JPH1061241A - 立体式駐輪設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数台の自転車を立体的に駐輪させる設備で
あって、狭い面積の土地を有効に活用し、多数台の自転
車を効率的に収容することができ、外観が美麗で駅前や
繁華街に設置しても違和感がなく、自転車の入出庫に要
する時間が短い。 【解決手段】 地上から所定間隔をあけ、その底面中心
部に設けられた円筒状脚部２により支持されて立設され
た円形または多角形状の自転車収容庫１と、収容庫１の
中心軸線に沿い、円筒状脚部２の内径とほぼ等しい径の
円形状空間３が形成されるように、収容庫１の側壁内面
に一端が固定され、収容庫１の軸心に向け放射状に設け
られた複数個の自転車保管棚４と、上記円形状空間３内
を、昇降可能且つ旋回可能に設けられたリフト機構６と
からなっており、円筒状脚部２には自転車搬出入口１０
が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、自転車を立体的
に保管するための立体式駐輪設備に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】自転車を駐輪させるための設備として、
一般に、平置き式駐輪設備、２段ラック式駐輪設備およ
び立体式駐輪設備がある。平置き式駐輪設備は、自転車
を地上に並べて平置きするもので、自転車の転倒防止設
備が設けられている。２段ラック式駐輪設備は、平置き
された自転車の上方にも自転車を置けるように、簡易な
棚を設けた設備である。上述した平置き式駐輪設備や２
段ラック式駐輪設備は、広い面積の土地を必要とするた
めに、これらよりも狭い面積で多数台の自転車を駐輪さ
せるために、近年、立体式駐輪設備が各所に建設されて
いる。

【０００３】従来の立体式駐輪設備として、高層の箱型
建屋内に、複数台の自転車を収容する複数基のゴンドラ
を垂直方向に循環可能に設けた垂直循環方式、高層の箱
型建屋内に複数階層の自転車収容室を設け、各自転車収
容室に向けて自転車を運ぶための昇降可能なリフトを配
設した複数階層方式、高層の箱型建屋内に昇降可能なク
レーンを設け、クレーンで垂直に把持した自転車を、建
屋内壁に垂直方向に所定間隔をあけて設けたＬ型フック
に係止し収容するフック係止方式、および、折り畳み可
能な複数段の棚を設け、各棚に自転車を収容する棚方式
等が知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の立体式
駐輪設備には、次のような問題がある。 (1) 何れも地上に建設した箱型の建屋内に複数台の自
転車を複数段に収容する設備であるから、その設置のた
めに広い面積の土地を必要とする。従って、空き地の少
ない都市の駅前等に設置することは困難であって、駅か
ら離れた空き地のある場所に設置しなければならず、そ
のために利用者の不便を招く。また、駅前の地下に設置
しようとすると、多額の設備工事費が必要になる。

【０００５】(2) 自動的に自転車を入出庫させる設備
においては、入出庫のために時間を要し、朝夕のラッシ
ュ時に混雑する。 (3) 箱型の建屋のために外観が悪く、都市の駅前や繁
華街に設置すると違和感が生じ、都市の美観を損なう問
題が生ずる。

【０００６】(4) ゴンドラを使用した垂直循環方式の
場合には、循環時のゴンドラの揺れによって、収容され
ている自転車が倒れ且つ落下する事故の生ずるおそれが
あり、フック係止方式の場合には、自転車の垂直立て起
こし、所定保管位置へのクレーンによる垂直移動、Ｌ型
フックへの係止等、自転車の入出庫機構が複雑であって
故障が生じやすい。

【０００７】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、狭い面積の土地を有効に活用し、多数台の自
転車を効率的に収容することができ、外観が美麗で都市
の駅前や繁華街に設置しても違和感がなく、且つ、自転
車の入出庫に要する時間が短く、入出庫能率が高い立体
式駐輪設備を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明の立体式駐輪設
備は、地上から所定間隔をあけ、その底面中心部に設け
られた円筒状の脚部により支持されて立設された、水平
断面が円形または多角形状の所定高さの自転車収容庫
と、前記収容庫の中心軸線に沿い、前記円筒状脚部の内
径とほぼ等しい径の円形状空間が形成されるように、前
記収容庫の側壁内面に一端が固定され、前記収容庫の軸
心に向けて放射状に複数個設けられた、上下方向に複数
段の自転車保管棚と、前記円筒状脚部内および前記収容
庫の中心軸線に沿った円形状空間内を、昇降可能に且つ
水平面内を旋回可能に設けられたリフト機構とからな
り、前記円筒状脚部には、自転車の搬出入のための出入
口が設けられていることに特徴を有するものである。

【０００９】前記複数個の自転車保管棚の各々は、前記
収容庫の軸心側からその側壁側に向けて下方に傾斜して
いることが好ましい。

【００１０】

【発明の実施の形態】次に、この発明を、図面を参照し
ながら説明する。図１は、この発明の立体式駐輪設備の
第１実施態様を示す概略垂直断面図、図２は、図１のＡ
−Ａ線断面図である。図面に示すように、この発明の設
備は、水平断面がほぼ円形の所定高さの自転車収容庫１
と、収容庫１を地上から所定間隔をあけて支持する、そ
の底面中心部に設けられた、収容庫１よりも小径で１台
の自転車の長さ以上の内径を有する円筒状脚部２と、収
容庫１の円形側壁１ａの内面に一端が固定され、収容庫
１の軸心に向けて放射状に所定間隔をあけ複数個設けら
れた自転車保管棚４とからなっている。自転車保管棚４
は、収容庫１の高さ方向に所定間隔をあけて複数段設け
られており、図示の例の保管棚４は４段からなってい
て、１段当たり１２個の保管棚４が設けられている。

【００１１】１つの自転車保管棚４の長さは、収容庫１
の円形側壁１ａ内面から、収容庫１よりも小径の円筒状
脚部２の取付け端に至る長さにほぼ等しく、その上に１
台の自転車５を収容し得るようになっている。従って、
このような、複数個の自転車保管棚４が、収容庫１の軸
心に向けて放射状に且つ収容庫１の高さ方向に複数段設
けられていることにより、収容庫１には、その中心軸線
に沿い、円筒状脚部２の内径とほぼ等しい径の円形状空
間３が形成されている。

【００１２】自転車保管棚４は、自転車５の前輪および
後輪が挿入され、自転車５を倒れないように支持する断
面Ｕ字型の樋状であって、収容された自転車５の後輪が
当接する図示しないストッパが取り付けられている。な
お、自転車保管棚４は、収容庫１の軸心側からその円形
側壁１ａ側に向けて下方に傾斜していることが好まし
い。

【００１３】なお、上述した複数個の自転車保管棚４
は、収容庫１の中心軸線に沿って円形状空間３が形成さ
れるような、収容庫１の円形側壁１ａ内面に一端が固定
された環状盤上に放射状に設けられていてもよい。ま
た、収容庫１の側壁１ａは、円形状のほか多角形状であ
ってもよい。

【００１４】収容庫１内には、その中心軸線に沿った円
形状空間３および円筒状脚部２内を、昇降可能で且つ水
平面内を旋回可能なリフト機構６が設けられている。リ
フト機構６は、その上に自転車５が載置される昇降台７
と、昇降台７に取り付けられたワイヤロープ８を巻上げ
または巻降ろして昇降台７を昇降させ、且つ、昇降台７
を水平面内において旋回させる機能を有する昇降・旋回
装置９とからなっている。

【００１５】昇降台７には、自転車５の前輪および後輪
が挿入され自転車５を倒れないように支持する断面Ｕ字
型の樋状の自転車ラックが設けられ、また、自転車５を
把持し昇降台７に引き込んで搬入し、また昇降台７から
自転車５を押し出して搬出するための、図示しない自転
車搬出入機構が設けられている。

【００１６】図２に示すように、昇降台７の両端部に
は、ワイヤロープ８の取付け金具１１が設けられ、ワイ
ヤロープ８の一端は取付け金具１１に固定され、その他
端は、昇降・旋回装置９の回転ドラムに固定されてい
る。このような回転ドラムおよびドラム駆動用モータ等
は、歯車機構により別のモータによって回転する円盤上
に取り付けられている。

【００１７】従って、昇降・旋回装置９の回転ドラムか
らワイヤロープ８を介して懸吊されている昇降台７は、
回転ドラムの駆動によって昇降すると共に、上記円盤の
回転によって、水平面内を旋回する。

【００１８】円筒状脚部２には、リフト機構６の昇降台
７に自転車５を搬入し、また、昇降台７から円筒状脚部
２外に自転車５を搬出するための搬出入口１０が設けら
れている。リフト機構６の昇降・旋回装置９による昇降
台７の昇降および旋回は、図示しないコンピュータによ
って自動制御される。

【００１９】自転車５の搬入は、次のようにして行われ
る。即ち、コンピュータによって、自転車を収容し得る
空いてる自転車保管棚４を選択し、自転車５が載置され
た昇降台７を、空いてる自転車保管棚４に位置させるよ
うにリフト機構６を駆動し、昇降・旋回装置９によって
昇降台７を昇降および旋回させる。

【００２０】このようにして、自転車５が載置された昇
降台７を、空いてる自転車保管棚４に位置させた後、図
示しない自転車搬出入機構で自転車５を押し出すことに
より、自転車５は自転車保管棚４に移され、そこに収容
される。なお、各自転車保管棚４毎に予め番号が付され
ており、自転車の所有者には、駐輪時にその自転車を収
容する自転車保管棚４の番号を記した番号札が渡され
る。

【００２１】自転車５の搬出は、次のようにして行われ
る。即ち、その自転車の所有者が提示した番号札に基づ
き、コンピュータによって、搬出すべき自転車５が収容
されている番号の自転車保管棚４に空の昇降台７が位置
するように、リフト機構６を駆動し、昇降・旋回装置９
によって昇降台７を昇降および旋回させる。

【００２２】このようにして、昇降台７を、自転車が保
管されている保管棚４に位置させた後、図示しない自転
車搬出入機構により保管棚４に収容されている自転車５
を把持し、昇降台７に引き込む。次いで、リフト機構６
を駆動し、昇降・旋回装置９によって、昇降台７を円筒
状脚部２の下部に設けられた搬出入口１０の位置まで下
降させた後、図示しない自転車搬出入機構により自転車
５を押し出す。かくして、自転車５は搬出入口１０から
円筒状脚部２外に搬出される。

【００２３】図３は、この発明の立体式駐輪設備の第２
実施態様を示す概略垂直断面図である。第２実施態様の
設備においては、リフト機構６が、円筒状脚部２および
収容庫１の中心軸線に沿って形成された円形状空間３内
に、これらを通して垂直に立設された、ラック機構を有
する案内軸１２と、案内軸１２に噛合するピニオン機構
を有し案内軸１２に沿って昇降する昇降台１３と、昇降
台１３を案内軸１２と共に旋回させるための旋回機構１
３とからなっている点が、第１実施態様の設備と相違す
る。

【００２４】ラック機構を有する垂直な案内軸１２は、
収容庫１および円筒状脚部２の中心軸線から偏位してお
り、その下端には水平な下部取付け板１５が固定され、
そして、その上端には水平な上部取付け板１６が固定さ
れており、下部取付け板１５の下面に取り付けられた下
部軸１７によって、円筒状脚部２の下端面中心軸に軸支
され、そして、上部取付け板１６の上面に取り付けられ
た上部歯車軸１８によって、収容庫１の頂面中心軸に軸
支されている。

【００２５】上部取付け板１６に取り付けられた上部歯
車軸１８は、モータ１９によって駆動する水平歯車２０
に噛合している。従って、モータ１９による水平歯車２
０の回転によって、下部軸１７および上部歯車軸１８を
中心とし、垂直な案内軸１２はこれに噛合する昇降台１
３と共に旋回する。

【００２６】ラック機構を有する案内軸１２に噛合す
る、ピニオン機構を有する昇降台１３には、モータ２１
が設けられており、モータ２１の駆動によって、昇降台
１３は垂直な案内軸１２に沿って昇降する。

【００２７】従って、自転車が載置される昇降台１３
は、垂直な案内軸１２に沿って昇降すると共に、案内軸
１２の上部歯車軸１８に噛合する水平歯車２０の回転に
よって、案内軸１２と共に旋回し、昇降台１３を、自転
車収容庫１内の所望の自転車保管棚４に位置させる。

【００２８】なお、リフト機構６は、上述した構造に限
られるものではなく、円筒状脚部２内および自転車収容
庫１の中心軸線に沿った円形状空間３内を、自転車が載
置される昇降台１３が昇降し且つ水平面内を旋回し得る
機構であれば、どのような構造のものであってもよい。

【００２９】以上述べたように、この発明の立体式駐輪
設備によれば、自転車収容庫１が、地上から所定間隔を
あけて円筒状脚部２によって支持された構造になってい
るので、地上部分の専有面積は、円筒状脚部２の面積だ
けになり大幅に減少する。従って、駅前や繁華街などに
も設置することができ、利用者にとって極めて便利な駐
輪設備になる。

【００３０】また、自転車の入出庫に際しては、自転車
５が載置される昇降台７のリフト機構６が昇降且つ旋回
可能になっているので、入出庫に要する時間を従来より
も大幅に短縮することができる。

【００３１】更に、地上から所定間隔をあけた自転車収
容庫１と、その下部の円筒状脚部２との組合せにより、
設備全体として木のイメージを有する外観になるため、
駅前や繁華街などに設置して違和感が生ぜず、都市の美
観を損なうようなことがなく、その外面を広告塔として
利用することも可能であり、人通りの多い場所における
モニュメントとして、街のシンボル的存在ともなる。

【００３２】

【発明の効果】以上述べたように、この発明の立体式駐
輪設備によれば、狭い面積の土地を有効に活用し、多数
台の自転車を効率的に収容することができ、外観が美麗
で都市の駅前や繁華街に設置しても違和感がなく、且
つ、自転車の入出庫に要する時間が短く、入出庫能率が
高い等、多くの工業上有用な効果がもたらされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の立体式駐輪設備の第１実施態様を示
す概略垂直断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】この発明の立体式駐輪設備の第２実施態様を示
す概略垂直断面図である。

【符号の説明】

１ 自転車収容庫 1a 側壁 ２ 円筒状脚部 ３ 円形状空間 ４ 自転車保管棚 ５ 自転車 ６ リフト機構 ７ 昇降台 ８ ワイヤーロープ ９ 昇降・旋回装置 10 搬出入口 11 ワイヤーロープ取付け金具 12 案内軸 13 昇降台 14 旋回機構 15 下部取付け板 16 上部取付け板 17 下部軸 18 上部歯車軸 19 モータ 20 水平歯車 21 モータ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 地上から所定間隔をあけ、その底面中心
   部に設けられた円筒状の脚部により支持されて立設され
   た、水平断面が円形または多角形状の所定高さの自転車
   収容庫と、 前記収容庫の中心軸線に沿い、前記円筒状脚部の内径と
   ほぼ等しい径の円形状空間が形成されるように、前記収
   容庫の側壁内面に一端が固定され、前記収容庫の軸心に
   向け放射状に複数個設けられた、上下方向に複数段の自
   転車保管棚と、 前記円筒状脚部内および前記収容庫の中心軸線に沿った
   円形状空間内を、昇降可能に且つ水平面内を旋回可能に
   設けられたリフト機構とからなり、前記円筒状脚部に
   は、自転車の搬出入のための出入口が設けられているこ
   とを特徴とする立体式駐輪設備。
2. 【請求項２】 前記複数個の自転車保管棚の各々は、前
   記収容庫の軸心側からその側壁側に向けて下方に傾斜し
   ている、請求項１記載の立体式駐輪設備。