JPH1058836A - 可逆性感熱記録体 - Google Patents

可逆性感熱記録体

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JPH1058836A
JPH1058836A JP8225509A JP22550996A JPH1058836A JP H1058836 A JPH1058836 A JP H1058836A JP 8225509 A JP8225509 A JP 8225509A JP 22550996 A JP22550996 A JP 22550996A JP H1058836 A JPH1058836 A JP H1058836A
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JP
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group
reversible thermosensitive
thermosensitive recording
recording medium
color
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JP8225509A
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English (en)
Inventor
Norio Yamane
教郎 山根
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New Oji Paper Co Ltd
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発色部と消色部のコントラストが高く、画像
の保存性に優れた可逆性感熱記録体を提供する。 【解決手段】 可逆性感熱記録体の感熱記録層中に、染
料前駆体と共に、その顕色剤として、下記一般式(I)
で表される芳香族化合物を含有させて熱発色および消色
を可能にする。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱条件を制御す
ることにより、発色および消色を行ない、かつその発色
状態と消色状態を常温において保持できる可逆性感熱記
録体に関するものである。更に詳しく述べるならば、本
発明は、白地に発色画像を形成することができ、この発
色画像が高いコントラストを有し、かつ画像保存性に優
れた可逆性感熱記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、感熱記録体は、その記録装置がコ
ンパクトで、安価で、かつ保守が容易であることから、
コンピューター、計測機器、レジスター、CD・AT
M、ファクシミリ、自動券売機、ハンディーターミナル
等の出力用紙として広く使用されており、また最近では
磁気記録との複合化により、プリペイドカードやポイン
トカード等の磁気感熱カードとしても使用されている。
これら従来の磁気感熱カードにおいて、その磁気情報は
使用の都度書き換えられるのに対し、感熱記録された可
視画像は書き換えられないため、残度数等の新しい情報
は、可視画像が記録されていない部分に追記される。し
かし、可視画像記録可能な部分の面積は限られているた
め、やむなく感熱記録する可視画像情報量を減らした
り、記録エリアが無くなった時点でカードを更新してい
るのが実状である。このような問題を解決する手段とし
て、可視画像情報を何度でも書き換え可能な可逆性感熱
記録体の開発が強く望まれている。
【0003】また、近年ゴミ問題や森林破壊問題が盛ん
に論じられているが、その結果、感熱記録紙についても
その再生利用が望まれている。感熱記録紙の再生方法に
は様々な方法が考えられるが、中でも脱墨装置等の大型
な装置を必要とせず、かつ汎用性のある方法として、感
熱記録画像を何度でも書き換え可能な可逆性感熱記録体
の開発が望まれている。さらに、可逆性感熱記録体は、
特開平3−233490号公報および特開平5−427
62号公報等に開示されているような簡易ディスプレー
用の記録材料としても注目されており、これらの装置に
適した可逆性感熱記録体の開発も強く望まれている。
【0004】これらの要求を背景にして、様々な可逆性
感熱記録体が提案されてきた。例えば、特開昭63−1
07584号公報、特開平4−78573号公報、およ
び4−358878号公報等には、加熱条件による透明
度の変化を利用した高分子タイプの可逆性感熱記録体が
開示されている。しかし、このような可逆性感熱記録体
においては、これが高分子の相変化による透明−白濁を
利用した記録方式であるため、十分な透明度、あるいは
十分な不透明度が簡単には得られず、発色部と消色部の
コントラストが低くなり、暗い場所での視認性が悪いと
いう問題を有している。また一般に、この可逆性感熱記
録においては発色地に白の画像を記録する方式であるか
ら、白地に発色画像を記録する方式、所謂ペーパーライ
クな記録体を得ることが困難であるという欠点も有して
いる。
【0005】従来技術の上記のような問題を解決するた
めに、染料タイプの可逆性感熱記録体が提案されてお
り、この方式は従来の感熱記録体に用いられている染料
を使用しながら可逆記録を可能にしたものである。染料
タイプの可逆性感熱記録体は、白地に発色画像を記録す
ることが容易であり、また加熱条件による吸収波長の変
化を利用した記録方式であるため、比較的高いコントラ
ストが得られる。このような染料タイプの可逆性感熱記
録体としては、例えば下記の方式が知られている。
【0006】特開昭58−191190号公報および特
開昭60−193691号公報には、顕色剤として没食
子酸、フロログルシノールを用いる方式が開示されてい
る。しかし、この方式では、画像消去に水または水蒸気
を必要とするため、消色装置が大型化するという欠点を
有している。特開昭60−264285号公報および特
開昭62−140881号公報には、ヒステリシスを有
するサーモクロミック材料を用いる方式が開示されてい
る。しかし、この方式においては、画像保持温度域が、
その上限および下限の両方において制限されるため、装
置が複雑になり、かつ使用環境温度に制限があるという
欠点を有している。特開昭63−173684号公報に
は、顕色剤としてアスコルビン酸誘導体を用いる方式が
開示されている。しかし、この方式は、画像消去の際、
消色が十分ではないという欠点を有している。
【0007】特開平2−188293号公報および特開
平2−188294号公報には、没食子酸等の特定の有
機酸と、高級脂肪族アミンとの塩を顕色剤として用いる
方式が開示されている。しかし、この方式においては、
発色反応と消色反応が競争反応であるため、どちらかの
反応のみを選択的に進行させるように制御することが困
難であり、また記録画像の高コントラストが得にくいと
いう欠点を有している。特開平5−124360号公報
および特開平6−210954号公報には、長鎖アルキ
ル基を有する有機リン酸化合物、あるいはフェノール性
化合物を顕色剤として用いる方式が開示されている。し
かし、この方式においても消去の際、消色が十分に行わ
れないことがあり、また発色画像の保存性が不十分とな
ることがあるなどの欠点を有している。上記のように、
可逆性感熱記録体について数多くの技術が開示されてき
たが、それぞれ種々の欠点を有しており、実用上十分に
満足な性能を有するものは未だ得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、小型の装置
を用い、白地に高いコントラストを有する発色画像を形
成することができ、加熱条件の違いのみで前記発色画像
の発色および消色を実施することができ、かつ画像の保
存性に優れた可逆性感熱記録体を提供しようとするもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、加熱のみ
で画像の発色、および消色を行うことができ、かつ発色
部と消色部のコントラストが高い可逆的熱発色および消
色可能な可逆性感熱記録体を得るべく、染料と顕色剤の
反応を利用した染料タイプの可逆感熱記録方式に着目し
て、鋭意研究の結果、顕色剤として非フェノール性の長
鎖アルキル基を有するスルホニルウレア系化合物を利用
することにより、所望の可逆性感熱記録体が得られるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】本発明の可逆性感熱記録体は、シート状支
持体と、このシート状支持体上に形成され、かつ無色ま
たは淡色の染料前駆体、およびこれを可逆的に発色およ
び消色させる顕色剤とを含む感熱記録層とを有し、前記
顕色剤が下記一般式(I):
【化4】 (ただし、式(I)中、Aは、ナフチル基またはフェニ
ル基を表し、R1 はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、ジメチルアミノ基、又はジエチルアミノ基を表し、
2 は、無置換の芳香環基、或は低級アルキル基、ハロ
ゲン原子、および低級アルコキシ基から選ばれた少なく
とも一員により置換された芳香環基を表し、Xは、下記
化学式:
【化5】 により表される2価の基から選ばれた1員を表し、Yお
よびZは、それぞれ互いに独立に、下記化学式:
【化6】 により表される2価の基から選ばれた1員を表し、mお
よびnは、それぞれ互いに独立に1〜22の整数を表
し、p,q,r,sおよびtは、それぞれ互いに独立
に、0または1を表す。)で表される少なくとも1種類
の芳香族化合物を含むことを特徴とするものである。一
般式(I)中、mおよびnはそれぞれ互いに独立に1〜
22の整数を表し、rが0の場合、nは11〜22の整
数を表し、rが1の場合、mおよびnの少なくとも一方
が11〜22の整数を表すことが好ましい。本発明に係
る可逆性感熱記録体を用いて可逆的熱発色および消色を
行うには、上記記録体の感熱発色層に、加熱を施して発
色画像を記録し、この発色画像記録の使用済み後、感熱
発色層に、前記発色加熱温度よりも低い温度の加熱を施
して前記発色画像を消色すればよい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の可逆性感熱記録体におい
て、染料前駆体および顕色剤を含む感熱記録層は、加熱
により速やかに発色し、その発色状態は急冷することに
より常温においても保持される。一方、常温において保
持された発色画像部は、発色温度よりも低い温度に加熱
することにより消去可能なものであり、その消色状態は
常温に冷却しても保持される。
【0012】本発明の可逆性感熱記録体の発色画像の発
色・消色の作用機構は未だ十分には明確ではないが、一
般式(I)で表される顕色剤化合物中のスルホニルウレ
ア基において、そのウレア基が、それに隣接するスルホ
ニル基により活性化されるため、塩基性のロイコ染料に
対し強い顕色能力を示してそれを発色させることがで
き、一方、発色画像を有する記録体がその発色温度より
も低い温度に加熱された時、顕色剤化合物分子中の長鎖
アルキル基が配向して顕色剤化合物の結晶化を誘発し、
染料と顕色剤が互いに分離して消色するものと考えられ
る。一般に発色のための加熱温度は80〜180℃であ
り、また消色のための加熱温度は50〜120℃の範囲
内にあり、かつ前記発色加熱温度より低い。一般に発色
は、加熱した後に急速な冷却が容易な、サーマルヘッド
などを用いて行なわれるが、消色は、発色画像を発色加
熱温度より低い温度域に保持することにより行なわれ、
加熱速度および冷却速度を制御する必要はない。消色時
の温度保持時間は、0.1秒以上であることが好まし
い。
【0013】本発明の可逆性感熱記録体の発色画像の記
録、および消去の過程を図1により説明する。図1にお
いて、状態Aにある未記録の記録体を加熱すると、温度
域T1 および状態Bを経由し、その温度がT2 以上にな
ると急激に発色濃度が増大し、さらに状態Cを経由し
て、発色反応が完了すると状態Dに達し、最も高い発色
濃度を示す。状態Dの発色画像を室温まで急冷すると、
状態Eを経由して状態Fに達する。状態Fは室温におい
て画像の発色が保持されている状態であり、これで画像
の記録操作が終了する。この記録発色画像を、温度域T
1 に加熱し保持すると、発色濃度が次第に低下し、状態
Gを経由して状態A′となり、発色画像は完全に消色す
る。これを室温まで冷却すると、状態Aに達する。状態
Aは室温で消色状態が保持されている状態であり、これ
で画像の消去操作が終了する。上記の発色−消色可逆サ
イクルは、繰り返し行うことができる。
【0014】本発明の可逆性感熱記録体において、顕色
剤として用いられる芳香族化合物は、下記化学式により
表わされる化合物から選ばれることが好ましい。これら
の顕色剤化合物は単独で用いてもよく、あるいはその2
種以上を混合して用いてもよい。
【0015】
【化7】
【0016】
【化8】
【0017】
【化9】
【0018】本発明の可逆性感熱記録体の感熱記録層に
おいて、染料前駆体として使用される化合物としては、
トリフェニルメタン系、フルオラン系、ジフェニルメタ
ン系化合物等が挙げられ、従来公知のものから選ぶこと
ができる。例えば、3−(4−ジエチルアミノ−2−エ
トキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)−4−アザフタリド、クリスタルバ
イオレットラクトン、3−(N−エチル−N−イソペン
チルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p
−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−
N−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチ
ルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリル)フルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメ
チルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−
6−メチルフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6
−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−シクロヘ
キシル)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フ
ルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシ
プロピル)−N−エチルアミノ〕−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチ
ルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、
3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルア
ミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、2,2−ビス{4−〔6′
−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−3′−
メチルスピロ〔フタリド−3,9′−キサンテン〕−
2′−イルアミノ〕フェニル}プロパンおよび3−ジブ
チルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン等
から選ばれた1種以上を用いることができる。
【0019】また、本発明においては、フェノール類又
は、有機酸類、および長鎖アルキル基を有しないスルホ
ニル(チオ)ウレア系芳香族化合物からなる従来公知の
顕色剤を、本発明の所望の効果を阻害しない添加量で、
本発明に関わる長鎖アルキル基を有するスルホニルウレ
ア系顕色剤と併用することができる。
【0020】これら従来の顕色剤は、例えば、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノ
ールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1−フェニルエタン、1,4−ビス(1−メチル−1−
(4′−ヒドロキシフェニル)エチル)ベンゼン、1,
3−ビス(1−メチル−1−(4′−ヒドロキシフェニ
ル)エチル)ベンゼン、ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル(特開平1−180382号公報)、p−ヒドロキシ
安息香酸ベンジル(特開昭52−140483号公
報)、ビスフェノールS、4−ヒドロキシ−4′−イソ
プロピルオキシジフェニルスルホン(特開昭60−13
852号公報)、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,7−ジ(4−ヒドロキシフェ
ニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン(特開昭59−
52694号公報)、3,3′−ジアリル−4,4′−
ジヒドロキシジフェニルスルホン(特開昭60−208
286号公報)、N−(p−トルエンスルホニル)−
N′−フェニルウレア、N−(p−トルエンスルホニ
ル)−N′−(p−メトキシフェニル)ウレア、N−
(p−トルエンスルホニル)−N′−(o−トリル)ウ
レア、N−(p−トルエンスルホニル)−N′−(m−
トリル)ウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−
N′−(p−トリル)ウレア、N−(p−トルエンスル
ホニル)−N′−ベンジルウレア(以上、特開平5−3
2061号公報)、4,4′−ビス(p−トルエンスル
ホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタン、
4,4′−ビス(o−トルエンスルホニルアミノカルボ
ニルアミノ)−ジフェニルメタン、4,4′−ビス(ベ
ンゼンスルホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニ
ルメタン、1,2−ビス〔4′−(p−トルエンスルホ
ニルアミノカルボニルアミノ)フェニルオキシ〕エタ
ン、4,4′−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカ
ルボニルアミノ)ジフェニルエーテルおよび3,3′−
ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミ
ノ)ジフェニルスルホン(以上、特開平5−14735
7号公報)などから選んでもよい。
【0021】本発明の可逆性感熱記録体の感熱記録層
は、一般に増感剤として知られる熱可融性物質を含有す
ることができる。このような増感剤は、例えば、シュウ
酸ジエステル類(特開昭64−1583号公報)、シュ
ウ酸ジ(4−メチルベンジル)(特公平5−62597
号公報)、1,2−ビス(m−トリルオキシ)エタン
(特開昭60−56588号公報)、ジフェニルスルホ
ン(特開昭60−15667号公報)、p−ベンジルビ
フェニル(特開昭60−82382号公報)などから選
ぶことができるが、これらの化合物は、比較的低印加エ
ネルギーにより可逆性感熱記録体の高濃度発色を可能に
する能力に加え、消色反応を促進し、可逆性を向上させ
るという能力も有する。
【0022】また本発明の感熱記録層には、さらにワッ
クス類および/又は顔料を、本発明の効果を阻害しない
添加量で含んでいてよく、また、感熱記録層には通常バ
インダーが含まれる。ワックス類としては、例えば、パ
ラフィン、アミド系ワックス、ビスイミド系ワックスな
ど公知のものを用いることができる。ただし、亜鉛塩の
添加は、繰り返し発色・消色を行うにつれて消色濃度が
増大し、発色画像の消去が不完全になる恐れがあるた
め、亜鉛塩の含有量は感熱記録層の乾燥重量の1重量%
以下であることが好ましい。
【0023】顔料としては、例えばシリカ、クレー、焼
成クレー、タルク、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チ
タン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム
および表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機
系微粉末の他、並びに尿素−ホルマリン樹脂、スチレン
/メタクリル酸共重合体、およびポリスチレン樹脂等の
有機系の微粉末などをあげることができる。
【0024】前記バインダーとしては、種々の分子量の
ポリビニルアルコール及びその誘導体(例えばアセトア
セチル基変性ポリビニルアルコール,カルボキシル基変
性ポリビニルアルコール,およびスルホニル基変性ポリ
ビニルアルコールなど)、デンプン及びその誘導体(例
えば酸化デンプン、酢酸ビニルグルットデンプン,およ
びアルデヒド変性デンプンなど)、メトキシセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、
エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル
酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド/
アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アク
リル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン
/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルア
ミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、およびカゼインな
どの水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸ビニル、ポリ
ウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニ
ル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢
酸ビニル共重合体、およびスチレン/ブタジエン/アク
リル系共重合体等のラテックスを用いることができる。
【0025】本発明の可逆性感熱記録体の感熱記録層に
おいて、染料前駆体の含有率は、一般に感熱記録層の乾
燥全重量の5〜40重量%であることが好ましく、顕色
剤の含有率は、一般に感熱記録層の乾燥全重量の5〜5
0重量%であることが好ましい。顕色剤の含有率が5重
量%未満では、顕色能力に不足をきたすことがあり、ま
たそれを50重量%を越えて多量に用いても、顕色能力
が飽和して、発色濃度と消色濃度のコントラストに格別
の改善は見られず、経済的に不利になることがある。ま
た、消色促進剤(増感剤)の含有率は、一般に感熱記録
層の乾燥全重量の5〜50重量%であることが好まし
い。消色促進剤の含有率が5重量%未満では、消色促進
効果に不足をきたすことがあり、またそれを50重量%
を越えて多量に使用すると、発色濃度が不足することが
ある。
【0026】さらに感熱記録層が、フェノール類、有機
酸、又は長鎖アルキル基を有しないスルホニル(チオ)
ウレア系芳香族化合物からなる従来公知の顕色剤を含有
する場合、その含有率は、感熱記録層の乾燥全重量の1
0重量%以下であることが好ましい。フェノール類、有
機酸、または長鎖アルキル基を有しないスルホニル(チ
オ)ウレア系芳香族化合物からなる従来公知の顕色剤の
含有率が、10重量%より多くなると、消色反応を阻害
し、発色部と消色部のコントラストの低下が生ずること
がある。
【0027】ワックス類、および顔料が感熱記録層に含
まれる場合、その含有率はそれぞれ5〜20重量%、1
0〜50重量%であることが好ましく、またバインダー
の含有率は一般に5〜20重量%である。
【0028】本発明の可逆性感熱記録体に用いられる支
持体は、従来の感熱記録体に用いられてきた紙(酸性
紙、中性紙を含む)、表面に顔料および/又はラテック
スなどを塗工したコーテッド紙、ラミネート紙、ポリオ
レフィン系樹脂から作られた合成紙、ポリオレフィン、
ポリエステル、ポリイミド等のプラスチックフィルム、
ガラスプレート、および導電性ゴムシートなどから選ぶ
ことができる。このような支持体の少なくとも1面上
に、上記所要成分の混合物を含む塗布液を塗布し、乾燥
して感熱記録層を形成して可逆性感熱記録体を製造す
る。感熱記録層の塗布量は、塗布液層が乾燥した状態で
1〜15g/m2 であることが好ましく、2〜10g/
2 がより好ましい。
【0029】本発明においては、可逆性感熱発色層の下
に下塗層を設けることもできる。また可逆性感熱記録体
の裏面には、互に重ね合わされた記録体の表面と裏面の
接触時のブロッキングを防止し、裏面からの水や油の浸
透を抑制し、および/又はカールコントロールのための
バック層を設けることもできる。さらに、本発明の可逆
性感熱記録体において耐熱性、印刷適性、及び発色、消
色の繰り返し耐久性を向上させるために、その感熱記録
層の上に保護層、印刷層などのような被覆層を形成する
こともできる。
【0030】本発明においては、可逆性感熱記録体の付
加価値を高めるために、それにさらに加工を施し、より
高い機能を付与した可逆性感熱記録体とすることができ
る。例えば、裏面に粘着剤、再湿接着剤、ディレードタ
ック型接着剤による加工を施すことにより、粘着紙、再
湿接着紙、ディレードタック紙としての機能を付与し、
また磁気加工を施すことにより、磁気記録可能な可逆性
感熱記録体とすることができる。また裏面を利用して熱
転写用紙、インクジェット用紙、ノーカーボン用紙、静
電記録用紙、ゼログラフィ用紙としての機能を付与し、
両面への記録が可能な記録紙とすることもできる。もち
ろん両面可逆性感熱記録体とすることもできる。
【0031】画像の記録(発色)、消去(消色)を行う
装置は、使用目的によりサーマルヘッド、恒温槽、加熱
ローラー、熱ペン、面状発熱体、レーザー光、赤外線な
どから選択することができるが、特にこれらに限定され
るものではない。
【0032】次に、一般式(I)で表される顕色剤化合
物の合成方法の代表的具体例を下記に示す。合成例1. N−〔4−(n−オクタデカノイルアミノ)
フェニルスルホニル〕−N′−(p−メトキシフェニ
ル)ウレア(化合物No. 5、但しn=17)の合成法還
流冷却管および滴下ロートを装備した三口フラスコ中に
おいて、窒素雰囲気下、スルファニルアミド(10.0
g)をメタノール(50ml)に溶解する。この溶液に、
28%ナトリウムメチラートのメタノール溶液(16.
8g)を加え、30分間加熱還流する。次に、この混合
物にさらにジメチルカーボネート(10.5g)を加
え、さらに20時間加熱還流する。得られた反応混合物
を室温まで放冷し、メタノールと過剰のジメチルカーボ
ネートを留去し、残渣に水(30ml)を加える。この混
合液に20%塩酸水溶液を加えてpHを2〜3に調整した
後、酢酸エチルによる抽出操作を施す。得られた抽出液
を乾燥後、溶媒を留去すると、メチル{N−〔(4−ア
ミノフェニル)スルホニル〕}カルバメート(12.7
g)が得られる。
【0033】続いて{N−〔(4−アミノフェニル)ス
ルホニル〕}カルバメート(10.0g)をテトラヒド
ロフラン(100ml)に溶解し、この溶液にピリジン
(5ml)を加え、さらに塩化ステアロイル(14.5
g)をゆっくりと滴下し、室温で1時間攪拌する。この
反応混合液を、水(300ml)に投入し、室温で攪拌
後、生成した結晶を濾取すると、メチル{〔N−(p−
オクタデカノイルアミノフェニル)スルホニル〕}カル
バメート(21.5g)が得られる。このメチル{〔N
−(p−オクタデカノイルアミノフェニル)スルホニ
ル〕}カルバメート(10.0g)とp−アニシジン
(2.7g)とをトルエン(80ml)に溶解し、2時間
加熱還流する。得られる混合液を室温まで放冷して、析
出した結晶を濾取し、真空乾燥すると、目的物(10.
7g)が得られる。
【0034】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。実施例において、特に断らない限り、「部」およ
び「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」をあ
らわす。
【0035】実施例1 下記操作により可逆性感熱記録体を作成した。 (1)分散液Aの調製 成 分 量(部) 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーを用い、平均粒径が1
μm以下になるまで粉砕した。
【0036】 (2)分散液Bの調製 成 分 量(部) N−〔4−(n−オクタデカノイルアミノ)フェニルスルホ ニル)〕−N′−(p−メトキシフェニル)ウレア(化合物 No. 5 但し、n=17) 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーを用い、平均粒径が1
μm以下になるまで粉砕した。
【0037】 (3)分散液Cの調製 成 分 量(部) シュウ酸−ジ−p−メチルベンジルエステル 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーを用い、平均粒径が1
μm以下になるまで粉砕した。
【0038】(4)可逆性感熱記録層の形成 上記A液75部、B液150部、およびC液75部に、
焼成クレー30部、25%パラフィンワックスエマルジ
ョン2部、および10%ポリビニールアルコール水溶液
100部を混合、攪拌し、塗布液を調製した。この塗布
液を、厚さ75μmのポリエステルフィルムに、乾燥後
の塗布量が5.0g/m2 となるように塗布し、乾燥す
ることにより可逆性感熱記録層を形成した。(5)スーパーカレンダー処理 上記のようにして得られた感熱シートの表面をスーパー
カレンダーによって処理し、その感熱発色層の表面の平
滑度を3000〜5000秒に調整して可逆性感熱記録
体を作製した。
【0039】(6)発色性、消色性試験 このようにして得られた可逆性感熱記録体に、大倉電機
製感熱発色試験機THPMDを用いて、印字電圧21.
7V、印字パルス1.0msの条件で印字した。この印字
発色濃度をマクベス反射濃度計RD−914で測定し
た。さらに、この発色試料を東洋精機製熱傾斜試験機を
用いて、加熱温度100℃、圧力1kg/cm2 、加熱時間
1秒の条件で加熱した後、消色濃度をマクベス反射濃度
計RD−914で測定した。テスト結果を表1に示す。(7)保存性試験 上記発色試験と同様にして印字発色濃度を測定した後、
得られた発色試料を40℃条件下に7日間放置した後の
発色濃度を同様にして測定した。この時の画像保存率:
(40℃に7日間放置後の発色濃度/印字直後の発色濃
度)×100(%)により画像部の保存性を評価した。
テスト結果を表1に示す。
【0040】実施例2 (1)可逆性感熱記録層の形成 実施例1に記載のA液70部、B液140部、およびC
液100部に焼成クレー8部、25%パラフィンワック
スエマルジョン2部、および10%ポリビニールアルコ
ール水溶液100部を混合、攪拌し、塗布液を調整し
た。この塗布液を、厚さ75μmのポリエステルフィル
ムの1面上に、乾燥後の塗布量が4.0g/m2 となる
ように塗布し、乾燥することにより可逆性感熱記録層を
形成した。(2)オーバーコート層の形成 カオリナイトクレー分散液(固形分濃度60%)50
部、10%変性ポリビニルアルコール水溶液350部、
10%カゼイン水溶液220部、25%パラフィンワッ
クスエマルジョン2部、ジメチロールウレア架橋剤10
部および水35部を混合、攪拌してオーバーコート層用
塗布液を調製した。この塗布液を、可逆性感熱記録層の
上に、乾燥後の塗布量が1.5g/m2 となる様に塗布
し乾燥してオーバーコート層を形成し、これに実施例1
と同様のスーパーカレンダー処理を施して、その表面平
滑度を、3000〜5000秒に調整し、可逆感熱記録
体を得た。上記の可逆性感熱記録体を、実施例1と同様
の試験に供した。テスト結果を表1に示す。
【0041】実施例3 実施例2と同様にして可逆性感熱記録体を作成しテスト
した。但し、分散液Bの調製にあたり、N−〔4−(n
−オクタデカノイルアミノ)フェニルスルホニル〕−
N′−(p−メトキシフェニル)ウレア(化合物No.
5、但しn=17)のかわりに、N−〔4−(n−オク
タデカノイルアミノ)フェニルスルホニル〕−N′−
(p−トリル)ウレア(化合物No. 2、但しn=17)
を用いた。テスト結果を表1に示す。
【0042】実施例4 実施例2と同様にして可逆性感熱記録体を作成しテスト
した。但し、分散液Bの調製にあたり、N−〔4−(n
−オクタデカノイルアミノ)フェニルスルホニル〕−
N′−(p−メトキシフェニル)ウレア(化合物No.
5、但しn=17)のかわりに、N−〔4−(n−オク
タデカノイルアミノ)フェニルスルホニル〕−N′−
(p−アセチルアミノフェニル)ウレア(化合物No.
7、但しn=17)を用いた。テスト結果を表1に示
す。
【0043】実施例5 実施例2と同様にして可逆性感熱記録体を作成しテスト
した。但し、分散液Bの調製にあたり、N−〔4−(n
−オクタデカノイルアミノ)フェニル〕スルホニル−
N′−(p−メトキシフェニル)ウレア(化合物No.
5、但しn=17)のかわりに、N−〔4−(n−オク
タデカノイルアミノ)フェニルスルホニル〕−N′−
(4−ヘキサデシルフェニル)ウレア(化合物No. 1
4、但しn=17,m=16)を用いた。テスト結果を
表1に示す。
【0044】実施例6 実施例2と同様にして可逆性感熱記録体を作成しテスト
した。但し、分散液Bの調製にあたり、N−〔4−(n
−オクタデカノイルアミノ)フェニルスルホニル〕−
N′−(p−メトキシフェニル)ウレア(化合物No.
5、但しn=17)のかわりに、N−〔4−(n−オク
タデカノイルアミノ)フェニルスルホニル〕−N′−
〔4−(n−オクタデカノイルオキシ)フェニル〕ウレ
ア(化合物No.17、但しn=17,m=17)を用い
た。テスト結果を表1に示す。
【0045】実施例7 実施例2と同様にして可逆性感熱記録体を作成しテスト
した。但し、分散液Bの調製にあたり、N−〔4−(n
−オクタデカノイルアミノ)フェニルスルホニル〕−
N′−(p−メトキシフェニル)ウレア(化合物No.
5、但しn=17)のかわりに、N−〔4−(n−オク
タデカノイルアミノ)フェニルスルホニル〕−N′−
〔4−(n−ドデシルオキシ)フェニル〕ウレア(化合
物No. 20、但しn=17,m=12)を用いた。テス
ト結果を表1に示す。
【0046】実施例8 実施例2と同様にして可逆性感熱記録体を作成しテスト
した。但し、分散液Bの調製にあたり、N−〔4−(n
−オクタデカノイルアミノ)フェニルスルホニル〕−
N′−(p−メトキシフェニル)ウレア(化合物No.
5、但しn=17)のかわりに、N−〔4−(n−オク
タデカノイルアミノ)フェニルスルホニル〕−N′−
〔4−(n−オクタデシルオキシ)フェニル〕ウレア
(化合物No. 20、但しn=17,m=18)を用い
た。テスト結果を表1に示す。
【0047】実施例9 実施例2と同様にして可逆性感熱記録体を作成しテスト
した。但し、分散液Bの調製にあたり、N−{〔p−
(n−オクタデカノイルアミノ)フェニル〕スルホニ
ル}−N′−(p−メトキシフェニル)ウレア(化合物
No. 5、但しn=17)のかわりに、N−〔(p−アセ
チルアミノフェニル)スルホニル〕−N′−〔4−(n
−オクタデカノイルアミノ)フェニル〕ウレア(化合物
No. 24、但しm=17)を用いた。テスト結果を表1
に示す。
【0048】実施例10 実施例2と同様にして可逆性感熱記録体を作成しテスト
した。但し、分散液Bの調製にあたり、N−〔4−(n
−オクタデカノイルアミノ)フェニルスルホニル〕−
N′−(p−メトキシフェニル)ウレア(化合物No.
5、但しn=17)のかわりに、N−〔4−(n−オク
タデシルアミノカルボニルアミノ)フェニル〕スルホニ
ル−N′−(p−メトキシフェニル)ウレア(化合物N
o. 31、但しn=18)を用いた。テスト結果を表1
に示す。
【0049】実施例11 実施例2と同様にして可逆性感熱記録体を作成しテスト
した。但し、分散液Aの調製にあたり、3−ジブチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランのかわり
に、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)
フルオランを用いた。テスト結果を表1に示す。
【0050】比較例1 実施例2と同様にして可逆性感熱記録体を作成しテスト
した。但し、分散液Bの調製にあたり、N−〔4−(n
−オクタデカノイルアミノ)フェニルスルホニル〕−
N′−(p−メトキシフェニル)ウレア(化合物No.
5、但しn=17)のかわりに、N−(4−ヒドロキシ
フェニル)−N′−(n−オクタデシル)ウレアを用い
た。テスト結果を表1に示す。
【0051】比較例2 実施例2と同様にして可逆性感熱記録体を作成しテスト
した。但し、分散液Bの調製にあたり、N−〔4−(n
−オクタデカノイルアミノ)フェニルスルホニル〕−
N′−(p−メトキシフェニル)ウレア(化合物No.
5、但しn=17)のかわりに、没食子酸とステアリル
アミンとの塩を用いた。テスト結果を表1に示す。
【0052】比較例3 実施例2と同様にして可逆性感熱記録体を作成しテスト
した。但し、分散液Bの調製にあたり、N−〔4−(n
−オクタデカノイルアミノ)フェニルスルホニル〕−
N′−(p−メトキシフェニル)ウレア(化合物No.
5、但しn=17)のかわりに、アスコルビン酸を用い
た。テスト結果を表1に示す。
【0053】
【表1】 実施例1〜11および比較例1〜3の対比から明らかな
ように、本発明の可逆感熱記録体に形成された画像は、
長鎖アルキル鎖を有するフェノール性化合物、没食子酸
とステアリルアミンとの塩、アスコルビン酸等を顕色剤
として用いて得られた比較例の発色画像よりも高いコン
トラストを有し、また保存性にも優れている。
【0054】
【発明の効果】本発明の可逆性感熱記録体は、白地に発
色画像を形成し、この発色画像は高いコントラストを有
し、また画像保存性にも優れている。従って、本発明の
可逆性感熱記録体は、実用上の価値の極めて高いもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱記録体の発色および消色サ
イクルにおける温度と発色濃度との関係を示すグラフ。
【手続補正書】
【提出日】平成8年9月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 (ただし、式(I)中、Aは、ナフチル基またはフェニ
ル基を表し、R1 はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、ジメチルアミノ基、又はジエチルアミノ基を表し、
2 は、無置換の芳香環基、或は低級アルキル基、ハロ
ゲン原子、および低級アルコキシ基から選ばれた少なく
とも一員により置換された芳香環基を表し、Xは、下記
化学式:
【化2】 により表される2価の基から選ばれた1員を表し、Yお
よびZは、それぞれ互いに独立に、下記化学式:
【化3】 により表される2価の基から選ばれた1員を表し、mお
よびnはそれぞれ互いに独立に1〜22の整数を表し、
p,q,r,sおよびtは、それぞれ互いに独立に0ま
たは1を表す。)により表される少なくとも1種類の芳
香族化合物を含むことを特徴とする可逆性感熱記録体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】これらの要求を背景にして、様々な可逆性
感熱記録体が提案されてきた。例えば、特開昭63−1
07584号公報、特開平4−78573号公報、およ
び特開平4−358878号公報等には、加熱条件によ
る透明度の変化を利用した高分子タイプの可逆性感熱記
録体が開示されている。しかし、このような可逆性感熱
記録体においては、これが高分子の相変化による透明−
白濁を利用した記録方式であるため、十分な透明度、あ
るいは十分な不透明度が簡単には得られず、発色部と消
色部のコントラストが低くなり、暗い場所での視認性が
悪いという問題を有している。また一般に、この可逆性
感熱記録においては発色地に白の画像を記録する方式で
あるから、白地に発色画像を記録する方式、所謂ペーパ
ーライクな記録体を得ることが困難であるという欠点も
有している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】本発明の可逆性感熱記録体は、シート状支
持体と、このシート状支持体上に形成され、かつ無色ま
たは淡色の染料前駆体、およびこれを可逆的に発色およ
び消色させる顕色剤とを含む感熱記録層とを有し、前記
顕色剤が下記一般式(I):
【化4】 (ただし、式(I)中、Aは、ナフチル基またはフェニ
ル基を表し、R1 はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、ジメチルアミノ基、又はジエチルアミノ基を表し、
2 は、無置換の芳香環基、或は低級アルキル基、ハロ
ゲン原子、および低級アルコキシ基から選ばれた少なく
とも一員により置換された芳香環基を表し、Xは、下記
化学式:
【化5】 により表される2価の基から選ばれた1員を表し、Yお
よびZは、それぞれ互いに独立に、下記化学式:
【化6】 により表される2価の基から選ばれた1員を表し、mお
よびnは、それぞれ互いに独立に1〜22の整数を表
し、p,q,r,sおよびtは、それぞれ互いに独立
に、0または1を表す。)で表される少なくとも1種類
の芳香族化合物を含むことを特徴とするものである。一
般式(I)中、mおよびnはそれぞれ互いに独立に1〜
22の整数を表し、rが0の場合、nは11〜22の整
数を表し、rが1の場合、mおよびnの少なくとも一方
が11〜22の整数を表すことが好ましい。本発明に係
る可逆性感熱記録体を用いて可逆的熱発色および消色を
行うには、上記記録体の感熱発色層に、加熱を施して発
色画像を記録し、この発色画像記録の使用済み後、感熱
発色層に、前記発色加熱温度よりも低い温度の加熱を施
して前記発色画像を消色すればよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】前記バインダーとしては、種々の分子量の
ポリビニルアルコール及びその誘導体(例えばアセトア
セチル基変性ポリビニルアルコール,カルボキシル基変
性ポリビニルアルコール,およびスルホニル基変性ポリ
ビニルアルコールなど)、デンプン及びその誘導体(例
えば酸化デンプン、酢酸ビニルグラフトデンプン,およ
びアルデヒド変性デンプンなど)、メトキシセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、
エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル
酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド/
アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アク
リル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン
/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルア
ミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、およびカゼインな
どの水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸ビニル、ポリ
ウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニ
ル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢
酸ビニル共重合体、およびスチレン/ブタジエン/アク
リル系共重合体等のラテックスを用いることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状支持体と、このシート状支持体
    上に形成され、かつ無色または淡色の染料前駆体、およ
    びこれを可逆的に発色および消色させる顕色剤とを含む
    感熱記録層とを有し、 前記顕色剤が、下記一般式(I): 【化1】 (ただし、式(I)中、Aは、ナフチル基またはフェニ
    ル基を表し、R1 はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
    基、ジメチルアミノ基、又はジエチルアミノ基を表し、
    2 は、無置換の芳香環基、或は低級アルキル基、ハロ
    ゲン原子、および低級アルコキシ基から選ばれた少なく
    とも一員により置換された芳香環基を表し、Xは、下記
    化学式: 【化2】 により表される2価の基から選ばれた1員を表し、Yお
    よびZは、それぞれ互いに独立に、下記化学式: 【化3】 により表される2価の基から選ばれた1員を表し、mお
    よびnはそれぞれ互いに独立に1〜22の整数を表し、
    p,q,r,sおよびtは、それぞれ互いに独立に0ま
    たは1を表す。)により表される少なくとも1種類の芳
    香族化合物を含むことを特徴とする可逆性感熱記録体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000035679A1 (en) * 1998-12-16 2000-06-22 Ciba Specialty Chemicals Holding Inc. Heat sensitive recording material

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000035679A1 (en) * 1998-12-16 2000-06-22 Ciba Specialty Chemicals Holding Inc. Heat sensitive recording material
JP2002532441A (ja) * 1998-12-16 2002-10-02 チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド 熱感受性記録材料

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