JPH1035163A - Icカード基板の製造方法 - Google Patents

Icカード基板の製造方法

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JPH1035163A
JPH1035163A JP8214178A JP21417896A JPH1035163A JP H1035163 A JPH1035163 A JP H1035163A JP 8214178 A JP8214178 A JP 8214178A JP 21417896 A JP21417896 A JP 21417896A JP H1035163 A JPH1035163 A JP H1035163A
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JP
Japan
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cavity
movable body
synthetic resin
resin material
card substrate
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JP8214178A
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English (en)
Inventor
Shunichi Tagami
俊一 田上
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SHINSEI KAGAKU KOGYO KK
Original Assignee
SHINSEI KAGAKU KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ICカード基板の薄肉部への樹脂材料の充
填不良等をなくし所定の形状で一体成形でき、且つ製造
された製品に厚さの不揃いや孔空きなど不良品の発生を
少なくすることのでき、さらに安価に製造できる。 【解決手段】 ICカード基板1を成形するキャビテイ
23を形成する割り金型20の一方には、流体圧シリン
ダ40によってキャビテイ23の厚さ方向に進退可能な
可動体30を設ける。この可動体30の先端には第1凹
部11と第2凹部12を形成するための第1突部31と
第2突部32を設け、可動体30の第1突部31の頂面
を割り金型20の内面22aと面一状態にして金型2
1、22を閉じ、キャビテイ23内へ合成樹脂材料Mを
充填する。その後、合成樹脂材料Mが硬化する前に、可
動体30をキャビテイ23内へ進出させて第1凹部11
と第2凹部12を形成し、そして合成樹脂材料Mの冷却
硬化を行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICチップを組み
込んだICモジュールを埋設した合成樹脂製のICカー
ド基板の製造方法に係り、詳しく言えば、ICチップを
有するICモジュールを嵌め込むための2段階の凹部を
形成したICカード基板を合成樹脂成形により成形する
ICカード基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【発明の背景】ICカードは、従来より射出成形技術に
より図7に示すような構成からなっている。すなわち、
図7はICカードの一例を示す分解斜視図であり、この
ICカード01は、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂やABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジェン・
スチレン樹脂)などの合成樹脂製のICカード基板1
と、このICカード基板1の表裏両面に貼着される合成
樹脂等からなるフィルム製の外装フィルム3、3と、I
Cカード基板1に形成された第1凹部11と第2凹部1
2とからなるICモジュール収納凹部10に収容される
ICモジュール4とからなっている。
【0003】ICモジュール4の一般的な構成は、一方
の面に多数の外部電極4C…4Cが形成されたIC配線
基板4Aを設け、この外部電極4Cを介してデータ読み
取り装置やデータ書換え装置との電気的な接続を可能に
すると共に、IC配線基板4Aの他方の面には配線印刷
処理を施してICチップ4Bが接合される。そのため、
上記外部電極4CをICカード01の表面に露出させた
状態でICモジュール4をICカード基板1に取付ける
ためには、ICカード基板1には、ICモジュール収納
凹部10として、あらかじめICモジュール4のIC配
線基板4Aを収容するための第1凹部11と、この第1
凹部11の範囲内でICチップ4Bを収容するための第
2凹部12とを、2段階状に形成しておかなければなら
ないのである。
【0004】上記ICカード01全体の厚さは0.8m
m程度であり、第2凹部12の底面部位における合成樹
脂層(つまり薄肉部、図8の106)の厚さは0.1〜
0.3mm程度が一般的である。
【0005】
【従来の技術】このような厚さを有するICカード基板
を成形するのに、(イ) 特開平5ー286293号公
報(図8)に示されたものが知られている。
【0006】この(イ)のICカード基板の製造方法
は、図8に示す如く、パーティングラインで突き合わせ
て内部にICカード基板1と同一形状のキャビティ10
1を形成するICカード基板成形用の上金型102と下
金型103とを使用する。また上記両金型の一方(図8
では上金型102であるが、下金型103でもよい)に
は、ICカード基板1の第1凹部11を形成する第1突
部104aと、第2凹部12を形成する第2突部104
bとで2段階状に形成された段付き突起104が設けら
れている。更に、キャビティ101の端部には合成樹脂
材料を注入するためのゲート105が設けられている。
合成樹脂材料はゲート105を通じてキャビティ101
内に充填されてから、所定時間冷却した後に、図7に示
す如きICカード基板1を形成する。
【0007】また、(ロ) ICカード基板の射出成形
時においては、図7で言えばIC配線基板4Aを収納す
るための第1凹部11だけを形成し、ICチップ4Bを
収納するための第2凹部12はエンドミル等の機械加工
によって第1凹部11の所定部分を切削する方法も知ら
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記(イ)
の方法では、段付き突起104の第1突部104a下面
と下金型103のキャビティを形成する上面との隙間
(ICモジュール収納用の第2凹部12を形成して薄肉
部106となる部分)は、前述したように0.1〜0.
3mm程度で極めて狭いので、溶融合成樹脂材料が流動
し難く樹脂材料の充填不良を来すことがある。そのた
め、ウエルドラインが発生したり、薄肉部の強度が弱く
なって孔が開いたりして不良品発生の原因となってい
た。
【0009】上記(ロ)の方法では、機械加工によって
第2凹部12を形成するため、その分の加工工程数が増
えて製造所要時間が多くかかり、生産効率が悪いという
問題があった。また切削加工によって発生する合成樹脂
の切り粉の除去処理が不充分のために不良品のICカー
ド基板が製造されたり、その切り粉が工場内に飛散し作
業環境を悪化させるなどの問題があった。
【0010】本発明は、上記従来の問題点を解消するた
めに案出されたものであり、ICカード基板の薄肉部へ
の樹脂材料の充填不良等をなくし所定の形状で一体成形
でき、且つ製造された製品に厚さの不揃いや孔空きなど
不良品の発生を少なくすることができ、さらに安価に製
造できるICカード基板の製造方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明のICカード基板の製造方法は、ICモジュ
ールを収容する第1凹部と、該第1凹部内でICチップ
を収容する第2凹部とを形成してなる合成樹脂製のIC
カード基板の製造方法において、ICカード基板を成形
するキャビテイを形成する割り金型の一方には、油圧シ
リンダ又は空気圧シリンダからなる流体圧シリンダによ
ってキャビテイの厚さ方向に進退可能な可動体を設け、
この可動体の先端には前記第1凹部と第2凹部を形成す
るための第1突部と第2突部を設け、前記可動体の第1
突部の頂面を前記割り金型の内面と面一状態にして割り
金型を閉じ、キャビテイ内へ合成樹脂材料を充填した
後、この合成樹脂材料が硬化する前に、前記可動体をキ
ャビテイ内へ進出させて第1凹部と第2凹部を形成し、
そして合成樹脂材料の冷却硬化を行うことを特徴とす
る。
【0012】すなわち、割り金型のキャビテイ内へ溶融
状態の合成樹脂材料を注入するとき、第1突部および第
2突部を形成した可動体は、対向する金型の内面から離
れた退避状態とし、合成樹脂材料がキャビテイ内へ確実
に充填されるようにする。つまり、溶融した合成樹脂材
料の充填時には、キャビテイ内において第1突部及び第
2突部の頂面と対向する金型の内面との距離(隙間)を
最大限に確保しておき、合成樹脂材料がキャビテイ内へ
円滑に流動するようにする。この可動体の退避位置で
は、第1突部の頂面と金型の内面(該可動体を設けた金
型の内面)が面一状態となるように設定するとともに、
キャビテイ内へ突出する部材は第2突部のみとするのが
好ましく、これにより合成樹脂材料の流動が阻害される
のを少なくする。
【0013】なお、第1突部の頂面が平面の場合には、
この頂面と金型の内面が面一となるように退避させ、第
1突部の頂面が傾斜面または湾曲面である場合には、こ
の傾斜面または湾曲面の最頂面が金型の内面と一致する
ように退避させる。
【0014】可動体をキャビテイ内へ進出させる時期
は、キャビテイ内へ溶融合成樹脂材料を充填完了したと
きから、金型を冷却してキャビテイ内の合成樹脂材料が
硬化を開始するまでの間とし、実際の装置においては、
金型の冷却を開始した時点においても合成樹脂材料の硬
化が始まっていない場合もあり、冷却と同時に可動部を
進出させるものであっても、本発明に含まれる。
【0015】請求項2記載の如く、可動体における第2
突部の頂面を割り金型の内面と面一状態にして割り金型
を閉じることが最も好ましく、これによって合成樹脂材
料をキャビテイ内へ注入するとき、キャビテイ内には障
害物が一切存在せず、合成樹脂材料をキャビテイ内へ確
実に充填することが可能となる。
【0016】上記可動体の退避位置は、第2突部の頂面
が平面の場合には、その頂面と金型の内面が面一状態と
なるように退避させ、この第2突部の頂面が傾斜面また
は湾曲面である場合には、その最も高い頂面位置と金型
の内面を一致させるまで退避させる。
【0017】本発明においては、1つのキャビテイ内に
1つの凹部(第1凹部と第2凹部のセットを1つの凹部
と見る)を形成するものに限らず、2以上の複数の凹部
を形成するものにおいても、可動体の配設数を増やすこ
とによって対応することができる。この場合、複数の可
動体は同時に進退するもの、別々に進退するもののいず
れでも良く、またその進退長さをそれぞれ変更したもの
であっても良い。さらに1対の割り金型で、1つのIC
カード基板を成形するいわゆる1個取りに限らず、複数
のICカード基板を同時に成形するいわゆる多数個取り
することもできる。
【0018】可動体は、第1凹部を形成するための第1
可動体と、第2凹体を形成するための第2可動体とを別
々に進退駆動するように、それぞれに流体圧シリンダを
接続することが好ましい。すなわち、ICカード基板を
成形するキャビテイを形成する割り金型の一方には、流
体圧シリンダによってキャビテイの厚さ方向に進退可能
な第1可動体を設け、該第1可動体の先端には前記第1
凹部を形成するための第1突部を設けるとともに、他の
流体圧シリンダによってキャビテイの厚さ方向に進退可
能な第2可動体を設け、該第2可動体の先端には上記第
2凹部を形成するための第2突部を設け、前記第1突部
と第2突部の頂部を退避した状態にして割り金型を閉
じ、キャビテイ内へ合成樹脂材料を充填した後、この合
成樹脂材料が硬化する前に、前記第1、第2の可動体を
キャビテイ内へ進出させて第1凹部および第2凹部を形
成し、そして合成樹脂材料の冷却硬化を行うようにす
る。これにより例えば後述するように第1突部と第2突
部の頂部が平面に形成される場合、これらの各頂面を第
1、第2の突部が出没される側の金型の内面と面一状態
に退避させておくことが可能となり、合成樹脂材料をキ
ャビテイ内へ注入する際に、金型の内面には凹凸が一切
ない平滑面状態でスムーズに流入させることができる。
【0019】なお、これら頂部が平面でない場合には、
完全な平滑面とはならないまでも合成樹脂材料の流動を
阻害する障害物はできるだけ少なくすることができる。
第1可動体と第2可動体の退避位置は上記例に限らず、
任意に選定できる。ICチップやICモジュールの変更
によって、その収納凹部の深さを変更する必要が生じた
場合には、流体圧シリンダの調整によって第1可動体と
第2可動体の進退量を自由に調節変更でき、適用範囲が
広くなる。
【0020】上述のように、2つの可動体を別々に構成
し、且つこれらの頂部を平面に形成し、第1突部および
第2突部の頂面を両突部が出没される側の割り金型の内
面と面一状態にして割り金型を閉じる工程を採用すれ
ば、合成樹脂材料をキャビテイ内へ注入するときに金型
の内面から突出または陥没する障害物を一切排除するこ
とができる。
【0021】本発明は、ICカード基板を成形するキャ
ビテイを形成する割り金型の一方には、流体圧シリンダ
によってキャビテイの厚さ方向に進退可能な可動体を設
け、この可動体の先端には前記第2凹部を形成するため
の第2突部を設けると共に、前記第1凹部を形成する第
1突部は割り金型の内面に突設し、前記可動体の第2突
部を退避した状態にして割り金型を閉じ、キャビテイ内
へ合成樹脂材料を充填した後、この合成樹脂材料が硬化
する前に、前記可動体をキャビテイ内へ進出させて第1
凹部および第2凹部を形成し、そして合成樹脂材料の冷
却硬化を行う構成を採ることができる。これによって金
型の改造部分を少なくしながら、合成樹脂材料の充填不
良を防止するという基本的な作用効果を発揮することが
できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)図1は本発明の第1実施形態を示す断
面図であり、(a)は合成樹脂材料を充填する前で可動
体が後退している時のICカード基板成形用金型を示
し、(b)は合成樹脂材料が充填されその流動状態時に
前記可動体が突出されている時のICカード基板成形用
金型を示している。図1において、ICカード基板を成
形するための金型20は割り金型とされ、第1金型(上
金型)21と第2金型(下金型)22とからなり、この
第1金型(上金型)21と第2金型(下金型)22とを
パーテイングラインで突き合わせて、ICカード基板1
と同一形状のキャビティ23が形成される。
【0023】割り金型20の一方(図1では第2金型
(下金型)22)には、油圧シリンダ又は空気圧シリン
ダからなる流体圧シリンダ40によってキャビティ23
の厚さ方向に進退される可動体30が設けられている。
この可動体30の先端には、図7に示す如くICモジュ
ール4を収容するICカード基板1の第1凹部11を形
成するための第1突部31と、該第1突部31の略中央
の上部位置に形成され、かつICチップ4Bを収容する
ICカード基板1の第2凹部12を形成するための第2
突部32とが形成されている。この実施形態例では、図
3に示す如く、第1突部31の平面形状は矩形に形成さ
れ、第2突部32の平面形状は円形とされている。
【0024】前記可動体30が流体圧シリンダ40によ
りキャビティ23内へ出没(上下動)する具体的構成は
種々採り得る。この実施形態では可動体30の下部にフ
ランジ33を形成し、このフランジ33の上下動を許容
するガイド孔36を有するガイド部材35を設け、前記
フランジ33を流体圧シリンダ40のプランジャー41
で押し上げることにより、図1の(b)の如く可動体3
0を上動するようにしている。
【0025】また、金型20の一方(本実施形態例では
第2金型22)には、射出成形機(図示せず)で溶融さ
れた合成樹脂材料Mをキャビティ23内へ注入するゲー
ト6が形成されている。
【0026】上記の如き装置を使用して本発明のICカ
ード基板を製造する方法は次の通りである。図1(a)
に示すように第1、第2の金型21、22を閉じた状態
において、可動体30は退避(没入)状態にあり、第1
突部31の頂面と第2金型22の内面22aが一致して
面一状態となるようにセットされる。そしてこの状態で
ゲート6から射出成形機にて溶融された合成樹脂材料が
キャビテイ23内へ注入される。このときキャビテイ2
3内において合成樹脂材料の流入を阻害するものは第2
突部32だけであり、この第2突部32と対向する第1
金型21の内面21aとの間隔は十分に確保されている
(ICカード基板1の厚さが0.8mmのとき、この間
隔は約0.3〜0.7mmはある)ので、この部分で合
成樹脂材料の充填不良を起こすことはない。
【0027】そして、キャビテイ23内が合成樹脂材料
Mによって充満された後、該合成樹脂材料Mが固まらな
い流動状態時に、流体圧シリンダ40によって可動体3
0を図1(b)に示すように同図(a)の矢印方向(キ
ャビテイ23の厚さ方向)へ進出させる。こうして合成
樹脂材料Mに第1凹部11と第2凹部12を形成し、第
1、第2の金型21、22を冷却して合成樹脂材料Mを
硬化させる。硬化が完了したら割り金型21、22を離
反させて、成形されたICカード基板1を取り出す。
【0028】可動体30の第1突部31と第2突部32
の形状は図3に示すものに限定されず、ICモジュール
収納凹部10の形状に適合するように例えば、図4
(a)〜(d)に示すものなど任意の形状に設定でき
る。すなわち(a)に示すものは、第1突部31および
第2突部32の平面形状が円形(楕円も含む)で、これ
らの頂部は平面で形成され、(b)に示すものは第2突
部32の頂部を2つの傾斜面32a,32bで形成した
ものである。第1突部31の頂部を傾斜面とすることも
できる。
【0029】図4(c)に示すものは可動体30の第1
突部31と第2突部32の平面形状を矩形(その他の多
角形でも良い)とし、これらの頂部を平面としたもので
ある。また(d)に示すものは第2突部32を球体の一
部とした(外面を湾曲面で形成、なお第1突部31を湾
曲面で形成することもできる。)ものである。この他、
これらのものを任意に組み合わせたものであっても良
い。
【0030】(第2実施形態)図2は本発明の第2実施
形態を示す断面図であり、図1(a)に示した第1実施
形態とは、第1、第2の金型21、22を型締めすると
きに、可動体30を第2突部32の頂部(頂面)と第2
金型22の内面22aが面一状態となるように退避させ
ている点が異なり、その他の構成は第1実施形態のもの
と同様としてある。
【0031】すなわち、上記可動体30の退避状態であ
れば、第2金型22の内面22aの上部側には何らの障
害物も存在せず、ゲート6から注入される合成樹脂材料
はキャビテイ23内をスムーズに流動して確実に充填さ
れる。充填後は前述の第1実施形態と同様の工程を経て
ICカード基板が成形される。したがって合成樹脂材料
の充填不良による製品の不良発生は確実に防止される。
なお、可動体30の形状は図2に限らず図4の如く構成
することができる。
【0032】(第3実施形態)図5は本発明の第3実施
形態を示す断面図である。割り金型20を構成する第2
金型22には第1可動体37がキャビテイ23の厚さ方
向に進退自在に配設され、この第1可動体37はステー
42を介して流体圧シリンダ40Aにプランジャー41
Aで接続される。またこの第1可動体37の内側には第
2可動体38が設けられ、この第2可動体38は流体圧
シリンダ40Bにプランジャー41Bで接続される。第
1可動体37と第2可動体38の平面形状は矩形または
円形に形成され(その他の多角形や楕円形など任意の形
状)、その頂部は平面で形成され(傾斜面や湾曲面であ
っても良い)、それぞれ第1突部31および第2突部3
2が形成される。
【0033】この構成の割り金型によってICカード基
板を成形するに当たっては、第1可動体37および第2
可動体38を退避状態(任意の位置で良いが、好ましく
は第2金型22の内面22aと面一状態(図の鎖線位
置))に保ち、第1、第2の金型21、22を型締めす
る。ついでキャビテイ23内へ溶融状態の合成樹脂材料
Mを充満させ、合成樹脂材料が変形可能な溶融状態また
は軟化状態のときに、第1可動体37および第2可動体
38をキャビテイ23内へ進出させ、図5に示すように
2段階の第1凹部11と第2凹部12を形成する。その
後に第1、第2の金型21、22を冷却して合成樹脂材
料Mを硬化させて、ICカード基板1の成形を完了す
る。
【0034】上記第2可動体38は流体圧シリンダ40
Bを介してステー42に固定しておき、流体圧シリンダ
40Aによってこれらの部材と第1可動体37を第1凹
部11の形成位置まで移動させ、その後に流体圧シリン
ダ40Bを駆動して第2可動体38を進出させて第2凹
部12を形成することが好ましい。しかし流体圧シリン
ダ40A、40Bを別々に第2金型22に固定してお
き、第1可動体37と第2可動体38を別個に進退する
ように構成し、それぞれを個別に進出させる方法を採用
しても良い。
【0035】(第4実施形態)図6は本発明の第4実施
形態を示す断面図であり、ICカード基板の第1凹部1
1を形成する第1突部31は第2金型22の内面22a
に一体的に形成し、その内側に可動体30を設ける。こ
の可動体30は流体圧シリンダ40にプランジャー41
を介して接続すると共に、その上部に第2突部32を形
成している。第1突部31と第2突部32の形状は前述
した通り図4に示した形状など任意に選定される。
【0036】すなわち、第1、第2の金型21、22の
型締めの段階においては、可動体30は退避させてお
き、第1突部31の頂面と第2突部32の頂面が面一状
態となるようにしておくのが好ましい。なお第2突部3
2の頂面は前記第1突部31の頂面と完全に面一となら
ず、途中位置まで退避させて一部はキャビティ23内を
臨んだものであっても良い。そしてキャビテイ23内へ
溶融状態の合成樹脂材料Mをゲート6から注入し、樹脂
材料が充填されたのち可動体30をキャビテイ23側へ
進出させ、第2突部32によって第2凹部12を形成す
る。その後は前述の形態例と同様の工程を行ってICカ
ード基板1の成形を完了する。
【0037】なお、図6の符号24はエア抜き孔を示
し、キャビテイ23内へ合成樹脂材料をスムーズに流入
させると共に、樹脂材料中にエアが混入するのを防止す
るために設けられるものであり、上述の各形態例におい
ても当然用いられるものである。
【0038】上記各実施形態においてICカード基板を
成形する合成樹脂材料Mは、ポリ塩化ビニル樹脂、AB
S樹脂(アクリルニトリル/ブタジエン/スチレン共重
合樹脂)、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ナイロン
樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエ
ステル樹脂など、公知ものを使用することができる。
【0039】
【発明の効果】本発明の請求項1によれば、可動体の先
端には第1突部と第2突部を設け、前記可動体の第1突
部の頂面を割り金型の内面と面一状態にして割り金型を
閉じてICカード基板を製造するようにしているから、
第1凹部と第2凹部を形成したICカード基板を一体成
形によって確実に製造でき、第2凹部を形成するための
機械切削加工を必要としなくなり、効率的な生産が可能
となる。また合成樹脂の切り粉の除去処理問題も解消さ
れる。さらに薄肉部対応位置にも合成樹脂材料が支障な
く流動され充填不良を解消できるため、第2凹部の底部
部位における合成樹脂材料が薄肉部になる部分を確実に
成形でき、該薄肉部の厚さの不均一や充填不良によって
孔ができるようなことはなく、均質な製品を提供でき
る。
【0040】請求項2によれば、可動体における第2突
部の頂面を割り金型の内面と面一状態にして割り金型を
閉じてICカード基板を製造するようにしているから、
溶融した合成樹脂材料を割り金型のキャビテイ内へ注入
させるときに、キャビティ内には障害物は一切なくな
り、合成樹脂材料をキャビティ内へ確実に充填させるこ
とができるので、上記効果が更に向上される。
【0041】請求項3によれば、可動体は、第1凹部を
形成するための第1可動体と、第2凹体を形成するため
の第2可動体とを別々に進退駆動するように、それぞれ
に流体シリンダを接続しているから、第1凹部および第
2凹部の形成深さを任意に設定してICカード基板を成
形でき、ICモジュールやICチップの厚さが変更され
ても、割り金型全体を交換することなくこれらに適合し
た深さの凹部を形成することができる。
【0042】請求項4の構成によれば、第1突部と第2
突部の頂部は平面に形成し、これら第1、第2の突部の
頂面を両突部が出没される側の割り金型の内面と面一状
態にして割り金型を閉じるようにしてあるから、溶融し
た合成樹脂材料を割り金型のキャビテイ内へ注入させる
ときに、キャビテイ内に突出する障害物が一切ないた
め、該キャビティ内において充填不良を生じることがな
いので、ICカード基板の薄肉部等に対して製品不良を
生じることがない。
【0043】請求項5によれば、割り金型の構造変更を
少なくして、2段階の凹部を形成したICカード基板を
一体成形できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のICカード基板の製造方法にお
ける第1実施形態を示す断面図である。(a)は合成樹
脂材料を充填する前で可動体が後退している時のICカ
ード基板成形用金型を示し、(b)は合成樹脂材料が充
填されその流動状態時に前記可動体が突出されている時
のICカード基板成形用金型を示す。
【図2】本発明の第2実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の第1、第2実施形態における可動体の
進出状態を示す斜視図である。
【図4】(a)〜(d)は本発明に用いる第1突部と第
2突部の変形例を示す斜視図である。
【図5】本発明の第3実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明の第4実施形態を示す断面図である。
【図7】接触型のICカードの一例を示す分解斜視図で
ある。
【図8】従来例のICカード基板の製造金型の要部断面
図である。
【符号の説明】
01 ICカード 1 ICカード基板 3 外装フィルム 4 ICモジュール 4B ICチップ 10 ICモジュール収納凹部 11 第1凹部 12 第2凹部 20 金型(割り金型) 21 第1金型(上金型) 22 第2金型(下金型) 23 キャビティ 30 可動体 31 第1突部 32 第2突部 37 第1可動体 38 第2可動体 40、40A、40B 流体圧シリンダ 41 プランジャー 106 薄肉部 M 合成樹脂材料

Claims (5)

    【整理番号】 P607203 【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ICモジュールを収容する第1凹部と、
    該第1凹部内でICチップを収容する第2凹部とを形成
    してなる合成樹脂製のICカード基板の製造方法におい
    て、ICカード基板を成形するキャビテイを形成する割
    り金型の一方には、流体圧シリンダによってキャビテイ
    の厚さ方向に進退可能な可動体を設け、この可動体の先
    端には前記第1凹部と第2凹部を形成するための第1突
    部と第2突部を設け、前記可動体の第1突部の頂面を前
    記割り金型の内面と面一状態にして割り金型を閉じ、キ
    ャビテイ内へ合成樹脂材料を充填した後、この合成樹脂
    材料が硬化する前に、前記可動体をキャビテイ内へ進出
    させて第1凹部と第2凹部を形成し、そして合成樹脂材
    料の冷却硬化を行うことを特徴とするICカード基板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 ICモジュールを収容する第1凹部と、
    該第1凹部内でICチップを収容する第2凹部とを形成
    してなる合成樹脂製のICカード基板の製造方法におい
    て、ICカード基板を成形するキャビテイを形成する割
    り金型の一方には、流体圧シリンダによってキャビテイ
    の厚さ方向に進退可能な可動体を設け、この可動体の先
    端には前記第1凹部と第2凹部を形成するための第1突
    部と第2突部を設け、前記可動体の第2突部の頂面を前
    記割り金型の内面と面一状態にして割り金型を閉じ、キ
    ャビテイ内へ合成樹脂材料を充填した後、この合成樹脂
    材料が硬化する前に、前記可動体をキャビテイ内へ進出
    させて第1凹部と第2凹部を形成し、そして合成樹脂材
    料の冷却硬化を行うことを特徴とするICカード基板の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 ICモジュールを収容する第1凹部と、
    該第1凹部内でICチップを収容する第2凹部とを形成
    してなる合成樹脂製のICカード基板の製造方法におい
    て、ICカード基板を成形するキャビテイを形成する割
    り金型の一方には、流体圧シリンダによってキャビテイ
    の厚さ方向に進退可能な第1可動体を設け、該第1可動
    体の先端には前記第1凹部を形成するための第1突部を
    設けるとともに、他の流体圧シリンダによってキャビテ
    イの厚さ方向に進退可能な第2可動体を設け、該第2可
    動体の先端には上記第2凹部を形成するための第2突部
    を設け、前記第1突部と第2突部の頂部を退避した状態
    にして割り金型を閉じ、キャビテイ内へ合成樹脂材料を
    充填した後、この合成樹脂材料が硬化する前に、前記第
    1、第2の可動体をキャビテイ内へ進出させて第1凹部
    および第2凹部を形成し、そして合成樹脂材料の冷却硬
    化を行うことを特徴とするICカード基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 第1突部と第2突部の頂部は平面に形成
    し、これら第1、第2の突部の頂面を両突部が出没され
    る側の割り金型の内面と面一状態にして割り金型を閉じ
    る請求項3に記載のICカード基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 ICモジュールを収容する第1凹部と、
    該第1凹部内でICチップを収容する第2凹部とを形成
    してなる合成樹脂製のICカード基板の製造方法におい
    て、ICカード基板を成形するキャビテイを形成する割
    り金型の一方には、流体圧シリンダによってキャビテイ
    の厚さ方向に進退可能な可動体を設け、この可動体の先
    端には前記第2凹部を形成するための第2突部を設ける
    と共に、前記第1凹部を形成する第1突部は割り金型の
    内面に突設し、前記可動体の第2突部を退避した状態に
    して割り金型を閉じ、キャビテイ内へ合成樹脂材料を充
    填した後、この合成樹脂材料が硬化する前に、前記可動
    体をキャビテイ内へ進出させて第1凹部および第2凹部
    を形成し、そして合成樹脂材料の冷却硬化を行うことを
    特徴とするICカード基板の製造方法。
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