JP4383691B2 - 立体駐車設備の構築方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は立体駐車設備の構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3及び図4はエレベータ方式の立体駐車設備の一例を示すもので、この立体駐車設備は、ビル躯体1に形成したシャフト2内に組み込まれ且つそれぞれ車両3が載置される複数のパレット4を収納する構体5と、巻上装置(図示せず)により構体5内を昇降するケージ6とを備えている。
【0003】
構体5は、垂直に立設した複数の支柱7と、水平に延び且つ隣接する支柱7を相互に連結する梁8と、斜めに延び且つ支柱7及び梁8の連結部分に対してその上方に位置している他の梁8の中間部分を連結する斜材9と、車両3を載置したパレット4の幅方向への移動を許容し得る上下関係を保つように支柱7に水平に締結した棚材10とで構成され、構体5内の両側部分に、それぞれパレット4が収納される複数の保管区画11を上下方向に縦列に形成し、構体5内の中央部分に、ケージ6が上下へ移動するための昇降空間12を形成している。
【0004】
ケージ6には、当該ケージ6側方の保管区画11に収納されているパレット4をケージ6内に引き込み、また、ケージ6内のパレット4を当該ケージ6側方の保管区画11へ押し出す移載機構(図示せず)が設けられており、保管区画11とケージ6の間におけるパレット4の授受、及びケージ6の昇降の各動作の組み合わせによって、入庫すべき車両3が載置されているパレット4を、ビル躯体1の入出庫口13より保管区画11へ搬送し、出庫すべき車両3が載置されているパレット4を、保管区画11から入出庫口13へ搬送するようになっている。
【0005】
従来、このような立体駐車設備を構築する際には、図5に示すようにビル躯体1の外方にドラム14を仮設し、当該ドラム14から繰り出したワイヤ15を、シャフト2内の下部に枢支したシーブ16、及びシャフト2の天井スラブ20下面に枢支したシーブ17,18に巻き掛けたうえ垂下させ、ドラム14に対するワイヤ15の繰り出し、巻き取りによりフックブロック19を昇降させて、設備構成部材の揚重作業を行なっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際には、十分な吊り上げ荷重が得られるようにするために、多数のシーブを用いて、天井スラブ20下面とフックブロック19との間でワイヤ15を複数条にしているが、構体5の全高が高い場合には、ワイヤ15が長くなり且つドラム14の直径も大きくなってしまい、ドラム14の設置や撤収などに時間を要する。
【0007】
更に、揚重対象物の吊り位置が、ワイヤ15が垂下するシーブ18の枢支位置になるため、構体5を完全に組み上げるまでには、シーブ18の枢支位置を何度も変えなければならず、揚重作業を効率よく行なうことができない。
【0008】
本発明は上述した実情に鑑みてなしたもので、立体駐車設備の構築に当たって揚重作業を効率よく行なえるようにすることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の立体駐車設備の構築方法では、ビル躯体に形成したシャフト部分の天井スラブを施工する前に、当該シャフト内の最上部に、前後へ移動するガーダと、該ガーダに沿って横行するホイストとを備えた天井クレーンを設け、支柱、梁、及び車両載置用のパレットを支持する棚材を、シャフト内底部から天井クレーンにより吊り上げて、パレットが出し入れ可能な保管区画が上下に並んだ構体をシャフト内に組み立てた後、シャフト内底部に搬入したパレットを天井クレーンにより吊り上げて保管区画のそれぞれに配置することを特徴とする。
【0011】
本発明の立体駐車設備の構築方法においては、シャフトに対するガーダの前後移動、及びガーダに対するホイストの横行の各動作の組み合わせによって、ホイストによる揚重対象物の吊り位置を自由に設定する。
【0012】
また、天井クレーンを、ビル躯体のシャフト部分の天井スラブを施工する前に設置して、クレーンの設置作業を容易とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図示例とともに説明する。
【0014】
図1及び図2は本発明の立体駐車設備の構築方法の実施の形態の一例であり、図中、図4と同一の符号を付したものは、同一物を表している。
【0015】
この構築方法では、ビル躯体1に形成したシャフト2部分の天井スラブ20を施工する前に、当該シャフト2内の最上部に天井クレーン21を架設する。
【0016】
天井クレーン21は、シャフト2の天井スラブ20相当部分の直下に位置するようにシャフト2の左右壁面に支持され且つシャフト2の前後方向へ略水平に延びるランウエイ22と、該ランウエイ22に沿って移動可能なガーダ23と、該ガーダ23に沿ってシャフト2の幅方向へ横行し得るホイスト24とを備えており、該ホイスト24は、ドラム(図示せず)の回転方向に応じてワイヤ25を繰り出し、あるいは巻き取り、フック26を昇降させるように構成されている。
【0017】
立体駐車設備の構築作業を行なう際には、ランウエイ22に沿ってガーダ23を移動させ、あるいは、ガーダ23に沿ってホイスト24を横行させることにより、揚重対象物の吊り位置を設定したうえ、フック26を昇降させて、支柱7、梁8、斜材9、及び車両載置用のパレット4を支持する棚材10などの構成部材を、シャフト2内底部から吊り上げ、また、必要に応じて、ガーダ23やホイスト24を適宜移動させて、前記の構成部材を所定位置に組み付け、これにより、車両載置用のパレット4が出し入れ可能な保管区画11が上下に並んだ構体5をシャフト2内に構築する。
【0018】
更に、天井クレーン21を用いて、シャフト2内底部に搬入したパレット4を吊り上げ、各保管区画11のそれぞれに配置する。
【0019】
このように上述した立体駐車設備の構築方法においては、シャフト2部分の天井スラブ20を施工する前に、天井クレーン21をシャフト2部分の最上部に設置するので、構成部材の揚重作業に用いる天井クレーン21の設置作業を容易に行なうことができる。
【0020】
また、ガーダ23の前後移動、及びガーダ23に対するホイスト24の横行の各動作の組み合わせによって、揚重対象物の吊り位置を自由に設定できるので、構体5の構築作業を効率よく行なうことができる。
【0021】
なお、本発明の立体駐車設備の構築方法は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の立体駐車設備の構築方法によれば、下記のような種々の優れた効果を奏し得る。
【0023】
(1)本発明の立体駐車設備の構築方法においては、シャフトに対するガーダの前後移動、及びガーダに対するホイストの横行の各動作の組み合わせによって、ホイストによる揚重対象物の吊り位置を自由に設定することができるので、構体の構築作業やパレットの設置作業を効率よく行なえる。
【0024】
(2)また、天井クレーンを、ビル躯体のシャフト部分の天井スラブを施工する前に設置するので、クレーンの設置作業を容易に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立体駐車設備の構築方法の実施の形態の一例を示す概念図である。
【図2】図1に関連する天井クレーンの側面図である。
【図3】ビル躯体に形成した立体駐車設備の一例を示す斜視図である。
【図4】図3に関連する立体駐車設備の正面縦断面図である。
【図5】従来の立体駐車設備の構築方法の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 ビル躯体
2 シャフト
4 パレット
5 構体
7 支柱
8 梁
10 棚材
11 保管区画
20 天井スラブ
21 天井クレーン
23 ガーダ
24 ホイスト
Claims (1)
- ビル躯体に形成したシャフト部分の天井スラブを施工する前に、当該シャフト内の最上部に、前後へ移動するガーダと、該ガーダに沿って横行するホイストとを備えた天井クレーンを設け、支柱、梁、及び車両載置用のパレットを支持する棚材を、シャフト内底部から天井クレーンにより吊り上げて、パレットが出し入れ可能な保管区画が上下に並んだ構体をシャフト内に組み立てた後、シャフト内底部に搬入したパレットを天井クレーンにより吊り上げて保管区画のそれぞれに配置する立体駐車設備の構築方法。
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