JPS6240034Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車の多段式駐車装置において、
自動車載置用パレツト（以下単にパレツトと略称
す）を吊上げる装置に関するものである。

従来、パレツトを鋼索で吊上げる方式の駐車装
置においては、第１図のようにパレツトの両側と
自動車の両横側との間に間隙をもたせて鋼索で吊
下げ、自動車の進入又は退出にあたり、吊下げ鋼
索が邪魔にならないようにしている。このため、
パレツトの横幅が自動車の横幅に比して広くとら
なければならないために、駐車用地の間口が狭い
ときはこの方式の装置は用いることができず、或
いは、設置台数が少くなり、駐車用地の利用効率
が低く、また、パレツトを吊上げる途中、或いは
吊上げた時、前または後のそれぞれ２本の鋼索の
幅が自動車の横幅より広いため、自動車がパレツ
トより脱落する危険があり、これを防止するた
め、別に特別な装置をとりつけなければならなか
つた。

この考案はこのような不都合に鑑み、多段式自
動車駐車装置において、自動車が第２段目より上
段のパレツトに進入または退出するにあたつて、
パレツトが地上に下降したとき、吊下げ鋼索の先
端がパレツトの両側の外方に拡がり、自動車の進
入または退出を容易ならしめるようにしたもので
ある。

この考案の実施例を図によつて説明すると、図
中１は多段式駐車装置の梁、２はパレツト、３は
吊下げ枠、４は吊下げ鋼索、５は吊下げ鋼索４を
かけわたすための滑車、６は吊下げ鋼索４を巻き
上げるためのドラムにして、ギアードモータＭの
駆動軸の両側にとりつけてあり、パレツト２は４
本の吊下げ鋼索で吊下げられ、その４本の吊下げ
鋼索４の一端はそれぞれ４個の滑車５を介して左
または右のドラム６に固定され、この２個のドラ
ム６はギアードモータＭの駆動により吊下げ鋼索
４を巻き取り、又は巻き戻すようになつている。

７は吊下げ鋼索４の他端と結合した金属棒、８
は幅拡げ棒、９はストツパーにして、金属棒７の
下端部は幅拡げ棒８の外端と回動軸１０により回
動可能に軸着され、幅拡げ棒８の内端はパレツト
２の底面に、自動車の横幅より狭い幅でとりつけ
てある軸１１により回動可能に軸着されるととも
に、この軸１１にスプリング１２がとりつけてあ
り、パレツト２が着地した時このスプリング１２
の弾力により幅拡げ棒８が第４図のようにパレツ
ト２の外側におし倒され、金属棒７がパレツト２
の外側で、吊下げ鋼索４の末端部を外方に向けて
おし拡げる。

１３は吊下げ柱にして、中空の角筒状の鋼管よ
りなり、第５図の如く吊下げ枠３の４隅に、パレ
ツト２の軸１１の位置に対応して垂直にとりつけ
てあり、この中空の吊下げ柱１３の中を金属棒７
と結合している吊下げ鋼索４が通つており、ま
た、パレツト２を吊上げたときは第４図中２点鎖
線で示すように金属棒７及び幅拡げ棒８の一部を
吊下げ柱１３の中に収納し、吊下げ柱１３の下端
がストツパー９により止まるようになつている。

１４はパレツト２の左右両側にとりつけたガー
ドである。

なお、パレツト２を３段以上に設置する場合は
各段のパレツト２の吊下げ枠３の前後の下部にギ
アードモータで駆動される車輪をとりつけ、梁１
の上を横行させて通路を開き、上段のパレツト２
を昇降させる。

この考案の作用を図によつて説明すると、自動
車を載置したパレツト２をギアードモータＭの駆
動により降下させて接地させ、さらに、吊下げ鋼
索４を若干巻戻すと、スプリング１２の弾力によ
り、幅拡げ棒８が第３図のように左右両側に倒れ
て、吊下げ鋼索４の末端部を左右におし拡げるた
めに自動車の退出か容易になる。

次に、地上において自動車を進入させたパレツ
ト２を上段へ吊上げるために、キアードモータＭ
を駆動して、吊下げ鋼索４を巻き上げると、幅拡
げのためパレツト２の左右の両側に出つ張つてい
る金属棒７及び幅拡げ棒８がスプリング１２の弾
力に打ち勝つて垂直になり、４本の吊下げ鋼索４
でパレツト２が水平に吊上げていき、パレツト２
が最上段に達すれば、吊下げ柱１３に４本の金属
棒７がそれぞれ収納されて停止し駐車が終了す
る。

この考案は上述のように自動車の幅一ぱいにと
つた横幅の狭いパレツト２に自動車を駐車させる
ので、狭い土地に効率よく多数の自動車を駐車さ
せることができ、また、吊下げ柱１３の中へ金属
棒７が収納されるので、自動車の駐車時にパレツ
ト２が４本の柱に固定され、パレツト２の揺れを
防止することができるとともに、また、前後の吊
下げ柱１３の間隔が自動車の横幅より狭いので、
自動車を載置したパレツト２を吊上げ、または、
吊下げる途中、或いは吊上げられて上部で停止し
ているパレツト２の前方又は後方より自動車が脱
落することも防止でき、駐車中の安全の面におい
ても、その効果が極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自動車載置用パレツト吊下げ装
置の正面図、第２図はこの考案にかかる多段式自
動車駐車装置に自動車を載置し上部に吊上げたと
きの正面図、第３図はパレツトが地上に降下した
ときの正面図、第４図は第３図Ａの部分の拡大
図、第５図は地上に降ろす途中のパレツトの一部
をとり除き内部の状態を示した斜視図を示す。 主な部分の符号の説明、２……自動車載置用パ
レツト、４……吊下げ鋼索、７……金属棒、８…
…幅拡げ棒、１２……スプリング、１３……吊下
げ柱。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車載置用パレツトを鋼索または各種チエン
   で吊下げる多段式駐車装置において、吊下げ枠３
   の上部にとりつけたギアードモータＭの駆動軸の
   左右両側のドラム６に前後左右４本の吊下げ鋼索
   ４のそれぞれの一端を固定し、それらの吊下げ鋼
   索４の多端はそれぞれ吊下げ柱１３の中を通して
   金属棒７の上部に結合し、金属棒７の下部は回動
   軸１０により回動自在に幅拡げ棒８の外端と軸着
   し、その幅拡げ棒８の内端はスプリング１２を介
   して自動車載置用パレツト２の４隅にある軸１１
   にそれぞれを軸着させることにより、自動車載置
   用パレツト２を地上に降したとき、幅拡げ棒８が
   自動車載置用パレツト２の両側外方に倒れて、４
   本の吊下げ鋼索４を自動車載置用パレツト２の左
   右の両側に幅を拡げて、張り出すことを特徴とす
   る自動車載置用パレツトの吊上げ装置。