JPH0816401B2 - パレツトの昇降機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は立体駐車場や倉庫等（以下単に立体駐車場
等という）において使用されるパレットの昇降機構に関
する。

発明の背景 立体駐車場等において使用されるパレットの昇降機構
は、パレットを吊下げるチェーンをモータより減速機を
介して回転駆動されるスプロケットで巻上げ或いは巻下
ろすことによって行うようにしたものが多いが、チェー
ンの代わにワイヤーロープを使用し、ワイヤーロープを
巻取りドラムに巻取り或いは巻戻すことによって行うよ
うにしたものもある。いづれにしてもチェーンやワイヤ
ーロープ（以下単にワイヤー等という）の巻上げ或いは
巻取り装置（以下単に巻取り装置という）は地面や床に
設置されるか或いは支柱上乃至支柱間に横架される梁に
設置されるようになっているが、前者の地面や床に設置
した場合、地面や床の有効利用面積がその分少なくなる
とともに車両等の出入りの障害ともなりがちである。ま
た後者の支柱上や梁に設置した場合、上記の問題は生じ
ないものの巻取り装置を支柱や梁の上に持ち上げ、そこ
で取付け作業を行わねばならないから現場での取付け作
業に多大な労力を要するうえ支柱や梁の上での作業は作
業性が悪く危険である。実願昭47−31436号（実開昭48
−108381号公報参照）には、昇降床にモータと、昇降床
に軸承され、モータによって回転駆動される巻上げシャ
フトを有する巻取り装置を設け、ワイヤーを巻取り或い
は差戻すことによって昇降床を昇降させるようにしたも
のが開示されている。この昇降床によれば、地面や床の
有効利用が行え、車両等の出入りの障害となることがな
く、巻取り装置を備えた昇降床を工場生産することがで
きるので、現場ではワイヤーの一端を天井に固定するた
めの作業を行うだけでよく、現場で取付けるのに要する
手間を大幅に軽減することができ、その結果、コストを
低減させることができる等、上記の問題を解消すること
ができるが、巻取り装置が昇降床の下面に設けられてい
るため、地面や床に降ろした場合、安定性が悪く、降ろ
したとしても、昇降床と地面や床との間にかなりな段差
ができ、そのため車を直接昇降床に入出庫させることが
できないという問題を有していた。

また実公昭53−52237号及び実開昭58−75852号公報に
は、巻取り装置をパレット内に納めて可能に突出させな
いようにしたものが開示されているが、巻取り装置の動
力として自動車を利用し、車輪によりローラを駆動して
巻取り或いは巻き戻しを行うようになっているため、車
輪がローラ上でスリップすると、巻取りや巻き戻しが行
えない。

発明の概要 本発明は上記の問題を解消するため巻取り装置と該装
置の駆動用モータをパレット前方にパレットより下方に
突出しないようにして取付けたもので、パレット下側に
は突出物がないので、パレットを地面や床に降ろした場
合、安定性があるうえ、地面や床との間にはパレットの
厚み分しか段差ができず、車の乗り入れが直接できるよ
うにし、また巻取り装置をモータによって駆動し、巻取
り及び巻き戻しが確実に行えるようにしたものである。
したがって本発明は、車両を載せて昇降するパレットの
昇降機構において、一端を固定部材に連結してなるパレ
ットを吊持するためのチェーン乃至ワイヤーロープと、
チェーン乃至ワイヤーロープを巻き上げ、或いは巻き取
るための巻取り装置及び該装置の駆動用モータをパレッ
トの前方にパレットより下方に突出しないようにして設
けたことを特徴とする。

本発明は屋外で実施することもできるし、屋内で実施
することもできる。屋外で実施する場合にはパレットを
吊持するのに支柱が立設されるが、屋内で実施する場合
には、建物等の構築物をパレットを吊持するために利用
することができる。したがって本発明でいう固定部材と
は、支柱乃至支柱間に横架される梁或いは構築物の梁や
天井等をいう。

実施例 図はビル内部等の屋内に設置され、車両を格納するた
めのパレットについての昇降機構を示すもので、パレッ
ト１の一側には巻取り用のプーリ２が四個軸支されてギ
ャードモータ３によって回転駆動されるようになってお
り、パレット１の四隅にはシーブ４が軸支され、各一端
をプーリ２に連結したワイヤー５がそれぞれシーブ４を
経て上方に伸び、各他端を天井部６に取付けたシャツク
ル７にターンバックル８を介して連結している。しかし
てパレット１はワイヤー５により四隅で吊持され、プー
リ２の巻取り或いは巻戻しによって昇降する（第２図参
照）。

上記実施例は屋内に設置されるものに関するが、屋外
に設置する場合には、支柱を立設してパレットを吊持す
る。例えば四本の支柱を立設して各ワイヤーを支柱に沿
わせ、ワイヤー上端を支柱上端に連結したり或いは各ワ
イヤーの上端を支柱上に横架される梁に連結するという
具合にである。また、第３図に示されるように、一対の
支柱11を立設してプーリ12より繰出されるワイヤー13を
パレット14の中間部に軸支されるシーブ15を経て支柱上
端に連結することもできる。

上記実施例には車両を上下二段に格納することのでき
るものが示されているが、駐車装置に組込んで多層での
格納に利用することもできる。第４図はその一例を示す
もので、梁21には該梁に移動可能に支持され、モータと
該モータによって回転駆動され、梁21に固定されるラッ
クに噛合するピニオンよりなる図示省略の自走機構を備
えた台車22が一台分のスペースを残して取付けてあり、
各台車にパレット23が上記実施例と同様にして吊持され
るようになっている。

本実施例による場合、一階は上記実施例と同様にして
二段駐車できるようになっている。二階に格納する場合
には、一階の台車22を横方向にずらして目的のパレット
下のスペースを空けたのち該パレットを降下させること
によって行うか、二階の台車を横方向にずらして目的の
パレットを階下の空いたスペース上に置いたのち該パレ
ットを降下させることにより行い或いはまたこれらの組
合わせ、すなわち各階の台車をずらして目的のパレット
下のスペースを空けることによって行う。

第５図は車両を地下に格納するための他の利用例を示
すもので、一階の天井部に横架される梁31にはパレット
32が横方向に並んで複数（図においては４組）吊下げら
れており、床には梁33に上記台車22と同一構造の台車34
が一台分のスペースを残して図において３台取付けら
れ、パレット32を吊下げる前後のワイヤー35間を横方向
にスライドしうるようになっている。

本実施例による場合、例えば地下に格納しようとする
ときには、地下の格納スペース上の台車34を横方向にず
らして床に上記格納スペースに対応するスペースを空け
たのち車両を載せたパレット32を地下に降すことによっ
て行う。なお床と地下で二段駐車を行う際には、地下に
はパレット上に、床では台車上に格納される。

地下に複数層格納しようとする場合には、一階の天井
部に大きさの異なるパレットを複数、大きなものを下に
して小さなものは上方に多層に重なるようにして吊下げ
るとともに縦及び横方向に並ぶ各パレットをそれぞれ横
方向にスライドできるようにするとよい。この場合の格
納方法は第４図に示すものと同様にして行われる。

発明の効果 本発明は以上のように、巻取り装置がパレットに設け
られているので、地面や床の有効利用が行え、車両等の
出入りの障害となることがない、巻取り装置を備えたパ
レットを工場生産することができるので、現場ではワイ
ヤー等の一端を固定するための作業（支柱を立設するた
めの作業を要する場合も含めて）を行うだけでよく、現
場で取付けに要する手間を大巾に軽減することができ、
その結果コストを低減させることが可能となる、巻取り
装置及び該装置を駆動するモータはパレットの前方にパ
レットより下方に突出しないようにして設けられている
ので、パレットを地面や床に降ろした場合、パレットが
地面や床に直接接触して安定性があり、傾いたりするよ
うなことがないうえ、地面や床との間の段差が少なく、
車をパレット上に直接入出庫させることができるなどの
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係るパレット昇降機構の斜
視図、第２図は同機構の正面図、第３図は変形態様の正
面図、第４図は一利用例の概略図、第５図は他の利用例
の概略図である。 １、14、23、32……パレット、２……プーリ ５、13、35……ワイヤー、11……支柱 22、34……台車

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車両を載せて昇降するパレットの昇降機構
   において、一端を固定部材に連結してなるパレットを吊
   持するためのチェーン乃至ワイヤーロープと、チェーン
   乃至ワイヤーロープを巻き上げ、或いは巻き取るための
   巻取り装置及び該装置の駆動用モータをパレットの前方
   にパレットより下方に突出しないようにして設けたこと
   を特徴とするパレットの昇降機構。
2. 【請求項２】固定部材は立設される支柱或いは支柱間に
   横架される梁である特許請求の範囲第１項記載のパレッ
   トの昇降機構。
3. 【請求項３】固定部材は建物等の構築物の梁や天井部等
   である特許請求の範囲第１項記載のパレットの昇降機
   構。