JP6419030B2 - 流路部材およびこれを用いた熱交換器ならびに半導体製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、流路部材およびこれを用いた熱交換器ならびに半導体製造装置に関する。
各種製造装置における冷却または加熱システム等には、内部に流体を流す流路が設けられた流路部材が用いられている。そして、流路部材の流路に低温または高温の流体を流すことにより、流路部材へ載置する物や流路部材の外側にあたる外気等の被処理体と流路に流す流体とで熱交換が行なわれ、被処理体を冷却または加熱することができる。例えば、被処理体がウェハである場合には、流路に低温の液体を流すことにより、ウェハと低温の液体とで熱交換が行なわれることでウェハを冷却することができる。
そして、この流路部材の材質としては、腐食性の高いガス環境下での使用や、流路に流す流体として腐食性の高いガスまたは流体の使用が可能という観点から、高い耐腐食性を有するとともに、耐久性や絶縁性に優れたセラミックスが用いられている。
例えば、特許文献1には、冷媒を通す流路が形成された第1のセラミックスの基材と、前記第1のセラミックスの基材の基板が載置される側の主面及び側面に形成された第1の導電層と、前記第1の導電層上に積層され、載置された基板を静電吸着する静電チャックと、を有する載置台を備える基板処理装置が開示されている。
特開2014−160790号公報
近年では、被処理体を効率良く冷却または加熱することができるように、流路部材の流路を形成する壁のうち、最も熱交換効率が求められる部位にあたる壁の厚みを薄くすることで、被処理体と流路に流れる流体との距離を近づけて、熱交換効率を向上させる構成が採用されている。しかしながら、流路を形成する壁の厚みが薄いと、流路を流れる流体による圧力(以下、内圧と記載する。)の影響が大きくなり、この内圧によって流路に面する壁の内面には圧縮応力が働き、内面に対応する壁の外面には引張応力が働くこととなる。そして、セラミックスは、圧縮応力よりも引張応力に対する強度が弱いため、内圧が掛かった際に壁の外面にマイクロクラックが発生し、掛かり続ける内圧によって、発生したマイクロクラックが壁の外面から内面に伸展すれば亀裂となり、流体が漏れたり破損したりしてしまうこととなることから、今般の流路部材には、優れた熱交換効率を有しつつ、長期間に亘る使用に耐えうることが求められている。
よって、本発明は、優れた熱交換効率を有しつつ、長期間に亘る使用に耐えることができる流路部材およびこれを用いた熱交換器ならびに半導体製造装置を提供することを目的とする。
本発明の流路部材は、セラミックスからなり、内部に流路を有する流路部材であって、前記流路を形成する壁のうち最も厚みの薄い第1の壁の対応する外面における第1領域と内面における第2領域とにおいて、前記第1領域における粗さ曲線から求められるピークカウントをPc1、前記第2領域における粗さ曲線から求められるピークカウントをPc
2としたとき、Pc1よりPc2が大きいことを特徴とする。
また、本発明の熱交換器は、上記の流路部材に、金属部材を備えていることを特徴とする。
また、本発明の半導体製造装置は、上記の流路部材に、電極を備えていることを特徴とする。
本発明の流路部材は、優れた熱交換効率を有しつつ、長期間の使用に耐えうることができる。
また、本発明の熱交換器は、金属部材を介して被処理体と流体との熱の伝達を効率良く行なうことができるため、より優れた熱交換効率を有する。
また、本発明の半導体製造装置は、被処理体の温度を一定に保持できるため、精度の高い加工や処理を行なうことができる。
本実施形態の流路部材の一例を示す、(a)は外観斜視図であり、(b)は(a)におけるII−II線にて切断した断面図である。 本実施形態の流路部材の流路の例として、流体が流れる方向に対して水平な断面を示す断面図であり、(a)は蛇行状の流路、(b)はスパイラル状の流路である。 本実施形態の流路部材を備える半導体製造装置の一例を示す概略図である。
以下に本実施形態の流路部材およびこれを用いた熱交換器ならびに半導体製造装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面において同様な構成および機能を有する部分については、同じ符号を付して説明する。また、図面は模式的に示したものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。さらに、図1(a)には、図面視左右方向をX方向とする右手系のXYZ座標系を付している。
まず、本実施形態の流路部材の一例について、図1を参照しながら説明する。
本実施形態の流路部材10は、セラミックスからなり、内部に流体が流れる流路3を有しており、流路3を形成する壁のうち最も厚みの薄い第1の壁7の対応する外面1における第1領域と内面2における第2領域とにおいて、第1領域における粗さ曲線から求められるピークカウントをPc1、第2領域における粗さ曲線から求められるピークカウントをPc2としたとき、Pc1よりPc2が大きい。なお、図1(a)においては、流体の出入口となる流入口および流出口を図示していないが、それぞれ少なくとも一つを有するものである。
ここで、流路3を形成する壁のうち最も厚みが薄い第1の壁7とは、図1(b)に示すような流路部材10の断面を切り出し、各壁において少なくとも5ヵ所以上の厚みを測定して、各壁の厚みの平均値を算出して比較した際に、厚みの平均値が最も小さい壁のことである。
そして、第1の壁7において、流路3に面しているのが内面2であり、内面2に対応する領域が外面1である。ここで、内面2に対応する領域とは、図1(b)に示すような断
面において、内面2の両端部の鉛直線上に挟まれた領域のことである。また、外面1における第1領域と内面2における第2領域とは、平面透過したときに重なり合う領域であって、図1(b)に示すような断面においては、互いの端部が鉛直線で結ばれる関係にあるものである。そして、このような関係を満たしていることを、「対応する」と表している。
また、粗さ曲線から求められるピークカウントとは、粗さの平均高さを中心線とした際に、中心線に対して山および谷となる部分の単位長さ(10mm)当たりに存在する個数を示す指標である。
そして、本実施形態の流路部材10は、Pc1よりPc2が大きいことから、第1領域における谷底形状は緩やかなものであるため、流路3を流れる流体による内圧によって引張応力の働く第1領域にマイクロクラックが発生しにくい。また、第2領域においては、谷が多いという表面性状から、掛かる圧縮応力を緩和することができるため、第2領域にマイクロクラックが発生しにくい。このように、本実施形態の流路部材10は、第1領域および第2領域においてマイクロクラックの発生が抑制されているものであることから、第1の壁7を貫通する亀裂は生じにくいため、優れた熱交換効率を有しつつ、長期間の使用に耐えうるものとなる。
ここで、第1領域および第2領域における粗さ曲線から求められるピークカウントは、接触型の表面粗さ計を用い、JIS B 0601(2001)に準拠して測定することにより求めることができる。測定条件としては、例えば、測定長さを4mm、カットオフ値を0.25mmとし、触針半径を2μmとして触針の走査速度を0.25mm/秒に設定して測定すればよい。そして、第1領域および第2領域において、測定方向を揃えてそれぞれ少なくとも3ヵ所測定し、この平均値をピークカウントPc1およびPc2とすればよい。
また、本実施形態の流路部材10は、ピークカウントPc2が、50以上200以下であることが好ましい。このような構成であれば、圧縮応力を緩和することができるとともに、マイクロクラックの発生をさらに抑制することができる。
また、本実施形態の流路部材10は、第1領域における粗さ曲線から求められるクルトシスRkuが2.2以上3.8以下であることが好ましい。なお、粗さ曲線から求められるクルトシスRkuとは、表面の鋭さの尺度である尖度を表す指標である。そして、クルトシスRkuが3であるならば、表面における山となる部分および谷となる部分の尖度は正規分布の状態であることを示す。一方、クルトシスRkuが3よりも大きくなれば、山となる部分および谷となる部分の頂点近傍はより尖った形状となり、クルトシスRkuが3よりも小さくなれば、山となる部分および谷となる部分の頂点近傍はより潰れたような形状となる。
よって、第1領域における粗さ曲線から求められるクルトシスRkuが2.2以上3.8以下であるならば、第1領域における谷となる部分の尖度は略正規分布の状態となるので、第1領域に働く引張応力を緩和することができるとともに、第1領域における谷となる部分でのマイクロクラックの発生をさらに抑制することができる。
また、本実施形態の流路部材10は、第2領域における粗さ曲線から求められるクルトシスRkuが4以上であることが好ましい。このような構成であれば、第2領域における谷となる部分の頂点近傍がより尖った形状となるので、谷となる部分の幅が狭くなり、第2領域に働く圧縮応力を緩和することができ、第2領域における谷となる部分でのマイクロクラックの発生をさらに抑制することができる。
ここで、第1領域および第2領域における粗さ曲線から求められるクルトシスRkuは、上述したピークカウントと同様の測定器および測定条件で測定することにより求めることができる。
また、流路部材10を構成するセラミックスとしては、アルミナ質焼結体、ジルコニア質焼結体、窒化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、炭化珪素質焼結体、コージェライト質焼結体またはこれらの複合物等を用いることができる。そして、これらのセラミックスの中でも、剛性、熱伝導率、軽量という観点から、炭化珪素質焼結体を用いることが好ましい。
次に、本実施形態の流路部材の流路の例について、図2を参照しながら説明する。
流路3は、特に限定されるものではないが、流体が一つの経路で流れるように形成されていることが好ましい。例えば、流入口が1箇所であり複数の経路に流体が分配されるときには、流体に係る圧力が低い流路に流体が流れやすい傾向があり、被処理体との熱交換においてムラを生じるおそれがある。これに対し、図2(a)に示す蛇行状の流路部材20や、図2(b)に示すスパイラル状の流路部材30のように、流体が流れる流路3が一つの経路で形成されていれば、被処理体との熱交換においてムラを生じるおそれが少ないため、温度ばらつきが少ないことが求められる用途において好適に用いることができる。
以下の説明においては、流路部材に「100」の符号を付して説明する。
本実施形態の熱交換器は、本実施形態の流路部材100に金属部材を備えるものである。ここで、金属部材は、第1の壁7の外面1上に位置するものである。そして、このような構成を満たす本実施形態の熱交換器は、金属部材を介して被処理体と流体との熱の伝達を効率良く行なうことができ、より熱交換効率を向上させることができる。また、流路3に冷たい流体を流すだけでなく、金属部材に電流を流すことによる加熱を適宜行なうことで、被処理体の温度をより厳密に制御することも可能となる。
次に、本実施形態の半導体製造装置40の一例について、図3を参照しながら説明する。
本実施形態の半導体製造装置40は、流路部材100に電極5を備えるものである。ここで、電極5は、第1の壁7の外面1上に位置するものである。そして、図示はしていないが、ウェハ6と電極5との間には誘電体層が設けられている。ここで、電極5に電圧を印加することで、ウェハ6と誘電体層との間に生じるクローン力やジョンソン・ラーベック力などの静電吸着力によってウェハ6を吸着・保持することができる。
さらに、この半導体製造装置40をプラズマ処理装置として用いた場合は、電極5を、プラズマを発生させるための下部電極として利用することができ、ウェハ6の上方にプラズマを発生させるために設けられた上部電極4と下部電極である電極5との間に電圧を印加することにより、上部電極4と下部電極である電極5と間に生じさせたプラズマをウェハ6に当てることができるようになっている。そして、半導体製造装置40が本実施形態の流路部材100および電極5を備えていることから、プラズマ処理する際に高温となる下部電極としての電極5を素早く冷却することが可能であるので、下部電極としての電極5がウェハ6に与える温度影響を少なくして、ウェハ6の温度を一定に保持できるので、寸法精度の高い加工をすることができる。
また、本実施形態の半導体製造装置40としては、その一例を示す図3のプラズマ処理
装置の他にスパッタ装置、レジスト塗布装置、CVD装置やエッチング処理装置等があり、これらの装置においても本実施形態の流路部材100に電極5を備える構成であることにより、被処理体の温度を一定に保持できるため、精度の高い加工や処理を行なうことができる。
以下、本実施形態の流路部材100の製造方法の一例について示す。なお、以降の説明においては、セラミックスとして炭化珪素質焼結体を用いた場合で説明する。
まず、主成分である炭化珪素粉末を用意し、これに溶媒、焼結助剤、バインダを所定量添加して、ボールミルやビーズミル等を用いて所定の粒径となるまで粉砕することで、スラリーを作製する。なお、添加する焼結助剤としては、BC系、希土類酸化物−Al系の焼結助剤を用いることができる。また、添加するバインダとしては、合成樹脂であればよい。
なお、ミルで用いるボールやビーズについては、流路部材100の特性に影響を及ぼさないものを用いることが好ましいため、例えば、ボールやビーズは、炭化珪素質焼結体と同様もしくは近似する組成のセラミックスからなることが好ましい。
次に、このスラリーを公知のドクターブレード法またはロールコンパクション法によりグリーンシートを形成し、これを金型加工またはレーザー加工により所望の形状とすることにより第1の壁7を含む上壁となる成形体を得る。なお、上壁となる成形体を所望の厚みとするために、上述したスラリーを接合剤として複数の成形体を重ねてもよい。また、側壁となる成形体および下壁となる成形体については、グリーンシートに金型加工またはレーザー加工により所望の形状としたり、所望の厚みとするために積み重ねたりすればよい。なお、上述したスラリーを噴霧乾燥した造粒体を用いて、粉末プレス法やラバープレス(CIP)法の後に切削加工を施すことにより、側壁および下壁が一体となった成形体を得てもよい。また、成形体の段階で、流入口、流出口を形成してもよい。
そして、上壁、側壁、下壁となる成形体を乾燥させた後、窒素ガス中において所定の温度に保持し脱脂を行なう。その後、これをアルゴンガス中において、1900〜2050℃の温度で3〜10時間保持して焼成することで、上壁焼結体、側壁焼結体および下壁焼結体を得る。
次に、上壁焼結体に施す研磨加工に関し、図1(a)を用いて説明する。まず、第1領域1Aとなる箇所の−Y方向の端部から+Y方向の端部にかけて、研磨箇所が第1領域1Aとなる箇所の−X方向の端部に沿って直線となるように砥石で研磨を行なう。次に、砥石を上記研磨箇所から+X方向に上記研磨箇所と一部重なるように移動させ、再び第1領域1Aとなる箇所の+Y方向の端部から−Y方向の端部にかけて研磨を行なう。以降では、−Y方向の端部から+Y方向の端部にかけて研磨する研磨速度を送り速度とし、この砥石を+X方向に移動させる幅を送り幅とする。そして、第1領域となる箇所の−X方向の端部から+X方向の端部まで、この研磨を繰り返し行なうことで、第1領域1Aを形成する。
そして、第2領域となる箇所を研磨する際の送り幅を、第1領域となる箇所を研磨する際の送り幅よりも小さくすることで、第1領域におけるピークカウントPc1より第2領域におけるピークカウントPc2が大きくなる。
また、第2領域となる箇所を研磨する際の砥石の送り幅を2mm以上7mm以下とすれば、第2領域におけるピークカウントPc2を50以上200以下とすることができる。
さらに、第1領域または第2領域となる箇所を研磨する際の砥石の送り速度を設定することで、第1領域または第2領域におけるクルトシスRkuを任意の値に制御することができる。例えば、第1領域におけるクルトシスRkuを2.2以上3.8以下にするには、第1領域となる箇所を研磨する際の砥石の送り速度を0.28m/秒以上0.32m/秒以下とすればよく、第2領域におけるクルトシスRkuを4以上とするには、第2領域となる箇所を研磨する際の砥石の送り速度を0.26m/秒以下とすればよい。
そして、上壁焼結体の第1領域および第2領域となる箇所を上述のように砥石で研磨した後、側壁焼結体および下壁焼結体を公知の接合方法で接合することにより、本実施形態の流路部材100を得ることができる。ここで、公知の接合方法とは、ガラス接合、拡散接合、金属層を介する接合等のことである。
また、他の本実施形態の流路部材100の製造方法としては、上壁となる成形体の一方の表面に、表面性状がPc1である押し型を押し当て、他方の表面に、表面性状がPc2である押し型を押し当てて、上述したスラリーを接合剤とし、側壁となる成形体および下壁となる成形体を積み重ね、焼成することによって得てもよい。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
図3に示す本実施形態の半導体製造装置を用いて、流路部材の耐久試験を行なった。
まず、主成分である炭化珪素粉末を用意し、この炭化珪素粉末100質量部に対して、焼結助剤としての炭化硼素を0.3重量部と、炭素成分としてグラファイト粉末を3重量部と、バインダとしてのポリエチレングリコールおよびポリビニルアルコールを固形分換算で各5重量部と、溶媒としての水とを添加して、ボールミルやビーズミル等を用いて平均粒径が2μmとなるまで粉砕することで、スラリーを作製した。そして、このスラリーを用いて、公知のドクターブレード法によりグリーンシートを形成し、これを金型加工することにより所望の形状とすることにより第1の壁を含む上壁となる成形体を得た。また、側壁となる成形体および下壁となる成形体については、グリーンシートに金型加工することにより所望の形状とした後、上述したスラリーを接合剤として積み重ねることにより、側壁となる成形体および下壁となる成形体を得た。ここで、得られた側壁となる成形体は、流体の流入口および流出口と、流路となる貫通部を備えるものである。
次に、上壁、側壁、下壁となる成形体を乾燥させた後、窒素ガス中で5時間所定の温度で脱脂し、その後、アルゴンガス中で2000℃の温度で約10時間保持して焼成することにより上壁焼結体、側壁焼結体および下壁焼結体を得た。
次に、上壁焼結体の外面および内面を、平均粒径が約0.04mmのダイヤモンド砥粒を表面に有する砥石で研磨することで、第1領域および第2領域を形成した。ここで、研磨条件としては、送り速度を0.34m/秒とし、送り幅は表1に示す値となるように設定した。
そして、研磨を行なった上壁焼結体の第1領域および第2領域におけるピークカウントを、接触型の表面粗さ計を用い、JIS B 0601(2001)に準拠して測定した。測定条件としては、測定長さを4mm、カットオフ値を0.25mmとし、触針半径を2μmとして触針の走査速度を0.25mm/秒に設定した。そして、第1領域および第2領域において、測定方向を揃えて3ヵ所測定し、この平均値をピークカウントPc1およびPc2とした。
そして、上壁焼結体、側壁焼結体および下壁焼結体をガラス接合により接合することにより、各試料を得た。なお、上壁焼結体における第1の壁の厚みは2mmとした。
次に、得られた各試料を図3に示す半導体製造装置に組み込み、0.2MPaの圧力をかけ冷却水を流路に循環させた。そして、冷却水の温度を20℃とし、第1の壁の外面が300℃となるように電極で加熱を行ない、この状態で100時間保持することで、各試料の耐久試験を行なった。
その後、各試料の第1の壁から、幅が30mm、厚みが2mm、長さが80mmの試験片を切り出して、JIS R 1616(2008)に準拠した方法で、4点曲げ強度を算出した。ここで、4点曲げ強度を算出したのは、マイクロクラックの数や長さ等を測定することは非常に困難であるため、耐久試験後の4点曲げ強度を測定することにより、長期間の使用に耐えうるものであるかを評価するためである。結果を表1に示す。
表1に示す結果から、ピークカウントPc1よりもピークカウントPc2が大きい試料No.1〜7は、4点曲げ強度が300MPa以上であり、長期間の使用に耐えうる流路部材であることが分かった。
そして、試料No.1〜7の中でも、ピークカウントPc2が50以上200以下である試料Nо.1〜6は、4点曲げ強度が340MPa以上であり、より長期間の使用に耐えうる流路部材であることが分かった。
次に、第1領域におけるクルトシスRkuが異なる試料を作製し、実施例1と同様の方法により各試料の耐久試験を行なった後、各試料の4点曲げ強度の測定を行なった。なお、作製方法としては、第1領域となる箇所を研磨する際の砥石の送り速度を表2に示す値としたこと以外は実施例1の試料Nо.5の作製方法と同様であり、試料Nо.12は、実施例1の試料Nо.5と同じ試料である。
そして、各試料の第1領域におけるクルトシスRkuを、接触型の表面粗さ計を用い、JIS B 0601(2001)に準拠して測定した。測定条件としては、測定長さを4mm、カットオフ値を0.25mmとし、触針半径を2μmとして触針の走査速度を0.25mm/秒に設定した。そして、第1領域において3ヵ所を測定し、この平均値を第1領域におけるクルトシスRkuとした。
次に、実施例1と同様の方法により各試料の耐久試験を行なった後、各試料の4点曲げ強度を算出した。結果を表2に示す。
表2に示す結果から、第1領域のクルトシスRkuが2.2〜3.8の試料No.13〜15は、4点曲げ強度が400MPa以上と高く、優れた耐久性を有する流路部材であることが分かった。
次に、第2領域におけるクルトシスRkuが異なる試料を作製し、実施例1と同様の方法により各試料の耐久試験を行なった後、各試料の4点曲げ強度の測定を行なった。なお、作製方法としては、第2領域となる箇所を研磨する際の砥石の送り速度を表3に示す値としたこと以外は実施例2の試料Nо.14の作製方法と同様であり、試料Nо.17は、実施例2の試料Nо.14と同じ試料である。
そして、各試料の第2領域におけるクルトシスRkuを、実施例2と同様の方法で算出した。
次に、実施例1と同様の方法により各試料の耐久試験を行なった後、各試料の4点曲げ強度を算出した。結果を表3に示す。
表3に示す結果から、第2領域のクルトシスRkuが4以上の試料Nо.19〜23は、4点曲げ強度が440MPa以上と高く、非常に優れた耐久性を有する流路部材であることが分かった。
1:外面
2:内面
3:流路
4:上部電極
5:電極
6:ウェハ
7:最も厚みが薄い壁(第1の壁)
10,20,30,100:流路部材
40:半導体製造装置

Claims (6)

  1. セラミックスからなり、内部に流路を有する流路部材であって、
    前記流路を形成する壁のうち最も厚みの薄い第1の壁の対応する外面における第1領域と内面における第2領域とにおいて、前記第1領域における粗さ曲線から求められるピークカウントをPc1、前記第2領域における粗さ曲線から求められるピークカウントをPc2としたとき、Pc1よりPc2が大きいことを特徴とする流路部材。
  2. Pc2が、50以上200以下であることを特徴とする請求項1に記載の流路部材。
  3. 前記第1領域における粗さ曲線から求められるクルトシスRkuが2.2以上3.8以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流路部材。
  4. 前記第2領域における粗さ曲線から求められるクルトシスRkuが4以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の流路部材。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の流路部材に、金属部材を備えていることを特徴とする熱交換器。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の流路部材に、電極を備えていることを特徴とする半導体製造装置。
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