JPH10338638A - 損傷皮膚修復用製剤 - Google Patents

損傷皮膚修復用製剤

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JPH10338638A
JPH10338638A JP16202597A JP16202597A JPH10338638A JP H10338638 A JPH10338638 A JP H10338638A JP 16202597 A JP16202597 A JP 16202597A JP 16202597 A JP16202597 A JP 16202597A JP H10338638 A JPH10338638 A JP H10338638A
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満 能登
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享 小黒
Isao Hanazome
功 花染
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 火傷、褥瘡、皮膚潰瘍あるいは創傷等の開放
創に基づく損傷皮膚の修復に適用される、製剤的に安定
でかつその伸展性の良好な損傷皮膚修復用製剤の提供。 【解決手段】 糖50〜90重量%、ポピドンヨード
0.5〜10重量%、水1〜20重量%を含有し、更
に、尿素、カルボキシビニルポリマー並びにヒアルロン
酸またはその塩の群から選択される安定化剤の少なくと
も1種以上を0.01〜1重量%配合してなる損傷皮膚
修復用製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火傷、褥瘡、皮膚
潰瘍あるいは創傷等の開放創に基づく損傷皮膚の修復に
適用される外用製剤に関り、詳細には糖とポピドンヨー
ドを有効成分として配合してなる、製剤的に安定でかつ
その伸展性の良好な損傷皮膚修復用製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】蜂蜜、糖蜜等の糖類には静菌作用及び肉
芽形成作用があることが知られていることより、その作
用を利用して、従来から民間療法として火傷、創傷等の
開放創の治療にこれら糖類が使用されてきている。また
一方、ポピドンヨード(ポリビニルピロリドン−ヨード
錯体)は殺菌剤として、世界各国で広く使用されている
薬剤でもあり、この糖とポピドンヨードの両者の作用を
併用した製剤が損傷皮膚治療剤として提案されてきてい
る。
【0003】例えば、特開昭55−141409(特公
平6−17299)号公報には、糖及びポピドンヨード
からなる製剤として、糖(サッカロース)20重量部、
ポピドンヨード製剤であるペタジン軟膏5重量部及びペ
タジン溶液2重量部からなる組成物が提案されている。
また、特公平1−32210号公報には、糖50〜90
重量%、ポピドンヨード0.5〜10重量%、水1〜2
0重量%及び製剤のpHを3.5〜6に調整する緩衝剤
を含有する組成物が開示されている。その他、上記の考
え方に立脚する各種の製剤も数多く提案されてきてい
る。
【0004】このなかでも特公平1−32210号が提
案する組成物は、ユーパスタコーワ(興和(株))ある
いはソアナースパスタ(テイカ製薬(株))の製品名に
より、実際の褥瘡・皮膚潰瘍治療剤として製造、販売さ
れ、臨床上使用されてきているものである。しかしなが
ら、この従来の製剤にあっては、安定化剤として乳酸、
リン酸等の酸を緩衝剤として用いているものであり、有
効成分であるポピドンヨードの安定性はある程度確保さ
れてはいるものの、いまだ長期保存安定性には問題があ
り、また、製剤自体が硬いため、使用時には製剤を良く
かき混ぜてからガーゼ等に伸展塗布しなければならない
などといった操作上に不便さがあることが指摘されてい
る。したがって、製剤的により安定であり、かつ、製剤
自体が伸展性に優れ、その使用になんらの問題のない製
剤の開発が期待されているところでもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる上述
の問題点を解決し、従来の製剤に比較して製剤の長期保
存安定性に優れており、製剤自体の伸展性も良好な、糖
及びポピドンヨードの両者を併用した外用剤である損傷
皮膚治療剤を提案することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決するために鋭意検討した結果、有効成分である
糖及びポピドンヨードに加えて、尿素、カルボキシビニ
ルポリマー、ヒアルロン酸またはその塩の群から選択さ
れる1種以上の成分を安定化剤として配合した製剤が、
極めて保存安定性に優れるものであること、更にその製
剤は柔軟性に富んでおり、ガーゼ等への伸展性も良好な
ものであることを新規に見いだし、本発明を完成させた
のである。
【0007】したがって本発明は、その具体的な態様に
おいて、糖50〜90重量%、ポピドンヨード0.5〜
10重量%、水1〜20重量%を含有し、更に、尿素、
カルボキシビニルポリマー並びにヒアルロン酸またはそ
の塩の群から選択される安定化剤の少なくとも1種以上
を0.01〜1重量%配合してなる損傷皮膚修復用製剤
を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明が提供する損傷皮膚修復用
製剤は、静菌作用並びに肉芽形成作用を有する糖に殺菌
作用を有するポピドンヨードを併用した外用製剤である
が、その製剤における有効成分である糖としては、白糖
あるいは精製白糖を用いるのが好ましく、特に日本薬局
方に掲載される白糖あるいは精製白糖を用いるのがよ
い。その配合量は、製剤の全組成に対して50〜90重
量%、好ましくは60〜80重量%とするのが良い。ま
た、ポピドンヨードにあっては、本発明の製剤が臨床上
適用される場合において十分なる殺菌効果が発揮され得
る量で配合されれば良く、具体的には0.5〜10重量
%、好ましくは1〜7重量%とするのが良い。また水は
1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%程度配合す
るのが良い。
【0009】本発明の製剤においては、上記の配合成分
に加えて、安定化剤として尿素、カルボキシビニルポリ
マー、ヒアルロン酸またはその塩の群から選択される1
種以上の成分を更に配合したものである。これらの安定
化剤である尿素、カルボキシビニルポリマー並びにヒア
ルロン酸またはその塩にあっては、それぞれ単独で配合
してもよく、あるいは組み合わせ配合しても良いもので
ある。
【0010】これらの成分は、直接的には有効成分であ
る糖並びにポピドンヨードの組み合わせに対する安定化
剤として作用するものであり、さらには製剤に対する賦
形剤としての効果をも合わせもつものである。これらの
化合物がかかる組合せ成分に対して安定性を付与するこ
とはなんら知られていなかったものであり、本発明者ら
の鋭意検討の結果新規に見いだされたまったく特異的な
作用である。この場合の安定化剤の配合量としては、尿
素を用いる場合には、0.01〜1重量%、好ましくは
0.02〜0.5重量%であり、カルボキシビニルポリ
マーにあっては0.01〜1重量%、好ましくは0.0
2〜0.3重量%であり、更にヒアルロン酸またはその
塩にあっては0.01〜1重量%、好ましくは0.02
〜0.3重量%配合することにより製剤の安定性並びに
伸展性が確保されることが判明した。
【0011】したがって、本発明はより具体的な態様と
して、例えば、 糖50〜90重量%、ポピドンヨード0.5〜10重
量%、水1〜20重量%及び尿素0.01〜1重量%を
配合してなる損傷皮膚修復用製剤、 糖50〜90重量%、ポピドンヨード0.5〜10重
量%、水1〜20重量%及びカルボキシビニルポリマー
0.01〜1重量%を配合してなる損傷皮膚修復用製
剤、 糖50〜90重量%、ポピドンヨード0.5〜10重
量%、水1〜20重量%及びヒアルロン酸またはその塩
0.01〜1重量%を配合してなる損傷皮膚修復用製
剤、をそれぞれ提供するものでもある。本発明の製剤に
おける安定化剤は、それぞれ単独で配合すること以外に
2種以上を組み合わせて配合させることもでき、その場
合のそれぞれの配合量は上記した範囲の中で適宜選択す
ることができる。
【0012】なお、ここにヒアルロン酸の塩としては、
慣用の無毒性の塩であって、ヒアルロン酸と無機塩基と
の塩、例えばアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、
カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例えば、カル
シウム塩、マグネシウム塩など)を挙げることができ
る。
【0013】本発明が提供する損傷皮膚修復用製剤にあ
っては、上記の配合成分のほかに、必要に応じて、製剤
学上慣用されている賦形剤、保形剤、可溶化剤等を配合
させることができる。そのような賦形剤としては、例え
ばポリエチレングリコール400、1500、154
0、4000、6000、ポリオキシエチレンポオキシ
プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プ
ロピレングリコール等のグリコール類;グリセリン、ポ
リグリセリン等のグリセリン類;ポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油、ポリソルベート、ポリオキシエチレンモノ
ステアレート等の非イオン性界面活性剤等を挙げること
ができる。
【0014】また、保形剤としては、プルラン、デキス
トリン、アラビアゴム、コンドロイチン硫酸、メチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられ
る。更に可溶化剤としては、ポピドンヨードを製剤中に
均一に可溶化させるものであり、例えば、ヨウ化カリウ
ム、ヨウ化ナトリウム、グリセリン等を用いることがで
きる。なお、本発明の製剤にあっては、その治療目的が
損傷皮膚の修復、特に褥瘡・皮膚潰瘍に対して適用され
る外用剤であることを鑑みると、その製剤自体のpHは
皮膚のpHに対応する3.5〜7程度の範囲内にあるこ
とが望ましい。従来の市販製品は、製剤のpH調製を緩
衝剤を用いて行っているものであるが、驚くべきことに
本発明の製剤にあってはなんらこのようなpH調製剤を
必要としないで所望のpH範囲になることが確認され
た。
【0015】本発明の損傷皮膚修復用製剤の製造は特に
制限されず、製剤学的に慣用されている製剤技術を用い
て行うことができる。その一例として、例えば、安定化
剤を水に溶解させた後、更にポピドンヨード及びその可
溶化剤を加え、均一に溶解させる。この溶液に糖及び別
途調製した賦形剤を加えて混和し、必要により保形剤を
添加した後均一に混和し、本発明の製剤とすることがで
きる。なお、本発明の製剤の調製法は上記に限定される
ものではなく、種々変形して調製し得ることはいうまで
もない。かくして製造される本発明の製剤は、従来の製
剤に比較して製剤自体の長期保存安定性に優れており、
その伸展性も良好なものであり、したがって臨床的に優
れた損傷皮膚修復治療剤となり得るものである。
【0016】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例ならびにそ
の両者の保存安定性試験を記載することにより詳細に説
明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定
されるものではない。なお、以下の説明において「%」
としては、『重量%』を意味する。また、製剤のpH
は、5%水溶液で測定した。
【0017】実施例1:水8.2%にカルボキシビニル
ポリマー0.1%及びプルラン0.5%を加えて溶解さ
せ、この溶液に更に1N水酸化ナトリウム水溶液1.3
%、ヨウ化カリウム0.9%、ポピドンヨード3%、尿
素0.05%及び精製白糖70%を加えて混和する。一
方、別にポリエチレングリコール1540を8%、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを0.
7%、ポリエチレングリコール400を5.3%及びグ
リセリンの2%を温めて溶解させ、先に調製したものに
徐々に加えながら練合して均一の組成物とし、本発明の
製剤を得た。この製剤のpHは5.41であった。
【0018】実施例2:水8.3%にカルボキシビニル
ポリマー0.05%及びプルラン0.5%を加えて溶解
させ、この溶液に更に1N水酸化ナトリウム水溶液1.
2%、ヨウ化カリウム0.9%、ポピドンヨード3%、
尿素0.05%及び精製白糖70%を加えて混和する。
一方、別にポリエチレングリコール400を4.3%、
ポリエチレングリコール1540を8%、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレングリコールの0.7%及び
濃グリセリンの3%を温めて溶解させ、先に調製したも
のに徐々に加えながら練合して均一の組成物とし、本発
明の製剤を得た。この製剤のpHは5.34であった。
【0019】実施例3:水8%にヒアルロン酸ナトリウ
ム0.1%及びプルラン0.5%を加えて溶解させ、こ
の溶液に更に1N水酸化ナトリウム水溶液1.5%、ヨ
ウ化カリウム0.9%、ポピドンヨード3%、尿素0.
05%及び精製白糖70%を加えて混和する。一方、別
にポリエチレングリコール400を4.6%、ポリエチ
レングリコール1540を8%、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレングリコールを1.4%及び濃グリセ
リンの2%を温めて溶解させ、先に調製したものに徐々
に加えながら練合して均一の組成物とし、本発明の製剤
を得た。この製剤のpHは6.54であった。
【0020】実施例4:水9.2%にカルボキシビニル
ポリマー0.05%及びプルラン0.5%を加えて溶解
させ、この溶液に更に1N水酸化ナトリウム水溶液1.
3%、ヨウ化カリウム0.9%、ポピドンヨード3%、
尿素0.05%及び精製白糖70%を加えて混和する。
一方、別にポリエチレングリコール400を4.8%、
ポリエチレングリコール1540を6.5%、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレングリコールを0.7%
及び濃グリセリンの3%を温めて溶解させ、先に調製し
たものに徐々に加えながら練合して均一の組成物とし、
本発明の製剤を得た。この製剤のpHは6.14であっ
た。
【0021】実施例5:水8.3%にヒアルロン酸ナト
リウム0.1%及びプルラン0.5%を加えて溶解さ
せ、この溶液に更に1N水酸化ナトリウム水溶液1.2
%、ヨウ化カリウム0.9%、ポピドンヨード3%、尿
素0.05%及び精製白糖70%を加えて混和する。一
方、別にポリエチレングリコール400を5.3%、ポ
リエチレングリコール1540を8.65%、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレングリコールを2%及び
グリセリンの2%を温めて溶解させ、先に調製したもの
に徐々に加えながら練合して均一の組成物とし、本発明
の製剤を得た。この製剤のpHは6.23であった。
【0022】実施例6:水9.7%にカルボキシビニル
ポリマー0.05%及びプルラン0.5%を加えて溶解
させ、この溶液に更に1N水酸化ナトリウム水溶液1.
3%、ヨウ化カリウム0.9%、ポピドンヨード3%、
尿素0.05%及び精製白糖70%を加えて混和する。
一方、別にポリエチレングリコール400を1.8%、
ポリエチレングリコール1540を8.7%、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレングリコールを2%及び
濃グリセリンの2%を温めて溶解させ、先に調製したも
のに徐々に加えながら練合して均一の組成物とし、本発
明の製剤を得た。この製剤のpHは5.78であった。
【0023】実施例7:水10.2%にカルボキシビニ
ルポリマー0.05%及びプルラン0.5%を加えて溶
解させ、この溶液に更に1N水酸化ナトリウム水溶液
1.3%、ヨウ化カリウム0.9%、ポピドンヨード3
%、尿素0.05%及び精製白糖70%を加えて混和す
る。一方、別にポリエチレングリコール400を4.3
%、ポリエチレングリコール1540を7%、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレングリコールを0.7%
及び濃グリセリンの2%を温めて溶解させ、先に調製し
たものに徐々に加えながら練合して均一の組成物とし、
本発明の製剤を得た。この製剤のpHは6.02であっ
た。
【0024】実施例8:水11.2%にカルボキシビニ
ルポリマー0.05%及びプルラン0.5%を加えて溶
解させ、この溶液に更に1N水酸化ナトリウム水溶液
1.3%、ヨウ化カリウム0.9%、ポピドンヨード3
%、尿素0.05%及び精製白糖70%を加えて混和す
る。一方、別にポリエチレングリコール400を1.8
%、ポリエチレングリコール1540を8.5%、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを0.
7%及び濃グリセリンの2%を温めて溶解させ、先に調
製したものに徐々に加えながら練合して均一の組成物と
し、本発明の製剤を得た。この製剤のpHは6.06で
あった。
【0025】比較例:比較例として、本発明の安定化剤
である尿素、カルボキシビニルポリマーあるいはヒアル
ロン酸またはその塩を用いない、特公平1−32210
号公報の実施例2及び3に記載される以下の製剤を調製
した。
【0026】比較例1:0.1Mクエン酸緩衝液(pH
=5.3)11.2%にポピドンヨード3%及びヨウ化
カリウム0.9%を溶解させた溶液に、1N水酸化ナト
リウム水溶液1%及び精製白糖65%を加えて混和し
た。別途調製したポリエチレングリコール400を8
%、ポリエチレングリコール1500を7.3%、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを2.
8%及びグリセリンの2%からなる混合物を徐々に加え
ながら練合して均一の組成物とし、比較例1の製剤を得
た。
【0027】比較例2:0.05Mクエン酸緩衝液(p
H=5.3)8.9%にポピドンヨード3%及びヨウ化
カリウム0.7%を溶解させた溶液に、1N水酸化ナト
リウム水溶液0.8%及び精製白糖70%を加えて混和
した。別途調製したポリエチレングリコール400を1
4%、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコ
ールを1.1%及びグリセリンの1%からなる混合物を
徐々に加えながら練合して均一の組成物とし、比較例2
の製剤を得た。
【0028】保存安定性試験:本発明の製剤である実施
例1〜8で得られた損傷皮膚修復用製剤、比較例1及び
2で得た製剤並びに実際の市販品(ユーパスタコーワ)
を用いて、保存安定性を検討した。 方法:各試験製剤を褐色ガラスビン容器に充填して、苛
酷条件下である60℃の恒温室内に保存し、保存後7日
目並びに12日目における各製剤中の有効ヨウ素の定量
を滴定法により行い、合わせて製剤の外観、製剤のガー
ゼに対する伸展性を観察した。 結果:その結果を表1に示す。なお、有効ヨウ素量にあ
っては、その残存率として表中に示した。
【0029】
【表1】
【0030】表中の結果からも明らかなように、本発明
の製剤にあっては、60℃の苛酷保存条件下において、
7日間の保存によっても有効ヨウ素の残存率は86〜9
0%と高レベルなものであり、さらに12日後にも約7
9〜87%の高レベルを維持していた。これに対して、
比較例の製剤にあっては、7日間後には約45%程度に
まで低下しており、更に12日後には有効ヨウ素はほと
んど分解しており、その量の測定は不可能であった。製
剤の外観変化の状態は、本発明の製剤では60℃/12
日間の保存においても外観的にはなんらの変化は認めら
れなかったが、比較例の製剤ではいずれも水飴状になっ
た。
【0031】一方、市販品の製剤では60℃の苛酷保存
条件下で、有効ヨウ素量の残存率は7日後では本発明の
製剤との間に差異はなかったものの、12日後において
はその残存率は本発明の製剤に比較し著しく低下してお
り、更に外観変化では12日後に製剤が一部水飴状に変
化していた。なお、本発明の製剤は、保存後においても
ガーゼに対する伸展性は良好なものであった。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明は有効成分である
糖及びポピドンヨードに、尿素、カルボキシビニルポリ
マー、ヒアルロン酸またはその塩の群から選択される1
種以上の成分を安定化剤として配合した製剤とすること
により、従来品に比較して有効ヨウ素残存率の向上並び
に外観変化が無く、しかも従来品よりもガーゼ等に塗布
し易い、柔らかな損傷皮膚修復用製剤の提供が可能とな
り、特に褥瘡・皮膚潰瘍患者に対し、多大の貢献を有す
るものである。
フロントページの続き (72)発明者 花染 功 富山県富山市三郷26番地 東亜薬品株式会 社内 (72)発明者 岡本 智之 富山県富山市三郷26番地 東亜薬品株式会 社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糖50〜90重量%、ポピドンヨード
    0.5〜10重量%、水1〜20重量%を含有し、更
    に、尿素、カルボキシビニルポリマー並びにヒアルロン
    酸またはその塩の群から選択される安定化剤の少なくと
    も1種以上を0.01〜1重量%配合してなる損傷皮膚
    修復用製剤。
  2. 【請求項2】 糖50〜90重量%、ポピドンヨード
    0.5〜10重量%、水1〜20重量%及び尿素0.0
    1〜1重量%を配合してなる損傷皮膚修復用製剤。
  3. 【請求項3】 糖50〜90重量%、ポピドンヨード
    0.5〜10重量%、水1〜20重量%及びカルボキシ
    ビニルポリマー0.01〜1重量%を配合してなる損傷
    皮膚修復用製剤。
  4. 【請求項4】 糖50〜90重量%、ポピドンヨード
    0.5〜10重量%、水1〜20重量%及びヒアルロン
    酸またはその塩0.01〜1重量%を配合してなる損傷
    皮膚修復用製剤。
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