが好ましい。開始剤の使用量は、その種類や重
合温度によっても異なるが、仕込み単量体100重量部
に対して、0.005〜0.5重量部が良い。この量の
開始剤を使用することにより、重合時間を6時間以下に
することができる。このような重合開始剤としては、ア
セチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイド、
2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシネオ
デカノエート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカ
ーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカ
ーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,
5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどの
有機過酸化物開始剤、アゾビスイソブチロニトリル、ア
ゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化
合物を使用でき、これらは単独又は2種以上組み合わせ
て用いられる。
専用ラインにて計量され、塩化ビニル単量体の仕込みラ
インに切り込み、重合器に導入される。重合反応をなる
べく早く開始し、昇温時間、全重合時間を短縮するに
は、開始剤の仕込みタイミングは、なるべく早く実施す
るのが良いが、計量精度を維持するには、全仕込み時間
の40%以内(全仕込時間を25分とした場合は10
分)の時間内に行なうのが好ましい。全仕込み時間の4
0%を越えると分散安定性が不十分となり、異常重合と
なる。また、仕込み時間が長くなるにしたがって、粒度
分布がブロードとなり、フィッシュアイも多く、品質上
の問題が多くなる。
主成分とする単量体であり、具体的には、塩化ビニル単
量体単独、又は塩化ビニルを70%以上含有し塩化ビニ
ルと共重合可能な単量体との混合物である。
は、従来公知の単量体を使用できる。例えば、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸プロピルな
どの(メタ)アクリル酸エステル類、エチレン、プロピ
レンなどのオレフィン類、1−クロロプロピレン、2−
クロロブチレンなどのクロル化オレフィン類、マレイン
酸ブチルなどのマレイン酸エステル類又は酸無水物、ア
クリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデンなどの単量
体が例示される。この他、従来塩化ビニル系単量体の重
合又は共重合に使用される重合調整剤、連鎖移動剤、p
H調整剤、ゲル化性改良剤、帯電防止剤、架橋剤などの
添加剤は、その目的に応じて任意に使用することがで
き、その使用量も従来と同様である。
に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。なお、実施例、比較例において、%は、
特に指定のない限り重量%を表示し、部数は、重量部を
表示する。得られた塩化ビニル系重合体の特性値は次の
方法により測定した。
0部、ステアリン酸カルシウム2部、ステアリン酸バリ
ウム1部、及びカーボンブラック0.02部を添加し十
分混合ドライアップした後、表面温度が150℃に調整
された8インチロールに投入混練りし、4分、5分、6
分で0.3mmのシートを途中サンプリングした。そのサ
ンプリングしたそれぞれのシートの表面100mm2 中に
観察される透明粒子の数を計数して示した。
ASS分 JIS K−6721に準拠し、42,60,80,1
00,120,145,200メッシュの篩を使用し、
篩振盪器にて篩分けを行い、50%通過径をもって平均
粒子径とした。また、粒度分布は、各メッシュに残留し
た塩化ビニル系重合体の重量を測定し、100分率にて
表示した。さらに、粗粒分は、42メッシュの篩上の残
留量(100分率、粒度分布の分率には計数せず)、P
ASS分は200メッシュを通過した量(100分率)
で表示した。
常圧から1000psiまで加圧した際、約0.2gのP
VCに圧入される水銀容量を測定し、塩化ビニル系重合
体(PVC)100g当たりに換算した値をポロシティ
ーと定義した。
に保持した容器内に、PVC500gを投入し、2分間
攪拌しながら予熱し、80℃に加熱したジ−2−ウンデ
シルフタレート300gを投入器を用いて一定速度で投
入する。そのまま100rpm の攪拌を続け、混合トルク
が低下し安定する迄の時間を求めた。
ら、所定重合温度に到達するまでの時間を仕込み時間と
定義し、所定重合温度到達時から、重合圧力が定常圧か
ら1Kg/cm2 低下し、重合停止、未反応単量体を回収し
始めた時点までを重合時間と定義した。
000Lのステンレス製重合器内を真空ポンプにて脱気
し、その中に脱気した65℃に温度調節した温水を約4
5L/分の速度で仕込み始め、1分後、塩化ビニル単量
体を約45L/分の速度で仕込み始めた。温水850L
を約19分で、塩化ビニル単量体790Lを約18分で
仕込み完了した。塩化ビニル単量体を仕込み始めると同
時に、部分ケン化ポリ酢酸ビニルの5%水溶液を約2L
/分の速度で計量ラインを通じて、温水ラインに導入し
て仕込み始め、約5分で仕込みを完了した。部分ケン化
ポリ酢酸ビニルの仕込み量は、塩化ビニル単量体100
部に対して0.057部とした。また、部分ケン化ポリ
酢酸ビニルの種類は、ケン化度78%、重合度2000
のものを使用した。この部分ケン化ポリ酢酸ビニルの5
%水溶液には、水溶性金属塩として、硫酸Naを塩化ビ
ニル単量体100部に対して0.0007部混合溶解し
たものを使用した。塩化ビニル単量体を仕込み始めると
同時に、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネ
ートを溶解した50%のトルエン溶液を約0.2L/分
の速度で計量ラインを通じて、塩化ビニル単量体ライン
に導入して仕込み始め、約3分で仕込みを完了した。ジ
−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネートの仕込
み量は、塩化ビニル単量体100部に対して0.045
部とした。さらに、ブルーマージン翼を取付けた攪拌機
を塩化ビニル単量体を仕込み始めると同時に稼働し、攪
拌翼周速が8.6m/sec となるように回転数を調節し
た。仕込み開始と同時に内温は徐々に上昇し始めるが、
ジャケット温調、及びリフラックスコンデンサーによる
温調を行い、仕込み完了前5分で内温が57℃になるよ
うに調整した。この仕込み完了前5分の時点を所定温度
到達時(重合開始時間)とした。このまま内温を57℃
に維持し、重合器内圧が定常圧より1Kg/cm2 低下した
時点で重合を停止し、未反応単量体を回収して重合を終
了した。得られたスラリーを脱水、乾燥して、塩化ビニ
ル重合体を得て、各種特性の測定に供した。
性金属塩の種類を硫酸Alとし、塩化ビニル単量体10
0部に対して0.0006部溶解した水溶液とした以外
は、実施例1とまったく同様の仕込み操作で、同様の重
合条件にて、塩化ビニル重合体を得て、各種特性の測定
に供した。
塩の種類をホウ酸Naとし、塩化ビニル単量体100部
に対して0.001部溶解した水溶液とした以外は、実
施例1とまったく同様の仕込み操作で、同様の重合条件
にて、塩化ビニル重合体を得て、各種特性の測定に供し
た。
ビニルを0.042部、ケン化度83%、重合度230
0の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを0.012部を併用し
て、これらを混合溶解した部分ケン化ポリ酢酸ビニルの
5%水溶液を使用した以外は、実施例1とまったく同様
の仕込み操作で、同様の重合条件にて、塩化ビニル重合
体を得て、各種特性の測定に供した。
い、部分ケン化ポリ酢酸ビニルのみの5%水溶液を使用
した以外は、実施例1とまったく同様の仕込み操作で、
同様の重合条件にて、塩化ビニル重合体を得て、各種特
性の測定に供した。
ルの5%水溶液の仕込み速度を約0.6L/分の速度に
低下し、計量ラインを通じて、温水ラインに導入して仕
込み始め、約15分で仕込みを完了した以外は、実施例
1とまったく同様の仕込み操作で、同様の重合条件に
て、塩化ビニル重合体を得て、各種特性の測定に供し
た。
解した50%のトルエン溶液を約0.04L/分の速度
で計量ラインを通じて、塩化ビニル単量体ラインに導入
して仕込み始め、約15分で仕込みを完了した以外は、
実施例1とまったく同様の仕込み操作で、同様の重合条
件にて、塩化ビニル重合体を得て、各種特性の測定に供
した。
−エチルヘキシルパーオキシジカーボネートを溶解した
50%のトルエン溶液を約0.2L/分の速度で計量ラ
インを通じて、塩化ビニル単量体ラインに導入して仕込
み始め、約3分で仕込みを完了した以外は、実施例1と
まったく同様の仕込み操作で、同様の重合条件にて、塩
化ビニル重合体を得て、各種特性の測定に供した。
時にジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート
を溶解した50%のトルエン溶液を約0.2L/分の速
度で約3分で仕込みを完了し、また同時に、実施例1で
使用した、水溶性金属塩を含む部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ルの5%水溶液を約2L/分の速度で仕込み始め、約5
分で仕込みを完了した。塩化ビニル単量体790Lを約
18分で仕込み完了した後、65℃に温度調整した温水
を仕込み始め、温水850Lを約19分で仕込み完了し
た。開始剤、分散剤などの種類、添加量などは、実施例
1と同様とし、温水仕込み完了前約5分に重合開始とな
る。そのまま実施例1と全く同様の重合操作にて、塩化
ビニル重合体を得て、各種特性の測定に供した。
仕込み、次いで、重合器内を脱気後、塩化ビニル単量体
を仕込み始め、同時にジ−2−エチルヘキシルパーオキ
シジカーボネートを溶解した50%のトルエン溶液を約
0.2L/分の速度で約3分で仕込みを完了し、また同
時に、実施例1で使用した、水溶性金属塩を含む部分ケ
ン化ポリ酢酸ビニルの5%水溶液を約2L/分の速度で
仕込み始め、約5分で仕込みを完了した。開始剤、分散
剤などの種類、添加量などは、実施例1と同様とし、塩
化ビニル単量体仕込み完了後、約25分かけてジャケッ
ト昇温を行い、重合開始とした。そのまま実施例1とま
ったく同様の重合操作にて、塩化ビニル重合体を得て、
各種特性の測定に供した。
に、水溶性金属塩の硫酸Naを添加しない場合は、粗粒
分、フィッシュアイが多く、可塑剤吸収時間も長く、粒
度分布もブロードなPVCとなる。実施例1と比較例2
の比較から判るように、分散剤の投入を長時間に亘って
行い、温水仕込みと同等時間かけると、初期分散時に分
散剤が不足し異常重合となる。
に、開始剤の投入を長時間に亘って行い、温水仕込みと
同等時間をかけると、初期重合速度が遅くなり、重合時
間が長くなるばかりでなく、粗粒分、フィッシュアイが
多く、可塑剤吸収時間も長く、粒度分布もブロードなP
VCとなる。また、実施例1と比較例4の比較から判る
ように、開始剤を単量体仕込みの末期に一括投入する
と、初期重合速度が遅くなり、重合時間が長くなるばか
りでなく、粗粒分、フィッシュアイが多く、可塑剤吸収
時間も長く、粒度分布もブロードなPVCとなる。
に、温水よりも単量体を先に仕込む(温水後仕込み)
と、仕込み時間が長くなるとともに、粗粒分、フィッシ
ュアイが多く、可塑剤吸収時間も長く、粒度分布もブロ
ードなPVCとなる。さらに、実施例1と比較例6の比
較から判るように、通常の冷水先仕込み法では、仕込み
時間が大幅に長くなると共に、粗粒分、フィッシュアイ
が多く、可塑剤吸収時間も長く、粒度分布もブロードな
PVCとなる。
較して、生産性と品質、特に、フィッシュアイ、粒度分
布、可塑剤吸収性などとのバランスが大幅に向上し、従
来品より優れたPVCを高生産性で生産でき、その工業
的価値は極めて大である。また本発明の中でも、実施例
1〜4の比較から判るように、水溶性金属塩として硫酸
Alを使用した実施例2は、品質バランスが特に優れて
おり、効果の発現が顕著である。
Claims (3)
- 【請求項1】 塩化ビニル単量体、又は塩化ビニルと共
重合し得る単量体と塩化ビニル単量体との混合物(以
下、両者を塩化ビニル系単量体と記す)を水性媒体中
で、油溶性開始剤、水溶性高分子分散剤を用いて懸濁重
合するに際し、 (a)脱気した重合器に脱気された温水と、塩化ビニル
系単量体とを同時に又は温水を僅かに早く仕込み、 (b)塩化ビニル系単量体の仕込み開始と同時に、油溶
性開始剤、水溶性高分子分散剤の水溶液をそれぞれ専用
計量ラインを通じて、それぞれ塩化ビニル系単量体ライ
ン、温水ラインに導入して仕込み、 (c)前記(b)工程に使用される水溶性高分子分散剤
の水溶液が、(1)部分ケン化ポリ酢酸ビニルと、
(2)Na、Mg、Al、Ca、K、Ba、Znから選
択される水溶性金属塩の少なくとも1種とを組み合わせ
た分散剤系であり、(1)の部分ケン化ポリ酢酸ビニル
の使用量が、塩化ビニル系単量体100重量部に対して
0.02〜0.07重量部であり、(2)の水溶性金属
塩の使用量が、塩化ビニル単量体100重量部に対して
0.0002〜0.002重量部であり、 (d)前記(b)工程の操作を前記(a)工程の操作時
間の40%以内に終了することを特徴とする塩化ビニル
系重合体の製造方法。 - 【請求項2】 脱気された温水を仕込み始めた後1〜2
分以内に塩化ビニル系単量体を仕込み始める請求項1記
載の製造方法。 - 【請求項3】 水溶性金属塩が硫酸Na、硫酸Mg、硫
酸Al、硫酸K及び硫酸Znよりなる群から選択される
少なくとも1種である請求項1または2記載の製造方
法。
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---|---|---|---|
JP20898596A JP3568696B2 (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
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JPH1036409A true JPH1036409A (ja) | 1998-02-10 |
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
JP2007177153A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Toagosei Co Ltd | 逆相懸濁重合装置及び重合体の製造方法 |
-
1996
- 1996-07-18 JP JP20898596A patent/JP3568696B2/ja not_active Expired - Fee Related
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