JPH10331466A - 駐車装置及びこれを用いた駐車方法 - Google Patents

駐車装置及びこれを用いた駐車方法

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JPH10331466A
JPH10331466A JP14543997A JP14543997A JPH10331466A JP H10331466 A JPH10331466 A JP H10331466A JP 14543997 A JP14543997 A JP 14543997A JP 14543997 A JP14543997 A JP 14543997A JP H10331466 A JPH10331466 A JP H10331466A
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ropes
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (1)新たな駐車空間を創出し、(2)駐車効率を
高める。 【解決手段】 少なくとも自動車1のタイヤが支持又は
保持できる形状又は大きさの搬器8の周囲に梁部材10を
架設した支持脚9,9を立設し、搬器8に連結するロー
プ5を巻き取り又は繰り出すドラム6,6を梁部材10又
は支持脚9に軸着し、このドラム6,6から延ばしたロ
ープ5を懸け廻して垂下するためのシーブ4を支持脚9
又は梁部材10から略水平方向に延設した支持腕3に軸着
して、自動車1を積載した搬器8を前記ロープ5の巻き
取り又は繰り出しにより個別に昇降可能にすることで、
搬器8下方を車路又は自由空間として確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、限られた面積又は
形状の駐車場により多くの自動車を駐車するために、自
動車を吊り上げた状態で保管できるようにする駐車装置
及びこれを用いた駐車方法に関する。
【0002】
【従来の技術】我が国では、元来自動車社会を想定した
街造りがなされていない関係から、増加する自動車台数
に対して十分な駐車スペースを提供できない現状があ
る。都心部では日中多数の自動車が集中する関係から、
限られた駐車スペースに相当数の駐車用地が確保できる
ように、多層階からなる駐車場ビルやリフタ等を備えた
立体駐車場が建設されたり、地下駐車場が構築されてい
る。いずれも、相当なコスト負担を強いるもので、業務
としての採算性に見合う場合のみ現実性がある。このた
め、利用できる従来の駐車場としては、整地した空き地
や庭先の余剰空間等を利用するのが通例である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年では1家族当たり
1台ではなく、1人当たり1台、つまり、1家族当たり
数台の自動車を所有するようになり、ますます駐車場の
確保が難しくなってきている。新しく建てられた住宅で
は、少なくとも1台分の駐車場が設けられるのが通例で
あるが、前記自動車の所有率の増加に伴い、自宅と離れ
た場所に月極駐車場を借りながら、日頃は自宅近くの道
路に違法駐車する者が増え、緊急自動車輌の通行を阻害
するなどの社会問題が顕在化する地域も少なくない。こ
のように、まず自動車の数に対する絶対的な駐車場不足
という問題がある。
【0004】また、駐車場の総面積は駐車する自動車が
占める総面積に略等しいが、事実上駐車場として利用で
きない場合も、同じく駐車場不足の問題となる。例え
ば、道路に面しながらも間口が狭く、奧に細長い袋小路
の場合、間口が自動車より若干広い程度であれば、事実
上、自動車は1台しか駐車できない。なぜなら、奧に駐
車した自動車の前に別の自動車を駐車すれば、奧の自動
車が自由に出入りできなくなるからである。同様の理由
から、道路間を結ぶ細長い通り抜け道では2台の自動車
しか駐車できない。また、かなり広い敷地があっても、
駐車台数や駐車スペースの割り振りの関係から、必要な
車路が増えたり、複雑な車路が必要となるなどの理由に
よって、駐車効率(駐車場の総面積に対する駐車した自
動車が占める面積)が極めて悪くなり、あまり多くの自
動車を駐車させることができない場合も少なくない。こ
れらは、実際的に利用可能な相対的な駐車場不足の問題
と呼ぶことができる。
【0005】駐車場に関する問題点をまとめれば、次の
ようになる。すなわち、(1)自動車の数に見合う駐車場
を設けるには、少なくとも自動車が占める総面積に等し
い駐車スペースを確保できる敷地が必要となる。敷地を
新たに造成することは難しく、まず現在ある敷地を有効
に利用する手段を考え出さなければならない。次に、
(2)駐車場として用いるには、自動車が占める総面積に
等しい敷地に加え、特に自動車の出入りを可能にする車
路が必要となる。このため、袋小路や通り抜け道のよう
な敷地では車路が確保できないため、本来複数台の自動
車を駐車して利用することができにくかった。先に挙げ
た敷地の有効利用の観点から、こうした袋小路や通り抜
け道であっても駐車場として利用できるようになること
が望ましい。そこで、限られた敷地の有効利用を図り、
より多くの自動車を駐車できる装置を新たに開発するこ
ととして、検討を重ねた。
【0006】
【課題を解決するための手段】検討の結果、開発したも
のが、少なくとも自動車のタイヤが支持又は保持できる
形状又は大きさの搬器の周囲に梁部材を架設した支持脚
を立設し、搬器に連結する4本のロープを巻き取り又は
繰り出すドラムを梁部材又は支持脚に軸着し、このドラ
ムから延ばしたロープを懸け廻して垂下するためのシー
ブを支持脚又は梁部材から延設した支持腕に軸着して、
自動車を積載した搬器を前記ロープの巻き取り又は繰り
出しにより個別に昇降可能にすることで、搬器下方を車
路又は自由空間として確保できるようにした駐車装置で
ある。
【0007】この駐車装置は、従来利用されていなかっ
た駐車スペース上方を新たに駐車スペースとして利用す
ると共に、この新たな駐車スペース下方を車路や他の自
動車の駐車スペース7はそのほか様々な利用が可能な自
由空間として確保する。例えば、後述するように駐車場
として利用する敷地に複数の搬器(搬器群)を配した場
合、各搬器を個別に昇降可能にすることで、降ろした搬
器に積載した自動車にとって上昇させた搬器下方すべて
が車路となり、駐車場への自由な出入りが保証される。
搬器には、適宜適切な車輪止め等を設けるとよい。
【0008】支持脚は、搬器群全体に対して一対設けて
もよいし、各搬器又は所定の搬器毎に立設してもよい。
この支持脚には、各搬器又は搬器群全体を覆う屋根を取
り付けてもよい。梁部材は対となる支持脚に架設する
が、3基以上の支持脚に対してはすべての支持脚に貫設
させてもよい。ロープは、自動車を加えた搬器の吊り荷
重に耐え得るならば、素材、径の大きさは問わず、一般
に見られる紐体から鋼製のワイヤロープも含む。
【0009】搬器は、ドラムに巻き取り又は繰り出され
る4本のロープにより昇降する。このドラムは一対配設
して、各ドラムそれぞれにブレーキ付減速電動機を付設
すると共に、両ドラムが連動するように各ドラムの回転
軸を連結するとよい。各ドラムの回転軸を連結する手段
としては、別個の回転軸をフレキシブルシャフト等で連
結するほか、1本の連結軸の両端にドラムを取り付け、
前記連結軸を両ドラムの回転軸として共用する手段があ
る。ロープは、長尺方向に高い引っ張り強度を有しなが
ら、可撓性に富み、搬器を取扱う際の自由度を高くす
る。ロープの巻取位置と垂下位置とは一致させる必要は
なく、ドラムから繰り出したロープは、支持腕に軸着し
たシーブに懸け廻すことで、搬器の安定した昇降に適し
た位置で搬器に連結することができる。
【0010】搬器の安定な昇降を確保するには、(1)ド
ラムから延びる4本のロープのうち、同一ドラムから延
びる2本のロープの巻き取り又は繰り出し方向を逆にし
て、一方をドラムの上面側から他方をドラムの下面側か
ら延ばし、各ロープを懸け廻すためのシーブを支持脚又
は梁部材から略水平方向対称に延設した2本の支持腕に
それぞれ軸着して、更に(2)ドラムのロープ巻取部位
に、ロープの巻き取り又は繰り出し方向中央から左右両
側に向けて周回するドラム溝を設け、このドラム溝の断
面形状をロープ径よりも若干狭幅の略V字状で、かつ無
負荷時にはロープと溝底との間に隙間を形成し、負荷時
にはロープが溝底に当接する形状としたり、又は(3)ド
ラムのロープ巻取部位が、ロープの巻き取り又は繰り出
し方向中央から左右両側に向けてテーパ状に傾斜させ、
2本のロープをそれぞれ前記中央から左右両側に振り分
けて巻き取るようにするとよい。
【0011】ドラムから延びる4本のロープのうち、同
一ドラムから延びる2本のロープの巻き取り又は繰り出
し方向を逆にして、一方をドラムの上面側から他方をド
ラムの下面側から延ばすようにすれば、1基のドラムで
2本のロープを巻き取り又は繰り出して、この2本のロ
ープの連動が確保できる。また、2本の支持腕を略水平
方向対称に延設することにより2本のロープに掛かる負
荷が等分され、搬器の昇降が安定する。なお、搬器に連
結する4本のロープについて、同一ドラムから繰り出し
たロープの垂下位置の間隔aと隣り合うドラムから同一
方向に繰り出したロープの垂下位置の間隔bとを等しく
すれば、各搬器におけるロープとの連結部位が正方形の
四隅に配されるようになり、搬器は各ドラムからのロー
プの巻き取り又は繰り出し方向と同方向又は直交方向の
いずれの向きでもロープと連結できるようになる。
【0012】ドラムのロープ巻取部位に、ロープの巻き
取り又は繰り出し方向中央から左右両側に向けて周回す
るドラム溝を設けて、このドラム溝の断面形状をロープ
径よりも若干狭幅の略V字状で、かつ無負荷時にはロー
プと溝底との間に隙間を形成し、負荷時にはロープが溝
底に当接する形状とすると、ロープの巻き取りが整然と
して搬器の昇降が安定するほか、搬器が地切りする際に
ロープが溝底に当接するまで噛み込むように変形して負
荷の急激な変化を吸収し、搬器の緩やかな地切りを実現
する。また、ドラムのロープ巻取部位がロープの巻き取
り又は繰り出し方向中央から左右両側に向けてテーパ状
に傾斜させることにより、2本のロープをそれぞれ前記
中央から左右両側に振り分けて巻き取ることで各ロープ
の絡まる心配がなくなり、かつ搬器は上昇するに従って
速度を遅くしていくので、安全な搬器の昇降が確保でき
る。
【0013】このような駐車装置は、(a)搬器を袋小路
や通り抜け道に沿って並ぶように並設し、この袋小路や
通り抜け道に進入した自動車を各搬器に積載した後持ち
上げて保管することにより、この袋小路や通り抜け道を
ほぼ満たす台数の自動車の駐車を実現したり、(b)搬器
を平面駐車場に合わせて縦横に並ぶように配列し、この
平面駐車場に進入した自動車を各搬器に積載した後持ち
上げて保管することにより、この平面駐車場をほぼ満た
す台数の自動車の駐車を実現する駐車方法に利用する。
各搬器に積載した自動車は、保管時においては袋小路や
通り抜け道又は平面駐車場から持ち上げられているの
で、既述したように、搬器下方の袋小路や通り抜け道又
は平面駐車場は車路として用いることができ、(a)袋小
路や通り抜け道といえど多数の自動車の駐車を可能と
し、(b)平面駐車場から車路専用分を取り除いて、駐車
効率を高めるのである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図を参照しながら説明する。図1は本発明において3台
の自動車1を並列に駐車させるようにした駐車装置2の
正面図、図2は同駐車装置2の左側面図、図3は同駐車
装置2における支持腕3(図1参照)に軸着したシーブ4
の配置関係や、各ロープ5の垂下位置及び巻き取り又は
繰り出し関係を表した斜視図、図4は図2中A−A部か
ら見た同駐車装置2におけるドラム6の断面図、図5は
図4中B部拡大図、図6は他の実施例のドラムの図4相
当断面図である。
【0015】本実施例の駐車装置2は、図1及び図2に
見られるように、並列した3台の自動車1にそれぞれ対
応して個別に昇降可能な搬器8を横並びにして搬器群を
構成し、この搬器群の両側に一対の支持脚9,9を立設
して、この支持脚9,9各上部間に梁部材10を架設した
外観を有する。梁部材10は剛性を高めるために断面略V
字状をしており、必要により開放した下面又は両側面に
カバー部材を取り付けてもよい。本実施例では、梁部材
10内部に長手方向に直交してこの梁部材10の補強機能も
兼ね備えた一対の支持壁11,11を複数組取り付けてい
る。なお、搬器8は1基であってもよいし、後述するよ
うに、複数の搬器を縦方向に並べたり(図7参照)、格子
状に配列してもよい(図8以下参照)。ロープ5を繰り出
し又は巻き取る巻上機構7(図3参照)は、各搬器8に対
応して梁部材10内に納められている。この巻上機構7
は、共用の回転軸とした連結軸13の両端に一対のドラム
6,6を取り付け、各ドラム6,6それぞれにマグネット
ブレーキ内蔵減速電動機12を付設した構成である。梁部
材10の各ドラム6,6に対応する部位から水平方向対称
に延設した計4本の支持腕3それぞれの先端にはシーブ
4を軸着している。各ロープ5は、図3に見られるよう
に、各ドラム6,6の上又は下から水平方向対称に延ば
し、対応するシーブ4に懸け廻して垂下し、各搬器8に
連結する。
【0016】搬器の形状、大きさは自由であるが、少な
くとも自動車のタイヤが支持又は保持できる形状又は大
きさでなければならない。本実施例の搬器8は、図1、
図2及び図3に見られるように、前後に自動車の進入、
退出を容易にするための傾斜面14,14を形成し、一方の
傾斜面14の内側に車輪掛けの溝15、他方の傾斜面14には
車輪止め16を設けている。また、同一のドラム6からシ
ーブ4,4に懸け廻して繰り出したロープ5,5の垂下位
置の間隔aと、隣り合う一対のドラム6,6からシーブ
4,4に懸け廻して同一方向側に繰り出したロープ5,5
の垂下位置の間隔bとを等しくしたので、図3に見られ
るように、搬器8の長手方向を各ドラム6からのロープ
5の延長方向と同方向又は直交方向のいずれかに向けて
搬器8とロープ5とを連結することができる。図1及び
図2の例では、搬器8の長手方向を各ドラム6からのロ
ープ5の延長方向と同方向に向けて搬器8とロープ5と
を連結している。搬器の水平な昇降を確保しながら各ロ
ープに掛かる張力を均一にするため、シーブ4から垂下
するロープの長さを調節する調節機構を、搬器8とロー
プ5との連結部位に設けるとよい。
【0017】ドラム6は、図3及び図4に見られるよう
に、一対の支持壁11,11それぞれに軸受17,17を介して支
持される連結軸13の両端に取り付けている。ドラム6の
内周面にはインターナルギヤ18が刻設してあり、減速電
動機12のピニオンギヤ19を噛合している。このように、
各ドラム6はそれぞれに駆動源(減速電動機12)を有して
いるが、両ドラム6,6は連結軸13により同調して回転
するので、計4本のロープ5の巻き取り又は繰り出しは
連動するのである。各ドラム6,6の外周面を占めるロ
ープ巻取部位には、2本のロープ5,5を円滑に巻き取
るために、ロープ5の巻き取り又は繰り出し方向中央か
ら左右両側に向けて周回するドラム溝20を設けている。
このドラム溝20は、図5に見られるように、ロープ径よ
りも若干狭幅の略V字状で、かつ無負荷時にはロープ5
と溝底25との間に隙間tを形成しながら、負荷時にはロ
ープ5が溝底25に当接する断面形状を有する。ドラムの
ロープ巻取部位における巻き取り又は繰り出し方向中央
に一端を止着した各ロープ5,5は、ドラム溝20に嵌め
込むように、一方を上面側から、他方を下面側から水平
方向対称に繰り出し又は巻き取るようにしている。これ
により、ロープ5,5はロープ巻取部位における周回位
置が規制され、特に自動車1を積載した搬器8の地切り
時において、図5に見られるように、ロープ5がドラム
溝20の溝底25に当接するまで噛み込むように変形するこ
とで、急変する負荷、すなわち搬器8が地切りしてドラ
ム6にロープ5が巻き取られる際に生ずる衝撃荷重を吸
収し、緩やかな搬器8の地切りを実現する。
【0018】また、図6に見られるドラム6は他の実施
例を示すもので、前記ロープ巻取部位はロープ5の巻取
開始部位(巻き取り又は繰り出し方向中央)の径を大きく
し、このロープ5の巻取終了部位(左右両側)の径をやや
小さくして、巻き取り又は繰り出し方向中央から左右両
側に向けてテーパ状に傾斜してあり、2本のロープ5,
5をそれぞれ前記中央から左右両側に振り分け、かつ内
から外の周回へとずらしながら各ロープ5を巻き取るこ
とができるようにしている。上述のように、ロープ巻取
部位に設けたドラム溝20により、巻き取られるロープ
5,5は巻き取り周回を規制され、絡まりにくくなって
いるが、更にロープ巻取部位の傾斜はロープ5,5を中
央から二分して巻き取れるようにし、より絡みにくくし
ている。また、この傾斜したロープ巻取部位は、中央か
ら両側へ向けてロープ5の周回半径を小さくするから、
ドラム6の回転を等速としながら、ロープ5の巻き取り
速度を減速する、すなわち搬器8が高くなるにつれて搬
器8の上昇速度を減速させることができる。
【0019】本実施例を用いて、自動車1の搬入、搬出
について説明する。自動車1を保管する際には、搬器8
が地上に降りた状態(図1中中央の搬器参照)にする。搬
器8が上昇した状態にある場合は、例えばリモコン等を
用いて運転者が遠隔操作で減速電動機12に通電して、搬
器8を地上まで下降させる。減速電動機12への通電は前
記運転者が切ってもよいが、搬器8の接地そのものを検
出するセンサや、搬器8の接地により弛むロープ5を検
出するセンサを用いて自動的に減速電動機12への通電を
切る方が好ましい。いずれの場合も、停止した減速電動
機12はマグネットブレーキによって制動しておく。搬器
8が降りた後、運転者は垂下した4本のロープ5を目印
として搬器8に自動車1を載せる。このとき、自動車1
から見える各ロープ5の位置関係で自動車1と搬器8と
の位置関係を把握することができる。このロープ5を目
印とした搬器8への自動車1の進入については、各ロー
プ5を色分け、少なくとも前後のロープ5,5の色を違
えておくとよい。
【0020】本実施例では、溝15を設けた傾斜面14側か
ら自動車1を搬器8に進入させる。運転者は、奧側にあ
る車輪止め16にタイヤが当接し、溝15にタイヤが嵌まり
込んだことを確認して自動車1を停止させ、駐車ブレー
キをかけた後、エンジンを切って降車する。運転者は再
度リモコン等を操作して、減速電動機12に通電すると同
時にマグネットブレーキによる制動を解除すれば、ドラ
ム6,6は各ロープ5を巻き取る。ロープ5の巻き取り
により、搬器8は自動車1を積載した状態で水平に上昇
し、下降時同様、運転者による操作か、搬器8又は自動
車1の特定部位(例えば屋根)が一定程度まで上昇したこ
とをセンサが検知して、減速電動機12への通電を切ると
同時にマグネットブレーキが作動して搬器8は停止す
る。こうして、予め設定した上限高さで停止した搬器8
は、その高さをマグネットブレーキによる制動により保
持する。
【0021】自動車1を搬出する際は、上述の手順を逆
に踏めばよい。このとき、仮に減速電動機12が故障した
場合でも、マグネットブレーキの制動を緩める又は解除
することにより、搬器8は自動車1の重量及び各ドラム
6,6の回転抵抗力とが平衡する速度でゆっくりと下降
するから、本発明の駐車装置2から自動車1が搬出でき
なくなる問題はない。また、4本のロープ5を平面視正
方形の四隅にあたるように配したことにより、各ロープ
5には略等価の負荷が掛かっているから、たとえ1本の
ロープ5の巻き取り又は繰り出しに支障が生じた場合で
も、自動車1を積載させた状態の搬器8を安全に昇降さ
せることができる。
【0022】図7は本発明に係る駐車装置21を袋小路の
敷地に設置した状態を表す平面図、図8は本発明に係る
駐車装置22を長方形状の敷地に設置した状態を表す平面
図、図9は図8の駐車装置22の正面図であり、図10は図
8の駐車装置22の左側面図である。本発明は単に自動車
を上昇させた状態で駐車するだけでなく、次に説明する
ように、現実的に駐車場として利用できなかった袋小路
や通り抜け道、また車路を確保するために敷地面積のわ
りに駐車台数が制限されていた従来の平面駐車場におい
て、新たな駐車場としての利用や駐車効率の改善といっ
た効果をもたらす。
【0023】例えば、図7に見られるような袋小路で
は、従来ならば、駐車する自動車の出入りの関係から、
実質的には1台の自動車しか駐車できなかったが、本発
明の駐車装置21を設置すれば、袋小路の面積に合わせた
台数、本実施例では3台の自動車1,1,1を駐車するこ
とができる。各自動車1は搬器8に積載して吊り上げて
いるので、袋小路そのものはすべての自動車1,1,1に
とっての車路として利用できるのである。更にL字状の
袋小路や複雑な袋小路、通り抜け道であっても、その経
路に沿って搬器を並べた本発明の駐車装置を設ければ、
袋小路や通り抜け道の面積を埋める台数の自動車を駐車
できるようになる。我が国では現実的に自動車の出入り
が不可能なため利用されていない袋小路や通り抜け道が
多く、このような利用形態は、事実上、新たな駐車場を
創出する効果を生み出す。
【0024】本発明の駐車装置は吊り上げた搬器下方を
車路として利用できるため、改めて車路を確保する必要
がなく、敷地の総面積にほぼ見合う台数の自動車を密に
保管することができる。図8は、道路手前と奧とにそれ
ぞれ普通自動車1を6台ずつ計12台、その間に軽自動車
23を7台ずつ4列計28台、合計40台の自動車1及び23を
駐車できる例である。従来は、車路を確保する関係から
前記台数の半分程度しか駐車できないが、例えば図8中
斜線を施した軽自動車23を搬出する場合、図9及び図10
に見られるように、この敷地の大部分をこの軽自動車23
のための車路として利用でき、従来の駐車場では不可能
だった大きな旋回径の切り返し等も可能になるのであ
る。
【0025】図8〜図10に示す駐車装置には、図9又は
図10に示すように、屋根24を付けるとよい。また、下面
のみを開放したような覆い屋根として、上昇させた自動
車1及び23を外部から見えないようにするようにしても
よい。本発明の駐車装置22では、保管する自動車1及び
23を地面から隔離するわけだから、盗難される危険性は
低い。前記覆い屋根は自動車を外部から隠すことによ
り、更に盗難の危険性を下げるのである。
【0026】
【発明の効果】本発明の駐車装置は、(1)およそ自動車
の進入が可能な敷地のほぼ全域を駐車空間として利用で
きるようにし、(2)駐車した個々の自動車にとっては十
分な車路を確保しつつも駐車効率を高め、そして(3)上
昇した搬器下方を車路や自由空間として利用できるよう
にすることで、総じて我が国における駐車場確保の問題
を解決する。具体的には、袋小路や通り抜け道での駐車
を可能とし、従来の平面駐車場における駐車台数を実質
的に引き上げるのである。
【0027】搬器に連結する4本のロープを巻き取り又
は繰り出す各ドラムに個別の駆動源を付しながら両ドラ
ムの回転軸を連結し、各ドラムから2本ずつロープを略
水平方向対称に延ばして、各ロープを略水平方向対称に
延ばした支持腕のシーブに懸け廻して降ろすことで、各
ロープをほとんど等しく巻き取り又は繰り出して、搬器
の安定した昇降を実現できる。また、ドラムのロープ巻
取部位に設けたドラム溝とロープの可撓性とが相俟っ
て、地切り時における負荷の急変が吸収され、緩やかな
搬器の地切りを実現する。ロープは平面視正方形の四隅
に振り分けて搬器に連結することが好ましく、この場
合、ロープの巻き取り又は繰り出し方向に対して搬器の
向きを選択して駐車装置の設置自由度を高めることがで
きるほか、各ロープに掛かる負荷が略等価となり、搬器
の昇降を安定させ、仮に1本のロープに支障をきたした
場合でも安全な搬器の昇降を保証できるようになり、本
発明の駐車装置におけるフェールセーフを実現する。更
に、ドラムのロープ巻取部位に設けたテーパ状の傾斜
は、搬器の上昇に従って速度を低下させることができる
ので搬器の上昇を安全にし、同時に巻上機構に対する負
荷の軽減を果たしている。
【0028】本駐車装置を利用した駐車方法は、上述の
ように新たな駐車空間の創出、駐車効率の改善のほか、
自動車を吊り上げた状態で保管するという形態のため、
自動車盗難の危険性を低減する付帯効果が得られる。こ
うした盗難防止や新たな駐車空間の創出といった効果
は、搬器を高く上昇させる必要はなく、地面から一定程
度搬器が離れ、かつ搬器が水平になればよいので、駐車
装置としては小型化できる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において3台の自動車を並列に駐車させ
るようにした駐車装置の正面図である。
【図2】同駐車装置の左側面図である。
【図3】同駐車装置における支持腕に軸着したシーブの
配置関係や、各ロープの垂下位置及び巻き取り又は繰り
出し関係を表した斜視図である。
【図4】図2中A−A部から見た同駐車装置におけるド
ラムの断面図である。
【図5】図4中B部拡大図である。
【図6】他の実施例のドラムの図4相当断面図である。
【図7】本発明に係る駐車装置を袋小路の敷地に設置し
た状態を表す平面図である。
【図8】本発明に係る駐車装置を長方形状の敷地に設置
した状態を表す平面図である。
【図9】図8の駐車装置の正面図である。
【図10】図8の駐車装置の左側面図である。
【符号の説明】
1 自動車(普通) 2 駐車装置 3 支持腕 4 シーブ 5 ロープ 6 ドラム 7 巻上機構 8 搬器 9 支持脚 10 梁部材 11 支持壁 12 減速電動機 13 連結軸 14 傾斜面 15 車輪掛けの溝 16 車輪止め 17 軸受 18 インターナルギヤ 19 ピニオンギヤ 20 ドラム溝 21 袋小路の敷地に設置した駐車装置 22 長方形状の敷地に設置した駐車装置 23 自動車(軽) 24 屋根 25 溝底

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも自動車のタイヤが支持又は保
    持できる形状又は大きさの搬器の周囲に梁部材を架設し
    た支持脚を立設し、搬器に連結する4本のロープを巻き
    取り又は繰り出すドラムを梁部材又は支持脚に軸着し、
    該ドラムから延ばしたロープを懸け廻して垂下するため
    のシーブを支持脚又は梁部材から延設した支持腕に軸着
    して、自動車を積載した搬器を前記ロープの巻き取り又
    は繰り出しにより個別に昇降可能にすることで、搬器下
    方を車路又は自由空間として確保できるようにしたこと
    を特徴とする駐車装置。
  2. 【請求項2】 搬器に連結する4本のロープを巻き取り
    又は繰り出すドラムを一対配設し、各ドラムそれぞれに
    ブレーキ付減速電動機を付設すると共に、両ドラムが連
    動するように各ドラムの回転軸を連結したことを特徴と
    する請求項1記載の駐車装置。
  3. 【請求項3】 ドラムから延びる4本のロープのうち、
    同一ドラムから延びる2本のロープの巻き取り又は繰り
    出し方向を逆にして、一方をドラムの上面側から他方を
    ドラムの下面側から延ばしてなり、各ロープを懸け廻す
    ためのシーブを支持脚又は梁部材から略水平方向対称に
    延設した2本の支持腕にそれぞれ軸着したことを特徴と
    する請求項1記載の駐車装置。
  4. 【請求項4】 ドラムのロープ巻取部位に、ロープの巻
    き取り又は繰り出し方向中央から左右両側に向けて周回
    するドラム溝を設けてなり、該ドラム溝の断面形状はロ
    ープ径よりも若干狭幅の略V字状で、かつ無負荷時には
    ロープと溝底との間に隙間を形成し、負荷時にはロープ
    が溝底に当接する形状としたことを特徴とする請求項2
    又は3記載の駐車装置。
  5. 【請求項5】 ドラムのロープ巻取部位が、ロープの巻
    き取り又は繰り出し方向中央から左右両側に向けてテー
    パ状に傾斜してあり、2本のロープをそれぞれ前記中央
    から左右両側に振り分けて巻き取ることを特徴とする請
    求項2又は3記載の駐車装置。
  6. 【請求項6】 搬器に連結する4本のロープについて、
    同一ドラムから繰り出したロープの垂下位置の間隔aと
    隣り合うドラムから同一方向に繰り出したロープの垂下
    位置の間隔bとを等しくしたことを特徴とする請求項2
    又は3記載の駐車装置。
  7. 【請求項7】 搬器が袋小路や通り抜け道に沿って並ぶ
    ように請求項1、2、3、4、5又は6記載の駐車装置
    を並設し、該袋小路や通り抜け道に進入した自動車を各
    搬器に積載した後持ち上げて保管することにより、該袋
    小路や通り抜け道をほぼ満たす台数の自動車の駐車を実
    現する駐車方法。
  8. 【請求項8】 搬器が平面駐車場に合わせて縦横に並ぶ
    ように請求項1、2、3、4、5又は6記載の駐車装置
    を配列し、該平面駐車場に進入した自動車を各搬器に積
    載した後持ち上げて保管することにより、該平面駐車場
    をほぼ満たす台数の自動車の駐車を実現する駐車方法。
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