JP5042098B2 - 導電性に優れた樹脂塗装金属板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性に優れた樹脂塗装金属板およびその製造方法に関する。
従来、家電、自動車、建材等の分野において、亜鉛系めっき鋼板が広く使用されている。これらの用途に用いられる亜鉛系めっき鋼板には、耐食性、耐指紋性、塗膜密着性などを向上させるため、亜鉛系めっき層表面に、膜厚1μm前後の樹脂系皮膜が設けられている。
ところで、この亜鉛系めっき鋼板が家電用途に用いられる場合には、電子装置の動作安定化やノイズ遮断のために、上記特性に加えて鋼板表面が導電性(アース性)を有することが要求される。しかしながら、樹脂系の皮膜は一般的に絶縁性を有するため、樹脂皮膜の形成により鋼板表面の導電性は低下してしまう。一方、導電性を確保するために、樹脂皮膜の膜厚を極めて薄くしたり、あるいは樹脂皮膜を省略したりすると、耐食性、耐指紋性が不十分となってしまう。また、導電性については、近年の電子部品の小型化・多機能化に伴う複雑な形状の部品の増加や各種機器内におけるスペースの制限から、部品表面との接触のみ、あるいは、弱いバネ接合(軽接触)であっても、十分なアース性が確保できる導電性を備えることが求められている。
上記特性を備えた鋼板を提供すべく種々開発が進められており、例えば、特許文献1には、粗さを特定のRaおよびPPIに制御した鋼板裏面に、Niフィラー含有塗膜を設けた裏面アース性に優れたプレコート鋼板が開示されている。また、特許文献2には、金属材表面の一定面積内に高さ0.5〜30μmの凸部が所定数存在し、かつ、当該凸部が急峻な立ち上がりを有する導電性が良好な金属材が開示されている。
しかしながら、特許文献1の技術では、金属板の導電性は、主に塗膜に含有させるNiフィラーにより確保されるものであるので、かかるNiフィラーの使用が、金属板の耐食性劣化の原因となる虞があり、さらに、コスト高となる傾向がある。また、特許文献2では、導電性が評価されているが、当該導電性はJIS C2550に規定の層間抵抗値や、通電溶接性に基づくものであり、特に、層間抵抗値の測定は2MPa±5%(約204gf/mm2)の圧力で端子を試験片に接触させて測定されるものであるため、軽接触条件(圧力10〜12gf/mm2)における導電性を満足するものではない。
なお、軽接触条件下における導電性の確保を目的とするものとしては特許文献3、4があり、特許文献3では、導電性はめっき原板の表面テクスチャーの影響を受けるとの知見から、所定の表面粗さRaとPPIを有するロールで調質圧延を行うことが提案されている。また、特許文献4では、良好なアース性を確保するため、表面処理亜鉛系めっき鋼板の表面粗さ(算術平均粗さRa、ろ波中心線うねりWca)を適切に制御する旨記載されている。
また、亜鉛系めっき鋼板は、プラズマディスプレイや液晶テレビの背面パネルとしても用いられるが、近年、ますます大画面化が進むこれらの用途においては、より確実に電磁波の漏洩を防ぐ観点から、背面パネルの全域(例えば、42型のディスプレイを備える場合であれば、背面パネルのサイズは、およそ1000mm×700mm)に亘って良好な導電性を備えることが求められている。特許文献5では、かかる高度な電磁波シールド特性への要求を満たすべく、合金化溶融亜鉛めっき層の組成を好適化し、且つ、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面粗さRaおよびめっき層表面に設けられる塗膜厚を適当な範囲に調整することが提案されている。
特開平7−265791号 特開2005−139551号 特開2005−238535号 特開2004−277876号 特開2007−138191号
上記特許文献3には、高PPIのめっき原板を使用することで導電性を良好に出来る旨記載されているものの、実際に特定されているのは圧延ロールの表面粗さ(Ra、Wca)でしかない。ロールの粗度は、当然、圧延される鋼板表面に転写されるが、その転写率には限度があり、鋼板表面が常にロールと同様の粗度を有するわけではない。また、ロール表面のPPIは、カットレベル±0.638μmでカウントされるものであるのに対して、鋼板表面に形成される有機皮膜の膜厚は0.1〜5μmであるため、軽接触下において電気的導通を発揮し得るような凸部が存在しない場合も考えられる。また、特許文献4では、RaとWcaが規定されているが、後述するように、かかるパラメータのみでは、軽接触下において通電点として機能し得るような表面性状であるかどうかを把握することが困難な場合がある。加えて、特許文献3や4で採用されている導電性の評価手法は、軽接触下での導電性を意図したものとはいい難い。
上述のように、樹脂塗装金属板については、これまでも耐食性などの諸特性と共に導電性の確保を目的とした検討が種々重ねられてきたが、近年、さらなる小型化・多機能化が進む電子部品等の用途で要求される軽接触下における導電性を満足できる樹脂塗装金属板は得られていないのが実情である。
また、大型化が進む家電製品等の用途において要求される高度な電磁波シールド性を満足し、面接触による表面抵抗が面内全域に亘って低位に維持される樹脂塗装金属板についても、更なる検討の余地があった。
本発明は上述のような事情に着目してなされたもので、その目的は、圧力10〜12gf/mm2程度の軽接触下でも良好な導電性を安定して発揮し得る樹脂塗装金属板、および、面内全域に亘って面接触による表面抵抗が低位に維持された、大画面ディスプレイ等の用途にも好適な樹脂塗装金属板を提供することである。
上記課題を解決し得た本発明の樹脂塗装金属板とは、金属板の表面に樹脂皮膜が形成された樹脂塗装金属板であって、前記樹脂塗装金属板表面の粗さ曲線Z(x)において、2.54cm(1インチ)あたりの山数(以下、単に「PPI」と言う。ピークカウントレベル2H=2.54μm)が10以上であり、かつ、上記粗さ曲線におけるクルトシス(Rku)が5.0以下であるところに要旨を有するものである(第1の態様の樹脂塗装金属板)。
本発明者らは、1μm程度の樹脂皮膜が設けられた樹脂塗装金属板について、軽接触下における導電性を向上させるべく検討を進めたところ、軽接触下において安定した導電性を確保するためには、樹脂塗装金属板表面に存在する凹凸の個数のみならず、その凹凸部の高低差、形状も大きく影響しているとの知見を得た。そして、この知見に基づき更なる検討を重ねた結果、上記PPI、Rkuの要件を満足する樹脂塗装金属板であれば、軽接触下においても安定した導電性が得られることを見出し、本発明を完成した。
ここで、上記PPIとは、SAE J911 JUN86(アメリカ自動車技術規格)に定められる方法に準じて測定される値で、樹脂塗装金属板表面の粗さ曲線Z(x)において単位長さあたりに存在する、所定の高低差を有する山谷(凹凸部)の個数を示すものであり、樹脂塗装金属板の表面性状を表す一つの指標となる。なお、本発明では、PPI算出時のピークカウントレベル2Hを2.54μmとする。
一方、上記クルトシス(Rku)とは、JIS B0601(ISO 4287:1997)の規定に準じて測定される値であり、樹脂塗装金属板表面の粗さ曲線において単位長さあたりに存在する山(凸部)あるいは谷(凹部)の尖り度の指標となるものである。
本発明に係る樹脂塗装金属板は、前記樹脂塗装金属板表面の樹脂皮膜の平均膜厚Yが1.2μm以下であり、かつ、前記平均膜厚Yと上記PPIとが、下記(I)式の関係を満足するものであるのが好ましい。
Y≦0.003×PPI+0.65 (I)
また、前記樹脂塗装金属板は、樹脂皮膜の平均膜厚が0.3μm以上1.0μm以下であり、樹脂皮膜で被覆された金属板表面の幅方向中心点と当該幅方向中心点から左右端部方向に夫々300mm隔たった前記中心点と同一直線上に存在する2点の合計3箇所で測定された樹脂塗装金属板の粗さ曲線において、2.54cmあたりの山数(PPI、ピークカウントレベル2H=2.54μm)が40以上であり、且つ、上記粗さ曲線におけるクルトシス(Rku)が2.5±0.5であるのが好ましい(第2の態様の樹脂塗装金属板)。
樹脂塗装金属板に設けられた樹脂皮膜の膜厚および任意の3箇所におけるPPI値およびRku値が上述の値を満足する場合には、樹脂塗装金属板面内全域に亘って、面接触による表面抵抗が低位に維持される。
さらに、前記樹脂皮膜が、有機樹脂と無機微粒子を含むものは、本発明の好ましい実施態様である。
本発明の樹脂塗装金属板の製造方法とは、上述の樹脂塗装金属板の製造方法であって、ロール表面の粗さ曲線において、2.54cmあたりの山数(PPI、ピークカウントレベル2H=2.54μm)が100〜300個の圧延ロールを使用し、線荷重に対するユニット張力の比率[ユニット張力/線荷重]を0.030未満として樹脂皮膜が形成される金属板を圧延するところに特徴を有する。
さらに、樹脂塗装金属板を大画面ディスプレイなどの用途など、面内全域においてさらに優れた導電性(表面抵抗が低く安定している)が要求される場合には、上記ユニット張力の比率[ユニット張力/線荷重]を0.028未満として金属板を圧延することが推奨される。
本発明の樹脂塗装金属板は、金属板同士の接合部における接触圧力が小さい場合にも優れた導電性を発揮することができるので、電子機器等の筐体構成部材として有用である。
また、樹脂塗装金属板面内全域に亘って面接触による表面抵抗が低位に維持されるので、大画面ディスプレイなどの用途にも好適に用いられる。
本発明の樹脂塗装金属板とは、金属板の表面に樹脂皮膜が形成された樹脂塗装金属板であって、前記樹脂塗装金属板表面の粗さ曲線Z(x)において、2.54cm(1インチ)あたりの山数(PPI、ピークカウントレベル2H=2.54μm)が10以上であり、かつ、上記粗さ曲線におけるクルトシス(Rku)が5.0以下であるところに特徴を有するものである(第1の態様の樹脂塗装金属板)。尚、粗さ曲線Z(x)は、JIS B 0601の規定に従い、カットオフ値0.8mmで測定して求めた曲線である。
上述のように、PPIは、樹脂塗装金属板の表面性状を指標するものである。なお、PPIとは、SAE規格J911−1986の規定に従って測定される値であり、図1に示すように、粗さ曲線Z(x)の平均線から、正(+)、負(−)の両方向にそれぞれ一定レベルHを設け(正負間の基準レベルの幅=2H)、負の基準レベル(−H、谷部分、図1中a)を超えて正の基準レベル(+H、山部分、図1中b)を超えたときを「1カウント」としたとき、2.54cm(1インチ)当りのカウント数(山−谷カウントの数)をいう。
上記正負間の基準レベルの幅(2H)はピークカウントレベルと呼ばれ、SAE規格においては、2H=50μin.(1.27μm)と定められているが、本発明では、2H=2.54μm(100μin.)を採用する。
従来、樹脂皮膜を有する金属板の導電性に関しては、金属板表面の算術平均粗さRaがその指標として用いられてきた。しかしながら、膜厚1μm程度の樹脂皮膜を有する樹脂塗装金属板に関して、軽接触下における導電性の向上を目的とする場合には、上記算術平均粗さRaよりも、山−谷カウント数(PPI)の方が導電性と高い相関性を示すことが、本発明者らの検討により明らかになった。このPPIが樹脂塗装金属板の導電性と高い相関性を示す理由については、次のように考えられる。
通常、金属板表面には、その製造条件などに由来する凹凸が存在している。一方、一般的な樹脂は絶縁物であるが、金属板表面の凸部に形成される皮膜は、通常、凹部に比べて薄くなるため、当該凸部と端子(アース端子等)との接触により、この凸部が通電点となり電気的導通が生じて導電性が確保されるものと推定される。ここで、上記Ra(算術平均粗さ)は下記式(II)に示される通り、粗さ曲線の絶対値の平均を示す指標であり、金属板表面に存在する凹凸部の個数が直接反映される値ではない。例えば、粗さ曲線を三角波と仮定した場合、振幅が同じであれば、単位長さあたりの波数が1個でも、100個でも、同一の値となる。このとき、前者の場合は、通電点は1個となるため、後者の場合(通電点100個)に比べて、電気的導通がとり難くなるのは容易に想像できる。したがって、上記Raによる場合には、同一の値であっても導電性に異なる傾向が見られる場合があった。これに対して、PPIは、上述のように金属板表面に存在する所定の高低差以上の山−谷の個数を表すものであり、その測定値が通電点を間接的に指標することとなるため、導電性とのより高い相関性が認められるものと考えられる。
また、本発明では、上記PPIのピークカウントレベルとして、上述のSAE規格とは異なる2H=2.54μm(100μin.)を採用している。これまでは、PPIが用いられる場合であってもSAE規格に規定のピークカウントレベル(2H=1.27μm)が採用される場合が多く、異なるピークカウントレベルを採用するとの思想は、導電性の向上を課題とする場合には存在していなかった。しかしながら、本発明者らが検討を進める過程で、膜厚1μm程度の塗装金属板の場合には、ピークカウントレベル2Hを2.54μmとした場合に、その導通性の傾向がより安定に把握できることが明らかとなってきた。その明確な理由は定かではないが、本発明者らは次のように推定している。
金属板表面に樹脂皮膜を形成する場合、一般的には、樹脂組成物溶液を金属板上に塗布し塗膜を形成した後、塗布液の水分や溶剤を蒸発させる乾燥工程を経て皮膜が形成される。この乾燥工程において、皮膜はある程度レベリング(水平化)されるものの、完全には水平にならず、塗膜の表面性状には、下地である金属板の性状(凹凸等)が反映される。なお、本発明者らは実験により、樹脂皮膜形成前後において、算術平均粗さRaが10〜20%減少することを確認している。したがって、例えば、皮膜形成後に2H=1.27μmの高低差の凹凸を有する樹脂塗装金属板を仮定した場合、皮膜形成前の金属板の表面には、2H=1.4〜1.6μmの凹凸が存在していたと考えられる。ここで、金属板表面の凹凸を三角波とし、乾燥工程で塗膜が完全にレベリングすると仮定すると、平均皮膜厚が0.7〜0.8μmもあれば、計算上、皮膜形成前に2H=1.4〜1.6μmで観測される凹凸部は皮膜中に埋まってしまい、皮膜形成後に、理論的には凹凸は全く観測されなくなる。なお、先に述べた通り、実際には、皮膜の表面性状は下地の粗度を反映するため、塗装後に2H=1.27μmの高低差を有する凹凸部が存在するのであるから、当該凸部の皮膜は上記平均皮膜厚に比べれば薄いものの、通電点としての機能を有するような凸部が存在していない場合が多いものと推定される。
尚、これらの知見を踏まえれば、平均膜厚1μm前後の皮膜を形成する場合には、樹脂塗装金属板表面に通電点として機能し得る凸部を形成するためには、計算上、塗装前の金属板には最低2H=2μm以上、皮膜形成後には、2H=1.6〜1.8μmを超える凹凸部が必要と推定される。このような検討の下、生産上の膜厚のばらつき等も考慮し、種々実験を重ねた結果、本発明では、ピークカウントレベルとして2H=2.54μm(100μin.)を採用することとした。
上記PPI値は10以上であり、好ましくは30以上であり、さらに好ましくは40以上である。PPI値が小さすぎる場合には、軽接触下における導電性を確保するため、および、面接触による表面抵抗を低位に維持するための通電点の数が不足する傾向にあるからである。なお、PPI値の上限は特に限定されないが、通常、金属板表面性状は、主に金属板製造時の圧延ロールの表面粗度に由来するため、ロール粗度の低下を防ぎ、ロールの長寿命化を図る観点からは250個以下であるのが好ましい。より好ましくは200個以下である。
また、本発明の樹脂塗装金属板は、上記PPI値に加えて、上記粗さ曲線におけるクルトシス(Rku)が5.0以下を示すものである。本発明者らは、本発明を完成する過程において、PPI値が上記数値範囲を満足していても、導電性が安定しない場合があり、この点に着目して更なる検討を重ねたところ、樹脂塗装金属板表面に存在する凸部の形状も導電性に影響を与えるとの知見を得た。
ここで、上記クルトシス(Rku)とは、JIS B0601(ISO 4287:1997)の規定に準じて測定される値であり、基準長さlrにおける粗さ曲線(山の高さ)Z(x)の四乗平均を(下記式(III))、粗さ曲線の二乗平均平方根粗さRqの四乗(下記式(IV))で割ることで算出される値である。
このクルトシス(Rku)値は、粗さ曲線における確率密度関数の分布の尖り度を表し、Rkuが3のとき、正規分布であることを示す。また、Rku値が大きい程、粗さ曲線を形成するピーク(山又は谷)が尖った形状であることを示しており、Rkuが小さい程、そのピークがなだらかで高さが揃っていることを示す(図2参照)。
すなわち、このクルトシス(Rku)値には、樹脂塗装金属板表面の突出した山又は谷(凹凸部)の存在が反映されており、Rkuが5.0以下であるとは、樹脂塗装金属板表面に存在する凹凸部の山(谷)部の形状が、極端に鋭いものではないことを意味する。
このRkuが導電性の指標として有効である理由は定かではないが、本発明者ら次のように推測している。従来の導電性測定では、比較的接触圧が大きいため、樹脂塗装金属板表面に突出した凸部が存在する場合には、まず、この凸部と端子(アース端子等)とが接触する。このとき、端子の押圧力は突出した凸部に集中するため、これにより当該凸部が潰され、その結果、端子等は、他の凸部(先端が、突出した凸部の下部に存在する)と接触し得るようになり、電気的導通が生じていた。すなわち、従来の導電性測定においては、端子の押圧力が十分に大きいため、表面の粗さ曲線に現れるピークの形状の影響は大きくなかったものと考えられる。
これに対し、軽接触下では、極端に突出した凸部があると、端子と他の凸部(凹部と凸部との高低差が小さく、突出した凸部の下方に先端を有する凸部)との接触が阻害されるため、十分な通電点の確保が困難となり、導電性不良が発生するものと推定される。
また、面接触により電気的導通を図る場合も、端子(一定の表面積を有する)と樹脂塗装金属板表面の凸部との接触により通電点が確保されるものと考えられる。しかしながら、上記凸部が極端に突出している場合には、端子との接触により当該凸部を被覆する皮膜は変形し薄くなるが、変形した皮膜は凸部周囲に堆積し、他の凸部(突出した凸部の下方に先端を有する凸部)と端子との接触の妨げとなり、また、端子のさらなる押し込みを阻害する。したがって、極端に突出した凸部がある場合には、十分な通電点の確保が困難となり、面接触による表面抵抗を低位で安定させることが困難となる。
上記Rku値は3.5以下であるのが好ましい。一方、下限は特に限定されないが、Rku値は2.0以上であるのが好ましい。Rku値が5.0を超える場合には、より尖ったあるいは極端に高い凸部(凹部)が増加し、結果として通電点として機能し得る凸部の数が減少することとなるので、導電性が阻害される傾向があるからである。一方、Rku値が小さすぎる場合には、凸部がなだらかな形状となるため、凸部の樹脂皮膜が厚くなる傾向があり、軽接触条件下において通電点として機能し得なくなる虞がある。
本発明に係る樹脂皮膜は、その平均厚みが1.2μm以下であるのが好ましい。より好ましくは0.1〜1.0μmであり、更に好ましくは0.2〜0.8μmである。樹脂皮膜が厚すぎる場合には、軽接触下における導電性の確保が困難になる傾向がある。一方、薄すぎる場合には、樹脂皮膜を設けることによる効果(耐食性、装飾性、耐指紋性)が得られ難くなる場合がある。
なお、樹脂皮膜の厚みは、実施例に記載の方法の他、次の手法によっても測定することができる。まず、20×20mmの樹脂塗装金属板表面を覆うように金(Au)蒸着を行い、当該樹脂塗装金属板の切断面(端部)が露出するように樹脂に埋め込み、樹脂塗装金属板の切断面(端部断面)を研磨して測定サンプルを調整する。次いで、加速電圧20kV、倍率5000倍でサンプル表層断面のSEM(走査電子顕微鏡)写真を撮影し、写真から樹脂膜厚を測定する。写真撮影は任意の3箇所で行い、膜厚の測定は一つの写真について任意の3箇所で行い、計9箇所の値から算出される値を樹脂の平均膜厚とする。
本発明に係る樹脂塗装金属板においては、当該樹脂塗装金属板に設けられる樹脂皮膜の平均膜厚Yと上記PPIとが、下記式(I)の関係を満足するものであるのが好ましい。
Y≦0.003×PPI+0.65 (I)
上述のように一般的な樹脂は絶縁性を示すものであり、その厚みは、樹脂塗装金属板の導電性に大きな影響を与える。一方、導電性に影響を与える点では、上記PPIも同様であり、これらの2つの相関関係についても検討を重ねたところ、上記関係式を満足する場合に、優れた導電性が安定して得られることが、本発明者らの実験により明らかになった。
導電性に対する要求が高い場合、特に、所定サイズ(700mm以上程度)に裁断された樹脂塗装金属板の面内全域に亘って面接触による表面抵抗を低位に維持したい場合には、上記特徴に変えて、下記特徴を有する樹脂塗装金属板を用いることが推奨される。すなわち、より高い導電性に対する要求を満足し得る本発明の樹脂塗装金属板とは、樹脂皮膜で被覆された金属板表面の幅方向中心点と当該幅方向中心点から左右端部方向に夫々300mm隔たった前記中心点と同一直線上に存在する2点の合計3箇所で測定された樹脂塗装金属板の粗さ曲線において、2.54cmあたりの山数(PPI、ピークカウントレベル2H=2.54μm)が40以上であり、且つ、上記粗さ曲線におけるクルトシス(Rku)が2.5±0.5であるところに特徴を有するものである(第2の態様の樹脂塗装金属板)。
上記PPI値およびRku値を満足するものは、樹脂塗装金属板のどの部分においても面接触による表面抵抗を低位で安定して維持できるため、大画面テレビの背面パネルなどの用途に好適に用いられる。
上記PPI値およびRku値は、上記第1の態様の樹脂塗装鋼板と同様の意義を有するものであるが、第2の態様の樹脂塗装鋼板では、PPI値およびRku値の測定を、上述のように樹脂塗装金属板の中心点、および、当該中心点と同一直線上にあり、且つ、中心点から左右端部方向に所定の距離を隔てた2点の合計3箇所において行う。これは、樹脂塗装金属板表面において表面抵抗のバラツキが小さく、表面全域に亘って、面接触による表面抵抗が一定以下に維持されているものであることを示すためである。また、上記中心点と左右端部の2点とを同一直線上に存在するものとしているのは、通常、圧延処理が施された金属板では、長さ(流れ)方向に比べて、幅方向における特性のバラツキが大きくなる傾向があることによるものである。
なお、各点におけるPPI値およびRku値の測定は、上記中心点あるいは左右端部方向の2点が含まれる領域から試料を採取し、当該試料の任意の位置で行えばよい。詳細な測定方法については実施例において詳述する。
本発明の第2の樹脂塗装鋼板では、上記(I)式の関係によらず、前記樹脂皮膜が形成された樹脂塗装金属板表面の中心点と、前記左右端部の2点の合計3箇所における樹脂皮膜の平均膜厚が0.3μm以上1.0μm以下であるのが好ましい。より好ましくは0.4μm以上0.9μm以下であり、さらに好ましくは0.5μm以上0.8μm以下である。樹脂皮膜の平均膜厚が上記下限に満たない場合には耐食性が低下する傾向があり、一方、上限を超える場合には導電性が得られ難い場合があるからである。勿論、第2の態様の樹脂塗装金属板の場合にも、上記式(I)の樹脂皮膜の平均膜厚Yと上記PPIとの関係式を導電性の目安として採用してもよい。
本発明に係る樹脂塗装金属板に設けられる樹脂皮膜としては、従来、樹脂塗装金属板の樹脂皮膜として用いられているものはいずれも使用できる。具体的には、本発明に係る樹脂皮膜を構成する主成分となるベース樹脂としては、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アミノプラスト系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられ、これらは単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
本発明に係る樹脂皮膜としては、上記ベース樹脂の中でも、ポリエステル系のベース樹脂、あるいは、ポリオレフィン系樹脂のエマルジョン組成物から形成されるものが好ましい。
好ましいポリエステル系樹脂としては、東洋紡績社製の「バイロン(登録商標)」シリーズが、豊富な種類のものを入手することができる点で好適である。ポリエステル樹脂は、メラミン樹脂等で架橋してもよい。メラミン樹脂としては、住友化学社製の「スミマール(登録商標)」シリーズや、三井サイテック社製の「サイメル(登録商標)」シリーズがある。
好ましいエマルジョン組成物としては、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体(中和状態も含む)を主成分とし、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体が有するカルボキシル基1モルに対して0.2〜0.8モル(20〜80モル%)に相当する沸点100℃以下のアミンと、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体が有するカルボキシル基1モルに対して0.02〜0.4モル(2〜40モル%)に相当する1価の金属の化合物とを含むと共に、カルボキシル基と反応し得る官能基を2個以上有する架橋剤をエマルジョン組成物の固形分100質量%に対し0.5〜20質量%含み、沸点100℃超のアミンおよびアンモニアは、実質的に含まないものが好ましい。
なお、上記エマルジョン組成物から得られる樹脂皮膜は、耐食性、塗装性、潤滑性、加工性、アース性等の各種特性に優れるものであり、これらの知見は特開2005−264312号に記載されている。
上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸の共重合体である。公知の高温高圧重合法等で重合することにより、共重合体を得ることができる。共重合体としては、ランダムが最も好ましいが、ブロック共重合体や、不飽和カルボン酸部分がグラフトしたような共重合体でも良い。エチレンの一部に変えてプロピレンまたは1−ブテン等のオレフィン系モノマーを用いてもよく、さらに本発明の目的を阻害しない範囲であれば、他の公知のビニル系モノマーを一部共重合(10質量%程度以下)してもよい。エチレンに対する不飽和カルボン酸の共重合比率は、モノマー全量を100質量%とした時に、不飽和カルボン酸が10〜40質量%であることが好ましい。
上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体はカルボキシル基を有しているので、有機塩基や金属イオンで中和することにより、エマルジョン化(水分散体化)が可能となる。このとき、有機塩基として沸点100℃以下のアミンを用いる。沸点が100℃を超えるアミン類は、樹脂塗膜を乾燥させたときに鋼板上に残存し易く、上塗り皮膜の吸水性が増すため、耐食性の低下を招く虞がある。なお、上記沸点は、大気圧下での沸点を採用する。
沸点100℃以下のアミン(以下、上記アミン類という)の具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N,N−ジメチルアリルアミン、N−メチルピロリジン、テトラメチルジアミノメタン、トリメチルアミン等の3級アミン;N−メチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエチルアミン等の2級アミン;プロピルアミン、t−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、イソブチルアミン、1,2−ジブチルプロピルアミン、3−ペンチルアミン等の1級アミン等が挙げられ、1種または2種以上を混合して使用することができる。これらの中でも3級アミンが好ましく、最も好ましいものはトリエチルアミンである。
上記アミン類の量は、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体中のカルボキシル基1モルに対し、0.2〜0.8モル(20〜80モル%)の範囲とする。この範囲であれば、耐食性が良好だからである。上記アミン類が0.2モルより少ないと、エマルジョン中の樹脂粒子の粒径が大きくなって、上記効果が発揮されないが、0.8モルを超えるとエマルジョン組成物が増粘してゲル化することがあるため、好ましくない。より好ましい上記アミン類の量の上限は0.6モル、さらに好ましくは0.5モルであり、より好ましい上記アミン類の量の下限は0.3モルである。
エマルジョン組成物の調製には、1価の金属イオンも用いられる。耐溶剤性や皮膜硬度の向上に効果的である。1価の金属の化合物としては、ナトリウム、カリウム、リチウムから選ばれる1種または2種以上の金属を含むことが好ましく、これらの金属の水酸化物、炭酸化物または酸化物が好ましい。中でも、NaOH、KOH、LiOH等が好ましく、NaOHが最も性能が良く好ましい。また、2価以上の金属の化合物は添加することによる効果が認められないため、用いない。
この1価の金属の化合物の量は、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体中のカルボキシル基1モルに対して、0.02〜0.4モル(2〜40モル%)の範囲とする。上記金属化合物量が0.02モルより少ないと乳化安定性が不充分となるが、0.4モルを超えると、得られる樹脂皮膜の吸湿性(特にアルカリ性溶液に対して)が増大し、脱脂工程後の耐食性が劣化することがあるため好ましくない。より好ましい金属化合物量の下限は0.03モル、さらに好ましい下限は0.1モルであり、より好ましい金属化合物量の上限は0.3モル、さらに好ましい上限は0.2モルである。
上記アミン類と上記1価の金属化合物のそれぞれの使用量の好ましい範囲は上記したとおりであるが、これらはいずれもエチレン−不飽和カルボン酸共重合体中のカルボキシル基を中和してエマルジョン化するために用いられる。従って、これらの合計量(中和量)が多すぎると、エマルジョン組成物の粘度が急激に上昇して固化することがある上に、過剰なアルカリ分は耐食性劣化の原因となるため、揮発させるために多大なエネルギーが必要となるため好ましくない。しかし、中和量が少なすぎると乳化性に劣るため、やはり好ましくない。従って、上記アミン類と上記1価の金属化合物の合計使用量は、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体中のカルボキシル基1モルに対し、0.3〜1.0モルの範囲とすることが好ましい。
上記アミン類と1価の金属イオンによるエチレン−不飽和カルボン酸共重合体の中和工程(エマルジョン化工程)では、沸点100℃以下のアミンと1価の金属の化合物とを略同時に共重合体へと添加するか、沸点100℃以下のアミンを先に添加することが望ましい。理由は定かではないが、沸点100℃以下のアミンを後添加すると、耐食性の向上効果が不充分となることがあるためである。
上記エマルジョン組成物には、カルボキシル基と反応し得る官能基を2個以上有する架橋剤が配合される。上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体を化学的に架橋させ、皮膜強度の向上を図るためである。架橋剤量は、エマルジョン組成物中の固形分100質量%のうち、1〜20質量%(より好ましくは5〜10質量%)とするのが好ましい。1質量%より少ないと、化学結合による架橋の効果が不充分となり、耐食性の向上効果が発揮されにくい。一方、20質量%を超えて配合すると、樹脂皮膜の架橋密度が過度に高くなりすぎて硬度が上昇し、プレス加工などを施す場合に金属板の変形に追従できなくなることからクラックが発生し、その結果耐食性や塗装性を低下させる場合があるため好ましくない。なお、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体に対する架橋剤量の比率としては、共重合体中のカルボキシル基量に応じて架橋剤量を適宜変更することが望まれるが、通常、共重合体100質量部に対し、架橋剤を0.5〜50質量部(より好ましくは5〜20質量部)とすることが好ましい。
カルボキシル基と反応し得る官能基を1分子中に2個以上有する架橋剤としては特に限定されないが、ソルビトールポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル類や、ポリグリシジルアミン類等のグリシジル基含有架橋剤;4,4’−ビス(エチレンイミンカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トルエンビスアジリジンカルボキシアミド等の2官能アジリジン化合物;トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、トリス〔1−(2−メチル)アジリジニル〕ホスフィンオキサイド、トリメチロールプロパントリス(β−アジリジニルプロピオネート)、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、テトラメチルプロパンテトラアジリジニルプロピオネート等の3官能以上のアジリジン化合物あるいはこれらの誘導体等のアジリジニル基含有架橋剤が好適例として挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を用いることができる。中でも、アジリジニル基含有架橋剤が好ましい。なお、多官能アジリジンと、1官能アジリジン(エチレンイミン等)を併用してもよい。
上記エマルジョン組成物には、ワックスが含まれていてもよい。ワックスが固形分換算で0.5〜20質量%(より好ましくは0.5〜10質量%、さらに好ましくは0.5〜5質量%)の範囲で含まれていると、得られる樹脂皮膜の潤滑性、耐疵付き性、プレス加工や打ち抜き加工の際に必要な深絞り性、打ち抜き性、耐金型摩耗性、加工時における摺動面の耐黒化性が良好となる。ただし、ワックス量が多すぎると、ワックスが軟化・液化あるいはブルーミングして、樹脂皮膜と後塗装の塗膜の界面や表面改質層と樹脂皮膜の界面に濃化するので、脱脂後の耐食性などが劣化するため好ましくない。
ワックスとしては特に限定されず、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の天然ワックス;ポリエチレン等の合成ワックス;これらの混合物等の公知のワックスがいずれも使用可能である。軟化点は、80〜140℃のものを選択することが好ましい。最も好適なワックスは球形ポリエチレンワックスであり、平均粒子径が0.1〜3μm(より好ましくは0.3〜1.0μm)のものが好ましい。潤滑性、打ち抜き性、耐金型摩耗性および深絞り性の顕著な向上を図れるからである。球形ポリエチレンワックスとしては、例えば、「ダイジェットE−17」(互応化学社製)、「KUE−1」、「KUE−5」、「KUE−8」(三洋化成工業社製)、「ケミパール(登録商標)」シリーズ(三井化学社製)の「W−100」、「W−200」、「W−300」、「W−400」、「W−500」、「W−640」、「W−700」等や、「エレポンE−20」(日華化学社製)等のような市販品を好適に用いることができる。
本発明で用いられるエマルジョン組成物は、必須成分であるエチレン−不飽和カルボン酸共重合体、上記アミン類、1価の金属の化合物、アジリジン化合物等の架橋剤、さらに必要に応じて用いられるワックス等を含むものであることが好ましい。エチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、これらの樹脂成分がエマルジョン組成物の固形分の50質量%以上となるように、アジリジン化合物、ワックス等のその他の添加成分量を調整することが望ましい。
上記エマルジョン組成物の調製方法は、まず、必須成分であるエチレン−不飽和カルボン酸共重合体を水性媒体と共に、例えば、ホモジナイザー装置等に投入し、必要により70〜250℃の加熱下とし、上記アミン類と1価の金属の化合物を適宜水溶液等の形態で添加して(上記アミン類を先に添加するか、上記アミン類と1価の金属の化合物とを略同時に添加する)、高剪断力で撹拌する。ワックス、架橋剤等はいずれの段階で添加してもよいが、架橋剤添加後は架橋反応が進行してゲル化しないように、熱を掛けないようにすることが望ましい。
また、上記樹脂皮膜に無機微粒子が含まれているのは本発明の好ましい実施態様である。無機微粒子を含有する場合には、樹脂皮膜が硬くなる傾向があり、アース端子などが樹脂皮膜に接触する際に、無機物付近でミクロなクラックが生じて電気的導通が生じるため、通電点の確保がより容易になるものと考えられる。
好ましい無機微粒子としては、シリカ(二酸化ケイ素)、Caイオン交換シリカ、Al,Ti,Ce,Sb,Zr,Fe,Sn,Mg,Ca,Znなどの酸化物・水酸化物、リン酸、硫酸、硝酸、炭酸等のAl,Mn,Mg,Ca、Ni等の金属塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、バナジン酸塩、リンモリブデン酸塩などが挙げられる。これらの無機微粒子は、レーザー回折法(散乱式)で測定される50%体積平均粒子径が1〜100nmであるのが好ましい。より好ましくは2〜20nmである。上記無機微粒子の量は、樹脂皮膜中5〜80質量%であるのが好ましい。無機微粒子量が少ない場合には、無機微粒子の添加による効果が得られ難い場合があり、一方、多すぎる場合には、皮膜中の樹脂量が相対的に減少するため、皮膜に亀裂が入り易くなる傾向がある。より好ましくは10〜75質量%であり、更に好ましくは20〜70質量%である。
本発明の樹脂塗装金属板の原板としては、アルミニウム板、銅板、冷延鋼板、溶融亜鉛系めっき鋼板、電気亜鉛系めっき鋼板等が挙げられる。中でも、亜鉛系めっき鋼板が好ましく、特に、導電性に加えて、耐食性、外観の美麗さ、寸法精度などが重要視される用途(例えば家電用途等)には、電気亜鉛系めっき鋼板が好適である。
一方、上記電気亜鉛系めっき鋼板としては、亜鉛と鉄族元素(Fe,Co,Ni)とが合金化された電気亜鉛系めっき鋼板が例示できる。成形性を確保するという観点からは、鉄族元素の含有量は、いずれの場合も5〜20質量%程度に制御することが好ましい。
めっきの付着量は、例えば、50g/m2以下とするのが好ましく、より好ましくは40g/m2以下であり、更に好ましくは35g/m2以下である。特に、電気亜鉛めっき鋼板の場合は、通常20g/m2とするのが一般的である。めっき付着量の下限は特に限定されないが、耐食性の面からは、5g/m2であることが好ましく、10g/m2であることがより好ましい。
次に、本発明の樹脂塗装金属板の製造方法について説明する。本発明の樹脂塗装金属板は、樹脂皮膜の原料組成物を調製し、これを金属板に塗布・乾燥する方法を採用するのが好ましい。原料組成物は、マトリックス樹脂、必要により添加される架橋剤等を、水に分散あるいは有機溶剤等で希釈して塗工に適した濃度あるいは粘度にしたものを用いる。有機溶剤としては特に限定されないが、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類;シクロヘキサン等の脂環族炭化水素類;ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素類等;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等が挙げられる。原料組成物の固形分濃度は5〜35質量%程度が好ましい。
上記原料組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、艶消し剤、体質顔料、防錆剤、沈降防止剤、ワックス等、樹脂塗装金属板分野で用いられる各種公知の添加剤を添加してもよい。
上記原料組成物を金属板に塗布する方法は特に限定されず、バーコーター法、ロールコーター法、スプレー法、カーテンフローコーター法等が採用可能である。塗布後には乾燥を行うが、架橋剤を添加する場合には、架橋剤が反応し得る温度で加熱乾燥を行うことが好ましい。具体的には、40〜250℃で、1〜60秒程度加熱乾燥を行うとよい。なお、金属板には、耐食性向上、樹脂皮膜との密着性向上等を目的として、予めクロメート処理やリン酸塩処理等の公知の表面処理(下地処理)を施しておいてもよい。特に、環境汚染等を考慮して、ノンクロメート処理した金属板を使用するのが好ましい。
なお、上記PPI値、Rku値(以下、これらをまとめて単に「表面粗さ特性」という場合がある)を満足する樹脂塗装金属板を得るためには、原板として用いる金属板(鋼板や亜鉛系めっき鋼板)の製造時に、予め表面粗さを調整する方法を採用することが推奨される。特に、電気亜鉛系めっき鋼板を原板として採用する場合、亜鉛めっき層は、鋼板表面の凹凸にほぼ沿うようにして形成されるので、亜鉛めっき層を形成する鋼板の表面粗さ特性を予め調整しておくのが好ましい。
具体的な金属板表面の粗さ特性(PPI、Rku)の調整方法としては、ブラスト加工、放電加工、レーザー加工、エッチング加工等で表面をダル加工した圧延ロールで原板をタンデム、リバース圧延、あるいは、調質圧延する方法、また、原板そのものをブラスト、エッチング加工する方法等が例示できる。中でも、冷間圧延を行った後、焼鈍した金属板を、特定のPPI値を有する圧延ロールを採用して、板厚に応じた条件下で調質圧延する方法を採用するのが好ましい。
上記圧延ロールとしては、ロール表面のPPI値(ピークカウントレベル2H=2.54μm)が100〜300個のものを使用するのが好ましい。より好ましくはPPI値190個以上である。ロール表面のPPI値は、ロール表面に放電加工を施すことによって調整することが好ましい。
また、調質圧延時の条件としては、例えば、金属板(鋼板)の厚みが0.4〜2.0mmである場合には、圧下率0.5〜3%(より好ましくは0.8〜2.5%)、ユニット張力1〜15kgf/mm2(より好ましくは3〜13kgf/mm2)、線荷重100〜650kgf/mm(より好ましくは150〜600kgf/mm)とすることが推奨される。特に、線荷重に対するユニット張力の比率[ユニット張力/線荷重]を0.030未満とすることが推奨される。
上記ユニット張力とは、圧延時に、金属板がその進行方向に引っ張られる力を意味するもので、線荷重とは、ロールにより金属板に加えられる力を意味する。すなわち、上記[ユニット張力/線荷重]<0.030とは、ユニット張力に比べて線荷重が大きい(あるいは、ユニット張力が線荷重に比べて小さい)ことを意味しており、圧延ロールから金属板に加えられる圧力が大きく、一方、金属板の進行方向に働く張力は小さく板厚の変動が少ないため、圧延ロールの表面性状が金属板に転写され易い状況を示しているといえる。特に、高い導電性が要求される場合、例えば、面接触により十分な導電性を得たい場合には、線荷重に対するユニット張力の比率は0.028以下とするのが好ましく、より好ましくは0.025以下である。
調質圧延は、樹脂塗装金属板に用いられる原板を調質圧延機に通すことにより行われる。一般的な調質圧延機は、図5に示すように、いくつかの上側圧延ロールと下側圧延ロールとを備えている。これら圧延ロールは、ロール両端部がスタンドにより支えられており、上側圧延ロールと下側圧延ロールとの間を原板が通過する際に、当該スタンドにおいて、下側圧延ロールに油圧を掛けることによって、圧延時の荷重が調整できるようになっている。また、原板にかかる張力(流れ方向)は、調質圧延機における原板の入り側および出側に設置されたブライドルロールにモーターによって回転速度差をつけて、ブライドルロール間で原板に引っ張り力を加えることにより調整できる。したがって、圧下率、ユニット張力および線荷重は、上記スタンドにおける油圧およびモーターによる引っ張り力をコントロールすることで調整できる。
なお、線荷重は、上記調質圧延機の両側夫々のスタンドにおいて下側圧延ロールに掛けられている荷重を荷重計(ロードセル)により測定し、これらを足し合わせ、原板の幅で除することによって算出される。圧下率は、調質圧延機の入り側において、原板表面に長さ方向に1000mm間隔で2本の罫書き線を入れ、調質圧延機の出側において、当該罫書き間の長さを測定し、得られた値を下記式に代入することによって算出される。
また、ユニット張力は、ブライドルロール間に掛かっている引っ張り力をテンションメーターによって測定し、得られた値を鋼板の断面積で除することによって算出される。
上述のようにして調質圧延された鋼板は、そのまま樹脂皮膜の形成へと供してもよいが、耐食性等の向上を目的として、その表面にめっき層を設けることが好ましい。例えば、電気めっきを行う場合には、調質圧延後の鋼板を、水平に搬送される鋼板が挟めるように上下に設けられた金属製コンダクターロールとゴム製バックアップロールとの組み合わせからなる通電部を備えた水平型電気めっき装置へと通板する。当該水平型電気めっき装置中で、金属板表面にアルカリスクラバー脱脂、電解脱脂、水洗、硫酸酸洗を施した後、金属めっき浴中で陰極電解処理してめっき層を形成する。次いで、表面を水洗した後、ここに樹脂皮膜の原料組成物をロールコーター等で塗布し、ドライヤーで溶剤(水分)を蒸発、乾燥すれば、めっき層の表面に樹脂皮膜を供えた樹脂塗装金属板が得られる。
本発明の樹脂塗装金属板は、上記表面粗さ特性を有するものであり、例えば電子機器の筺体として用いる場合には、この特定の表面粗さ特性を有する面が筺体内側になるようにして用いる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適切に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
実験例1〜30
低炭素Alキルド鋼を、厚み0.5mm,0.8mm,1.0mmとなるように冷間圧延した後、脱脂、洗浄、焼鈍し、表1に示した条件で調質圧延を行った。このとき使用した圧延ロールのPPIも表1に併せて示す。
次いで、調質圧延後の鋼板を、水平型の電気めっき装置に通し、下記の工程で電気亜鉛めっきを行った。亜鉛めっき付着量は表2の通りである。
(i)アルカリスクラバー脱脂工程:3%オルソ珪酸ナトリウム水溶液を用いて、60℃で鋼板表面の脱脂を行った。
(ii)電解脱脂,水洗工程:3%オルソ珪酸ナトリウム水溶液を用いて、60℃、20A/dm2で鋼板表面の電解脱脂を行った後、水洗した。
(iii)酸洗,水洗工程:5%硫酸水溶液を用いて常温で鋼板を酸洗した後、水洗した。
(iv)電気亜鉛めっき,水洗工程:電気亜鉛めっきは、以下のめっき液組成および条件に従って実施し、その後、水洗した。
・めっき液組成:
ZnSO4・7H2O:300〜400g/l
Na2SO4 :50〜100g/l
2SO4 :25〜35g/l
・電流密度 :50〜200A/dm2
・めっき液温度:60℃
・めっき液流速:0.8〜2.4m/sec
得られた亜鉛めっき鋼板の表面に、組成の異なる2種類の皮膜(皮膜A、皮膜B)をそれぞれ形成した。
[皮膜A(有機系皮膜)]
上記電気亜鉛めっき、水洗工程の後、乾燥させた電気亜鉛めっき鋼板に対し、下記組成の処理液Aをバーコート法にて塗布し、焼き付けた。焼き付け後の皮膜Aの平均膜厚を表2に示す。このとき用いた処理液Aの組成、焼き付け条件を以下に示す(樹脂種類:A)。
・処理液Aの調製:ポリエステル系樹脂(「バイロン(登録商標)245」;東洋紡績株式会社製;樹脂の固形分は100質量%)に対し、20質量%のメラミン系架橋剤(「スミマール(登録商標)M−40ST」;住友化学株式会社製)を添加し、これをキシレンとシクロヘキサノンの混合溶剤(1:1(質量比))で希釈して、処理液Aを調整した。得られた処理液Aの固形分は10質量%であった。
・焼き付け条件:得られた処理液Aを、電気亜鉛めっき、水洗工程を経て乾燥させた鋼板表面にバーコート法により塗布した後、熱風乾燥炉の在炉時間50秒、到達板温230℃の条件下で乾燥し、鋼板上に皮膜Aを形成した(No.1〜2)。
[皮膜B(有機無機複合皮膜)]
電気亜鉛めっき、水洗工程後の鋼板に、処理液B(エマルジョン組成物)をロールコート法にて塗布した後、水分を蒸発させ、塗膜を乾燥させた。乾燥後の平均皮膜厚を表2に示す。なお、処理液Bは以下のようにして調製し、皮膜の乾燥は以下の条件に従って行った。
・処理液Bの調製:オートクレーブに、水626質量部(以下、単に「部」とする)と、エチレン−アクリル酸共重合体(アクリル酸20質量%、メルトインデックス(MI)300)160部とを加え、上記エチレン−アクリル酸共重合体中のカルボキシル基1モルに対して、40モル%のトリエチルアミンと、15モル%のNaOHを添加して、150℃、0.5MPaの雰囲気下で高速攪拌し、エチレン−アクリル酸共重合体のエマルジョンを得た。次いで、このエマルジョンに、架橋剤として4,4’−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン(「ケミタイト(登録商標)DZ−22E」;株式会社日本触媒製)を固形分で5質量%(エマルジョン組成物の固形分を100質量%とする、以下同様。)と、グリシジル基含有化合物(「エピクロン(登録商標)CR5L」(以下、「CR5L」と略す);大日本インキ化学工業株式会社製)を固形分で5質量%、粒子径10〜20nmのシリカ粒子(「スノーテックス40」;日産化学工業社株式会社製)を固形分で30質量%、軟化点120℃,平均粒径1μmの球形ポリエチレンワックス(「ケミパール(登録商標)W−700」;三井化学株式会社製)を固形分で5質量%となる様に配合して攪拌し、エマルジョン組成物(処理液B)を調整した。得られたエマルジョン組成物の固形分は15質量%であった。
・乾燥条件:得られたエマルジョン組成物を、電気亜鉛めっき、水洗工程後の鋼板にロールコート法により塗布した後、風温200℃、風速53m/sec、乾燥時間1〜2秒、の条件で乾燥し、鋼板上に、有機無機複合皮膜を形成した(No.3〜30)。
得られた樹脂塗装金属板各供試材を、以下の評価方法に従って評価し、結果を表2に示した。また、膜厚、PPI値と、樹脂塗装金属板の導電性との関係を図3に示す。なお、図3中、△はNo.1〜2、●はNo.3〜18、▲はNo.19〜25、×はNo.26〜30の結果を示している。
[評価方法]
(1)PPI
PPIは、SAE(Society of Automotive engineers)J911−1986に準拠して測定した。なお、ピークカウントレベル2H=2.54μmとした。測定には、表面粗さ形状測定器(「サーフコム1400A-3DF」;株式会社東京精密製)を用いた。なお、調質圧延時に使用したロール表面のPPI測定には、小型表面粗さ測定器(「サーフテスト SJ−301」;株式会社ミツトヨ製)を用いた。測定は、カットオフ値0.8mm、触針先端半径R:2μm(触針部分を球とみなす)、測定長さ:25.4mm(ロールの場合は、測定長さを4mmとし、得られた値を、測定長さ25.4mmとした場合の値に換算した。)の条件で行った。なお、測定場所は、樹脂塗装金属板表面の同一方向に2箇所、当該方向と垂直な方向に2箇所(ロールの場合は幅方向のみ)とし、その平均値を算出し、皮膜表面、あるいは、ロール表面のPPIとした。
(2)クルトシス(Rku)
クルトシス(Rku)は、JIS B0601(ISO 4287:1997)の規定に従って測定した。測定装置としては、PPIの測定と同様、表面粗さ形状測定機(「サーフコム1400A-3DF」、株式会社東京精密製)を用いた。測定条件は、カットオフ値0.8mm、触針先端半径R:2μm(触針部分を球と見なす)、測定長さ:25.4mmとした。また、測定場所は、同一方向に2箇所、当該方向と垂直な方向に2箇所とし、その平均値を算出し、皮膜表面のRkuとした。尚、クルトシスは、有機樹脂皮膜鋼板についてのみ測定を行った。
(3)亜鉛付着量
蛍光X線分析装置(「MXF-2100」;株式会社島津製作所製)を用い、金属板上の亜鉛付着量を測定した。亜鉛付着量の測定にあたっては、予め、亜鉛量と蛍光X線強度との関係を表す検量線を作成しておき、この検量線に基づき、亜鉛付着量を決定した。
(4)樹脂皮膜の平均厚さ
(4−1)皮膜Aについては、皮膜Aを溶剤(N−メチル−2−ピロリドン)で膨潤させて鋼板表面から除去し、皮膜A除去前後の鋼板の質量差と皮膜の剥離面積から樹脂付着量を算出し、これを樹脂Aの比重で除して得られた値を平均厚さt(μm)とした。
(4−2)皮膜Bについては、皮膜B中に含まれるシリカ粒子(二酸化ケイ素)に由来するSi量を蛍光X線分析法により測定した。蛍光X線分析装置としては、株式会社島津製作所製の「MXF−2100」を用いた。Si量の測定にあたっては、予め、Si量と蛍光X線強度との関係を表す検量線を作成しておき、この検量線に基づいて皮膜中のSi含有量を決定した。得られたSi含有量(蛍光X線値)の値を基に、比重換算を行って皮膜Bの質量を算出し、平均厚さt(μm)を求めた。具体的な換算方法は、以下の通りである。
[Si/SiO2]=28/60
SiO2の質量比率=0.3
(5)導電性
テスター(株式会社カスタム製、「マルチテスター CX−250」)を用い、以下の手順にしたがって、樹脂塗装金属板表面の抵抗を測定した。測定は、図4に示す様に、2本の端子を樹脂皮膜との角度が45°になるように保ち、平均速度10mm/秒で、試験片の長さ方向に約30mmスライドさせた。測定時の圧力は、端子の自重(7g、圧力:約11gf/mm2)のみの軽接触下で行った。測定開始から1秒以上経過して測定値(抵抗値)が安定したところで、抵抗値を読み取った。この操作を、測定場所を変えて合計5回行い、その平均値を抵抗値とした。抵抗値が50Ω以下の場合を優、100Ω以下を良、200Ω以下を可、200Ωを超える場合を不良として評価した。
表2より、No.1〜25の樹脂塗装金属板は、いずれもPPI値が10以上で、クルトシス(Rku)が5以下であり、良好な導電性を示していることが分かる。中でも、樹脂皮膜の平均膜厚YとPPI値とが、(I)式(Y≦0.003×PPI+0.65)の関係を満足し、かつ、樹脂皮膜が、有機樹脂と無機微粒子を含む場合には、特に良好な導電性が得られ易いことが分かる。
これに対して、No.26〜28の樹脂塗装金属板は、Rkuが5を超えており、樹脂塗装金属板表面に凸部は存在するものの、導電性に寄与し得るような形状ではないため、導電性が得られていないものと考えられる。No.29および30の例は、Rku値から、凸部の形状は導電性に寄与し得るものと考えられるが、凸部の個数が少ないため(PPI値が10未満)、通電点が少なく、良好な導電性が得られなかったものと考えられる。
また、表1より、ユニット張力/線荷重を0.030未満とすることにより、好ましいPPI値、Rku値を有する樹脂塗装金属板が得られることが分かる。
実験例31〜49
低炭素Alキルド鋼を、幅が1200mm、厚みが0.5mm,0.8mm,1.0mmとなるように冷間圧延した後、脱脂、洗浄、焼鈍し、表3に示した条件で調質圧延を行った。このとき使用した圧延ロールのPPIも表3に併せて示す。
なお、調質圧延は、上記幅および厚みを有する鋼板を、上側2段、下側2段の合計4段のロールを備えた調質圧延機に通すことにより行った(図5参照)。圧延時に、調質圧延機に備えられたロールを両側から支えるスタンドにおいて、下側ロールに油圧を掛けることによってロールにより鋼板にかかる線荷重を調整した。
圧下率は、調質圧延機の入り側において、鋼板表面に長さ方向1000mm間隔で2本の罫書き線を入れ、出側において同罫書き間の長さを測定し、以下の式より算出した。
張力は、調質圧延機の入り側、出側に設置されたブライドルロール間に、モーターにて引張力を加えることによって調整した。ユニット張力は、ブライドルロールに掛かっている引っ張り力をテンションメーターにて測定し、鋼板の断面積で除することによって算出した。
次いで、上記実験例1〜30と同様の条件で、調質圧延後の鋼板に電気亜鉛めっきを施した(亜鉛めっきの付着量:20g/m2)。
得られた亜鉛めっき鋼板の表面に、上記処理液Bをロールコート法にて塗布した後、水分を蒸発させ、塗膜を乾燥させて、有機無機複合皮膜を有する樹脂塗装鋼板を得た(No.31〜49)。乾燥後の平均膜厚を表4および5に示す。なお、処理液Bの調製および皮膜の乾燥条件は実験例3〜30と同様の条件を採用した。
得られた有機無機複合皮膜を有する樹脂塗装鋼板のコイルから、1200mm(幅方向)×500mm(長さ方向)の大板サンプルを採取し、さらに、幅方向中心部および、当該中心部から左右端部方向に夫々300mm隔たった中心部と同一線上に存在する2点の合計3箇所から50mm(幅)×120mm(長さ)のサンプルを採取し、上記評価方法に従って、PPI,クルトシス、亜鉛付着量および樹脂皮膜の平均厚さ(4−2)を評価した。なお、表面抵抗および耐食性の評価は下記評価方法に従って行った。
(6)表面抵抗
低抵抗率計(ロレスタEP[MCP-T360]、ESPプローブ(4端子4探針方式、電極(プローブ)直径:2mm(電極先端は平面)、電極間隔:5mm);三菱化学社製)を用い、各サンプル内で場所を変えて5回(5箇所)表面抵抗を測定し、最も大きな測定値を代表値として、以下の基準で評価した。
◎(優):1mΩ以下
○(良):1mΩ超、50mΩ以下
×(不良):50mΩ超
(7)耐食性の評価
50mm×120mmのサンプルを採取し、裏面と端部をテープにてシールし、JISZ 2371に準拠して塩水噴霧試験を実施し、試験時間168時間における白錆発生率を観察、算出し、以下の基準で評価した。
◎(良):1%以下
○(可):1%超、5%以下
×(不良):5%超
なお、表4、表5中、L,C,Rは、樹脂塗装鋼板の左側端部(L)、中心部(C)、右側端部(R)から採取したサンプルであることを示す。
表4より、No.31〜41の樹脂塗装金属板は、測定サンプルのいずれの箇所においてもPPI値が40以上で、クルトシス(Rku)が2.5±0.5の範囲内であり、樹脂塗装金属板面内全域に亘って、面接触による表面抵抗が低位に維持されていることが分かる。
これに対して、No.42の樹脂塗装金属板は、表面に凸部を有するものの、面内において部分的に膜厚の上限を越える箇所があったため(No.42−LおよびR)、面内において低位で安定した面接触による表面抵抗が得られなかった。No.43の樹脂塗装金属板は、樹脂塗装金属板面内における表面抵抗は低く安定しているものの、樹脂皮膜の膜厚が薄く、耐食性に劣るものであった。No.44〜49の樹脂塗装金属板は、PPI値が40未満の箇所があり、樹脂塗装金属板表面の凸部の個数が少なく通電点が少ないか、あるいは、Rku値が3を超える箇所があり、樹脂塗装金属板表面に凸部は存在するものの、面接触させた場合に導電性に寄与し得るような形状ではないため、樹脂塗装金属板の面内全域に亘って低位で安定した面接触による表面抵抗が得られなかったものと考えられる。
また、表3より、ユニット張力/線荷重を0.028未満とすることにより、好ましいPPI値、Rku値を有する樹脂塗装金属板が得られることが分かる。
本発明の樹脂塗装金属板は、圧力10〜12gf/mm2程度の軽接触条件下でも優れた導電性を示し、さらには、大板全域に亘り、面接触による表面抵抗が低位で安定しているため、電子機器、電気機器、光学機器の筐体や、家電製品の構成素材(特に大画面ディスプレーの背面パネル)として好適に用いられる。
PPIの概念を説明するための図である。 Rkuの概念を説明するための図である。 実施例の結果に基づいて、膜厚とPPI値と、樹脂塗装金属板の導電性との関係を示す図である。 実施例で採用した導電性試験の方法を示す図である。 本発明に係る金属板の製造方法を示す図である。

Claims (6)

  1. 金属板の表面に樹脂皮膜が形成された樹脂塗装金属板であって、
    前記樹脂塗装金属板の粗さ曲線において、2.54cmあたりの山数(PPI、ピークカウントレベル2H=2.54μm)が10以上であり、かつ、
    上記粗さ曲線におけるクルトシス(Rku)が5.0以下であることを特徴とする導電性に優れた樹脂塗装金属板。
  2. 前記樹脂塗装金属板表面の樹脂皮膜の平均膜厚Yが1.2μm以下であり、かつ、前記平均膜厚Yと前記PPIとが、下記(I)式の関係を満足する請求項1に記載の樹脂塗装金属板。
    Y≦0.003×PPI+0.65 (I)
  3. 金属板の表面に樹脂皮膜が形成された樹脂塗装金属板であって、
    前記樹脂皮膜の平均膜厚が0.3μm以上1.0μm以下であり、
    前記樹脂皮膜で被覆された金属板表面の幅方向中心点と当該幅方向中心点から左右端部方向に夫々300mm隔たった前記中心点と同一直線上に存在する2点の合計3箇所で測定された樹脂塗装金属板の粗さ曲線において、2.54cmあたりの山数(PPI、ピークカウントレベル2H=2.54μm)が40以上であり、且つ、
    上記粗さ曲線におけるクルトシス(Rku)が2.5±0.5である請求項1に記載の樹脂塗装金属板。
  4. 前記樹脂皮膜が、有機樹脂と無機微粒子を含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂塗装金属板。
  5. 請求項1、2または4のいずれかに記載の樹脂塗装金属板の製造方法であって、
    ロール表面の粗さ曲線において、2.54cmあたりの山数(PPI、ピークカウントレベル2H=2.54μm)が100〜300個の圧延ロールを使用し、
    線荷重に対するユニット張力の比率[ユニット張力/線荷重]を0.030未満として樹脂皮膜が形成される金属板を圧延することを特徴とする樹脂塗装金属板の製造方法。
  6. 請求項3または4に記載の樹脂塗装金属板の製造方法であって、
    ロール表面の粗さ曲線において、2.54cmあたりの山数(PPI、ピークカウントレベル2H=2.54μm)が100〜300個の圧延ロールを使用し、
    線荷重に対するユニット張力の比率[ユニット張力/線荷重]を0.028未満として樹脂皮膜が形成される金属板を圧延することを特徴とする樹脂塗装金属板の製造方法。
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