JP2004307437A - 老化防止用皮膚外用剤 - Google Patents

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宗彦 鈍宝
Akihiko Hasegawa
明彦 長谷川
Manabu Mochizuki
望月  学
Munenori Yamada
宗紀 山田
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Abstract

【課題】真皮線維芽細胞の代謝活性を向上させる細胞賦活作用に優れる新規成分を探求し、それを皮膚外用剤に含有させることにより、紫外線などの外来ストレスにより生じる皮膚の傷害や老化を、有効に防止或いは改善する作用に優れる老化防止用皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】ハナビラタケの子実体からの抽出物を含有して成る老化防止用皮膚外用剤であって、好ましくは抽出物が、極性溶媒により抽出された抽出物である老化防止用皮膚外用剤。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真皮線維芽細胞の代謝活性を活性化し、さらに紫外線による線維芽細胞の損傷を防止することにより、加齢や紫外線などの種々のストレスによるシワ,シミの発生,皮膚の弾性の低下といった皮膚老化症状の防止或いは改善に有効で、抗炎症作用,創傷治癒促進作用をも有する老化防止用皮膚外用剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
加齢や紫外線等外来ストレスにより生じるしわ,シミの発生、皮膚弾性の低下といった皮膚の老化症状には、皮膚真皮の線維芽細胞の機能低下やマトリックス線維の減少又は分解が重要な要因となっている。従って、皮膚の老化防止,改善作用を有する老化防止用皮膚外用剤を得るため、線維芽細胞の賦活或いは増殖促進作用を有する成分の検索と配合が試みられている。
【0003】
例えば、ビワ抽出物(特許文献1参照)、α−ヒドロキシ酢酸(特許文献2参照)、α−ヒドロキシ酸のステロールエステル(特許文献3参照)、6−ベンジルアミノプリン(特許文献4参照)、特定のリボヌクレアーゼ(特許文献5参照)、L−リシル−L−グリシル−L−ヒスチジン(特許文献6参照)、乳汁由来線維芽細胞増殖因子(特許文献7参照)、酸化型コエンザイムA(特許文献8参照)等が開示されている。
【0004】
一方、きのこ類の一種であるハナビラタケは、カラマツに生えるきのこであって、非常に僅少なきのこである。歯ごたえがよく、その純白の色合いと葉牡丹のような形態が特徴である食用きのこである。これまで、このハナビラタケは成長が遅く人工栽培は非常に困難であるとされてきたが、最近になって、比較的短期間で栽培可能な新しい栽培法が確立され、商業規模での供給が可能となってきている。
このハナビラタケから抽出により得られたβ‐グルカンを主成分とする抽出物について医薬品、食品分野での用途が提案されている(例えば、特許文献9、10参照)。
【0005】
【特許文献1】
特公平5−17206号公報
【特許文献2】
特開平5−112422号公報
【特許文献3】
特開平8−104632号公報
【特許文献4】
特開平7−233037号公報
【特許文献5】
特開平7−309778号公報
【特許文献6】
特開平7−316192号公報
【特許文献7】
特開平8−119867号公報
【特許文献8】
特開平8−175961号公報
【特許文献9】
特開2000−217543号公報
【特許文献10】
特開2002−125460号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の真皮線維芽細胞賦活効果を有する成分等の中には、作用効果が不十分であったり、安定性が悪かったりして、皮膚外用剤基剤中に含有させた場合、有効な効果を得るにはかなりの量を含有させなければならないものも存在していた。また、好ましくない副作用や刺激性などを有していたり、製剤安定性に悪影響を及ぼすものや、臭いや色の点で外用剤に配合しにくいもの、一定の作用、品質を維持することの困難なものも多かった。
【0007】
また、ハナビラタケからの抽出物については、今まで真皮繊維芽細胞賦活効果は知られていなかった。
【0008】
本発明は、真皮線維芽細胞の代謝活性を向上させる細胞賦活作用に優れる新規成分を探求し、それを皮膚外用剤に含有させることにより、紫外線などの外来ストレスにより生じる皮膚の傷害や老化を、有効に防止或いは改善する作用に優れる老化防止用皮膚外用剤を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため、鋭意研究した結果、ハナビラタケ子実体の抽出物が、高い真皮線維芽細胞の代謝促進効果、及び紫外線による線維芽細胞の傷害を防止する効果並びに保湿効果を有することを見出し、本発明に到達した。
【0010】
すなわち本発明は、ハナビラタケ子実体からの抽出物を含有して成る老化防止用皮膚外用剤を要旨とするものであり、好ましくは抽出物が、極性溶媒により抽出された抽出物であるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるハナビラタケは成長が遅く人工栽培は非常に困難であるとされてきたが、最近になって、比較的短期間で栽培可能な新しい栽培法が確立され、商業規模での供給が可能となってきている。本発明においては天然のものでもよいし、あるいは人工栽培により得られたものであってもよい。人工栽培は、たとえば特開平11−56098号公報、特開2002−369621号公報、特開2002−125460号公報などの方法により実施することができる。
【0012】
ハナビラタケの子実体から抽出物を得る場合、生の子実体或いは乾燥した子実体のいずれを用いても良い。またハナビラタケ子実体の抽出物を得る抽出溶媒としては、水、エタノール,メタノール,イソプロパノール,イソブタノール,n−ヘキサノール,メチルアミルアルコール,2−エチルブタノール,n−オクチルアルコールなどのアルコール類、グリセリン,エチレングリコール,エチレングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコールモノエチルエーテル,プロピレングリコール,プロピレングリコールモノメチルエーテル,プロピレングリコールモノエチルエーテル,トリエチレングリコール,1,3−ブチレングリコール,ヘキシレングリコール等の多価アルコール又はその誘導体、アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,メチル−n−プロピルケトンなどのケトン類、酢酸エチル,酢酸イソプロピルなどのエステル類、エチルエーテル,イソプロピルエーテル,n−ブチルエーテル等のエーテル類などの極性溶媒から選択される1種又は2種以上の混合溶媒が好適に使用できる。また、リン酸緩衝生理食塩水等の無機塩類を添加した極性溶媒、界面活性剤を添加した極性溶媒を用いることもでき、特に限定はされない。上記の抽出溶媒の中でも、エタノール,メタノール,1,3−ブチレングリコール,水から選択される1種の溶媒又は2種以上の混合溶媒、及びこれらの溶媒に無機塩,界面活性剤を添加した溶媒が好ましく用いられる。
【0013】
抽出方法としては、室温,冷却又は加温した状態で含浸させて抽出する方法、水蒸気蒸留等の蒸留法を用いて抽出する方法、生のハナビラタケを直接圧搾して抽出物を得る圧搾法等が例示され、これらの方法を単独で又は2種以上を組み合わせて抽出を行う。
【0014】
抽出の際のハナビラタケ子実体と溶媒との比率は特に限定されるものではないが、ハナビラタケ子実体1質量部に対して溶媒0.5〜1000質量部、特に抽出操作、効率の点で0.5〜100質量部が好ましい。また、抽出温度は、常圧下で室温から溶剤の沸点以下の範囲とするのが便利であり、抽出時間は抽出温度などによって異なるが、2時間〜2週間の範囲とするのが好ましい。
【0015】
本発明の老化防止用皮膚外用剤は、上述したようにして得られたハナビラタケ子実体からの抽出物をそのまま配合することもできるが、真皮線維芽細胞賦活作用、及び紫外線による細胞傷害防御作用を失わない範囲内で脱臭,脱色,濃縮等の精製操作を加えたり、さらにはカラムクロマトグラフィー等を用いて分画物としたものを用いてもよい。これらの抽出物や精製物、分画物は、これらから溶媒を除去することによって乾固物とすることもでき、さらにアルコールなどの溶媒に可溶化した形態、或いは乳剤の形態で老化防止用皮膚外用剤に添加することができる。
【0016】
これらのハナビラタケ子実体からの抽出物の老化防止用皮膚外用剤への配合量は、その効果や添加した際の匂い,色調の点から考え、0.001〜20重量%の濃度範囲とすることが望ましい。配合量が0.001重量%未満であると、十分な真皮線維芽細胞賦活作用、紫外線による細胞傷害防御作用及び老化防止効果が得られないが、あまり多量に配合する必要もなく、20重量%を超えると老化防止用皮膚外用剤の安定性等に影響を及ぼすこともある。
【0017】
本発明の老化防止用皮膚外用剤の形態としてはローション,乳剤,クリーム,軟膏等の形態をとることができる。またさらに、柔軟性化粧水,収れん性化粧水,洗浄用化粧水等の化粧水類、エモリエントクリーム,モイスチュアクリーム,マッサージクリーム,クレンジングクリーム,メイクアップクリーム等のクリーム類、エモリエント乳液,モイスチュア乳液,ナリシング乳液,クレンジング乳液等の乳液類、ゼリー状パック,ピールオフパック,洗い流しパック,粉末パック等のパック類、美容液、及び洗顔料といった種々の製剤形態の老化防止用化粧料としても提供することができる。
【0018】
本発明においてはさらに、他の細胞賦活剤や美白成分,保湿剤,抗炎症剤,紫外線吸収剤等、他の有効成分を併用することもでき、日焼け止め化粧料、皮膚保護用化粧料、美白剤等の薬用化粧料或いは医薬部外品等として提供することもできる。
【0019】
【実施例】
以下、実施例により具体的に説明する。
製造例1〜4
表1に示した抽出溶媒を用いて、ハナビラタケ子実体(ユニチカ社製)からの抽出物を調製した。すなわち、乾燥したハナビラタケ子実体を粉砕し、その10質量倍の溶媒を添加して、室温で3日間浸漬した後濾過したろ液をハナビラタケ子実体抽出物とした。
【0020】
【表1】
Figure 2004307437
【0021】
試験例1[真皮線維芽細胞代謝活性化作用]
ヒト由来真皮線維芽細胞を1ウェルあたり2.0×10個となるように96穴マイクロプレートに播種し、24時間後に製造例1〜4に示したハナビラタケ子実体抽出物を含有する1.0容量%牛胎仔血清添加ダルベッコ最小必須培地にて、37℃で48時間培養した。次いで2−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−3,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を0.4mg/ml含有する前記培地に交換して37℃で2時間培養し、テトラゾリウム環の開環により生じるフォルマザンを、2−プロパノールにて抽出し550nmにおける吸光度により測定した。なお、1.0容量%牛胎仔血清添加ダルベッコ最小必須培地のみで培養した系を対照とし、5.0容量%牛胎仔血清添加ダルベッコ最小必須培地で培養した系を陽性対照とした。結果は対照における吸光度を100.0%として表した活性化指数により表2に示した。
【0022】
【表2】
Figure 2004307437
【0023】
その結果、表2に示したとおり、ハナビラタケ子実体抽出物を添加して真皮線維芽細胞を培養することにより、活性化指数の上昇が認められ、有意な線維芽細胞代謝活性化が認められていた。特に、抽出溶媒として精製水及び85%エタノールを用いた製造例1及び製造例2においては、0.01重量%ときわめて低濃度で、有意な活性化指数の上昇が認められ、高い線維芽細胞賦活作用を有することが示された。
【0024】
試験例2[紫外線による細胞傷害防御作用]
ヒト由来真皮線維芽細胞を1ウェルあたり2.0×10個となるように96穴マイクロプレートに播種し、24時間後に製造例1〜4に示したハナビラタケ子実体抽出物を含有する5.0容量%牛胎仔血清添加ダルベッコ最小必須培地に交換し、37℃で24時間培養した。次いで培地をHanks液に交換し、紫外線を0.5J/cm量照射した。再度、5.0容量%牛胎仔血清添加ダルベッコ最小必須培地に交換し、37℃で24時間培養した後、培地をニュートラルレッドを20μg/ml含有する前記培地に交換して37℃で2時間培養し、培地中に含まれるニュートラルレッドをリン酸緩衝生理食塩水で洗浄除去した。細胞内に取り込まれたニュートラルレッドを、0.1N塩酸含有30%エタノール水溶液で抽出し、抽出液の550nmの吸光度を測定した。ニュートラルレッドは、生細胞の細胞膜だけを透過し、リソゾームに沈着するので、生細胞だけを特異的に染色することができる。なお、ハナビラタケ子実体の抽出物を添加せず、5.0容量%牛胎仔血清添加ダルベッコ最少必須培地のみで培養した系を対照とし、それぞれの紫外線照射後の細胞生存率を表3に示した。
【0025】
【表3】
Figure 2004307437
【0026】
その結果、表3に示したとおり、ハナビラタケ子実体抽出物を添加して真皮線維芽細胞を培養することにより、紫外線による真皮線維芽細胞の傷害に対し、有意な防御作用が認められていた。特に、抽出溶媒として精製水及び85%エタノールを用いた製造例1及び製造例2においては、0.1重量%以下の低濃度で、64%以上の細胞生存が認められ、紫外線による真皮線維芽細胞の傷害に対し、高い防御作用を有することが示された。
【0027】
実施例1〜4〔O/W乳化型美容液〕
表4に示したハナビラタケ子実体抽出物を用いて、下記の処方によりO/W乳化型美容液を調製した。
(処方)
(1)スクワラン 5.0(重量%)、(2)白色ワセリン 2.0、(3)ミツロウ 0.5、(4)ソルビタンセスキオレエート 0.8、(5)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20EO) 1.2、(6)パラオキシ安息香酸メチル 0.1、(7)プロピレングリコール 5.0、(8)精製水 59.1、(9)カルボキシビニルポリマー1.0質量%水溶液 20.0、(10)水酸化カリウム 0.1、(11)エタノール 5.0、(12)ハナビラタケ子実体抽出物 1.0、(13)香料 0.2
(製法)
(1)〜(5)の油相成分を混合し75℃に加熱して溶解,均一化する。一方(6)〜(8)の水相成分を混合,溶解して75℃に加熱し、油相成分を添加して予備乳化する。(9)を添加した後ホモミキサーにて均一に乳化し、(10)を加えてpHを調整する。冷却後40℃にて(11)〜(13)を添加,混合,均一化する。
【0028】
【表4】
Figure 2004307437
【0029】
評価例1
前記実施例1〜実施例4を用いて、紫外線によるしわの発生に対する防止効果を評価した。なおハナビラタケ子実体抽出物を精製水に代替したものを比較例1とした。しわ発生防止効果は、ヘアレスマウス5匹を1群とし、各群について実施例及び比較例をそれぞれ1日1回背部に塗布し、1J/cm/週の長波長紫外線(UVA)を50週間照射し、ヘアレスマウスにおけるしわの発生状況を観察し、表5に示す判定基準に従って点数化して行った。この際、精製水のみを塗布した群を対照とした。結果は各群の平均値を算出し、UVA照射日数との関係により表6に示した。
【0030】
【表5】
Figure 2004307437
【0031】
【表6】
Figure 2004307437
【0032】
表6に示されるように、対照群においては、UVA照射日数が40週を越える頃には形成されたしわの深さが中程度にまで達し、50週後には深いしわの発生が認められていた。これに対し、本発明の実施例塗布群では、いずれにおいても50週後に微小ないし軽微なしわが認められた程度で、しわの発生は顕著に抑制されていた。一方比較例塗布群では、有意なしわの発生抑制或いは軽減は認められなかった。
【0033】
評価例2
本発明の実施例1〜実施例4及び比較例1について、抗炎症作用及び創傷治癒促進効果を評価した。人工的に炎症又は創傷を形成した1群5匹のマウスを用い、各群に実施例及び比較例をそれぞれ0.5gずつ1日2回7日間塗布し、7日目に炎症部位及び創傷部位の状態を観察した。抗炎症作用については「有効」,「やや有効」,「無効」、創傷治癒促進効果については「完全治癒」,「ほぼ治癒」,「治癒不完全」の3段階でそれぞれ評価し、各評価を得たマウスの数にて表7に示した。
【0034】
【表7】
Figure 2004307437
【0035】
表7より明らかなように、抗炎症作用については、本発明の実施例塗布群ではいずれにおいても無効と評価されたマウスは見られず、3例以上のマウスにおいて有効な抗炎症作用が認められていた。また創傷治癒促進効果についても、本発明の実施例塗布群では創傷治癒の不完全なマウスはいずれにおいても認められておらず、3例以上のマウスで完全な治癒を認めていた。これに対し比較例1塗布群では、やや有効な抗炎症作用の認められたマウスが1例見られたが、残り4例では炎症の改善は全く認められなかった。また比較例1塗布群すべてにおいて、創傷治癒は不完全であった。
【0036】
評価例3
次に本発明の実施例1〜実施例4及び比較例1について、6ヶ月間の実使用試験を行った。パネラーとして、顕著なしわの発生等の皮膚症状を有する40歳〜60歳代の女性を用い、1群20名とした。使用試験は、各群に実施例及び比較例のそれぞれをブラインドにて使用させて行った。使用試験前および使用試験終了後の皮膚の状態を観察し、しわの改善状況について、「改善」,「やや改善」,「変化なし」の3段階にて評価した。なお、しわの程度については写真撮影及びレプリカにより評価した。結果は、各評価を得たパネラー数にて表8に示した。
【0037】
【表8】
Figure 2004307437
【0038】
表8に示されるように、しわの改善状況については、本発明の実施例使用群ではすべてにおいて改善傾向が認められていた。特に、実施例1及び実施例2使用群では、75%及び80%のパネラーで明確な改善を認めていた。これに対し、比較例使用群では、明確な改善を認めたパネラーは見られず、75%のパネラーで症状の改善を認めなかった。
【0039】
なお、本発明の実施例1〜実施例4については、上記使用試験期間中に含有成分の析出,分離,凝集,変臭,変色といった状態変化は全く見られなかった。また、各実施例使用群において、皮膚刺激性反応や皮膚感作性反応を示したパネラーは存在しなかった。
【0040】
続いて本発明の他の実施例の処方を示す。
実施例5〔皮膚用ローション〕
(1)エタノール 10.0(重量%)、(2)ヒドロキシエチルセルロース 1.0、(3)ハナビラタケ子実体抽出物(製造例1) 0.5、(4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1、(5)精製水 88.4
(製法)
(1)〜(5)を混合し均一とする。
【0041】
実施例6〔皮膚用乳剤〕
(1)ステアリン酸 0.2(重量%)、(2)セタノール 1.5、(3)ワセリン 3.0、(4)流動パラフィン 7.0、(5)ポリオキシエチレン(10EO)モノオレイン酸エステル 1.5、(6)酢酸トコフェロール 0.5、(7)グリセリン 5.0、(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1、(9)トリエタノールアミン 1.0、(10)精製水 79.2、(11)ハナビラタケ子実体抽出物(製造例2) 1.0
(製法)
(1)〜(6)の油相成分を混合,加熱して均一に溶解し、70℃に保つ。一方、(7)〜(10)の水相成分を混合,加熱して均一とし、70℃とする。この水相成分に前記油相成分を攪拌しながら徐々に添加して乳化し、冷却した後40℃にて(11)を添加,混合する。
【0042】
実施例7〔皮膚用ゲル剤〕
(1)精製水 87.8(重量%)、(2)カルボキシビニルポリマー 0.5、(3)ジプロピレングリコール 10.0、(4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1、(5)水酸化カリウム 0.1、(6)ハナビラタケ子実体抽出物(製造例3) 1.5
(製法)
(1)に(2)を均一に溶解した後、(3)に(4)を溶解して添加し、次いで(5)を加えて増粘させ、(6)を添加する。
【0043】
実施例8〔皮膚用クリーム〕
(1)ミツロウ 6.0(重量%)、(2)セタノール 5.0、(3)還元ラノリン 8.0、(4)スクワラン 27.5、(5)グリセリル脂肪酸エステル 4.0、(6)親油型グリセリルモノステアリン酸エステル 2.0、(7)ポリオキシエチレン(20EO) ソルビタンモノラウリン酸エステル 5.0、(8)プロピレングリコール 5.0、(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1、(10)精製水 36.4、(11)ハナビラタケ子実体抽出物(製造例4) 0.5、(12)ハナビラタケ子実体抽出物(製造例2) 0.5
(製法)
(1)〜(7)の油相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。一方、(8)〜(10)の水相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。次いで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳化し、冷却後40℃にて(11),(12)を添加,混合する。
【0044】
実施例9〔水中油型乳剤性軟膏〕
(1)白色ワセリン 25.0(重量%)、(2)ステアリルアルコール 25.0、(3)グリセリン 12.0、(4)ラウリル硫酸ナトリウム 1.0、(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1、(6)精製水 35.4、(7)ハナビラタケ子実体抽出物(製造例3) 1.5
(製法)
(1)〜(4)の油相成分を混合,溶解して均一とし、75℃に加熱する。一方、(5)を(6)に溶解して75℃に加熱し、これに前記油相成分を添加して乳化し、冷却後40℃にて(7)を添加,混合する。
【0045】
実施例10〔化粧水〕
(1)エタノール 10.0(重量%)、(2)1,3−ブチレングリコール 5.0、(3)ハナビラタケ子実体抽出物(製造例1) 0.2、(4)香料 0.1、(5)精製水 84.7
(製法)
(1)〜(4)を順次(5)に添加して均一に混合,溶解する。
【0046】
実施例11〔エモリエントクリーム(油中水型)〕
(1)流動パラフィン 30.0(重量%)、(2)マイクロクリスタリンワックス 2.0、(3)ワセリン 5.0、(4)ジグリセリルオレイン酸エステル 5.0、(5)L−グルタミン酸ナトリウム 1.6、(6)L−セリン 0.4、(7)プロピレングリコール 3.0、(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1、(9)精製水 52.3、(10)香料 0.1、(11)ハナビラタケ子実体抽出物(製造例2) 0.5
(製法)
(5),(6)を(9)の一部に溶解して50℃とし、50℃に加熱した(4)に攪拌しながら徐々に添加する。これをあらかじめ混合し70℃に加熱溶解した(1)〜(3)に均一に分散し、これに(7),(8)を(9)の残部に溶解して70℃に加熱したものを攪拌しながら添加し、ホモミキサーにて乳化する。冷却後、40℃にて(10),(11)を添加,混合する。
【0047】
実施例12〔メイクアップベースクリーム〕
(1)ステアリン酸 12.0(重量%)、(2)セタノール 2.0、(3)グリセリルトリ2−エチルヘキサン酸エステル 2.5、(4)自己乳化型グリセリルモノステアリン酸エステル 2.0、(5)プロピレングリコール 10.0、(6)水酸化カリウム 0.3、(7)精製水 68.6、(8)酸化チタン 1.0、(9)ベンガラ 0.1、(10)黄酸化鉄 0.4、(11)香料 0.1、(12)ハナビラタケ子実体抽出物(製造例1) 0.5、(13)ハナビラタケ子実体抽出物(製造例3) 0.5
(製法)
(1)〜(4)の油相成分を混合し、75℃に加熱して均一とする。一方(5)〜(7)の水相成分を混合し、75℃に加熱,溶解して均一とし、これに(8)〜(10)の顔料を添加し、ホモミキサーにて均一に分散させる。この水相成分に前記油相成分を添加し、ホモミキサーにて乳化した後冷却し、40℃にて(11)〜(13)を添加,混合する。
【0048】
実施例13〔乳液状ファンデーション〕
(1)ステアリン酸 2.0(重量%)、(2)スクワラン 5.0、(3)ミリスチン酸オクチルドデシル 5.0、(4)セタノール 1.0、(5)デカグリセリルモノイソパルミチン酸エステル 9.0、(6)1,3−ブチレングリコール 6.0、(7)水酸化カリウム 0.1、(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1、(9)精製水 53.3、(10)酸化チタン 9.0、(11)タルク 7.4、(12)ベンガラ 0.5、(13)黄酸化鉄 1.1、(14)黒酸化鉄 0.1、(15)香料 0.1、(16)ハナビラタケ子実体抽出物(製造例3) 0.3
(製法)
(1)〜(5)の油相成分を混合し、75℃に加熱して均一とする。一方(6)〜(9)の水相成分を混合し、75℃に加熱,溶解して均一とし、これに(10)〜(14)の顔料を添加しホモミキサーにて均一に分散させる。この水相成分に前記油相成分を添加し、ホモミキサーにて均一に乳化した後冷却し、40℃にて(15),(16)を添加,混合する。
【0049】
実施例14〔ハンドクリーム〕
(1)セタノール 4.0(重量%)、(2)ワセリン 2.0、(3)流動パラフィン10.0、(4)グリセリルモノステアリン酸エステル 1.5、(5)ポリオキシエチレン(60EO) グリセリルイソステアリン酸エステル 2.5、(6)酢酸トコフェロール 0.5、(7)グリセリン 20.0、(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1、(9)精製水 59.0、(10)ハナビラタケ子実体抽出物(製造例4) 0.4
(製法)
(1)〜(6)の油相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。一方、(7)〜(9)の水相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。ついで、この水相成分に油相成分を添加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳化して冷却し、40℃にて(10)を添加,混合する。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、ハナビラタケ子実体の抽出物は、真皮線維芽細胞賦活作用及び真皮線維芽細胞に対する紫外線による傷害を防御する作用を有し、これを含有する本発明の老化防止用皮膚外用剤は、シワ,シミの発生、皮膚弾性の低下といった皮膚老化症状の防止或いは改善に有効で、抗炎症作用,創傷治癒促進作用をも有し、皮膚刺激性,接触感作性といった皮膚への悪影響もなく、さらに安定性,安全性も良好であった。

Claims (2)

  1. ハナビラタケ子実体からの抽出物を含有して成る老化防止用皮膚外用剤。
  2. 抽出物が、極性溶媒により抽出された抽出物である請求項1記載の老化防止用皮膚外用剤。
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