JPH103823A - 直流架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル - Google Patents

直流架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル

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JPH103823A
JPH103823A JP15448596A JP15448596A JPH103823A JP H103823 A JPH103823 A JP H103823A JP 15448596 A JP15448596 A JP 15448596A JP 15448596 A JP15448596 A JP 15448596A JP H103823 A JPH103823 A JP H103823A
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JP
Japan
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power cable
cross
insulating layer
layer
direct current
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Application number
JP15448596A
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English (en)
Inventor
Ayako Yokoyama
綾子 横山
Hiroyuki Miyata
裕之 宮田
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直流電圧を印加してもその絶縁層中に空間電
荷が蓄積しにくく、直流用高電圧電力ケーブルとして使
用することのできる直流架橋ポリエチレン絶縁電力ケー
ブルを提供する。 【解決手段】 架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの架
橋ポリエチレンからなる絶縁層8を形成するにおいて、
未架橋のポリエチレンを水蒸気架橋によって前記絶縁層
8の水分含量が500〜1500ppmとなるように架
橋させて絶縁層8とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は直流架橋ポリエチレ
ン絶縁電力ケーブルに関し、特に直流高電圧用電力ケー
ブルとして用いることのできる直流架橋ポリエチレン絶
縁電力ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルは、
その絶縁層を架橋ポリエチレンから形成したもので、取
扱いの簡便さから広く用いられている。図1は架橋ポリ
エチレン絶縁電力ケーブルの一例の断面図を示したもの
で、銅線などの素線2を複数本撚り合わせた導体4上に
順次、エチレン−酢酸ビニル共重合体などからなる内部
半電導層6、ポリエチレンをジクルミパーオキサイド
(以下、DCPと記す)などの架橋剤によって架橋させ
た架橋ポリエチレンからなる絶縁層8、前記内部半電導
層6と同様の材料からなる外部半導電層10、銅テープ
などからなる金属遮蔽層12、塩化ビニル樹脂から形成
された防食層14が設けられて、この直流架橋ポリエチ
レン絶縁電力ケーブルが構成されている。この架橋ポリ
エチレン絶縁電力ケーブルにおいて、前記導体4と金属
遮蔽層12は、電極として働くようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この架
橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの絶縁層8に直流電圧
を印加すると、電極からの電荷注入、双極子の反転、イ
オン性不純物の解離などにより電荷(空間電荷)が生
じ、蓄積することから、直流破壊電圧やインパルス破壊
電圧が低下するという問題がある。すなわち、直流電圧
を印加した際に絶縁層8に蓄積する空間電荷の分布は、
電極(陽極および陰極)近傍に、各々の電極と逆極性の
電荷が蓄積するヘテロ空間電荷分布である。この空間電
荷の蓄積によってこの絶縁層8の内部電界が変歪され、
陽極および陰極との両界面付近の内部電界が強調され、
絶縁破壊がおこりやすくなる。したがって特に250k
V以上の直流高電圧用電力ケーブルとしては安全性の面
から実用化に至っていない。本発明は前記事情に艦みて
なわれたもので、その絶縁層中に空間電荷が蓄積しにく
く、直流高電圧用電力ケーブルとして使用することので
きる直流架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルを提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明においては、架橋
ポリエチレン絶縁電力ケーブルにおいてその絶縁層の水
分含量を500〜1500ppmとすることを前記課題
の解決手段とした。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の直流架橋ポリエチレン絶
縁電力ケーブルにおいて、従来のものと異なるのは、そ
の絶縁層の水分含量が500〜1500ppmとされて
いる点である。本発明者らは、この絶縁層の水分含量と
直流電圧を印加した際の空間電荷の蓄積との関係を検討
し、この水分含量が500ppm以上であると、空間電
荷の蓄積が抑制されることを見いだし、本発明を完成さ
せた。
【0006】本発明の直流架橋ポリエチレン絶縁電力ケ
ーブルの構造は、例えば、その絶縁層の水分含量を50
0〜1500ppmとする以外は、図1に示した従来の
架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの構造と同様にする
ことができる。以下図1を利用して説明する。この直流
架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルは、素線2を複数本
撚り合わせた導体4上に順次、内部半電導層6、絶縁層
8、外部半導電層10、金属遮蔽層12、防食層14が
設けられて構成されている。
【0007】この直流架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブ
ルを構成する導体4の導体面積は5〜2500mm2とさ
れ、内部半導電層6の厚さは5〜2mmとされ、絶縁層8
の厚さは0.5〜13mmとされる。また、外部半導電層
10の厚さは1〜3mm、金属遮蔽層12、防食層14の
厚さはそれぞれ、0.1〜1.2mm、1.5〜5mmとさ
れ、この直流架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの外径
は10〜100mmとされる。この絶縁層を形成する架橋
ポリエチレンは、一般に架橋ポリエチレン絶縁電力ケー
ブルの絶縁層に使用されるものであれば特に限定するこ
とはない。この絶縁層8には、他に酸化防止剤などの添
加剤が含まれてもよい。
【0008】以下に、上述の直流架橋ポリエチレン絶縁
電力ケーブルの製法の例について、手順を追って説明す
る。最初に、導体4となる素線2を1〜455本程度撚
り合わせて、導体4とする。この導体4上に、内部半導
電層6となる未硬化のエチレン−酢酸ビニル共重合体な
どからなる半導電性組成物、絶縁層8となる未硬化のポ
リエチレンにDCPなどの架橋剤を添加したもの、およ
び外部半導電層10となる前記内部半電導層6と同様の
半導電性組成物とを、3層押出被覆により被覆し、つい
でこれを130〜230℃、5〜20気圧の飽和水蒸気
を封入した架橋装置の架橋管内に導き、水蒸気架橋によ
って前記絶縁層8の材料であるポリエチレンを架橋さ
せ、内部半電導層6、絶縁層8および外部半導電層10
を形成する。以下、常法により、この外部半導電層10
上に金属遮蔽層16と防食層18を形成して直流架橋ポ
リエチレン絶縁電力ケーブルとする。前記水蒸気架橋の
条件によれば絶縁層8の水分含量は、この絶縁層8中で
起こるDCPの二次分解で生成する水を含めて500〜
1500ppmとなる。
【0009】また、乾式架橋によって、この絶縁層8の
水分含量を調整することもできる。すなわち、上述の直
流架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの製法において、
水蒸気架橋にかえて常法によって乾式架橋を行い、ポリ
エチレンを架橋させ、金属遮蔽層16と防食層18の形
成の前または後に、水分が拡散しない程度に密閉された
装置内で55〜80℃に加熱し、前記DCPの二次分解
を促進させて前記絶縁層8中の水分量を500〜150
0ppmとする。
【0010】このようにして前記絶縁層8の水分含量を
500〜1500ppmとしたことにより、直流電流を
印加した際の絶縁層8内の空間電荷の蓄積を抑制するこ
とができる。このためこの直流架橋ポリエチレン絶縁電
力ケーブルを、500kV以上の直流用高圧電力ケーブ
ルとしても使用することができる。
【0011】また、本発明者らの検討によれば前記絶縁
層8の水分含量を30ppm以下としても、500〜1
500ppmとした場合と同様の空間電荷の蓄積の抑制
効果が得られるが、水分含量を30ppmとするために
は、前記直流架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの製造
工程に、この水分含量を低減するための工程を加える必
要がある。これに対し、絶縁層8の水分含量を500〜
1500ppmとした直流架橋ポリエチレン絶縁電力ケ
ーブルは、通常の水蒸気架橋によって製造することがで
き、従来の架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルと同様に
して製造可能であるので製造コストの増加を伴わないと
いう利点もある。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して詳しく説明す
る。ここで以下に示す実施例1の試料および実施例2の
架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの絶縁層8の材料と
しては、未架橋の低密度ポリエチレン(MI=1、密
度:0.92g/cc)100重量部に、1.6重量部
のDCPおよび0.2重量部の酸化防止剤を予め添加し
たものを用いた。
【0013】(実施例1)以下のようにしてその水分含
量の異なる架橋ポリエチレンからなる試料を作成し、蓄
積空間電荷量(電荷密度)の測定を行った。すなわち、
上述の材料をプレス成型(乾式架橋)した後、アルミホ
イルに包み、水分が外部に拡散しない状態で再度加熱
し、前記DCPの二次分解を促進させ、水分を発生させ
た。この加熱時間をかえて前記水分量を調節し、水分含
量がそれぞれ30ppm(NO.1)、150ppm
(NO.2)、250ppm(NO.3)、500pp
m(NO.4)、1500ppm(NO.5)の架橋ポ
リエチレンからなる試料を作成した。この試料は、外径
110mm、厚さ2mmの円板状シートであり、この表
裏に電極部として直径3cmのアルミ電極を蒸着して、
外導表面温度一定で、30kV/mm、3時間直流電圧
を印加した後、接地前と接地後に、それぞれパルス静電
応力法により空間電荷を測定した。
【0014】測定結果を図2〜5に示す。また、図6
は、NO.1〜4について図2〜5に示した結果より求
めた陽極側の蓄積空間電荷量と試料中の水分含量との関
係を示したグラフである。図2はNO.1の結果を示し
たものであり、図中実線aは接地前、破線a’は接地後
の測定結果である。図3はNO.2の結果を示したもの
であり、図中実線bは接地前、破線b’は接地後の測定
結果である。図4はNO.3の結果を示したものであ
り、図中実線cは接地前、破線c’は接地後の測定結果
である。NO.4およびNO.5においては同様の結果
が得られたので、図5にまとめて示した。図中実線dは
接地前、破線d’は接地後の測定結果である。図2〜6
の結果より、水分含量500ppm(NO.4)、15
00ppm(NO.5)において明かに蓄積空間電荷量
が低下し、水分含量30ppm(NO.1)の場合と同
様に空間電荷の蓄積が抑制されていることが確認され
た。
【0015】(実施例2)図1に示したような構造の架
橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルを、水蒸気架橋によ
り、その絶縁層8の水分含量を500ppmとして製造
した。この架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルは、導体
面積:60mm2、絶縁層8の厚さ:3mmとした。このよ
うな架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル5本について、
外導表面温度一定で、直流電圧を50kv/mm、20
00時間かけ続けたところ、絶縁破壊は起こらなかっ
た。したがって、絶縁層8の水分含量を500ppm以
上とすることによって、直流高電圧用の架橋ポリエチレ
ン絶縁電力ケーブルとして実用可能なものが得られるこ
とが確認された。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明の直流架橋ポ
リエチレン絶縁電力ケーブルは、その絶縁層の水分含量
が500〜1500ppmとされているので、直流電圧
を印加しても空間電荷が蓄積しにくく、絶縁破壊が起こ
りにくい架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルとすること
ができ、このため直流用高電圧電力ケーブルとして使用
することができる。また、この直流架橋ポリエチレン絶
縁電力ケーブルは通常の水蒸気架橋を経て製造すること
ができ、従来の架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルと同
様にして製造可能であるので製造コストの増加を伴わず
経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの正断面
図である。
【図2】 実施例1のNO.1の蓄積空間電荷量の測定
結果である。
【図3】 実施例1のNO.2の蓄積空間電荷量の測定
結果である。
【図4】 実施例1のNO.3の蓄積空間電荷量の測定
結果である。
【図5】 実施例1のNO.4、NO.5の蓄積空間電
荷量の測定結果をまとめて示したものである。
【図6】 実施例1のNO.1〜4の絶縁層の水分含量
と蓄積空間電荷量との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
8・・・絶縁層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その絶縁層の水分含量が500〜150
    0ppmであることを特徴とする直流架橋ポリエチレン
    絶縁電力ケーブル。
JP15448596A 1996-06-14 1996-06-14 直流架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル Pending JPH103823A (ja)

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JP15448596A JPH103823A (ja) 1996-06-14 1996-06-14 直流架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル

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JP15448596A JPH103823A (ja) 1996-06-14 1996-06-14 直流架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001307564A (ja) * 2000-02-24 2001-11-02 Nexans 高電圧および超高電圧直流電力ケーブル
CN103123826A (zh) * 2013-03-22 2013-05-29 国网电力科学研究院 高压和超高压柔性直流输电光纤复合挤出绝缘电力电缆
CN105161195A (zh) * 2015-10-16 2015-12-16 无锡市曙光电缆有限公司 一种环保型超高压交联聚乙烯绝缘电力电缆
CN105609204A (zh) * 2016-03-21 2016-05-25 中天科技海缆有限公司 ±320kV超高压交联聚乙烯绝缘柔性直流电力电缆
CN106098238A (zh) * 2016-08-08 2016-11-09 中天科技海缆有限公司 500kV交联聚乙烯绝缘海底电力电缆

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