JPH10319525A - ハロゲン化銀乳剤およびそれを用いた感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤およびそれを用いた感光材料

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JPH10319525A
JPH10319525A JP9141197A JP14119797A JPH10319525A JP H10319525 A JPH10319525 A JP H10319525A JP 9141197 A JP9141197 A JP 9141197A JP 14119797 A JP14119797 A JP 14119797A JP H10319525 A JPH10319525 A JP H10319525A
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silver halide
silver
compound
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Toshihiro Nishikawa
俊廣 西川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度・圧力性に優れたハロゲン化銀乳剤、お
よびそれを用いた感光材料を提供すること。 【解決手段】 少なくとも分散媒とハロゲン化銀粒子を
有するハロゲン化銀乳剤において、主平面が{100}
面で、アスペクト比(直径/厚さ)が2.0以上100
未満であり、該平板状粒子のエッジの{100}面によ
り囲まれた直角平行四辺形、もしくはエッジの{10
0}面を延長する事により形成された直角平行四辺形の
縦横比(長辺の長さ/短辺の長さ)が1〜6であり、転
位線を有するハロゲン化銀粒子を投影面積の合計の60
%以上を含有するハロゲン化銀乳剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は写真の分野において
有用であるハロゲン化銀(以下、「AgX」と記す)乳
剤に関し、特に感度、画質、圧力性に優れたハロゲン化
銀乳剤およびそれを用いた感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】平板状ハロゲン化銀乳剤粒子を写真感光
材料に用いた場合、非平板状ハロゲン化銀粒子に比べて
色増感性、シャープネス、光散乱特性、カバリングパワ
ー、現像進行性、粒状性等が改良される。この為に、互
いに平行な双晶面を有し、主平面が{111}面であ
り、主平面が六角形の平板状粒子(以下、{111}平
板粒子という。)が多用されるようになった。
【0003】その詳細に関しては、特開昭58−113
926号、同58−113927号、同58−1139
28号、特開平2−828号、同2−28638号、同
2−298935号などに記載がある。
【0004】しかし、ハロゲン化銀粒子に増感色素を多
量に吸着させた場合、{100}面を有する粒子の方
が、{111}面を有する粒子より、色増感特性がよ
い。この傾向は、{100}面を主表面とする立方体粒
子と{111}面を主表面とする八面体粒子を比較する
と顕著である。この為、従来用いられてきた{111}
平板粒子に替わる主平面が{100}面である平板状粒
子(以下、{100}平板粒子という。)の開発が望ま
れている。
【0005】主平面の形状が直角四辺形の{100}平
板状粒子は、報告は少ないものの、例えば特開昭51−
88017号、特公昭64−8323号に記載がある。
【0006】A.MIGNOT,E.FRANCOIS
AND M.CATINAT,“CRISTAUX
DE RBOMURE D’ARGENT PLAT
S,LIMITES PAR DES FACES{1
00}ET NON MACLES”,Journal
of Crystal Growth 123(19
74)207−213の報告によれば正方形または長方
形の主平面を有する{100}面で形成された平板状の
臭化銀結晶が観察されている。
【0007】米国特許4,063,951号の開示によ
れば、{100}結晶面によって形成される平板状粒子
は単分散種粒子から形成され、アンモニアの存在下にお
いて熟成すると平板状粒子は平均アスペクト比が1.5
〜7の範囲を有するように形成される。また米国特許
4,386,156号には種粒子を非ハロゲン化物銀イ
オン錯化剤を存在させずに熟成させることにより、平均
アスペクト比8以上を有するように形成された平板状臭
化銀乳剤の製造方法が示されている。
【0008】本発明者は、{100}結晶面を主平面と
した平板状乳剤を感光材料に組み込み、感光材料として
の諸特性を評価したところ、感光材料に圧力を加えた際
市場ではクレームとなると予想される被り(当業界でい
わゆる圧力被りと呼ばれる)の発生が認められた。
【0009】本発明者は、この圧力被りを克服するため
の技術を検討し、本発明を達成するに至った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、本
発明の目的は、感度・圧力性に優れたハロゲン化銀乳
剤、およびそれを用いた感光材料を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は以下の様
にして達成された。
【0012】(1)少なくとも分散媒とハロゲン化銀粒
子を有するハロゲン化銀乳剤において、主平面が{10
0}面で、アスペクト比(直径/厚さ)が2.0以上1
00未満であり、該平板状粒子のエッジの{100}面
により囲まれた直角平行四辺形、もしくはエッジの{1
00}面を延長する事により形成された直角平行四辺形
の縦横比(長辺の長さ/短辺の長さ)が1〜6であり、
転位線を有するハロゲン化銀粒子を投影面積の合計の6
0%以上を含有するハロゲン化銀乳剤。
【0013】(2)化合物A0 および/または化合物B
0 の存在下で形成されたことを特徴とする上記(1)記
載のハロゲン化銀乳剤。
【0014】ここで化合物A0 は、AgBr粒子の{10
0}面の形成を促進する吸着剤が1分子中に2分子以
上、共有結合した有機化合物を表し、化合物B0 はアル
コール基を1分子中に2基以上有するゼラチン以外の有
機化合物を表し、かつ、両者はゼラチンおよび蛋白質以
外の有機化合物を表す。
【0015】(3)少なくとも1種のラジカルスカベン
ジャーを含有することを特徴とする上記(1)又は
(2)に記載のハロゲン化銀乳剤。
【0016】(4)前記ラジカルスカベンジャーが、下
記一般式(A−I)〜(A−V)であらわされることを
特徴とする上記(1)なしい(3)のいずれか1に記載
のハロゲン化銀乳剤。
【0017】
【化2】 一般式(A−I)において、Ra1はアルキル基、アルケ
ニル基、アリール基、アシル基、アルキルもしくはアリ
ールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィ
ニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキ
シカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表
わし、Ra2は水素原子またはRa1で示した基を表わす。
ただし、Ra1がアルキル基、アルケニル基またはアリー
ル基の時、Ra2はアシル基、アルキルもしくはアリール
スルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル
基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカ
ルボニル基またはアリールオキシカルボニル基である。
Ra1とRa2が互いに結合して、5〜7員環を形成しても
良い。
【0018】一般式(A−II)において、Xはヘテロ環
基を表わし、Rb1はアルキル基、アルケニル基またはア
リール基を表わす。XとRb1が互いに結合して、5〜7
員環を形成しても良い。
【0019】一般式(A−III )において、Yは−N=
C−とともに5員環を形成するのに必要な非金属原子群
を表わす。Yはさらに−N=C−基とともに6員環を形
成するのに必要な非金属原子群を表わし、かつ−N=C
−基の炭素原子と結合するYの末端が-N(Rc1)-、-C(Rc
2) (Rc3)-、-C(Rc4)=、−O−、−S−の中から選択さ
れた基(各基の左側で−N=C−の炭素原子と結合す
る)を表わす。Rc1〜Rc4は水素原子または置換基を表
わす。
【0020】一般式(A−IV)において、Rd1およびR
d2は同一でも異なってもよく、それぞれアルキル基また
はアリール基を表わす。ただし、Rd1とRd2が同時に無
置換アルキル基であって、かつRd1とRd2が同一の基で
ある時、Rd1とRd2は炭素数8以上のアルキル基であ
る。
【0021】一般式(A−V)において、Re1およびR
e2は同一でも異なってもよく、それぞれ、ヒドロキシル
アミノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキルアミノ
基、アリールアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル基また
はアリール基を表わす。ただし、Re1とRe2は同時に-N
HRe3(Re3はアルキル基またはアリール基)であること
はない。
【0022】(5)前記(1)から(4)のいずれか1
に記載のハロゲン化銀乳剤を用いたことを特徴とするカ
ラー感光材料。
【0023】その他、本発明の好ましい態様は次の通り
である。
【0024】(6)臭化銀含有率が50モル%以上であ
ることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1記
載のハロゲン化銀乳剤。
【0025】(7)該化合物A0 が、1種以上のエチレ
ン性不飽和単量体の重合物であり、1分子中に2分子以
上のイミダゾール基またはベンゾイミダゾール基を含有
している事を特徴とする上記(1)〜(4)及び(6)
のいずれか1記載のハロゲン化銀乳剤。
【0026】(8)該化合物B0 が、分子量300以上
で、1分子中のX1 値(アルコール基数/全官能基数)
が0.2〜1.0のポリビニルアルコールである事を特
徴とする上記(1)〜(4)および(6)〜(8)のい
ずれか1記載のハロゲン化銀乳剤。
【0027】(9)該化合物A0 および/または化合物
0 の存在濃度が、平衡晶癖電位シフト量を10mV以
上にする濃度である事を特徴とする前記(1)〜(4)
および(6)〜(9)のいずれか1記載のハロゲン化銀
乳剤。
【0028】次に本発明を更に詳細に説明する。
【0029】前記化合物A0 は一般式(1) で表わされ
る。a及びbは各成分の重量百分率を表わす。従って、
a+b=100である。
【0030】 一般式(1) −(A)a −(B)b − (I)化合物A0 化合物A0 は、AgBr粒子の{100}面の形成を促
進する吸着剤C0 を1分子中に、2分子以上、好ましく
は4〜103 分子、より好ましくは8〜100分子、更
に好ましくは20〜100分子、共有結合した有機化合
物を表わす。ここで該化合物A0 とは、次の特性を有す
る化合物を指す。先ず、従来の写真用ゼラチンの存在下
で、平均直径約0.2μmの正常晶AgBr乳剤粒子を
形成する。該乳剤から種晶としてN0 個の等量のサンプ
ル乳剤を取り出す。従来の写真用ゼラチン分散媒水溶液
中にその1つを入れ、60℃で、Ag+ とBr- を銀電
位を一定値に保ちながらダブルジェットで添加し、新核
を発生させずに平均直径約1.0μmに成長させる。種
々の銀電位で同様の実験をし、銀電位、対、粒子形状、
の関係を求める。一方、C0 を前記態様で共有結合した
化合物A0 を該水溶液中のゼラチン重量の30重量%だ
け添加し、同様の実験をし、銀電位、対、粒子形状、の
関係を求める。該粒子成長開始時の該水溶液のゼラチン
量は18g/リットルである。Ag+ の添加量は、Ag
NO3 で70gである。pHは、A0のpKa値以上の
一定値、好ましくは(pKa+0.5)である。ここで
pKa値は酸解離定数値を示す。銀電位は、室温飽和カ
ロメル電極に対する銀棒の電位を示す。銀電位はその
他、銀棒の代りに、AgBr電極、AgI電極、Ag2
S電極、またはそれらの2種以上の混晶電極を用いる事
ができる。但し、両者の比較実験は、化合物A0 の有、
無以外は、同一条件で行なわれる。
【0031】両者の比較をした場合、同一形状の14面
体粒子が得られる銀電位が、後者(C0 を共有結合した
化合物A0 )では、ゼラチン系に比べて10mV以上、
好ましくは20〜150mV、より好ましくは30〜1
20mV、最も好ましくは50〜100mVだけ、低電
位側にシフトした関係を与える。ある化合物をある量だ
け存在させる事により、このような低電位シフトが生じ
た場合、その電位シフト量を本発明では、平衡晶癖電位
シフト量と呼ぶ。該14面体粒子は、好ましくは、立方
体粒子の各角が、平均で一辺長の30%だけ欠落した1
4面体粒子であり、該粒子形状の上面図は図1で表わさ
れる。該銀電位測定のその他の詳細に関しては、宗森信
ら訳、イオン選択性電極、共立出版(1977年)、電
気化学便覧、第5章、丸善(1985年)の記載を参考
にする事ができる。
【0032】ここで、吸着剤C0 は共鳴安定化したπ電
子対を有する窒素原子Nを少なくとも1個有する有機化
合物であり、まず1)Nを環内に含む複素環化合物を挙
げる事ができる。環内にNを1個のみ、ヘテロ原子とし
て含む、置換可能な飽和または不飽和の複素環(例えば
ピリジン、インドール、ピロリジン、キノリン等)、N
を1個と、N、Oから選ばれる1個以上のヘテロ原子を
環内に含む、置換可能な飽和または不飽和の複素環(例
えばイミダゾリン、イミダゾール、ピラゾール、オキサ
ゾール、ピペラジン、トリアゾール、テトラゾール、オ
キサジアゾール、オキサトリアゾール、ジオキサゾー
ル、ピリミジン、ピリミダゾール、ピラジン、トリアジ
ン、テトラジン、ベンズイミダゾール等)を挙げる事が
できる。
【0033】その他、2)芳香族環に置換したN原子グ
ループ基を有する後掲の (3)式で表わされる有機化合物
を挙げる事ができる。ここでArは炭素原子数5〜14
個からなる芳香族環で、好ましくは炭素環からなる芳香
族環である。R1 とR2 はそれぞれ、H、Ar、脂肪族
基、または一緒に5もしくは6員環を構成する例えばア
ニリン、α−ナフチルアミン、カルバゾール、1,8−
ナフチリディン、ニコチン、ベンゾキサゾール等を挙げ
る事ができる。その他の詳細に関しては欧州特許053
4395A1、特開平6−19029号の記載を参考に
する事ができる。これらの化合物の中でより好ましいも
のはイミダゾール、ベンゾイミダゾールである。
【0034】化合物A0 は、後掲の(4) 式で表わされる
重合可能なエチレン性不飽和単量体を2分子以上重合さ
せる事により、または後掲の(5) 式で表わされる重合可
能なエチレン性不飽和単量体との共重合により形成され
る。(4) 式で表わされる単量体は1種のみであってもよ
いし、2種以上の混合物であってもよい。前記態様を満
たす割合で共重合すればよい。(4) 式中のc1 は化合物
0 が該単量体に結合した時の残基を表わす。(5) 式中
のd1 は官能基を表わす。(5) 式の化合物は該重合し、
前掲の一般式(1) のBや後掲の一般式(2) のEの部分を
構成する。
【0035】
【化3】 ここでR3 、R4 は水素原子または炭素数1〜10、好
ましくは1〜5のアルキル基を表わす。
【0036】(4) 式の化合物の具体例として次の化合物
を挙げる事ができる。ビニルイミダゾール、2−メチル
−1−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、2−
ビニルピリジン、N−ビニルカルバゾール、4−アクリ
ルアミドピリジン、N−アクリロイルイミダゾール、N
−2−アクリロイルオキシエチルイミダゾール、4−N
−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノピリジン、
1−ビニルベンゾイミダゾール、N−ビニルベンジルイ
ミダゾール、N−メタクリロイルオキシエチルピロリジ
ン、N−アクリロイルピペラジン、1−ビニルトリアゾ
ール、3,5−ジメチル−1−ビニルピラゾール、N−
メタクリロイルオキシエチルモルホリン、N−ビニルベ
ンジルピペリジン、N−ビニルベンジルモルホリンのよ
うな塩基性窒素原子を含む複素環式基を有する単量体。
【0037】Bを形成しえる共重合可能なエチレン性不
飽和単量体として、好ましいものは、その単独重合体が
酸性、中性、アルカリ性の水溶液のいずれかに可溶なも
のである。具体的化合物例として、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−
ジメチルアクリルアミド、N−アクリロイルモルホリ
ン、N−エチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルア
ミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド
のような非イオン性単量体、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、ビニル安息香酸、スチレンスルホン
酸、スチレンスルフィン酸、ホスホノキシエチルアクリ
レート、ホスホノキシエチルメタクリレート、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−アク
リルアミドプロピオン酸のようなアニオン性基を有する
単量体、またはその塩、あるいは、N,N,N−トリメ
チル−N−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、
N,N,N−トリメチル−N−3−アクリルアミドプロ
ピルアンモニウムクロライドのようなカチオン性基を有
する単量体を挙げる事ができる。
【0038】Bはこれらの1種または2種以上の共重合
体である。また、Bの中には、(1)式の分子全体の水溶
性を損なわない範囲内で他の疎水性のエチレン性不飽和
単量体を共重合する事もできる。
【0039】例えばエチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、スチレン、α−メチルスチレン、メチルビニルケト
ン、脂肪族酸のモノエチレン性不飽和エステル(例、酢
酸ビニル、酢酸アリル)、エチレン性不飽和のモノカル
ボン酸もしくはジカルボン酸のエステル(例、メタクリ
ル酸エステル)、エチレン性不飽和のモノカルボン酸ア
ミド(例、t−ブチルアルリルアミド)、モノエチレン
性不飽和化合物(例、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル)、ジエン類(例、ブタジエン、イソプレン)。
【0040】(1) 式においてaは(0.002〜1.
0)×100、好ましくは(0.01〜0.8)×10
0、より好ましくは(0.05〜0.7)×100、更
に好ましくは(0.15〜0.6)×100である。化
合物A0 の分子量は150〜106 、好ましくは300
〜3×105 、より好ましくは103 〜3×105 であ
る。
【0041】(4) 式においてc1 とエチレン性不飽和単
量体の化学結合は、後述の(5) 式の如く、直接に結合し
た態様の他、 H2 C =C(H)-L-C1 の如く2価の連結基L
を介して結合する事もできる。例えば H2 C =C(H)-CON
H-C 1 や H2 C =C(H)COO-C 1 の態様を挙げる事ができ
る。該2価の連結基、その結合様式の詳細に関しては特
開平3−109539号、同4−226449号の記載
を参考にする事ができる。
【0042】化合物A0 は、より一般的に記すと、c1
基を有する重合可能なモノマーが2分子以上、好ましく
は4〜103 分子、より好ましくは8〜100分子、更
に好ましくは20〜100分子重合された態様の重合体
である。c1 基を有する重合可能なモノマーを重合する
事により、または即に存在する重合体にc1 基を結合さ
せる事により形成する事ができる。重合方法としては付
加重合、縮重合、重付加重合、開環重合、付加縮合を挙
げる事ができ、好ましくはビニル化合物、ビニリデン化
合物、ジエン化合物の付加重合であり、より好ましく
は、ビニル化合物の付加重合である。その詳細に関して
は、新実験化学講座19、高分子化学〔I〕、丸善(1
978年)、第4版実験化学講座28、29、丸善(1
992年)の記載を参考にする事ができる。該モノマー
はc1 基を1基以上、好ましくは1〜3基、より好まし
くは1基有する。c1 基は重合物の主鎖上にはなく、枝
として結合している。化合物A0 は好ましくは、1種以
上のエチレン性不飽和単量体の重合物であり、1分子中
に2分子以上、好ましくは4〜103 分子、より好まし
くは8〜100分子、更に好ましくは20〜100分子
のイミダゾール基、またはベンゾイミダゾール基を有し
ている。 (II)化合物B0 化合物B0 は分子量が好ましくは90以上、より好まし
くは300〜106 、更に好ましくは103 〜105
最も好ましくは3000〜105 であり、1分子中にア
ルコール基を2基以上、好ましくは4〜105 基、より
好ましくは10〜104 基、最も好ましくは30〜10
3 基または100〜103 基を有するゼラチンおよびタ
ンパク質以外の化合物である。更には1分子中の(アル
コール基数/全官能基数)=x1 が好ましくは0.05
以上、より好ましくは0.2〜1.0、更に好ましくは
0.4〜1.0であり、最も好ましくは0.6〜1.0
である。ここで官能基とは、メチル基等の炭化水素残基
よりも反応性に富む残基を指し、ヘテロ原子基、または
ヘテロ原子を含む原子団を指す。また、1分子中におけ
る(全アルコール基の総質量/1分子の総質量)=x2
は0.01〜0.6が好ましく、0.05〜0.55が
より好ましく、0.1〜0.5が最も好ましい。
【0043】具体的化合物例としては、1)炭水化物を
あげる事ができる。炭水化物は前記分子量規定を満たす
多糖類であり、構成糖が1種類からなるホモ多糖、2種
以上からなるヘテロ多糖を挙げる事ができる。構成糖と
しては(CH2 O)n の分子式をもつ、n=5〜7の単
糖、糖アルコール、−CHO基の代わりに−COOH基
をもつアルドン酸、−CH2 OH基が−COOH基とな
ったウロン酸、アミノ糖をあげる事ができる。その他、
糖誘導体(ビスコース、メチルセルロース、エチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、可溶性デンプン、カルボキシメチルデン
プン、ジアルデヒドデンプン、配糖体等)を挙げる事が
できる。核酸を除く炭水化物が好ましく、配糖体を除く
炭水化物がより好ましい。
【0044】炭水化物の具体例として、でんぷん質(か
んしょでんぷん、ばれいしょでんぷん、タピオカでんぷ
ん、小麦でんぷん、コーンスターチ)、こんにゃく、ふ
のり、寒天、アルギン酸ナトリウム、トロロアオイ、ト
ラガント、ゴム、アラビアゴム、デキストラン、デキス
トリン、レバンを挙げる事ができ、ガラクトース(カン
テン等)が好ましい。
【0045】2)多価アルコール。アルカンポリオール
とも称され、具体例としてグリセリン、グリシトール、
エチレングリコールを挙げる事ができる。
【0046】3)次の一般式(2) 一般式(2) −(D)d −(E)e − (ここでd及びeは各成分の重量百分率を表わし、d+
e=100である。)で表わされる重合体であり、式中
Dは少なくとも1つのアルコール基を有するエチレン性
不飽和単量体から形成される繰返し単位を表わす。Eは
エチレン性不飽和単量体から形成されるD以外の繰返し
単位を表わす。d、eは各成分の重量百分率を表わし、
dは5〜100、好ましくは20〜100、より好まし
くは40〜100、eは0〜95、好ましくは0〜8
0、より好ましくは0〜60である。Eを形成しえるエ
チレン性不飽和単量体としては、前記一般式(1)のB
を形成しえるエチレン性不飽和単量体、および前記(4)
式で表わされる単量体を挙げる事ができる。
【0047】3)の化合物として、より好ましい具体例
は、酢酸ビニルとポリビニルアルコールの共重合体であ
り、その共重合比は、ポリ酢酸ビニルのケン化率の調節
で選ぶ事ができる。
【0048】(1) 式および(2) 式で表わされる化合物の
その他の詳細、およびそれらの重合方法に関しては、例
えば鶴田禎二「高分子合成反応」改訂版、日刊工業新聞
社(1971年)、大津隆行ら著、「高分子合成の実験
法」、化学同人、124〜154頁(1972年)、特
開平6−19029号および後記水溶性高分子の文献の
記載を参考にする事ができる。
【0049】1)〜3)の化合物は2種類以上を、好適
な割合を選んで併用してもよい。これらの化合物はその
まま、粉末または溶液状態で反応溶液中に添加してもよ
く、酸性、中性、またはアルカリ性の水に溶かしてから
添加してもよい。1)〜3)の化合物のその他の詳細に
関しては、長友新治編、新・水溶性ポリマーの応用と市
場、シーエムシー(1988)、経営開発センター出版
部編、水溶性高分子・水分散型樹脂総合技術資料集、経
営開発センター出版部(1981)、三沢忠則編、新増
補三版、水溶性高分子、化学工業社(1990)、C.
A. Finch 編、ポリビニルアルコール、John Wiley & So
ns (1992年)の記載を参考にする事ができる。 (III) AgX乳剤の物理特性 本発明において、投影面積とはAgX乳剤粒子を互いに
重ならない状態で、かつ、平板状粒子は主平面が基板面
と平行になる状態で基板上に配置した時の粒子の投影面
積を指す。本発明のAgX乳剤は少なくとも分散媒とA
gX粒子を有するAgX乳剤であり、該AgX粒子の投
影面積の合計の60%以上、好ましくは70〜100
%、より好ましくは90〜100%が主平面が{10
0}面で、アスペクト比(直径/厚さ)が2以上、好ま
しくは3〜25、より好ましくは4〜20の平板状粒子
である。
【0050】該平板状粒子の直径とは粒子を電子顕微鏡
で観察した時、粒子の投影面積と等しい面積を有する円
の直径(円相当径)を指すものとする。また厚さは平板
状粒子の主平面間の距離を指す。該厚さは0.5μm以
下が好ましく、0.03〜0.3μmがより好ましく、
0.05〜0.2μmが更に好ましい。該平板状粒子の
円相当径は10μm以下が好ましく、0.2〜5μmが
より好ましい。
【0051】該粒子の直径分布は単分散であることが好
ましく、該分布の変動係数(標準偏差/平均直径)は0
〜0.4が好ましく、0〜0.3がより好ましく0〜
0.2が更に好ましい。
【0052】主平面とは、平板粒子の最大外表面、およ
び、最大外表面と互いに平行なもう一方の大きな外表面
を指す。該平板状粒子の投影アウトライン形状(平板状
粒子の主平面を基板面に平行に置いた時の上面図におけ
るエッジ面のアウトライン形状)は次の通りである。
(i) 直角平行四辺形、(ii)直角平行四辺形の4つの角の
内の1つ以上が非等価的に欠落した形(詳細は特願平4
−145031号、同5−264059号の記載を参考
にすることができる)である態様、(iii) 直角平行四辺
形の4つの辺の内の少なくとも相対する2つの辺が外側
に凸の曲線である態様、(iv)該4つの角が等価的に欠落
した態様〔1つの粒子内で主平面の(最大欠落部面積/
最小欠落部面積)<2の態様〕を挙げることができる。
【0053】その他、(v) 主平面とエッジの{100}
面との間に{n10}面を有する態様を挙げる事ができ
る。ここでnは1〜5の整数であり、好ましくは1であ
り、平板粒子の全表面に対する該{n10}面の面積比
率は0.1〜30%が好ましく、1〜15%がより好ま
しい。前記(ii)、(iv)の場合、該欠落部のエッジ面は
{111}面、{n10}面、またはその両面を持つ場
合を挙げる事ができる。nは前記規定に従う。好ましく
は(i) 、(ii)の態様である。
【0054】該平板状粒子のエッジの{100}面によ
り囲まれた直角平行四辺形、もしくはエッジの{10
0}面を延長する事により形成された直角平行四辺形の
縦横比は1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1
〜3、最も好ましくは1〜2である。前者の直角平行四
辺形は、該平板状粒子の投影アウトライン形状に該当
し、後者の直角平行四辺形は、該平板状粒子の{10
0}面外接直角平行四辺形に該当する。
【0055】また、本発明では、(該縦横比≧7)の粒
子、および/またはそのような形状の粒子の少なくとも
2つ以上が直角あるいは平行に接合して成る結晶粒子
は、全AgXの18重量%以下、好ましくは0〜15
%、より好ましくは0〜10%、最も好ましくは0〜2
%である。
【0056】該平板粒子のハロゲン組成はAgBrIC
l、AgBr、AgBrIおよびそれらの混晶であり、
- 含率は0〜20モル%が好ましく、0〜10モル%
がより好ましい。AgBr含率は50〜100モル%が
好ましく、75〜99.9モル%がより好ましい。
【0057】その他、粒子表面層のSCN- またはI-
含率が0.1モル%以上、好ましくは0.5〜50モル
%の態様を挙げる事ができる。また、該粒子表面層のB
-含率が1〜100モル%、好ましくは5〜80モル
%の態様を挙げる事ができる。ここで粒子表面層とは表
面から1〜1000原子層、好ましくは1〜3原子層の
部分を指す。これらの含率および表面層の厚さは粒子表
面および粒子間において実質的に均一に分布している事
がより好ましい。
【0058】これらの実質的に均一とは、該含率のバラ
ツキの変動係数(標準偏差/平均含率)が、好ましくは
0〜0.4、より好ましくは0〜0.2、更に好ましく
は0〜0.1を指す。
【0059】その他、粒子表面上で不均一に分布した態
様(該変動係数>0.4)を挙げる事ができる。特に粒
子のエッジ部や角部とその近傍がもり上った態様を挙げ
る事ができ、例えば米国特許第5275930号の記載
を参考にする事ができる。 (IV)該平板状粒子の形成 (IV)−1.種形成過程 該平板状粒子はそのエッジ方向への優先的成長を可能に
する結晶欠陥を有する為に、平板状となる。該欠陥は平
板状粒子の種形成時に形成される。該欠陥形成法として
次の方法を挙げる事ができる。
【0060】1)化合物A0 および/もしくはB0 を含
む水溶液中にAg+ とX- を添加する。この場合、生成
したAgX核に該化合物が吸着し、更に該核上にAg+
とX- が積層する時に該欠陥が生じる。その他、添加し
たAg+ やX- と、該化合物が錯体を形成し、該錯体が
AgX核に取り込まれた時に該欠陥が生じる事もある。
【0061】2)先ず、分散媒水溶液中で該欠陥を実質
的に含まないAgX0 核を形成し、次に該化合物を添加
し、該化合物をAgX0 核に吸着させる。次にAg+
-を添加し、該AgX核上に積層させる事により、該
欠陥を形成する。ここで実質的にとは、AgX0 核が含
む該欠陥量が、全種形成時に形成される該欠陥量の好ま
しくは0〜20%、より好ましくは0〜5%、最も好ま
しくは0〜1%を指す。
【0062】該化合物の添加は、Ag+ とX- を添加し
ながら添加する事もできるし、Ag+ とX- の添加を停
止した後に添加する事もできる。該化合物を添加した
後、更に同一温度で、次のAg+ とX- を添加する事も
できるし、または3℃以上、好ましくは5〜70℃、よ
り好ましくは10〜60℃だけ昇温した後に、Ag+
- を添加し、該欠陥を形成する事もできる。後者の方
がより好ましい。それぞれ最も好ましい条件を選んで添
加する事ができる。
【0063】3)AgX種を形成する時に、核内にハロ
ゲン組成ギャップ界面を形成し、結晶格子歪を形成し、
該欠陥を形成する。例えばAg+ とXa- を添加し、ま
ず、AgXa核を形成し、次に、Ag+ とXb- を添加
し、(AgXa|AgXb)種を形成する。この場合、
Xa- とXb- はCl- 含率、またはBr- 含率、また
はI- 含率で10〜100モル%、好ましくは30〜1
00モル%、より好ましくは50〜100モル%だけ異
なる。ここで、Xa- とXb- は添加したハロゲン塩溶
液のハロゲン組成を指す。種中に該ギャップ面を1つ以
上、好ましくは1〜5個、より好ましくは2〜4個形成
する。(AgXa|AgXb)の形成方法としてはその
他、AgXa核を形成後、Xc- のみ、またはモル量で
(Xc->Ag+ )、好ましくは(Xc- >2A
+ )、より好ましくは(Xc- >5Ag+ )の割合で
Xc- とAg+ を添加する方法があり、より好ましい。
ここで(Xc- >2Ag+ )はXc- の添加モル量がA
+ の添加モル量の2倍以上である事を示す。また、A
gXcの溶解度はAgXaの溶解度の1/1.5以下が
好ましく、1/3以下がより好ましく、1/8以下が更
に好ましい。この場合、添加したXcとAgXa間でハ
ロゲンコンバージョン反応が起こり、(AgXa|Ag
Xc)が形成される。
【0064】該X- の添加方法として、Cl2 、B
2 、I2 の単独、または複数を添加し、次に還元剤を
添加し、X- を発生させる方法も用いる事ができる。そ
れらは気体、水溶液、固体、包接化合物のいずれの態様
で添加する事もできる。更にはX2 +X- →(X3 ) -
の態様で添加する事もできる。例えば、(I3 ) - の水
溶液を挙げる事ができる。該還元剤としては、X2 +2
電子〓2X- の標準電極電位よりもより負の標準電極電
位を与える還元剤を添加すればよい。写真的に不活性な
還元剤が好ましく、H2 SO3 が好ましい。前記炭水化
物との混合水溶液として添加する事もできる。
【0065】その他、Br- またはI- 放出剤を該反応
溶液中に添加した後、Br- またはI- を放出させる方
法を用いる事ができる。該手法に関しては特開平6−1
9029号、欧州特許0561415A号、米国特許5
061615号の記載を参考にする事ができる。
【0066】その他、まず、AgXa核を形成し、次に
AgXb微粒子を添加し、熟成し、(AgXa|AgX
b)ハロゲン組成ギャップを形成する方法。ここでXa
とXbは前記規定に従う。また、AgXb微粒子は粒子
直径0.15μm以下、好ましくは0.003〜0.0
7μm、より好ましくは0.005〜0.05μmの微
粒子を指す。
【0067】4)その他、核形成前に、分散媒水溶液中
にI- を入れておく方法、および/または核形成時に添
加するAg+ とX- の内、X- の方をI- とCl- を含
む溶液とする方法を挙げる事ができる。前者の場合、I
- の添加量は10-5〜10-1モル/リットル、好ましく
は10-4〜10-2モル/リットルである。後者の場合、
- 含率は30モル%以下が好ましく、0.1〜10モ
ル%がより好ましい。該Cl- 含率は30モル%以上が
好ましく、50モル%以上が更に好ましい。
【0068】これらの場合の該欠陥形成量は、最終的に
生成したAgX粒子の形状を見て、最適量を決める事が
好ましい。該欠陥形成量が少なすぎると、該AgX中の
平板状粒子の個数比率が少なくなる。多すぎると、1粒
子中に多数の欠陥が入り、低アスペクト比粒子の個数比
率が増す。従って、平板状粒子の投影面積比率が好まし
い比率になる該欠陥形成量を選ぶ事が好ましい。1)、
2)の場合は、該化合物の添加量を増す程、またゼラチ
ンの濃度が低下する程、また、該化合物の吸着力が増す
程、該欠陥形成量が増す。3)の場合は該ギャップ差が
大きくなる程、また、該コンバージョン量が多くなる
程、またAgXaまたはAgXbの添加量が多くなる
程、該欠陥形成量が増す。4)の場合は、該I- 量を増
す程、該欠陥形成量が増す。
【0069】これらの場合、該欠陥形成量は反応溶液の
pHやX- 濃度にも依存する。従って、好ましいpH
値、X- 濃度を選ぶ事ができる。該3)の場合、ハロゲ
ンコンバージョン反応はAgXa核のエッジ部やコーナ
ー部で優先的に起り、そこで該欠陥が優先的に形成され
る。
【0070】1)〜4)の方法の内、1)〜3)が好ま
しく、1)、2)がより好ましく、2)が最も好まし
い。2)は低pH条件(pH=1〜6)においても有効
に作用する為、より薄板化に有利な為である。なお、本
願で核とは微細なAgX粒子を指す。 (IV)−2.熟成、成長過程、本発明の粒子形成態様 このようにして、該結晶欠陥を含む種を形成した後、好
ましくは次に熟成過程に入る。具体的には、5℃以上、
好ましくは10〜70℃、より好ましくは20〜70℃
だけ昇温し、オストワルド熟成し、非平板状粒子を消滅
させ、平板状粒子を成長させる。Ag+ とX- を低速度
で添加しながら該熟成を行う事もできる。その他、X-
濃度を上げたり、それ自体は公知のAgX溶剤を添加し
て、AgX溶解度を上げて該熟成を行う事もできる。こ
の時の反応溶液のpHは1〜11、好ましくは1.7〜
9の好ましい値を選ぶ事ができる。AgX溶剤の添加量
は0〜10-1モル/リットル、好ましくは0〜10-3
ル/リットルであり、該熟成後にAgX溶剤を失活させ
る事もできる。例えばNH3 の場合はNH4 + にかえ、
チオエーテル化合物の場合は、チオエーテル基を酸化す
る事により失活させる事ができる。
【0071】該熟成により平板状粒子の個数比率は好ま
しくは1.5倍以上、より好ましくは3〜500倍、更
に好ましくは6〜200倍に高められる。該平板粒子比
率を高めた後、次に成長過程に入る。本発明の平板状粒
子の粒子形成態様は次の様に分類される。
【0072】(1) (IV)−1項の1)または2)の態様の
種形成(→該吸着剤の吸着力を弱める処置→熟成)→成
長。但し、( )内の1つ以上の工程を適宜、抜く事も
できる。(2) (IV)−1項の3)、4)の態様の種形成→
熟成→成長。適度な吸着力の前記吸着剤A0 および/ま
たはB0 を熟成前から成長終了の5分前までの期間に、
好ましくは熟成後で成長前に添加する事ができる。
【0073】ここで該吸着剤の吸着力を弱める処置につ
いて説明する。(i) 該吸着剤がA0の場合、pHを該吸
着剤の(pKa+0.5)以下、好ましくは(pKa+
0.2)以下、より好ましくはpKa〜(pKa−4.
0)に下げる。(ii)該吸着剤がB0 の場合、反応溶液の
pH、X- 濃度を選ぶ事により、該吸着力を弱める事が
できる。多くの場合、反応溶液のpH値を下げる程、ま
たX- 濃度を上げる程、該吸着力が弱くなる。pH値を
下げる事により、アルコール基が−OH2 + に変化する
事、アルコール基がハロゲン化水素と反応し、 R−OH + HX → R−X + H2 O に変化する事、等が効くものと考えられる。(iii) その
他、H2 2 、KMnO4 等の酸化剤を加えて、アルコ
ール基をアルデヒドやカルボン酸に酸化する方法、(iv)
アルコール基をエステル化する方法、(v) 脱水反応させ
る方法、(vi)三ハロゲン化リンと反応させる方法、等が
ある。これらの詳細に関しては、モリソンボイド有機化
学,第6版,第6章,東京化学同人(1994年)、S.
Patai編,The Chemistry of the hydroxyl group, Inte
rscience Publishers(1971年)の記載を参考にす
る事ができる。
【0074】その他、これは吸着剤A0 およびB0 の両
方に対して有効な処置であるが、(vii) 該欠陥形成を抑
制する分散媒を添加する。例えばゼラチンを添加する。
この場合、(ゼラチン重量/吸着剤重量)比を0.1以
上、好ましくは0.3〜300倍、より好ましくは1〜
100倍に上げる。(viii)昇温する。昇温すると、一般
に(吸着=脱着)平衡が右にずれる。好ましくは5〜6
0℃、より好ましくは10〜50℃だけ昇温する。(ix)
該吸着剤の一部もしくは全部(好ましくは10〜100
%、より好ましくは20〜90%)を系外に除去する。
例えば遠心分離法、限外濾過膜による濾過法を挙げる事
ができる。この場合、(vii) の化合物、例えば、ゼラチ
ンを添加した後に除去する方法がより好ましい。該分散
媒およびゼラチンは従来公知の写真用分散媒の中から好
ましいものを選ぶ事ができ、後述の文献の記載を参考に
する事ができる。これらの処置により、成長時における
該欠陥形成を実質的に無くす事ができる。本発明では、
前記(2) の態様においても、成長中の該欠陥形成は実質
的に行なわれない事が好ましい。ここで実質的にとは、
成長時に生成する該欠陥の量が、成長直前に存在する該
欠陥の量の30%以下、好ましくは0〜10%、より好
ましくは0〜2%を指す。この場合、粒子成長時の形状
制御能は残しておく事が好ましい。該吸着剤の吸着力を
弱めていくと、先ず、該欠陥形成能がなくなり、更に弱
めていくと形状制御能も弱くなり、通常のゼラチンと同
等の形状制御能となる。従って適度に吸着力を弱める事
により、該態様が得られる。ここで形状制御能とは、前
記の銀電位、対、AgBr粒子の形状、の関係(平衡晶
癖電位シフト)が、ゼラチン系に比べて10mV以上、
好ましくは20〜150mV、より好ましくは30〜1
20mV、最も好ましくは50〜100mVだけ低電位
側にシフトした関係を与える能力を指す。
【0075】(2) の場合、添加した吸着剤は、該欠陥形
成剤としてではなく、形状制御剤として作用する。形状
制御能を更に直接的に説明すると次の通りである。該制
御剤が存在する事と下記以外は同じ条件にして該平板状
粒子を成長させた場合、存在しない場合に比べて成長中
の厚さ増加が、80%以下、好ましくは0〜60%、よ
り好ましくは0〜30%になる態様を指す。但し、反応
溶液のpHはそれぞれ独立に、1〜11の内、最適の条
件(最も厚さ増加が抑えられる条件)を選ぶ事ができる
ものとする。また、X- 濃度も自由に選択できる場合、
同じ厚さの平板状粒子を生成するX- 濃度条件は、該存
在しない場合に比べて、1.5倍以上、好ましくは2〜
100倍にとなる。
【0076】化合物C0 の存在下で該平板状粒子を形成
する事は、欧州特許0534395A1号に記載されて
いる。しかし、1分子中に化合物C0 を2分子以上共有
結合させた化合物A0 の方が、その効果はより優れる。
それは化合物C0 がAgX粒子の{100}面上に吸着
した時の吸着エネルギーをEC0 とすると、1分子中に
化合物C0 をn分子だけ結合させた化合物A0 のそれ
は、約n×EC0 になる為と考えられる。即ち、EC0
が小さくても、該nの値を選ぶ事により、吸着力をほぼ
自由に選ぶ事ができる為と考えられる。この為に該結晶
欠陥形成時には、強い吸着力態様が実現できる。一方、
成長時には例えばA0 のpKa値以下のpHに調節する
事により、該吸着力を弱める事ができる。(pKa−
1.0)以下のpHに下げれば、該吸着力を殆んどなく
する事もできる。従って、該吸着力をより広い範囲で自
由に調節できるという利点があり、より優れた効果を得
る事ができる。
【0077】前記(2) の態様の如くA0 を成長時に存在
させる時は、はじめから弱い吸着力のC0 を選び、nを
大きく選ぶ事により、新たな欠陥形成がなく、成長抑制
も小さく、かつ、粒子形状は制御される態様を実現する
事ができる。これらは図2に示す如く、1分子としては
吸着サイト24を多数有し、吸着態様は保たれ、粒子形
状制御能は保持しているが、各吸着サイトの吸着力は弱
い為、各サイトは、頻繁に吸着、脱着をくり返す。この
脱着時にAg+ とX- の積層が可能になる為である。図
2において、21はAgX粒子表面を、22は化合物A
0 の主鎖を、23は化合物A0 の主鎖に共有結合した化
合物C0 を表わす。
【0078】一方、化合物B0 もAgX粒子に強く吸着
し、該結晶欠陥を形成する事ができるし、成長時には、
該欠陥を実質的に形成させないで、成長特性を制御する
事ができる。該多価アルコール化合物による該欠陥形成
作用、および、該平板状粒子の成長時の形状制御作用は
従来、知られていなかった事であり、かつ、化合物A0
よりも、その効果がより優れている。この場合、1分子
中のアルコール基の数を増す程(従って分子量も増
す)、また、x1 値が増す程、吸着力が増す。従ってこ
れらの値を調節する事によっても、該吸着力を調節する
事ができる。
【0079】吸着剤A0 、B0 いずれの場合も1分子中
で、非吸着性水溶性官能基の比率が高くなる程、吸着力
は弱まる。非吸着性水溶性官能基は、該吸着剤が反応溶
液中で非吸着状態で自由に泳ぎ回ろうとするのを助け
る。吸着剤A0 とB0 は両者を好ましい割合で併用して
用いる事もできる。
【0080】該多価アルコール化合物のAgX粒子表面
への吸着態様は複雑である。該C0がpKa以上のpH
条件下で添加された場合、該C0 はAgX粒子表面のA
+サイトに吸着し、AgX粒子のイオン伝導度(σi
)を下げるが、化合物B0 がAgX粒子に吸着した場
合は、立方体AgBr粒子、八面体AgBr粒子、立方
体AgCl粒子のいずれの粒子のσi も上昇させた。こ
のような吸着剤〔{100}面の形成を促進して、か
つ、粒子のσi を上昇させる吸着剤〕は知られていな
く、新しい現象である。特に立方体AgBr粒子のσi
の上昇は2倍以上であった。従って、粒子表面のX-
も強く相互作用する事により、強力な形状制御性を発揮
するものと考えられる。但し該σi の測定には誘電損失
法を用いた。
【0081】本発明では該欠陥形成は粒子成長開始以前
に実質的に終了している事が好ましい。粒子成長開始以
前に添加される銀塩量は、粒子形成全体で添加される総
銀塩量の1/2以下が好ましく、1/4以下がより好ま
しい。
【0082】該種、形成時、および該成長時には、該吸
着剤単独で用いるよりは、ゼラチンを併用して用いる事
がより好ましい。ゼラチンは公知のゼラチンを用いる事
ができ、好ましくは0.05〜10g/リットル、より
好ましくは0.2〜5g/リットル、(該吸着剤重量/
ゼラチン重量)比は好ましくは0.01〜0.9、より
好ましくは0.03〜0.5、更に好ましくは0.06
〜0.3である。
【0083】該種晶形成時の温度は10〜90℃が可能
であるが、該1)、2)の該欠陥形成時の温度は30〜
90℃が好ましく、40〜85℃がより好ましい。化合
物B0 のAgCl微粒子に対する欠陥形成能は50〜8
5℃領域ではpH4近傍が最大で、そこから離れるにつ
れ、低下する。 (V)その他 本発明で種形成期間とは、AgX核形成開始から昇温開
始までの期間を指し、熟成期間とは、昇温開始から成長
開始までの期間を指し、成長期間とは成長開始から成長
終了までの期間を指す。種形成期間、熟成期間および成
長期間のpHは1〜11、好ましくは1.7〜9、X-
濃度は10-0.9モル/リットル以下、好ましくは10-4
〜10-1.2、の組合せの中から最も好ましい組合せ条件
を選ぶ事ができる。
【0084】前記酸化剤および還元剤に関しては、化学
辞典、東京化学同人(1994年)の「酸化剤」、「還
元剤」の項、特願平6−102485号、日本化学会
編,新実験化学講座,第15巻,酸化と還元,丸善(1
976年)、井本稔編,講座有機反応機構,第10巻,
東京化学同人(1965年)、小方芳郎編,有機化合物
の酸化と還元,南江堂(1963年)、特開昭61−3
134号、化学大辞典,共立出版(1963年)の「酸
化剤」、「還元剤」の項、の記載を参考にする事ができ
る。
【0085】該平板状粒子を形成した後、該粒子表面の
ハロゲン組成と異なるハロゲン組成のAgX層で、該粒
子表面全体を覆う事もできる。その厚さは1原子層以
上、好ましくは5〜103 原子層である。また、該平板
状粒子を形成した後、ロダン塩またはハロゲン塩溶液を
添加し、粒子表面にハロゲンコンバージョン反応を生じ
させる事もできる。その添加モル数は、全粒子の表面ハ
ロゲン原子のモル数の0.1〜103 倍である。該ハロ
ゲン塩としてはI- 、Br- またはI- 、Br-、Cl
- の2種以上の混合塩(混合比はあらゆる混合比を選ぶ
事ができる)を指す。
【0086】該粒子形成時の分散媒としては、メチオニ
ン含率が0〜40μmol/g のゼラチン、特願平6−18
4128号記載の修飾ゼラチン(例えばフタル化ゼラチ
ン)を好ましく用いる事ができる。全分散媒の20〜1
00重量%、好ましくは50〜100重量%、より好ま
しくは80〜100重量%で用いる事ができる。
【0087】その他、該AgX0 核形成後で、成長終了
の5分前までの間に、分散媒のAg+ との錯体形成能を
元の1〜90%に低下させる処置、好ましくは分散媒の
pH2〜4における1.0重量%水溶液の該錯体形成能
を元の3〜70%に低下させる処置を施す事が好まし
い。具体的には酸化剤を添加する事が好ましく、H2
2 を添加する事が好ましい。これらの詳細に関しては特
開平7−311428号の記載を参考にする事ができ
る。
【0088】本発明では該平板状粒子を製造する際に、
化合物A0 および/または化合物B0 を存在させるが、
その存在濃度は平衡晶癖電位シフト量が10mV以上、
好ましくは20〜150mV、より好ましくは30〜1
20mV、最も好ましくは50〜100mVとなる濃度
で添加する。
【0089】前記(IV)−1の2)において、AgX0
は実質的に該欠陥を有しないが、これは次の方法で確認
する事ができる。該核を低温(25〜40℃)で、Ag
X溶剤なしで、オストワルド熟成を生じさせなく、か
つ、新核発生も生じさせない添加速度でAg+ とX-
添加し、すべての核を約0.3μm直径にまで成長させ
る。生成粒子のレプリカ膜の透過型電子顕微鏡写真像
(TEM像)を観察し、該平板状粒子の比率を数える。
前記態様のゼラチンを用い、より低過飽和度下で成長さ
せると、より高アスペクト比の平板状粒子が得られる。
【0090】さらに、本発明において、平板粒子は転位
線を有する。平板粒子の転位線は、例えば J. F. Hamil
ton, Phot. Sci. Eng., 11、57、(1967)や
T. Shiozawa, J. Soc. Phot. Sci. Japan, 35、21
3、(1972)に記載の、低温での透過型電子顕微鏡
を用いた直接的な方法により観察することができる。す
なわち乳剤から粒子に転位線が発生するほどの圧力をか
けないよう注意して取り出したハロゲン化銀粒子を電子
顕微鏡観察用のメッシュにのせ、電子線による損傷(プ
リントアウト等)を防ぐように試料を冷却した状態で透
過法により観察を行う。この時粒子の厚みが厚い程、電
子線が透過しにくくなるので高圧型(0.25μmの厚
さの粒子に対して200kV以上)の電子顕微鏡を用い
た方がより鮮明に観察することができる。このような方
法により得られた粒子の写真より、主平面に対して垂直
方向から見た場合の各粒子についての転位線の位置およ
び数を求めることができる。
【0091】転位線の数は、1粒子当り平均5本以上が
好ましい。より好ましくは1粒子当り平均10本以上で
ある。転位線が密集して存在する場合、または転位線が
互いに交わって観察される場合には、1粒子当りの転位
線の数は明確には数えることができない場合がある。し
かしながら、これらの場合においても、おおよそ10
本、20本、30本という程度には数えることが可能で
ある。転位線は前述の方法で容易に観察できる。
【0092】この時、転位線の中には、主表面の中心領
域で発生し外周を形成する辺まで達していないものが観
察されることがある。
【0093】転位線は例えば平板粒子の外周上の全域に
渡ってほぼ均一に転位線を有していても、外周上の局所
的な位置に転位線を有していてもよい。
【0094】したがって転位線の位置は外周上または主
平面上または局所的な位置に限定されていても良いし、
これらが組み合わされて、形成されていても良い。すな
わち、外周上と主平面上に同時に存在していても良い。
【0095】以下、転位線を導入する方法について記載
する。
【0096】平板粒子に転位線を導入するには粒子内部
に特定の高沃化銀層を設けることによって達成できる。
ここで高沃化銀層には、不連続に高沃化銀領域を設ける
場合を含む。具体的には基盤粒子を調製した後、高沃化
銀層を設けその外側を高沃化銀層より沃化銀含有率の低
い層でカバーすることによって得られる。基盤の平板粒
子の沃化銀含有率は高沃化銀層よりも低く、好ましくは
0〜20モル%、より好ましくは0〜15モル%であ
る。
【0097】粒子内部の高沃化銀層とは沃化銀を含むハ
ロゲン化銀固溶体をいう。この場合のハロゲン化銀とし
ては沃化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀が好ましいが、沃化
銀または沃臭化銀(沃化銀含有率10〜40モル%)で
あることがより好ましい。この粒子内部の高沃化銀層
(以下、内部高沃化銀層という)を基盤粒子の辺上、角
上、面上のいずれかの場所に選択的に存在せしめるため
には基盤粒子の生成条件および内部高沃化銀層の生成条
件およびその外側をカバーする層の生成条件によってコ
ントロールすることができる。基盤粒子の生成条件とし
てはpAg(銀イオン濃度の逆数の対数)およびハロゲ
ン化銀溶剤の有無、種類および量、温度が重要な要因で
ある。基盤粒子の成長時のpAgを8.5以下、より好
ましくは8以下で行うことにより、内部高沃化銀層を基
盤粒子の頂点近傍もしくは面上に選択的に存在せしめる
ことができる。一方基盤粒子の成長時のpAgを8.5
以上より好ましくは9以上で行うことにより、内部高沃
化銀層を基盤粒子の辺上に存在せしめることができる。
これらpAgのしきい値は温度およびハロゲン化銀溶剤
の有無、種類および量によって上下に変化する。ハロゲ
ン化銀溶剤として、例えばチオシアネートを用いた場合
にはこのpAgのしきい値は高い値の方向にずれる。成
長時のpAgとして特に重要なものはその基盤粒子の成
長の最終時のpAgである。一方、成長時のpAgが上
記の値を満足しない場合においても、基盤粒子の成長
後、該pAgに調整し、熟成することにより、内部高沃
化銀層の選択位置をコントロールすることも可能であ
る。この時、ハロゲン化銀溶剤としてアンモニア、アミ
ン化合物、チオ尿素誘導体、チオシアネート塩が有効で
ある。内部高沃化銀層の生成はいわゆるコンバージョン
法を用いることができる。この方法には、粒子形成途中
に、その時点での粒子あるいは粒子の表面近傍を形成し
ているハロゲンイオンより、銀イオンをつくる塩の溶解
度が小さいハロゲンイオンを添加する方法などがある
が、本発明においてはその時点の粒子の表面積に対して
添加する溶解度の小さいハロゲンイオンがある値(ハロ
ゲン組成に関係する)以上の量であることが好ましい。
たとえば粒子形成途中においてその時点のハロゲン化銀
粒子の表面積に対してある範囲のKI量を添加すること
が好ましい。具体的には、8.2×10-5モル/m 2
上、2.4×10-4モル/m 2 以下の沃化物塩を添加す
ることが好ましい。
【0098】内部高沃化銀層の生成法の一つは、沃化物
塩を含むハロゲン化物塩水溶液の添加と同時に銀塩水溶
液を添加する方法である。
【0099】例えばKI水溶液の添加と同時にAgNO
3 水溶液をダブルジェットで添加する。この時KI水溶
液とAgNO3 水溶液の添加開始時間と添加終了時間は
お互いに前後してずれていてもよい。KI水溶液に対す
るAgNO3 水溶液の添加モル比は0.1以上が好まし
く、0.5以上がより好ましい。さらに好ましくは1以
上である。系中のハロゲンイオンおよび添加沃素イオン
に対してAgNO3 水溶液の総添加モル量が銀過剰領域
となってもよい。これらの沃素イオンを含むハロゲン化
物水溶液の添加と銀塩水溶液とのダブルジェットによる
添加時のpAgは、ダブルジェットの添加時間に伴なっ
て減少することが好ましい。添加開始前のpAgは、
6.5以上13以下が好ましい。より好ましくは7.0
以上11以下が好ましい。添加終了時のpAgは6.5
以上10.0以下が最も好ましい。
【0100】以上の方法を実施する際には、混合系のハ
ロゲン化銀の溶解度が極力低い方が好ましい。したがっ
て高沃化銀層を形成する時の混合系の温度は30℃以上
80℃以下が好ましいが、より好ましくは30℃以上7
0℃以下である。
【0101】最も好ましい内部高沃化銀層の形成は、微
粒子沃化銀(微細な沃化銀の意、以下、同様である。)
または微粒子沃臭化銀または微粒子塩沃化銀または微粒
子塩沃臭化銀を添加して行うことができる。特に微粒子
沃化銀を添加して行うことが好ましい。これら微粒子は
通常0.01μm以上0.1μm以下の粒子サイズであ
るが、0.01μm以下または0.1μm以上の粒子サ
イズの微粒子も、用いることができる。これら微粒子ハ
ロゲン化銀粒子の調製方法に関しては特願昭63−78
51号、同63−195778号、同63−7852
号、同63−7853号、同63−194861号およ
び同63−194862号に関する記載を参考にするこ
とができる。これら微粒子ハロゲン化銀を添加して熟成
することにより内部高沃化銀層を設けることが可能であ
る。熟成して微粒子を溶解する時には、前述したハロゲ
ン化銀溶剤を用いることも可能である。これら添加した
微粒子は直ちに全て溶解して消失する必要はなく、最終
粒子が完成した時に溶解消失していればよい。
【0102】内部高沃化銀層をカバーする外側の層は高
沃化銀層の沃化銀含有率よりも低く、好ましくは沃化銀
含有率は0〜30モル%、より好ましくは0〜20モル
%、最も好ましくは0〜10モル%である。
【0103】内部高沃化銀層をカバーする外側の層の形
成時の温度、pAgは任意であるが、好ましい温度は3
0℃以上、80℃以下である。最も好ましくは35℃以
上70℃以下である。好ましいpAgは6.5以上1
1.5以下である。より好ましくは6.5以上9.5以
下である。前述したハロゲン化銀溶剤を用いると好まし
い場合もあり、最も好ましいハロゲン化銀溶剤はチオシ
アネート塩である。
【0104】本発明の{100}平板粒子は、エピタキ
シャル粒子を形成して用いてもよい。その他、該粒子を
サブストレートとして、サブストレートと異なるハロゲ
ン組成のAgX層を積層させ、種々の既知のあらゆる粒
子構造の粒子を作ることもできる。
【0105】また、該平板粒子をコアとして、浅内潜乳
剤を形成して用いてもよい。また、コア/シェル型粒子
を形成することもできる。これについては特開昭59−
133542号、同63−151618号、米国特許第
3,206,313号、同3,317,322号、同
3,761,276号、同4,269,927号、同
3,367,778号の記載を参考にすることができ
る。
【0106】本発明におけるラジカルスカベンジャーと
は、25℃下で、ガルビノキシルの0.05mmoldm-3
タノール溶液とテスト化合物の2.5mmoldm-3エタノー
ル溶液とを、ストップドフロー法により混合し、430
nmにおける吸光度の時間変化を測定し、実質的にガル
ビノキシルを消色(430nmにおける吸光度を減少)
させる化合物のことを言う。(上記濃度だけ溶解しない
ものは、濃度を下げて測定してもよい。)好ましくは、
上記に示す方法により求めたガルビノキシルの消色速度
定数が、0.01mmol-1s -1dm3 以上、さらに好ましく
は、0.1mmol-1s -1dm3 以上である。
【0107】ガルビノキシルを用いてラジカルスカベン
ジ速度を求める方法は、Microchemical Journal 31,
18−21(1985)にストップドフロー法について
は、例えば分光研究第19巻第6号(1970)321
頁に記載されている。
【0108】本発明では、ラジカルスカベンジャーとし
て、一般式(A−I)〜(A−V)で表される化合物を
用いることがさらに好ましい。
【0109】一般式(A−I)において、Ra1はアルキ
ル基、アルケニル基、アリール基、アシル基、アルキル
又はアリールスルホニル基、アルキル又はアリールスル
フィニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アル
コキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基
を表わし、Ra2は水素原子またはRa1で示した基を表わ
す。ただし、Ra1がアルキル基、アルケニル基またはア
リール基の時、Ra2はアシル基、アルキル又はアリール
スルホニル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、
カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボ
ニル基またはアリールオキシカルボニル基である。Ra1
とRa2が互いに結合して、5〜7員環を形成しても良
い。
【0110】一般式(A−II) において、Xはヘテロ環
基を表わし、Rb1はアルキル基、アルケニル基またはア
リール基を表わす。XとRb1が互いに結合して、5〜7
員環を形成しても良い。
【0111】一般式(A−III)において、Yは−N=C
−とともに5員環を形成するのに必要な非金属原子群を
表わす。Yはさらに−N=C−基とともに6員環を形成
するのに必要な非金属原子群を表わし、かつ−N=C−
基の炭素原子と結合するYの末端が-N(Rc1)-、-C(Rc2)
(Rc3)-、-C(Rc4)=、−O−、−S−の中から選択された
基(各基の左側で−N=C−の炭素原子と結合する)を
表わす。Rc1〜Rc4は水素原子または置換基を表わす。
【0112】一般式(A−IV) において、Rd1およびR
d2は同一でも異なってもよく、それぞれアルキル基また
はアリール基を表わす。ただし、Rd1とRd2が同時に無
置換アルキル基であって、かつRd1とRd2が同一の基で
ある時、Rd1とRd2は炭素数8以上のアルキル基であ
る。
【0113】一般式(A−V)において、Re1およびR
e2は同一でも異なってもよく、それぞれ、ヒドロキシル
アミノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキルアミノ
基、アリールアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル基また
はアリール基を表わす。ただし、Re1とRe2は同時に-N
HRe3(Re3はアルキル基またはアリール基)であること
はない。
【0114】Ra1とRa2、XとRb1が互いに結合して、
5〜7員環を形成しても良い。
【0115】一般式(A−I)〜(A−V)で表わされ
る化合物をさらに詳細に説明する。一般式(A−I)に
おいて、Ra1はアルキル基(好ましくは炭素数1〜36
のアルキル基で例えばメチル、エチル、i−プロピル、
シクロプロピル、ブチル、イソブチル、シクロヘキシ
ル、t−オクチル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、
ベンジル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜36
のアルケニル基で例えば、アリル、2−ブテニル、イソ
プロペニル、オレイル、ビニル)、アリール基(好まし
くは炭素数6〜40のアリール基で例えばフェニル、ナ
フチル)、アシル基(好ましくは炭素数2〜36のアシ
ル基で例えばアセチル、ベンゾイル、ピバロイル、α−
(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブチリル、ミ
リストイル、ステアロイル、ナフトイル、m−ペンタデ
シルベンゾイル、イソニコチノイル)、アルキルもしく
はアリールスルホニル基(好ましくは炭素数1〜36の
アルキル又はアリールスルホニル基で例えばメタンスル
ホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、ト
ルエンスルホニル)、アルキルもしくはアリールスルフ
ィニル基(この好ましくは炭素数1〜40のアルキルも
しくはアリールスルフィニル基で例えばメタンスルフィ
ニル、ベンゼンスルフィニル)、カルバモイル基 (N
−置換カルバモイル基をも含み、好ましくは炭素数1〜
40のカルバモイル基で例えばN−エチルカルバモイ
ル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジメチルカル
バモイル、N−ブチル−N−フェニルカルバモイル)、
スルファモイル基(N−置換スルファモイル基をも含
み、好ましくは炭素数1〜40のスルファモイル基で例
えばN−メチルスルファモイル、N,N−ジエチルスル
ファモイル、N−フェニルスルファモイル、N−シクロ
ヘキシル−N−フェニルスルファモイル、N−エチル−
N−ドデシルスルファモイル)、アルコキシカルボニル
基(好ましくは炭素数2〜36のアルコキシカルボニル
基で例えばメトキシカルボニル、シクロヘキシルオキシ
カルボニル、ベンジルオキシカルボニル、イソアミルオ
キシカルボニル、ヘキサデシルオキシカルボニル)また
はアリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜
40のアリールオキシカルボニル基で、例えばフェノキ
シカルボニル、ナフトキシカルボニル)を表わす。Ra2
は水素原子またはRa1で示した基を表わす。Ra1が後述
する置換基を有する場合、上記Ra1の好ましい炭素数と
して記載した数には置換基の炭素数は含まれない(以
下、炭素数の規定について同様)。
【0116】一般式(A−II) において、ヘテロ環基
(環構成原子として窒素原子、イオウ原子、酸素原子ま
たはリン原子の少なくとも一つ有する5〜7員環状のヘ
テロ環を形成する基であり、ヘテロ環の結合位置(1価
基の位置)は好ましくは炭素原子であり、例えば1,
3,5−トリアジン−2−イル、1,2,4−トリアジ
ン−3−イル、ピリジン−2−イル、ピラジニル、ピリ
ミジニル、プリニル、キノリル、イミダゾリル、1,
2,4−トリアゾール−3−イル、ベンズイミダゾール
−2−イル、チエニル、フリル、イミダゾリジニル、ピ
ロリニル、テトラヒドロフリル、モルホリニル、フォス
フィノリン−2−イル)を表わす。Rb1は一般式(A−
I)のRa1と同じ意味でのアルキル基、アルケニル基ま
たはアリール基を表わす。
【0117】一般式(A−III)において、Yは−N=C
−とともに5員環を形成するのに必要な非金属原子群
(例えば形成される環基がイミダゾリル、ベンズイミダ
ゾリル、1,3−チアゾール−2−イル、2−イミダゾ
リン−2−イル、プリニル、3H−インドール−2−イ
ル)を表わす。Yはさらに−N=C−基とともに6員環
を形成するのに必要な非金属原子群であって、かつ−N
=C−基の炭素原子と結合するYの末端が-N(Rc1)-、-C
(Rc2) (Rc3)-、-C(Rc4)=、−O−、−S−の中から選択
された基(各基の左側で−N=C−の炭素原子と結合す
る)を表わす。Rc1〜Rc4は同一でも異なっても良く、
水素原子または置換基(例えばアルキル基、アルケニル
基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
ルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、ア
リールアミノ基、ハロゲン原子)を表わす。Yによって
形成される6員環基としては例えばキノリル、イソキノ
リル、フタラジニル、キノキサリニル、1,3,5−ト
リアジン−5−イル、6H−1,2,5−チアジアジン
−6−イルが挙げられる。
【0118】一般式(A−IV) において、Rd1およびR
d2はアルキル基(好ましくは炭素数1〜36のアルキル
基で、例えばメチル、エチル、i−プロピル、シクロプ
ロピル、n−ブチル、イソブチル、ヘキシル、シクロヘ
キシル、t−オクチル、デシル、ドデシル、ヘキサデシ
ル、ベンジル)またはアリール基(好ましくは炭素数6
〜40のアリール基で、例えばフェニル、ナフチル)を
表わす。ただし、Rd1とRd2が同時に無置換のアルキル
基であり、かつRd1とRd2が同一の基である時、Rd1と
Rd2は炭素数8以上のアルキル基である。
【0119】一般式(A−V)において、Re1およびR
e2は、ヒドロキシルアミノ基、ヒドロキシル基、アミノ
基、アルキルアミノ基(好ましくは炭素数1〜50のア
ルキルアミノ基で、例えばメチルアミノ、エチルアミ
ノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、プロピルア
ミノ、ジブチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、t−オ
クチルアミノ、ドデシルアミノ、ヘキサデシルアミノ、
ベンジルアミノ、ベンジルブチルアミノ)、アリールア
ミノ基(好ましくは炭素数6〜50のアリールアミノ基
で、例えばフェニルアミノ、フェニルメチルアミノ、ジ
フェニルアミノ、ナフチルアミノ)、アルコキシ基(好
ましくは炭素数1〜36のアルコキシ基で、例えばメト
キシ、エトキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、シクロヘキ
シルオキシ、ベンジルオキシ、オクチルオキシ、トリデ
シルオキシ、ヘキサデシルオキシ)、アリールオキシ基
(好ましくは炭素数6〜40のアリールオキシ基で、例
えばフェノキシ、ナフトキシ)、アルキルチオ基(好ま
しくは炭素数1〜36のアルキルチオ基で、例えばメチ
ルチオ、エチルチオ、i−プロピルチオ、ブチルチオ、
シクロヘキシルチオ、ベンジルチオ、t−オクチルチ
オ、ドデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素
数6〜40のアリールチオ基で、例えばフェニルチオ、
ナフチルチオ)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜3
6のアルキル基で、例えばメチル、エチル、プロピル、
ブチル、シクロヘキシル、i−アミル、sec −ヘキシ
ル、t−オクチル、ドデシル、ヘキサデシル)、アリー
ル基(好ましくは炭素数6〜40のアリール基で、例え
ばフェニル、ナフチル)を表わす。ただし、Re1とRe2
は同時に−NHR(Rはアルキル基またはアリール基)であ
ることはない。
【0120】Ra1とRa2、XとRb1が互いに結合して5
〜7員環を形成しても良く、例えばスクシンイミド環、
フタルイミド環、トリアゾール環、ウラゾール環、ヒダ
ントイン環、2−オキソ−4−オキサゾリジノン環が挙
げられる。
【0121】一般式(A−I)〜(A−V)で表わされ
る化合物の各基はさらに置換基で置換されていてもよ
い。
【0122】これらの置換基としては例えばアルキル
基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキ
シ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、アミノ基、アシルアミノ基、スル
ホンアミド基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、
カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、カルボ
キシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、スルホ
ニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール
オキシカルボニル基、アシルオキシ基、ヒドロキシアミ
ノ基などが挙げられる。
【0123】一般式(A−I)において、Ra2が水素原
子、アルキル基、アルケニル基、アリール基があり、か
つRa1がアシル基、スルホニル基、スルフィニル基、カ
ルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基であるものが好まし
く、さらに好ましくは、Ra2がアルキル基、アルケニル
基であり、かつRa1がアシル基、スルホニル基、カルバ
モイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基である化合物である。
Ra2がアルキル基で、かつRa1がアシル基であるものが
最も好ましい。
【0124】一般式(A−II) において、Rb1はアルキ
ル基、アルケニル基ものが好ましく、アルキル基のもの
はさらに好ましい。一方、Xは下記一般式(A−II−
1)におけるN=CとX1 とで形成される環で表わされ
るものが好ましく、さらに好ましくは1,3,5−トリ
アジン−2−イルであり、下記一般式(A−II−2)に
おいて、−N(Rb1)−OHへ結合する基により表わさ
れるものである場合が最も好ましい。
【0125】
【化4】
【0126】
【化5】 一般式(A−II−1)において、Rb1は一般式(A−I
I)のRb1を表わし、X1 は5〜6員環を形成するのに
必要な非金属原子群を表わす。
【0127】一般式(A−II−1)で表わされる化合物
のうち、X1 が5〜6員ヘテロ芳香環を形成する場合が
より好ましい。
【0128】一般式(A−II−2)において、Rb1は一
般式(A−II) のRb1を表わす。Rb2およびRb3は同一
でも異なってもよく、それぞれ水素原子または置換基を
表わす。
【0129】一般式(A−II−2)で表わされる化合物
のうち、Rb2およびRb3がヒドロキシアミノ基、ヒドロ
キシル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミ
ノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、アルキル基またはアリール基であ
る場合が特に好ましい。
【0130】一般式(A−III)で表わされる化合物のう
ち、Yが5員環を形成するのに必要な非金属原子群であ
る場合が好ましく、−N=C−基の炭素原子と結合する
Yの末端原子が窒素原子である場合さらに好ましい。
【0131】Yがイミダゾリン環を形成する場合が最も
好ましい。このイミダゾリン環はベンゼン環で縮環され
ていてもよい。
【0132】一般式(A−IV) で表わされる化合物のう
ち、Rd1およびRd2がアルキル基のものが好ましい。
【0133】一方、一般式(A−V)においてはRc1お
よびRc2がヒドロキシアミノ基、アルキルアミノ基、ア
ルコキシ基から選ばれた基が好ましい。特に好ましくは
Rc1がヒドロキシルアミノ基であり、かつRc2がアルキ
ルアミノ基の場合である。
【0134】一般式(A−I)〜(A−V)で表わされ
る化合物のうち、化合物の炭素数の総和が15以下のも
のは添加層以外の層に作用させる点で好ましく、逆に化
合物の炭素数の総和が16以上のものは添加層にのみ作
用させる目的で好ましい。
【0135】一般式(A−I)〜(A−V)で表わされ
る化合物のうち、一般式(A−I)、(A−II) 、(A
−IV) 、(A−V)で表わされるものが好ましく、より
好ましくは一般式(A−I)、(A−IV)、(A−V)
で表わされるものであり、さらに好ましくは一般式(A
−I)、(A−V)で表わされるものである。
【0136】以下に本発明の一般式(A−I)〜(A−
V)で表わされる化合物の具体例を挙げるが、これによ
って本発明が制限されることはない。
【0137】
【化6】
【0138】
【化7】
【0139】
【化8】
【0140】
【化9】
【0141】
【化10】 これらの化合物と、前記一般式(A−I)〜(A−V)
との対応関係は、以下の通り。
【0142】一般式(A−I):A−33〜A−55。
【0143】一般式(A−II):A−5〜A−7、A−
10、A−20。
【0144】一般式(A−III):A−21〜A−32。
【0145】一般式(A−IV):A−8、A−11、A
−19。
【0146】一般式(A−V):A−1〜A−4、A−
9、A−12〜A−18。
【0147】本発明のこれらの化合物は、J.Org. Che
m., 27, 4054('62), J.Amer. Chem.Soc., 73, 2981('5
1),特公昭49−10692号等に記載の方法またはそ
れに準じた方法によって容易に合成することができる。
【0148】本発明において、一般式(A−I)〜(A
−V)で表される化合物は、水、メタノール、エタノー
ルなどの水可溶性溶媒または、これらの混合溶媒に溶解
して添加しても、乳化分散により添加してもよい。
【0149】水に溶解する場合、pHを高くまたは低く
した方が、溶解度が上がるものについては、pHを高く
または低くして溶解し、これを添加しても良い。
【0150】本発明において、一般式(A−I)〜(A
−V)で表される化合物のうち2種類以上を併用しても
良い。
【0151】たとえば、水可溶性のものと油溶性のもの
を併用することは、写真性能上有利な場合がある。
【0152】本発明において、ラジカルスカベンジャー
は粒子形成中から化学増感終了前のいずれの時期におい
ても添加することができるが、還元増感が終了した後に
添加することが好ましく、さらには、化学増感開始前に
添加することが好ましい。また、ラジカルスカベンジャ
ーを添加する時のpHは7以下が好ましく、6以下がさ
らに好ましい。
【0153】本発明において、化学増感開始前とはカル
コゲン増感剤または金増感剤を添加する以前を、化学増
感終了とは、化学増感後温度を下げる時点のことを言
う。
【0154】本発明において、ラジカルスカベンジャー
の添加量は、1×10-5から1×10-2mol/molAg が好
ましく、さらには1×10-4から5×10-3mol/molAg
が好ましい。
【0155】多層ハロゲン化銀写真感光材料において
は、複数のハロゲン化銀乳剤を用いることが通例であ
り、そのうちのいくつかの乳剤が本発明の乳剤である場
合、ラジカルスカベンジャーが感光材料中に拡散するた
め、本発明の乳剤に対する添加量が実質的に減少する。
ラジカルスカベンジャーを塗布時にさらに添加すること
ができる。
【0156】本発明のハロゲン化銀乳剤は、粒子形成
中、粒子形成後でかつ化学増感前あるいは化学増感中、
あるいは化学増感後に還元増感されていても良い。
【0157】ここで還元増感とはハロゲン化銀乳剤に還
元増感剤を添加する方法、銀熟成と呼ばれるpAg1〜
7の低pAgの雰囲気で成長させるあるいは、熟成させ
る方法、高pH熟成と呼ばれるpH8〜11の高pHの
雰囲気で成長させるあるいは熟成させる方法のいずれを
選ぶことができる。また2つ以上の方法を併用すること
もできる。
【0158】還元増感剤を添加する方法は還元増感のレ
ベルを微妙に調節できる点で好ましい方法である。
【0159】還元増感剤として第一錫塩、アスコルビン
酸およびその誘導体、アミンおよびポリアミン類、ヒド
ラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化
合物、ボラン化合物なとが公知である。本発明の還元増
感にはこれら公知の還元増感剤を選んで用いることがで
き、また2種以上の化合物を併用することもできる。還
元増感剤として塩化第一錫、二酸化チオ尿素、ジメチル
アミンボラン、アスコルビン酸およびその誘導体が好ま
しい化合物である。還元増感剤の添加量は乳剤製造条件
に依存するので添加量を選ぶ必要があるが、ハロゲン化
銀1モル当り10-7〜10-3モルの範囲が適当である。
【0160】還元増感剤は水あるいはアルコール類、グ
リコール類、ケトン類、エステル類、アミド類などの溶
媒に溶かし粒子成長中に添加される。あらかじめ反応容
器に添加するのもよいが、粒子成長の適当な時期に添加
する方が好ましい。また水溶性銀塩あるいは水溶性アル
カリハライドの水溶性にあらかじめ還元増感剤を添加し
ておき、これらの水溶液を用いてハロゲン化銀粒子を沈
澱せしめてもよい。また粒子成長に伴って還元増感剤の
溶液を何回かに分けて添加しても連続して長時間添加す
るのも好ましい方法である。
【0161】本発明の乳剤の製造工程中に銀に対する酸
化剤を用いることが好ましい。銀に対する酸化剤とは、
金属銀に作用して銀イオンに変換せしめる作用を有する
化合物をいう。特にハロゲン化銀粒子の形成過程および
化学増感過程において副生するきわめて微小な銀粒子
を、銀イオンに変換せしめる化合物が有効である。ここ
で生成する銀イオンは、ハロゲン化銀、硫化銀、セレン
化銀等の水に難溶の銀塩を形成してもよく、又、硝酸銀
等の水に易溶の銀塩を形成してもよい。銀に対する酸化
剤は、無機物であっても、有機物であってもよい。無機
の酸化剤としては、オゾン、過酸化水素およびその付加
物(例えばNaBO2 ・H2 2 ・3H2O、2NaC
3 ・3H2 2 、Na4 2 7 ・2H2 2 、2N
2 SO4・H2 2 ・2H2 O)、ペルオキシ酸塩
(例えばK2 2 8 、K2 2 6、K2
2 8 )、ペルオキシ錯体化合物(例えば、K2 [Ti
(O2 )C2 4 ]・3H2 O、4K2 SO4 ・Ti
(O2 )OH・SO4 ・2H2 O、Na3[VO
(O2 )(C2 4 2 ]・6H2 O)、過マンガン酸
塩(例えば、KMnO4 )、クロム酸塩(例えば、K2
Cr2 7 )などの酸素酸塩、沃素や臭素などのハロゲ
ン元素、過ハロゲン酸塩(例えば過沃素酸カリウム)、
高原子価の金属の塩(例えば、ヘキサシアノ第二鉄酸カ
リウム)およびチオスルフォン酸塩などがある。
【0162】また、有機の酸化剤としては、p−キノン
などのキノン類、過酢酸や過安息香酸などの有機過酸化
物、活性ハロゲンを放出する化合物(例えば、N−ブロ
ムサクシイミド、クロラミンT、クロラミンB)が例と
して挙げられる。
【0163】本発明の好ましい酸化剤は、オゾン、過酸
化水素およびその付加物、ハロゲン元素、チオスルフォ
ン酸塩の無機酸化剤及びキノン類の有機酸化剤である。
前述の還元増感と銀に対する酸化剤を併用するのは好ま
しい態様である。酸化剤を用いたのち還元増感を施こす
方法、その逆方法あるいは両者を同時に共存させる方法
のなかから選んで用いることができる。これらの方法は
粒子形成工程でも化学増感工程でも選んで用いることが
できる。
【0164】本発明で使用するハロゲン化銀粒子は硫黄
増感、セレン増感、金増感、パラジウム増感などの貴金
属増感の少なくとも1つをハロゲン化銀乳剤の製造工程
の任意の工程で施こすことができる。2種以上の増感法
を組み合せることは好ましい。どの工程で化学増感する
かによって種々のタイプの乳剤を調製することができ
る。粒子の内部に化学増感核をうめ込むタイプ、粒子表
面から浅い位置にうめ込むタイプ、あるいは表面に化学
増感核を作るタイプがある。本発明の乳剤は目的に応じ
て化学増感核の場所を選ぶことができるが、一般に好ま
しいのは表面近傍に少なくとも一種の化学増感核を作っ
た場合である。
【0165】本発明で好ましく実施しうる化学増感の一
つはカルコゲン増感と貴金属増感の単独又は組合せであ
り、ジェームス(T.H.James)著、ザ・フォト
グラフィック・プロセス、第4版、マクミラン社刊、1
977年、(T.H.James、The Theor
y of the Photographic Pro
cess, 4th ed,Macmillan,19
77)67−76頁に記載されるように活性ゼラチンを
用いて行うことができるし、またリサーチ・ディスクロ
ージャー120巻、1974年4月、12008;リサ
ーチ・ディスクロージャー、34巻、1975年6月、
13452、米国特許第2,642,361号、同3,
297,446号、同3,772,031号、同3,8
57,711号、同3,901,714号、同4,26
6,018号、および同3,904,415号、並びに
英国特許第1,315,755号に記載されるようにp
Ag5〜10、pH5〜8および温度30〜80℃にお
いて硫黄、セレン、テルル、金、白金、パラジウム、イ
リジウムまたはこれら増感剤の複数の組合せとすること
ができる。貴金属増感においては、金、白金、パラジウ
ム、イリジウム等の貴金属塩を用いることができ、中で
も特に金増感、パラジウム増感および両者の併用が好ま
しい。金増感の場合には、塩化金酸、カリウムクロロオ
ーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫化金、金
セレナイド等の公知の化合物を用いることができる。パ
ラジウム化合物はパラジウム2価塩または4価の塩を意
味する。好ましいパラジウム化合物は、R2 PdX6
たはR2 PdX4 で表わされる。ここでRは水素原子、
アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表わす。Xは
ハロゲン原子を表わし塩素、臭素またはヨウ素原子を表
わす。
【0166】具体的には、K2 PdCl4 、(NH4
2 PdCl6 、Na2 PdCl4 、(NH4 2 PdC
4 、Li2 PdCl4 、Na2 PdCl6 またはK2
PdBr4 が好ましい。金化合物およびパラジウム化合
物はチオシアン酸塩あるいはセレノシアン酸塩と併用す
ることが好ましい。
【0167】硫黄増感剤として、ハイポ、チオ尿素系化
合物、ロダニン系化合物および米国特許第3,857,
711号、同4,266,018号および同4,05
4,457号に記載されている硫黄含有化合物を用いる
ことができる。いわゆる化学増感助剤の存在下に化学増
感することもできる。有用な化学増感助剤には、アザイ
ンデン、アザピリダジン、アザピリミジンのごとき、化
学増感の過程でカブリを抑制し、且つ感度を増大するも
のとして知られた化合物が用いられる。化学増感助剤改
質剤の例は、米国特許第2,131,038号、同3,
411,914号、同3,554,757号、特開昭5
8−126526号および前述ダフィン著「写真乳剤化
学」、138〜143頁に記載されている。
【0168】本発明の乳剤は、金増感および硫黄増感を
併用することが好ましい。金増感剤および硫黄増感剤の
好ましい量は、いずれもハロゲン化銀1モル当り1×1
-4〜1×10-7モルであり、さらに好ましいのは1×
10-5〜5×10-7モルである。
【0169】本発明の乳剤に対して好ましい増感法とし
てセレン増感がある。セレン増感においては、公知の不
安定セレン化合物を用い、具体的には、コロイド状金属
セレニウム、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチル
セレノ尿素、N,N−ジエチルセレノ尿素等)、セレノ
ケトン類、セレノアミド類、等のセレン化合物を用いる
ことができる。本発明に於いて、セレン増感は硫黄増感
および金増感と組み合せて用いることがもっとも好まし
い。
【0170】本発明の写真乳剤は、メチン色素類その他
によって分光増感されることが本発明の効果を発揮する
のに好ましい。用いられる色素には、シアニン色素、メ
ロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン
色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、
スチリル色素およびヘミオキソノール色素が包含され
る。特に有用な色素は、シアニン色素、メロシアニン色
素、および複合メロシアニン色素に属する色素である。
これらの色素類には、塩基性異節環核としてシアニン色
素類に通常利用される核のいずれをも適用できる。すな
わち、ピロリン核、オキサゾリン核、チオゾリン核、ピ
ロール核、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾー
ル核、イミダゾール核、テトラゾール核、ピリジン核な
ど;これらの核に脂環式炭化水素環が融合した核;及び
これらの核に芳香族炭化水素環が融合した核、即ち、イ
ンドレニン核、ベンズインドレニン核、インドール核、
ベンズオキサドール核、ナフトオキサゾール核、ベンゾ
チアゾール核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾー
ル核、ベンズイミダゾール核、キノリン核などが適用で
きる。これらの核は炭素原子上に置換基を有していても
よい。
【0171】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素にはケトメチレン構造を有する核として、ピラゾリ
ン−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサ
ゾリジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−
ジオン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核などの
5〜6員異節環核を適用することができる。
【0172】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。その代
表例は米国特許第2,688,545号、同2,97
7,229号、同3,397,060号、同3,52
2,052号、同3,527,641号、同3,61
7,293号、同3,628,964号、同3,66
6,480号、同3,672,898号、同3,67
9,428号、同3,703,377号、同3,76
9,301号、同3,814,609号、同3,83
7,862号、同4,026,707号、英国特許第
1,344,281号、同1,507,803号、特公
昭43−4936号、同53−12,375号、特開昭
52−110,618号、同52−109,925号に
記載されている。
【0173】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物
質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよ
い。
【0174】増感色素を乳剤中に添加する時期は、これ
まで有用であると知られている乳剤調製の如何なる段階
であってもよい。もっとも普通には化学増感の完了後塗
布前までの時期に行なわれるが、米国特許第3,62
8,969号、および同第4,225,666号に記載
されているように化学増感剤と同時期に添加し分光増感
を化学増感と同時に行なうことも、特開昭58−11
3,928号に記載されているように化学増感に先立っ
て行なうことも出来、またハロゲン化銀粒子沈澱生成の
完了前に添加し分光増感を開始することも出来る。更に
また米国特許第4,225,666号に教示されている
ようにこれらの前記化合物を分けて添加すること、即ち
これらの化合物の一部を化学増感に先立って添加し、残
部を化学増感の後で添加することも可能であり、米国特
許第4,183,756号に開示されている方法を始め
としてハロゲン化銀粒子形成中のどの時期であってもよ
い。
【0175】本発明のハロゲン化銀乳剤は、シアニン色
素によって分光増感されるのが好ましく、該増感色素を
乳剤中に添加する時期は化学増感剤と同時期が好まし
く、化学増感に先立って行うことがより好ましい。
【0176】添加量は、ハロゲン化銀1モル当り、4×
10-6〜8×10-3モルで用いることができる。
【0177】本発明の{100}平板粒子からなる乳剤
は、同一ハロゲン化銀乳剤層に通常の化学増感されたハ
ロゲン化銀粒子(以下、非{100}平板粒子とい
う。)からなる乳剤と併用することができる。特に、カ
ラー写真感光材料の場合には、{100}平板粒子乳剤
と非{100}平板粒子乳剤をそれぞれ異なる乳剤層及
び/あるいは同一乳剤層に使用することが可能である。
ここで、非{100}平板粒子としては、例えば、立方
体、八面体、十四面体のような規則的な結晶体を有する
レギュラー粒子や、{111}平板粒子や、例えば、球
状、じゃがいも状のような変則的な結晶形を有する粒子
などを挙げることができる。
【0178】又、これらの非平板粒子のハロゲン化銀と
しては、臭化銀、沃臭化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀およ
び塩化銀のいずれのハロゲン化銀を用いてもよい。好ま
しいハロゲン化銀は30モル%以下の沃化銀を含む、沃
臭化銀もしくは沃塩臭化銀である。特に好ましいのは2
モル%から25モル%までの沃化銀を含む沃臭化銀であ
る。
【0179】ここで用いられる非{100}平板粒子の
粒径は0.1μm以下の微粒子でも投影面積直径が10
μmに至る迄の大サイズ粒子でもよく、狭い分布を有す
る単分散乳剤でも、あるいは広い分布を有する多分散乳
剤でもよい。
【0180】本発明に用いられる非{100}平板粒子
は、例えば、グラフキデ著「写真の物理と化学」、ポー
ルモンテル社刊(P.Glafkides,Chimi
eet Physique Photographiq
ue Paul Montel,1967)、ダフィン
著「写真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊(G.F.
Duffin,Photographic Emuls
ion Chemistry(Focal Pres
s,1966))、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と
塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikm
an et al,Making and Coati
ng Photographic Emulsion,
Focal Press,1964)に記載された方法
を用いて調製することができる。すなわち、例えば、酸
性法、中性法、アンモニア法のいずれでもよく、また可
溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形式として
は、例えば、片側混合法、同時混合法、それらの組合わ
せのいずれを用いてもよい。粒子を銀イオン過剰の下に
おいて形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用いるこ
ともできる。同時混合法の一つの形式としてハロゲン化
銀の生成する液相中のpAgを一定に保つ方法。すなわ
ち、いわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用い
ることもできる。この方法によると、結晶形が規則的で
粒子サイズが均一に近いハロゲン化銀乳剤が得られる。
【0181】別々に形成した2種以上のハロゲン化銀乳
剤を混合して用いてもよい。
【0182】前記のレギュラー粒子からなるハロゲン化
銀乳剤は、粒子形成中のpAgとpHを制御することに
より得られる。詳しくは、例えばフォトグラフィク・サ
イエンス・アンド・エンジニアリング(Photogr
aphic Scienceand Engineer
ing)第6巻,159〜165頁(1962);ジャ
ーナル・オブ・フォトグラフィク・サイエンス(Jou
rnal of Photographic Scie
nce),12巻,242〜251頁(1964),米
国特許第3,655,394号および米国特許第1,4
13,748号に記載されている。
【0183】また単分散乳剤については、例えば、特開
昭48−8600号、同51−39027号、同51−
83097号、同53−137133号、同54−48
521号、同54−99419号、同58−37635
号、同58−49938号、特公昭47−11386
号、米国特許第3,655,394号および英国特許第
1,413,748号に記載されている。
【0184】これらの非{100}平板粒子の結晶構造
は一様なものでも、内部と外部とが異質なハロゲン組成
からなる物でもよく、層状構造をなしていてもよい。こ
れらの乳剤粒子は、例えば、英国特許第1,027,1
46号、米国特許第3,505,068号、同第4,4
44,877号および特開昭60−143331号に開
示されている。
【0185】本発明には、0.6μm以下、好ましくは
0.2μm以下の非感光性微粒子乳剤を、例えば、現像
促進、保存性改良、反射光の有効利用などの目的でハロ
ゲン化銀乳剤層、中間層または保護層に添加してもよ
い。
【0186】本発明の感光材料は、支持体上に青感色性
層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少
なくとも1層が設けられていればよく、ハロゲン化銀乳
剤層および非感光性層の層数および層順に特に制限はな
い。典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性
は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤
層から成る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化
銀写真感光材料であり、該感光性層は青色光、緑色光、
および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層で
あり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料において
は、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤
感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。し
かし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同
一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順
をもとり得る。
【0187】上記のハロゲン化銀感光性層の間および最
上層、最下層には各種の中間層等の非感光性層を設けて
もよい。
【0188】該中間層には、特開昭61−43748
号、同59−113438号、同59−113440
号、同61−20037号、同61−20038号明細
書に記載されるようなカプラー、DIR化合物等が含ま
れていてもよく、通常用いられるように混色防止剤を含
んでいてもよい。
【0189】各単位感光性層を構成する複数のハロゲン
化銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるい
は英国特許第923,045号に記載されるように高感
度乳剤層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いるこ
とができる。通常は、支持体に向かって順次感光度が低
くなる様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤
層の間には非感光性層が設けられていてもよい。また、
特開昭57−112751号、同62−200350
号、同62−206541号、62−206543号等
に記載されているように支持体より離れた側に低感度乳
剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよ
い。
【0190】具体例として支持体から最も遠い側から、
低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)
/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(G
L)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層
(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/
RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/RH
の順等に設置することができる。
【0191】また特公昭55−34932号公報に記載
されているように、支持体から最も遠い側から青感光性
層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもでき
る。また特開昭56−25738号、同62−6393
6号明細書に記載されているように、支持体から最も遠
い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配
列することもできる。
【0192】また特公昭49−15495号公報に記載
されているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀
乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳
剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀
乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低めら
れた感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられ
る。このような感光度の異なる3層から構成される場合
でも、特開昭59−202464号明細書に記載されて
いるように、同一感色性層中において支持体より離れた
側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順
に配置されてもよい。
【0193】その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中
感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高
感度乳剤層などの順に配置されていてもよい。
【0194】また、4層以上の場合にも、上記の如く配
列を変えてよい。
【0195】上記のように、それぞれの感光材料の目的
に応じて種々の層構成・配列を選択することができる。
【0196】本発明のハロゲン化銀写真乳剤、およびそ
れを用いたハロゲン化銀写真感光材料に用いることの出
来る種々の技術や無機・有機の素材については一般には
リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1
989年)、同37038(1995年)に記載された
ものを用いることが出来る。
【0197】これに加えて、より具体的には、例えば、
本発明のハロゲン化銀写真乳剤が適用できる技術および
無機・有機素材については、欧州特許第436、938
A2号の下記に引用の特許に記載されている。 項目 該当箇所 1)ハロゲン化銀乳剤 第147頁26行目〜第148頁12行目 2)イエローカプラー 第137頁35行目〜第146頁33行目 第149頁21行目〜23行目 3)マゼンタカプラー 第149頁24行目〜28行目;欧州特許第421 453A1号の第3頁5行目〜第25頁55行目 4)シアンカプラー 第149頁29行目〜33行目;欧州特許第432 804A2号の第3頁28行目〜第40頁2行目 5)ポリマーカプラー 第149頁34行目〜38行目;欧州特許第435 334A2号の第113頁39行目〜第123頁3 7行目 6)カラードカプラー 第53頁42行目〜第137頁34行目 第149頁39行目〜45行目 7)その他機能性 第7頁1行目〜第53頁41行目、第149頁46 カプラー 行目〜第150頁3行目、欧州特許第435、33 4A2号の第3頁1行目〜第29頁50行目 8)防腐・防黴剤 第150頁25行目〜28行目 9)ホルマリン 第149頁15行目〜17行目 スカベンジャー 10) その他の添加剤 第153頁38行目〜47行目、欧州特許第421 , 453A1号の第75頁21行目〜第84頁56 行 目、第27頁40行目〜第37頁40行目 11) 分散方法 第150頁4行目〜24行目 12) 支持体 第150頁32行目〜34行目 13) 膜厚・膜物性 第150頁35行目〜49行目 14) 発色現像工程 第150頁50行目〜第151頁47行目 15) 脱銀工程 第151頁48行目〜第152頁53行目 16) 自動現像機 第152頁54行目〜第153頁2行目 17) 水洗・安定工程 第153頁3行目〜37行目
【0198】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明の実施態様はこれに限定されるものではな
い。
【0199】(実施例1) a 化合物B0 を用いた転位線の存在しない平板状粒子
の調製 反応容器にゼラチン水溶液−1〔H2 O 1200ml、
ゼラチン25g、KBr0.36gを含み、pH4.2〕
を入れ、40℃に保ち攪拌しながら、Ag−1液〔Ag
NO3 1.17mol/l 〕とX−1液〔KBr 1.17
mol/l 〕を48ml/分で1分間、同時混合添加した。
2分後にNaOH 1N液とポリビニルアルコール水溶液
〔酢酸ビニルの平均重合度は500で、アルコールへの
平均ケン化率98%のポリビニルアルコール(以下PV
−1)を5g、H2 O 0.1リットルを含む〕を添加
し、反応溶液のpHを5.0とした。8分間放置後、温
度を75℃に12分間で昇温し、pH6に調製した。次
にAg−1液とX−2液[KBr 1.136 mol/l
KI 0.0412 mol/l 含有する ]を用い、pBr
を3.1に保ちながら、Ag−1液を初速3.5ml/
分、直線流量加速0.05ml/分で89分間、ダブルジェッ
ト添加した。
【0200】沈降剤を加え、温度を30℃に下げ、pH
4.0とし、乳剤を沈降させた。沈降乳剤を水洗し、3
8℃でゼラチン溶液を加え、乳剤を再分散させ、pH
6.2、pAg8.8とした。
【0201】乳剤の一部をサンプリングし、乳剤粒子の
レプリカのTEM像〔透過型電子顕微鏡写真像〕を観察
した。それによると全AgX粒子の投影面積の合計(以
下、TPA)の94%が、主平面が{100}面、投影
アウトライン形状が直角平行四辺形で、アスペクト比が
3以上の平板状粒子であり、該平板状粒子の平均直径は
0.63μm、平均アスペクト比6.3、平均縦横比は
1.3、直径分布の変動係数(分布の標準偏差/平均直
径)(以下、C.V.)は0.17であった。粒子のコ
ア部はAgBrであり、シェル部はヨード3.5モル%を含
有し、粒子全体の平均ヨード含有量は、3モル%であっ
た。
【0202】b 化合物B0 を用いたエッジ部に転位線
の存在する平板状粒子の調製 反応容器にゼラチン水溶液−1〔H2 O 1200ml、
ゼラチン25g、KBr0.36gを含み、pH4.2〕
を入れ、40℃に保ち攪拌しながら、Ag−1液〔Ag
NO3 1.17 mol/l 〕とX−1液〔KBr 1.1
7 mol/l 〕を48ml/分で1分間、同時混合添加し
た。 2分後にNaOH 1N液とポリビニルアルコール水
溶液〔酢酸ビニルの平均重合度は500で、アルコール
への平均ケン化率98%のポリビニルアルコール(以下
PV−1)を5g、H2 O 0.1リットルを含む〕を
添加し、反応溶液のpHを5.0とした。8分間放置
後、温度を75℃に12分間で昇温し、pH 6に調製し
た。次にAg−1液とX−1液を用い、 pBrを3.
1に保ちながら、Ag−1液を初速3.5ml/分、直線
流量加速0.05ml/分で89分間、ダブルジェット添加し
た。このダブルジェット添加の途中、全銀量の80%を
添加した時点で添加を一時中断し、KI 3.5gを添
加し、5分間放置後、ダブルジェット添加を再開して、
粒子形成を終えた。
【0203】沈降剤を加え、温度を30℃に下げ、pH
4.0とし、乳剤を沈降させた。沈降乳剤を水洗し、3
8℃でゼラチン溶液を加え、乳剤を再分散させ、pH
6.2、pAg8.8とした。
【0204】乳剤の一部をサンプリングし、乳剤粒子の
レプリカのTEM像〔透過型電子顕微鏡写真像〕を観察
した。それによると全AgX粒子の投影面積の合計(以
下、TPA)の94%が、主平面が{100}面、投影
アウトライン形状が直角平行四辺形で、アスペクト比が
3以上の平板状粒子であり、外周部には転位線が観察さ
れた。該平板状粒子の平均直径は0.60μm、平均ア
スペクト比5.4、平均縦横比は1.25、直径分布の
変動係数(分布の標準偏差/平均直径)(以下、C.
V.)は0.17であった。粒子全体の平均ヨード含有
量は、3.2モル%であった。
【0205】c 化合物A0 を用いた転位線の存在しな
い平板状粒子の調製 aにおいて、PV−1の替わりに、ポリビニルイミダゾ
ール共重合物1(後掲の化11に示す式(6) において、
x:y:z:w=60:7:13:30、重量平均分子
量1.5×105 )10gを含む水溶液を用いた以外は
同様にして、粒子調製を実施した。
【0206】
【化11】 乳剤の一部をサンプリングし、乳剤粒子のレプリカのT
EM像(透過型電子顕微鏡写真像)を観察した。それに
よると全AgX粒子の投影面積の合計(以下、TPA)
の94%が、主平面が{100}面、投影アウトライン
形状が直角平行四辺形で、アスペクト比が3以上の平板
状粒子であり、該平板状粒子の平均直径は0.63μ
m、平均アスペクト比6.3、平均縦横比は1.3、直
径分布の変動係数(分布の標準偏差/平均直径)(以
下、C.V.)は0.17であった。粒子のコア部はAg
Brであり、シェル部はヨード3.5モル%を含有し、粒
子全体の平均ヨード含有量は、3モル%であった。
【0207】d 化合物A0 を用いた外周部に転位線の
存在する平板状粒子の調製 bにおいて、PV−1の替わりに、前述のポリビニルイ
ミダゾール共重合物1 10gを含む水溶液を用いた以
外は同様にして、粒子調製を実施した。
【0208】乳剤の一部をサンプリングし、乳剤粒子の
レプリカのTEM像(透過型電子顕微鏡写真像)を観察
した。それによると全AgX粒子の投影面積の合計(以
下、TPA)の94%が、主平面が{100}面、投影
アウトライン形状が直角平行四辺形で、アスペクト比が
3以上の平板状粒子であり、外周部には転位線が観察さ
れた。該平板状粒子の平均直径は0.60μm、平均ア
スペクト比5.4、平均縦横比は1.25、直径分布の
変動係数(分布の標準偏差/平均直径)(以下、C.
V.)は0.17であった。粒子全体の平均ヨード含有
量は、3.2モル%であった。
【0209】e {111}平板状粒子の調製 9.52gの臭化カリウムを含有する1.0重量%のゼ
ラチン溶液1.4リットルにそれを撹拌しながらダブル
ジェット法で、0.5Mの硝酸銀溶液と0.5Mの臭化
カリウム溶液とを30秒間にそれぞれ15cc添加し
た。この間温度は30℃に保たれた。添加後、75℃ま
で温度を上昇させた。その後1.0M硝酸銀溶液105
ccをゆっくり添加し、その後NH4 OHを添加しpH
=9.5に15分間保った後pHをもとに戻しさらに1
20分間に150gの硝酸銀を含む硝酸銀溶液が加速さ
れた流量(終了時の流量が開始時の19倍)で添加され
た。この間KBr(1.125mol/l )+KI(0.0
45mol/l )溶液がpBrが2.55に保たれるよう添
加された。
【0210】この後、乳剤を35℃に冷却し、常法のフ
ロキュレーション法で水洗し、ゼラチン溶液を加え、乳
剤を再分散させ、40℃においてpH6.5、pAg
8.6に調整した。
【0211】乳剤の一部をサンプリングし、乳剤粒子の
レプリカのTEM像(透過型電子顕微鏡写真像)を観察
した。それによると全AgX粒子の投影面積の合計(以
下、TPA)の94%が、主平面が{111}面、アス
ペクト比が3以上の平板状粒子であり、該平板状粒子の
平均直径は1.4μm、平均アスペクト比5.9、直径
分布の変動係数(分布の標準偏差/平均直径)(以下、
C.V.)は0.19であった。粒子全体の平均ヨード
含有量は、3.2モル%であった。
【0212】f {111}転位平板粒子の調製 9.52gの臭化カリウムを含有する1.0重量%のゼ
ラチン溶液1.4リットルにそれを撹拌しながらダブル
ジェット法で、0.5Mの硝酸銀溶液と0.5Mの臭化
カリウム溶液とを30秒間にそれぞれ15cc添加し
た。この間温度は30℃に保たれた。添加後、75℃ま
で温度を上昇させた。その後1.0M硝酸銀溶液105
ccをゆっくり添加し、その後NH4 OHを添加しpH
=9.5に15分間保った後pHをもとに戻しさらに1
20分間に150gの硝酸銀を含む硝酸銀溶液が加速さ
れた流量(終了時の流量が開始時の19倍)で添加され
た。この間KBr(1.17mol/l )溶液がpBrが
2.55に保たれるよう添加された。このダブルジェッ
ト添加の途中、全銀量の80%を添加した時点で添加を
一時中断し、KI 3.5gを添加し、5分間放置後、
ダブルジェット添加を再開して、粒子形成を終えた。
【0213】この後、乳剤を35℃に冷却し、常法のフ
ロキュレーション法で水洗し、ゼラチン溶液を加え、乳
剤を再分散させ、40℃においてpH6.5、pAg
8.6に調整した。
【0214】乳剤の一部をサンプリングし、乳剤粒子の
レプリカのTEM像(透過型電子顕微鏡写真像)を観察
した。それによると全AgX粒子の投影面積の合計(以
下、TPA)の94%が、主平面が{111}面、アス
ペクト比が3以上の平板状粒子であり、粒子周辺部には
転位線が観察された。該平板状粒子の平均直径は1.4
μm、平均アスペクト比5.9、直径分布の変動係数
(分布の標準偏差/平均直径)(以下、C.V.)は
0.19であった。粒子全体の平均ヨード含有量は、
3.2モル%であった。
【0215】以上のように調製した乳剤a〜fについて
60℃、pH6.20、pAg8.40の条件下で以下
の様な化学増感を施した。
【0216】先ず、後掲の化20に示す増感色素S−6
を銀1モルあたり1×10-4モル、増感色素S−7を銀
1モルあたり8×10-4モル添加した。
【0217】引き続いて銀1モルあたり3.0×10-3
モルのチオシアン酸カリウム、6×10-6モルの塩化金
酸カリウム、1×10-5モルのチオ硫酸ナトリウムおよ
びセレン増感剤N,Nージメチルセレノ尿素をハロゲン
化銀1モルあたり3×10-6モル添加して60℃で熟成
し、1/100秒露光の感度が最高となる様に熟成時間
を調節した。
【0218】化学増感終了後に下記に示す化合物を加
え、下塗層を有するトリアセチルセルロースフィルム支
持体上に保護層と共に、銀量が0.5g/m2 となるよ
うに同時押し出し法で塗布、感光材料a〜fを作成し
た。 (1)乳剤層 ・乳剤 … 乳剤a〜f ・後掲の化13に示す下記構造式で表される化合物C−
7 ・トリクレジルフォスフェート ・安定剤 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3
a,7−テトラザインデン ・塗布助剤 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム (2)保護層 ・ポリメチルメタクリレート微粒子 ・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン
ナトリウム塩 ・ゼラチン これらの試料にセンシトメトリー用露光(1/100
秒)を与え、下記の現像処理を行った。
【0219】 現像処理液 1−フェニル−3−ピラゾリドン 0.5g ヒドロキノン 10g エチレンジアミン四酢酸・二−ナトリウム 2g 亜硫酸カリウム 60g ホウ酸 4g 炭酸カリウム 20g 臭化ナトリウム 5g ジエチレングリコール 20g 水酸化ナトリウムでpH10.0に調整 水を加えて 1リットル。
【0220】試料a〜fの評価方法 (1) 感度 かぶり+0.2の濃度を与える相対露光量で比較する。
試料aの感度を100とし、それに対する相対値で示し
た。 (2) 圧力性 これらの試料を40℃、相対湿度70%の条件下に14
時間放置した後、相対湿度55%の雰囲気中に3時間以
上置いたのち、同雰囲気中で太さ0.1mmφの針で4
gの荷重を加え、1cm/秒の速さで乳剤面を引っかい
た。この試料を1/100秒露光を行った後、現像し、
25μmφのアパーチャーで濃度測定を行った。
【0221】結果を表1に示す。 表 1 感光材料 感度 圧力かぶり 備考 a 100 +0.30 比較例 b 150 +0.05 本発明 c 100 +0.35 比較例 d 150 +0.04 本発明 e 50 +0.40 比較例 f 100 +0.10 比較例 表1の試料b及びdの結果から明らかなように、本発明
の試料は高感度で且つ圧力性も優れていることが分か
る。
【0222】(実施例2) 試料201の作製 下塗りを施した厚み 127μの三酢酸セルロースフィルム
支持体上に、下記の組成の各層より成る多層カラー感光
材料を作製し、試料201とした。数字はm 2当りの添
加量を表わす。なお添加した化合物の効果は記載した用
途に限らない。
【0223】第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.10g ゼラチン 1.90g 紫外線吸収剤U−1 0.10g 紫外線吸収剤U−3 0.040g 紫外線吸収剤U−4 0.10g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.10g 染料E−1の微結晶固体分散物 0.10g 第2層:中間層 ゼラチン 0.40g 化合物Cpd−C 5.0mg 化合物Cpd−J 5.0mg 化合物Cpd−K 3.0mg 高沸点有機溶媒Oil−3 0.10g 染料D−4 0.80mg 第3層:中間層 表面及び内部をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、 変動係数18%、AgI含量 1モル%) 銀量 0.050g 黄色コロイド銀 銀量 0.030g ゼラチン 0.40g 第4層:低感度赤感性乳剤層 乳剤A 銀量 0.30g 乳剤B 銀量 0.20g ゼラチン 0.80g カプラーC−1 0.15g カプラーC−2 0.050g カプラーC−3 0.050g カプラーC−9 0.050g 化合物Cpd−C 5.0mg 化合物Cpd−J 5.0mg 高沸点有機溶媒Oil−2 0.10g 添加物P−1 0.10g 第5層:中感度赤感性乳剤層 乳剤B 銀量 0.20g 乳剤C 銀量 0.30g ゼラチン 0.80g カプラーC−1 0.20g カプラーC−2 0.050g カプラーC−3 0.20g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.10g 添加物P−1 0.10g 第6層:高感度赤感性乳剤層 乳剤D 銀量 0.40g ゼラチン 1.10g カプラーC−1 0.30g カプラーC−2 0.10g カプラーC−3 0.70g 添加物P−1 0.10g 第7層:中間層 ゼラチン 0.60g 添加物M−1 0.30g 混色防止剤Cpd−I 2.6mg 染料D−5 0.020g 染料D−6 0.010g 化合物Cpd−J 5.0mg 高沸点有機溶媒Oil−1 0.020g 第8層:中間層 表面及び内部をかぶらせた沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、 変動係数16%、AgI含量 0.3モル%) 銀量 0.020g 黄色コロイド銀 銀量 0.020g ゼラチン 1.00g 添加物P−1 0.20g 混色防止剤Cpd−A 0.10g 化合物Cpd−C 0.10g 第9層:低感度緑感性乳剤層 乳剤E 銀量 0.10g 乳剤F 銀量 0.20g 乳剤G 銀量 0.20g ゼラチン 0.50g カプラーC−4 0.10g カプラーC−7 0.050g カプラーC−8 0.10g 化合物Cpd−B 0.030g 化合物Cpd−D 0.020g 化合物Cpd−E 0.020g 化合物Cpd−F 0.040g 化合物Cpd−J 10 mg 化合物Cpd−L 0.020g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.10g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.10g 第10層:中感度緑感性乳剤層 乳剤G 銀量 0.30g 乳剤H 銀量 0.10g ゼラチン 0.60g カプラーC−4 0.070g カプラーC−7 0.050g カプラーC−8 0.050g 化合物Cpd−B 0.030g 化合物Cpd−D 0.020g 化合物Cpd−E 0.020g 化合物Cpd−F 0.050g 化合物Cpd−L 0.050g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.010g 第11層:高感度緑感性乳剤層 乳剤I 銀量 0.50g ゼラチン 1.00g カプラーC−4 0.20g カプラーC−7 0.10g カプラーC−8 0.050g 化合物Cpd−B 0.080g 化合物Cpd−E 0.020g 化合物Cpd−F 0.040g 化合物Cpd−K 5.0mg 化合物Cpd−L 0.020g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.020g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.020g 第12層:中間層 ゼラチン 0.60g 化合物Cpd−L 0.050g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.050g 第13層:イエローフィルター層 黄色コロイド銀 銀量 0.020g ゼラチン 1.10g 混色防止剤Cpd−A 0.010g 化合物Cpd−L 0.010g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.010g 染料E−2の微結晶固体分散物 0.030g 染料E−3の微結晶固体分散物 0.020g 第14層:中間層 ゼラチン 0.60g 第15層:低感度青感性乳剤層 乳剤a 銀量 0.50g (実施例1で調製した乳剤a) ゼラチン 0.80g カプラーC−5 0.20g カプラーC−6 0.10g カプラーC−10 0.40g 第16層:中感度青感性乳剤層 乳剤L 銀量 0.30g 乳剤M 銀量 0.30g ゼラチン 0.90g カプラーC−5 0.10g カプラーC−6 0.10g カプラーC−10 0.60g 第17層:高感度青感性乳剤層 乳剤N 銀量 0.20g 乳剤O 銀量 0.20g ゼラチン 1.20g カプラーC−5 0.10g カプラーC−6 0.10g カプラーC−10 0.60g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.10g 第18層:第1保護層 ゼラチン 0.70g 紫外線吸収剤U−1 0.20g 紫外線吸収剤U−2 0.050g 紫外線吸収剤U−5 0.30g ホルマリンスカベンジャーCpd−H
0.40g 染料D−1 0.15g 染料D−2 0.050g 染料D−3 0.10g 第19層:第2保護層 黄色コロイド銀 銀量 0.10mg 微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、AgI含量 1モル%) 銀量 0.10g ゼラチン 0.40g 第20層:第3保護層 ゼラチン 0.40g ポリメチルメタクリレート(平均粒径1.5 μ)0.10g メチルメタクリレートとメタクリル酸の6:4の共重合
体 (平均粒径1.5 μ) 0.10g シリコーンオイルSO−1 0.030g 界面活性剤W−1 3.0mg 界面活性剤W−2 0.030g また、すべての乳剤層には上記組成物の他に添加剤F−
1〜F−8を添加した。さらに各層には上記組成物の他
にゼラチン硬化剤H−1及び塗布用、乳化用界面活性剤
W−3、W−4、W−5、W−6を添加した。
【0224】更に防腐、防黴剤としてフェノール、1,
2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−フェノキシ
エタノール、フェネチルアルコール、p−ヒドロキシ安
息香酸ブチルエステルを添加した。 有機固体分散染料の分散物の調製 染料E−1を以下の方法で分散した。すなわち、メタノ
ールを30%含む染料のウェットケーキ1430gに水および
BASF社製Pluronic F88(エチレンオキ
シド−プロピレンオキシド ブロック共重合体) 200g
を加えて撹拌し、染料濃度6%のスラリーとした。次
に、アイメックス(株)製ウルトラビスコミル(UVM
−2)に平均粒径 0.5mmのジルコニアビースを1700ml充
填し、スラリーを通して周速約10m/sec 、吐出量0.51
/min で8時間粉砕した。ビーズを濾過して除き、水を
加えて染料濃度3%に希釈した後、安定化のために90℃
で10時間加熱した。得られた染料微粒子の平均粒径は0.
60μmであり、粒径の分布の広さ(粒径標準偏差× 100
/平均粒径)は18%であった。
【0225】同様にして、染料E−2、E−3の固体分
散物を得た。平均粒径は0.54μmおよび0.56μmであっ
た。
【0226】以下に試料201で用いた沃臭化銀乳剤A
〜I、L〜Oを示す。
【0227】
【表1】
【0228】
【表2】
【0229】
【表3】 次に、試料201の第15層乳剤aを、実施例1で調製し
た乳剤b、乳剤c、乳剤d、乳剤e、乳剤fに変更する
ことにより、試料202〜206を順次作成した。
【0230】これらの試料を、相対湿度55%の雰囲気
に5時間置いた後、同じ雰囲気下で太さ0.1mmφの
針で4gの荷重を加え、1cm/秒の速さで乳剤面を引
っかいた。この試料を1/100秒露光した後、下記に
示す処理液で現像処理を行った。
【0231】 処理工程 時間 温度 タンク容量 補充量 第一現像 6分 38℃ 12リットル 2200ミリリットル/m2 第一水洗 2分 38℃ 4リットル 7500ミリリットル/m2 反 転 2分 38℃ 4リットル 1100ミリリットル/m2 発色現像 6分 38℃ 12リットル 2200ミリリットル/m2 前 漂 白 2分 38℃ 4リットル 1100ミリリットル/m2 漂 白 6分 38℃ 12リットル 220ミリリットル/m2 定 着 4分 38℃ 8リットル 1100ミリリットル/m2 第二水洗 4分 38℃ 8リットル 7500ミリリットル/m2 最終リンス 1分 25℃ 2リットル 1100ミリリットル/m2
【0232】各処理液の組成は以下の通りであった。
【0233】 (第一現像液) (タンク液) (補充液) ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・5ナトリウム塩 1.5 g 1.5 g ジエチレントリアミン五酢酸・5ナトリウム塩 2.0 g 2.0 g 亜硫酸ナトリウム 30 g 30 g ハイドロキノン・モノスルホン酸カリウム 20 g 20 g 炭酸カリウム 15 g 20 g 重炭酸ナトリウム 12 g 15 g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン 1.5 g 2.0 g 臭化カリウム 2.5 g 1.4 g チオシアン酸カリウム 1.2 g 1.2 g ヨウ化カリウム 2.0 mg − ジエチレングリコール 13 g 15 g 水を加えて 1000 ミリリットル 1000 ミリリットル pH 9.60 9.60 pHは硫酸又は水酸化カリウムで調整した。
【0234】 (反転液) (タンク液) (補充液) ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・5ナトリウム塩 3.0 g タンク液に同じ 塩化第一スズ・2水塩 1.0 g p−アミノフェノール 0.1 g 水酸化ナトリウム 8 g 氷酢酸 15 ミリリットル 水を加えて 1000 ミリリットル pH 6.00 pHは酢酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0235】 (発色現像液) (タンク液) (補充液) ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・5ナトリウム塩 2.0 g 2.0 g 亜硫酸ナトリウム 7.0 g 7.0 g リン酸3ナトリウム・12水塩 36 g 36 g 臭化カリウム 1.0 g − ヨウ化カリウム 90 mg − 水酸化ナトリウム 3.0 g 3.0 g シトラジン酸 1.5 g 1.5 g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチル− 4−アミノアニリン・3/2硫酸・1水塩 11 g 11 g 3,6−ジチアオクタン−1,8−ジオール 1.0 g 1.0 g 水を加えて 1000 ミリリットル 1000 ミリリットル pH 11.80 12.00 pHは硫酸又は水酸化カリウムで調整した。
【0236】 (前漂白) (タンク液) (補充液) エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・2水塩 8.0 g 8.0 g 亜硫酸ナトリウム 6.0 g 8.0 g 1−チオグリセロール 0.4 g 0.4 g ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム付加物 30 g 35 g 水を加えて 1000 ミリリットル 1000 ミリリットル pH 6.30 6.10 pHは酢酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0237】 (漂白液) (タンク液) (補充液) エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・2水塩 2.0 g 4.0 g エチレンジアミン4酢酸・Fe(III)・アンモニウム・2水塩 120 g 240 g 臭化カリウム 100 g 200 g 硝酸アンモニウム 10 g 20 g 水を加えて 1000 ミリリットル 1000 ミリリットル pH 5.70 5.50 pHは硝酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0238】 (定着液) (タンク液) (補充液) チオ硫酸アンモニウム 80 g タンク液に同じ 亜硫酸ナトリウム 5.0 g 〃 重亜硫酸ナトリウム 5.0 g 〃 水を加えて 1000 ミリリットル 〃 pH 6.60 pHは酢酸又はアンモニア水で調整した。
【0239】 (安定液) (タンク液) (補充液) 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.02 g 0.03 g ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.3 g 0.3 g ポリマレイン酸(平均分子量 2,000) 0.1 g 0.15 g 水を加えて 1000 ミリリットル 1000 ミリリットル pH 7.0 7.0 。
【0240】現像処理後、25μmφのアパーチャー
で、最高濃度部のYellow濃度の濃度差を測定し、圧力か
ぶりの程度を評価した。結果を、以下表5に示す。 表 5 試料番号 最高濃度部の濃度低下 備考 201 0.29 比較例 202 0.08 本発明 203 0.31 比較例 204 0.09 本発明 205 0.50 比較例 206 0.20 比較例 上記表5に示す結果より、本発明の試料は、引っかかれ
た部分の最高濃度の低下が少なく圧力被りが少ないこと
が分かる。
【0241】(実施例3)実施例1の乳剤aにおいて、
化学増感時に添加する増感色素S−6、S−7を以下の
様に変更し緑色感色性乳剤gを調製した。
【0242】 S−4 7.2×10-4 モル/ モル銀 S−5 1.8×10-4 モル/ モル銀 乳剤b〜fに対し同様の変更を行い緑色感色性乳剤h〜
lを調製した。実施例1と同様にして、感度・圧力性の
評価を行い、本発明の乳剤は、高感度で圧力被りが少な
いことを確認した。
【0243】(実施例4)実施例1の乳剤aにおいて、
化学増感時に添加する増感色素S−6、S−7を以下の
様に変更し赤色感色性乳剤mを調製した。
【0244】 S−2 8.73×10-4 モル/ モル銀 S−3 0.27×10-4 モル/ モル銀 乳剤b〜fに対し同様の変更を行い赤色感色性乳剤n〜
rを調製した。実施例1と同様にして、感度・圧力性の
評価を行い、本発明の乳剤は、高感度で圧力被りが少な
いことを確認した。
【0245】(実施例5)以下に記載するようにして実
施例1に記載の乳剤bをベースにして、乳剤b−1から
b−8を調製した。 (乳剤b−1)乳剤bにおいて最終シェル形成開始11
分後に本発明の化合物A−4を3.3×10-4モル/モ
ル%Ag添加した。 (乳剤b−2)乳剤bにおいて水洗直前に本発明の化合
物A−4を3.3×10-4モル/モル%Ag添加した。 (乳剤b−3)乳剤bにおいて増感色素添加前に本発明
の化合物A−4を3.3×10-4モル/モルAg添加し
た。 (乳剤b−4)乳剤bにおいて化学増感終了後に本発明
の化合物A−4を3.3×10-4モル/モルAg添加し
た。 (乳剤b−5)乳剤bにおいて増感色素添加前に本発明
の化合物A−3を3.3×10-4モル/モルAg添加し
た。 (乳剤b−6)乳剤bにおいて増感色素添加前に本発明
の化合物A−1を3.3×10-4モル/モルAg添加し
た。 (乳剤b−7)乳剤bにおいて増感色素添加前に本発明
の化合物A−1を3.3×10-5モル/モルAg添加し
た。 (乳剤b−8)乳剤bにおいて増感色素添加前に本発明
の化合物A−1を3.3×10-3モル/モルAg添加し
た。
【0246】乳剤b、およびb−1〜b−8について、
実施例1と同様な評価を行い、以下の表6に示す結果を
得た。 表 6 感光材料 感度 圧力かぶり b 150 +0.05 b−1 180 +0.02 b−2 180 +0.02 b−3 180 +0.02 b−4 158 +0.02 b−5 165 +0.02 b−6 165 +0.02 b−7 165 +0.02 b−8 165 +0.02 表6に示す結果より明らかなように本発明で規定するラ
ジカルスカベンジャーを含有しない試料bに対して試料
b−1からb−8は、さらに高感度で圧力被りが良化し
ていることがわかる。
【0247】(実施例6)乳剤dについて、実施例5と
同様な評価を行い、実施例5と同様な結果を得た。
【0248】(実施例7)乳剤b、およびb−1からb
−8を用いて実施例2と同様に重層塗布感光材料を作成
し、実施例2と同様な評価を行い、実施例5と同様の結
果を得た。
【0249】以下に実施例で用いた化合物の化学式を記
載する。
【0250】
【化12】
【0251】
【化13】
【0252】
【化14】
【0253】
【化15】
【0254】
【化16】
【0255】
【化17】
【0256】
【化18】
【0257】
【化19】
【0258】
【化20】
【0259】
【化21】
【0260】
【化22】
【0261】
【化23】
【0262】
【化24】
【0263】
【化25】
【0264】
【化26】
【0265】
【化27】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、14面体AgX粒子の上面図である。
【図2】図2は、化合物A0 の吸着の態様を表す概略図
である。
【符号の説明】 21…AgX粒子表面、 22…化合物A0 の主鎖、 23…化合物A0 の主鎖に共有結合した化合物C0 の残
基 24…吸着サイト

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも分散媒とハロゲン化銀粒子を
    有するハロゲン化銀乳剤において、主平面が{100}
    面で、アスペクト比(直径/厚さ)が2.0以上100
    未満であり、該平板状粒子のエッジの{100}面によ
    り囲まれた直角平行四辺形、もしくはエッジの{10
    0}面を延長する事により形成された直角平行四辺形の
    縦横比(長辺の長さ/短辺の長さ)が1〜6であり、転
    位線を有するハロゲン化銀粒子を投影面積の合計の60
    %以上を含有するハロゲン化銀乳剤。
  2. 【請求項2】 化合物A0 および/または化合物B0
    存在下で形成されたことを特徴とする請求項1記載のハ
    ロゲン化銀乳剤。ここで化合物A0 は、AgBrの粒子
    の{100}面の形成を促進する吸着剤が1分子中に2
    分子以上、共有結合した有機化合物を表し、化合物B0
    はアルコール基を1分子中に2基以上有するゼラチン以
    外の有機化合物を表し、かつ、両者はゼラチンおよび蛋
    白質以外の有機化合物を表す。
  3. 【請求項3】 少なくとも1種のラジカルスカベンジャ
    ーを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の
    ハロゲン化銀乳剤。
  4. 【請求項4】 前記ラジカルスカベンジャーが、下記一
    般式(A−I)〜(A−V)であらわされることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のハロゲ
    ン化銀乳剤。 【化1】 一般式(A−I)において、Ra1はアルキル基、アルケ
    ニル基、アリール基、アシル基、アルキルもしくはアリ
    ールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィ
    ニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキ
    シカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表
    わし、Ra2は水素原子またはRa1で示した基を表わす。
    ただし、Ra1がアルキル基、アルケニル基またはアリー
    ル基の時、Ra2はアシル基、アルキルもしくはアリール
    スルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル
    基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカ
    ルボニル基またはアリールオキシカルボニル基である。
    Ra1とRa2が互いに結合して、5〜7員環を形成しても
    良い。一般式(A−II) において、Xはヘテロ環基を表
    わし、Rb1はアルキル基、アルケニル基またはアリール
    基を表わす。XとRb1が互いに結合して、5〜7員環を
    形成しても良い。一般式(A−III)において、Yは−N
    =C−とともに5員環を形成するのに必要な非金属原子
    群を表わす。Yはさらに−N=C−基とともに6員環を
    形成するのに必要な非金属原子群を表わし、かつ−N=
    C−基の炭素原子と結合するYの末端が-N(Rc1)-、-C(R
    c2) (Rc3)-、-C(Rc4)=、−O−、−S−の中から選択さ
    れた基(各基の左側で−N=C−の炭素原子と結合す
    る)を表わす。Rc1〜Rc4は水素原子または置換基を表
    わす。一般式(A−IV) において、Rd1およびRd2は同
    一でも異なってもよく、それぞれアルキル基またはアリ
    ール基を表わす。ただし、Rd1とRd2が同時に無置換ア
    ルキル基であって、かつRd1とRd2が同一の基である
    時、Rd1とRd2は炭素数8以上のアルキル基である。一
    般式(A−V)において、Re1およびRe2は同一でも異
    なってもよく、それぞれ、ヒドロキシルアミノ基、ヒド
    ロキシル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールア
    ミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチ
    オ基、アリールチオ基、アルキル基またはアリール基を
    表わす。ただし、Re1とRe2は同時に-NHRe3(Re3はア
    ルキル基またはアリール基)であることはない。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    ハロゲン化銀乳剤を用いたことを特徴とするカラー感光
    材料。
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