JP3965144B2 - 潤滑性金属板、及びその製造方法、並びに潤滑性樹脂水分散体と潤滑樹脂塗料組成物 - Google Patents

潤滑性金属板、及びその製造方法、並びに潤滑性樹脂水分散体と潤滑樹脂塗料組成物 Download PDF

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本発明は、潤滑性を有する金属板に関する。本発明は特に物品等を滑らせて移動させる用途に好適に使用されるが、プレス成形用にも適用可能なものである。また本発明は、該潤滑性金属板の製造方法ならびに潤滑性樹脂水分散体と潤滑樹脂塗料組成物にも関する。
自動物流においては、ホッパー、シューター等による物品の移動が従来より広く行われてきたが、近年、その高効率化、すなわち移送途中の渋滞による機会損失の低減、あるいは移送板の低勾配化による装置全体の小型化などが求められるようになってきている。一方で、自動販売機を例にとれば、従来の缶入りや瓶入りの商品に加えて、これらよりも滑りにくいPET ボトル入り商品の普及率が増え、高度の潤滑性を有する移送板へのニーズが高まりつつある。
古くから移送板として使用されてきた材料に、特開平6−325255号公報に見られるようなNi系めっきにフッ素系樹脂を共析させた複合めっき金属板がある。しかしこれは、コストが高いうえに、共析可能なフッ素系樹脂の量に限界があることから、高度の潤滑性を発現することができない。
これを改善しうる従来技術としては、潤滑性、プレス成形性向上を目的に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂を固形潤滑剤として塗膜中に含有させた塗装金属板があげられる。例えば、特許第3071376号には、平均粒子径が0.1〜5μmのポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子を固体潤滑剤としてエポキシ系樹脂に含有させ、亜鉛系めっき鋼板の表面に塗布した有機複合鋼板が開示されている。特開平8−174758号公報には、親水性樹脂に、潤滑剤として平均粒子径が0.05〜7μmの水分散性ポリオレフィン系樹脂もしくは水分散性フッ素系樹脂を含有させ、亜鉛系めっき鋼板に塗布、乾燥させた有機被覆めっき鋼板が開示されている。また、特許第2617837号には、めっき鋼板の表面に、いずれも粒子径が3μm以下のポリオレフィンワックスとポリテトラフルオロエチレン(テフロンワックス(商品名))とを水性樹脂に混合し、塗布、乾燥する潤滑めっき鋼板の製造方法が開示されている。これらの技術においてフッ素系樹脂の粒子径を制限している理由は、粒子径が小さすぎると潤滑性が劣ること、大きすぎると樹脂皮膜からの突出が大きすぎて皮膜中に保持されにくくなり皮膜摺動時等に欠落しやすいこと、また大きすぎると水性樹脂中に均一分散しにくくなることである。
フッ素系樹脂は表面自由エネルギーが低い樹脂であるため、他の水性樹脂と混合すると、乾燥時に皮膜表層に濃化する傾向にある。このことと関連した従来技術として、特開平2−92536号公報、特許第3075117号をあげることができる。特開平2−92536号公報には、フッ素系樹脂の表面濃化による層分離を積極的に行わせる目的で、乾燥塗膜厚に適した粒子径のフッ素系樹脂粉末を選ぶ技術が開示されている。一方、特許第3075117号では、表面濃化がすすみすぎると表層が磨耗した段階で潤滑性が失われることから、むしろ皮膜中の金属板に近い側にフッ素系樹脂を残存させるべく、乾燥条件を適性化するという技術が開示されている。フッ素系樹脂の表面濃化による層分離は、ベース樹脂の乾燥塗膜厚に比べてフッ素系樹脂粉末の粒子径が相対的に小さいことから起こる技術課題であり、これらの公知例はそれを解決しようとしたものである。
一方、より粒子径の大きいフッ素系樹脂を用いる従来技術もある。特開2001−198522号公報には、アクリル樹脂をベースとして、粒子径0.1 〜5μmのポリテトラフルオロエチレン粉末を3〜30質量%加えて潤滑性を向上させ、さらに粒子径7〜20μmのポリテトラフルオロエチレン粉末を1〜10質量%加えて、つや消し外観を与えるという技術が見られる。ここで、粒子径7〜20μmの粉末を10質量%以下に制限したのは、これを超えて添加するとむしろ耐磨耗性が低下するためである。特開昭62−179936号公報には、焼き付け硬化型樹脂に粒子径が1〜110 μmのフッ素系樹脂粉末を添加し、乾燥膜厚5〜200 μmとしたプレコート鋼板が開示されている。
特開平6−325255号公報 特許第3071376号公報 特開平8−174758号公報 特許第2617837号公報 特開平2−92536号公報 特許第3075117号公報 特開2001−198522号公報 特開昭62−179936号公報
しかしながら、これらの従来技術には課題がある。
粒子径が数μm以下のフッ素系樹脂の水分散体は、乳化重合で得られたフッ素系樹脂のラテックスに界面活性剤を添加したのち濃縮・安定化したものとして市販されている。これは、特開平7−90620号公報にも述べられているように塗料組成物中での分散安定性には優れている。しかし、乳化重合で得られたフッ素系樹脂のラテックスに界面活性剤を添加したのち濃縮・安定化して得られる市販の水分散体を、水性樹脂に混合して金属板に塗布すると、塗布ロール上にフッ素系樹脂の巻きつきが起こりやすい。これは、フッ素系樹脂の特性として、せん断力を受けると繊維化しやすいことによるものと思われる。特開平4−341375号公報には、アクリル系やポリエチレン系の樹脂を被覆した粒子径0.01〜2μmのフッ素系樹脂粒子を用いると、製造時にフッ素系樹脂粒子が皮膜から剥脱してロールへ巻きつくという問題を解決できることが開示されている。しかしながらこれは、塗布、乾燥終了後の皮膜からの剥脱であるので、塗布ロールより下工程にある搬送ロールへの巻きつきを回避しただけであって、塗布ロール上での繊維化の問題を直接解決するものではない。
粒子径が数μm以下のフッ素系樹脂を用いる場合のもうひとつの課題は、先に述べたフッ素系樹脂の表面濃化による層分離である。この問題を解決するのに特開平2−92536号公報の方法によるには、粒子径分布が非常に狭いフッ素系樹脂を準備しなければならない。そのためには、通常の方法で合成される粒子径分布が広いフッ素系樹脂をフィルター等で分別しなければならず、手間とコストがかかる。一方、特許第3075117号の方法は、乾燥条件のみによりフッ素系樹脂の表面濃化を制御しようとするものであるが、表面濃化を制御するにはベース樹脂の粘度が雰囲気温度によって変化することなども考慮する必要があり、安定的に所望の層分離構造を得るのは容易ではない。
一方、フッ素系樹脂の粒子径が塗膜厚に比べて十分大きい場合には、層分離の問題が無いかわりに、塗膜からの脱落の懸念がある。すなわち、従来技術においては、1)製造時に塗布ロール上でせん断力を受けたフッ素系樹脂が繊維化して塗布ロールへ巻きつく、2)ベース樹脂の乾燥塗膜厚に比べてフッ素系樹脂粉末の粒子径が相対的に小さいとフッ素系樹脂が表面濃化して層分離する、3)ベース樹脂の乾燥塗膜厚に比べてフッ素系樹脂粉末の粒子径が相対的に大きいとフッ素系樹脂粉末が塗膜から脱落する、という課題をすべて解決した材料は見られない。
本発明の目的は、上記3つの課題を解決し、かつ、PET ボトルをも滑らせる高度な滑り性を有する移送板用材料を、安価に安定供給することである。本発明はまた、プレス成形用にも適用可能な潤滑性金属板を意図したものでもある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。この結果、従来技術においては、フッ素系樹脂の塗布ロールへの巻きつきとフッ素系樹脂の構造や物性との関係が明確化されていないこと、またフッ素系樹脂によるすべり性向上効果を得るためには、フッ素系樹脂が球状もしくはそれに近い形状であることを前提に、その粒子径を膜厚よりやや大きくして皮膜表面に適度に突出させるか、もしくは粒子径が小さいものは表面濃化させるべきであるという視点しかないことに気づいた。
そこで、まず塗布ロールへの巻きつきを抑制する方法について検討したところ、乳化重合ままのフッ素系樹脂はその粒子径によらずロールへ巻きつきやすいのに対して、これに放射線を照射してC−F結合を切り低分子量化したものはロールへ巻きつきにくいことを見出した。また、もうひとつの重合法である懸濁重合により合成されたフッ素系樹脂は、そもそもロールへの巻きつきの問題が、乳化重合で合成されたものより少なく、これに放射線を照射してC−F結合を切り低分子量化したものはロールへ巻くことがほとんどないことも分かった。
つぎにすべり性向上効果を得るための要件については、潤滑性皮膜の膜厚よりもやや大きな粒子径のものから、膜厚よりも小さなものまで、幅広い粒子径分布を有するフッ素系樹脂粉末を用いることで、まずは膜厚方向の層分離の問題をなくし、一方で塗布時にこれらを皮膜中にうまく取り込むことにより、皮膜表面に適度な盛り上がりを形成させてこれを潤滑点として機能させることができれば、粒子を皮膜表面に突出させるかもしくは表面濃化させることが必ずしも必要ないと考察した。そして、それを実現するための方策について鋭意検討した。
まず、懸濁重合により合成されたフッ素系樹脂について検討した。懸濁重合後に焼成等の熱処理を行っていったん「硬い粒子」にしたフッ素系樹脂に、放射線を照射して低分子量化した。これを水性樹脂と混合してロールコーター塗布すると、膜厚より過度に大きいものは弾き飛ばされ、膜厚の2倍程度以下の粒子だけがうまく潤滑性皮膜中に取り込まれて盛り上がり部分を形成することが分かった。しかも低分子量化の効果により、この盛り上がり部分に荷重が加わるとわずかに変形が起こり、潤滑点として機能することが明らかになった。
一方、乳化重合により合成されたフッ素系樹脂についても、融点未満の温度での軽度の加熱処理を行ったのち放射線照射により低分子量化した。これを水性樹脂と混合してロールコーター塗布すると、やはり潤滑性皮膜中に取り込まれて盛り上がり部分を形成することが分かった。この盛り上がり部分も荷重が加わると潤滑点として機能できた。この理由は明らかではないが、軽度の加熱処理を行ったのち放射線照射したものはサブミクロンの一次粒子が結合して全体として数十ミクロンの大きさの「柔らかく変形しやすい」凝集体になり、その形のままで皮膜に取り込まれたものと推察される。
さらに、PET ボトルをも滑らせる高度な滑り性を発現する方法について検討したところ、上記の懸濁重合から出発したもの、および乳化重合から出発したもののいずれについても、潤滑性皮膜の表面に形成された盛り上がり部分の高さと密度を特定範囲に制御することにより、これが潤滑点として機能してPET ボトルとの滑り性が飛躍的に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の(1)〜(10)より成る。
(1)、固形潤滑剤としてフッ素系樹脂(B)を含有する連続皮膜(A)を金属板の片面もしくは両面に有し、連続皮膜の膜厚が0.5 μm以上、20μm以下であって、かつ該連続皮膜の表面粗度がライン方向の長さ10mmについて以下を満足することを特徴とする潤滑性金属板。
Pc(2μm)>3 かつ Pc(5μm)<1
Pc(Xμm):粗さ曲線において高さXμmを越えるピークの個数
(2)、連続皮膜(A)がフッ素を含有しない樹脂にフッ素系樹脂を混合させた組成物よりなるものであって、かつフッ素系樹脂(B)の金属板上での付着量が、F換算で20mg/m2 以上であることを特徴とする前記(1)記載の潤滑性金属板。
(3)、連続皮膜中に、固形潤滑剤としてさらにフッ素を含有しないワックス(C)を含有する前記(1)〜(2)のいずれかに記載の潤滑性金属板。
(4)、連続皮膜と金属板との間に下地処理層を有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の潤滑性金属板。
(5)、請求項1に記載の潤滑性金属板を製造する方法であって、懸濁重合により合成されたフッ素系樹脂(B)を融点以上で熱処理したものに、放射線を照射して低分子量化し、これを連続皮膜(A)の成分と混合して、攪拌しながら金属板に塗布、乾燥することを特徴とする潤滑性金属板の製造方法。
(6)、請求項1に記載の潤滑性金属板を製造する方法であって、乳化重合により合成されたフッ素系樹脂(B)を融点未満で熱処理したものに、放射線を照射して低分子量化し、これを連続皮膜(A)の成分と混合して、攪拌しながら金属板に塗布、乾燥することを特徴とする潤滑性金属板の製造方法。
(7)、放射線を照射して低分子量化したフッ素系樹脂を、界面活性剤により水分散体とし、これを連続皮膜の水性成分と混合して攪拌しながら金属板に塗布、乾燥することを特徴とする前記(5)または(6)に記載の潤滑性金属板の製造方法。
(8)、懸濁重合により合成されたフッ素系樹脂(B)を融点以上で熱処理したものに、放射線を照射して低分子量化したのちに、界面活性剤を添加して得られる前記(7)に適用可能なフッ素系樹脂(B)の水分散体。
(9)、乳化重合により合成されたフッ素系樹脂(B)を融点未満で熱処理したものに、放射線を照射して低分子量化したのちに、界面活性剤を添加して得られる前記(7)に適用可能なフッ素系樹脂(B)の水分散体。
(10)、懸濁重合により合成されたフッ素系樹脂(B)を融点以上で熱処理したものに、放射線を照射して低分子量化したのちに、界面活性剤を添加して得られるフッ素系樹脂(B)の水分散体を、水性樹脂に混合して得られる前記(7)に適用可能な潤滑性塗料組成物。
(11)、乳化重合により合成されたフッ素系樹脂(B)を融点未満で熱処理したものに、放射線を照射して低分子量化したのちに、界面活性剤を添加して得られるフッ素系樹脂(B)の水分散体を、水性樹脂に混合して得られる前記(7)に適用可能な潤滑性塗料組成物。
本発明は、以下の(1)〜(10)より成る。
(1)、固形潤滑剤としてフッ素系樹脂を含有する連続皮膜を金属板の片面もしくは両面に有し、連続皮膜の膜厚が0.5μm以上、20μm以下であって、かつ該連続皮膜の表面粗度を触針式の表面粗時計にて下記の条件で測定したとき、フッ素系樹脂による盛り上がり部分がライン方向の長さ10mmについて以下を満足することを特徴とする潤滑性金属板。
Pc(2μm)>3 かつ Pc(5μm)<1
Pc(2μm):正の基準レベルであるP−LEVELを2μmとしたときのピークカウント
Pc(5μm):正の基準レベルであるP−LEVELを5μmとしたときのピークカウント
測定条件;
測定長さ:10mm
走行速度:0.3mm/sec
カットオフ:0.8mm
縦倍率(高さ方向):5000
横倍率(長さ方向):10
負の基準レベルであるV−LEVEL:0μm
正の基準レベルであるP−LEVEL:2μmまたは5μm
(2)、連続皮膜がフッ素を含有しない樹脂にフッ素系樹脂を混合させた組成物よりなるものであって、かつフッ素系樹脂の金属板上での付着量が、F換算で20mg/m2 以上であることを特徴とする前記(1)記載の潤滑性金属板。
(3)、連続皮膜中に、固形潤滑剤としてさらにフッ素を含有しないワックス(C)を含有する前記(1)〜(2)のいずれかに記載の潤滑性金属板。
(4)、連続皮膜と金属板との間に下地処理層を有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の潤滑性金属板。
(5)、請求項1に記載の潤滑性金属板を製造する方法であって、懸濁重合により合成されたフッ素系樹脂(B)を融点以上で熱処理したものに、照射前と比較して融点の低下度が0.8℃以上となるよう放射線を照射して低分子量化し、これを連続皮膜(A)の成分と混合して、攪拌しながら金属板に塗布、乾燥することを特徴とする潤滑性金属板の製造方法。
(6)、請求項1に記載の潤滑性金属板を製造する方法であって、乳化重合により合成されたフッ素系樹脂(B)を融点未満で熱処理したものに、照射前と比較して融点の低下度が0.8℃以上となるよう放射線を照射して低分子量化し、これを連続皮膜(A)の成分と混合して、攪拌しながら金属板に塗布、乾燥することを特徴とする潤滑性金属板の製造方法。
(7)、放射線を照射して低分子量化したフッ素系樹脂を、界面活性剤により水分散体とし、これを連続皮膜の水性成分と混合して攪拌しながら金属板に塗布、乾燥することを特徴とする前記(5)または(6)に記載の潤滑性金属板の製造方法。
(8)、懸濁重合により合成されたフッ素系樹脂(B)を融点以上で熱処理したものに、放射線を照射して低分子量化したのちに、界面活性剤を添加して得られる前記(7)の潤滑性金属板の製造方法において用いるフッ素系樹脂(B)の水分散体。
(9)、乳化重合により合成されたフッ素系樹脂(B)を融点未満で熱処理したものに、放射線を照射して低分子量化したのちに、界面活性剤を添加して得られる前記(7)に適用可能なフッ素系樹脂(B)の水分散体。
(10)、懸濁重合により合成されたフッ素系樹脂(B)を融点以上で熱処理したものに、放射線を照射して低分子量化したのちに、界面活性剤を添加して得られるフッ素系樹脂(B)の水分散体を、水性樹脂に混合して得られる前記(7)の潤滑性金属板の製造方法において用いる潤滑性塗料組成物。
(11)、乳化重合により合成されたフッ素系樹脂(B)を融点未満で熱処理したものに、放射線を照射して低分子量化したのちに、界面活性剤を添加して得られるフッ素系樹脂(B)の水分散体を、水性樹脂に混合して得られる前記(7)の潤滑性金属板の製造方法において用いる潤滑性塗料組成物。
以下、本発明を詳述する。
まず、前記(1)は本発明の潤滑性金属板の必須構成要件について規定したものである。これを順に説明する。
本発明の対象は、連続皮膜(A)中に固形潤滑剤としてフッ素系樹脂(B)を含有する不均一な表面処理皮膜を片面もしくは両面に有する金属材料である。ここで連続皮膜(A)と定義したのは、意図的に皮膜成分を金属板上に分散被覆させ、皮膜の無い部分が金属板全体の表面のうちかなりの割合、例えば数十%を占めるような場合を除外するためである。したがって、連続被覆を意図して形成されてはいるが、場所により膜厚の変化があったり、一部に金属が露出する部分があるような場合は、連続皮膜(A)と呼ぶものである。平均膜厚を20μm以下としたのは、いわゆる後処理金属板および塗装金属板を対象とするためである。平均膜厚はのちに述べる方法により求める。連続皮膜は単層であってもよいし、2層以上の複層皮膜であってもよい。また、その主成分は有機物であっても、無機物であっても良い。
連続皮膜(A)の成分として適用可能な有機物の種類に特に制限は無く、例えば、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、アイオノマー系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、あるいはポリエーテルサルホン、ポリフェニルスルフィド、ポリアミドイミドなどが例示される。これらを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いたり、共重合体を用いたり(例えばエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体)、お互いに変性したり(例えばエポキシ変性ウレタン樹脂、アクリル変性アイオノマー樹脂等)、あるいは別の有機物で変性したもの(例えばアミン変性エポキシ樹脂)を用いても良い。また、樹脂は溶剤系樹脂であっても、水系樹脂であっても良い。さらに、連続皮膜(A)を構成する樹脂自身が以下に述べるようなフッ素系樹脂(B)のなかの1つまたは2つ以上であっても良い。
また、連続皮膜の成分として適用可能な無機物の例としては、リチウムシリケート、ナトリウムシリケート(水ガラス)などの珪素化合物、ヴァナジン酸、チタン酸、ジルコン酸、モリブデン酸、クロム酸などの金属酸化物、りん酸、硝酸などの酸などが例示できる。
連続皮膜(A)の膜厚については、以下に述べるようにフッ素系樹脂を皮膜中に含有させることにより、潤滑性皮膜の表面に特定高さの盛り上がりを生ぜしめるには、潤滑性皮膜の膜厚は0.5 μm以上必要である。また、実用上は20μm以下である。ここで膜厚は、供試材の断面を適正な倍率でSEM 観察することにより決定した。金属板の十分離れた位置から最低10サンプルを採取し、各サンプルとも特異でない3〜5箇所について断面観察による膜厚測定を行って、得られた合計30〜50測定の平均値を膜厚とした。
潤滑剤として用いるフッ素系樹脂(B)としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)などが使用可能である。これらのうち1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用しても良い。
連続皮膜(A)の表面粗度に関する要件については、図1ともあわせて説明する。皮膜中に含まれるフッ素系樹脂(B)には色々な大きさや形態のものがある。このうち、懸濁重合で得られるフッ素系樹脂のように、膜厚より大きなものから小さなものまで幅広い粒子径分布を有する場合には、皮膜から突出したもの、皮膜中に取り込まれたものが混在するが、結果として、連続皮膜から盛り上がった潤滑点を多数形成する。一方、乳化重合で得られるようなより小さなフッ素系樹脂は、融点未満の温度での軽度の熱処理を行って凝集させることで、皮膜中に集合体として保持されて、やはり連続皮膜から盛り上がった潤滑点を形成可能と考えられる。これらの潤滑点を図中に太矢印で示す。高度なすべり性を発現するために重要なのはこれらの盛り上がり部分の高さと個数である。
すなわち、連続皮膜(A)の表面粗度をライン方向、つまり金属板が塗布されてゆくときの進行方向に、長さ10mm測定した場合に、高さ2μm以上の盛り上がりの数が3個を越え、高さ5μm以上の盛り上がりが1個未満であることが本発明の要件である。ライン方向に測定するのは、ロールコーター塗布時にロール幅方向にはローピングによる凹凸が生じる場合があるので、その影響を避けるためである。高さ2μm以上の盛り上がりの数が3個以下では潤滑点の数として少なすぎて、高度なすべり性を発現できない。一方、高さ5μm以上の盛り上がりが1個以上になると、膜厚に対して盛り上がりの高い部位が多すぎて、連続皮膜(A)からフッ素系樹脂(B)が脱落する恐れがある。
なお、ここで重要なのは盛り上がり部分の高さと個数であって、盛り上がり部分に埋め込まれているフッ素系樹脂(B)が連続皮膜(A)の表面に露出しているかどうか、あるいは下地金属に接触する位置まで埋め込まれているかどうかは直接的には関係しない。フッ素系樹脂(B)の中には、連続皮膜(A)中の成分によってその表面が覆われたと思われるものもあるが、完全に露出していなくても連続皮膜(A)から多少なりとも盛り上がった形となっているかぎり、へき開性コロ潤滑の潤滑点として機能できるためである。逆に、下地金属に接触する位置まで埋め込まれていない粒子もあるが、これについても潤滑性皮膜からの盛り上がりを有するため、潤滑点として機能できる。
測定は供試金属板の十分離れた位置から100mm 角のサンプルを5サンプル採取し、各サンプルについてそれぞれ3箇所の測定を行い、全15データを平均することにより行った。サンプリング位置、測定位置になるべく偏りが無いようにすることは言うまでも無い。
測定には触針式の表面粗度計(東京精密 サーフコム570A)を用いた。測定子は標準測定子、測定条件は以下の通りである。
測定長さ:10mm
走査速度:0.3mm/sec
カットオフ:0.8mm
縦倍率(高さ方向):5000
横倍率(長さ方向):10
触針でトレースして得られた断面曲線を波長0.8mm で低域カットオフしたものが粗さ曲線である。これよりPc(ピークカウント)を求める手順は次の通りである。ピークカウントの測定にはV-LEVEL(負の基準レベル)と P-LEVEL(正の基準レベル)の設定が必要である。ここでは、V-LEVEL を0μm、P-LEVEL を2μmもしくは5μmとした。P-LEVEL が2μmの時のピークカウントをPc(2μm)と呼ぶことにすると、この値は、粗さ曲線にみられるピークのうち、負の基準位置からの高さが2μmを越えるピークの数を表す。P-LEVEL が5μmの時のピークカウント、Pc(5μm)は同様に、負の基準位置からの高さが5μmを越えるピークの数を表す。
測定長さが10mmであるから、負の基準位置は連続皮膜の中でもフッ素系樹脂粒子を含まない平坦な部位であると考えられ、したがって上記のPcは、フッ素系樹脂による皮膜からの盛り上がりを定量的に測定していることになる。Pc(2μm)>3とは、高さ2μm以上の盛り上がりの数が3個を越えていることを意味し、Pc(5μm)<1とは高さ5μm以上の盛り上がりが1個未満であることを意味する。Pc(2μm)が3以下では潤滑点の数として少なすぎて、高度なすべり性を発現できない。一方、Pc(5μm)が1を越えると、盛り上がりの高さが高い点が多すぎて、連続皮膜(A)からフッ素系樹脂(B)が脱落する恐れがある。
前記(2)は連続皮膜がフッ素を含有しない樹脂にフッ素系樹脂を混合させた組成物よりなるものとし、かつフッ素系樹脂(B)の付着量について規定したものである。付着量がF換算で20mg/m2 未満ではすべり性改善効果が不十分である。
供試材のF付着量は、重量法により検量線を作成したのち、蛍光X線により測定した。その手順は以下の通りである。板厚0.8mm の亜鉛めっき鋼板を140mm ×140mm に切断したもの10枚程度準備し、それぞれ重量を化学天秤で0.1mg のオーダーまで正確に測定する。つぎに、前記したような水性樹脂にフッ素系樹脂(B)を混合した組成物を準備する。これを重量測定済みの上記亜鉛めっき鋼板の片面に均一塗布する。この際、組成物中のフッ素系樹脂(B)の割合や水希釈率、塗布条件等を変えて、付着量が1〜2g/m2 程度の範囲で10〜15水準のもの(以下、各サンプルとよぶ)を作成する。塗布、乾燥後の亜鉛めっき鋼板の重量を再び化学天秤で測定し、重量増から組成物の全付着量(g/m2)を各サンプルごとに算出する。
ここで、組成物中のフッ素系樹脂(B)の割合、およびフッ素系樹脂(B)の分子構造(たとえばPTFEならばCF2 −CF2 ) を考慮して、全付着量に対するFの重量比率(wt%)を算出し、この値を上記で求めた各サンプルごとの全付着量(g/m2 )に乗じることによ、各サンプルにおけるFの付着量(mg/m2 ) が算出される。
つぎに、各サンプルを35mm× 35mm に切断し、各16枚の小片サンプルとする。これを蛍光X線分析装置(理学電機工業製、RIX2000)で分析する。X線管のターゲットはRh、印加条件は50kV, 50mA、測定面積は20mmφとした。測定元素はFとし、そのX線強度(kcps)を測定する。小片サンプル16枚の平均値をもって、各サンプルのFの強度(kcps)とした。
最後に、上記で求めた各サンプルのFの強度(kcps)と、さきに算出した各サンプルごとのFの付着量(mg/m2 )とを相関させて直線近似することにより、蛍光X線におけるの検量線とする。以後はこの検量線を用いて、未知サンプルのFの蛍光X線強度(kcps)から換算して、それぞれのF付着量(mg/m2 )を求めた。
前記(3)は、固形潤滑剤として上記のフッ素系樹脂(B)に加えて、さらにフッ素を含有しないワックス(C)を併用することにより、さらに高度な潤滑性を発現させたものである。ここで(C)として用いることができるワックスには、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、天然ワックス、ステアリン酸エステルなどがあげられる。
前記(4)は、連続皮膜(A)と金属板との密着性を向上させるために、金属板と連続皮膜(A)との間に下地処理層を用いるものである。下地処理層としては、化成処理層および/またはプライマー層を使用するのが良い。化成処理層の例としては、りん酸亜鉛処理層、クロメート処理層、非クロメート処理層、陽極酸化処理層などがあげられ、一方プライマー層としては、エポキシ系樹脂をはじめとする各種樹脂や、シランカップリング剤等のカップリング剤などが適用可能である。
前記(5)は、前記(1)の潤滑性金属板を製造する方法のひとつである。懸濁重合により合成されたフッ素系樹脂を必要に応じて粉砕したのちに、モールディングパウダー用に行われているように焼成し、これに放射線を照射することにより低分子量化する。焼成とは、フッ素樹脂の融点以上の温度、すなわちPTFEで言えば330 〜370 ℃程度に加熱することである。加熱によりいったん「硬い」粒子をつくり、必要に応じて粉砕したのち、電子線、γ線、X線などの放射線を照射して、潤滑点として機能しうる程度の変形能を持たせる。
なお、フッ素系樹脂の分子量を正確に測定するのは困難であるため、分子量低下の目安としては、放射線照射前と比較した時の融点の低下度を用いることができる。照射前と比較して融点の低下度が0.8 ℃以上あれば、上記の変形能が得られる。
また、ここで言う融点とは、いったん融解してから冷却した焼成品を再度融解するときのものであり、示差熱分析法(DSC)を用いて昇温速度10℃/minで融解、冷却、再融解した場合のものである。
得られた低分子量粉末として粒子径1〜50μm程度のものを用いて、連続皮膜の成分と混合する。粒子径が大きいため、、混合液を連続的に攪拌する必要がある。攪拌が不足すると沈降を生じる。沈降の生成を抑制するには、少なくとも50rpm 相当以上の攪拌をすることが好ましい。100rpm相当以上であればほとんど沈降は生じない。
得られた低分子量粉末として粒子径1〜50μm程度のものを用いて、連続皮膜の成分と混合する。粒子径が大きいため、混合液を連続的に攪拌する必要がある。攪拌が不足すると沈降を生じる。沈降の生成を抑制するには、少なくとも50rpm 相当以上の攪拌をすることが好ましい。100rpm相当以上であればほとんど沈降は生じない。
また、同時に連続皮膜には高さ2μmを越える盛り上がりが形成されるようになる。これは融点未満での熱処理により、ディスパージョンがゆるく結合した凝集体となり、これがそのまま皮膜に取り込まれることによると考えられる。このようなゆるく結合した凝集体を生成させるための熱処理温度としては、PTFEを例にとれば150 〜250 ℃程度が良い。なお、熱処理を融点以上の温度で行うと、結果として前記(5)で用いた懸濁重合体を焼成したものと同様のものが得られる。これを皮膜中に取り込めば前記(1)の潤滑性金属板を製造することはできるが、出発物質として懸濁重合体を用いた場合よりもコストは高くなる。
前記(7)は、本発明を水性成分から構成される連続皮膜(A)に適用する場合の製造方法である。水性成分から構成される連続皮膜とは、水系樹脂、すなわち水溶性樹脂もしくは水分散性樹脂、あるいは水系無機化合物、例えば水ガラス、水系金属酸化物等のことである。前記(5)または(6)で用いる、放射線照射により低分子量化されたフッ素系樹脂(B)を、さらに界面活性剤により水分散体とする。これを、連続皮膜(A)の水性成分と混合して、金属板に塗布・乾燥する。沈降の生成を抑制するには、やはり少なくと50rpm相当以上の攪拌をすることが好ましい。
前記(8)は、前記(7)で用いるフッ素系樹脂の水分散体のひとつである。水分散体自身の分散安定性を高めるには、固形分濃度を30重量%程度以上にするのが良い。一方、取り扱いの容易さからは、固形分濃度は60重量%程度以下としておくのが望ましい。長期保管後、使用する場合には、水分散体のままで保管し、使用前によく攪拌してから、水性樹脂と混合するのが良い。
前記(9)は、前記(7)で用いるフッ素系樹脂の水分散体でのもうひとつある。固形分濃度、保管方法は前記(8)と同様である。
前記(10)(11)は、前記(7)のフッ素系樹脂の水分散体を水性樹脂に混合して得られる潤滑性塗料組成物である。
次に本発明に使用可能なその他の原料、材料について述べる。
連続皮膜中には、すべり性を阻害しない範囲で、種々の添加物を加える事ができる。例えば、耐食性向上のために、有機化合物として各種インヒビターが、無機化合物としてシリカ、チタニア、ジルコニア等が添加できる。また、着色が必要であれば、各種有機、無機顔料を添加できる。塗布性を向上させるために、レベリング剤や消泡剤を添加しても差し支えない。
本発明に使用する組成物は、先に述べた成分(A)、(B)、(C)および各種添加物を所定の割合で混合するだけで得られる。混合の順序は特に規定するものではないが、大スケールで安定的に組成物を得るためには、フッ素系樹脂(B)をあらかじめ所定量だけ計りとり、これを連続皮膜(A)の成分で2〜3倍に希釈してよく攪拌し、これを連続皮膜(A)の成分や添加物、溶媒等を混合した組成物の本液にゆっくり攪拌しながら混合してゆくのが良い。できた組成物は定常的に攪拌しておくのがよい。
塗布は通常の方法でよく、例えばロールコーターによる方法、スプレー+ロール絞り、浸漬+ロール絞り、バーコーター、ローラー塗布、はけ塗りなどいずれの方法でも良い。乾燥は、水性樹脂(A)の種類にもよるが、一般的には水分が十分に除去される程度、すなわち乾燥板温100 ℃程度以上あればよい。乾燥方法も、直火炉、誘導加熱炉、電気抵抗炉、熱風乾燥炉など、通常の方法から選択できる。
本発明が適用可能な金属板としては、鋼板、アルミニウムおよびその合金板、マグネシウムおよびその合金板、チタンおよびその合金板、銅およびその合金板、ニッケルおよびその合金板などが例示できる。このうち鋼板の例としては、熱延鋼板、冷延鋼板、めっき鋼板、ステンレス板などがあげられる。
このうちめっき鋼板の例としては、電気めっき、溶融めっき、蒸着めっき、無電解めっき、溶融塩電解めっき等の方法により作成された各種めっき鋼板があげられる。たとえば、亜鉛めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、クロムめっき鋼板、ニッケルめっき鋼板、銅めっき鋼板などの純金属でめっきされた鋼板がある。また、例えば亜鉛とニッケル、鉄、アルミニウム、クロム、チタン、マグネシウム、マンガン、コバルト、錫、鉛などの1種または2種以上の金属との合金めっき鋼板、さらにこれらのめっき層に他の金属および/またはシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の無機物、および/または有機化合物を意図的に含有させた、もしくは不純物として含有するめっき鋼板、さらには、上述の2種類以上のめっきを複層有するめっき鋼板などがある。
次に、本発明を実施例を用いて非限定的に説明する。
(1)供試した金属板
下記の金属板を用いた。
GI(溶融亜鉛めっき鋼板):板厚0.8mm の軟鋼板に片面あたり 60g/m2 の溶融亜鉛めっ きを施した鋼板。
EG(電気亜鉛めっき鋼板):板厚0.8mm の軟鋼板に片面あたり 20g/m2 の亜鉛めっきを 電析させた鋼板
AL(溶融アルミニウムめっき鋼板):板厚1.6mm の軟鋼板に片面あたり 50g/m2 の溶融 アルミニウムめっきを施した鋼板。
なお、めっき中には合金元素としてシリコンを8 wt%含有している。
HR(熱延鋼板):酸洗をした板厚2.3mm の熱延鋼板(440MPa)
SUS(ステンレス鋼板):板厚1.2mm のSUS304
Ti(チタン板):板厚1.0mm の純チタン板
Al(アルミニウム板):板厚1.0mm のJIS3004
(2)下地処理
金属板の種類に応じて、以下の各種下地処理を行った。
1)クロメート処理:部分還元クロム酸とコロイダルシリカの混合物を塗布、乾燥した。
2)りん酸亜鉛処理:市販のりん酸亜鉛処理液を用いて処理を行った。
3)非クロメート処理:タンニン酸とシランカップリング剤の混合物を塗布、乾燥した。
4)プライマー処理:エポキシ系のプライマーを塗布、乾燥した。
5)陽極酸化処理:アルミニウム板用にはりん酸陽極酸化処理、チタン板用には過酸化水素 陽極酸化処理を行った。
(3)連続皮膜
連続皮膜の主成分としては、以下のいずれかを用いた。
1)水系ウレタン樹脂:エーテル・エステル系ウレタン樹脂とエステル系ウレタン樹脂の1 :1混合物
2)水系アイオノマー樹脂:Na中和型アイオノマー樹脂
3)水系アクリル樹脂:メタクリル酸、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、 スチレンの共重合体
4)水系オレフィン樹脂:エチレン−メタアクリル酸共重合体
5)溶剤系ポリエステル樹脂:線状飽和ポリエステル樹脂
6)溶剤系エポキシ樹脂:ビスフェノールF型エポキシ樹脂
7)水ガラス+コロイダルシリカ
(4)フッ素系樹脂
フッ素系樹脂としては、乳化重合で得られたPTFE, PFA, FEPを、200 ℃で5分間加熱したのち、放射線照射(ここでは電子線を使用)により融点の低下度が0.8 ℃以上となるように低分子量化した粉末、および、懸濁重合で得られたフッ素系樹脂を380 ℃で5分間熱処理したのち、放射線を照射(ここではγ線を使用)して融点の低下度が0.8 ℃以上となるように低分子量化した粉末を用いた。連続皮膜が水系の場合には、それぞれ界面活性剤で水分散したものを用いた。なお、比較として、乳化重合で得られたPTFEのディスパージョンそのものを用いた(番号19)。
(5)その他の潤滑剤
いくつかの例については、ポリエチレンワックス(PE)、パラフィンワックス(PAR)のいずれかを、それぞれ樹脂固形分の16重量%添加した。
(6)その他の添加物
いくつかの例については、シリカを樹脂固形分の20重量%添加した。また、すべての例について、レベリング剤を微量添加し、樹脂のハジキを防止した。
(7)塗布、乾燥
上記(3)〜(6)を混合して得られた組成物を攪拌しながらロールコーターにより金属帯に塗布し、直火型の乾燥炉にて、到達板温100 〜150 ℃で乾燥した。なお、ロールコーター上に樹脂の巻きつきが起こるかどうかを確認した。
(8)評価試験
(8−1)表面粗度の測定
潤滑性皮膜の表面粗度をライン方向(金属板が塗布されてゆくときの進行方向)に長さ10mm測定した。ライン方向に測定するのは、ロールコーター塗布時の幅方向のローピングの影響を避けるためである。測定は供試金属板の十分離れた位置から100mm 角のサンプルを5サンプル採取し、各サンプルについてそれぞれ3箇所の測定を行い、全15データを平均することにより行った。サンプリング位置、測定位置になるべく偏りが無いようにすることは言うまでも無い。
表面粗度の測定は触針式の表面粗度計(東京精密 サーフコム570A)を用いた。測定子は標準測定子、測定条件はさきに述べた通りである。これより、ピークカウントとしてPc(2μm)およびPc(5μm)を得た。
(8−2)すべり性
供試板を水平に対して一定の角度で傾けて保持し、その上にフィルムが全身に巻かれた市販PET ボトル(500CC入り)を横向きに静置したとき、何度の角度で保持した場合にすべり出すかを調べた。
◎:7°未満ですべり出した。
○:7°以上、9°未満ですべり出した。
△:9°以上、11°未満ですべり出した。
×:11°以上にしないと滑らなかった。
(8−3)耐磨耗性
上記のPET ボトルを、供試剤の上に横向きに置いて、1分間に60往復の速度で摺動を行い、10万往復後の供試材表面の損傷状態を調べた。
◎:摺動部に目立った傷が見られない。
○:摺動部の両端にのみ傷が見られる。
△:摺動部の中央部分にも浅い傷が見られる。
×:摺動部の中央部分にも深い傷が多数見られる。
(8−4)磨耗後すべり性
上記(8−3)の耐磨耗性試験終了後に、(8−2)のすべり性試験を行った。
◎:7°未満ですべり出した。
○:7°以上、9°未満ですべり出した。
△:9°以上、11°未満ですべり出した。
×:11°以上にしないと滑らなかった。
(8−5)皮膜密着性
供試板の潤滑性皮膜面に1mmゴバン目状にカッターナイフでクロスカットを入れ、テープ剥離した。
○:皮膜剥離が見られない
△:皮膜剥離が5%未満
×:皮膜剥離が5%超
結果を表1に示す。本発明品はいずれも、塗布時にロールへの樹脂巻きがなく、かつ塗布後の金属板は優れたすべり性、耐磨耗性、磨耗後すべり性および皮膜密着性を兼ね備えている。
表1に示した8(実施例)と18(比較例)のめっき鋼板について円筒成形試験を行った。限界絞り比を求めたところ、8が2.7、18が2.2となり、8が優れていた。
表1に示した13(実施例)と19(比較例)の熱延鋼板をしごき成形した。いずれも板厚減少率を15%として、別々の金型で各々1000サンプル試験したあと、それぞれの金型の損傷を比較したところ、13を用いたものが圧倒的に損傷軽微であった。
(1)フッ素系樹脂の水分散体
表2に示すような、樹脂種類、重合方法、熱処理方法(温度、時間)、低分子量化方法の異なるフッ素系樹脂の水分散体を用意した。水分散化には、極性基を有するフルオロカーボン系界面活性剤を用いた。低分子量化したものについては、高分子量体に対する融点低下度を、さきに述べた示差熱分析法(DSC)で求めた。また、水分散体の粒子径を光散乱法により測定した。
(2)水性樹脂
水系ウレタン樹脂:エーテル・エステル系ウレタン樹脂とエステル系ウレタン樹脂の1: 1混合物
(3)供試した金属板
GI(溶融亜鉛めっき鋼板):板厚0.8mmの軟鋼板に片面あたり 60g/m2 の溶融亜鉛めっ きを施した鋼板。
(4)下地処理
非クロメート処理:タンニン酸とシランカップリング剤の混合物
(5)塗布、乾燥
上記(4)を全付着量が100 〜 150mg/m2 となるように塗布、乾燥した金属板(3)に、(1)と(2)を、固形分比率で20:80となるように混合して攪拌しながら塗布し、直火型の乾燥炉にて、到達板温100 〜150 ℃で乾燥した。乾燥後の皮膜全付着量は3〜4μmとなるようにした。
(6)水分散体および金属板の評価試験
(6−1)水性樹脂+水分散体の分散安定性
上記(5)で用いた(1)と(2)の混合物を全固形分濃度25wt%としたものを500cc のビーカーに入れ、金属製の攪拌羽を水面近傍にセットして、50rpm もしくは100rpmで攪拌させた。これを18時間連続したのち停止し、ビーカーの底に溜まった沈殿の量を測定した。
◎:沈殿の生成なし
○:沈殿量がフッ素系樹脂固形分の10%未満
△:沈殿量がフッ素系樹脂固形分の10%超、30%未満
×:沈殿量がフッ素系樹脂固形分の30%超
(6−2)水性樹脂+水分散体の塗布ロールへの巻きつき
前記(6−1)と同じ混合物を1L用意し、ラボロールコーターにて塗布時をシミュレートしたロール回転テストを行った。ロール形式は2ロール(ピックアップロールは金属ロール、アプリケーターロールはゴムロール)のナチュラルコーターで、ロール幅300mm 、ロール径120mm である。これを、受けパン内に1Lの上記混合物を満たした状態で、アプリケーターロールの回転速度15mpm 、ピックアップロールの回転速度10mpm 、線圧200g/mm で2時間連続回転したときのロールへの樹脂巻き発生を観察した。なお実操業により近い条件とするため、GI板をアプリケーターロールに常時接触するように固定したまま、ロールコーターを回転させた。
◎:ロールへの樹脂巻き発生なし
○:ロールの一部にわずかに樹脂巻きが見られる
△:1時間以内に顕著な樹脂巻きが発生
×:15分以内に顕著な樹脂巻きが発生
(6−3)潤滑性皮膜の表面粗度
実施例1と同様に供試板の表面粗度を測定して、Pc(2μm)およびPc(5μm)を求めた。
(6−4)金属板のすべり性
供試板を水平に対して一定の角度で傾けて保持し、その上にPPフィルムが全身に巻かれたPET ボトル(500cc入り)を横向きに静置したとき、何度の角度で保持した場合にすべり出すかを調べた。
◎:7°未満ですべり出した。
○:7°以上、9°未満ですべり出した。
△:9°以上、11°未満ですべり出した。
×:11°以上にしないと滑らなかった。
結果を表2に示す。本発明の水分散体はいずれも塗布ロールへの樹脂巻きを起こしにくく、回転数100rpmで攪拌すれば沈殿生成もわずかであり、かつ金属板に塗布することにより、優れたすべり性を発現させることができる。
Figure 0003965144
Figure 0003965144
本発明の潤滑性金属板の断面模式図A:水性樹脂 B:フッ素系樹脂 C:フッ素を含まない潤滑剤白矢印:皮膜からの盛り上がり(潤滑点)

Claims (11)

  1. 固形潤滑剤としてフッ素系樹脂を含有する連続皮膜を金属板の片面もしくは両面に有し、連続皮膜の膜厚が0.5μm以上、20μm以下であって、かつ該連続皮膜の表面粗度を触針式の表面粗時計にて下記の条件で測定したとき、フッ素系樹脂による盛り上がり部分がライン方向の長さ10mmについて以下を満足することを特徴とする潤滑性金属板。
    Pc(2μm)>3 かつ Pc(5μm)<1
    Pc(2μm):正の基準レベルであるP−LEVELを2μmとしたときのピークカウント
    Pc(5μm):正の基準レベルであるP−LEVELを5μmとしたときのピークカウント
    測定条件;
    測定長さ:10mm
    走行速度:0.3mm/sec
    カットオフ:0.8mm
    縦倍率(高さ方向):5000
    横倍率(長さ方向):10
    負の基準レベルであるV−LEVEL:0μm
    正の基準レベルであるP−LEVEL:2μmまたは5μm
  2. 連続皮膜がフッ素を含有しない樹脂にフッ素系樹脂を混合させた組成物よりなるものであって、かつフッ素系樹脂の金属板上での付着量が、F換算で20mg/m2 以上であることを特徴とする請求項1記載の潤滑性金属板。
  3. 連続皮膜中に、固形潤滑剤としてさらにフッ素を含有しないワックスを含有する請求項1〜2のいずれかに記載の潤滑性金属板。
  4. 連続皮膜と金属板との間に下地処理層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の潤滑性金属板。
  5. 請求項1記載の潤滑性金属板を製造する方法であって、懸濁重合により合成されたフッ素系樹脂を融点以上で熱処理したものに、照射前と比較して融点の低下度が0.8℃以上となるよう放射線を照射して低分子量化し、これを連続皮膜の成分と混合して、攪拌しながら金属板に塗布、乾燥することを特徴とする潤滑性金属板の製造方法。
  6. 請求項1記載の潤滑性金属板を製造する方法であって、乳化重合により合成されたフッ素系樹脂を融点未満で熱処理したものに、照射前と比較して融点の低下度が0.8℃以上となるよう放射線を照射して低分子量化し、これを連続皮膜の成分と混合して、攪拌しながら金属板に塗布、乾燥することを特徴とする潤滑性金属板の製造方法。
  7. 放射線を照射して低分子量化したフッ素系樹脂を、界面活性剤により水分散体とし、これを連続皮膜の水性成分と混合して攪拌しながら金属板に塗布、乾燥することを特徴とする請求項5または6に記載の潤滑性金属板の製造方法。
  8. 懸濁重合により合成されたフッ素系樹脂を融点以上で熱処理したものに、放射線を照射して低分子量化したのちに、界面活性剤を添加して得られる請求項7に記載の潤滑性金属板の製造方法において用いるフッ素系樹脂の水分散体。
  9. 乳化重合により合成されたフッ素系樹脂を融点未満で熱処理したものに、放射線を照射して低分子量化したのちに、界面活性剤を添加して得られる請求項7に記載の潤滑性金属板の製造方法において用いるフッ素系樹脂の水分散体。
  10. 懸濁重合により合成されたフッ素系樹脂を融点以上で熱処理したものに、放射線を照射して低分子量化したのちに、界面活性剤を添加して得られるフッ素系樹脂の水分散体を、水性樹脂に混合して得られる請求項7に記載の潤滑性金属板の製造方法において用いる潤滑性塗料組成物。
  11. 乳化重合により合成されたフッ素系樹脂を融点未満で熱処理したものに、放射線を照射して低分子量化したのちに、界面活性剤を添加して得られるフッ素系樹脂の水分散体を、水性樹脂に混合して得られる請求項7に記載の潤滑性金属板の製造方法において用いる潤滑性塗料組成物。
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