JPH10321043A - 直流用ケーブル - Google Patents

直流用ケーブル

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JPH10321043A
JPH10321043A JP13261097A JP13261097A JPH10321043A JP H10321043 A JPH10321043 A JP H10321043A JP 13261097 A JP13261097 A JP 13261097A JP 13261097 A JP13261097 A JP 13261097A JP H10321043 A JPH10321043 A JP H10321043A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductive layer
cable
insulator
semiconductor layer
conducting particles
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP13261097A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Miyata
裕之 宮田
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁耐力に優れた直流用ケーブルを提供する
こと。 【解決手段】 導体10の上に半導電層11、14と絶
縁体13とが形成され、前記半導電層11、14がフェ
ルミレベル4.0eV以下の導電粒子を含有する直流用
ケーブルである。導電粒子として、アルミニウムの粒子
等が用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は直流送電用などとし
て用いられる直流用ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】直流用ケーブルとして、銅線等の導体の
上に内部半導電層を形成し、該内部半導電層の上に絶縁
体を形成し、該絶縁体の上に外部半導電層を形成し、該
外部半導電層の上にシース等を形成したものが用いられ
ている。そして、前記半導電層は、導体表面の電界の緩
和と、導体と絶縁体間のギャップによって生じる部分放
電の防止のために設けられる。通常、前記絶縁体は架橋
ポリエチレンにより構成され、半導電層はポリエチレン
等のプラスチックに、導電性のカーボンブラックを分散
させたものにより構成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記構
成を有するケーブルを直流用として用いた場合、内部半
導電層或いは外部半導電層近傍にヘテロ空間電荷を形成
し易い。そのため界面の電界を強調し、ひいてはケーブ
ルの絶縁耐力の低下を招くという問題があった。
【0004】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、絶縁耐力に一層優れた直流用ケーブルを提供するこ
とを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、導体の上
に半導電層と絶縁体とが形成されている直流用ケーブル
であって、前記半導電層がフェルミレベル4.0eV以
下の導電粒子を含有している直流用ケーブルとすること
で解決される。
【0006】
【発明の実施の形態】図1は本発明の直流用ケーブルの
一例の断面図であって、図1に示す例は、導体10の上
に内部半導電層11が形成され、該内部半導電層11の
上に絶縁体13が形成され、該絶縁体13の上に外部半
導電層14が形成され、該外部半導電層14の上にシー
ス15が形成されてなる直流用ケーブルであって、前記
の内部半導電層11と外部半導電層14とがフェルミレ
ベル4.0eV以下の導電粒子を含んでいる直流用ケー
ブルである。なお、図1に示す直流用ケーブルは単心ケ
ーブルの例であるが、本発明の直流用ケーブルは多心ケ
ーブルであってもよい。
【0007】絶縁体は公知の材料、例えばポリエチレ
ン、エチレンープロピレン共重合体、エチレンー酢酸ビ
ニル共重合体等のエチレン系ポリマー、ポリプロピレン
等のポリオレフィンにより構成できる。絶縁体が架橋ポ
リエチレンであるケーブル(CVケーブル)は、絶縁耐
力に特に優れている。架橋ポリエチレンとは、ポリエチ
レン或いはエチレンコポリマー等のエチレン系ポリマー
をジクミルパーオキサイド等の架橋剤を用いて架橋させ
たものである。
【0008】半導電層は、フェルミレベル(フェルミ準
位)が4.0eV以下の導電粒子(以下、導電粒子と言
うことがある)を微粒子状に分散したものである。この
ような半導電層は、約103〜105Ω・cmの体積抵抗
率(25℃)を有している。導電粒子を分散する媒体
は、前記のエチレン系ポリマーであることが好ましい。
また、導電粒子は内部半導電層と外部半導電層の両層に
含有されることが好ましい。前記導電粒子として、アル
ミニウム、銀、、マグネシウム等の金属の粒子、或いは
カルシウム等の粒子が挙げられ、これらは4.0eV以
下のフェルミレベルを有している。
【0009】半導電層中の導電粒子は、平均粒子径が数
μm〜数十μm、特に、2〜10μmであることが好ま
しい。2μm未満であると、導電性を付与しにくく、1
0μmを越えると、突起になりやすい。
【0010】半導電層中の導電粒子の含有量は、5〜1
00重量%、特に、25〜50重量%であることが好ま
しい。25重量%未満であると導電性が不安定となり易
く、50重量%を越えると突起になりやすいという問題
がある。
【0011】半導電層には、ポリオレフィン、導電粒子
の他に、他の添加剤、例えば、老化防止剤等を必要に応
じて含ませることができる。特に、ポリオレフィン10
0重量部に対して、0.1〜0.2重量部の老化防止剤
と、25〜50重量部の前記導電粒子とを含む半導電層
は、熱劣化しにくい。前記老化防止剤とは、半導電層の
酸化を防止するものであって、フェノール系酸化防止剤
等である。老化防止剤を半導電層に含ませると、押出被
覆時或いはケーブルとしての使用時の、半導電層の酸化
による熱劣化を防止できる。
【0012】導電粒子を含ませる内部半導電層、外部半
導電層の厚みは任意であるが、0.5〜1mmである
と、加工性がよい。
【0013】ところで、ケーブルに直流を印加した場
合、架橋ポリエチレン等の絶縁体中のイオン性不純物に
よって生じるヘテロ空間電荷と、電極を形成した半導電
層からの注入電荷(ホモ電荷)との総和により空間電荷
分布が形成される。フェルミレベル4.0eV以下の導
電粒子を含ませた半導電層からの注入電荷量は、フェル
ミレベル4.6eV程度のカーボンブラックを含ませた
半導電層からの注入電荷量よりも多い。従って、フェル
ミレベル4.0eV以下の導電粒子を半導電層に含ませ
たケーブルの場合、ヘテロ空間電荷がより多く相殺され
蓄積されにくいので絶縁耐力に優れる。
【0014】本発明の直流用ケーブルは、銅線等の導体
の上に、ポリオレフィンとフェルミレベルが4.0eV
以下の導電粒子とを少なくとも含む組成物を押出被覆し
て内部半導電層を形成し、該内部半導電層の上にポリオ
レフィンを押出被覆して絶縁体を形成し、該絶縁体の上
にポリオレフィンとフェルミレベルが4.0eV以下の
導電粒子とを少なくとも含む組成物を押出被覆して外部
半導電層を形成し、該外部半導電層の上に金属しゃへい
層、防食層(シース)等の被覆層を形成することにより
製造できる。
【0015】
【実施例】次に本発明の具体的な実施例について説明す
る。 ー実施例のケーブルの製造ー 架橋ポリエチレン(CV)中に、フェルミレベルが4.
0eVであるアルミニウムを微粒子状に分散してなる半
導電層を持ち、図1に示す構造を有する直流用CVケー
ブルを次のようにして製造した。まず、ポリエチレンに
ジクミルパーオキサイド、老化防止剤(フェノール系酸
化防止剤)を配合して架橋可能なポリエチレン組成物を
準備した。次いで、外径10mmの導体10の外周に厚
み1mmの内部半導電層11を押出被覆により形成し、
該内部半導電層11の外周に前記ポリエチレン組成物を
厚み3mmに押出被覆して絶縁体13を形成し、該絶縁
体13の外周に厚み1mmの外部半導電層14を押出被
覆により形成し、加熱により架橋した後、外部半導電層
14の上にシース15を設けることによって実施例の直
流用CVケーブルを製造した。
【0016】なお、内部半導電層11及び外部半導電層
14は、ポリエチレンと老化防止剤と、ポリエチレン1
00重量部に対して40重量部の割合のアルミニウム粉
体とからなる半導電層形成用組成物を押出被覆すること
により形成した。用いたアルミニウム粉体は平均粒子径
約5μmであり、導電性が良いという特徴を有するもの
であった。前記の半導電層形成用組成物を混練した後、
熱プレス成形してシートを作成した。該シートの体積抵
抗率(25℃)は5×104Ω・cmであった。
【0017】ー比較例のケーブルの製造ー ポリエチレンと老化防止剤と、ポリエチレン100重量
部に対して50重量部の割合のカーボンブラックとから
なる半導電層形成用組成物を、前記実施例の半導電層形
成用組成物の代わり用いた以外は、実施例と同様にし
て、カーボンブラックを含む半導電層を有する比較例の
CVケーブルを製造した。該比較例の半導電層形成用組
成物のシートの体積抵抗率(25℃)は5×104Ω・
cmであった。
【0018】前記の実施例及び比較例のケーブルについ
て、ヘテロ空間電荷を測定したところ、実施例の直流用
CVケーブルケーブルは5nC、比較例のケーブルは1
0nCであった。即ち、実施例の直流用CVケーブル
は、比較例のケーブルに比較して、ヘテロ空間電荷が蓄
積せず、絶縁耐力に優れることが分かった。なお、ヘテ
ロ空間電荷の測定は、パルス静電応力法により測定し
た。その際、ケーブルには、30KVの直流電流を印加
した。
【0019】
【発明の効果】本発明の直流用ケーブルは、導体の上に
半導電層と絶縁体とが形成されてなり、半導電層がフェ
ルミレベル4.0eV以下の導電粒子を含み、該導電粒
子が微粒子状に分散されているものであるので、直流を
印加してもヘテロ空間電荷が蓄積されにくい。従って、
本発明の直流用ケーブル、特に直流用CVケーブルは絶
縁耐力に優れ、海峡横断等の直流送電用ケーブル等とし
て用いるに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の断面図である。
【符号の説明】
1・・直流用ケーブル、10・・導体、11・・内部半
導電層、13・・絶縁体、14・・外部半導電層、15
・・シース

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体の上に半導電層と絶縁体とが形成さ
    れている直流用ケーブルであって、前記半導電層がフェ
    ルミレベル4.0eV以下の導電粒子を含有することを
    特徴とする直流用ケーブル。
JP13261097A 1997-05-22 1997-05-22 直流用ケーブル Withdrawn JPH10321043A (ja)

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JP13261097A JPH10321043A (ja) 1997-05-22 1997-05-22 直流用ケーブル

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JP13261097A JPH10321043A (ja) 1997-05-22 1997-05-22 直流用ケーブル

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JPH10321043A true JPH10321043A (ja) 1998-12-04

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ID=15085364

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JP13261097A Withdrawn JPH10321043A (ja) 1997-05-22 1997-05-22 直流用ケーブル

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2361934A (en) * 2000-03-03 2001-11-07 Kobe Steel Ltd Boron containing aluminium alloy

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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