JPH10338753A - 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム - Google Patents
金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムInfo
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- JPH10338753A JPH10338753A JP15093697A JP15093697A JPH10338753A JP H10338753 A JPH10338753 A JP H10338753A JP 15093697 A JP15093697 A JP 15093697A JP 15093697 A JP15093697 A JP 15093697A JP H10338753 A JPH10338753 A JP H10338753A
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- film
- laminating
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- polyester film
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐衝撃性に優れ、かつ成形加工性、耐熱性、
耐レトルト性、保香保味性等に優れた金属缶、例えば飲
料缶、食品缶等を製造し得る金属板貼合せ成形加工用ポ
リエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 融点が210〜245℃であるイソフタ
ル酸共重合ポリエステル層(A)と、融点が210〜2
45℃のエチレンテレフタレートを主たる繰返し単位と
する共重合ポリエステル(I)99〜50重量%と融点
が180〜223℃のブチレンテレフタレートを主たる
繰返し単位とするポリエステル(II)1〜50重量%と
からなるポリエステル組成物層(B)とを積層してなる
ポリエステルフィルムであって、該ポリエステルフィル
ムの損失弾性率の最大ピーク温度が50℃以上85℃以
下であることを特徴とする金属板貼合せ成形加工用ポリ
エステルフィルム。
耐レトルト性、保香保味性等に優れた金属缶、例えば飲
料缶、食品缶等を製造し得る金属板貼合せ成形加工用ポ
リエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 融点が210〜245℃であるイソフタ
ル酸共重合ポリエステル層(A)と、融点が210〜2
45℃のエチレンテレフタレートを主たる繰返し単位と
する共重合ポリエステル(I)99〜50重量%と融点
が180〜223℃のブチレンテレフタレートを主たる
繰返し単位とするポリエステル(II)1〜50重量%と
からなるポリエステル組成物層(B)とを積層してなる
ポリエステルフィルムであって、該ポリエステルフィル
ムの損失弾性率の最大ピーク温度が50℃以上85℃以
下であることを特徴とする金属板貼合せ成形加工用ポリ
エステルフィルム。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板貼合わせ成
形加工用ポリエステルフィルムに関し、更に詳しくは金
属板に貼合わせて絞り加工等の製缶加工をする際優れた
成形加工性を示し、耐衝撃性、耐熱性、耐レトルト性、
保香保味性等に優れた金属缶、例えば飲料缶、食品缶等
を製造し得る金属板貼り合わせ成形加工用ポリエステル
フィルムに関する。
形加工用ポリエステルフィルムに関し、更に詳しくは金
属板に貼合わせて絞り加工等の製缶加工をする際優れた
成形加工性を示し、耐衝撃性、耐熱性、耐レトルト性、
保香保味性等に優れた金属缶、例えば飲料缶、食品缶等
を製造し得る金属板貼り合わせ成形加工用ポリエステル
フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】金属缶には内外面の腐蝕防止として一般
に塗装が施されているが、最近、工程簡素化、衛生性向
上、公害防止の目的で、有機溶剤を使用せずに防錆性を
得る方法の開発が進められ、その一つとして熱可塑性樹
脂フィルムによる被覆が試みられている。すなわち、ブ
リキ、ティンフリースチール、アルミニウム等の金属板
に熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした後、絞り加工
等により製缶する方法の検討が進められている。この熱
可塑性樹脂フィルムとしてポリオレフィンフィルムやポ
リアミドフィルムが試みられたが、成形加工性、耐熱
性、保香性、耐衝撃性のすべてを満足するものではなか
った。
に塗装が施されているが、最近、工程簡素化、衛生性向
上、公害防止の目的で、有機溶剤を使用せずに防錆性を
得る方法の開発が進められ、その一つとして熱可塑性樹
脂フィルムによる被覆が試みられている。すなわち、ブ
リキ、ティンフリースチール、アルミニウム等の金属板
に熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした後、絞り加工
等により製缶する方法の検討が進められている。この熱
可塑性樹脂フィルムとしてポリオレフィンフィルムやポ
リアミドフィルムが試みられたが、成形加工性、耐熱
性、保香性、耐衝撃性のすべてを満足するものではなか
った。
【0003】一方、ポリエステルフィルム、特にポリエ
チレンテレフタレートフィルムがバランスのとれた特性
を有するフィルムとして注目され、これをベースとした
幾つかの提案がされている。例えば、 (A)二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを
低融点ポリエステルの接着層を介して金属板にラミネー
トし、製缶材料として用いる(特開昭56−10451
号公報、特開平1−192546号公報)。 (B)非晶性もしくは極めて低結晶性の芳香族ポリエス
テルフィルムを金属板にラミネートし、製缶材料として
用いる(特開平1−192545号公報、特開平2−5
7339号公報)。 (C)低配向で、熱固定された二軸配向ポリエチレンテ
レフタレートフィルムを金属板にラミネートし、製缶材
料として用いる(特開昭64−22530号公報)。
チレンテレフタレートフィルムがバランスのとれた特性
を有するフィルムとして注目され、これをベースとした
幾つかの提案がされている。例えば、 (A)二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを
低融点ポリエステルの接着層を介して金属板にラミネー
トし、製缶材料として用いる(特開昭56−10451
号公報、特開平1−192546号公報)。 (B)非晶性もしくは極めて低結晶性の芳香族ポリエス
テルフィルムを金属板にラミネートし、製缶材料として
用いる(特開平1−192545号公報、特開平2−5
7339号公報)。 (C)低配向で、熱固定された二軸配向ポリエチレンテ
レフタレートフィルムを金属板にラミネートし、製缶材
料として用いる(特開昭64−22530号公報)。
【0004】しかし、本発明者らの研究によれば、いず
れも十分な特性が得られず、それぞれ次の問題があるこ
とがわかった。(A)については、二軸配向ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムは耐熱性、保香性に優れる
が、成形加工性が不十分であり、大きな変形を伴う製缶
加工ではフィルムの白化(微小クラックの発生)、破断
が発生する。(B)については、非晶性もしくは極めて
低結晶性の芳香族ポリエステルフィルムであるため成形
加工性は良好であるが、保香性が劣り、また製缶後の印
刷、レトルト殺菌処理等の後処理、更には長期の保存に
より脆化しやすく、缶外部からの衝撃によって割れやす
いフィルムに変質する恐れがある。(C)については、
上記(A)と(B)の中間領域で効果を発揮せんとする
ものであるが、未だ製缶加工に適用可能な低配向には達
しておらず、また、変形度の小さい領域で加工し得たと
しても、その後の印刷、缶内容物を滅菌するレトルト処
理により脆化しやすくなり、前記(B)と同様に缶外部
からの衝撃により割れやすいフィルムに変質する恐れが
ある。
れも十分な特性が得られず、それぞれ次の問題があるこ
とがわかった。(A)については、二軸配向ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムは耐熱性、保香性に優れる
が、成形加工性が不十分であり、大きな変形を伴う製缶
加工ではフィルムの白化(微小クラックの発生)、破断
が発生する。(B)については、非晶性もしくは極めて
低結晶性の芳香族ポリエステルフィルムであるため成形
加工性は良好であるが、保香性が劣り、また製缶後の印
刷、レトルト殺菌処理等の後処理、更には長期の保存に
より脆化しやすく、缶外部からの衝撃によって割れやす
いフィルムに変質する恐れがある。(C)については、
上記(A)と(B)の中間領域で効果を発揮せんとする
ものであるが、未だ製缶加工に適用可能な低配向には達
しておらず、また、変形度の小さい領域で加工し得たと
しても、その後の印刷、缶内容物を滅菌するレトルト処
理により脆化しやすくなり、前記(B)と同様に缶外部
からの衝撃により割れやすいフィルムに変質する恐れが
ある。
【0005】かかる問題を解決するために、本発明者等
は、共重合ポリエステルからなるフィルムを使用するこ
とを考え、種々検討を重ねてきた。その結果、共重合ポ
リエステルフィルムは、成形加工性、耐熱性、耐レトル
ト性、保香性には優れているものの、耐衝撃性、特に1
5℃以下の低温での耐衝撃性が不十分であり、このフィ
ルムを貼り合わせた金属缶を低温で落下させたりして衝
撃を与えると、フィルムにひび割れが生じやすいことが
わかってきた。低温下での耐衝撃性が悪いことは、ジュ
ース、清涼飲料水用の金属缶のように冷却した状態で取
り扱われる用途では、大きな問題となる。この低温での
耐衝撃性を改善するため、異なる組成のポリエステル組
成物を積層してなる積層ポリエステルフィルムを検討し
てきたが、内容物によっては、必ずしも十分な性能が得
られないことがわかった。
は、共重合ポリエステルからなるフィルムを使用するこ
とを考え、種々検討を重ねてきた。その結果、共重合ポ
リエステルフィルムは、成形加工性、耐熱性、耐レトル
ト性、保香性には優れているものの、耐衝撃性、特に1
5℃以下の低温での耐衝撃性が不十分であり、このフィ
ルムを貼り合わせた金属缶を低温で落下させたりして衝
撃を与えると、フィルムにひび割れが生じやすいことが
わかってきた。低温下での耐衝撃性が悪いことは、ジュ
ース、清涼飲料水用の金属缶のように冷却した状態で取
り扱われる用途では、大きな問題となる。この低温での
耐衝撃性を改善するため、異なる組成のポリエステル組
成物を積層してなる積層ポリエステルフィルムを検討し
てきたが、内容物によっては、必ずしも十分な性能が得
られないことがわかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る問題を解消し、特に低温での耐衝撃性に優れ、かつ成
形加工性、耐熱性、耐レトルト性、保香保味性等に優れ
た金属缶、例えば飲料缶、食品缶等を製造し得る金属板
貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムを提供すること
にある。
る問題を解消し、特に低温での耐衝撃性に優れ、かつ成
形加工性、耐熱性、耐レトルト性、保香保味性等に優れ
た金属缶、例えば飲料缶、食品缶等を製造し得る金属板
貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムを提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の問
題を解決すべく鋭意検討した結果、フィルムを積層フィ
ルムとし、その中の1層をエチレンテレフタレートを主
たる繰り返し単位とする共重合ポリエステルと、ブチレ
ンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエス
テルとからなるポリエステル組成物から形成せしめ、さ
らに該ポリエステルフィルムの損失弾性率の最大ピーク
温度を特定の範囲とすることで本発明の目的を達成する
に至った。
題を解決すべく鋭意検討した結果、フィルムを積層フィ
ルムとし、その中の1層をエチレンテレフタレートを主
たる繰り返し単位とする共重合ポリエステルと、ブチレ
ンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエス
テルとからなるポリエステル組成物から形成せしめ、さ
らに該ポリエステルフィルムの損失弾性率の最大ピーク
温度を特定の範囲とすることで本発明の目的を達成する
に至った。
【0008】すなわち、本発明は、融点が210〜24
5℃であるイソフタル酸共重合ポリエステル層(A)
と、融点が210〜245℃のエチレンテレフタレート
を主たる繰返し単位とする共重合ポリエステル(I)9
9〜50重量%と融点が180〜223℃のブチレンテ
レフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステル
(II)1〜50重量%とからなるポリエステル組成物層
(B)とを積層してなるポリエステルフィルムであっ
て、該ポリエステルフィルムの損失弾性率の最大ピーク
温度が50℃以上85℃以下であることを特徴とする金
属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムである。
5℃であるイソフタル酸共重合ポリエステル層(A)
と、融点が210〜245℃のエチレンテレフタレート
を主たる繰返し単位とする共重合ポリエステル(I)9
9〜50重量%と融点が180〜223℃のブチレンテ
レフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステル
(II)1〜50重量%とからなるポリエステル組成物層
(B)とを積層してなるポリエステルフィルムであっ
て、該ポリエステルフィルムの損失弾性率の最大ピーク
温度が50℃以上85℃以下であることを特徴とする金
属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムである。
【0009】本発明において、イソフタル酸共重合ポリ
エステル層(A)(以下第1層(A)と略することがあ
る)は優れた保香保味性を発現する層であって、イソフ
タル酸共重合ポリエステルで構成されており、イソフタ
ル酸成分を共重合した共重合ポリエチレンテレフタレー
ト(イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート)
がその代表例としてあげられる。このイソフタル酸共重
合ポリエチレンテレフタレートは、イソフタル酸以外の
酸成分またはアルコール成分が、その特性を損なわない
範囲、例えば全酸成分又は全アルコール成分に対して3
モル%以下の割合で、共重合されていてもよい。該共重
合酸成分としてはフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等
の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジ
カルボン酸等が例示でき、またアルコール成分としては
ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール等の如き脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタ
ノールの如き脂環族ジオール等が例示できる。これらは
単独または二種以上を使用することができる。
エステル層(A)(以下第1層(A)と略することがあ
る)は優れた保香保味性を発現する層であって、イソフ
タル酸共重合ポリエステルで構成されており、イソフタ
ル酸成分を共重合した共重合ポリエチレンテレフタレー
ト(イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート)
がその代表例としてあげられる。このイソフタル酸共重
合ポリエチレンテレフタレートは、イソフタル酸以外の
酸成分またはアルコール成分が、その特性を損なわない
範囲、例えば全酸成分又は全アルコール成分に対して3
モル%以下の割合で、共重合されていてもよい。該共重
合酸成分としてはフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等
の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジ
カルボン酸等が例示でき、またアルコール成分としては
ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール等の如き脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタ
ノールの如き脂環族ジオール等が例示できる。これらは
単独または二種以上を使用することができる。
【0010】イソフタル酸及びその他の共重合成分の割
合は、ポリマーの融点が210〜245℃、好ましくは
215〜235℃の範囲となる割合である。ポリマーの
融点が210℃未満では積層フィルムの耐熱性が劣り好
ましくなく、一方、245℃を超えると、ポリマーの結
晶性が大きくなりすぎて積層フィルムの成形加工性が損
なわれるので好ましくない。
合は、ポリマーの融点が210〜245℃、好ましくは
215〜235℃の範囲となる割合である。ポリマーの
融点が210℃未満では積層フィルムの耐熱性が劣り好
ましくなく、一方、245℃を超えると、ポリマーの結
晶性が大きくなりすぎて積層フィルムの成形加工性が損
なわれるので好ましくない。
【0011】ここで、イソフタル酸共重合ポリエステル
の融点測定は、Du Pont Instruments
910 DSCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピー
クを求める方法による。なお、サンプル量は約20mg
とする。
の融点測定は、Du Pont Instruments
910 DSCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピー
クを求める方法による。なお、サンプル量は約20mg
とする。
【0012】また、イソフタル酸共重合ポリエステルの
固有粘度は0.52〜0.80であることが好ましく、
更に好ましくは0.54〜0.70、特に好ましくは
0.57〜0.65である。
固有粘度は0.52〜0.80であることが好ましく、
更に好ましくは0.54〜0.70、特に好ましくは
0.57〜0.65である。
【0013】本発明において、ポリエステル組成物層
(B)(以下第2層(B)と略することがある)を構成
する共重合ポリエステル(I)は、エチレンテレフタレ
ートを主たる繰り返し単位とするポリエステルである。
この共重合成分は、酸成分でも、アルコール成分でも良
い。該酸成分としてはイソフタル酸、フタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸等の如き芳香族ジカルボン酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸
等の如き脂肪族ジカルボン酸等が例示でき、またアルコ
ール成分としてはブタンジオール、ヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコール等の如き脂肪族ジオール、シク
ロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール等が例示
できる。これらは単独または2種以上を使用することが
できる。これらの中、イソフタル酸が好ましい。
(B)(以下第2層(B)と略することがある)を構成
する共重合ポリエステル(I)は、エチレンテレフタレ
ートを主たる繰り返し単位とするポリエステルである。
この共重合成分は、酸成分でも、アルコール成分でも良
い。該酸成分としてはイソフタル酸、フタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸等の如き芳香族ジカルボン酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸
等の如き脂肪族ジカルボン酸等が例示でき、またアルコ
ール成分としてはブタンジオール、ヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコール等の如き脂肪族ジオール、シク
ロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール等が例示
できる。これらは単独または2種以上を使用することが
できる。これらの中、イソフタル酸が好ましい。
【0014】共重合成分の割合は、ポリマーの融点が2
10〜245℃、好ましくは215〜235℃の範囲と
なる割合である。ポリマーの融点が210℃未満では積
層フィルムの耐熱性が劣り好ましくなく、一方、ポリマ
ーの融点が245℃を超えると、ポリマーの結晶性が大
きすぎてフィルムの成形加工性が損なわれるため好まし
くない。
10〜245℃、好ましくは215〜235℃の範囲と
なる割合である。ポリマーの融点が210℃未満では積
層フィルムの耐熱性が劣り好ましくなく、一方、ポリマ
ーの融点が245℃を超えると、ポリマーの結晶性が大
きすぎてフィルムの成形加工性が損なわれるため好まし
くない。
【0015】ここで、共重合ポリエステル(I)の融点
測定法は、前述のイソフタル酸共重合ポリエステルの融
点測定と同じ方法により行う。また、共重合ポリエステ
ル(I)の固有粘度は0.52〜0.80であることが
好ましく、更に好ましくは0.54〜0.70、特に好
ましくは0.57〜0.65である。
測定法は、前述のイソフタル酸共重合ポリエステルの融
点測定と同じ方法により行う。また、共重合ポリエステ
ル(I)の固有粘度は0.52〜0.80であることが
好ましく、更に好ましくは0.54〜0.70、特に好
ましくは0.57〜0.65である。
【0016】また、第2層(B)を構成するポリエステ
ル(II)は、ブチレンテレフタレートを主たる繰り返し
単位とするポリエステルである。ブチレンテレフタレー
トを主たる繰り返し単位とするポリエステルとしては、
ポリブチレンテレフタレートホモポリマーであってもよ
いし、酸成分及び/又はアルコール成分を共重合したも
のであっても良い。共重合可能な酸成分としては、H00C
-(CH2)n-COOH(但し、n=4〜8)で表わされる脂肪族
ジカルボン酸、デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジカ
ルボン酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸等の如き芳香族ジカルボン酸等が例示でき、一
方、共重合可能なアルコール成分としては、エチレング
リコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール
等の如き脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール
の如き脂環族ジオール等が例示できる。これらは単独ま
たは2種以上を使用することができる。これらの中、H0
0C-(CH2)n-COOH(但し、n=4)で表わされる脂肪族ジ
カルボン酸、すなわちアジピン酸が好ましい。
ル(II)は、ブチレンテレフタレートを主たる繰り返し
単位とするポリエステルである。ブチレンテレフタレー
トを主たる繰り返し単位とするポリエステルとしては、
ポリブチレンテレフタレートホモポリマーであってもよ
いし、酸成分及び/又はアルコール成分を共重合したも
のであっても良い。共重合可能な酸成分としては、H00C
-(CH2)n-COOH(但し、n=4〜8)で表わされる脂肪族
ジカルボン酸、デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジカ
ルボン酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸等の如き芳香族ジカルボン酸等が例示でき、一
方、共重合可能なアルコール成分としては、エチレング
リコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール
等の如き脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール
の如き脂環族ジオール等が例示できる。これらは単独ま
たは2種以上を使用することができる。これらの中、H0
0C-(CH2)n-COOH(但し、n=4)で表わされる脂肪族ジ
カルボン酸、すなわちアジピン酸が好ましい。
【0017】共重合成分の割合は、ポリマーの融点が1
80〜223℃、好ましくは200〜223℃、更に好
ましくは210〜223℃の範囲となる割合である。ポ
リマーの融点が180℃未満では積層フィルムの耐熱性
が劣り好ましくない。なお、ポリブチレンテレフタレー
トホモポリマーの融点は223℃である。
80〜223℃、好ましくは200〜223℃、更に好
ましくは210〜223℃の範囲となる割合である。ポ
リマーの融点が180℃未満では積層フィルムの耐熱性
が劣り好ましくない。なお、ポリブチレンテレフタレー
トホモポリマーの融点は223℃である。
【0018】積層フィルムの耐衝撃性の点から特に好ま
しい態様としては、酸成分としてアジピン酸を5〜40
モル%共重合したものが挙げられる。
しい態様としては、酸成分としてアジピン酸を5〜40
モル%共重合したものが挙げられる。
【0019】なお、このポリエステルの融点測定も、前
述のイソフタル酸共重合ポリエステルの融点測定と同じ
方法により行う。
述のイソフタル酸共重合ポリエステルの融点測定と同じ
方法により行う。
【0020】また、ポリエステル(II)の固有粘度は
0.70〜2.00であることが好ましく、更に好まし
くは0.80〜1.70、特に好ましくは0.85〜
1.50である。
0.70〜2.00であることが好ましく、更に好まし
くは0.80〜1.70、特に好ましくは0.85〜
1.50である。
【0021】本発明の金属板貼合せ成形加工用ポリエス
テルフィルムにおいて、第2層(B)は、融点が210
〜245℃のエチレンテレフタレートを主たる繰り返し
単位とする共重合ポリエステル(I)99〜50重量%
と融点が180〜223℃のブチレンテレフタレートを
主たる繰り返し単位とするポリエステル(II)1〜50
重量%から形成されていることが必要である。
テルフィルムにおいて、第2層(B)は、融点が210
〜245℃のエチレンテレフタレートを主たる繰り返し
単位とする共重合ポリエステル(I)99〜50重量%
と融点が180〜223℃のブチレンテレフタレートを
主たる繰り返し単位とするポリエステル(II)1〜50
重量%から形成されていることが必要である。
【0022】ブチレンテレフタレートを主たる繰り返し
単位とするポリエステル(II)が1重量%未満で、エチ
レンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする共重合
ポリエステル(I)が99重量%を超えると、積層フィ
ルムの低温下での耐衝撃性を改善することができないた
め好ましくない。また、ブチレンテレフタレートを主た
る繰り返し単位とするポリエステル(II)が50重量%
を超え、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位
とする共重合ポリエステル(I)が50重量%未満の場
合は、積層フィルムの耐熱性が低下し、耐衝撃性も不充
分となるため好ましくない。
単位とするポリエステル(II)が1重量%未満で、エチ
レンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする共重合
ポリエステル(I)が99重量%を超えると、積層フィ
ルムの低温下での耐衝撃性を改善することができないた
め好ましくない。また、ブチレンテレフタレートを主た
る繰り返し単位とするポリエステル(II)が50重量%
を超え、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位
とする共重合ポリエステル(I)が50重量%未満の場
合は、積層フィルムの耐熱性が低下し、耐衝撃性も不充
分となるため好ましくない。
【0023】本発明において、第1層(A)に用いられ
るイソフタル酸共重合ポリエステル、第2層(B)の共
重合ポリエステル(I)に用いられるエチレンテレフタ
レートを主たる繰り返し単位とする共重合ポリエステ
ル、及び第2層(B)のポリエステル(II)に用いられ
るブチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする
ポリエステルは、その製造方法によって限定されること
はない。例えば、テレフタル酸、エチレングリコール及
び共重合成分をエステル化反応させ、次いで得られる反
応生成物を重縮合反応させて共重合ポリエステルとする
方法、あるいはジメチルテレフタレート、エチレングリ
コール及び共重合成分をエステル交換反応させ、次いで
得られる反応生成物を重縮合反応させて共重合ポリエス
テルとする方法が好ましく用いられる。
るイソフタル酸共重合ポリエステル、第2層(B)の共
重合ポリエステル(I)に用いられるエチレンテレフタ
レートを主たる繰り返し単位とする共重合ポリエステ
ル、及び第2層(B)のポリエステル(II)に用いられ
るブチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする
ポリエステルは、その製造方法によって限定されること
はない。例えば、テレフタル酸、エチレングリコール及
び共重合成分をエステル化反応させ、次いで得られる反
応生成物を重縮合反応させて共重合ポリエステルとする
方法、あるいはジメチルテレフタレート、エチレングリ
コール及び共重合成分をエステル交換反応させ、次いで
得られる反応生成物を重縮合反応させて共重合ポリエス
テルとする方法が好ましく用いられる。
【0024】ポリエステルの製造においては、必要に応
じ他の添加剤例えば蛍光増白剤、酸化防止剤、帯電防止
剤等も添加することができる。
じ他の添加剤例えば蛍光増白剤、酸化防止剤、帯電防止
剤等も添加することができる。
【0025】本発明において、第2層(B)を形成する
ポリエステル組成物の融点により該ポリエステル組成物
のエステル反応率を表わすことができる。すなわち、ポ
リエステル組成物の融点が低いとエステル交換反応が進
んでおり、逆に融点が高いとエステル交換反応が進んで
いないと言うことができる。かかるポリエステル組成物
の融点は220〜240℃であることが好ましい。
ポリエステル組成物の融点により該ポリエステル組成物
のエステル反応率を表わすことができる。すなわち、ポ
リエステル組成物の融点が低いとエステル交換反応が進
んでおり、逆に融点が高いとエステル交換反応が進んで
いないと言うことができる。かかるポリエステル組成物
の融点は220〜240℃であることが好ましい。
【0026】なお、このポリエステル組成物の融点測定
も、前述のイソフタル酸共重合ポリエステルの融点測定
と同じ方法にて行う。
も、前述のイソフタル酸共重合ポリエステルの融点測定
と同じ方法にて行う。
【0027】本発明の金属板貼合せ成形加工用ポリエス
テルフィルムにおいて耐低温衝撃性を発現させるために
は、該ポリエステルフィルムの損失弾性率の最大ピーク
温度を50℃以上85℃以下とすることが必要である。
損失弾性率の最大ピーク温度が85℃を超えると、十分
な耐低温衝撃性が得られない。一方50℃未満である
と、耐熱性が劣ることがあり、逆に耐衝撃性を損なうこ
とがある。
テルフィルムにおいて耐低温衝撃性を発現させるために
は、該ポリエステルフィルムの損失弾性率の最大ピーク
温度を50℃以上85℃以下とすることが必要である。
損失弾性率の最大ピーク温度が85℃を超えると、十分
な耐低温衝撃性が得られない。一方50℃未満である
と、耐熱性が劣ることがあり、逆に耐衝撃性を損なうこ
とがある。
【0028】ここで、損失弾性率の最大ピーク温度は、
動的粘弾性測定装置を用いて測定周波数10Hz、動的
変位±25×10-4cmにてもとめた。
動的粘弾性測定装置を用いて測定周波数10Hz、動的
変位±25×10-4cmにてもとめた。
【0029】損失弾性率の最大ピーク温度は、第2層
(B)を形成する共重合ポリエステル(I)とポリエス
テル(II)の種類及び配合比、さらに二軸配向フィルム
とする場合の延伸倍率および延伸温度の組み合わせで調
節することができる。
(B)を形成する共重合ポリエステル(I)とポリエス
テル(II)の種類及び配合比、さらに二軸配向フィルム
とする場合の延伸倍率および延伸温度の組み合わせで調
節することができる。
【0030】本発明の積層ポリエステルフィルムは、イ
ソフタル酸共重合から形成される第1層(A)とポリエ
ステル組成物から形成される第2層(B)とを積層した
構造を有するものであり、かかる積層構造のフィルム
は、例えば、それぞれの層を構成するイソフタル酸共重
合ポリエステルとポリエステル組成物を別々に溶融し
て、共押し出し、固化前に積層融着させた後、二軸延
伸、熱固定する方法、イソフタル酸共重合ポリエステル
とポリエステル組成物を別々に溶融、押し出してフィル
ム化し、未延伸状態または延伸後、両者を積層させる方
法等により製造することができる。
ソフタル酸共重合から形成される第1層(A)とポリエ
ステル組成物から形成される第2層(B)とを積層した
構造を有するものであり、かかる積層構造のフィルム
は、例えば、それぞれの層を構成するイソフタル酸共重
合ポリエステルとポリエステル組成物を別々に溶融し
て、共押し出し、固化前に積層融着させた後、二軸延
伸、熱固定する方法、イソフタル酸共重合ポリエステル
とポリエステル組成物を別々に溶融、押し出してフィル
ム化し、未延伸状態または延伸後、両者を積層させる方
法等により製造することができる。
【0031】本発明の金属板貼合せ成形加工用ポリエス
テルフィルムは、未延伸フィルムであってもよいが、二
軸延伸された後熱固定された二軸配向フィルムの形態で
あるのが好ましい。この場合、イソフタル酸共重合ポリ
エステルから形成される第1層(A)の厚さ方向の屈折
率は、1.490〜1.550であることが好ましく、
更に好ましくは1.505を超え1.540以下であ
る。この屈折率が低すぎると成形加工性が不十分とな
り、一方、高すぎると非晶に近い構造となるため耐熱性
が低下することがある。
テルフィルムは、未延伸フィルムであってもよいが、二
軸延伸された後熱固定された二軸配向フィルムの形態で
あるのが好ましい。この場合、イソフタル酸共重合ポリ
エステルから形成される第1層(A)の厚さ方向の屈折
率は、1.490〜1.550であることが好ましく、
更に好ましくは1.505を超え1.540以下であ
る。この屈折率が低すぎると成形加工性が不十分とな
り、一方、高すぎると非晶に近い構造となるため耐熱性
が低下することがある。
【0032】本発明の金属板貼合せ成形加工用ポリエス
テルフィルムは、好ましくは厚みが6〜75μmであ
る。更に好ましくは10〜75μm、特に好ましくは1
5〜50μmである。厚みが6μm未満では加工時に破
れ等が生じやすくなり、一方、75μmを超えるものは
過剰品質であって不経済である。
テルフィルムは、好ましくは厚みが6〜75μmであ
る。更に好ましくは10〜75μm、特に好ましくは1
5〜50μmである。厚みが6μm未満では加工時に破
れ等が生じやすくなり、一方、75μmを超えるものは
過剰品質であって不経済である。
【0033】第1層(A)の厚みTAと、第2層(B)
の厚みTBとの比(TA/TB)は、0.02〜1.5が
好ましく、更に好ましくは0.04〜0.67、特に好
ましくは0.04〜0.25である。具体的には、例え
ば厚みが20μmのポリエステルフィルムの場合、第1
層(A)の厚みを0.5〜15μm、好ましくは1〜1
0μm、更に好ましくは1〜4μmとするのが好まし
い。
の厚みTBとの比(TA/TB)は、0.02〜1.5が
好ましく、更に好ましくは0.04〜0.67、特に好
ましくは0.04〜0.25である。具体的には、例え
ば厚みが20μmのポリエステルフィルムの場合、第1
層(A)の厚みを0.5〜15μm、好ましくは1〜1
0μm、更に好ましくは1〜4μmとするのが好まし
い。
【0034】本発明の金属板貼合せ成形加工用ポリエス
テルフィルムは、イオン交換水で121℃、2時間抽出
処理したときの抽出量が0.5mg/inch2以下で
あることが好ましい。
テルフィルムは、イオン交換水で121℃、2時間抽出
処理したときの抽出量が0.5mg/inch2以下で
あることが好ましい。
【0035】本発明の金属板貼合せ成形加工用ポリエス
テルフィルムが貼合せられる金属板、特に製缶用金属板
としては、ブリキ、ティンフリースチール、アルミニウ
ム等の板が適切である。金属板へのフィルムの貼り合わ
せは、例えば下記(ア)、(イ)の方法で行うことがで
きる。 (ア)金属板をフィルムの融点以上に加熱しておいてフ
ィルムを貼り合わせた後冷却し、金属板に接するフィル
ムの表層部(薄層部)を非晶化して密着させる。 (イ)フィルムにあらかじめ接着剤をプライマーコート
しておき、この面と金属板を貼り合わせる。かかる接着
剤としては公知の樹脂接着剤、例えばエポキシ系接着
剤、エポキシ−エステル系接着剤、アルキッド系接着剤
等を用いることができる。
テルフィルムが貼合せられる金属板、特に製缶用金属板
としては、ブリキ、ティンフリースチール、アルミニウ
ム等の板が適切である。金属板へのフィルムの貼り合わ
せは、例えば下記(ア)、(イ)の方法で行うことがで
きる。 (ア)金属板をフィルムの融点以上に加熱しておいてフ
ィルムを貼り合わせた後冷却し、金属板に接するフィル
ムの表層部(薄層部)を非晶化して密着させる。 (イ)フィルムにあらかじめ接着剤をプライマーコート
しておき、この面と金属板を貼り合わせる。かかる接着
剤としては公知の樹脂接着剤、例えばエポキシ系接着
剤、エポキシ−エステル系接着剤、アルキッド系接着剤
等を用いることができる。
【0036】なお、本発明のポリエステルフィルムを金
属板へ貼り合わせる際には、第2層(B)の側を金属板
に貼り合わせるようにする。更に、本発明のポリエステ
ルフィルムにおいては、必要に応じて、第1層(A)と
第2層(B)との間又は片側に、他の追加の層を積層さ
せてもよい。
属板へ貼り合わせる際には、第2層(B)の側を金属板
に貼り合わせるようにする。更に、本発明のポリエステ
ルフィルムにおいては、必要に応じて、第1層(A)と
第2層(B)との間又は片側に、他の追加の層を積層さ
せてもよい。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する。
【0038】[実施例1〜8、比較例1〜7]表1に示
す成分を共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート
(固有粘度0.64)が第1層(A)、同じく表1に示
すポリエステル組成物が第2層(B)となるように、そ
れぞれ別々に常法により乾燥し、280℃で溶融した
後、互いに隣接したダイから共押出して、積層、融着さ
せて急冷固化し、未延伸積層フィルムを作成した。
す成分を共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート
(固有粘度0.64)が第1層(A)、同じく表1に示
すポリエステル組成物が第2層(B)となるように、そ
れぞれ別々に常法により乾燥し、280℃で溶融した
後、互いに隣接したダイから共押出して、積層、融着さ
せて急冷固化し、未延伸積層フィルムを作成した。
【0039】次いで、この未延伸フィルムを110℃で
3.2倍に縦延伸した後、120℃で3.3倍に横延伸
し、180℃で熱固定して二軸配向積層フィルムを得
た。得られたフィルムの厚みは20μmであり、第1層
(A)及び第2層(B)の厚みは、それぞれ4μm及び
16μmであった。また、選られたフィルムの縦延伸方
向に、周波数10Hz、動的変位±25×10-4cm
で、20℃から200℃の範囲で動的粘弾性測定を行っ
たときの損失弾性率の最大ピーク温度を表2に示す。
3.2倍に縦延伸した後、120℃で3.3倍に横延伸
し、180℃で熱固定して二軸配向積層フィルムを得
た。得られたフィルムの厚みは20μmであり、第1層
(A)及び第2層(B)の厚みは、それぞれ4μm及び
16μmであった。また、選られたフィルムの縦延伸方
向に、周波数10Hz、動的変位±25×10-4cm
で、20℃から200℃の範囲で動的粘弾性測定を行っ
たときの損失弾性率の最大ピーク温度を表2に示す。
【0040】
【表1】
【0041】上記実施例1〜8、比較例1〜7で得られ
た計15種のフィルムを、230℃に加熱した板厚0.
25mmのティンフリースチールの両面に、ポリエステ
ル組成物層(B)の表面がティンフリースチールに接す
るように貼り合せ、水冷した後、150mm径の円板状
に切り取り、絞りダイスとポンチを用いて4段階で深絞
り加工し、55mm径の側面無継目容器(以下、缶と略
することがある)を作成した。この缶について以下の観
察及び試験を行い評価した。
た計15種のフィルムを、230℃に加熱した板厚0.
25mmのティンフリースチールの両面に、ポリエステ
ル組成物層(B)の表面がティンフリースチールに接す
るように貼り合せ、水冷した後、150mm径の円板状
に切り取り、絞りダイスとポンチを用いて4段階で深絞
り加工し、55mm径の側面無継目容器(以下、缶と略
することがある)を作成した。この缶について以下の観
察及び試験を行い評価した。
【0042】(1)深絞り加工性 缶に貼合わされたフィルムを目視観察し、下記の基準で
評価した。 ○:フィルムに異状なく加工され、フィルムに白化や破
断が認められない。 △:フィルムの缶上部に白化が認められる。 ×:フィルムの一部にフィルム破断が認められる。
評価した。 ○:フィルムに異状なく加工され、フィルムに白化や破
断が認められない。 △:フィルムの缶上部に白化が認められる。 ×:フィルムの一部にフィルム破断が認められる。
【0043】(2)耐衝撃性 深絞り成形が良好な缶について、水を満注し、5℃に冷
却した後、各テストにつき10個ずつを高さ50cmか
ら塩ビタイル床面に落とした後、缶内フィルム面の防錆
性試験(1%NaCl水を缶内にいれ、電極を挿入し、
缶体を陽極にして6Vの電圧をかけた時の電流値を測定
する。以下ERV試験と略することがある)を行い、下
記の基準で評価した。 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えているかあるい
は、落下後既にフィルムのひび割れが認められた。
却した後、各テストにつき10個ずつを高さ50cmか
ら塩ビタイル床面に落とした後、缶内フィルム面の防錆
性試験(1%NaCl水を缶内にいれ、電極を挿入し、
缶体を陽極にして6Vの電圧をかけた時の電流値を測定
する。以下ERV試験と略することがある)を行い、下
記の基準で評価した。 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えているかあるい
は、落下後既にフィルムのひび割れが認められた。
【0044】(3)耐熱脆化性 深絞り成形が良好であった缶を200℃、5分間加熱保
持した後、(2)に記した耐衝撃性試験を行い、下記の
基準で評価した。 ○:全10個について0.1mA以下であった。 △:1〜5個について0.1mAを超えていた。 ×:6個以上について0.1mAを超えているかあるい
は、200℃、5分間加熱後、既にフィルムのひび割れ
が認められた。
持した後、(2)に記した耐衝撃性試験を行い、下記の
基準で評価した。 ○:全10個について0.1mA以下であった。 △:1〜5個について0.1mAを超えていた。 ×:6個以上について0.1mAを超えているかあるい
は、200℃、5分間加熱後、既にフィルムのひび割れ
が認められた。
【0045】(4)耐レトルト性 深絞り良好な缶について、水を満注し、蒸気滅菌器で、
120℃で1時間レトルト処理を行い、しかる後、50
℃で30日間保存した。得られた缶を各テストにつき1
0個ずつ高さ1mから塩ビタイル床面に落とした後、缶
内のERV試験を行った。 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えているかあるい
は、落下後既にフィルムのひび割れが認められた。
120℃で1時間レトルト処理を行い、しかる後、50
℃で30日間保存した。得られた缶を各テストにつき1
0個ずつ高さ1mから塩ビタイル床面に落とした後、缶
内のERV試験を行った。 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えているかあるい
は、落下後既にフィルムのひび割れが認められた。
【0046】(5)保香性 深絞り成形が良好な缶について、サイダーを充填し密封
した。37℃で30日間保持した後、開缶し、香りの変
化を官能検査により調べ、下記の基準で評価した。 ○:香りの変化はなかった。 △:わずかに香りの変化が認められた。 ×:香りの変化が認められた。
した。37℃で30日間保持した後、開缶し、香りの変
化を官能検査により調べ、下記の基準で評価した。 ○:香りの変化はなかった。 △:わずかに香りの変化が認められた。 ×:香りの変化が認められた。
【0047】(6)保味性 (5)に記した保香性と同様にして、味の変化を官能試
験により調べ、下記の基準で評価した。 ○:味の変化はなかった。 △:わずかに味の変化が認められた。 ×:味の変化が認められた。 評価結果を表2に示す。
験により調べ、下記の基準で評価した。 ○:味の変化はなかった。 △:わずかに味の変化が認められた。 ×:味の変化が認められた。 評価結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】表2の結果から明らかなように、本発明の
ポリエステルフィルムを使用した缶では、深絞り加工
性、耐熱脆化性、耐レトルト性、保香性に優れていると
ともに、耐衝撃性、特に低温下での耐衝撃性に優れてお
り、しかも清涼飲料水などの味を悪化させることがな
い。
ポリエステルフィルムを使用した缶では、深絞り加工
性、耐熱脆化性、耐レトルト性、保香性に優れていると
ともに、耐衝撃性、特に低温下での耐衝撃性に優れてお
り、しかも清涼飲料水などの味を悪化させることがな
い。
【0050】
【発明の効果】本発明の金属板貼り合わせ成形加工用ポ
リエステルフィルムは、優れた成形加工性、耐熱性、耐
レトルト性、保香性を有するとともに、耐衝撃性、特に
低温下での耐衝撃性に優れており、しかも清涼飲料水な
どの味を悪化させることがない。従って、冷却して低温
下で取り扱われることの多い清涼飲料水用などの金属缶
に貼り合せて用いるのに、特に好適である。
リエステルフィルムは、優れた成形加工性、耐熱性、耐
レトルト性、保香性を有するとともに、耐衝撃性、特に
低温下での耐衝撃性に優れており、しかも清涼飲料水な
どの味を悪化させることがない。従って、冷却して低温
下で取り扱われることの多い清涼飲料水用などの金属缶
に貼り合せて用いるのに、特に好適である。
Claims (3)
- 【請求項1】 融点が210〜245℃であるイソフタ
ル酸共重合ポリエステル層(A)と、融点が210〜2
45℃のエチレンテレフタレートを主たる繰返し単位と
する共重合ポリエステル(I)99〜50重量%と融点
が180〜223℃のブチレンテレフタレートを主たる
繰返し単位とするポリエステル(II)1〜50重量%と
からなるポリエステル組成物層(B)とを積層してなる
ポリエステルフィルムであって、該ポリエステルフィル
ムの損失弾性率の最大ピーク温度が50℃以上85℃以
下であることを特徴とする金属板貼合せ成形加工用ポリ
エステルフィルム。 - 【請求項2】 ポリエステル(II)が、アジピン酸を5
〜40モル%共重合したポリブチレンテレフタレートで
ある請求項1記載の金属板貼合せ成形加工用ポリエステ
ルフィルム。 - 【請求項3】 フィルムをイオン交換水で121℃、2
時間抽出処理したときの抽出量が0.5mg/inch
2以下である請求項1又は2記載の金属板貼合せ成形加
工用ポリエステルフィルム。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15093697A JPH10338753A (ja) | 1997-06-09 | 1997-06-09 | 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム |
US09/142,852 US6071599A (en) | 1996-09-18 | 1997-09-17 | Polyester film for metal lamination and the use thereof |
KR10-1998-0703732A KR100402998B1 (ko) | 1996-09-18 | 1997-09-17 | 금속라미네이션용폴리에스테르필름및이것의용도 |
TW86113468A TW504455B (en) | 1996-09-18 | 1997-09-17 | Polyester film for metal lamination and the use thereof |
EP19970940404 EP0897794B1 (en) | 1996-09-18 | 1997-09-17 | Polyester film for metal lamination and the use thereof |
PCT/JP1997/003285 WO1998012049A1 (fr) | 1996-09-18 | 1997-09-17 | Film polyester pour doublure de metal et utilisation correspondante |
DE1997624604 DE69724604T2 (de) | 1996-09-18 | 1997-09-17 | Polyesterfilm für metallaminierung und dessen verwendung |
ID980013D ID20755A (id) | 1996-09-18 | 1997-09-17 | Film poliester untuk dilapiskan pada lempeng logam dan dicetak |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15093697A JPH10338753A (ja) | 1997-06-09 | 1997-06-09 | 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10338753A true JPH10338753A (ja) | 1998-12-22 |
Family
ID=15507660
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15093697A Pending JPH10338753A (ja) | 1996-09-18 | 1997-06-09 | 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10338753A (ja) |
-
1997
- 1997-06-09 JP JP15093697A patent/JPH10338753A/ja active Pending
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