JPH1036335A - N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N’−フェニルウレア系化合物及びそれを含む可逆性感熱記録用顕色剤 - Google Patents

N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N’−フェニルウレア系化合物及びそれを含む可逆性感熱記録用顕色剤

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JPH1036335A
JPH1036335A JP8189014A JP18901496A JPH1036335A JP H1036335 A JPH1036335 A JP H1036335A JP 8189014 A JP8189014 A JP 8189014A JP 18901496 A JP18901496 A JP 18901496A JP H1036335 A JPH1036335 A JP H1036335A
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methoxybenzenesulfonyl
urea
phenyl
compound
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Norio Yamane
教郎 山根
Makoto Nishioka
誠 西岡
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】可逆性感熱記録体の顕色剤として有用な新規化
合物を提供する。 【解決手段】下記化学式(I): 【化1】 (ただし、Xは、−NHCO−、−NHCOO−又は−
NHCOS−であり、nは、15〜20の整数を表
す。)により表されるN−(p−メトキシベンゼンスル
ホニル)−N'−フェニルウレア系化合物は、感熱記録
用染料前駆体を加熱により発色させて画像を形成し、か
つこの発色画像を常温において保持し、かつこれを加熱
によることによって発色画像を消色し、この消色状態を
常温において保持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なN−(p−
メトキシベンゼンスルホニル)−N'−フェニルウレア
系化合物およびそれらを含む可逆性感熱記録用顕色剤に
関するものである。 本発明のN−(p−メトキシベン
ゼンスルホニル)−N'−フェニルウレア系化合物は、
N'−フェニル基に結合した−NHCO−、−NHCO
O−又は−NHCOS−中間基及び−(CH2)n−CH
3(n=15〜20)末端基を有するものであって、こ
れらの化合物は、可逆性感熱記録用顕色剤として有用な
ものである。
【0002】すなわち本発明のN−(p−メトキシベン
ゼンスルホニル)−N'−フェニルウレア系化合物は、
感熱記録用染料に対して、それを加熱することにより発
色および消色を可逆的に行わせることができ、かつ、染
料の発色状態および消色状態のそれぞれを、常温におい
て保持することができる。従って、本発明の化合物を、
感熱記録用顕色剤として、発色、消色可能な染料前駆
体、例えばロイコ染料と組み合わせて使用することによ
り、当該染料の発色色相と、消色色相とのコントラスト
の高い可逆性感熱記録体を得ることができる。これによ
って得られる可逆性感熱記録体は、例えばプリペイドカ
ード類、ポイントカード類、多数回用いられるファクシ
ミリ用紙、あるいは画像の保持にエネルギーが不要の表
示材料などとして利用できる。
【0003】
【従来の技術】従来、感熱記録体は、記録装置がコンパ
クトで、安価で、かつ保守が容易であることから、コン
ピューター、計測機器、レジスター、CD・ATM、フ
ァクシミリ、自動券売機、ハンディーターミナル等の出
力用紙として使用されてきたが、最近では磁気記録との
複合化により、プリペイドカードやポイントカード等の
磁気感熱カードとしても使用されている。これらの磁気
感熱カードでは、磁気情報が使用の都度書き換えられる
のに対し、感熱記録画像は書き換えられないため、残度
数等の新しい情報は、画像が記録されていない部分に追
記される。しかし、記録可能な部分の面積は限られてい
るため、やむなく感熱記録する情報量を減らしたり、記
録エリアが無くなった時点でカードを作り直したりして
いるのが実状である。このような問題を解決する手段と
して、何度でも書き換え可能な可逆性感熱記録体の開発
が強く望まれている。
【0004】また、近年盛んに論じられているゴミ問題
や森林破壊問題を背景に、感熱記録紙についてもその再
生利用が望まれている。感熱記録紙の再生方法には様々
な方法が考えられるが、中でも脱墨装置等の大型な装置
を必要としない汎用性のある方法として、何度でも書き
換え可能な可逆性感熱記録体の開発が望まれている。さ
らに、可逆性感熱記録体は、特開平3−233490号
公報および特開平5−42762号公報等に開示されて
いるような簡易ディスプレ−用の記録材料としても注目
されており、これらの装置に適した可逆性感熱記録体の
開発も強く望まれている。
【0005】これらの要求を背景に、様々な可逆性感熱
記録体が提案されてきた。例えば、特開昭63−107
584号公報、特開平4−78573号公報および特開
平4−358878号公報等には、加熱条件による透明
度の変化を利用した高分子タイプの可逆性感熱記録体が
開示されている。しかし、高分子の相変化による透明−
白濁を利用した記録方式であるため、十分な透明度、あ
るいは十分な不透明度が簡単には得られず、発色部と消
色部のコントラストが低くなり、暗い場所での視認性が
悪いという問題を有している。また一般に、発色地に白
の画像記録となってしまい、白地に発色画像を記録す
る、所謂ペーパーライクな記録体を得るのが困難である
という欠点も有している。
【0006】これらの問題を解決する方法として、従来
の感熱記録体に用いられている染料を使用しながら可逆
記録を可能にした、染料タイプの可逆性感熱記録体が提
案されている。染料タイプの可逆性感熱記録体は、白地
に発色画像を記録することが容易であり、また加熱条件
による吸収波長の変化を利用した記録方式であるため、
比較的高いコントラストが得られる。染料タイプの可逆
性感熱記録体としては、例えば下記の方式が知られてい
る。
【0007】特開昭58−191190号公報および特
開昭60−193691号公報には、顕色剤として没食
子酸、フロログルシノールを用いる方法が開示されてい
る。しかし、消去に水または水蒸気を必要とするため、
消色装置が大型化するという欠点を有している。特開昭
60−264285号公報および特開昭62−1408
81号公報には、ヒステリシスを有するサーモクロミッ
ク材料が開示されている。しかし、画像保持温度域が、
その上限および下限の両方において制限されるため、装
置が複雑になり、かつ使用環境温度に制限があるという
欠点を有している。特開昭63−173684号公報に
は、顕色剤としてアスコルビン酸誘導体を用いる方法が
開示されている。しかし、消去の際、十分に消色しない
という欠点を有している。
【0008】特開平2−188293号公報および特開
平2−188294号公報には、没食子酸等の特定の有
機酸と、高級脂肪族アミンとの塩を顕色剤として用いる
方法が開示されている。しかし、発色反応と消色反応が
競争反応であるため、どちらかの反応が選択的に進行す
るように制御することが困難であり、高コントラストを
得にくいという欠点を有している。特開平5−1243
60号公報および特開平6−210954号公報には、
長鎖アルキル基を有する有機リン酸化合物、あるいはフ
ェノール性化合物を顕色剤として用いる方法が開示され
ている。しかし、消去の際、十分に消色しないことがあ
り、また発色画像の保存性が不十分となることがあると
いう欠点を有している。
【0009】上記のように、可逆性感熱記録体について
数多くの技術が開示されてきたが、それぞれ種々の欠点
を有しており、実用上十分に満足な性能を有するものは
未だ得られていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
前記問題点を解決し得る新規な化合物を提供し、かつそ
れを用いて得られる可逆性感熱記録体が、小型の装置を
用い、白地に発色画像を形成し、加熱条件の違いのみで
発色および消色を実施することができ、高いコントラス
トを有し、画像の保存性にも優れ、かつ繰り返し発色、
消色を行なっても消色濃度の増大が生じない新規可逆性
感熱記録を可能にしようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、加熱のみ
で発色、消色を行うことができ、かつ発色部と消色部の
色相コントラストが高く、画像の保存性にも優れている
可逆性感熱記録体を得ることを目的として、染料と顕色
剤の反応を利用した染料タイプの可逆感熱記録方式を鋭
意検討した結果、可逆性顕色剤として有用な非フェノー
ル性化合物を見出だし、本発明を完成するに至った。
【0012】本発明に係るN−(p−メトキシベンゼン
スルホニル)−N'−フェニルウレア系化合物は、下記
化学式(I):
【化3】 [ただし、式(I)中 Xは、−NHCO−、−NHC
OO−、−NHCOS−を表し、nは、15〜20の整
数を表す。]により表されるものである。
【0013】本発明において、前記化学式(I)の化合
物が、N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'
−[4−(n−オクタデカノイルアミノ)フェニル]ウ
レア、N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'
−[4−(n−エイコサノイルアミノ)フェニル]ウレ
ア、N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−
[4−(n−ドコサノイルアミノ)フェニル]ウレア、
N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
−(n−ヘキサデシルオキシカルボニルアミノ)フェニ
ル]ウレア、N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)
−N'−[4−(n−オクタデシルオキシカルボニルアミ
ノ)フェニル]ウレア、N−(p−メトキシベンゼンス
ルホニル)−N'−[4−(n−エイコシルオキシカルボ
ニルアミノ)フェニル]ウレア、N−(p−メトキシベ
ンゼンスルホニル)−N'−[4−{(n−ヘキサデシ
ルチオ)カルボニルアミノ}フェニル]ウレア、および
N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
−{(n−オクタデシルチオ)カルボニルアミノ}フェ
ニル]ウレアから選ばれることが好ましい。
【0014】本発明の可逆性感熱記録用顕色剤は、下記
化学式(I):
【化4】 [ただし、式(I)中 Xは、−NHCO−、−NHC
OO−、−NHCOS−を表し、nは、15〜20の整
数を表す。]により表されるN−(p−メトキシベンゼ
ンスルホニル)−N'−フェニルウレア系化合物の少な
くとも1種を含むことを特徴とするものである。
【0015】本発明の可逆性感熱記録用顕色剤におい
て、前記化学式(I)の化合物は、N−(p−メトキシ
ベンゼンスルホニル)−N'−[4−(n−オクタデカノ
イルアミノ)フェニル]ウレア、N−(p−メトキシベ
ンゼンスルホニル)−N'−[4−(n−エイコサノイル
アミノ)フェニル]ウレア、N−(p−メトキシベンゼ
ンスルホニル)−N'−[4−(n−ドコサノイルアミ
ノ)フェニル]ウレア、N−(p−メトキシベンゼンス
ルホニル)−N'−[4−(n−ヘキサデシルオキシカル
ボニルアミノ)フェニル]ウレア、N−(p−メトキシ
ベンゼンスルホニル)−N'−[4−(n−オクタデシル
オキシカルボニルアミノ)フェニル]ウレア、N−(p
−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4−(n−エ
イコシルオキシカルボニルアミノ)フェニル]ウレア、
N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
−{(n−ヘキサデシルチオ)カルボニルアミノ}フェ
ニル]ウレア、およびN−(p−メトキシベンゼンスル
ホニル)−N'−[4−{(n−オクタデシルチオ)カ
ルボニルアミノ}フェニル]ウレアから選ばれることが
好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に係る、式(I)の化合物
は、可逆性感熱記録用顕色剤として有用なものであっ
て、好ましくは、下記式(II)〜(IV)の化合物を包含
する。
【化5】
【0017】式(I)の化合物の合成は、例えば下記の
反応1、2、又は3により行うことができる。
【化6】
【0018】上記反応1で原料として用いられる化合物
(A−1)は、例えば4−ニトロアニリンと、対応する
長鎖脂肪族カルボン酸の酸クロライドとの反応を用いて
アニリドを合成した後、接触水素添加反応でニトロ基を
アミノ基に還元することによって得られる。また、反応
2で原料として用いられる化合物(A−2)は、例えば
4−ニトロフェニルイソシアネートと、長鎖脂肪族アル
コールとの反応により得られるN−(4−ニトロフェニ
ル)カルバミン酸エステルを、接触水素添加反応で還元
することによって得られる。さらに、反応3で原料とし
て用いられる化合物(A−3)は、例えば4−ニトロフ
ェニルイソシアネートと、長鎖脂肪族チオールとの反応
により得られるN−(4−ニトロフェニル)チオカルバ
ミン酸S−エステルを、酸性条件下、塩化スズで還元す
ることによって得られる。
【0019】上記反応1〜3において、原料として用い
られる化合物(B)は、例えばp−メトキシベンゼンス
ルホンアミドに低級脂肪酸アルコール中にてナトリウム
メチラートを反応させて、p−メトキシベンゼンスルホ
ンアミドのナトリウム塩とし、次いで、これに一般式
(V):
【化7】 (式中、R1は、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニ
ル基を示す。)で表されるカーボネート化合物を反応さ
せて、p−メトキシベンゼンスルホニルカルバメートの
ナトリウム塩とし、さらに前記アルコールを留去し、上
記ナトリウム塩を水に溶解させた後、酸で中和すること
により下記一般式(VI):
【化8】 (式中、R1 は前記と同じである。)で表されるp−メ
トキシベンゼンスルホニルカルバメートとして得ること
ができる。
【0020】上記の反応溶媒としては、化合物(B)
(カルバメート類)と反応して、上記反応を阻害するこ
とがないものであれば特に制限はない。好ましい溶媒と
しては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩
化炭素、トリクロロエチレンなどの脂肪族ハロゲン化合
物、アセトニトリル、プロピオニトリルのような脂肪族
ニトリル類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルの
ような脂肪族エステル類、ジエチルエーテル、ジブチル
エーテル、エチレングリコールジメチルエーテルのよう
な脂肪族エーテル類、2−ブタノン、シクロヘキサノン
のような脂肪族ケトン類などを挙げることができる。
【0021】本発明の化合物は、下記化合物から選ばれ
ることが好ましい。 (1)式(VII)により表されるN−(p−メトキシベ
ンゼンスルホニル)−N'−[4−(n−オクタデカノイ
ルアミノ)フェニル]ウレア (2)式(VIII)のN−(p−メトキシベンゼンスルホ
ニル)−N'−[4−(n−エイコサノイルアミノ)フェ
ニル]ウレア (3)式(IX)のN−(p−メトキシベンゼンスルホニ
ル)−N'−[4−(n−ドコサノイルアミノ)フェニ
ル]ウレア (4)式(X)のN−(p−メトキシベンゼンスルホニ
ル)−N'−[4−(n−ヘキサデシルオキシカルボニル
アミノ)フェニル]ウレア (5)式(XI)のN−(p−メトキシベンゼンスルホ
ニル)−N'−[4−(n−オクタデシルオキシカルボニ
ルアミノ)フェニル]ウレア (6)式(XII)のN−(p−メトキシベンゼンスルホ
ニル)−N'−[4−(n−エイコシルオキシカルボニル
アミノ)フェニル]ウレア (7)式(XIII)のN−(p−メトキシベンゼンスル
ホニル)−N'−[4−{(n−ヘキサデシルチオ)カ
ルボニルアミノ}フェニル]ウレアおよび (8)式(XIV)のN−(p−メトキシベンゼンスルホ
ニル)−N'−[4−{(n−オクタデシルチオ)カル
ボニルアミノ}フェニル]ウレア
【化9】
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の可逆性感熱記録体におい
て、染料前駆体、および顕色剤を含む感熱記録層は加熱
により速やかに発色し、その発色状態は急冷することに
より常温においても保持される。一方、常温において保
持された発色画像部は、発色温度以下に加熱することに
より消去することができ、その消色状態は常温に冷却し
ても保持される。この発色・消色の作用機構は明確では
ないが、式(I)の化合物顕色剤中のスルホニル尿素基
中の尿素基が、それに隣接するスルホニル基により活性
化されるため、塩基性のロイコ染料に対し強い顕色能力
を示して発色が起こり、一方、発色体が発色温度以下に
加熱された時、顕色剤中の長鎖アルキル基が配向して顕
色剤の結晶化を誘発し、染料と顕色剤が分離して消色す
るものと考えられる。一般に発色のための加熱温度は8
0〜180℃であり、消色が起きる温度域は50〜12
0℃であり、かつ前記発色加熱温度より低い。一般に発
色は、加熱した後の急速な冷却が容易な、サーマルヘッ
ドなどにより行なわれるが、消色は、発色加熱温度以下
の温度域に保持されることにより行なわれ、加熱・冷却
速度を制御する必要はない。消色時の温度保持時間は、
0.1秒以上であることが好ましい。この発色画像の記
録、消去の過程を図1により説明する。
【0023】図1において、状態Aにある未記録の記録
体を加熱すると、状態Bを経由して温度T2以上におい
て急激に発色濃度が増大し、さらに状態Cを経由して、
発色反応が完了すると状態Dに達し、最も高い発色濃度
を示す。状態Dを室温まで急冷すると、状態Eを経由し
て状態Fに達する。状態Fは室温で発色が保持されてい
る状態であり、これで画像の記録が終了する。この記録
画像を、温度域T1に加熱、保持すると、発色濃度が次
第に低下し、状態Gを経由して状態A’となり完全に消
色する。これを室温まで冷却すると、状態Aに達する。
状態Aは室温で消色状態が保持されている状態であり、
これで画像の消去が終了する。上記の発色−消色可逆サ
イクルは、繰り返し行うことができる。
【0024】本発明の式(I)の化合物は、染料前駆体
(ロイコ染料)やこれらの成分を支持体に固着するため
のバインダーとともに可逆性感熱記録体の感熱発色層に
含まれる。また可逆性感熱記録層の発色感度および消色
温度を調節させるための添加剤として融点50℃〜18
0℃の熱可融性物質(一般の感熱紙に用いられている増
感剤でもよい)を可逆性感熱記録層に含有させることが
できる。
【0025】本発明の可逆顕色剤とともに使用されるロ
イコ染料は、トリフェニルメタン系、フルオラン系、ジ
フェニルメタン系化合物等が挙げられ、従来公知のもの
から選ぶことができる。例えば、3−(4−ジエチルア
ミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2
−メチルインド−ル−3−イル)−4−アザフタリド、
クリスタルバイオレットラクトン、3−(N−エチル−
N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−
7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−
(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキ
シル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロア
ニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−
トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−シクロヘキ
シルアミノ−6−クロロフルオランである。
【0026】さらには、3−(N−エチル−N−シクロ
ヘキシル)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)
フルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−[N−(3−エトキ
シプロピル)−N−エチルアミノ]−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エ
チルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラ
ン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリ
ルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、2,2−ビス{4−
[6’−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−
3’−メチルスピロ[フタリド−3,9’−キサンテ
ン]−2’−イルアミノ]フェニル}プロパンおよび3
−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオ
ラン等から選ばれた1種以上を用いることができる。
【0027】前述の熱可融性物質としては、シュウ酸ジ
エステル類(特開昭64−1583号公報)、シュウ酸
ジ(4−メチルベンジル)(特公平5−62597号公
報)、1、2−ビス(m−トリルオキシ)エタン(特開
昭60−56588号公報)、ジフェニルスルホン(特
開昭60−15667号公報)、p−ベンジルビフェニ
ル(特開昭60ー82382号公報)であるが、これら
の化合物は、比較的低印加エネルギーにより可逆性感熱
記録体の高濃度発色を可能にする能力に加え、消色反応
を促進し、可逆性を向上させるという能力も有する。
【0028】また、本発明においては、所望の効果を阻
害しない範囲でフェノール類又は、有機酸類、および長
鎖アルキル基を有しないスルホニル(チオ)尿素系芳香
族化合物からなる従来公知の顕色剤を、本発明に関わる
長鎖アルキル基を有するスルホニル(チオ)尿素系顕色
剤と併用することができる。
【0029】また本発明の感熱記録層には、さらにワッ
クス類、顔料を本発明の効果を阻害しない範囲で含んで
いてよく、通常バインダーが含まれる。
【0030】ワックス類としては、例えば、パラフィ
ン、アミド系ワックス、ビスイミド系ワックスなど公知
のものを用いることができる。ただし、亜鉛塩の添加
は、繰り返し発色、消色を行うにつれて消色濃度が増大
し、発色画像の消去が不完全になる恐れがあるため、亜
鉛塩の含有量は、感熱記録層の乾燥重量の1重量%以下
であることが好ましい。
【0031】顔料としては、例えばシリカ、クレー、焼
成クレー、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、水酸
化アルミニウム、硫酸バリウムおよび表面処理された炭
酸カルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、並びに尿
素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合
体、およびポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末などを
あげることができる。
【0032】前記バインダーとしては、種々の分子量の
ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、メト
キシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチル
セルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、
ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリ
ル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸
アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合
体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポ
リアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、およ
びカゼインなどの水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸
ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合
体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビ
ニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレー
ト、エチレン/酢酸ビニル共重合体、およびスチレン/
ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックスを用い
ることができる。
【0033】可逆性感熱記録体を製造するには、上記所
用成分を微粒子に分散あるいは溶解し、それを混合して
感熱発色層用塗布液を調製し、これをシート状支持体に
塗布して、感熱発色層を形成する。その感熱発色層上に
さらに耐熱性、発色消色の繰り返し耐久性を向上させる
ために保護層、印刷層などのような被覆層を形成するこ
ともできる。
【0034】本発明の可逆性感熱記録体に用いられる支
持体は、従来の感熱記録体に用いられてきた紙(酸性
紙、中性紙を含む)、表面に顔料、ラテックスなどを塗
工したコーテッド紙、ラミネート紙、ポリオレフィン系
樹脂から作られた合成紙、ポリオレフィン、ポリエステ
ル、ポリイミド等のプラスチックフィルムの他にガラス
プレート、導電性ゴムシートなどから選ぶことができ
る。このような支持体の少なくとも1面上に、上記所要
成分の混合物を含む塗布液を塗布し、乾燥して可逆性感
熱記録体を製造する。塗布量は、塗布液層が乾燥した状
態で1〜15g/m 2が好ましく、2〜10g/m2が特
に好ましい。
【0035】画像の記録(発色)、消去(消色)を行う
装置は、使用目的によりサーマルヘッド、恒温槽、加熱
ローラー、熱ペン、面状発熱体、レーザー光、赤外線な
どから選択することができるが、特にこれらに限定され
るものではない。
【0036】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。特に断らない限り、「部」および「%」は、それ
ぞれ「重量部」および「重量%」をあらわす。
【0037】合成例1 メチル(p−メトキシベンゼンスルホニル)カルバメ−
トの合成 滴下ロート、温度計、および還流冷却菅を装備した三口
フラスコ中において、メタノール(264g)に、p−
メトキシベンゼンスルホンアミド(262g)と30%
ナトリウムメチラートのメタノール溶液(379g)を
加え、撹拌したところ発熱しつつ、p−メトキシベンゼ
ンスルホンアミドが溶解し、そのナトリウム塩が生じ
た。
【0038】次いで、反応混合物にジメチルカーボネー
ト(152g)を加え、還流下に18時間反応を行っ
た。反応終了後、反応混合物を高速液体クロマトグラフ
ィーによって分析した結果、転化率は98%であった。
次いで、内温を50℃以下として、メタノールと過剰の
ジメチルカーボネートを留去して、メチル(p−メトキ
シベンゼンスルホニル)カルバメートのナトリウム塩を
得た。これに水(1000ml)を加えて、上記ナトリ
ウム塩を溶解させた後、これに塩酸(230g)を加
え、pHを2として、メチル(p−メトキシベンゼンス
ルホニル)カルバメートを析出させ323gが得られ
た。その収率は、94%であった。
【0039】合成例2 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
−(n−オクタデカノイルアミノ)フェニル]ウレア(V
II)の合成 滴下ロート、温度計、および還流冷却菅を装備した三口
フラスコ中において、窒素雰囲気下、p−ニトロアニリ
ン(138g)をテトラヒドロフラン(200ml)と
ピリジン(140ml)との混合溶液中に溶解した。撹
拌下、滴下ロートから三口フラスコ中にオクタデカノイ
ルクロライド(333g)を20分かけて滴下した。滴
下終了後、反応混合物を2時間撹拌した。すると固体が
生成したのでこれを瀘別し、瀘液を減圧下濃縮すると、
結晶が得られた。この結晶を捕集し、エタノールから再
結晶を行い、4' −ニトロ−n−オクタデカンアニリド
(364g)を得た。その収率は、90%であった。
【0040】この結晶をテトラヒドロフラン(8000
ml)に溶解し、5%パラジウムカーボン(95g)を
加え、3気圧に加圧した水素雰囲気下、激しく撹拌し
た。反応終了後、パラジウムカーボンを瀘別除去し、さ
らに減圧下で溶媒を除去したところ結晶が得られた。こ
の結晶を捕集し、エタノールから再結晶を行い、4' −
アミノ−n−オクタデカンアニリド(300g)を得
た。その収率は、89%であった。これをトルエン(6
000ml)に懸濁し、撹拌しながら合成例1のメチル
(p−メトキシベンゼンスルホニル)カルバメート(2
06g)を加え、5時間加熱還流した。反応液を室温ま
で冷却すると白色結晶が析出したので、これを減圧下瀘
別した。この結晶をアセトニトリルで洗浄し、減圧乾燥
すると、目的物(396g)が得られた。その収率は8
4%であった。
【0041】この結晶の分析値は以下の通りであった。 融点:188℃ 1H−NMR測定(重メチルスルホキシド中)の結果
(数字はppm) δ=0.85(t、3H)、1.23(br.s、28
H)、1.52−1.56(m、2H)、2.24(t、
2H)、3.83(s、3H)、7.13(d、2H)、
7.22(d、2H)、7.45(d、2H)、7.88
(d、2H)、8.69(s、1H)、9.77(s、1
H)
【0042】IR測定(KBr錠剤法)の結果:330
0、2920、2850、1692、1665、155
2、1520、1451、1405、1160cm-1
【0043】合成例3 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
−(n−エイコサノイルアミノ)フェニル]ウレア(VII
I)の合成 化合物(VIII)も合成例2と同様な方法で得ることがで
きた。以下に合成法の具体例を示す。滴下ロート、温度
計、および還流冷却菅を装備した三口フラスコ中におい
て、窒素雰囲気下、p−ニトロアニリン(138g)を
テトラヒドロフラン(200ml)とピリジン(140
ml)との混合溶液中に溶解した。撹拌下、滴下ロート
から三口フラスコ中にエイコサイルクロライド(364
g)を20分かけて滴下した。滴下終了後、反応混合物
を2時間撹拌した。すると固体が生成したのでこれを瀘
別し、瀘液を減圧下濃縮すると、結晶が得られた。この
結晶を捕集し、エタノールから再結晶を行い、4' −ニ
トロ−n−エイコサンアニリド(355g)を得た。そ
の収率は、82%であった。
【0044】この結晶をテトラヒドロフラン(1000
0ml)に溶解し、5%パラジウムカーボン(87g)
を加え、3気圧に加圧した水素雰囲気下、激しく撹拌し
た。反応終了後、パラジウムカーボンを瀘別除去し、さ
らに減圧下で溶媒を除去したところ結晶が得られた。こ
の結晶を捕集し、エタノールから再結晶を行い、4' −
アミノ−nーエイコサンアニリド(265g)を得た。
その収率は、80%であった。これをトルエン(500
0ml)に懸濁し、撹拌しながら合成例1のメチル(p
−メトキシベンゼンスルホニル)カルバメート(170
g)を加え、5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷
却すると白色結晶が析出したので、これを減圧下瀘別し
た。この結晶をアセトニトリルで洗浄し、減圧乾燥する
と、目的物(356g)が得られた。その収率は88%
であった。
【0045】分析値は以下の通りであった。 融点:183℃ 1H−NMR測定(重メチルスルホキシド中)の結果
(数字はppm) δ=0.85(t、3H)、1.23(br.s、32
H)、1.52−1.56(m、2H)、2.24(t、
2H)、3.83(s、3H)、7.13(d、2H)、
7.22(d、2H)、7.45(d、2H)、7.88
(d、2H)、8.69(s、1H)、9.77(s、1
H)
【0046】IR測定(KBr錠剤法)の結果:330
0、2920、2850、1692、1665、155
5、1520、1450、1408、1162cm-1
【0047】合成例4 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
−(n−ドコサノイルアミノ)フェニル]ウレア(IX)
の合成 化合物(IX)も合成例2と同様な方法で得ることができ
た。以下に合成法の具体例を示す。滴下ロート、温度
計、および還流冷却菅を装備した三口フラスコ中におい
て、窒素雰囲気下、p−ニトロアニリン(138g)を
テトラヒドロフラン(200ml)とピリジン(140
ml)との混合溶液中に溶解した。撹拌下、滴下ロート
から三口フラスコ中にドコサイルクロライド(395
g)を20分かけて滴下した。滴下終了後、反応混合物
を2時間撹拌した。すると固体が生成したのでこれを瀘
別し、瀘液を減圧下濃縮すると、結晶が得られた。この
結晶を捕集し、エタノールから再結晶を行い、4' −ニ
トロ−n−ドコサンアニリド(405g)を得た。その
収率は、88%であった。
【0048】この結晶をテトラヒドロフラン(1200
0ml)に溶解し、5%パラジウムカーボン(92g)
を加え、3気圧に加圧した水素雰囲気下、激しく撹拌し
た。反応終了後、パラジウムカーボンを瀘別除去し、さ
らに減圧下で溶媒を除去したところ結晶が得られた。こ
の結晶を捕集し、エタノールから再結晶を行い、4'−
アミノ−n−ドコサンアニリド(322g)を得た。そ
の収率は、80%であった。これをトルエン(6000
ml)に懸濁し、撹拌しながら合成例1のメチル(p−
メトキシベンゼンスルホニル)カルバメート(193
g)を加え、5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷
却すると白色結晶が析出したので、これを減圧下瀘別し
た。この結晶をアセトニトリルで洗浄し、減圧乾燥する
と、目的物(429g)が得られた。その収率は89%
であった。
【0049】分析値は以下の通りであった。 融点:188℃ 1H−NMR測定(重メチルスルホキシド中)の結果
(数字はppm) δ=0.85(t、3H)、1.23(br.s、36
H)、1.52−1.56(m、2H)、2.24(t、
2H)、3.83(s、3H)、7.13(d、2H)、
7.22(d、2H)、7.45(d、2H)、7.88
(d、2H)、8.69(s、1H)、9.77(s、1
H)
【0050】IR測定(KBr錠剤法)の結果:330
0、2920、2850、1692、1665、155
5、1520、1450、1408、1162cm-1
【0051】合成例5 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−4−
(n−ヘキサデシルオキシカルボニルアミノ)フェニ
ル]ウレア(X)の合成 滴下ロート、温度計、および還流冷却菅を装備した三口
フラスコ中において、窒素雰囲気下、n−ヘキサデカノ
−ル(155g)をトルエン(1250ml)に溶解し
た。これに、p−ニトロフェニルイソシアネート(10
0g)をゆっくりと加え、室温で10分間撹拌後、30
分間加熱還流する。反応液を室温に冷却すると結晶が析
出するのでこれを瀘別し、トルエンで洗浄することによ
り、p−ニトロフェニルカルバミン酸−n−ヘキサデシ
ル(240g)を得た。その収率は、97%であった。
【0052】この結晶をテトラヒドロフラン(4800
ml)に溶解し、5%パラジウムカーボン(38g)を
加え、3気圧に加圧した水素雰囲気下、激しく2時間撹
拌した。反応終了後、パラジウムカーボンを瀘別除去
し、さらに減圧下で溶媒を除去したところ結晶が得られ
た。この結晶を捕集し、エタノールから再結晶を行い、
p−アミノフェニルカルバミン酸−n−ヘキサデシル
(189g)を得た。その収率は、85%であった。こ
れをトルエン(4000ml)に懸濁し、撹拌しながら
合成例1のメチル(p−メトキシベンゼンスルホニル)
カルバメート(129g)を加え、5時間加熱還流し
た。反応液を室温まで冷却すると白色結晶が析出したの
で、これを減圧下瀘別した。この結晶をアセトニトリル
で洗浄し、減圧乾燥すると、目的物(269g)が得ら
れた。その収率は91%であった。
【0053】この結晶の分析値は以下の通りであった。 融点:185℃ 1H−NMR測定(重メチルスルホキシド中)の結果
(数字はppm) δ=0.85(t、3H)、1.22(br.s、26
H)、1.57−1.60(m、2H)、3.83(s、
3H)、4.02(t、2H)、7.13(d、2H)、
7.21(d、2H)、7.32(d、2H)、7.88
(d、2H)、8.66(s、1H)、9.49(s、1
H)
【0054】IR測定(KBr錠剤法)の結果:330
0、2920、2850、1692、1665、155
2、1520、1451、1405、1160cm-1
【0055】合成例6 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
−(n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ)フェニ
ル]ウレア(XI)の合成 化合物(XI)も合成例5と同様な方法で得ることがで
きた。以下に合成法の具体例を示す。滴下ロート、温度
計、および還流冷却菅を装備した三口フラスコ中におい
て、窒素雰囲気下、n−オクタデカノール(173g)
をトルエン(1250ml)に溶解した。これに、p−
ニトロフェニルイソシアネート(100g)をゆっくり
と加え、室温で10分間撹拌後、30分間加熱還流す
る。反応液を室温に冷却すると結晶が析出するのでこれ
を瀘別し、トルエンで洗浄することにより、p−ニトロ
フェニルカルバミン酸−n−オクタデシル(257g)
を得た。その収率は、97%であった。
【0056】この結晶をテトラヒドロフラン(5000
ml)に溶解し、5%パラジウムカーボン(38g)を
加え、3気圧に加圧した水素雰囲気下、激しく2時間撹
拌した。反応終了後、パラジウムカーボンを瀘別除去
し、さらに減圧下で溶媒を除去したところ結晶が得られ
た。この結晶を捕集し、エタノールから再結晶を行い、
p−アミノフェニルカルバミン酸−n−オクタデシル
(203g)を得た。その収率は、85%であった。こ
れをトルエン(4000ml)に懸濁し、撹拌しながら
合成例1のメチル(p−メトキシベンゼンスルホニル)
カルバメート(129g)を加え、5時間加熱還流し
た。反応液を室温まで冷却すると白色結晶が析出したの
で、これを減圧下瀘別した。この結晶をアセトニトリル
で洗浄し、減圧乾燥すると、目的物(273g)が得ら
れた。その収率は88%であった。
【0057】この結晶の分析値は以下の通りであった。 融点:190℃ 1H−NMR測定(重メチルスルホキシド中)の結果
(数字はppm) δ=0.85(t、3H)、1.22(br.s、30
H)、1.57−1.60(m、2H)、3.83(s、
3H)、4.02(t、2H)、7.13(d、2H)、
7.21(d、2H)、7.32(d、2H)、7.88
(d、2H)、8.66(s、1H)、9.49(s、1
H)
【0058】IR測定(KBr錠剤法)の結果:330
0、2920、2850、1692、1665、155
2、1520、1451、1405、1160cm-1
【0059】合成例7 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
−(n−エイコシルオキシカルボニルアミノ)フェニ
ル]ウレア(XII)の合成 化合物(XII)も合成例5と同様な方法で得ることがで
きた。以下に合成法の具体例を示す。滴下ロート、温度
計、および還流冷却菅を装備した三口フラスコ中におい
て、窒素雰囲気下、n−エイコサノール(182g)を
トルエン(1250ml)に溶解した。これに、p−ニ
トロフェニルイソシアネート(100g)をゆっくりと
加え、室温で10分間撹拌後、30分間加熱還流する。
反応液を室温に冷却すると結晶が析出するのでこれを瀘
別し、トルエンで洗浄することにより、p−ニトロフェ
ニルカルバミン酸−n−エイコシル(270g)を得
た。その収率は、96%であった。
【0060】この結晶をテトラヒドロフラン(5400
ml)に溶解し、5%パラジウムカーボン(38g)を
加え、3気圧に加圧した水素雰囲気下、激しく2時間撹
拌した。反応終了後、パラジウムカーボンを瀘別除去
し、さらに減圧下で溶媒を除去したところ結晶が得られ
た。この結晶を捕集し、エタノールから再結晶を行い、
p−アミノフェニルカルバミン酸−n−エイコシル(2
10g)を得た。その収率は、83%であった。これを
トルエン(4000ml)に懸濁し、撹拌しながら合成
例1のメチル(p−メトキシベンゼンスルホニル)カル
バメート(125g)を10分かけて滴下した。滴下終
了後、5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却する
と白色結晶が析出したので、これを減圧下瀘別した。こ
の結晶をアセトニトリルで洗浄し、減圧乾燥すると、目
的物(270g)が得られた。その収率は86%であっ
た。
【0061】この結晶の分析値は以下の通りであった。 融点:182℃ 1H−NMR測定(重メチルスルホキシド中)の結果
(数字はppm) δ=0.85(t、3H)、1.22(br.s、34
H)、1.57−1.60(m、2H)、3.83(s、
3H)、4.02(t、2H)、7.13(d、2H)、
7.21(d、2H)、7.32(d、2H)、7.88
(d、2H)、8.66(s、1H)、9.49(s、1
H)
【0062】IR測定(KBr錠剤法)の結果:330
0、2920、2850、1692、1665、155
2、1520、1451、1405、1160cm-1
【0063】合成例8 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
−(n−ヘキサデシルチオ)カルボニルアミノ)フェニ
ル]ウレア(XIII)の合成 滴下ロート、温度計、および還流冷却菅を装備した三口
フラスコ中において、窒素雰囲気下、n−ヘキサデカン
チオール(165g)をアセトニトリル(1000m
l)に溶解した。これに、p−ニトロフェニルイソシア
ネート(100g)をゆっくりと加え、さらにピリジン
(4ml)を滴下し、室温で10分間撹拌後、30分間
加熱還流する。反応液を室温に冷却すると結晶が析出す
るのでこれを瀘別し、アセトニトリルで洗浄することに
より、pーニトロフェニルチオカルバミン酸S−n−ヘ
キサデシル(250g)を得た。その収率は、97%で
あった。
【0064】この結晶を、濃塩酸(500ml)とエタ
ノール(500ml)に懸濁させ、塩化スズ二水和物
(550g)のエタノール溶液(500ml)を滴下す
る。滴下終了後、攪拌下に90℃で2時間加熱する。反
応液を室温に冷却した後、塩酸塩を濾取し、水(100
0ml)に懸濁させてトリエチルアミンで中和する。こ
れを吸引濾取し、エタノールから再結晶を行い、p−ア
ミノフェニルカルバミン酸S−n−ヘキサデシル(20
0g)を得た。その収率は、86%であった。これをト
ルエン(4000ml)に懸濁し、撹拌しながら合成例
1のメチル(p−メトキシベンゼンスルホニル)カルバ
メート(131g)を加え、5時間加熱還流した。反応
液を室温まで冷却すると白色結晶が析出したので、これ
を減圧下瀘別した。この結晶をアセトニトリルで洗浄
し、減圧乾燥すると、目的物(284g)が得られた。
その収率は92%であった。
【0065】この結晶の分析値は以下の通りであった。 融点:197℃ 1H−NMR測定(重メチルスルホキシド中)の結果
(数字はppm) δ=0.85(t、3H)、1.23(br.s、26
H)、1.50−1.56(m、2H)、2.83(t、
2H)、3.83(s、3H)、7.12(d、2H)、
7.24(d、2H)、7.37(d、2H)、7.88
(d、2H)、8.73(s、1H)、10.17(s、
1H)
【0066】IR測定(KBr錠剤法)の結果:330
0、2920、2850、1692、1665、155
2、1520、1451、1405、1160cm-1
【0067】合成例9 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
−(n−オクタデシルチオ)カルボニルアミノ)フェニ
ル]ウレア(XIV)の合成 化合物(XIV)も合成例8と同様な方法で得ることがで
きた。以下に合成法の具体例を示す。滴下ロート、温度
計、および還流冷却菅を装備した三口フラスコ中におい
て、窒素雰囲気下、n−オクタデカンチオール(183
g)をアセトニトリル(1000ml)に溶解した。こ
れに、p−ニトロフェニルイソシアネート(100g)
をゆっくりと加え、さらにピリジン(4ml)を滴下
し、室温で10分間撹拌後、30分間加熱還流する。反
応液を室温に冷却すると結晶が析出するのでこれを瀘別
し、アセトニトリルで洗浄することにより、p−ニトロ
フェニルチオカルバミン酸S−n−オクタデシル(27
2g)を得た。その収率は、99%であった。
【0068】この結晶を、濃塩酸(500ml)とエタ
ノール(500ml)に懸濁させ、塩化スズ二水和物
(550g)のエタノール溶液(500ml)を滴下す
る。滴下終了後、攪拌下に90℃で2時間加熱する。反
応液を室温に冷却した後、塩酸塩を濾取し、水(100
0ml)に懸濁させてトリエチルアミンで中和する。こ
れを吸引濾取し、エタノールから再結晶を行い、p−ア
ミノフェニルカルバミン酸S−n−オクタデシル(23
1g)を得た。その収率は、91%であった。これをト
ルエン(4000ml)に懸濁し、撹拌しながら合成例
1のメチル(p−メトキシベンゼンスルホニル)カルバ
メート(141g)を10分かけて滴下した。滴下終了
後、5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却すると
白色結晶が析出したので、これを減圧下瀘別した。この
結晶をアセトニトリルで洗浄し、減圧乾燥すると、目的
物(317g)が得られた。その収率は91%であっ
た。
【0069】この結晶の分析値は以下の通りであった。 融点:195℃ 1H−NMR測定(重メチルスルホキシド中)の結果
(数字はppm) δ=0.85(t、3H)、1.23(br.s、30
H)、1.50−1.56(m、2H)、2.83(t、
2H)、3.83(s、3H)、7.12(d、2H)、
7.24(d、2H)、7.37(d、2H)、7.88
(d、2H)、8.73(s、1H)、10.17(s、
1H)
【0070】IR測定(KBr錠剤法)の結果:330
0、2920、2850、1692、1665、155
2、1520、1451、1405、1160cm-1
【0071】可逆性感熱記録シート製造例1 下記操作により可逆性感熱記録シートを作成した。 (1)分散液Aの調製 成 分 量(部) 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7− 20 アニリノフルオラン ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーを用い、平均粒径が1
μm以下になるまで粉砕した。
【0072】 (2)分散液Bの調製 成 分 量(部) N−(p−メトキシベンゼンスルホニル) −N'−[4−(n−オクタデカノイルアミノ) フェニル]ウレア(化合物VII) 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーを用い、平均粒径が1
μm以下になるまで粉砕した。 (3)分散液Cの調製 成 分 量(部) シュウ酸−ジ−p−メチルベンジルエステル 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーを用い、平均粒径が1
μm以下になるまで粉砕した。
【0073】(4)可逆性感熱記録層の形成 上記A液75部、B液150部、C液75部、焼成クレ
ー30部、25%パラフィンワックスエマルジョン2
部、および10%ポリビニールアルコール水溶液100
部を混合、撹拌し、塗布液とした。この塗布液を、厚さ
75μmポリエステルフィルムの片面に、乾燥後の塗布
量が5.0g/m2となるように塗布し、乾燥することに
より可逆性感熱記録層を形成した。(5)スーパーカレンダー処理 上記のようにして得られた感熱シートをスーパーカレン
ダーによって処理し、その感熱発色層の表面の平滑度を
3000〜5000秒に調整し、可逆性感熱記録シート
を得た。
【0074】(6)発色性、消色性試験 このようにして得られた可逆性感熱記録シートに、大倉
電機製感熱発色試験機THPMDを用いて、印字電圧2
1.7v、印字パルス1.0msの条件で印字した。こ
の印字発色濃度をマクベス反射濃度計RD−914で測
定した。さらに、この発色試料を東洋精機製熱傾斜試験
機を用いて、加熱温度100℃、圧力1kg/cm2
加熱時間1秒の条件で加熱した後、消色濃度をマクベス
反射濃度計RD−914で測定した。テスト結果を表1
に示す。(7)保存性試験 上記6項の発色試験と同様にして印字発色濃度を測定し
た後、得られた発色試料を40℃条件下に14日間放置した
後の発色濃度を同様にして測定した。この時の画像保存
率:(40℃で14日間放置後の発色濃度/印字直後の発色
濃度)×100(%)により画像部の保存性を評価した。
テスト結果を表1に示す。(8)繰り返し発色性、消色性試験 上記6項の発色性、消色性試験を50回繰り返した後の
印字発色濃度および消色濃度をマクベス反射濃度計RD
−914で測定した。テスト結果を表1に示す。
【0075】可逆性感熱記録シート製造例2 可逆性感熱記録シート製造例1と同様にして、可逆性感
熱記録シートを作製し、テストを行った。但し、分散液
Bの調製にあたり、N−(p−メトキシベンゼンスルホ
ニル)−N'−[4−(n−オクタデカノイルアミノ)フ
ェニル]ウレア(化合物VII)の代わりにN−(p−メ
トキシベンゼンスルホニル)−N'−[4−(n−エイコ
サノイルアミノ)フェニル]ウレア(化合物VIII)を用
いた。テスト結果を表1に示す。
【0076】可逆性感熱記録シート製造例3 可逆性感熱記録シート製造例1と同様にして、可逆性感
熱記録シートを作製し、テストを行った。但し、分散液
Bの調製にあたり、N−(p−メトキシベンゼンスルホ
ニル)−N'−[4−(n−オクタデカノイルアミノ)フ
ェニル]ウレア(化合物VII)の代わりにN−(p−メ
トキシベンゼンスルホニル)−N'−[4−(n−ドコサ
ノイルアミノ)フェニル]ウレア(化合物IX)を用い
た。テスト結果を表1に示す。
【0077】可逆性感熱記録シート製造例4 可逆性感熱記録シート製造例1と同様にして、可逆性感
熱記録シートを作製し、テストを行った。但し、分散液
Bの調製にあたり、N−(p−メトキシベンゼンスルホ
ニル)−N'−[4−(n−オクタデカノイルアミノ)フ
ェニル]ウレア(化合物VII)の代わりにN−(p−メ
トキシベンゼンスルホニル)−N'−[4−(n−ヘキサ
デシルオキシカルボニルアミノ)フェニル]ウレア(化
合物X)を用いた。テスト結果を表1に示す。
【0078】可逆性感熱記録シート製造例5 可逆性感熱記録シート製造例1と同様にして、可逆性感
熱記録シートを作製し、テストを行った。但し、分散液
Bの調製にあたり、N−(p−メトキシベンゼンスルホ
ニル)−N'−[4−(n−オクタデカノイルアミノ)フ
ェニル]ウレア(化合物VII)の代わりにN−(p−メ
トキシベンゼンスルホニル)−N'−[4−(n−オクタ
デシルオキシカルボニルアミノ)フェニル]ウレア(化
合物XI)を用いた。テスト結果を表1に示す。
【0079】可逆性感熱記録シート製造例6 可逆性感熱記録シート製造例1と同様にして、可逆性感
熱記録シートを作製し、テストを行った。但し、分散液
Bの調製にあたり、N−(p−メトキシベンゼンスルホ
ニル)−N'−[4−(n−オクタデカノイルアミノ)フ
ェニル]ウレア(化合物VII)の代わりにN−(p−メ
トキシベンゼンスルホニル)−N'−[4−(n−エイコ
シルオキシカルボニルアミノ)フェニル]ウレア(化合
物XII)を用いた。テスト結果を表1に示す。
【0080】可逆性感熱記録シート製造例7 可逆性感熱記録シート製造例1と同様にして、可逆性感
熱記録シートを作製し、テストを行った。但し、分散液
Bの調製にあたり、N−(p−メトキシベンゼンスルホ
ニル)−N'−[4−(n−オクタデカノイルアミノ)フ
ェニル]ウレア(化合物VII)の代わりにN−(p−メ
トキシベンゼンスルホニル)−N'−[4−{(n−ヘ
キサデシルチオ)カルボニルアミノ}フェニル]ウレア
(化合物XIII)を用いた。テスト結果を表1に示す。
【0081】可逆性感熱記録シート製造例8 可逆性感熱記録シート製造例1と同様にして、可逆性感
熱記録シートを作製し、テストを行った。但し、分散液
Bの調製にあたり、N−(p−メトキシベンゼンスルホ
ニル)−N'−[4−(n−オクタデカノイルアミノ)フ
ェニル]ウレア(化合物VII)の代わりにN−(p−メ
トキシベンゼンスルホニル)−N'−[4−{(n−オ
クタデシルチオ)カルボニルアミノ}フェニル]ウレア
(化合物XIV)を用いた。テスト結果を表1に示す。
【0082】なお、可逆性感熱記録シート製造例1〜8
において画像の発色と消色の繰り返しはいずれも可能で
あった。よって、本発明の化合物を用いた可逆性感熱記
録材料が繰り返し使用に耐えることが確認された。
【0083】比較例1 可逆性感熱記録シート製造例1と同様にして可逆性感熱
記録シートを作製し、テストした。但し、分散液Bの調
製にあたり、N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)
−N'−[4−(n−オクタデカノイルアミノ)フェニ
ル]ウレア(化合物VII)の代わりに没食子酸とステア
リルアミンとの塩を加えた。テスト結果を表1に示す。
【0084】比較例2 可逆性感熱記録シート製造例1と同様にして可逆性感熱
記録シートを作製し、テストした。但し、分散液Bの調
製にあたり、N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)
−N'−[4−(n−オクタデカノイルアミノ)フェニ
ル]ウレア(化合物VII)の代わりにアスコルビン酸を
用いた。テスト結果を表1に示す。
【0085】比較例3 可逆性感熱記録シート製造例1と同様にして可逆性感熱
記録シートを作製し、テストした。但し、分散液Bの調
製にあたり、N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)
−N'−[4−(n−オクタデカノイルアミノ)フェニ
ル]ウレア(化合物VII)の代わりに4' −ヒドロキシ
−n−オクタデカンアニリドを用いた。テスト結果を表
1に示す。
【0086】比較例4 可逆性感熱記録シート製造例1と同様にして可逆性感熱
記録シートを作製し、テストした。但し、分散液Bの調
製にあたり、N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)
−N'−[4−(n−オクタデカノイルアミノ)フェニ
ル]ウレア(化合物VII)の代わりにN−(p−トルエ
ンスルホニル)−N'−[4−(n−オクタデカノイルア
ミノ)フェニル]ウレアを用いた。テスト結果を表1に
示す。
【0087】比較例5 可逆性感熱記録シート製造例1と同様にして可逆性感熱
記録シートを作製し、テストした。但し、分散液Bの調
製にあたり、N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)
−N'−[4−(n−オクタデカノイルアミノ)フェニ
ル]ウレア(化合物VII)の代わりにN−(p−トルエ
ンスルホニル)−N'−[4−(n−ヘキサデシルオキシ
カルボニルアミノ)フェニル]ウレアを用いた。テスト
結果を表1に示す。
【0088】比較例6 可逆性感熱記録シート製造例1と同様にして可逆性感熱
記録シートを作製し、テストした。但し、分散液Bの調
製にあたり、N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)
−N'−[4−(n−オクタデカノイルアミノ)フェニ
ル]ウレア(化合物VII)の代わりにN−(p−トルエ
ンスルホニル)−N'−[4−{(n−オクタデシルチ
オ)カルボニルアミノ}フェニル]ウレアを用いた。テ
スト結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】合成例2〜9から明らかなように、本発明
に係るN−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'
−[4−(n−オクタデカノイルアミノ)フェニル]ウ
レア、N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'
−[4−(n−エイコサノイルアミノ)フェニル]ウレ
ア、N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−
[4−(n−ドコサノイルアミノ)フェニル]ウレア、
N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
−(n−ヘキサデシルオキシカルボニルアミノ)フェニ
ル]ウレア、N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)
−N'−[4−(n−オクタデシルオキシカルボニルアミ
ノ)フェニル]ウレア、N−(p−メトキシベンゼンス
ルホニル)−N'−[4−(n−エイコシルオキシカルボ
ニルアミノ)フェニル]ウレア、N−(p−メトキシベ
ンゼンスルホニル)−N'−[4−{(n−ヘキサデシ
ルチオ)カルボニルアミノ}フェニル]ウレア、N−
(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4−
{(n−オクタデシルチオ)カルボニルアミノ}フェニ
ル]ウレアは十分に同定された新規化合物である。ま
た、表1から明らかなように、本発明化合物を可逆性感
熱記録体の顕色剤として用いることによって、従来の染
料型可逆性感熱記録体よりも高い発色濃度と低い消色濃
度を得ることができ、50回の繰り返し発色性、消色性
試験後の消色濃度の増大も認められず、極めて高いコン
トラストを有することが確認された。
【0091】
【発明の効果】本発明のN−(p−メトキシベンゼンス
ルホニル)−N'−[4−(n−オクタデカノイルアミ
ノ)フェニル]ウレア、N−(p−メトキシベンゼンス
ルホニル)−N'−[4−(n−エイコサノイルアミノ)
フェニル]ウレア、N−(p−メトキシベンゼンスルホ
ニル)−N'−[4−(n−ドコサノイルアミノ)フェニ
ル]ウレア、N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)
−N'−[4−(n−ヘキサデシルオキシカルボニルアミ
ノ)フェニル]ウレア、N−(p−メトキシベンゼンス
ルホニル)−N'−[4−(n−オクタデシルオキシカル
ボニルアミノ)フェニル]ウレア、N−(p−メトキシ
ベンゼンスルホニル)−N'−[4−(n−エイコシルオ
キシカルボニルアミノ)フェニル]ウレア、N−(p−
メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4−{(n−
ヘキサデシルチオ)カルボニルアミノ}フェニル]ウレ
ア、N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−
[4−{(n−オクタデシルチオ)カルボニルアミノ}
フェニル]ウレアは、新規化合物である。さらに本発明
化合物を顕色剤として用いた可逆性感熱記録体は、従来
の顕色剤を用いたものよりも高いコントラストを有し、
かつ繰り返し発色、消色を行なった際にも消色濃度の増
大が生じない。従って、実用上の価値のきわめて高いも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱記録体の発色および消色サ
イクルにおける温度と発色濃度との関係を示すグラフ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記化学式(I): 【化1】 [ただし、式(I)中 Xは、−NHCO−、−NHC
    OO−、−NHCOS−を表し、nは、15〜20の整
    数を表す]により表されるN−(p−メトキシベンゼン
    スルホニル)−N'−フェニルウレア系化合物。
  2. 【請求項2】前記化学式(I)の化合物が、 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
    −(n−オクタデカノイルアミノ)フェニル]ウレア、 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
    −(n−エイコサノイルアミノ)フェニル]ウレア、 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
    −(n−ドコサノイルアミノ)フェニル]ウレア、 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
    −(n−ヘキサデシルオキシカルボニルアミノ)フェニ
    ル]ウレア、 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
    −(n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ)フェニ
    ル]ウレア、 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
    −(n−エイコシルオキシカルボニルアミノ)フェニ
    ル]ウレア、 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
    −{(n−ヘキサデシルチオ)カルボニルアミノ}フェ
    ニル]ウレア、および N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
    −{(n−オクタデシルチオ)カルボニルアミノ}フェ
    ニル]ウレアから選ばれる、請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】下記化学式(I): 【化2】 [ただし、式(I)中 Xは、−NHCO−、−NHC
    OO−、−NHCOS−を表し、nは、15〜20の整
    数を表す]により表されるN−(p−メトキシベンゼン
    スルホニル)−N'−フェニルウレア系化合物の少なく
    とも1種を含む可逆性感熱記録用顕色剤。
  4. 【請求項4】前記化学式(I)の化合物が、 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
    −(n−オクタデカノイルアミノ)フェニル]ウレア、 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
    −(n−エイコサノイルアミノ)フェニル]ウレア、 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
    −(n−ドコサノイルアミノ)フェニル]ウレア、 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
    −(n−ヘキサデシルオキシカルボニルアミノ)フェニ
    ル]ウレア、 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
    −(n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ)フェニ
    ル]ウレア、 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
    −(n−エイコシルオキシカルボニルアミノ)フェニ
    ル]ウレア、 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
    −{(n−ヘキサデシルチオ)カルボニルアミノ}フェ
    ニル]ウレア、および N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N'−[4
    −{(n−オクタデシルチオ)カルボニルアミノ}フェ
    ニル]ウレアから選ばれる、請求項3に記載の可逆性感
    熱記録用顕色剤。
JP8189014A 1996-04-04 1996-07-18 N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−N’−フェニルウレア系化合物及びそれを含む可逆性感熱記録用顕色剤 Pending JPH1036335A (ja)

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EP97914595A EP0832757B1 (en) 1996-04-04 1997-04-03 Reversible thermal recording medium
US08/952,822 US5928988A (en) 1996-04-04 1997-04-03 Thermosensitive reversible recording material
PCT/JP1997/001153 WO1997037857A1 (fr) 1996-04-04 1997-04-03 Support reversible d'enregistrement thermique
DE69706260T DE69706260T2 (de) 1996-04-04 1997-04-03 Reversibeles wärmeempfindliches aufzeichnungsmaterial

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101447383B1 (ko) * 2013-09-10 2014-10-08 대영산업 주식회사 감열기록지용 현색제 및 이를 이용한 감열 잉크

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