JPH10321810A - 強誘電体メモリ - Google Patents

強誘電体メモリ

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JPH10321810A
JPH10321810A JP9131885A JP13188597A JPH10321810A JP H10321810 A JPH10321810 A JP H10321810A JP 9131885 A JP9131885 A JP 9131885A JP 13188597 A JP13188597 A JP 13188597A JP H10321810 A JPH10321810 A JP H10321810A
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JP
Japan
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film
platinum
ferroelectric
lower electrode
forming
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JP9131885A
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English (en)
Inventor
Hiromi Shimazu
ひろみ 島津
Hideo Miura
英生 三浦
Yukihiro Kumagai
幸博 熊谷
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication of JPH10321810A publication Critical patent/JPH10321810A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】情報蓄積用容量素子が安定に動作する強誘電体
メモリ構造およびその製造方法を提供する。 【解決手段】下部電極に少なくとも白金膜を使用し、該
白金膜上に接するように強誘電体膜を形成し、さらに該
強誘電体膜上に上部電極膜が形成されている情報蓄積用
容量素子が、Si基板と直接あるいは導電性膜を介して
電気的に接続して、前記下部電極が白金膜と他の導電性
膜からなる少なくとも2層以上の積層構造からなり、前
記下部電極の導電性膜の熱膨張係数が少なくともSi基
板より大きく、好ましくは白金より大きな値を持つ材料
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強誘電体メモリおよ
びその製造方法に関し、特に情報蓄積用容量素子が少な
くとも白金膜と強誘電体膜とからなる強誘電体メモリに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置の微細化に伴い、情報
蓄積用容量素子の面積が減少し、容量の絶対値も減少す
る傾向にある。容量Cは、例えば平行平板電極構造の場
合は、 C=ε・S/d で決定される。ここで、εは誘電体の誘電率、Sは電極
の面積、dは誘電体の膜厚(電極間の距離)である。情
報蓄積用容量素子に使用される電極の面積Sを増大する
ことなく、容量を確保するためには、誘電率εの高い誘
電体を使用するか、誘電体の膜厚dを薄くすることが必
要である。しかし、誘電体の薄膜化には限度があるた
め、情報蓄積用容量素子に使用される絶縁膜の平面状の
面積を増大することなく、容量を確保する技術として
は、例えば特開平3−256358 号公報に示されているよう
に、誘電体としてPZT等の強誘電体を使用した強誘電
体メモリが提案されている。
【0003】これらの強誘電体材料は酸化物であり、成
膜は数100℃以上で行われるため、直接シリコン上に
は成膜できない。これは、成膜中あるいは後の工程にお
いてシリコンと強誘電体材料との界面において酸化還元
反応が起こる恐れが大きいためである。したがって、強
誘電体材料とシリコンとの界面に下部電極と呼ばれる、
高温においても酸化されにくい材料を用いる必要があ
る。また、BSTやPZTなどの材料はペロブスカイト結
晶構造であるときに、高誘電率となる。一般にペロブス
カイト薄膜の結晶性は下地基板の影響を大きく受けるこ
とが経験的に知られている。つまり、下部電極材料には
ペロブスカイト薄膜がエピタキシャル成長するような機
能も要求されるため、結晶構造の点から下部電極材料は
限定される。
【0004】以上のような背景から下部電極材料として
白金(Pt)が検討されている。しかし、白金電極をD
RAM等に用いるためには、シリコンとのコンタクトを
とる必要があり、金属とシリコンとの反応(シリサイド
反応)が問題となる。このため、Ptを下部電極として
用いるためには、シリコンとPtとの界面にシリサイド
反応を防止するためのバリア層としてのTiN等の導電
性膜が必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ペロブスカイト薄膜の
結晶構造を形成するためには、600℃程度以上の高温
が必要になる。しかし、下部電極であるPtは、600
℃程度以上の高温にすると、表面にヒロックが発生して
しまうため、その上にPZTなどの強誘電体薄膜を成膜
すると、ヒロックが強誘電体薄膜を突き破り上部電極と
電気的に接続したり、リーク電流が増大する恐れがあ
る。
【0006】発明者らは、下部電極としてTiN膜およ
びPt膜を成膜後、熱処理工程において、Si基板との
熱膨張係数差によって熱応力が発生し、温度が上昇する
につれ圧縮応力が増加することを実験により明らかにし
た。また、Pt膜内部の圧縮応力が約1000MPaに
達したとき、ヒロックが発生することを明らかにした。
【0007】本発明の目的は、強誘電体膜を成膜する際
に電極に使用する白金膜の表面にヒロックが生じること
なく、情報蓄積用容量素子が安定に動作する強誘電体メ
モリ構造を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、強誘電体膜を成膜す
る際に電極に使用する白金膜の表面にヒロックが生じる
ことなく、情報蓄積用容量素子が安定に動作する強誘電
体メモリの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下部電極
に少なくとも白金膜を使用し、該白金膜上に接するよう
に強誘電体膜を形成し、さらに該強誘電体膜上に上部電
極膜が形成されている情報蓄積用容量素子が、Si基板
と直接あるいは導電性膜を介して電気的に接続している
強誘電体メモリにおいて、前記下部電極が白金膜と他の
導電性膜からなる少なくとも2層以上の積層構造からな
り、前記下部電極の導電性膜の熱膨張係数が少なくとも
Si基板より大きく、好ましくは白金より大きな値を持
つ材料とすることにより達成される。
【0010】また、上記の目的は、下部電極に少なくと
も白金膜を使用し、該白金膜上に接するように強誘電体
膜を形成し、さらに該強誘電体膜上に上部電極膜が形成
されている情報蓄積用容量素子が、Si基板と直接ある
いは導電性膜を介して電気的に接続している強誘電体メ
モリにおいて、前記下部電極が白金膜と他の導電性膜か
らなる少なくとも2層以上の積層構造からなり、前記下
部電極の導電性膜あるいは前記導電性膜に接する絶縁膜
のヤング率が白金より少なくとも一桁以上低い値を持つ
材料とすることにより達成される。
【0011】また、上記の目的は、下部電極に少なくと
も白金膜を使用し、該白金膜上に接するように強誘電体
膜を形成し、さらに該強誘電体膜上に上部電極膜が形成
されている情報蓄積用容量素子が、Si基板と絶縁膜に
形成されたコンタクトホール内で直接あるいは導電性膜
を介して電気的に接続している強誘電体メモリにおい
て、前記絶縁膜層が少なくとも2層以上の積層構造から
なり、ヤング率が白金よりも少なくとも一桁以上低い値
である絶縁膜を少なくとも1層以上含むことにより達成
される。
【0012】また、上記の他の目的は、下部電極として
少なくとも白金膜を成膜する工程と、前記白金膜に接す
るように強誘電体膜を成膜する工程と該強誘電体膜上に
上部電極を形成して情報蓄積用容量素子を形成する工程
を含む強誘電体メモリの製造方法において、該強誘電体
膜を成膜する前に、Si基板裏面にSi基板よりも熱膨
張係数の小さい膜を成膜し、その後前記強誘電体膜を成
膜することにより達成される。
【0013】本発明によれば、強誘電体膜の成膜工程に
おいて、下部電極の白金膜の表面にヒロックが生じるこ
となく、情報蓄積用容量素子が安定に動作する強誘電体
メモリ構造が提供される。また、白金膜の表面にヒロッ
クが生じることなく、情報蓄積用容量素子が安定に動作
する強誘電体メモリの製造方法が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図を参照して説明する。
【0015】まず、本発明における第1の実施形態であ
る強誘電体メモリ構造の主要部の断面構造を図1に示
す。
【0016】本実施形態の強誘電体メモリは、図1に示
すように、シリコン基板1の主面のアクティブ領域に形
成されたMOS(Metal Oxide Semiconductor )型のト
ランジスタと、その上部に配置された1個の情報蓄積用
容量素子18とで構成されている。それぞれのMOSト
ランジスタは素子分離膜2によって素子分離されてい
る。
【0017】メモリセルのMOSトランジスタは、ゲー
ト酸化膜3,ゲート電極4および一対の拡散層5,6
(ソース,ドレイン領域)で構成されている。ゲート酸
化膜3は、例えばシリコン酸化膜,窒化珪素膜あるいは
強誘電体膜あるいはこれらの積層構造からなる。また、
ゲート電極4は、例えば多結晶シリコン膜や金属薄膜、
あるいは金属シリサイド膜あるいはこれらの積層構造か
らなる。前記ゲート電極4の上部および側壁には酸化シ
リコン膜7が形成されている。
【0018】メモリセル選択用MOSトランジスタの一
方の拡散層5には、ビット線8が接続されている。MO
Sトランジスタの上部全面には、例えばBPSG〔Boro
n−doped Phospho Silicate Glass〕膜やSOG(Spin
On Glass )膜、あるいは化学気相蒸着法やスパッタ法
で形成したシリコン酸化膜や窒化膜等からなる絶縁膜9
が形成されている。
【0019】MOSトランジスタを覆う絶縁膜9の上部
には情報蓄積用容量素子18が形成されている。情報蓄
積用容量素子18は、メモリセル選択用MOSトランジ
スタの他方の拡散層6に、多結晶シリコン膜10を介し
て接続されている。情報蓄積用容量素子18は、下層か
ら順に応力緩和用導電性膜11、たとえばTiN膜等の
導電性膜12,Pt膜13が積層された下部電極17、
さらに強誘電体膜14,上部電極15を積層した構造で
構成されている。情報蓄積用容量素子18は絶縁膜16
で覆われている。
【0020】ここで、応力緩和用導電性膜11の熱膨張
係数はシリコンの熱膨張係数3×10-6-1、好ましく
は白金の熱膨張係数9×10-6-1よりも大きいことを
特徴とする。具体的には、例えば、Al,Cu,Cu合
金,Co、あるいはNi等を使用すればよい。
【0021】以下、図6〜図8を参照して本実施形態の
強誘電体メモリ構造の作用効果を説明する。
【0022】図6は応力緩和用導電性膜11を設けてい
ない従来の強誘電体メモリ構造を示す図である。図7は
図6に示した従来の強誘電体メモリ構造の場合の、強誘
電体膜形成過程における下部電極を構成する白金膜の内
部応力の温度依存性測定例を示す。白金膜の熱膨張係数
は、メモリ構造を形成しているシリコンやシリコン酸化
膜と比較して大きいため、強誘電体膜を形成する500
℃から600℃への昇温過程において、白金膜中に大き
な圧縮熱応力が発生する。この圧縮応力の値が約100
0MPaを越えると白金膜表面に突起物(ヒロック)が
発生することが実験的に明らかになった。ヒロックが形
成されると、図8に下部電極を構成するPt膜表面にヒ
ロックが発生した場合の情報蓄積用容量素子の拡大図を
示したように、情報蓄積用容量素子の下部電極と上部電
極が局所的にショートしてしまい、容量としての安定動
作が不可能になる。
【0023】そこで、本実施形態で示したように、白金
膜の下に少なくともシリコン、好ましくは白金よりも熱
膨張係数の大きな導電性材料を電極材料として形成する
と、白金膜に発生する圧縮熱応力を本導電性膜が緩和す
る作用を持つため、導電性膜形成前と比較して白金膜に
発生する圧縮応力が緩和されることになる。緩和される
応力の絶対値は使用する膜の機械特性に依存する。応力
を緩和することにより、1000MPaに達する温度を
高温化できるので、本構造とすることで、白金膜表面に
ヒロックが発生することなく、強誘電体膜の成膜温度を
高温化、あるいは、現状の成膜温度におけるプロセスマ
ージンを確保することができる。したがって、成膜プロ
セスの安定化を図ることができ、結果としてリーク不良
のない安定動作する強誘電体メモリを製造することが可
能となる。
【0024】また、本実施形態においては、情報蓄積用
容量素子18の下部電極17の下部に形成される前記応
力緩和用導電性膜11とシリコン基板1とが多結晶シリ
コン10を介して接続されている場合について示した
が、下部電極とシリコン基板を電気的に接続する材料は
これに限定されるものではなく、金属薄膜,金属シリサ
イド膜、あるいは導電性高分子膜あるいは多結晶シリコ
ン膜も含めてこれらの複数材料からなる積層構造であっ
ても構わない。シリコン基板1と応力緩和用導電性膜1
1とが直接接していてもよい。
【0025】次に、第二の実施形態である強誘電体メモ
リの要部の断面図を図2に示す。
【0026】本実施形態の強誘電体メモリは、図2に示
すように、シリコン基板1の主面のアクティブ領域に形
成されたMOS(Metal Oxide Semiconductor )型のト
ランジスタと、その上部に配置された1個の情報蓄積用
容量素子18とで構成されている。それぞれのMOSト
ランジスタは素子分離膜2によって素子分離されてい
る。
【0027】メモリセルのMOSトランジスタは、ゲー
ト酸化膜3,ゲート電極4および一対の拡散層5,6
(ソース,ドレイン領域)で構成されている。ゲート酸
化膜3は、例えばシリコン酸化膜,窒化珪素膜あるいは
強誘電体膜あるいはこれらの積層構造からなる。また、
ゲート電極4は、例えば多結晶シリコン膜や金属薄膜、
あるいは金属シリサイド膜あるいはこれらの積層構造か
らなる。前記ゲート電極4の上部および側壁には酸化シ
リコン膜7が形成されている。メモリセル選択用MOS
トランジスタの一方の拡散層5には、ビット線8が接続
されている。MOSトランジスタの上部全面には、例えば
BPSG〔Boron-doped Phospho SilicateGlass〕膜や
SOG(Spin On Glass)膜、あるいは化学気相蒸着法
やスパッタ法で形成したシリコン酸化膜や窒化膜等から
なる絶縁膜9が形成されている。
【0028】MOSトランジスタを覆う絶縁膜9の上部
には情報蓄積用容量素子18が形成されている。情報蓄
積用容量素子18は、メモリセル選択用MOSトランジ
スタの他方の拡散層6に、多結晶シリコン膜10を介し
て接続されている。情報蓄積用容量素子18は、下層か
ら順に応力緩和用導電性膜11、たとえばTiN膜等の
導電性膜12,Pt膜13が積層された下部電極17、
さらに強誘電体膜14,上部電極15を積層した構造で
構成されている。情報蓄積用容量素子18は絶縁膜16
で覆われている。
【0029】ここで、応力緩和用導電性膜11の熱膨張
係数はシリコンの熱膨張係数3×10-6-1、好ましく
は白金の熱膨張係数9×10-6-1よりも大きいことを
特徴とする。具体的には、例えば、Al,Cu,Cu合
金,Co、あるいはNi等を使用すればよい。これによ
り、第一の実施形態で得られた効果と同様に、強誘電体
膜形成時の高温熱処理中において、Pt膜13にSi基
板との熱膨張差によって発生する圧縮応力は緩和され、
ヒロック発生の臨界応力である1000MPa に達しないの
で、ヒロックが発生を防止できる。したがって、リーク
不良のない強誘電体メモリが形成される。
【0030】また、本実施形態においては、情報蓄積用
容量素子の下部電極17の下部に形成される前記応力緩
和用導電性膜11とシリコン基板1とが多結晶シリコン
10を介して接続されている場合について示したが、下
部電極とシリコン基板を電気的に接続する材料はこれに
限定されるものではなく、金属薄膜,金属シリサイド
膜、あるいは導電性高分子膜あるいは多結晶シリコン膜
も含めてこれらの複数材料からなる積層構造であっても
構わない。シリコン基板1と応力緩和用導電性膜11と
が直接接していてもよい。
【0031】次に、本発明における第三の実施形態であ
る強誘電体メモリ構造の要部の断面構造を図3に示す。
【0032】本実施形態の強誘電体メモリは、図3に示
すように、シリコン基板1の主面のアクティブ領域に形
成されたMOS(Metal Oxide Semiconductor )型のト
ランジスタと、その上部に配置された1個の情報蓄積用
容量素子18とで構成されている。それぞれのMOSト
ランジスタは素子分離膜2によって素子分離されてい
る。
【0033】メモリセルのMOSトランジスタは、ゲー
ト酸化膜3,ゲート電極4および一対の拡散層5,6
(ソース,ドレイン領域)で構成されている。ゲート酸
化膜3は、例えばシリコン酸化膜,窒化珪素膜あるいは
強誘電体膜あるいはこれらの積層構造からなる。また、
ゲート電極4は、例えば多結晶シリコン膜や金属薄膜、
あるいは金属シリサイド膜あるいはこれらの積層構造か
らなる。前記ゲート電極4の上部および側壁には酸化シ
リコン膜7が形成されている。メモリセル選択用MOS
トランジスタの一方の拡散層5には、ビット線8が接続
されている。MOSトランジスタの上部全面には、例えば
BPSG〔Boron-doped Phospho SilicateGlass〕膜や
SOG(Spin On Glass)膜、あるいは化学気相蒸着法
やスパッタ法で形成したシリコン酸化膜や窒化膜等から
なる絶縁膜9が形成されている。
【0034】MOSトランジスタを覆う絶縁膜9の上部
には情報蓄積用容量素子18が形成されている。情報蓄
積用容量素子18は、メモリセル選択用MOSトランジ
スタの他方の拡散層6に、多結晶シリコン膜10を介し
て接続されている。情報蓄積用容量素子18は、下層か
ら順に応力緩和用導電性膜21、たとえばTiN膜等の
導電性膜12,Pt膜13が積層された下部電極17、
さらに強誘電体膜14,上部電極15を積層した構造で
構成されている。情報蓄積用容量素子18は絶縁膜16
で覆われている。
【0035】ここで、応力緩和用導電性膜21のヤング
率は、白金のヤング率よりも一桁以上小さいことを特徴
とする。具体的には、例えば導電性ポリイミド膜等の高
分子膜等を使用すればよい。白金膜の下に白金のヤング
率よりも一桁以上小さいヤング率を有する導電性材料を
電極材料として形成すると、白金膜と下層のシリコンや
シリコン酸化膜との熱膨張係数差に起因して発生するひ
ずみを低ヤング率層が変形で吸収してくれるので、白金
膜に発生する圧縮熱応力を応力緩和用導電性膜21(低
ヤング率層)が緩和する作用を持つため、前記応力緩和
用導電性膜21形成前と比較して白金膜に発生する圧縮
応力が緩和されることになる。緩和される応力の絶対値
は使用する膜の機械特性に依存する。応力を緩和するこ
とにより、1000MPaに達する温度を高温化できる
ので、本構造とすることで、白金膜表面にヒロックが発
生することなく、強誘電体膜の成膜温度を高温化、ある
いは、現状の成膜温度におけるプロセスマージンを確保
することができる。したがって、成膜プロセスの安定化
を図ることができ、結果としてリーク不良のない安定動
作する強誘電体メモリを製造することが可能となる。
【0036】また、本実施形態においては、情報蓄積用
容量素子の下部電極17の下部に形成される前記応力緩
和用導電性膜21とシリコン基板1とが多結晶シリコン
10を介して接続されている場合について示したが、下
部電極とシリコン基板を電気的に接続する材料はこれに
限定されるものではなく、金属薄膜、金属シリサイド
膜、あるいは導電性高分子膜あるいは多結晶シリコン膜
も含めてこれらの複数材料からなる積層構造であっても
構わない。シリコン基板1と応力緩和用導電性膜21と
が直接接していてもよい。
【0037】また、本実施形態においては、下部電極の
構成が、下層から順に応力緩和用導電性膜21、たとえ
ばTiN膜等の導電性膜12,Pt膜13が積層されて
いる場合について示したが、導電性膜12,応力緩和用
導電性膜21,Pt膜13の順に積層されている構造で
あっても構わない。
【0038】次に、本発明における第四の実施形態であ
る強誘電体メモリ構造の要部の断面構造を図4に示す。
【0039】本実施形態の強誘電体メモリは、図4に示
すように、シリコン基板1の主面のアクティブ領域に形
成されたMOS(Metal Oxide Semiconductor )型のト
ランジスタと、その上部に配置された1個の情報蓄積用
容量素子18とで構成されている。それぞれのMOSト
ランジスタは素子分離膜2によって素子分離されてい
る。
【0040】メモリセルのMOSトランジスタは、ゲー
ト酸化膜3,ゲート電極4および一対の拡散層5,6
(ソース,ドレイン領域)で構成されている。ゲート酸
化膜3は、例えばシリコン酸化膜,窒化珪素膜あるいは
強誘電体膜あるいはこれらの積層構造からなる。また、
ゲート電極4は、例えば多結晶シリコン膜や金属薄膜、
あるいは金属シリサイド膜あるいはこれらの積層構造か
らなる。前記ゲート電極4の上部および側壁には酸化シ
リコン膜7が形成されている。
【0041】メモリセル選択用MOSトランジスタの一
方の拡散層5には、ビット線8が接続されている。MO
Sトランジスタの上部全面には、例えばBPSG〔Boro
n-doped Phospho SilicateGlass〕膜やSOG(Spin On
Glass)膜、あるいは化学気相蒸着法やスパッタ法で形
成したシリコン酸化膜や窒化膜等からなる絶縁膜9が形
成されている。さらに、その上部全面に、応力緩和用絶
縁膜20が少なくとも1層以上形成されている。
【0042】応力緩和用絶縁膜20の上部には情報蓄積
用容量素子18が形成されている。情報蓄積用容量素子
18は、メモリセル選択用MOSトランジスタの他方の
拡散層6に、多結晶シリコン膜10を介して接続されて
いる。情報蓄積用容量素子18は、下層から順にたとえ
ばTiN膜等の導電性膜12,Pt膜13が積層された
下部電極17、さらに強誘電体膜14,上部電極15を
積層した構造で構成されている。情報蓄積用容量素子1
8は絶縁膜16で覆われている。
【0043】ここで、応力緩和用絶縁膜20のヤング率
は、白金のヤング率よりも一桁以上小さいことを特徴と
する。具体的には、例えば、ポリイミド等の樹脂等を使
用すればよい。白金膜の下に白金のヤング率よりも一桁
以上小さいヤング率を有する絶縁材料を形成すると、白
金膜と下層のシリコンやシリコン酸化膜との熱膨張係数
差に起因して発生するひずみを低ヤング率層が変形で吸
収してくれるので、白金膜に発生する圧縮熱応力を応力
緩和用絶縁膜20(低ヤング率層)が緩和する作用を持
つため、前記応力緩和用絶縁膜20形成前と比較して白
金膜に発生する圧縮応力が緩和されることになる。緩和
される応力の絶対値は使用する膜の機械特性に依存す
る。応力を緩和することにより、1000MPaに達す
る温度を高温化できるので、本構造とすることで、白金
膜表面にヒロックが発生することなく、強誘電体膜の成
膜温度を高温化、あるいは、現状の成膜温度におけるプ
ロセスマージンを確保することができる。したがって、
成膜プロセスの安定化を図ることができ、結果としてリ
ーク不良のない安定動作する強誘電体メモリを製造する
ことが可能となる。
【0044】また、本実施形態においては、情報蓄積用
容量素子の下部電極17の下部に形成される前記応力緩
和用導電性膜21とシリコン基板1とが多結晶シリコン
10を介して接続されている場合について示したが、下
部電極とシリコン基板を電気的に接続する材料はこれに
限定されるものではなく、金属薄膜,金属シリサイド
膜、あるいは導電性高分子膜あるいは多結晶シリコン膜
も含めてこれらの複数材料からなる積層構造であっても
構わない。シリコン基板1と応力緩和用導電性膜21と
が直接接していてもよい。
【0045】次に、本発明の強誘電体メモリの製造工程
の一部を示す断面構造図を図5(1)〜(4)に示す。以
下、本実施形態の製造工程の概略を図の順を追って説明
する。
【0046】図5(1):シリコン基板1主面に素子分
離膜2によりアクティブ領域と素子分離領域を設ける。
前記シリコン基板1のアクティブ領域にゲート酸化膜3
及びゲート電極4を形成する。次に前記ゲート電極4と
前記素子分離膜2をマスクにして前記シリコン基板1に
不純物を注入し、拡散層5,6を形成する。絶縁膜7を
形成後、前記拡散層5と電気的に接するようにビット線
8を形成する。本工程は通常のMOSトランジスタ構造
の製造工程であり、本発明には直接関係するものではな
いので、本記載内容に限定されるものではなく、通常の
トランジスタ形成工程であれば構わない。
【0047】図5(2):素子を形成したシリコン基板
1上全面に絶縁膜9を形成する。この絶縁膜9は例えば
各種酸化シリコンあるいは窒化珪素あるいはこれらの積
層構造からなる。そして、前記絶縁膜9に、コンタクト
ホールを設ける。絶縁膜9上面,コンタクトホール内部
の絶縁膜側壁、およびコンタクトホール底面の拡散層6
に接するように、例えばCVD(Chemical Vapor Depos
ition ;化学気相成長法)により多結晶シリコン10を
堆積し、コンタクトホール内部を前記多結晶シリコン1
0によって埋める。なお、多結晶シリコン膜10はこれ
に限定されるものではなく、導電性材料であれば金属,
金属シリサイド、あるいは高分子あるいは多結晶シリコ
ンも含めた複数の材料からなる積層構造であっても構わ
ない。その後、絶縁膜9上面に堆積した多結晶シリコン
膜をエッチングなどによって除去する。前記絶縁膜9上
面,多結晶シリコン10上面に、多結晶シリコンに電気
的に接するように、導電性成膜12を成膜する。さら
に、前記導電性膜12に接するようにPt膜13を成膜
する。
【0048】図5(3):この後、前記シリコン基板1
裏面に応力緩和用膜19を形成する。本応力緩和用膜の
熱膨張係数は、少なくともシリコンよりも小さいことを
特徴とし、膜の形成温度は、少なくとも後の強誘電体膜
の成膜温度よりも低いことが好ましい。この後、前記P
t膜13に接するように、強誘電体膜14を成膜する。
強誘電体膜14の成膜は強誘電体膜の結晶化を促すため
500℃以上、好ましくは600℃以上の温度で成膜す
るのが好ましい。
【0049】図5(4):その後、前記シリコン基板1
裏面の応力緩和用膜19はエッチングなどにより除去す
る。前記強誘電体膜14に接するように、上部電極15
を形成し、さらに、全面に絶縁膜16を形成する。な
お、前記応力緩和用膜19の除去は本工程順に必ずしも
限定されるものではなく、強誘電体膜の成膜後のいずれ
の工程後で行っても構わない。
【0050】この後、所望の工程を行い半導体装置が完
成される。例えば、1層目の配線および絶縁膜を形成し
た後、必要に応じて、2層目以降の配線および絶縁膜の
形成が行われ、MOSトランジスタ構造が完成する。本
工程はあくまでも参考例であり、これに限定されるもの
ではなく配線層数も1層に限定されるものではない。
【0051】ここで、応力緩和用膜19の熱膨張係数
は、シリコンの熱膨張係数3×10-6-1よりも小さい
ことを特徴。具体的には、例えば、SiN等を使用すれ
ばよい。強誘電体膜14を成膜する工程の前に、シリコ
ン基板1裏面にシリコン基板よりも熱膨張係数が小さい
応力緩和用膜19を形成することにより、強誘電体成膜
工程の高温時(昇温過程)において、本膜が存在する
と、シリコン基板全体が強誘電体膜形成面側を凸にして
そるため、相対的にPt膜13の熱膨張を助けるため、
強誘電体膜形成時の高温熱処理中において、Pt膜13
に発生する圧縮応力は緩和され、ヒロック発生の臨界応
力である1000MPaに達しないので、ヒロックが発
生することがなく、リーク不良のない安定動作する強誘
電体メモリが形成される。
【0052】また、本実施形態においては、Pt膜を成
膜する工程の後、シリコン基板裏面に応力緩和用膜を形
成する場合について説明したが、本膜の形成工程は、本
工程順に限定されるものではなく応力緩和用膜を形成す
る工程は、強誘電体膜を成膜する工程の前であれば特に
限定されるものではない。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、少なくとも白金膜と強
誘電体膜とからなる情報蓄積用容量素子が、Si基板と
電気的に接続している強誘電体メモリにおいて、強誘電
体膜を成膜時、高温になる場合でも、白金に発生する圧
縮応力は1000MPa以下に緩和することができ、前
記白金表面にヒロックが生じるのを防止できる。したが
って、情報蓄積用容量素子が安定に動作する強誘電体メ
モリが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施形態である強誘電体
メモリの要部の断面図である。
【図2】本発明における第2の実施形態である強誘電体
メモリの要部の断面図である。
【図3】本発明における第3の実施形態である強誘電体
メモリの要部の断面図である。
【図4】本発明における第3の実施形態である強誘電体
メモリの要部の断面図である。
【図5】本発明における強誘電体メモリの製造工程の一
部を示す断面図である。
【図6】従来の強誘電体メモリの要部の断面図である。
【図7】従来の強誘電体メモリ構造の場合の、強誘電体
膜形成過程における下部電極を構成する白金膜の内部応
力の温度依存性測定例を示す図である。
【図8】下部電極を構成するPt膜表面にヒロックが発
生した場合の情報蓄積用容量素子の拡大図である。
【符号の説明】
1…シリコン基板、2…素子分離膜、3…ゲート酸化
膜、4…ゲート電極、5,6…拡散層、7…絶縁膜、8
…ビット線、9…絶縁膜、10…多結晶シリコン、1
1,21…応力緩和用導電性膜、12…導電性膜、13
…Pt膜、14…強誘電体膜、15…上部電極、16…
絶縁膜、17…下部電極、18…情報蓄積用容量素子、
19…応力緩和用膜、20…応力緩和用絶縁膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 29/792

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下部電極に少なくとも白金膜を使用し、該
    白金膜上に接するように強誘電体膜を形成し、さらに該
    強誘電体膜上に上部電極膜が形成されている情報蓄積用
    容量素子が、Si基板と直接あるいは導電性膜を介して
    電気的に接続している強誘電体メモリにおいて、前記下
    部電極が白金膜と他の導電性膜からなる少なくとも2層
    以上の積層構造からなり、前記下部電極の導電性膜の熱
    膨張係数が少なくともSi基板より大きく、好ましくは
    白金より大きな値を持つ材料とすることを特徴とする強
    誘電体メモリ。
JP9131885A 1997-05-22 1997-05-22 強誘電体メモリ Pending JPH10321810A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004006929A (ja) * 2003-07-04 2004-01-08 Hitachi Ltd 半導体装置
JP2004146551A (ja) * 2002-10-24 2004-05-20 Fujitsu Ltd Pb系ペロブスカイト強誘電体膜を有する固体電子装置及びその製造方法

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