JPH10330281A - 線維芽細胞賦活剤およびこれを含有してなる皮膚外用剤 - Google Patents
線維芽細胞賦活剤およびこれを含有してなる皮膚外用剤Info
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- JPH10330281A JPH10330281A JP9157513A JP15751397A JPH10330281A JP H10330281 A JPH10330281 A JP H10330281A JP 9157513 A JP9157513 A JP 9157513A JP 15751397 A JP15751397 A JP 15751397A JP H10330281 A JPH10330281 A JP H10330281A
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Abstract
を含有させて、紫外線などの外来ストレスにより生じる
皮膚の傷害や老化を有効に防止或いは改善し得る皮膚外
用剤を得る。 【解決手段】 ヤハズグサ属(Dictyopteris),ホンダ
ワラ属(Sargassum),フクリンアミジ属(Dilophu
s),フクロノリ属(Colpomenia),コンブ属(Laminar
ia),カイメンソウ属(Ceratodictyon),カギケノリ
属(Asparagopsis),イトグサ属(Polysiphonia),ヤ
ナギノリ属(Chondria),ソゾ属(Laurencia),ガラ
ガラ属(Galaxaura)から選択される1種又は2種以上
の海藻の抽出物を含有させて、真皮線維芽細胞の賦活剤
を得る。さらにこれを有効成分として含有させて皮膚外
用剤とする。
Description
を含有してなる、真皮線維芽細胞の代謝を活性化する線
維芽細胞賦活剤、及びこれを含有して成る、加齢や紫外
線などの種々のストレスによるしわ,シミの発生、皮膚
弾性の低下といった皮膚老化症状の防止或いは改善に有
効で、抗炎症作用,創傷治癒促進作用をも有する皮膚外
用剤に関する。
るしわ,シミの発生、皮膚弾性の低下といった皮膚の老
化症状には、皮膚真皮の線維芽細胞の機能低下やマトリ
ックス線維の減少又は分解が重要な要因となっている。
従って、皮膚の老化防止,改善作用を有する皮膚外用剤
を得るため、線維芽細胞の賦活或いは増殖促進作用を有
する成分の検索と配合が試みられている。
6号公報),α−ヒドロキシ酢酸(特開平5−1124
22号公報),α−ヒドロキシ酸のステロールエステル
(特開平8−104632号公報),6-ベンジルアミノ
プリン(特開平7−233037号公報),特定のリボ
ヌクレアーゼ(特開平7−309778号公報),L-リ
シル-L-グリシル-L-ヒスチジン(特開平7−31619
2号公報),乳汁由来線維芽細胞増殖因子(特開平8−
119867号公報),酸化型コエンザイムA(特開平
8−175961号公報)等が開示されている。
活効果を有する成分等の中には、作用効果が不十分であ
ったり、安定性が悪かったりして、皮膚外用剤基剤中に
含有させた場合、有効な効果を得るにはかなりの量を含
有させなければならないものも存在していた。また、好
ましくない副作用や刺激性などを有していたり、製剤安
定性に悪影響を及ぼすものや、臭いや色の点で外用剤に
配合しにくいもの、一定の作用,品質を維持することの
困難なものも多かった。
は、真皮線維芽細胞の代謝活性を向上させる細胞賦活作
用に優れる新規成分を探求し、それを皮膚外用剤に含有
させることにより、紫外線などの外来ストレスにより生
じる皮膚の傷害や老化を有効に防止或いは改善する作用
に優れる皮膚外用剤を得ることを目的とした。
め、本発明者は真皮線維芽細胞の代謝活性促進効果を指
標として、有効な活性化作用を有する物質のスクリーニ
ングを行った。その結果、ヤハズグサ属(Dictyopteri
s),ホンダワラ属(Sargassum),フクリンアミジ属
(Dilophus),フクロノリ属(Colpomenia),コンブ属
(Laminaria),カイメンソウ属(Ceratodictyon),カ
ギケノリ属(Asparagopsis),イトグサ属(Polysiphon
ia),ヤナギノリ属(Chondria),ソゾ属(Laurenci
a),ガラガラ属(Galaxaura)から選択される1種又は
2種以上の海藻の抽出物に、高い真皮線維芽細胞の代謝
促進効果を見いだした。これらの海藻抽出物において
は、皮膚刺激性,接触感作性といった皮膚への悪影響も
なく、また皮膚外用剤に配合したときも、真皮線維芽細
胞賦活効果の不活化は起こらずに、品質も安定してい
た。
(Dictyopteris)の海藻は、褐藻類アミジグサ目アミジ
グサ科の藻類の一種である。ヤハズグサ属の海藻として
は、ヤハズグサ(Dictyopteris latiuscula),シワヤ
ハズ(Dictyopteris undulata),ヘラヤハズ(Dictyop
teris prolifera),スジヤハズ(Dictyopteris plagio
gramma),ヒメヤハズ(Dictyopteris repens),エゾ
ヤハズ(Dictyopteris divaricata),ウラボシヤハズ
(Dictyopteris polypodioides)等が例示される。これ
らのヤハズグサ属藻類の中でも、真皮線維芽細胞賦活作
用の点から、ウラボシヤハズ(Dictyopteris polypodio
ides)の抽出物が好ましく用いられる。
sum)の海藻は、褐藻類ヒバマタ目ホンダワラ科の藻類
の一種である。ホンダワラ(Sargassum fulvellum)の
抽出物を美白化粧料に配合することは、特開平1−22
4308号公報、及び特開平2−124810号公報に
てすでに開示されている。しかしながら、ホンダワラ属
の海藻抽出物が真皮線維芽細胞賦活作用を有すること、
及びこの抽出物を含有する皮膚外用剤が老化防止作用を
発揮することは、知られていない。
は、ホンダワラ(Sargassum fulvellum),エンドウモ
ク(Sargassum yendoi),マメタワラ(Sargassum pil
uriferum),ヤツマタモク(Sargassum patens),アカ
モク(Sargassum horneri),ノコギリモク(Sargassum
serratifolium),オオバノコギリモク(Sargassum gi
ganteifolium),ヨレモク(Sargassum tortile),ヤ
ナギモク(オオバモク:Sargassum ringgoldianum),
ネジモク(Sargassum sagamianum),ハハキモク(Sarg
assum kjellmanianum),ウミトラノオ(Sargassum thu
nbergii),フシスジモク(Sargassum confusum),イ
ソモク(Sargassum hemiphyllum),ナラサモ(Sargass
um nigrifolium),トゲモク(Sargassum micracanthu
m),タマナシモク(Sargassum nipponicum),ジンメ
ソウ(Sargassum vulgare),フタエモク(ヒイラギモ
ク:Sargassum duplicatum),エゾノネジモク(Sargas
sum yezoense)等が例示される。これらのホンダワラ
属藻類の中でも真皮線維芽細胞賦活作用の点から、エン
ドウモク(Sargassum yendoi),エゾノネジモク(Sar
gassum yezoense),及びヤツマタモク(Sargassum pa
tens)から選択される1種又は2種以上の抽出物を用い
ることが好ましい。
lophus)の海藻は、褐藻類アミジグサ目アミジグサ科の
藻類の一種である。フクリンアミジ属の海藻としては、
フクリンアミジ(Dilophus okamurai,Dilophus margin
ata)が例示される。
enia)の海藻は、褐藻類カヤモノリ目カヤモノリ科の藻
類の一種である。フクロノリ属の海藻としては、フクロ
ノリ(Colpomenia sinuosa),ワタモ(Colpomenia bul
losa)が例示される。これらの海藻の中でも真皮線維芽
細胞賦活作用の点から、フクロノリ(Colpomenia sinuo
sa)の抽出物を用いることが好ましい。
a)の海藻は、褐藻類コンブ目コンブ科の藻類の一種で
ある。コンブ属の海藻としては、マコンブ(Laminaria
japonica),ホソメコンブ(Laminaria religiosa),
ミツイシコンブ(Laminaria angusta),チジミコンブ
(Laminaria cichorioides),ヒメコンブ(Laminaria
longipes)等が例示される。これらのコンブ属藻類の中
でも、真皮線維芽細胞賦活作用の点から、ホソメコンブ
(Laminaria religiosa)の抽出物を用いることが好ま
しい。
todictyon)の海藻は、紅藻類スギノリ目オゴノリ科の
藻類の一種であり、カイメンソウ(Ceratodictyon spon
gios um)が例示される。
gopsis)の海藻は、紅藻類カギケノリ目カギケノリ科の
藻類の一種であり、カギケノリ(Asparagopsis taxifor
mis),カギノリ(Asparagopsis hamifera)等が例示さ
れる。これらの中でも、真皮線維芽細胞賦活作用の点か
ら、カギケノリ(Asparagopsis taxiformis)の抽出物
を用いることが好ましい。
onia)の海藻は、紅藻類イギス目フジマツモ科の藻類の
一種である。イトグサ属の海藻としては、モロイトグサ
(Polysiphonia morrowii),ショウジョウケノリ(Pol
ysiphonia urceolata),ムツイトグサ(Polysiphonia
senticulosa),キブリイトグサ(Polysiphonia japoni
ca),クロイトグサ(Polysiphonia forcipata),フト
イトグサ(Polysiphonia crassa)等が例示される。こ
れらのイトグサ属の海藻の中でも、真皮線維芽細胞賦活
作用の点から、モロイトグサ(Polysiphonia morrowi
i)の抽出物を用いることが好ましい。
ia)の海藻は、紅藻類イギス目フジマツモ科の藻類の一
種である。ヤナギノリ属の海藻としては、ユナ(Chondr
ia crassicaulis),ヤナギノリ(Chondria dasyphyll
a),アカユナ(Chondria atropurpurea),モツレユナ
(Chondria intricata),ハナヤナギ(Chondria armat
a),ベニヤナギノリ(Chondria ryukyuensis)等が例
示される。これらのヤナギノリ属の海藻の中でも、真皮
線維芽細胞賦活作用の点から、ユナ(Chondria crassic
aulis)の抽出物を用いることが好ましい。
の海藻は、紅藻類イギス目フジマツモ科の藻類の一種で
ある。ソゾ属の海藻としては、ソゾsp.(Laurencia s
p.),クロソゾ(Laurencia intermedia),ミツデソゾ
(Laurencia okamurai),ソゾノハナ(Laurencia grev
illeana),オオソゾ(Laurencia glandulifera),ハ
ネソゾ(Laurencia pinnata),コブソゾ(Laurencia u
ndulata)等が例示される。これらのソゾ属藻類の中で
も、真皮線維芽細胞賦活作用の点から、コブソゾ(Laur
encia undulata)の抽出物を用いることが好ましい。
a)の海藻は、紅藻類カギケノリ目ガラガラ科の藻類の
一種である。ガラガラ属の海藻としては、ガラガラ(Ga
laxaura fastigiata),ヒラガラガラ(Galaxaura falc
ata),ジュズガラガラ(Galaxaura obtusata)等が例
示される。これらの海藻の中でも、真皮線維芽細胞賦活
作用の点から、ヒラガラガラ(Galaxaura falcata)の
抽出物を用いることが好ましい。
ては、水、エタノール,メタノール,イソプロパノー
ル,イソブタノール,n-ヘキサノール,メチルアミルア
ルコール,2-エチルブタノール,n-オクチルアルコール
などのアルコール類、グリセリン,エチレングリコー
ル,エチレングリコールモノメチルエーテル,エチレン
グリコールモノエチルエーテル,プロピレングリコー
ル,プロピレングリコールモノメチルエーテル,プロピ
レングリコールモノエチルエーテル,トリエチレングリ
コール,1,3-ブチレングリコール,ヘキシレングリコー
ル等の多価アルコール又はその誘導体、アセトン,メチ
ルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,メチル-n-
プロピルケトンなどのケトン類、酢酸エチル,酢酸イソ
プロピルなどのエステル類、エチルエーテル,イソプロ
ピルエーテル,n-ブチルエーテル等のエーテル類などの
極性溶媒から選択される1種又は2種以上の混合溶媒が
好適に使用でき、また、リン酸緩衝生理食塩水を用いる
ことができるが、特に限定はされない。或いは、石油エ
ーテル,n-ヘキサン,n-ペンタン,n-ブタン,n-オクタ
ン,シクロヘキサン等の炭化水素類、四塩化炭素,クロ
ロホルム,ジクロロメタン,トリクロロエチレン,ベン
ゼン,トルエンなどの低極性溶媒から選択される1種又
は2種以上の混合溶媒も好適に使用することができる。
用の点から、極性溶媒が好ましく、さらには、エタノー
ル,メタノール,1,3-ブチレングリコール,水から選択
される1種又は2種以上の混合溶媒若しくはリン酸緩衝
生理食塩水(pH7.4)が好ましい。
したものをそのまま、若しくは乾燥させたものを用いる
ことができる。また、使用部位も特に限定されず、藻類
の全体を用いても、体部,枝部,根部など一部のみを用
いてもよい。
は加温した状態で含浸させて抽出する方法、水蒸気蒸留
等の蒸留法を用いて抽出する方法、生の藻類から圧搾し
て抽出物を得る圧搾法等が例示され、これらの方法を単
独で又は2種以上を組み合わせて抽出を行う。
されるものではないが、植物1に対して溶媒0.5〜1
000重量倍、特に抽出操作、効率の点で0.5〜10
0重量倍が好ましい。また、抽出温度は、常圧下で室温
から溶剤の沸点以下の範囲とするのが便利であり、抽出
時間は抽出温度などによって異なるが、2時間〜2週間
の範囲とするのが好ましい。
は、抽出物をそのまま用いることもできるが、線維芽細
胞賦活作用を失わない範囲内で脱臭,脱色,濃縮等の精
製操作を加えたり、さらにはカラムクロマトグラフィー
等を用いて分画物として用いてもよい。これらの抽出物
や精製物、分画物は、これらから溶媒を除去することに
よって乾燥物とすることもでき、さらにアルコールなど
の溶媒に可溶化した形態、或いは乳剤の形態で線維芽細
胞賦活剤として提供することができる。
の配合量は、その効果や添加した際の香り,色調の点か
ら考え、0.001〜20重量%の濃度範囲とすること
が望ましい。配合量が0.001重量%未満であると、
十分な老化防止効果が得られないが、真皮線維芽細胞賦
活作用がかなり強いため、あまり多量に配合する必要も
なく、20重量%を超えると皮膚外用剤の安定性等に影
響を及ぼすこともある。
賦活剤を含有させて皮膚外用剤を提供し得るが、皮膚外
用剤としては、ローション,乳剤,クリーム,軟膏等の
形態をとることができる。またさらに、柔軟性化粧水,
収れん性化粧水,洗浄用化粧水等の化粧水類、エモリエ
ントクリーム,モイスチュアクリーム,マッサージクリ
ーム,クレンジングクリーム,メイクアップクリーム等
のクリーム類、エモリエント乳液,モイスチュア乳液,
ナリシング乳液,クレンジング乳液等の乳液類、ゼリー
状パック,ピールオフパック,洗い流しパック,粉末パ
ック等のパック類、美容液、及び洗顔料といった種々の
製剤形態の老化防止用化粧料としても提供することがで
きる。
や美白成分,保湿剤,抗炎症剤,紫外線吸収剤等、他の
有効成分を併用することもでき、日焼け止め化粧料、皮
膚保護用化粧料、美白剤等の薬用化粧料或いは医薬部外
品等として提供することもできる。
詳細に説明する。
剤 表1に示した海藻及び溶媒を用いて、線維芽細胞賦活剤
を調製し、実施例1〜実施例13とした。抽出方法は、
海から採取した海藻を、水洗した後細切し、等重量の溶
媒に分散後ブレンダーミルで攪拌し、遠心分離を行い上
清を線維芽細胞賦活剤とした。なお抽出溶媒として用い
たリン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)は、塩化ナトリ
ウム8.0g,塩化カリウム0.2g,リン酸水素二ナ
トリウム1.15g,リン酸二水素カリウム0.2g,
塩化カルシウム0.1g,塩化マグネシウム・六水和物
0.1gを蒸留水に溶解して1000mlとすることに
より調製した。
維芽細胞を1ウェルあたり2.0×104個となるよう
に96穴マイクロプレートに播種し、24時間後に実施
例1〜13に示した線維芽細胞賦活剤を含有する1.0
容量%牛胎仔血清添加ダルベッコ最小必須培地にて、3
7℃で24時間培養した。次いで2-(4,5-ジメチル-2-チ
アゾリル)-3,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド(M
TT)を20μg/ml含有する前記培地に交換して3
7℃で24時間培養し、テトラゾリウム環の開環により
生じるフォルマザンを560nmにおける吸光度により
測定した。なお、1.0容量%牛胎仔血清添加ダルベッ
コ最小必須培地のみで培養した系を対照とし、5.0容
量%牛胎仔血清添加ダルベッコ最小必須培地で培養した
系を陽性対照とした。結果は対照における吸光度を10
0.0%として表した活性化指数により表2に示した。
藻抽出物を添加して線維芽細胞を培養することにより、
活性化指数の上昇が認められ、有意な線維芽細胞代謝活
性化が認められていた。特に、実施例1のウラボシヤハ
ズ抽出物,実施例3のエゾノネジモク抽出物,実施例5
のフクリンアミジ抽出物,実施例11のユナ抽出物,実
施例12のコブソゾ抽出物においては、1容量%以下の
きわめて低濃度で有意な活性化指数の上昇が認められ、
高い線維芽細胞賦活作用を有することが示された。
よりO/W乳化型美容液を調製した。 (処方) (1)スクワラン 5.0(重量%) (2)白色ワセリン 2.0 (3)ミツロウ 0.5 (4)ソルビタンセスキオレエート 0.8 (5)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20EO) 1.2 (6)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (7)プロピレングリコール 5.0 (8)精製水 59.1 (9)カルボキシビニルポリマー1.0重量%水溶液 20.0 (10)水酸化カリウム 0.1 (11)エタノール 5.0 (12)線維芽細胞賦活剤 1.0 (13)香料 0.2 製法:(1)〜(5)の油相成分を混合し75℃に加熱して
溶解,均一化する。一方(6)〜(8)の水相成分を混合,
溶解して75℃に加熱し、油相成分を添加して予備乳化
する。(9)を添加した後ホモミキサーにて均一に乳化
し、(10)を加えてpHを調整する。冷却後40℃にて(1
1)〜(13)を添加,混合,均一化する。
外線によるしわの発生に対する防止効果を評価した。な
お、線維芽細胞賦活剤を精製水に代替したものを比較例
1とした。しわ発生防止効果は、ヘアレスマウス5匹を
1群とし、各群について実施例及び比較例をそれぞれ1
日1回背部に塗布し、1J/cm2/週の長波長紫外線
(UVA)を50週間照射し、ヘアレスマウスにおける
しわの発生状況を観察し、表4に示す判定基準に従って
点数化して行った。この際、精製水のみを塗布した群を
対照とした。結果は各群の平均値を算出し、UVA照射
日数との関係により表5に示した。
は、UVA照射日数が40週を越える頃には形成された
しわの深さが中程度にまで達し、50週後には深いしわ
の発生が認められていた。これに対し、本発明の実施例
塗布群では、いずれにおいても50週後に微小ないし軽
微なしわが認められた程度で、しわの発生は顕著に抑制
されていた。一方比較例塗布群では、有意なしわの発生
抑制或いは軽減は認められなかった。
及び比較例1について、抗炎症作用及び創傷治癒促進効
果を評価した。人工的に炎症又は創傷を形成した1群5
匹のマウスを用い、各群に実施例及び比較例をそれぞれ
0.5gずつ1日2回7日間塗布し、7日目に炎症部位
及び創傷部位の状態を観察した。抗炎症作用については
「有効」,「やや有効」,「無効」、創傷治癒促進効果
については「完全治癒」,「ほぼ治癒」,「治癒不完
全」の3段階でそれぞれ評価し、各評価を得たマウスの
数にて表6に示した。
いては、本発明の実施例塗布群ではいずれにおいても無
効と評価されたマウスは見られず、3例以上のマウスに
おいて有効な抗炎症作用が認められていた。また創傷治
癒促進効果についても、本発明の実施例塗布群では創傷
治癒の不完全なマウスはいずれにおいても認められてお
らず、2例以上のマウスで完全な治癒を認めていた。こ
れに対し比較例1塗布群では、やや有効な抗炎症作用の
認められたマウスが1例見られたが、残り4例では炎症
の改善は全く認められなかった。また比較例1塗布群す
べてにおいて、創傷治癒は不完全であった。
比較例1について、6ヶ月間の実使用試験を行った。パ
ネラーとして、顕著なしわの発生等の皮膚症状を有する
40歳〜60歳代の女性を用い、1群20名とした。使
用試験は、各群に実施例及び比較例のそれぞれをブライ
ンドにて使用させて行った。使用試験前および使用試験
終了後の皮膚の状態を観察し、しわの改善状況につい
て、「改善」,「やや改善」,「変化なし」の3段階に
て評価した。なお、しわの程度については写真撮影及び
レプリカにより評価した。結果は、各評価を得たパネラ
ー数にて表7に示した。
ついては、本発明の実施例使用群ではすべてにおいて改
善傾向が認められていた。特に、実施例14,実施例1
6,実施例18,実施例24,実施例25使用群では、
75%以上のパネラーで明確な改善を認めていた。これ
に対し、比較例使用群では、明確な改善を認めたパネラ
ーは見られず、70%以上のパネラーで症状の改善を認
めなかった。
は、上記使用試験期間中に含有成分の析出,分離,凝
集,変臭,変色といった状態変化は全く見られなかっ
た。また、各実施例使用群において、皮膚刺激性反応や
皮膚感作性反応を示したパネラーも存在しなかった。
解し、70℃に保つ。一方、(7)〜(10)の水相成分を混
合,加熱して均一とし、70℃とする。この水相成分に
前記油相成分を攪拌しながら徐々に添加して乳化し、冷
却した後40℃にて(11)を添加,混合する。
解して添加し、次いで(5)を加えて増粘させ、(6)を添
加する。
加熱する。一方、(8)〜(10)の水相成分を混合,溶解し
て75℃に加熱する。次いで、上記水相成分に油相成分
を添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳
化し、冷却後40℃にて(11),(12)を添加,混合する。
し、75℃に加熱する。一方、(5)を(6)に溶解して7
5℃に加熱し、これに前記油相成分を添加して乳化し、
冷却後40℃にて(7)を添加,混合する。
解する。
50℃に加熱した(4)に攪拌しながら徐々に添加する。
これをあらかじめ混合し70℃に加熱溶解した(1)〜
(3)に均一に分散し、これに(7),(8)を(9)の残部に
溶解して70℃に加熱したものを攪拌しながら添加し、
ホモミキサーにて乳化する。冷却後、40℃にて(10),
(11)を添加,混合する。
て均一とする。一方(5)〜(7)の水相成分を混合し、7
5℃に加熱,溶解して均一とし、これに(8)〜(10)の顔
料を添加し、ホモミキサーにて均一に分散させる。この
水相成分に前記油相成分を添加し、ホモミキサーにて乳
化した後冷却し、40℃にて(11)〜(13)を添加,混合す
る。
て均一とする。一方(6)〜(9)の水相成分を混合し、7
5℃に加熱,溶解して均一とし、これに(10)〜(14)の顔
料を添加しホモミキサーにて均一に分散させる。この水
相成分に前記油相成分を添加し、ホモミキサーにて均一
に乳化した後冷却し、40℃にて(15),(16)を添加,混
合する。
加熱する。一方、(7)〜(9)の水相成分を混合,溶解し
て75℃に加熱する。ついで、この水相成分に油相成分
を添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳
化して冷却し、40℃にて(10)を添加,混合する。
(Dictyopteris),ホンダワラ属(Sargassum),フク
リンアミジ属(Dilophus),フクロノリ属(Colpomeni
a),コンブ属(Laminaria),カイメンソウ属(Cerato
dictyon),カギケノリ属(Asparagopsis),イトグサ
属(Polysiphonia),ヤナギノリ属(Chondria),ソゾ
属(Laurencia),ガラガラ属(Galaxaura)から選択さ
れる1種又は2種以上の海藻の抽出物を含有する本発明
の線維芽細胞賦活剤は、真皮線維芽細胞の代謝活性を活
性化する線維芽細胞賦活作用を有し、さらにこれを線維
芽細胞賦活剤として含有する皮膚外用剤は、加齢や紫外
線などの種々のストレスによるしわ,シミの発生、皮膚
弾性の低下といった皮膚老化症状の防止或いは改善に有
効で、抗炎症作用,創傷治癒促進作用をも有し、さらに
安定性,安全性も良好である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ヤハズグサ属(Dictyopteris),ホンダ
ワラ属(Sargassum),フクリンアミジ属(Dilophu
s),フクロノリ属(Colpomenia),コンブ属(Laminar
ia),カイメンソウ属(Ceratodictyon),カギケノリ
属(Asparagopsis),イトグサ属(Polysiphonia),ヤ
ナギノリ属(Chondria),ソゾ属(Laurencia),ガラ
ガラ属(Galaxaura)から選択される1種又は2種以上
の海藻の抽出物を含有することを特徴とする線維芽細胞
賦活剤。 - 【請求項2】 請求項1に記載の線維芽細胞賦活剤を有
効成分として含有する皮膚外用剤。 - 【請求項3】 皮膚外用剤が老化防止用化粧料であるこ
とを特徴とする請求項2に記載の皮膚外用剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15751397A JP3825882B2 (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | 線維芽細胞賦活剤およびこれを含有してなる皮膚外用剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15751397A JP3825882B2 (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | 線維芽細胞賦活剤およびこれを含有してなる皮膚外用剤 |
Publications (2)
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