JPH10324602A - 花芽形成誘導剤及び花芽形成誘導用キット - Google Patents

花芽形成誘導剤及び花芽形成誘導用キット

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JPH10324602A
JPH10324602A JP9141076A JP14107697A JPH10324602A JP H10324602 A JPH10324602 A JP H10324602A JP 9141076 A JP9141076 A JP 9141076A JP 14107697 A JP14107697 A JP 14107697A JP H10324602 A JPH10324602 A JP H10324602A
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JP
Japan
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plants
fatty acid
unsaturated fatty
flower bud
bud formation
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Application number
JP9141076A
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English (en)
Inventor
Mineyuki Yokoyama
峰幸 横山
Sachiko Yamaguchi
祥子 山口
Okihiko Sakamoto
興彦 阪本
Kiyotaka Kojima
清隆 小島
Atsushi Takimoto
敦 瀧本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】植物の花芽形成に直接作用する花芽形成誘導剤
及び花芽形成誘導用キットの提供。 【解決手段】下記一般式(I) 【化1】 を主成分とする花芽形成誘導剤、及び花芽形成誘導用キ
ットの提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、花芽形成誘導剤に
関する技術分野に属する発明である。より詳細には、特
定の構造のα−ケトール不飽和脂肪酸、又はこのα−ケ
トール不飽和脂肪酸とノルエピネフリンとを有効成分と
して含有する花芽形成誘導剤、さらには花芽形成誘導用
キットに関する。
【0002】
【従来の技術】植物の花成が日長によって支配されてい
ることは、周知の通りである。そして、この日長に感応
する部分は葉身であり、花成は生長点で起こり、葉身か
ら葉柄や茎を通って生長点に何らかのシグナルが送られ
てこの花成が開始することが突き止められている。この
シグナルは、フロリゲンと呼ばれており、これを分離・
同定することができれば、日長に関わらず植物の開花時
期を人為的に調節することが可能となり、植物が関わる
多くの分野において多大な影響を与え得ることは明らか
である。そこで、従来より植物の花成過程のメカニズム
をより明らかにすることにより、開花時期を人為的に調
節する試みがなされている。例えば、植物の生長ホルモ
ンの一つであるジベレリンを施すと、多くの長日植物が
短日下においても花芽を形成することやパインアップル
は合成オーキシンの一つであるα−ナフタレン酢酸を施
すと開花が起こることが突き止められ、現実に産業上利
用されている。
【0003】しかしながら、これらの植物ホルモンは、
いわばフロリゲン関連物質であり、フロリゲンそのもの
とは異なるであろうことも突き止められている。そのた
め、これらの植物ホルモンを植物に施す時期や環境等の
様々な条件設定が必要であることが多く、さらなる開花
手法の進歩、具体的には花芽形成に直接関わる物質を分
離・同定して、この物質によって開花手法を確立するこ
とが望まれている。また、アサガオ属植物(Pharbiti
s)、オナモミ属植物(Xanthium) やドクムギ属植物(Lo
lium)においては、光周性に基づく花成現象が、乾燥ス
トレスにより阻害されることが報告されている( アサガ
オ属及びオナモミ属について:Aspinall 1967 ;ドクム
ギ属について:King and Evans)。さらに、花芽誘導が
低温(Bernier et al. 1981 ;Hirai et al.1994) 、高
照度(Shinozaki 1972)、貧栄養(Hirai et al.1993)
や窒素源の不足(Wada and Totuka 1982;Tanaka 198
6;Tanaka et al. 1991)により惹起されることも既に
報告されている。しかしながら、これらの報告は単に現
象面を捉えたのみであって、上記フロリゲンを直接特定
するには至っておらず、依然として物質面から捉えた開
花方法の確立が望まれている。
【0004】
【発明が解決すべき課題】そこで、本発明が解決すべき
課題は、開花に直接関わる花芽形成誘導物質等を見出し
て、この花芽形成誘導物質を有効成分とする花芽形成誘
導剤を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題の
解決を目的として鋭意検討を行った。その結果、特定の
構造を有するα−ケトール不飽和脂肪酸が、単独で又は
植物の種類によってはカテコールアミンの一種であるノ
ルエピネフリンと組合せて作用させることによって、所
望する花芽形成誘導活性を植物に対して広く有すること
を見出し、本発明を完成した。すなわち本発明者は、本
願において、以下の花芽形成誘導剤等を提供する。
【0006】請求項1において、下記一般式(I)
【化2】 で表されるα−ケトール不飽和脂肪酸を有効成分として
含有する花芽形成誘導剤を提供する。
【0007】また、請求項2においては、上記請求項1
記載の一般式(I)で表されるα−ケトール不飽和脂肪
酸及びノルエピネフリンを有効成分として含有する花芽
形成誘導剤を提供する。
【0008】さらに、請求項3においては、上記請求項
1記載のα−ケトール不飽和脂肪酸(I)を含有する花
芽形成誘導用キットを提供する。
【0009】そして、請求項4においては、上記請求項
1記載のα−ケトール不飽和脂肪酸(I)及びノルエピ
ネフリンを含有する花芽形成誘導用キットを提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。式(I)で表されるα−ケトール不飽和脂
肪酸は、上記したごとく、9位にヒドロキシ基,10位
にケト基を有し、12位と15位に二重結合をシス体と
して有することを特徴とする〔一般名:9−ヒドロキシ
−10−オキソ−cis−12(),15()−オク
タデカジエン酸〕。
【0011】このα−ケトール不飽和脂肪酸(I)は、
生体内に豊富に存在するα−リノレン酸を出発物質とす
る脂肪酸代謝経路の中間体として知られている。しかし
ながら、このα−ケトール不飽和脂肪酸(I)が直接植
物において果たす役割については知られていない。
【0012】本発明者はこのα−ケトール不飽和脂肪酸
(I)が、広く植物における花芽誘導作用を有し、特に
動物の神経伝達物質として知られているカテコールアミ
ンであるノルエピネフリンとの共存下において、その作
用を有することを見出した。
【0013】A.まず、このα−ケトール不飽和脂肪酸
(I)の製造方法について説明する。α−ケトール不飽
和脂肪酸(I)は、ウキクサ科植物の一種であるアオ
ウキクサ(Lemna paucicostata) から抽出・精製して
得る抽出法(以下、抽出法という)、不飽和脂肪酸で
あるα−リノレン酸(一般名:cis−9,12,15−
オクタデカトリエン酸)にリポキシゲナーゼ等の酵素
を、植物体内における脂肪酸代謝経路に準じて作用させ
ることにより得る方法(以下、酵素法という)、及び
通常公知の化学合成法を駆使することにより得る方法
(以下、化学合成法という)の主に3通りの方法で製造
することができる。
【0014】抽出法について この抽出法における原材料となるアオウキクサ(Lemna
paucicostata) は、池や水田の水面に浮遊する、水面
に浮かぶ葉状体が各々1本の根を水中に下ろす小型の水
草である。花は、葉状体の体側に形成され、1本の雄し
べだけからなる雄花2個と1個の雌しべからなる雌花
が、共通した小さな苞に包まれている。
【0015】このアオウキクサは、比較的増殖速度が速
く(すなわち、花成形成が速い。例えば、後述するアッ
セイ系において花芽誘導のチェック用に用いられたアオ
ウキクサ151系はわずか7日間以下で花成を行
う。)、また日長を変えることによって容易に花芽形成
誘導を制御できる等の花芽形成に関連するアッセイ系と
して優れた性質を有している。
【0016】このアオウキクサの破砕物をインキュベー
トしたものには、少なくともアオウキクサに対する花芽
誘導活性が認められている。そして、さらにこの破砕物
に遠心分離(8000×g・10分間程度)を施し、得
られた上清と沈澱物のうち、上清を除いたものをα−ケ
トール不飽和脂肪酸(I)を含む画分として用いること
ができる。このように、α−ケトール不飽和脂肪酸
(I)は、上記破砕物を出発物として単離・精製するこ
とが可能である。
【0017】そして、さらに調製効率の上で好ましい出
発物として、アオウキクサを浮かばせた又は浸漬した後
の水溶液を挙げることができる。この水溶液は、アオウ
キクサが生育可能なものである限りにおいて特に限定さ
れない。この水溶液の調整の具体例は、後述する実施例
において記載する。
【0018】浸漬時間は、室温で2〜3時間程度でも可
能であるが、特に限定されるべきものではない。また、
上記した方法でα−ケトール不飽和脂肪酸(I)の出発
物を調製する場合に、あらかじめアオウキクサにα−ケ
トール不飽和脂肪酸(I)を誘導することができる特定
のストレスを与えることが、α−ケトール不飽和脂肪酸
(I)の製造効率上好ましい。
【0019】具体的には、乾燥ストレス,熱ストレス,
浸透圧ストレス等を前記特定のストレスとして挙げるこ
とができる。乾燥ストレスは、例えば低湿度(好ましく
は相対湿度で50%以下)で室温下、好ましくは24〜
25℃程度で、アオウキクサを乾燥したフィルター紙上
に広げた状態で放置することによって与えることができ
る。この場合の乾燥時間は、概ね20秒以上、好ましく
は5分以上、より好ましくは15分以上である。
【0020】熱ストレスは、例えば温水中にアオウキク
サを浸漬することによって与えることができる。この場
合の温水の温度は、40℃〜65℃で可能であり、好ま
しくは45℃〜60℃、より好ましくは50℃〜55℃
である。また、温水に処理する時間は、概ね5分程度で
足るが、比較的低温の場合、例えば40℃程度の温水中
でアオウキクサを処理する場合は、2時間以上処理する
ことが好ましい。また、上記熱ストレス処理後は、速や
かにアオウキクサを冷水中に戻すことが好ましい。
【0021】浸透圧ストレスは、例えば高濃度の糖溶液
等の高浸透圧溶液にアオウキクサを接触させることによ
り与えることができる。この場合の糖濃度は、例えばマ
ンニトール溶液であれば0.3M以上、好ましくは0.
5M以上であることが好ましい。処理時間は、例えば
0.5Mマンニトール溶液を用いる場合は1分以上、好
ましくは3分以上である。このようにして、所望するα
−ケトール不飽和脂肪酸(I)を含む出発物を調製する
ことができる。
【0022】なお、上記した種々の出発物の基となるア
オウキクサの株は特に限定されないが、特に効率良く花
芽誘導物質を生産する株(例えば、アオウキクサ441
系)を用いることが好ましい。このようなアオウキクサ
の株は、通常の選抜方法を用いて確保することも可能で
あり、遺伝子工学的な手法を用いて確保することも可能
である。
【0023】次に、上記のように調製した出発物に以下
のような分離・精製手段を施して、所望するα−ケトー
ル不飽和脂肪酸(I)を製造することができる。なお、
ここに示す分離手段は例示であり、これらの分離手段に
上記出発物からα−ケトール不飽和脂肪酸(I)を製造
するための分離手段が限定されるものではない。
【0024】まず、上記出発物に対して溶媒抽出を行
い、α−ケトール不飽和脂肪酸(I)を含有する成分を
抽出することが好ましい。かかる溶媒抽出に用いる溶媒
は特に限定されるものではなく、例えばクロロホルム,
酢酸エチル,エーテル,ブタノール等を用いることがで
きる。これらの溶媒の中でもクロロホルムは、比較的容
易に不純物を除去することが可能であるという点におい
て好ましい。
【0025】この溶媒抽出で得られた油層画分を、通常
公知の方法を用いて洗浄・濃縮し、ODS(オクタデシ
ルシラン)カラム等の逆相分配カラムクロマトグラフィ
ー用カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(HP
LC)にかけて、花芽誘導活性画分を同定・単離するこ
とによりα−ケトール不飽和脂肪酸(I)を単離するこ
とができる。なお、出発物の性質等に応じて通常公知の
他の分離手段、例えば限外濾過,ゲル濾過クロマトグラ
フィー等を組み合わせて用いることも勿論可能である。
【0026】酵素法について この酵素法によるα−ケトール不飽和脂肪酸(I)の出
発原料としては、α−リノレン酸を用いることができ
る。このα−リノレン酸は、動物・植物等を通じて比較
的豊富に含まれている不飽和脂肪酸であり、これらの動
物・植物等から通常公知の方法を通じて抽出・精製した
ものを、α−ケトール不飽和脂肪酸(I)を製造する際
の出発原料として用いることも可能であり、市販品を用
いることも勿論可能である。
【0027】まず、この酵素法においては、α−リノレ
ン酸を基質として、リポキシゲナーゼ(LOX)を作用
させて、9位にヒドロペルオキシ基(−OOH)を導入
する。リポキシゲナーゼは、cis,cis-1,4-ペンタジエン
構造を有する不飽和脂肪酸に、分子状酸素をヒドロペル
オキシ基として導入する酸化還元酵素であり、動物,植
物を問わず、さらにサッカロミセス属に属する酵母に代
表される酵母においてもその存在が確認されている酵素
である。
【0028】例えば、植物であれば被子植物全般〔具体
的には、後述する本発明花芽形成誘導剤を適用可能な双
子葉植物及び単子葉植物全般〕において、その存在が確
認されている酵素である。これらの植物の中でも特にダ
イズ,アマの種,アルファルファ,大麦,ソラマメ,ハ
ウチワマメ,ヒラマメ,エンドウマメ,ジャガイモの塊
茎,小麦,リンゴ,パンイースト,綿,キュウリの根,
スグリ,ブドウ,西洋ナシ,インゲンマメ,コメ胚,イ
チゴ,ヒマワリ,茶葉等がリポキシゲナーゼの出所とし
ては好ましい。また、クロロフィルがリポキシゲナーゼ
の上記活性を阻害する傾向が強いために、可能な限り植
物におけるクロロフィルが存在しない種子,根,果実等
をリポキシゲナーゼの原料として選択することが好まし
い。
【0029】本発明においてリポキシゲナーゼは、α−
リノレン酸の9位にヒドロペルオキシ基を導入すること
ができるものであれば、その由来は特に限定されない。
なお、α−リノレン酸を基質として上記のリポキシゲナ
ーゼ処理を行うに際しては、用いるリポキシゲナーゼの
至適温度及び至適pHで酵素反応を進行させることが好
ましいのは当然である。
【0030】また、ここで用いられるリポキシゲナーゼ
は、通常公知の方法により、上記植物等から抽出・精製
したものを用いることも、市販品を用いることも可能で
ある。このようにして、α−リノレン酸から、9−ヒド
ロペルオキシリノレン酸(9−ヒドロペルオキシ−10
),12(),15()−オクタデカジエン酸
又は13−ヒドロペルオキシ−9(),11(),
15()−オクタデカジエン酸)を調製する。次い
で、この9−ヒドロペルオキシリノレン酸を基質とし
て、ヒドロペルオキシイソメラーゼを作用させることに
よって、所望するα−ケトール不飽和脂肪酸(I)を製
造することができる。
【0031】ヒドロペルオキシイソメラーゼは、ヒドロ
ペルオキシ基をエポキシ化を経てケトール体に変換する
活性を有する酵素であり、前記リポキシゲナーゼと同様
に植物,動物及び酵母においてその存在が考えられる酵
素であり、植物であれば被子植物全般〔具体的には、後
述する本発明花芽形成誘導剤を適用可能な双子葉植物及
び単子葉植物全般〕において、存在していると考えられ
る酵素である。なお、このヒドロペルオキシイソメラー
ゼは植物であれば、大麦,小麦,トウモロコシ,綿,ナ
ス,アマの種,チシャ,エンバク,ホウレンソウ,ヒマ
ワリ等においてその存在が認められている。
【0032】本発明においてヒドロペルオキシイソメラ
ーゼは、例えば9−ヒドロペルオキシリノレン酸の9位
のヒドロペルオキシ基を脱水することによりエポキシ基
を形成し、さらにOH- の求核反応により、所望するα
−ケトール不飽和脂肪酸(I)を結果として得ることが
できる限りにおいて特に限定されるものではない。とこ
ろで、9−ヒドロペルオキシリノレン酸を基質として上
記のヒドロペルオキシイソメラーゼ処理を行うに際して
は、用いるヒドロペルオキシイソメラーゼの至適温度及
び至適pHで酵素反応を進行させることが好ましいのは
当然である。また、ここで用いられるヒドロペルオキシ
イソメラーゼは、通常公知の方法により、上記植物等か
ら抽出・精製したものを用いることも、市販品を用いる
ことも可能である。
【0033】上記の2工程の酵素反応は、別々に行うこ
とも、連続して行うことも可能である。さらに、上記酵
素の粗精製品又は精製品を上記酵素反応を進行させるた
めに用いて、α−ケトール不飽和脂肪酸(I)を得るこ
とが可能である。また、上記酵素を担体に固定して、こ
れらの固定化酵素を調製してカラム処理又はバッチ処理
等を基質に施すことによりα−ケトール不飽和脂肪酸
(I)を得ることができる。
【0034】なお、エポキシ基を形成させた後のOH-
の求核反応(上記)によりα−ケトール不飽和脂肪酸
(I)を得ようとする場合に、その求核物の上記エポキ
シ基付近における作用形式によっては、α−ケトール不
飽和脂肪酸の他に、副生物としてγ−ケトール化合物が
生成することが知られている。このγ−ケトール化合物
等の副生物は、上記の欄で述べたHPLC等の通常公
知の分離手段を用いることにより、容易に除去すること
ができる。
【0035】化学合成法について 上述のように、α−ケトール不飽和脂肪酸(I)は、通
常公知の化学合成法を駆使することにより製造すること
もできる。例えば、その一端にアルデヒド基等の反応性
基を有し、他端に保護基を結合させたカルボキシル末端
を付加させた飽和炭素鎖を通常公知の方法により合成
し、これとは別にcis2- ヘキセン-1- オール等の不飽和
アルコール等を出発物質として,所望の位置に不飽和基
を有する反応性末端を有する不飽和炭素鎖とを合成す
る。次いで、上記飽和炭化水素鎖とこの不飽和炭素鎖と
を反応させて、α−ケトール不飽和脂肪酸(I)を製造
することができる。なお、この一連の反応において、反
応を企図しない末端に付加する保護基や反応を促進する
ための触媒は、具体的な反応様式に応じて適宜選択して
用いることができる。さらに具体的には、例えば以下の
ような手順でα−ケトール不飽和脂肪酸(I)を合成す
ることができる。
【0036】i)α−ケトール不飽和脂肪酸(I)の合成 Nonanedioic acid mono ethylesterを出発原料として、
N,N'-carbonyldiimidazoleと反応させ、酸イミダゾリド
とした後に、低温でLiAlH4還元して,対応するアルデヒ
ドを合成する。なお、上記出発物質を例えば1,9-Nonane
diol等のジオールとして、同様のアルデヒドを合成する
ことも可能である。
【0037】これとは別に、cis2-hexen-1-ol をtriphe
nyl phosphine 及びcarbon tetrabromide と反応させ、
得られた臭化化合物にtriphenyl phosphine を反応さ
せ、さらにn-BuLiの存在下でchloroacetaldehydeと反応
させることによりcis オレフィンを構築し、さらにこれ
にmethylthio methyl p-tosyl sulfone と反応後、NaH
の存在下、上記のアルデヒドと反応させて誘導した2級
アルコールをtert-butyl diphenylsilylcholorideで保
護して、酸加水分解、次いで脱保護することにより、所
望するα−ケトール不飽和脂肪酸(I)を合成すること
ができる。この一連の工程の一例を下記工程図に示す。
【0038】
【化3】
【0039】一方、α−ケトール不飽和脂肪酸(I)と
の組み合わせで所望する花芽形成誘導作用を発揮させる
ノルエピネフリンは、本発明において、通常公知の方法
により合成したものを用いることもできるが、市販品を
用いることも勿論可能である。本発明では、天然型であ
る(−)形ノルエピネフリンだけではなく、(+)形の
ノルエピネフリン、さらにはこれらの混合物をも用いる
ことができる。
【0040】B.このようにして製造される、α−ケト
ール不飽和脂肪酸(I)並びにα−ケトール不飽和脂肪
酸(I)及びノルエピネフリンを有効成分とする花芽形
成誘導剤(以下、本発明花芽形成誘導剤という。)が提
供される。本発明花芽形成誘導剤のうち、α−ケトール
不飽和脂肪酸(I)のみを有効成分とするものは、少な
くとも主に花芽形成を誘導させるために,ノルエピネフ
リン等の他の補助成分を与えることを必要としない植物
において所望の花芽形成誘導作用を発揮させたり、植物
の種類や状態に応じてこの形態の本発明花芽形成誘導剤
とノルエピネフリン製剤等の他の補助成分製剤とを組み
合わせて用いて所望の花芽形成誘導作用を発揮させるこ
とを図るものである。
【0041】また、本発明花芽形成誘導剤のうち、α−
ケトール不飽和脂肪酸(I)及びノルエピネフリンを有
効成分とする形態では、例えば植物において、最も本発
明花芽形成誘導剤の花芽形成誘導作用が強い割合で、上
記両者の有効成分を配合して使用の便宜を図り得る。
【0042】本発明花芽形成誘導剤における、α−ケト
ール不飽和脂肪酸(I)とノルエピネフリンとの配合割
合は、上記の目的に応じ、さらに用いる植物の性質に応
じて適宜調整され得るもので、特に限定されるものでは
ない。例えば、アオウキクサ等のうきくさ科植物におい
て、植物中のノルエピネフリンの存在等を考慮しない場
合には、両者(α−ケトール不飽和脂肪酸(I)とノル
エピネフリン)を等モル濃度で配合することが、より効
果的に本発明の所期の効果が発揮され得るという点にお
いて好ましい。うきくさ科植物において、この両者を等
モル濃度で配合しない場合には、配合量の少ない方の配
合成分の濃度で両者を配合した場合と同程度の効果しか
発揮されない傾向にある。
【0043】また、本発明花芽形成誘導剤は、これを用
いる対象の植物の性質に応じた処理を行いつつ投与する
ことが効果的である場合が多い。例えば、後述する実施
例のアサガオ等の短日植物の場合には、一定の暗処理を
行ないながら本発明花芽形成誘導剤を用いることが効果
的である。
【0044】上記の有効成分はそのまま本発明花芽形成
誘導剤として用いることも可能であるが、植物に適用可
能な所望の剤形、例えば液剤,固形剤,粉剤,乳剤,底
床添加剤等の剤形に応じて製剤学上適用することが可能
な公知の担体成分、製剤用補助剤等を本発明の所期の効
果である花芽形成誘導が損なわれない限度において、適
宜配合することができる。例えば、担体成分としては、
本発明花芽形成誘導剤が底床添加剤又は固形剤である場
合には、概ねタルク,クレー,バーミキュライト,珪藻
土,カオリン,炭酸カルシウム,水酸化カルシウム,白
土,シリカゲル等の無機質や小麦粉,澱粉等の固体担体
が;また液剤である場合には、概ね水、キシレン等の芳
香族炭化水素類、エタノール,エチレングリコール等の
アルコール類、アセトン等のケトン類、ジオキサン,テ
トラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の液体担
体が上記の担体成分として用いられる。また製剤用補助
剤としては、例えばアルキル硫酸エステル類,アルキル
スルホン酸塩,アルキルアリールスルホン酸塩,ジアル
キルスルホコハク酸塩等の陰イオン界面活性剤、高級脂
肪族アミンの塩類等の陽イオン界面活性剤、ポリオキシ
エチレングリコールアルキルエーテル,ポリオキシエチ
レングリコールアシルエステル,ポリオキシエチレング
リコール多価アルコールアシルエステル,セルロース誘
導体等の非イオン界面活性剤、ゼラチン,カゼイン,ア
ラビアゴム等の増粘剤、増量剤、結合剤等を適宜配合す
ることができる。
【0045】さらに必要に応じて、植物生長調節剤、例
えば安息香酸,ニコチン酸,ニコチン酸アミド,ピペコ
リン酸等を、上記の本発明の所期の効果を損なわない限
度において、本発明花芽形成誘導剤中に配合することも
できる。上記本発明花芽形成誘導剤は、その剤形に応じ
た方法で種々の植物に用いられる。例えば、本発明にお
いては、開花を図る植物の生長点のみならず、茎,葉を
はじめとする植物体の一部又は全体に,液剤や乳剤とし
て散布,滴下,塗布等することや、固形剤や粉剤として
地中から根に吸収させること等が可能である。また、開
花を図る植物がウキクサ等の水草の場合には、底床添加
剤として根から吸収させたり、固形剤を水中で除々に溶
解させること等も可能である。
【0046】なお、本発明においては、上記の有効成分
であるα−ケトール不飽和脂肪酸(I)、並びにα−ケ
トール不飽和脂肪酸(I)及びノルエピネフリンを含有
するキットの形態をとる花芽形成誘導用キットをも提供
するものであるが、この本発明花芽形成誘導用キットの
目的及び効果は上記の本発明花芽形成誘導剤と同様であ
る。また、本発明花芽形成誘導剤及び本発明花芽形成誘
導用キットを適用可能な植物の種類は特に限定されず、
双子葉植物、単子葉植物の両者に対して本発明花芽形成
誘導剤は有効である。
【0047】双子葉植物としては、例えばアサガオ属植
物(アサガオ),ヒルガオ属植物(ヒルガオ,コヒルガ
オ,ハマヒルガオ),サツマイモ属植物(グンバイヒル
ガオ,サツマイモ),ネナシカズラ属植物(ネナシカズ
ラ,マメダオシ)が含まれるひるがお科植物、ナデシコ
属植物(カーネーション等),ハコベ属植物,タカネツ
メクサ属植物,ミミナグサ属植物,ツメクサ属植物,ノ
ミノツヅリ属植物,オオヤマフスマ属植物,ワチガイソ
ウ属植物,ハマハコベ属植物,オオツメクサ属植物,シ
オツメクサ属植物,マンテマ属植物,センノウ属植物,
フシグロ属植物,ナンバンハコベ属植物が含まれるなで
しこ科植物、もくまもう科植物、どくだみ科植物、こし
ょう科植物、せんりょう科植物、やなぎ科植物、やまも
も科植物、くるみ科植物、かばのき科植物、ぶな科植
物、にれ科植物、くわ科植物、いらくさ科植物、かわご
けそう科植物、やまもがし科植物、ぼろぼろのき科植
物、びゃくだん科植物、やどりぎ科植物、うまのすずく
さ科植物、やっこそう科植物、つちとりもち科植物、た
で科植物、あかざ科植物、ひゆ科植物、おしろいばな科
植物、やまとぐさ科植物、やまごぼう科植物、つるな科
植物、すべりひゆ科植物、もくれん科植物、やまぐるま
科植物、かつら科植物、すいれん科植物、まつも科植
物、きんぽうげ科植物、あけび科植物、めぎ科植物、つ
づらふじ科植物、ろうばい科植物、くすのき科植物、け
し科植物、ふうちょうそう科植物、あぶらな科植物、も
うせんごけ科植物、うつぼかずら科植物、べんけいそう
科植物、ゆきのした科植物、とべら科植物、まんさく科
植物、すずかけのき科植物、ばら科植物、まめ科植物、
かたばみ科植物、ふうろそう科植物、あま科植物、はま
びし科植物、みかん科植物、にがき科植物、せんだん科
植物、ひめはぎ科植物、とうだいぐさ科植物、あわごけ
科植物、つげ科植物、がんこうらん科植物、どくうつぎ
科植物、うるし科植物、もちのき科植物、にしきぎ科植
物、みつばうつぎ科植物、くろたきかずら科植物、かえ
で科植物、とちのき科植物、むくろじ科植物、あわぶき
科植物、つりふねそう科植物、くろうめもどき科植物、
ぶどう科植物、ほるとのき科植物、しなのき科植物、あ
おい科植物、あおぎり科植物、さるなし科植物、つばき
科植物、おとぎりそう科植物、みぞはこべ科植物、ぎょ
りゅう科植物、すみれ科植物、いいぎり科植物、きぶし
科植物、とけいそう科植物、しゅうかいどう科植物、さ
ぼてん科植物、じんちょうげ科植物、ぐみ科植物、みそ
はぎ科植物、ざくろ科植物、ひるぎ科植物、うりのき科
植物、のぼたん科植物、ひし科植物、あかばな科植物、
ありのとうぐさ科植物、すぎなも科植物、うこぎ科植
物、せり科植物、みずき科植物、いわうめ科植物、りょ
うぶ科植物、いちやくそう科植物、つつじ科植物、やぶ
こうじ科植物、さくらそう科植物、いそまつ科植物、か
きのき科植物、はいのき科植物、えごのき科植物、もく
せい科植物、ふじうつぎ科植物、りんどう科植物、きょ
うちくとう科植物、ががいも科植物、はなしのぶ科植
物、むらさき科植物、くまつづら科植物、しそ科植物、
なす科植物、ごまのはぐさ科植物、のうぜんかずら科植
物、ごま科植物、はまうつぼ科植物、いわたばこ科植
物、たぬきも科植物、きつねのまご科植物、はまじんち
ょう科植物、はえどくそう科植物、おおばこ科植物、あ
かね科植物、すいかずら科植物、れんぷくそう科植物、
おみなえし科植物、まつむしそう科植物、うり科植物、
ききょう科植物、きく科植物等を例示することができ
る。
【0048】単子葉植物としては、例えばウキクサ属植
物(ウキクサ)及びアオウキクサ属植物(アオウキク
サ,ヒンジモ)が含まれる,うきくさ科植物、カトレア
属植物,シンビジウム属植物,デンドロビューム属植
物,ファレノプシス属植物,バンダ属植物,パフィオペ
ディラム属植物,オンシジウム属植物等が含まれる,ら
ん科植物、がま科植物、みくり科植物、ひるむしろ科植
物、いばらも科植物、ほろむいそう科植物、おもだか科
植物、とちかがみ科植物、ほんごうそう科植物、いね科
植物、かやつりぐさ科植物、やし科植物、さといも科植
物、ほしぐさ科植物、つゆくさ科植物、みずあおい科植
物、いぐさ科植物、びゃくぶ科植物、ゆり科植物(アス
パラガス等)、ひがんばな科植物、やまのいも科植物、
あやめ科植物、ばしょう科植物、しょうが科植物、かん
な科植物、ひなのしゃくじょう科植物等を例示すること
ができる。
【0049】
【実施例】以下、実施例等により、本発明をより具体的
に説明する。ただし、これらの実施例等により、本発明
の技術的範囲が限定されるべきものではない。 〔製造例〕短日処理を行って花芽形成を1回のみ行った
アオウキクサ(Lemna paucicostata) の441系統
(以下、「P441」という。本発明者の一人である京
都大学農学部 瀧本 敦 名誉教授より入手、以後、必
要に応じて分譲する用意あり)を、24〜25℃で昼光
色蛍光灯で継続的に照射を行ないながら(Hitachi FL20
SSDで植物に対して約5W/m2の割合で照射)1%のショ
糖を含む1/2希釈のハトナー培地〔Hutner's medium:
Hutner 1953;なお、ハトナー培地(希釈なし)の組成
は、KH2PO4(400mg),NH4NO3(200mg),EDTA・2K(690mg),Ca
(NO3)2・4H2O(354mg),MgSO4・7H2O(500mg),FeSO4・7H2O
(24.9mg),MnCl2・4H2O(17.9mg),ZnSO4・7H2O(65.9mg),C
aSO4・5H2O(3.95mg),Na2MoO4・2H2O(14.2mg),H3BO3(14.
2mg),Co(Mo3)2・6H2O(0.2mg) /1000ml蒸留水(pH6.2
〜6.4)である。)中で、無菌的に培養して継代保存し
た。
【0050】次に、このP441の培養物を、蒸留水で
洗浄してから、2μM のFe−EDTAを含む1/10
希釈のE培地〔Cleland and Briggs 1967 ;なお、1/10
E培地の組成は、Ca(NO3)2・4H2O(118mg),MgSO4・7H2O
(49.2mg),KH2PO4(68.0mg),KNO3(115mg),FeCl3・6H2O(0.
54mg),tertarate(0.30mg),H3BO3(0.29mg),ZnSO4・7H2O
(0.022mg),Na2MoO4・2H2O(0.013mg),CuSO4・5H2O(0.008
mg),MnCl2・4H2O(0.36mg),EDTA-2K(1.21mg),EDTA・NaFe
(III)salt(0.77mg) /1000ml蒸留水である。〕中に移植
して、これを非無菌的に6〜12日間24〜25℃で継
続的に光照射(約5W/m2)を行 いながら培養した。
【0051】このようにして調製したP441の培養物
を、乾燥したフィルター紙上に広げた状態で、低湿度
(相対湿度で50%以下)で24〜25℃程度で15分
間放置して、乾燥ストレスをかけた。この乾燥ストレス
処理済みのP441(75g)を、1.5l の蒸留水中
に24〜25℃で2時間浸漬させた。
【0052】次いで、このP441を上記浸漬液中から
除き、上記浸漬液にクロロホルム1.5l を3回に分け
て添加して分液を行った。得られたクロロホルム層を水
洗し、これに酢酸を0.1ml添加し、これをエバポレー
ターでドライアップした。この残渣に500μl の特級
メタノール原液を加えてエバポレーター中の残留物を溶
解させた。
【0053】次いで、上記メタノール溶液を高速液体ク
ロマトグラフィー〔column:ODS(オクタデシルシラ
ン)カラム(Φ10×250mm、CAPCELLPAK
C18:株式会社資生堂製)、Solv. :50%蒸留水
(0.1%トリフルオロ酢酸を含む)及び50%アセト
ニトリル(0.085%トリフルオロ酢酸を含む)を移
動相として、流量4.00(ml/分)で、活性画分(活
性は、後述する試験例に準じた方法で求めた。)を溶出
時間15分付近において分取した。さらにこの分取した
活性画分に酢酸エチルを添加し、酢酸エチル相を分離し
て水洗し、エバポレーターを用いてこの酢酸エチルをド
ライアップして、所望する精製物を乾固物として約1mg
得た。
【0054】この乾固物の構造を決定するために、13
−NMRで化学シフト値を求めた(重メタノールと重酢
酸を各1滴ずつ混合したものに、上記乾固物を溶解させ
て測定サンプルとした)。
【0055】その結果、この化学シフト値及びこの化学
シフト値から決定付けられる化学構造式は以下のように
決定付けられた。 1:178.47(s),2:35.71(t),3:
26.82* (t),4:31.11(t),5:2
6.92* (t),6:35.36(t),7:78.
61(d),8:213.78(s),9:38.38
(t),10:122.95(d),11:133.45
(d),12:27.46(t),13:128.38
(d),14:134.55(d),15:22.28
(t),16:15.39(q)(チャートは第1図参
照。なお、これらの化学シフト値の頭付きの数字は、下
記化学構造式の炭素原子を示す丸付き数字の番号にそれ
ぞれ対応する。)。 *は帰属不明であることを示している。
【0056】
【化4】 この結果、明らかに乾固物は、確かに精製された所望さ
れているα−ケトール不飽和脂肪酸(I)であることが
明らかになった。
【0057】〔試験例1〕 α−ケトール不飽和脂肪酸
(I)のアオウキクサに対する花芽形成誘導作用の検討 上記製造例において得られたα−ケトール不飽和脂肪酸
(I)の花芽形成誘導作用を、アオウキクサのP151
系統(以下、「P151」という。本発明者の一人であ
る京都大学農学部 瀧本 敦 名誉教授より入手、以
後、必要に応じて分譲する用意あり)をモデル植物とし
て、その花成率(%)(花成が認められた葉状体数/全
体の葉状体数×100)で検討した。
【0058】すなわち、まず上記のα−ケトール不飽和
脂肪酸(I)0.155mgを0.15mlの水に溶解し
て、そこに10mMのノルエピネフリン50μl と0.5
M のトリスバッファー(pH8.0)25μl を加え
た。その溶液を25℃で6時間インキュベートした。次
に、α−ケトール不飽和脂肪酸(I)とノルエピネフリ
ンの濃度を第1表に示した濃度となるように、上の条件
でインキュベートした溶液を、30mlフラスコ中のアッ
セイ培地(1/10E培地+1μm ベンジルアデニン,
シュークロースは添加せず)10ml中に添加した。
【0059】
【表1】
【0060】これらのα−ケトール不飽和脂肪酸(I)
を、各濃度添加したアッセイ培地上に、P151のコロ
ニーを1つ植えつけて、24〜25℃で昼光色蛍光灯で
継続的に照射を行ないながら(Hitachi FL20 SSDで植物
に対して約5W/m2の割合で照射)7日間培養して、上記
花成率を求めた(第2表)。なお、同一の系における試
験は、それぞれ3フラスコで行い、かつ最低2回同一の
系の試験を行った。第2表に示した結果は、それぞれの
試験の平均値±SE(標準誤差)である。
【0061】
【表2】
【0062】これらの結果より、ほぼ濃度依存的に花芽
形成誘導活性が増加し、中でもα−ケトール不飽和脂肪
酸(I)の含量がノルエピネフリンと等モル濃度か、そ
れ以上に高いC及びF実験群では、ノルエピネフリンが
30nMという極低濃度でも花芽形成誘導活性があらわれ
ることが明らかになった。すなわち、α−ケトール不飽
和脂肪酸(I)の含量がノルエピネフリンと等モル濃度
である場合において、所望するアオウキクサにおける花
芽形成誘導活性が最も効率的に発揮されることが明らか
になった。
【0063】このように、上記濃度でα−ケトール不飽
和脂肪酸(I)とノルエピネフリンとを組み合わせて投
与することによる、アオウキクサにおける花芽形成誘導
活性が認められた。なお、後述するように、アオウキク
サと全く異なる系統の双子葉植物であるアサガオにおい
ても、α−ケトール不飽和脂肪酸(I)等による花芽形
成誘導活性が認められることから、ウキクサ属植物及び
アオウキクサ属植物を含むうきくさ科植物において花芽
形成誘導活性が認められることは明らかである。
【0064】〔試験例2〕 α−ケトール不飽和脂肪酸
(I)のアサガオに対する花芽形成誘導作用の検討 9g のアサガオ(品種名:ムラサキ)の種子に濃硫酸処
理を20分間施し、その後流水下で一晩放置した。次い
で、種子のへその部分を上にして、湿った海砂上に24
時間置いて、発根させた。これらの発根した種子を海砂
中に、1.5〜2.0cm程度の深さに植え、連続光下で
培養した(5日間程度)。
【0065】この培養により開葉したアサガオの全植物
体を、培養液〔KNO3(250mg),NH4NO3(250mg),KH2PO4(250
mg),MgSO4・7H2O(250mg),MnSO4・4H2O(1mg),Fe-citrate
n-hydrate(6mg),H3BO3(2mg),CuSO4・5H2O(0.1mg),ZeSO
4・7H2O(0.2mg),Na2MoO4・2H2O(0.2mg),Ca(H2PO4)2・2H
2O(250mg) /1000ml蒸留水〕に移した。この培養系に上
記製造例において得たα−ケトール不飽和脂肪酸(I)
等の被験水溶液を木綿糸を用いて、直接アサガオの導管
に投与しながら暗処理を行い、その後28℃で16日間
連続光で育成し、16日目の花芽の数を実体顕微鏡で観
察確認した。
【0066】暗処理は、1晩(16時間の暗処理)又は
2晩(16時間の暗処理+8時間の明処理+16時間の
暗処理)を行った。1晩処理を行った結果を第2図に示
す。また、2晩処理を行った結果を第3図に示す。両図
において、対照群は蒸留水を投与した群であり、1μM
(αI),10μM (αI),100μM (αI)は、
それぞれの濃度のα−ケトール不飽和脂肪酸(I)を投
与した群であり、NE+αIは、ノルエピネフリン10
μM を試験例1に記載した方法で乾燥ストレスをかけた
アオウキクサのP441系統の浸漬水とインキュベーシ
ョンしたものである。
【0067】第2図に示した1晩暗処理群では対照群と
の比較において、α−ケトール不飽和脂肪酸(I)の花
芽誘導活性が認められたが、それ以上にノルエピネフリ
ンと組み合わせて投与した群に強い花芽誘導活性が認め
られた。これに対して、第3図に示した2晩暗処理群で
は、対照群や投与した薬剤の濃度の違いについて着目す
ると、平均花芽数が濃度依存的に増加し、少なくとも花
芽誘導活性を増強していることが認められた。このよう
にして、アサガオにおけるα−ケトール不飽和脂肪酸
(I)等の花芽誘導活性が認められた。
【0068】〔試験例3〕 アサガオにおけるα−ケト
ール不飽和脂肪酸(I)の花芽形成誘導作用の検討
(2) 上記試験例の結果をさらに多くの対象(50個体)で検
討して、アサガオにおけるα−ケトール不飽和脂肪酸
(I)の効果についてさらに検討した。すなわち前記試
験例2におけるアサガオ(品種名:ムラサキ)の培養系
において、α−ケトール不飽和脂肪酸(I)の被験水溶
液(1.0μM ,10.0μM,100.0μM 水溶
液)を木綿糸を用いて、直接アサガオの導管に投与しな
がら暗処理を行い、その後28℃で16日間連続光で育
成し、16日目の花芽の数を実体顕微鏡で観察確認し
た。なお、暗処理は1晩(16時間の暗処理)を行っ
た。
【0069】その結果を第4図に示す。第4図におい
て、対照群は蒸留水を投与した群であり、1μM ,10
μM ,100μM は、それぞれの濃度のα−ケトール不
飽和脂肪酸(I)を投与した群である。第4図において
明らかなように、少なくとも1.0μM のα−ケトール
不飽和脂肪酸(I)水溶液を投与することでアサガオの
花芽形成が促進され、少なくとも10.0μM のα−ケ
トール不飽和脂肪酸(I)水溶液の投与に至るまで、α
−ケトール不飽和脂肪酸(I)の濃度に依存して、その
花芽形成誘導作用が向上することが認められた。また、
100.0μM のα−ケトール不飽和脂肪酸(I)水溶
液の投与した群においては、α−ケトール不飽和脂肪酸
(I)の量が過剰であるために、かえって所望する花芽
形成誘導作用が阻害される傾向にあることが示唆され
た。
【0070】〔試験例4〕アサガオにおけるα−ケトー
ル不飽和脂肪酸(I)の花芽形成誘導作用の検討(3) 本試験例では、α−ケトール不飽和脂肪酸(I)の投与
による花芽形成誘導作用が、暗処理時間によってどのよ
うに変化するかを検討した。本試験例の試験系は、個体
数を除いて上記試験例3と同様の試験系を用いた。ただ
し、α−ケトール不飽和脂肪酸(I)の被験水溶液にお
ける濃度は、10.0μM に統一した。また、暗処理は
1晩(14時間,16時間,18時間)行って、対照群
と試験群における暗処理時間の花芽形成に対する影響を
調べた。
【0071】その結果を第5図に示す。第5図におい
て、nは試験に用いた個体数を示す。また、横軸はそれ
ぞれの暗処理の時間である。第5図において明らかなよ
うに、1晩の暗処理群では少なくとも暗処理時間が18
時間以内では暗処理時間の長さに対応して花芽形成が対
照群,試験群共に促進されることが明らかになり、いず
れの暗処理群においてもα−ケトール不飽和脂肪酸
(I)は、アサガオに対して花芽形成誘導作用を有する
ことが明らかになった。
【0072】〔試験例5〕 アサガオにおけるα−ケト
ール不飽和脂肪酸(I)の花芽形成誘導作用の検討
(4) 前記試験例2に挙げた方法と同様の方法で発芽させたア
サガオ(品種名:ムラサキ)を準備した。α−ケトール
不飽和脂肪酸(I)濃度が、1.0μM ,10.0μM
及び50.0μM の水溶液をそれぞれ調製した。これら
のα−ケトール不飽和脂肪酸(I)の水溶液を、暗処理
をする直前と暗処理後10日間毎日、スプレーで双葉の
表裏に吹きかけた。14日後の花芽の数(それぞれの群
における32個体の平均)を求めた。
【0073】その結果を第6図に示す。第6図において
明らかなように、少なくとも1.0μM のα−ケトール
不飽和脂肪酸(I)水溶液を噴霧することでアサガオの
花芽形成が促進され、その後α−ケトール不飽和脂肪酸
(I)の用量に依存して花芽形成誘導作用のほぼ最大限
が発揮されることが明らかになった。
【0074】〔試験例6〕 ラン科植物におけるα−ケ
トール不飽和脂肪酸(I)の花芽形成誘導作用の検討
(1) デンドロビューム ハイブリダム レッドスター(Dend
robium hybridum Hort.,Redstar)の鉢植え20鉢に、4
月から7月にかけて油かす及び液体肥料(ハイポネク
ス)を適時に与えながら栽培した。施肥中止後、これら
の株を実験区と対照区とに分けて、実験区の株には月曜
日から金曜日の間(8月から12月末まで)の毎日,毎
回50μM のα−ケトール不飽和脂肪酸(I)の水溶液
を、スプレーで株全体に散布して栽培を継続した。なお
対照区の株には、α−ケトール不飽和脂肪酸(I)の水
溶液の代わりに水を同様に散布した。翌年から、開花時
期と開花数を実験区及び対照区で、各々10鉢について
観察した。なお、本試験例において用いたデンドロビュ
ームは、温室に置き,冬期でも最低温度が10℃より低
くならないように管理した。その結果を下記第3表に示
す。
【0075】
【表3】
【0076】この結果より、明らかにα−ケトール不飽
和脂肪酸(I)水溶液の噴霧により、デンドロビューム
の花芽形成が開花数においても,時期的にも促進される
ことが明らかになった。
【0077】〔試験例7〕 ラン科植物におけるα−ケ
トール不飽和脂肪酸(I)の花芽形成誘導作用の検討
(2) シンビジューム ハイブリダム ラズベリーミルフィー
ユ(Cymbidium hybridum Hort.,Rasberry■Mille-feui
lle')の鉢植え20鉢に、4月から8月にかけて油かす
及び液体肥料(ハイポネクス)を適時に与えながら栽培
した。施肥中止後、これらの株を実験区と対照区とに分
けて、実験区の株には月曜日から金曜日の間(9月から
11月末まで)の毎日,毎回50μM のα−ケトール不
飽和脂肪酸(I)の水溶液を、7月から月曜日から金曜
日の間,毎日50μM のα−ケトール不飽和脂肪酸
(I)の水溶液を、スプレーで株全体に散布した。翌年
から、開花時期と開花数を実験区及びα−ケトール不飽
和脂肪酸(I)の水溶液の替わりに水を散布した対照区
で、各々10鉢について観察した。本試験例において用
いたシンビジュームは、温室に置き,冬期でも最低温度
が10℃より低くならないように管理した。その結果を
下記第4表に示す。
【0078】
【表4】
【0079】この結果より、明らかにα−ケトール不飽
和脂肪酸(I)水溶液の噴霧により、シンビジュームの
花芽形成が開花数においても,時期的にも促進されるこ
とが明らかになった。
【0080】〔試験例8〕 カーネーションにおけるα
−ケトール不飽和脂肪酸(I)の花芽形成誘導作用の検
討 カーネーション(Dianthus caryophyllus L.)の種を9
月に蒔き、その翌年の3月に植え代えた。植え代えた
後、月曜日から金曜日の間,毎日50μM のα−ケトー
ル不飽和脂肪酸(I)の水溶液を、スプレーで株全体に
散布した。その年の7月に、カーネーションの開花数
を、実験区及びα−ケトール不飽和脂肪酸(I)の水溶
液の替わりに水を散布した対照区において、各々100
株について計数した。その結果、実験区における1株当
りの開花数の相対値は、対照区を100として、142
であった。
【0081】この結果より、明らかにα−ケトール不飽
和脂肪酸(I)水溶液の噴霧により、カーネーションの
花芽形成が、その開花数において促進されることが明ら
かになった。
【0082】〔試験例9〕 アスパラガスにおけるα−
ケトール不飽和脂肪酸(I)の花芽形成誘導作用の検討 FALCON 1007 型ディスポシャーレ(60mm×15mm, BECTON
DICKINSON and Company) に濾紙(ADVANTEC TOYO,No.2)
を3枚敷き9mlの試験液〔コントロール(精製水) ,20
0 μM α−ケトール不飽和脂肪酸(I)〕を入れアスパ
ラガス種子(Mary Washington 500W) を1シャーレ当り
25粒播き,25℃で暗所で8日間置き発芽させた。そ
の際の発芽率はコントロールが90%で,200 μM α−
ケトール不飽和脂肪酸(I)が96%であった。その
後、種子を水洗してバーミキュライトに移植し、12時
間日長(人工気象器,日本医科器械製作所)25℃で1
4日間生育を行い、花芽のついた個体数を数えた。花芽
形成率は、花芽のついた個体数/全個体数×100
(%)で表した。その結果、コントロールに対しては花
芽は全く形成されなかったのに対し、200 μM α−ケト
ール不飽和脂肪酸(I)では、12.5%の個体に花芽
が認められた。
【0083】この結果より、明らかにα−ケトール不飽
和脂肪酸(I)水溶液との接触により、アスパラガス花
芽形成が促進されることが明らかになった。
【0084】上記試験例の結果より、少なくとも双子葉
植物であるアサガオ等のアサガオ属植物が含まれる,ひ
るがお科植物及びカーネーション等のナデシコ属植物が
含まれる,なでしこ科植物、並びに単子葉植物であるデ
ンドロビューム属植物,シンビジューム属植物等が含ま
れる,らん科植物、ウキクサ属植物(ウキクサ),アオ
ウキクサ属植物(アオウキクサ,ヒンジモ)が含まれ
る,うきくさ科植物、アスパラガスが含まれるゆり科植
物ににおいて、α−ケトール不飽和脂肪酸(I)等によ
る花芽形成誘導活性が認められることが明らかになっ
た。
【0085】また、このように双子葉植物及び単子葉植
物間で、α−ケトール不飽和脂肪酸(I)の花芽形成作
用が明らかに認められたことから、α−ケトール不飽和
脂肪酸(I)は、植物の科間,属間乃至種間を超えて、
広く植物全般において花芽形成誘導活性を発揮し得るこ
とは、明らかである。
【0086】なお、食用アスパラガス(Asparagus offic
inalis) は、前記したように単子葉植物であるユリ科(L
iliaceae) に属する雌雄異株の多年生植物である。アス
パラガスは、種子繁殖による雌雄の出現率はほぼ1:1
であるが、雄株が雌株に比べて食用とする若茎の生産能
力が高く、また早生である等の農業上の有益性から雄株
の大量増殖が望まれている。しかし、雌雄の判定は播種
後2〜3年を経た開花期の花器の形態によってのみ可能
であることから、早期の雌雄判定法の確立が待たれてい
る。
【0087】これまで、トリアジン型光合成阻害除草剤
であるアントラジン及びウレア型除草剤のDCMUが僅
か1ヵ月の実生に高率で花芽を誘導することが報告され
ている(T.Abe,and T.Kameya,Planta,169,289(1986))。
しかしながら、これらの除草剤で処理したアスパラガス
は、播種の2ヵ月後に薬剤の殺草作用により,その植物
体の70%が枯死することも同時に報告されている。そ
こで、現在アスパラガスの花芽を誘導し、かつ枯死させ
ることのない薬剤の探索が行われている。
【0088】上記実施例により、α−ケトール不飽和脂
肪酸(I)にアスパラガスの花芽を形成する活性が認め
られたことから、α−ケトール不飽和脂肪酸(I)はこ
のアスパラガスにおいて求められている「花芽を形成
し、しかもその使用によりアスパラガスを枯死させるこ
とがない」という課題を解決し得る成分であることが明
らかになった。
【0089】
【発明の効果】本発明により、植物の花芽形成に直接作
用する花芽形成誘導剤及び花芽形成誘導用キットが提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】α−ケトール不飽和脂肪酸(I)を示す13C−
NMRのチャート図面である。
【図2】1晩の暗処理を行った場合のα−ケトール不飽
和脂肪酸(I)を導管投与した場合のアサガオに対する
花芽形成誘導作用を検討した図面である。
【図3】2晩の暗処理を行った場合のα−ケトール不飽
和脂肪酸(I)を導管投与した場合のアサガオに対する
花芽形成誘導作用を検討した図面である。
【図4】1晩の暗処理を行った場合のα−ケトール不飽
和脂肪酸(I)を導管投与した場合のアサガオに対する
花芽形成誘導作用を個体数を増やして検討した図面であ
る。
【図5】暗処理の長さとα−ケトール不飽和脂肪酸
(I)の花芽形成誘導作用との関係を検討した図面であ
る。
【図6】2晩の暗処理を行った場合のα−ケトール不飽
和脂肪酸(I)を散布投与した場合のアサガオに対する
花芽形成誘導作用を検討した図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 清隆 東京都中央区銀座7丁目5番5号 株式会 社資生堂内 (72)発明者 瀧本 敦 京都府京都市北区紫竹上芝本町50

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) 【化1】 で表されるα−ケトール不飽和脂肪酸を有効成分として
    含有する花芽形成誘導剤。
  2. 【請求項2】請求項1記載のα−ケトール不飽和脂肪酸
    (I)及びノルエピネフリンを有効成分として含有する
    花芽形成誘導剤。
  3. 【請求項3】請求項1記載のα−ケトール不飽和脂肪酸
    (I)を含有する花芽形成誘導用キット。
  4. 【請求項4】請求項1記載のα−ケトール不飽和脂肪酸
    (I)及びノルエピネフリンを含有する花芽形成誘導用
    キット。
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