JPH10330956A - 加工かじり性およびアース性に優れる塗装金属板 - Google Patents

加工かじり性およびアース性に優れる塗装金属板

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JPH10330956A
JPH10330956A JP14740297A JP14740297A JPH10330956A JP H10330956 A JPH10330956 A JP H10330956A JP 14740297 A JP14740297 A JP 14740297A JP 14740297 A JP14740297 A JP 14740297A JP H10330956 A JPH10330956 A JP H10330956A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工かじり性およびアース性に優れた塗装金
属板の提供を目的とする。 【解決手段】 表面粗度がJIS−B0601で規定さ
れている中心線平均粗さRaで1.0μm以下である金
属板またはクロメート被覆金属板またはクロメート被覆
めっき金属板の上層に、固形潤滑剤を1〜30%含有す
る有機複合皮膜を有し、該有機複合皮膜は付着量が0.
25〜1g/m2 で、かつ金属板表面に対する被覆面積
率が70〜99%となるように形成されていることを特
徴とする耐食性およびアース性に優れる塗装金属板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に加工かじり性
およびアース性に優れ、家電製品、特に良好なアース性
が要求される電子部品機器等に利用される塗装金属板に
関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、家電用塗装金属板には、加工
かじり性、耐食性、耐指紋性等様々な製品性能が要求さ
れてきた。 例えば家電業界では省工程、省コストの観点
から自工程での塗装を省略できる裸使用の可能な優れた
加工かじり性、耐食性、耐指紋性を有する金属板に対す
る要求がある。これらの性能を満足するために、種々の
検討がなされ、多くの製品が開発されてきた。 その中で
も、めっき金属板上にクロメート処理を施しさらにその
上層に特殊樹脂をベースとした有機複合皮膜を形成させ
た塗装金属板が開発されており、現在、上記性能を満足
する最も有効な金属板として、家電用部品として主流と
なっている。例えば、特公平4−14191号公報には
クロメート被覆めっき鋼板上に、水系有機樹脂に特定の
微細な粒度のコロイドゾルを追加調整した有機複合皮膜
を形成させ、耐食性、耐指紋性の向上を図った有機皮膜
を有した表面処理鋼板の製造方法が開示されている。 ま
た、特開平5−65666号公報には加工かじり性の向
上を目的として、有機複合皮膜中にワックスを添加した
塗料が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、世界的な電子機
器部品の需要増に伴い、塗装金属板自身にも新たな特性
が要求されている。その要求とは、電子機器部品等には
必須である電磁波シールド性であり、この性能を満足さ
せるためには金属板自身に良好なアース性が必要となっ
てくる。従来より開発されてきた塗装金属板に良好なア
ース性を付与させるためにはその金属板最表層に被覆し
てある有機複合皮膜を薄膜にすることが有効な手段であ
る。しかしながら、単純に薄膜化するだけでは、加工か
じり性、耐食性、耐指紋性等の塗装金属板の本来もつ各
性能を確保しつつ、更に良好なアース性を付与すること
は困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
課題を解決するために、鋭意研究の結果、金属板または
クロメート被覆金属板またはクロメート被覆めっき金属
板(以下塗装前原板と略す)の中心線平均粗さ及び塗膜
の付着量を制御することで、塗膜の被覆面積率をコント
ロールし、加工かじり性、耐食性、耐指紋性等の塗装金
属板の本来もつ各性能を確保しつつ、更に良好なアース
性を付与する知見と、その有機複合皮膜中に潤滑剤を添
加することによって、皮膜表面に潤滑性を付与し、加工
かじり性を向上させながら、良好なア−ス性をも付与さ
せ得る知見を見出した。
【0005】すなわち、本発明の要旨とするところは、
表面粗度がJIS−B0601で規定されている中心線
平均粗さRaで1.0μm以下である金属板またはクロ
メート被覆金属板またはクロメート被覆めっき金属板の
上層に、固形潤滑剤を重量%で1〜30%含有する有機
複合皮膜を有し、該有機複合皮膜は付着量が0.25〜
1g/m2 で、かつ金属板表面に対する被覆面積率が7
0〜99%となるように形成されていることを特徴とす
る加工かじり性およびアース性に優れる塗装金属板、で
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】アース性を始め加工かじり性、耐
食性、耐指紋性等各性能は、薄膜の塗装金属板において
は有機複合皮膜の金属板への被覆面積率の影響を大きく
受ける。有機複合皮膜の被覆面積率が大きいほど耐指紋
性、加工かじり性、耐食性等最表層に有機複合皮膜を有
することで担保している各性能は向上するが、その反面
絶縁物である有機複合皮膜が通電を妨害するため、アー
ス性は劣化する。逆に有機複合皮膜の被覆面積率が小さ
いほど、塗膜の非被覆部で得られる通電点が増加し、ア
ース性は向上するが、耐指紋性、加工かじり性、耐食性
等各性能は劣化する。加工かじり性、耐指紋性、耐食性
等の有機複合皮膜被覆めっき金属板の本来もつ各性能を
確保しつつアース性を付与するためには、有機複合皮膜
の付着量と被覆面積率を適当な範囲に制御する必要があ
ることを見出した。
【0007】有機複合被覆の被覆面積率は塗装前原板の
表面粗度等の影響を大きく受ける。特に表面粗度の粗い
塗装前原板を用いると塗装を施した際に、粗度の凹部に
有機複合皮膜が入り込むため、塗膜の被覆面積率は著し
く低くなる。一方、表面粗度の低い塗装前原板を用いる
と塗膜の被覆面積率は高くなる。この知見を元に、有機
複合被覆の乾燥後付着量と、塗膜の被覆面積率の適性範
囲を求め、本発明を完成した。
【0008】本発明のめっき、クロメートがある場合の
塗装金属板の断面を模式的に第1図に示す。下層から金
属板1、めっき2、クロメート3、そして有機複合皮膜
4で構成される。以下、各皮膜ごとに説明する。本発明
が対象とする金属板は、鉄、鉄基合金、アルミニウム、
アルミニウム基合金、銅、銅基合金を包含する。また、
めっき金属板は、亜鉛めっき金属板、亜鉛合金めっき金
属板、アルミニウムおよびアルミニウム合金めっき金属
板を含有し、電気めっき、溶融めっき、蒸着めっき、分
散めっき、及び重ねめっきのいずれかの手法を用いて製
造したものである。特に亜鉛合金めっき金属板は、加工
かじり性、耐食性について優れた性能が得られる。めっ
き量は特に限定する必要が無いが、耐食性を考慮した場
合、5g/m2 以上が望ましい。
【0009】金属板上、および金属板に上記の既存の方
法でめっきを行った後、必要に応じてクロメート処理を
行う。クロメート付着量は特に限定する必要が無いが、
Cr換算で5mg/m2 以下では耐食性が得られにく
く、100mg/m2 以上ではクロメート自身の凝集破
壊が生じ、塗膜密着性が得られないので耐食性および塗
膜密着性を考慮するとCr換算で5〜100mg/m2
が望ましい。クロメート処理の種類は、電解クロメー
ト、エッチングクロメート、塗布クロメート、のいずれ
も本発明に適用できる。特に外観の均一性、上塗り塗膜
の密着性を重視する場合は電解クロメート、耐食性を重
視する場合は塗布クロメートが最適である。
【0010】塗装前の金属板または上記の既存の方法で
製造を行ったクロメート被覆金属板またはクロメート被
覆めっき金属板(塗装前原板)の表面粗度はJIS−B
0601で規定されている中心線平均粗さRaで1.0
μm以下にする必要がある。表面粗度がRaで1.0μ
m超であると、薄膜である塗膜の被覆面積率が低下し、
充分な耐指紋性、耐食性、加工かじり性が得られない場
合がある。
【0011】有機複合皮膜中の樹脂成分としては、特に
限定する必要はないが、アクリル樹脂、オレフィン樹
脂、アクリルオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリオレフィンアイオノマー、および、メ
ラミン樹脂のうち1種類または2種類以上の混合物ある
いは共重合物を用いることができる。コスト面を重視す
る場合はアクリル樹脂、上塗り性を重視する場合はエポ
キシ、ポリエステル樹脂、加工性を重視する場合はウレ
タン樹脂が最適である。顔料としては、特に限定する必
要はないが、SiO2 、Cr2 3 、Fe2 3 、Fe
3 4 、MgO、ZrO2 、SnO2 、Al2 3 、S
2 5 のうち1種類または2種類以上の混合物を用い
ることができる。特に、SiO2 が経済的に最適であ
り、重量比で20%程度含有させると、加工かじり性、
耐食性の向上にも有利である。有機複合皮膜中に固形潤
滑剤を重量%で1〜30%添加する。1%未満では潤滑
性能が不十分であり、30%超では表面特性、特に上塗
り塗料密着性が低下し、さらにア−ス性が劣化する。
【0012】潤滑剤としては、親水性のカルボキシル
基、水酸基を付与した以下の潤滑剤を乳化重合したエマ
ルジョンを用いる。具体的には低密度ポリエチレン(密
度0.9〜0.95、軟化温度90〜120℃)、高密
度ポリエチレン(密度0.95〜1.2、軟化温度10
0〜130℃)、ポリプロピレン(密度0.95〜1.
2、軟化温度150〜190℃)等のポリオレフィン系
ワックス、テフロン系潤滑剤(密度1.0〜1.2、軟
化温度300〜400℃)が望ましい。特に、平均粒子
径は4μm以下の細かい球形のポリエチレンワックスデ
ィスパ−ジョンが最も良好な潤滑性能を発揮する。ポリ
エチレン、ポリプロピレンディスパ−ジョンは、乳化剤
濃度を極力低く5%以下、好ましくは乳化剤を用いるこ
となく水性化したもので、実質的に極性基を持たない分
子量1000〜4000の基材ポリオレフィンとエチレ
ン系不飽和カルボン酸若しくはその無水物、またはカル
ボキシル基含有誘導体を結合成分として含む極性基を有
する、望ましくは酸価が10〜150で分子量が100
0〜4000の変性ポリオレフィンを、融解混合の溶融
状態から水または水溶液に分散させて得られる真球に近
い形状で融点が高い潤滑剤のディスパ−ジョンである。
融解混合後のポリオレフィンワックスの酸価は1〜20
の範囲が好ましい。
【0013】塗膜形成方法は、ロールコート、スプレー
コート、カーテンフローコート、あるいは塗液を塗布後
にエアナイフで付着量を制御する方法などのいずれの方
法を用いても構わない。塗膜形成後、必要に応じて塗膜
を乾燥、硬化させる。乾燥、硬化の条件は、塗料の種類
によって適宜選択する。乾燥、硬化は、公知の方法、た
とえば熱風乾燥炉、誘導加熱炉、近赤外加熱炉、電気
炉、直火炉等で行えばよい。塗料が放射線硬化型の塗料
であれば、放射線炉を用いれば良い。有機複合皮膜は乾
燥後の付着量で0.25〜1g/m2 被覆させる。0.
25g/m2 未満であると、十分な加工かじり性、耐食
性、耐指紋性が得られず、1g/m2 超であると十分な
アース性を得ることができない。
【0014】塗膜被覆面積率は有機複合皮膜を塗装して
ある金属板のCMA(Computer aided
X−ray Micro Analyzer、日本電子
社製)による測定結果から求めた。CMA分析条件は分
析径2μm、照射電流0.05μA、照射時間30ms
ec、加速電圧15kVにて、縦500点×横500点
の250000点分析(1mm角)とし、それぞれの分
析点での塗膜中に含まれる元素Siの検出強度の測定を
行った。塗膜被覆面積率を求める測定元素は、精度上、
感度の良い重元素が望ましい。測定サンプルとシリカ含
有率が同じであり、且つ平均塗装付着量が1.25g/
2 である塗装金属板の250000点平均強度を求
め、その10分の1の値をしきい値とし、それ以上の検
出強度を示している点の数をNとしたとき、塗膜被覆面
積率(%)は以下の計算式より求めることができる。 塗膜皮膜面積率(%)=( N/250000)×100
【0015】塗膜被覆面積率は70%以上にすることが
必要である。70%より小さくなると、塗装金属板に直
接手で触れた場合、指紋跡が目立ち外観を損ない、さら
に耐食性も劣化する。逆にアース性を確保するために
は、塗膜被覆面積率を99%以下にすることが必要であ
る。99%を超えるとアース性が低下し、十分な電磁波
シールド性を得ることができない。
【0016】
【実施例】次に、本発明の実施例を示す。実施例中の浴
成分は不揮発分としての濃度比である。実施例の記号と
内容は表1の通りである。粒径はレーザー光散乱法もし
くは透過電顕から判定したものである。 (実施例1)表面粗度の異なる(クロメート処理後のク
ロメート被覆めっき鋼板のRaが0.6μm、0.8μ
m、1.0μm、1.2μm、になるような)4種類の
冷延鋼板(板厚0.8mm)上に既存の方法でめっき量
20g/m2 の電気めっきを施し、その表面に市販のエ
ッチングクロメート処理を行い、水洗後表2に示す塗料
をロールコーターにて塗布した後、2秒以内にガス直火
炉に入れ到達板温150℃に焼き付け、水令して有機複
合皮膜被覆めっき鋼板を作成した。得られた有機複合皮
膜被覆めっき鋼板について、耐指紋性、耐食性、加工か
じり性、アース性、塗料密着性を評価した。
【0017】
【表1】
【0018】耐指紋性は、実指を各鋼板に3秒間押し付
け、その指紋跡の目立ち具合を評点付けすることで評価
を行った。評点付けには以下の指標を用いた。 指紋跡が全く分からないもの :評点5 指紋跡がほとんど分からないもの :評点4 よく観察して指紋跡が分かるもの :評点3 指紋跡がやや目立つもの :評点2 指紋跡がたいへん目立つもの :評点1 耐指紋性は実用に適用するためには評点3以上が必要で
ある。
【0019】アース性は各塗装金属板のJIS−C25
50に規定されている測定方法で、層間抵抗値(Ω・c
2 /枚)を測定した。実用に適用するためには層間抵
抗値2.5(Ω・cm2 /枚)以下に抑えることが必要
である。耐食性は、平板塩水噴霧腐食試験で白錆の発生
面積率5%発生した時間を測定した。加工かじり性はプ
レス角筒クランクプレスにて評価した。クランクプレス
の条件は、しわ押さえ圧6トンで粗板(0.8×220
×180mm)を65×115mm、高さ50mmに成
形し、粘着テ−プにて側面を剥離し、模造紙に貼り色差
系にて明度(L)を測定し、粘着テ−プを直接模造紙に
貼り付けたブランクの明度(L2 )との差(L2 −L)
をΔL値で示した。塗料密着性は市販のメラミンアルキ
ッド樹脂塗料をドライ付着量で20g/m2 塗布し、熱
風120℃、20分焼き付け、エリクセン試験機で9m
m絞った後のち粘着テープにて剥離し、目視評価(剥離
面積率)した。
【0020】
【表2】
【0021】評価結果を表2に示す。No.1〜3は潤
滑剤の重量比を10、20、30%に変化させた本発明
例で、潤滑剤の含有率が大きいほど加工かじり性は優れ
る傾向にあり、ア−ス性も良好な値を示した。No.3
は潤滑剤の含有率が大きいため、No.1、2と比べて
加工かじり性に優ぐれていた。No.4、5はクロメー
ト付着量を20、80mg/m2 に変化させた本発明例
で、低付着量のNo.4は耐食性がやや低下したものの
十分に実用に耐えるものであった。また、高付着量のN
o.5は耐食性に優れていた。
【0022】No.6〜8は塗膜付着量を0.3、0.
7、1.0g/m2 に変化させた本発明例で、塗膜の付
着量が多いほど、塗膜被覆面積率が大きくなり、加工か
じり性、耐食性は良好であった。No.6は塗膜の付着
量が少ないため、塗膜被覆面積率が低く、アース性に優
れたものとなった。No.7、8は塗膜の付着量が多い
ため、耐食性、加工かじり性共に良好なものとなった。
No.9〜12は潤滑剤の種類を変えた本発明例で、潤
滑剤の種類に関係なく良好な加工かじり性、ア−ス性を
示した。No.13〜15は表面粗度Raで0.6μ
m、1.0μmのクロメート被覆めっき鋼板を原板に用
いて、塗膜付着量を0.3、0.5g/m2 に変化させ
た本発明例で、同付着量ならば表面粗度Raが大きくな
るほど塗膜被覆面積率が低下し、アース性は優れる傾向
となった。
【0023】No.16、17はシリカの重量比を無添
加、40%に変化させた比較例で、潤滑剤が無添加であ
るNo.16は加工かじり性が劣る。No.17は潤滑
剤の含有量が多く、加工かじり性は良好であるが、ア−
ス性、塗料密着性が劣る。No.18〜20は塗装無し
のクロメート被覆めっき鋼板及び塗膜付着量を0.2、
1.2g/m2 に変化させた比較例で、No.19は塗
膜付着量が少ないため、塗膜被覆面積率が小さく、アー
ス性良好であるが、耐指紋性、耐食性、加工かじり性が
劣る。No.20は塗膜付着量が多いため、塗膜被覆面
積率が大きく、耐指紋性、耐食性、加工かじり性は良好
であるが、アース性が劣る。No.18は有機複合皮膜
なしの水準であり、アース性は大変優れているが、耐指
紋性、耐食性、加工かじり性は非常に劣っていた。
【0024】No.21は表面粗度Raで1.2μmの
クロメート被覆めっき鋼板を原板に用いて、塗膜付着量
を0.3g/m2 に変化させた比較例で、低付着量で且
つ表面粗度が粗くなると、塗膜の被覆面積率が低下し、
耐指紋性、耐食性、加工かじり性が劣る。No.22〜
24は樹脂種類を変更させた本発明で、No.22の樹
脂にウレタンエポキシエマルジョンを用いたものは非常
に良好な加工かじり性を示した。いずれも良好な耐指紋
性、耐食性、加工かじり性、アース性を得た。
【0025】(実施例2)板厚0.8mmの冷延鋼板
(クロメート処理後のクロメート被覆めっき鋼板のRa
が0.8μmである)に既存の方法でめっき量20g/
2 の10%Ni−Zn合金めっきを行い、その表面を
クロム酸/硫酸=30/0.3g/l浴中で電流密度1
0A/dm2 、2秒間電解後水洗してCr付着量40m
g/m2 被覆し、表2に示す樹脂の異なる水性塗料をロ
ールコーターにて塗布し、ただちに異なる板温110〜
170℃にて焼き付け、水令して有機複合皮膜被覆めっ
き鋼板を作成した。評価は実施例1に準じて行い、得た
結果を同じく表2に示す。Ni−Zn合金めっきではい
ずれも実施例1と比較して相対的に耐食性が向上した。
【0026】No.25〜28は塗膜付着量を0.3、
0.5、0.7、1.0g/m2 に変化させた本発明例
で、塗膜の付着量が多いほど、塗膜被覆面積率が大きく
なり、耐食性、加工かじり性、アース性共に良好であっ
た。No.29、30は塗膜付着量を0.2、1.2g
/m2 に変化させた比較例で、No.29は塗膜付着量
が少ないため、塗膜被覆面積率が小さく、アース性良好
であるが、耐食性、耐食性、加工かじり性が劣る。N
o.30は塗膜付着量が多いため、塗膜被覆面積率が大
きく、耐指紋性、耐食性、加工かじり性は良好である
が、アース性が劣る。No.31、32は焼き付け温度
を110、170℃に変更させた本発明例で、No.3
1は塗膜密着性等若干が低くなるが、実用可能水準であ
った。No.32は良好な耐指紋性、耐食性、加工かじ
り性、アース性を得た。
【0027】(実施例3)20%Fe−Zn電気亜鉛合
金めっき鋼板(クロメート被覆めっき鋼板のRa0.8
μm、めっき量20g/m2 )に電解クロメート(N
o.33)、溶融亜鉛めっき鋼板(クロメート被覆めっ
き鋼板のRa0.8μm、めっき量40g/m2 )の表
面に市販の塗布クロメートをCr付着量40mg/m2
(No.34)で行い、表2に示すNo.2の条件で有
機複合皮膜被覆めっき鋼板を作成した。評価は実施例1
に準じて行い、得た結果を同じく表2に示す。No.3
3は耐食性、加工かじり性で非常に優れた結果を得た。
No.34は良好な耐指紋性、加工かじり性、アース性
を得た。
【0028】
【発明の効果】以上の結果より表面粗度がJIS−B0
601で規定されている中心線平均粗さRaで1.0μ
m以下である金属板またはクロメート被覆金属板または
クロメート被覆めっき金属板の上層に、固形潤滑剤を1
〜30%含有する有機複合皮膜が0.25〜1g/m2
の付着量で、かつ金属板表面に対する有機複合皮膜の被
覆面積率が70〜99%で被覆されている塗装金属板は
優れた加工かじり性及びア−ス性を有しており、更にま
た良好な耐指紋性、耐食性をも具備している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のめっきがある場合の表面処理金属板の
皮膜の断面図である。
【符号の説明】
1 金属板 2 めっき 3 クロメート 4 有機皮膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C23C 22/82 C23C 22/82

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面粗度がJIS−B0601で規定さ
    れている中心線平均粗さRaで1.0μm以下である金
    属板またはクロメート被覆金属板またはクロメート被覆
    めっき金属板の上層に、固形潤滑剤を重量%で1〜30
    %含有する有機複合皮膜を有し、該有機複合皮膜は付着
    量が0.25〜1g/m2 で、かつ金属板表面に対する
    被覆面積率が70〜99%となるように形成されている
    ことを特徴とする加工かじり性およびアース性に優れる
    塗装金属板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006278653A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Jfe Steel Kk 電磁波シールド部材用鋼板、電磁波シールド部材および電磁波シールド筐体
JP2010143137A (ja) * 2008-12-19 2010-07-01 Furukawa-Sky Aluminum Corp 電子電気機器用プレコート金属板

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JP2006278653A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Jfe Steel Kk 電磁波シールド部材用鋼板、電磁波シールド部材および電磁波シールド筐体
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