JP2563504B2 - 直流電力ケーブル - Google Patents

直流電力ケーブル

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【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、直流破壊特性、極性反転破壊特性、イン
パルス特性の向上を図った直流電力ケーブルに関する。
「従来の技術」 従来より、CVケーブル等、通常の交流高電圧電力ケー
ブルの絶縁体としては、絶縁耐力、誘電特性が優れてい
ることから、ポリエチレン(PE)、架橋ポリエチレン
(XLPE)等の樹脂に、カーボンブラックあるいはアイモ
ノマーを添加してなるものが使用されている。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、ポリエチレン(PE)や架橋ポリエチレン
(XLPE)などからなる絶縁体を有するケーブルを、高圧
直流送電に適用する場合には、いくつかの問題点が生じ
ることが知られている。
最大の問題点は、直流高電圧を印加することによっ
て、絶縁体中に寿命の長い空間電荷が形成され易いこと
である。この空間電荷は一般に電子性、正孔性、イオン
性のものと言われており、ポリエチレンの結晶構造に関
係した領域に電荷がトラップされるためとされている。
また、ポリエチレンは絶縁性の良好な無極性の物質であ
るため、トラップされた電荷の濡れが起こりにくく、従
って、寿命の長い空間電荷となる。
そして、直流印加によって絶縁体に空間電荷が蓄積さ
れると、導体近傍の電界強度が上昇し、ケーブルの破壊
電圧が低下する不都合が生じる。
この発明は、このような背景の下になされたもので、
絶縁体に悪影響を与える空間電荷の蓄積を低減すること
により絶縁耐力を高めた直流電力ケーブルを提供するこ
とを目的とする。
「課題を解決するための手段」 上記問題点を解決するために、 まず、第1の発明における直流電力ケーブルでは、第
1図の断面図に示すように導体1の周囲に設けられた絶
縁体2を、ベースポリマーとしてのマレイン酸変性ポリ
オレフィン(第2図参照)に、粒径が20〜50nmのカーボ
ンブラックを0.2〜1.5wt%の割合で混合することにより
形成するようにしている。
また、第2の発明における直流電力ケーブルでは、第
3図に示すように、導体3の周囲に設けられた絶縁体4
をマレイン酸変性ポリオレフィン(第2図参照)または
架橋ポリエチレンによって構成するとともに、該絶縁体
4の内周側及び外周側の少なくとも一方に、ベースポリ
マーとしてのマレイン酸変性ポリオレフィンに対して粒
径が20〜50nmのカーボンブラックを0.2〜1.5wt%の割合
で混合してなる絶縁層5・6を設けるようにしている。
なお、前記カーボンブラックにおける平均粒径とは、
各粒子径区間の粒子数をNi、粒子径区間の中心値をDiと
したとき、 平均粒径=ΣNi・Di/ΣNi で与えることができる。
「作用」 上記第1の発明及び第2の発明によれば、絶縁体(絶
縁層)のベースポリマーとしてマレイン酸変性ポリオレ
フィンを使用し、かつ、該絶縁体中にカーボンブラック
を添加することによって、以下(I)及び(II)に示す
作用を奏する。
(I) ベースポリマーにマレイン酸変性ポリオレフィ
ンを使用した理由。
ベースポリマーにマレイン酸変性ポリオレフィンを使
用することによって周囲の電子エネルギーを吸引するこ
とができる。
すなわち、前記マレイン酸変性ポリオレフィン中に存
在するカルボニル基の共鳴効果によって、空間電荷形成
の要因となる樹脂中の電子エネルギーを吸引することが
でき、その結果、従来のポリエチレン、架橋ポリエチレ
ンからなる絶縁体(絶縁層)と比較して、その直流破壊
特性、極性反転破壊特性、インパルス特性を向上させる
ことができる(後述する「実施例」の項において、実験
データを参照して直流破壊特性、極性反転破壊特性が共
に向上したことを説明する)。
(II) 上記絶縁体中にカーボンブラックを添加するこ
とによって空間電荷の濡れを促すことができる。
以下、この理由について説明する。
上記絶縁体組成物の抵抗率(比抵抗)をρ(Ω−m)
とし、絶縁抵抗の温度係数をα(1/℃)、電界係数(絶
縁抵抗のストレス係数)をβ(mm/kV)、絶縁体組成物
にかかる電界強度をE(kV/mm)とすれば、 ρ=ρ0exp−(αT+βE)……※ なる関係が成り立つことが知られている。
そして、カーボンブラックを添加すると、電界係数β
が増加する一方で温度係数αが減少し、絶縁体組成物で
の空間電荷の濡れを促進する。なぜならば、電界係数β
が増加すると抵抗率ρが低下するため、高ストレス部
(強い電界のかかる部分)の電界が緩和され、また、温
度係数αが減少すると、導体温度が高いときに遮蔽側に
現れていた最大電界Emaxが減少するからである。こうし
て、絶縁体組成物内での電界分布が均一化の方向に動
き、空間電荷の蓄積が低減される。
次に、各種数値限定の理由につき説明する。
カーボンブラックの添加量が0.2〜1.5重量wt%であ
る理由。
前記添加量が0.2wt%以下では上述した効果が十分に
得られない。また、1.5wt%以上では抵抗率ρの低下と
電界係数βの増加が著しく、熱破壊のおそれが生じる。
カーボンブラックの平均粒径が20〜50ミリミクロン
である理由。
この大きさの粒径が、ポリエチレン(ポリオレフィ
ン)等の絶縁体の結晶構造を乱さない最適の値である。
結晶構造が乱されると絶縁体の電気的性能が低下する。
粒径がこれより大きいとカーボンブラックの分散や混じ
り具合が悪くなる。またこれより小さい場合は製造が難
かしく現実的でない。
「実施例」 表に(1)〜(5)で示すように、種々の絶縁体組成
物を絶縁体として電力ケーブルを製造した(これら電力
ケーブルにおいて、(1)・(2)は本願に係る電力ケ
ーブル、(3)〜(5)は従来の電力ケーブルであ
る)。
上記(1)で示す電力ケーブルの絶縁体は、マレイン
酸変性ポリオレフィンに、粒径が20〜50nmのカーボンブ
ラックを0.2〜1.5wt%の割合で混合してなるものであ
る。また、上記(2)の(イ)〜(ハ)で示す電力ケー
ブルの絶縁体は、マレイン酸ポリオレフィンからなる絶
縁体組成物の内周側及び外周側の少なくとも一方に、粒
径が20〜50nmのカーボンブラックを0.2〜1.5wt%の割合
で混合したマレイン酸変性ポリオレフィン(絶縁層)を
設てなるものであり、上記(2)の(ニ)〜(ヘ)で示
す電力ケーブルの絶縁体は、架橋ポリエチレンから絶縁
体組成物の内周側及び外周側の少なくとも一方に、粒径
が20〜50nmのカーボンブラックを0.2〜1.5wt%の割合で
混合したマレイン酸変性ポリオレフィン(絶縁層)を設
てなるものである。
一方、上記(3)で示す電力ケーブルの絶縁体は、架
橋ポリエチレンに粒径が20〜50nmのカーボンブラックを
0.2〜1.5wt%の割合で混合してなるものであり、また、
上記(4)で示す電力ケーブルの絶縁体は、マレイン酸
変性ポリオレフィンによって構成され、上記(5)で示
す電力ケーブルの絶縁体は、架橋ポリエチレンによって
構成されたものである。
なお、電力ケーブル(1)〜(5)は断面積が600m
m2、絶縁体厚さが9mmであり、絶縁体を同時押出しによ
って形成したものである。
また、上記電力ケーブルの架橋剤としては、D.C.P
(ジクミルパーオキサイド)、カヤヘキサを使用し、か
つ、これら前記絶縁体中に1〜3wt%の割合で混合する
ようにした。
上記電力ケーブルに対して直流破壊特性、極性反転破
壊特性、インパルス特性を測定する試験を行い第1表に
示す結果を得た。
第1表から明らかなように、本発明の電力ケーブル
(1)・(2)では、従来の電力ケーブル(3)〜
(5)と比較して、直流破壊特性、極性反転破壊特性、
インパルス特性が大幅に改善された。
上記の表においては、電力ケーブル(5)の試験結果
を100として、電力ケーブル(1)〜(4)の試験結果
を順次比較するようにした。
「発明の効果」 以上説明したように、第1の発明及び第2の発明によ
れば、導体の周囲に絶縁体を設け、該絶縁体を、ベース
ポリマーとしてのマレイン酸変性ポリオレフィンに、粒
径が20〜50nmのカーボンブラックを0.2〜1.5wt%の割合
で混合することにより形成するようにした。これによっ
て、空間電荷の蓄積を低減させることができるととも
に、従来の電力ケーブルと比較して、その直流破壊電
圧、極性反転破壊電圧、インパルス特性を高めることが
でき、絶縁耐力の高い直流電力ケーブルを提供すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明の一実施例を示すものであっ
て、第1図は第1の発明を示す断面図、第2図はマレイ
ン酸変性ポリオレフィンを示す構造式、第3図は第2の
発明を示す断面図である。 1……導体、2……絶縁体、3……導体、4……絶縁
体、5・6……絶縁層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 繁嘉寿 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−253714(JP,A) 特開 昭61−253713(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導体の周囲に絶縁体が設けられた直流電力
    ケーブルにおいて、 前記絶縁体は、ベースポリマーとしてのマレイン酸変性
    ポリオレフィンに、粒径が20〜50nmのカーボンブラック
    を0.2〜1.5wt%の割合で混合してなるものであることを
    特徴とする直流電力ケーブル。
  2. 【請求項2】導体の周囲に絶縁体が設けられた直流電力
    ケーブルにおいて、 前記絶縁体をマレイン酸ポリオレフインまたは架橋ポリ
    エチレンによって構成するとともに、該絶縁体の内周側
    及び外周側の少なくとも一方に、ベースポリマーとして
    のマレイン酸変性ポリオレフィンに対して粒径が20〜50
    nmのカーボンブラックを0.2〜1.5wt%の割合で混合して
    なる絶縁層を設けたことを特徴とする直流電力ケーブ
    ル。
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