JPH09325446A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH09325446A
JPH09325446A JP14246996A JP14246996A JPH09325446A JP H09325446 A JPH09325446 A JP H09325446A JP 14246996 A JP14246996 A JP 14246996A JP 14246996 A JP14246996 A JP 14246996A JP H09325446 A JPH09325446 A JP H09325446A
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JP
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silver
silver halide
grains
emulsion
mol
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JP14246996A
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English (en)
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Toshihiro Nishikawa
俊廣 西川
Hiroyuki Mifune
博幸 御舩
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】(100)平板状粒子を含有し、かつ、高感度で粒
状性が優れたハロゲン化銀カラー感光材料を提供するこ
と。 【解決手段】少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を支
持体上に有するハロゲン化銀写真感光材料において;乳
剤層の少なくとも1層には、平行な2つの主平面が(100)
面であり、アスペクト比が1.3以上である還元増感され
た平板状ハロゲン化銀粒子が、ハロゲン化銀粒子の全投
影面積の50%以上含まれており、かつ、当該乳剤層に
は、(100)面以外の面に選択的に吸着する化合物がさら
に含まれていることを特徴とするハロゲン化銀写真感光
材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料に関する。さらに詳しくは、(100)結晶面を主平
面とする平板状ハロゲン化銀粒子を含有し、写真感度と
粒状性が優れたハロゲン化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】平板状ハロゲン化銀粒子を含む写真感光
材料は、非平板状ハロゲン化銀粒子を含む写真感光材料
に比べて、色増感性、シャープネス、光散乱特性、カバ
リングパワー、現像進行性、粒状性等が優れている。こ
のため、平板状ハロゲン化銀粒子を乳剤層に含ませた写
真感光材料の開発研究が種々行われている。特開昭58-1
13926号公報、同58-113927号公報、同58-113928号公
報、特開平2-828号公報、同2-28638号公報および同2-29
8935号公報には、互いに平行な双晶面を有し、六角形の
(111)面を主平面とする平板状粒子(以下(111)平板状粒
子という)が記載されている。この(111)平板状粒子は
多用化されるに至ってはいるものの、色増感特性が劣る
という問題を有している。すなわち、ハロゲン化銀粒子
に増感色素を多量に吸着させた場合、(100)面を有する
粒子の方が、(111)面を有する粒子よりも色増感特性が
よいことが確認されている。このため、主平面が(100)
面である平板状粒子(以下(100)平板状粒子という)の
開発が求められるようになっており、すでに幾つかの(1
00)平板状粒子が提案されている。
【0003】特開昭51-88017号公報および特公昭64-832
3号公報には、主平面が直角四辺形の(100)平板状粒子が
記載されている。また、A. Mignot, E. Ftancois and
M. Catinat,“Cristaux de rbomure d'argent plats, l
imites par des faces (100)et non macles", Journal
of Crystal Growth 123(1974)207-213には、主平面が正
方形または長方形の(100)面で形成された平板状臭化銀
結晶が記載されている。一方、(100)平板状粒子の製法
についても研究がなされている。米国特許第4,063,951
号明細書には、(100)結晶面からなる平板状粒子は単分
散種粒子から形成され、アンモニアの存在下で熟成すれ
ば平均アスペクト比が1.5〜7になることが記載されてい
る。また、米国特許第4,386,156号明細書には、種粒子
を非ハロゲン化物銀イオン錯化剤を存在させずに熟成さ
せることによって、平均アスペクト比を8以上にする平
板状臭化銀乳剤の製造方法が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように(100)結晶
面を主平面とする平板状臭化銀粒子について幾つかの報
告がなされているが、これらの粒子をハロゲン化銀写真
感光材料に使用しても、必ずしも満足の行く結果は得ら
れない。特に写真感度や粒状性は、さらに一層の改良が
必要とされている。本発明が解決しようとする課題は、
(100)平板状粒子を含有し、かつ、高感度で粒状性が優
れたハロゲン化銀カラー感光材料を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題は、少なくとも
1層のハロゲン化銀乳剤層を支持体上に有するハロゲン
化銀写真感光材料において;乳剤層の少なくとも1層に
は、平行な2つの主平面が(100)面であり、アスペクト比
が1.3以上である還元増感された平板状ハロゲン化銀粒
子が、ハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以上含まれ
ており、かつ、当該乳剤層には、(100)面以外の面に選
択的に吸着する化合物がさらに含まれていることを特徴
とするハロゲン化銀写真感光材料を提供する本発明によ
って解決された。本発明のハロゲン化銀写真感光材料に
含まれる平板状ハロゲン化銀粒子と(100)面以外の面に
選択的に吸着する化合物について、以下に順に説明す
る。
【0006】(平板状ハロゲン化銀粒子の特徴)本発明
のハロゲン化銀写真感光材料を構成する1以上の乳剤層
には、ハロゲン化銀粒子が含まれている。そして、その
ハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以上、好ましくは
60%以上、最も好ましくは80%以上は、平行な2つの主
平面が(100)面でアスペクト比が1.3以上の平板状ハロゲ
ン化銀粒子である。ここでアスペクト比とは、平板状粒
子の円相当直径をその粒子の厚味で割った値である。円
相当直径は、粒子を電子顕微鏡で観察したときに、粒子
の投影面積と等しい面積を有する円の直径を指す。ま
た、厚味は平板状粒子の主平面間の距離を指す。アスペ
クト比は、1.3以上100以下であり、2以上であるのが好
ましく、3〜20であればより好ましく、4〜16であればさ
らにより好ましい。アスペクト比が100を越えると製造
適性や圧力性の悪化を招く。
【0007】平板状粒子の投影粒径は10μm以下であ
り、好ましくは0.15〜5μm、より好ましくは0.2〜3μm
である。平板状粒子の投影粒径分布は単分散であるのが
好ましい。また、投影粒径分布の変動係数は40%以下で
あるのが好ましく、30%以下であればより好ましく、20
%以下であれば更に好ましい。ここでいう変動係数は、
平板状粒子の投影面積の円換算直径で表わされる粒子サ
イズのバラツキ(標準偏差)を平均粒子サイズで割った
値をパーセント表示したものである。平板状粒子の主平
面の形状は、直角平行四辺形または4つの角が丸くなっ
た直角平行四辺形である。直角平行四辺形の隣接辺比率
は2以下であるのが好ましく、1.5以下であればさらに好
ましい。なお、角が丸い場合は辺の直線部を延長して、
その交点間の長さを辺長として比率の計算をする。
【0008】ハロゲン化銀粒子は、沃臭化銀または塩沃
臭化銀であるのが好ましい。特に沃化銀含有量は全粒子
平均で0.1〜20モル%であるのが好ましく、1〜10モル%
であればより好ましく、1〜5モル%であればさらに好ま
しい。また、塩沃臭化銀(沃化銀含有量0%も含む)の
場合は、塩化銀含有量が60モル%以上であるのが好まし
い。ハロゲン化銀乳剤に対するCuKα線を線源とした
(420)X線回折シグナルは、シングルピークであっても
ダブルピークであってもよい。シングルピークである場
合は、最高ピーク高さ×0.13における回折線幅が、回折
角度(2θ)で1.8度未満であるのが好ましい。
【0009】(平板状ハロゲン化銀粒子の調製方法)ハ
ロゲン化銀乳剤粒子は、少なくとも核形成過程と熟成過
程を経て調製する。核形成過程と熟成過程の後にさらに
結晶成長過程を経て調製するのがより好ましい。これら
の過程について、以下で順に説明する。 1)核形成過程 核形成は、少なくとも分散媒と水を含む撹拌中の分散媒
溶液に、銀塩溶液とハロゲン化物塩溶液を同時混合法で
添加することにより行う。核形成中は分散媒溶液中の臭
素イオン濃度を10-2.3モル/リットル以下にしておくの
が好ましく、10-2.6モル/リットル以下にしておけばよ
り好ましい。銀イオン濃度は10-4モル/リットル以上に
しておくのが好ましく、10-3.7〜10-1.5モル/リットル
にしておけばより好ましく、10-3.4〜10-1.5モル/リッ
トルにしておけばなお好ましい。ハロゲン化物塩として
は、通常ハロゲン化アルカリ金属、ハロゲン化アンモニ
ウムが用いられる。銀塩としては、通常は硝酸銀が用い
られる。
【0010】分散媒としては、従来公知の写真用分散媒
を用いることができる。通常はゼラチンを使用し、アル
カリ処理ゼラチンを使用するのがより好ましい。ゼラチ
ン中のカルシウムイオン含量は、0〜104ppmであるのが
好ましい。カルシウムイオン含量は、陽イオン交換処理
をすることによって調整することが可能である。反応容
器中の分散媒の濃度は、0.1重量%以上が好ましく、0.
2〜10重量%がより好ましく、0.3〜5重量%がさらに好
ましい。また、銀塩溶液および/またはハロゲン化物塩
溶液中にあらかじめゼラチンを含有させておくこともで
きる。この場合、ゼラチン濃度は0.1〜5重量%が好まし
く、0.2〜3重量%がより好ましく、反応容器中のゼラチ
ン濃度とほぼ等しい濃度にしておくのが特に好ましい。
すなわち、(濃度差/反応容器中のゼラチン濃度)が50
%以内であるのが好ましく、25%以内であればより好ま
しい。このようにしておけば、硝酸銀溶液およびハロゲ
ン化物塩溶液を容器溶液中に液面下添加しても、添加口
近辺でゼラチン濃度のむらを生じることがないため均一
な核を形成することができる。
【0011】核形成時の温度に制限はないが、通常は10
℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましい。核形成後
に非平板状粒子を消失させて平板状粒子を成長させるた
めに熟成を行うが、この熟成をより迅速に行なわせるた
めには、核形成温度を低くしておくのが好ましい。但
し、核形成温度が高ければ核形成時に熟成も生じるた
め、核形成温度を高くしても構わない。銀塩の添加速度
は容器溶液1リットルあたり2〜30g/分が好ましく、4
〜20g/分がより好ましい。核形成期間は15分間以下が
好ましく、5秒〜10分間がより好ましく、15秒〜5分間が
更に好ましい。容器溶液中のpHは特に制限されない
が、通常11以下、好ましくは1.5〜10.5の範囲内で選択
される。
【0012】核形成時のω値(欠陥生成数/粒子)は、
核形成の条件によって変動する。例えば臭化銀の核形成
を行う場合、ω値は各条件により以下のように変化す
る。(1)ω値は、容器溶液のpHが7〜8で最大にな
り、それより低pHまたは高pHでは減少する。(2)
ω値は、銀イオンの過剰イオン濃度が10-2.7モル/リッ
トル近傍で最大となり、その濃度から離れるにつれて減
少する。(3)ω値は、容器溶液中のゼラチン濃度が低
くなるほど上昇するが、0.1重量%以下では種々の欠陥
が入って非平板状欠陥粒子の比率が増加する。(4)ω
値は、硝酸銀とハロゲン化物塩溶液の添加速度が増すほ
ど増加するが、添加速度を上げすぎると非平板状欠陥粒
子の比率が増加する。(5)ω値は、攪拌レベルを上げ
るほど減少する。(6)ω値は、容器溶液のゼラチンの
脱イオン化の程度が大きいほど減少する。(7)ω値
は、温度が高いほど減少する。
【0013】これらの事実は、他の条件を同一にして1
つの条件のみを変化させて核形成することによって明ら
かにされた。即ち、種々の条件下で核形成した後、ゼラ
チン濃度、pAgおよびpH等を同一条件(pH6.5、
銀イオン濃度は臭素イオン濃度にほぼ等しい、ゼラチン
濃度は2重量%)に調節し、75℃に昇温して熟成した。
そして、熟成時間中に乳剤をサンプリングして、非平板
状微粒子がほぼ消失した時点の粒子写真(粒子のレプリ
カの透過型電子顕微鏡写真のことを指す)より平板状粒
子の平均体積を求めて比較したものである。また、熟成
初期(例えば昇温直後)に乳剤をサンプリングし、粒子
写真より平板状粒子数比率を数えることによって比較す
ることもできる。
【0014】核形成時に生成するハロゲン化銀核の沃素
イオン含率が増すほど、ω値は増加する。これらの因子
は互いに加成性を有する。ω値を高くしすぎると、x、
yおよびz軸方向に成長ベクトルを有する低アスペクト
比粒子の比率が高くなる。ここでx軸とy軸は粒子(10
0)面と平行な面上にあり、z軸はこの面に垂直である。
ω値が低くすぎると平板状粒子の生成確率が低くなる。
従って、最終的に得られる乳剤の平板状粒子の投影面積
比率が上記範囲に入るように、これらの核形成条件を選
択してω値を調節する。反応容器中の銀イオンおよび臭
素イオンの過剰イオン濃度は非常に低いため、核形成時
にその濃度を精密に制御するのは困難である。制御方法
として、従来より用いられている銀電位制御方法を使用
することもできるが、硝酸銀溶液と臭化物溶液を精密送
液ポンプで予め設定された流量と時間で同時混合添加す
るのが好ましい。この添加は、攪拌混合時の濃度むらを
少なくするために、多孔体を通して行うのがより好まし
い。これについては、特開平2-146033号公報、同3-2133
9号公報および特開平4-193336号公報の記載を参考にす
ることができる。また、銀塩溶液とハロゲン化物塩溶液
は、バルク液で希釈した後に混合するのがより好まし
い。この装置の具体例に関しては、特開平2-146033号公
報、米国特許第3,785,777号明細書、同第3,415,650号明
細書の記載を参考にすることができる。
【0015】さらに、ω値の最適化を、銀イオンと臭素
イオンの等量点濃度域から離れた濃度で行なうのが好ま
しい。具体的には、銀イオンの過剰濃度を好ましくは10
-3.4モル/リットル以上、より好ましくは10-3.0〜10
-1.5モル/リットルにして核形成する。この濃度範囲で
あれば、硝酸銀溶液と臭化物溶液の添加精度のバラツキ
の影響が小さくなるので有利である。この濃度で核形成
を行うと通常はω値が高くなりすぎてしまうが、上記各
因子を調節することによってω値を下げて最適化するこ
とができるので問題はない。また、銀イオン過剰濃度を
増していくとω値が減少する範囲があるため、その濃度
範囲内に銀イオン過剰濃度を調節してω値を最適化する
こともできる。一方、大量に調製する必要がある場合
に、大型装置を用いて製造しようとすると、通常は濃度
むらが大きくなって困難を伴う。そこで、大量に調製す
る必要がある場合は、核形成を小量容器で行なって大量
容器に蓄積する方法をとるのが好ましい。これについて
は、特開平3-155539号公報、特開平4-340538号公報の記
載を参考にすることができる。
【0016】なお、ゼラチンの脱イオン化の程度は、ゼ
ラチンの脱イオン化レベルを調節することによって制御
することができるが、非脱イオン化ゼラチンとエンプテ
ィゼラチンの混合重量比を変えることによって制御する
方法も好ましく用いることができる。ここで脱イオン化
ゼラチンとは、ゼラチン中の不純物陰イオンおよび陽イ
オンを脱イオン化したゼラチンを指し、エンプティゼラ
チンとは、ゼラチン中の不純物イオンの90%以上を除去
したゼラチンを指す。また、非脱イオン化ゼラチンとエ
ンプティゼラチンの混合重量比は1:0〜0:1で変えること
ができる。
【0017】2)熟成過程 核形成時に平板状粒子核のみを作り分けることはできな
い。それは溶液中の銀イオンとハロゲンイオンがランダ
ムウォーキングしているために、欠陥形成がランダム過
程で起こるためである。即ち、特定のω値(欠陥生成数
/粒子)を有するものを核形成の段階で作り分けること
はできない。このため、熟成過程で平板状粒子以外の粒
子をオストワルド熟成により消滅させる。熟成温度は、
核形成温度より10℃以上高くするのが好ましく、20℃以
上高くすればより好ましい。温度は通常50℃以上、好ま
しくは60〜90℃にする。90℃以上にするときは大気圧以
上、好ましくは大気圧の1.2倍以上の加圧下で熟成する
のが好ましい。この加圧熟成法については、特開平5-17
3267号公報の記載を参考にすることができる。
【0018】熟成時の溶液の銀イオンおよび臭素イオン
濃度は、10-2.3モル/リットル以下が好ましく、10-2.6
モル/リットル以下がより好ましい。溶液のpHは2以
上が好ましく、5〜11がより好ましく、6〜10が更に好ま
しい。このpH、pAg条件で熟成すると、主に無欠陥
の立方体状微粒子が消失し、平板状粒子がエッジ方向に
優先的に成長する。この銀イオンと臭素イオン濃度条件
から離れるにつれ、エッジの優先成長性が低下して、非
平板状粒子の消失速度が遅くなる。また、粒子の主平面
の成長割合が増して、粒子のアスペクト比が低下する。
熟成時にハロゲン化銀溶剤を共存させておけば、熟成が
促進される。ただし、熟成結果は、ハロゲン化銀粒子の
ハロゲン組成、pH、pAg、ゼラチン濃度、温度、ハ
ロゲン化銀溶剤濃度等により変化するため、それぞれの
場合に応じて、トライアルアンドエラー法によって最適
条件を選ぶのが好ましい。
【0019】3)結晶成長過程 銀イオンおよび臭素イオンの過剰イオン濃度を10-2.3
ル/リットル以下、好ましくは10-2.6モル/リットル以
下の等量点近傍に設定して、結晶を成長させると粒子は
エッジ方向に優先的に成長する。この場合、塩素イオン
過剰濃度は10-1.2モル/リットル以下が好ましく、10
-1.5モル/リットル以下がより好ましい。等量点から離
れるにつれ、また成長時の過飽和度が高くなるにつれ
て、エッジ方向に対する主平面方向の成長割合が増す。
等量点から銀イオン濃度を増加させて行くと、主平面形
状は直角平行四辺形で厚味方向の成長割合が増加する。
等量点から臭素イオン濃度を増加させていくと、直角平
行四辺形の角が落ち、厚味方向への成長割合が増加す
る。結晶成長時のpBrを八面体粒子生成領域(臭化銀
では例えばpBr1.2〜2)にすると、平板状粒子の4つ
の角がすべて落ちてエッジ面が(111)面に変化し、厚味
方向へ成長してついには八面体粒子となる。
【0020】これらの条件は粒子のハロゲン組成、溶液
のpH、温度、ハロゲン化銀溶剤濃度等により変化す
る。従って、それぞれの場合に応じて種々のハロゲン化
物塩濃度で成長させ、所望の粒子が得られることを確認
した後、所望のハロゲン化銀粒子を調製することが好ま
しい。例えば、塩化銀粒子の場合は、塩素イオンの過剰
イオン濃度が10-1.5モル/リットルであっても、平板状
粒子はエッジ方向へ優先的に成長する。結晶成長時の温
度は、通常40℃以上にし、好ましくは50〜90℃にする。
【0021】結晶成長時の溶質の添加方法として、主と
して次の2つの方法が有効である。 (1)微粒子乳剤添加法 0.15μm径以下、好ましくは0.1μm径以下、より好まし
くは0.06〜0.006μm径のハロゲン化銀微粒子乳剤を添加
して、オストワルド熟成によって平板状粒子を成長させ
る。微粒子乳剤は連続的に添加してもよいし、断続的に
添加してもよい。また、微粒子乳剤は反応容器の近傍に
設けた混合器で硝酸銀溶液とハロゲン化物塩溶液を供給
することによって連続的に調製し、ただちに反応容器に
連続的に添加してもよいし、予め別の容器でバッチ式に
調製した後に連続的もしくは断続的に添加してもよい。
微粒子乳剤は液状で添加してもよいし、乾燥粉末として
添加してもよい。この微粒子には、多重双晶粒子、1重
双晶粒子およびらせん転位が実質的に含まれていないの
が好ましい。ここでいう多重双晶粒子とは、1粒子あた
り双晶面を2枚以上有する粒子を指す。また、実質的に
含まないとは、粒子数比率が5%以下、好ましくは1%以
下、より好ましくは0.1%以下であることを意味する。
この微粒子のハロゲン組成は、塩化銀、臭化銀、沃臭化
銀(沃素イオン含率は20モル%以下が好ましく、10モル
%以下がより好ましい)およびそれらの2種以上の混晶
である。
【0022】粒子成長時の溶液の条件は、上記の熟成時
の条件と同一である。いずれの過程もオストワルド熟成
により平板状粒子を成長させ、それ以外の微粒子を消滅
させる工程であり、機械的に同じだからである。微粒子
乳剤添加法は、特に平板状粒子をエッジ方向に選択的に
成長させる方法として、好ましく用いることができる。
その理由は次の通りである。平板状粒子をエッジ方向に
選択的に成長させるには、粒子成長時のpBr、温度、
pH等の溶液条件を最適値に選び(例えば臭化銀粒子の
場合は前記等量点近傍)、更に、過飽和度を最適に選ぶ
必要がある。即ち、系の過飽和度を、主平面を成長させ
るに必要な過飽和度より低く、かつ、エッジ面を成長さ
せるのに最低限必要な過飽和度より高い値に精密に制御
する必要がある。添加によって微粒子が多数共存する場
合、系の過飽和度は微粒子の溶解度で規定される。即
ち、微粒子のサイズを選ぶことにより、粒子成長時の過
飽和度を最適値に精密に制御できるためである。微粒子
の形成は、40℃以下、好ましくは30〜10℃の分散媒溶液
中に銀塩溶液とハロゲン化物塩溶液を同時混合法で添加
して行うのが好ましい。添加時間は12分以下が好まし
く、6分間以下がより好ましい。添加中の分散媒溶液中
の銀イオン濃度は臭素イオン濃度より低くする。臭素イ
オン濃度は10-1.7モル/リットル未満であるのが好まし
く、10-2〜10-3.5モル/リットルであるのがより好まし
い。この濃度であれば、前記双晶粒子の混入比率を低下
させることができるうえ、前記のらせん転位等の欠陥粒
子の混入比率を低下させることができる。微粒子乳剤添
加法全般の詳細については、特開平4-34544号公報、特
開平1-183417号公報の記載を参考にすることができる。
【0023】(2)イオン溶液添加法 銀塩溶液とハロゲン化物塩溶液を新核を実質的に発生さ
せない添加速度で同時混合法により添加して、平板状粒
子を成長させる。新核の投影面積比率は、好ましくは10
%以下、より好ましくは1%以下、更に好ましくは0.1%
以下にする。粒子成長時の溶液のpAg、pH、温度、
過飽和濃度等の条件を選択ことによって、平板状粒子の
厚味方向とエッジ方向の成長割合を制御することができ
る。通常、等量点から離れるにつれ、また共存させるハ
ロゲン化銀溶剤濃度が増すにつれて、厚さ方向の成長割
合が増す。一方、等量点近傍で、低過飽和度下で成長さ
せると、エッジ方向が優先的に成長する。ここで低過飽
和度とは、臨界添加速度の70%以下、好ましくは5〜50
%の添加速度で添加している状態を指す。臨界添加速度
とは、それ以上の添加速度で溶質を添加すると、新核が
生じ始める添加速度を指す。粒子成長時の過飽和度を制
御するために、銀塩とハロゲン化物塩の添加速度を添加
時間に対して増すことができる。
【0024】上記の微粒子乳剤添加法とイオン溶液添加
法は併用することもできる。これらの添加法の詳細につ
いては、特開平2-146033号公報、同3-21339号公報、同3
-246534号公報、特開平4-193336号公報および同4-33042
7号公報の記載を参考にすることができる。
【0025】上記の核形成過程、熟成過程および結晶成
長過程において、ハロゲン化銀溶剤を共存させることが
できる。ハロゲン化銀溶剤としては、アンモニア、チオ
エーテル類、チオ尿素類、チオシアン酸塩、有機アミン
系化合物、テトラザインデン化合物等のカブリ防止剤等
を例示することができ、詳細は後述の文献の記載を参考
にすることができる。ハロゲン化銀溶剤の共存量は、0
〜0.3モル/リットルである。上記の成長特性を利用し
て、コア平板状粒子のエッジ方向のみに成長させたり、
厚味方向のみに成長させたり、両方向に成長させたりし
て、粒子のアスペクト比を制御することができる。エッ
ジ方向や厚味方向への選択成長性を上げるために結晶成
長制御剤を結晶成長時に共存させることができる。その
ような結晶成長制御剤として、写真用分光増感色素やカ
ブリ防止剤をあげることができる。トライアルアンドエ
ラー法によって好ましい化合物を選択して、それを好ま
しい濃度で用いることができる。濃度は通常10-6モル/
リットル以上とし、好ましくは10-5〜10-2モル/リット
ルにする。
【0026】上記「従来の技術」に記載される平板状粒
子の製造方法は、いずれも核形成過程と熟成過程のみか
らなるものである。この製造方法では、1バッチあたり
のハロゲン化銀収量が低くて、得られるハロゲン化銀粒
子の粒径も自由に制御できない。また、平板状コア粒子
を通常の結晶成長条件(pBr<2の条件で前記溶質添
加法で溶質を添加する)で成長させても、平板状粒子の
4つの角が落ちて厚味方向に成長し、ついには八面体粒
子となってしまう。このため、従来の製造方法にしたが
っても、本発明が目的とする粒子を得ることはできな
い。本発明が目的とする平板状粒子を得るためには、p
Br2.3以上、pAg2.3以上で結晶成長させる必要があ
る。好ましくは、pAg2.6以上、pBr2.6以上で成長
させる必要がある。但し、塩素イオンの過剰イオン濃度
は10-1.2モル/リットル以下にするのが好ましく、10
-1.5モル/リットル以下にすればより好ましい。例えば
塩化銀核の場合、塩素イオンの過剰イオン濃度は10-1.5
モル/リットルであっても許容される。平板状粒子は結
晶成長体積の50%以上、好ましくは80%以上、より好ま
しくは90%以上を諸条件で成長させるのが好ましい。
【0027】また、この場合、高アスペクト比の平板状
粒子を得るためには、溶質の添加法を微粒子乳剤添加法
にする必要がある。ここで微粒子とは0.15μm径以下、
好ましくは0.1μm径以下、より好ましくは0.06〜0.006
μm径のハロゲン化銀微粒子を指す。溶液条件は上記成
長条件と同じである。主平面の形状は、角が欠けた直角
平行四辺形または直角平行四辺形である。4つの角が対
称的に欠けたものと非対称に欠けたものをあげることが
でき、角の欠損部分の辺長は、その辺の直線部を延長し
た時の四辺形の一辺の長さの1/3以下、好ましくは1/5以
下である。この粒子の粒子表面の70%以上、好ましくは
80%以上、より好ましくは90%以上は(100)面である。
【0028】このような粒子は、通常銀イオンとハロゲ
ンイオンの等濃度近傍で得られる。ある溶液条件下で熟
成を続けた場合の平衡晶癖は、ランダムウォーキングに
より粒子表面に供給されるイオン数/秒と粒子表面から
溶液中へ脱離していくイオン数/秒のバランスにより決
まる。ハロゲン化銀粒子の平衡晶癖は、粒子表面への銀
イオンの供給速度が粒子表面からの銀イオンの脱離速度
にほぼ等しい場合か、粒子表面へのハロゲンイオンの供
給速度が粒子表面からのハロゲンイオンの脱離速度にほ
ぼ等しい場合に決まる。臭化銀(100)面の場合は、粒子
表面からの銀イオンの脱離速度は粒子表面からのハロゲ
ンイオンの脱離速度にほぼ等しい。このため、粒子表面
への銀イオンの供給速度が粒子表面へのハロゲンイオン
の供給速度にほぼ等しいときに溶液は平衡になる。銀イ
オンとハロゲンイオンの拡散係数はほぼ等しいことか
ら、銀イオンとハロゲンイオンの等濃度近傍が平衡溶液
条件となる。一方、臭化銀(111)面の場合は、粒子表面
からの銀イオン脱離速度よりも、粒子表面からの臭素イ
オン脱離速度が大きい。このため、臭素イオン濃度を銀
イオン濃度より大きくしなければ平衡溶液条件にならな
い。沃素イオンはファン・デア・ワールス力が大きくて
脱離しにくいため、沃臭化銀の(100)平衡晶癖は銀イオ
ン濃度がハロゲンイオン濃度より大きい条件下で得られ
る。ハロゲン化銀溶剤を添加した場合は、銀イオン濃度
よりも臭素イオン濃度が大きくても、銀イオン濃度と銀
錯体濃度の和は臭素イオン濃度とほぼ等しくなり、平衡
晶癖は(100)面となる。一方、結晶成長の場合の平衡晶
癖は(100)面と(111)面の相対成長速度比により決定す
る。但し、低過飽和で成長させた時は、熟成平衡に近い
形となる。
【0029】種々の化合物を、ハロゲン化銀沈殿生成過
程で存在させておくことによってハロゲン化銀粒子の性
質をコントロールすることができる。このような化合物
は反応器中に最初から存在させておいてもよいし、また
常法に従って1もしくは2以上の塩を加えるときに添加す
ることもできる。米国特許第2,448,060号明細書、同第
2,628,167号明細書、同第3,737,313号明細書、同第3,77
2,031号明細書およびリチーチ・ディスクロージャー134
巻,1975年6月,13452に記載されるように、銅、イリジウ
ム、鉛、ビスマス、カドミウム、亜鉛、カルコゲン化合
物(例えば硫黄、セレン及びテルル)、金および第VII
属貴金属の化合物のような化合物をハロゲン化銀沈殿生
成過程で存在せしめることによってハロゲン化銀の特性
をコントロールすることができる。また、特公昭58-141
0号公報、モイザー(Moisar)ら著、ジャーナル・オブ・
フォトグラフィック・サイエンス、25巻、1977、19−27
頁に記載されるように、ハロゲン化銀乳剤は沈殿生成過
程において粒子の内部を還元増感することもできる。増
感法の詳細については、以下で詳細に記載する。
【0030】本発明で使用する平板状粒子は、エピタキ
シャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が接合さ
れたものであってもよく、また、例えば、ロダン銀、酸
化鉛のようなハロゲン化銀以外の化合物と接合されたも
のであってもよい。これらの乳剤粒子は、例えば、米国
特許第4,094,684号明細書、同第4,142,900号明細書、同
第4,459,353号明細書、英国特許第2,038,792号明細書、
米国特許第4,349,622号明細書、同第4,395,478号明細
書、同第4,433,501号明細書、同第4,463,087号明細書、
同第3,656,962号明細書、同第3,852,067号明細書および
特開昭59-162540号公報に開示されている。
【0031】(吸着性化合物)本発明のハロゲン化銀写
真感光材料には、(100)面以外の面に選択的に吸着する
化合物が含まれている。(100)面以外の面に選択的に吸
着する化合物は、(100)平板状粒子が含まれている乳剤
層中に実質的に存在していればよい。このため、別層に
含ませておいて、(100)平板状粒子が含まれている乳剤
層に移動するようにしてもよい。しかし、写真調製時に
悪影響が生じないようにする必要があることを考慮すれ
ば、(100)平板状粒子が含まれている乳剤層に吸着性化
合物を含ませておくのが好ましい。添加は、化学増感前
の(100)平板状粒子乳剤調製時に行うのが好ましい。吸
着性化合物の添加量は、乳剤層中の銀1モル当たり10-6
〜10-2モルが好ましく、10-5〜10-3モルであればより好
ましい。
【0032】このような(100)面以外に選択的に吸着す
る化合物を、ハロゲン化銀写真感光材料の(100)平板状
粒子乳剤層に存在させておくことによって、感光材料の
感度と粒状性が極めて良くなることが見いだされてい
る。すなわち、同じハロゲン化銀粒子を含む乳剤層に、
さらに(100)面以外に選択的に吸着する化合物を含有さ
せるだけで、感光材料の感度と粒状性が著しく改善され
ることが確認されている。このことは、後述する実施例
において数値データをもって示されている。一般にハロ
ゲン化銀に対して吸着性を示す化合物は、化合物の分子
骨格や置換基によって(100)面選択性の化合物と(100)面
以外の面選択性の化合物に大別される。平行な主平面が
(100)面である平板状粒子は、主平面は(100)面であり、
かつ側面も(100)面である。しかし、頂点部や稜線部に
は(100)面以外の面が少ないながらも存在する。特に、
頂点部や稜線部が丸みを帯びている粒子の場合、(100)
面以外の面の存在比率は高い。これらの面は、主として
頂点部は(111)面であり、稜線部は(110)面であるものと
見なされる。(100)面以外に選択的に吸着する化合物の
初期の吸着は、(100)面よりも優先的に(100)面以外の面
に起こる。
【0033】ハロゲン化銀吸着性の化合物が(100)面以
外に選択性的に吸着する化合物であるか否かは、後述す
る参考例に記載される方法で調製した乳剤を用いて判定
する。この乳剤には、粒子直径0.45μm、粒子直径の変
動係数12%の単分散十四面体臭化銀粒子が含まれてお
り、その粒子表面晶癖の(100)面と(111)面比率は1対1に
なっている。この乳剤に4×10-4モル/モルAgになるよ
うに吸着性化合物を添加して、乳剤粒子と同銀量により
シェル付けして試験を行う。その結果、粒子晶癖の(10
0)/[非(100)+(100)]比率が0.45以下であれば、(100)
面以外に選択性的に吸着する化合物と判定する。この判
定に際しては、(100)面選択性の高い化合物を吸着させ
れば、その後の粒子は(100)面以外で成長し易くなり、
その結果(100)面が形成されるという原理が考慮されて
いる。粒子晶癖の判断は、炭素蒸着を施した粒子を溶解
して作成したレプリカを透過型電子顕微鏡で観察して行
うことができる。
【0034】(100)面以外の面に選択的に吸着する化合
物の代表的なものとして、下記一般式〔I〕で表される
ものが挙げられる。 一般式〔I〕:
【化2】
【0035】Zによって形成される5−6員環として、オ
キサゾール、オキサゾリン、チアゾール、チアゾリン、
チアジアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、テ
トラゾール、ピリジン、ピリミジン等を例示することが
できる。Mは水素原子、アルカリ原子(例えばナトリウ
ム、カリウム等)またはアンモニウム基を表すが、特に
水素原子が好ましい。以下に一般式〔I〕で示される具
体的化合物例を示すが、本発明はこれらに限定されな
い。
【0036】
【化3】
【0037】
【化4】
【0038】
【化5】
【0039】(還元増感)本発明で用いるアスペクト比
1.3以上の(100)平板状粒子は、還元増感されていなけれ
ばならない。本明細書において還元増感とは、(1)ハロ
ゲン化銀乳剤に還元増感剤を添加する方法、(2)pAg1
〜7の低pAg雰囲気下で成長または熟成させる銀熟成
法、および、(3)pH8〜11の高pH雰囲気下で成長また
は熟成させる高pH熟成法をさす。本発明では、これら
の還元増感法のいずれか1種を用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて使用してもよい。還元増感は還元増感剤
を添加して行うのが、還元増感のレベルを微妙に調節で
きるので好ましい。還元増感剤として、第一錫塩、アス
コルビン酸およびその誘導体、アミンおよびポリアミン
類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、
シラン化合物、ボラン化合物などの公知の還元増感剤の
1種または2種以上を選択して用いることができる。その
中でも塩化第一錫、二酸化チオ尿素、ジメチルアミンボ
ラン、アスコルビン酸およびその誘導体を使用するのが
好ましい。還元増感剤の添加量は乳剤製造条件に依存す
るが、通常はハロゲン化銀1モル当り10-7〜10-3モルに
するのが適当である。
【0040】還元増感剤は、水、アルコール類、グリコ
ール類、ケトン類、エステル類、アミド類などの溶媒に
溶解したうえで、粒子成長中に添加するのが好ましい。
粒子成長前にあらかじめ反応容器に入れておくこともで
きるが、粒子成長の適当な時期に添加する方が好まし
い。また、水溶性銀塩または水溶性アルカリハライドの
水溶液にあらかじめ還元増感剤を添加しておき、これら
の水溶液を用いてハロゲン化銀粒子を沈殿させてもよ
い。また、粒子成長に伴って還元増感剤の溶液を何回か
に分けて添加したり、連続して長時間添加するのも好ま
しい方法である。還元増感は、後述するその他の化学増
感の前、増感中あるいは増感後のいずれの段階でも行う
ことができる。還元増感の際または還元増感の前後に、
銀に対する酸化剤を使用するのが好ましい。銀に対する
酸化剤も、粒子形成や化学増感の段階によらずに適用す
ることができる。本明細書において銀に対する酸化剤と
は、金属銀に作用して銀イオンに変換せしめる作用を有
する化合物をいう。特にハロゲン化銀粒子の形成過程や
化学増感過程において副生するきわめて微小な銀粒子
を、銀イオンに変換する化合物が有効である。生成する
銀イオンは、ハロゲン化銀、硫化銀、セレン化銀等の水
に難溶の銀塩を形成してもよいし、硝酸銀等の水に易溶
の銀塩を形成してもよい。
【0041】銀に対する酸化剤は、無機物であっても有
機物であってもよい。無機酸化剤としては、オゾン、過
酸化水素およびその付加物(例えば NaBO2・H2O2・3H
2O、2Na2CO3・3H2O2、Na4P2O7・2H2O2、2Na2SO4・H2O2
・2H2O)、ペルオキシ酸塩(例えばK2S2O8、K2C2O6、K2
P2O8)、ペルオキシ錯体化合物(例えばK2[Ti(O2)C2O4]
・3H2O、4K2SO4・Ti(O2)OH・SO4・2H2O、Na3[VO(O2)(C2
H4)2]・6H2O)、過マンガン酸塩(例えばKMnO4)、クロ
ム酸塩(例えばK2Cr2O7)などの酸素酸塩、沃素や臭素な
どのハロゲン元素、過ハロゲン酸塩(例えば過沃素酸カ
リウム)、高原子価の金属の塩(例えばヘキサシアノ第
二鉄酸カリウム)およびチオスルフォン酸塩を例示する
ことができる。また、有機酸化剤としては、p−キノン
などのキノン類、過酢酸や過安息香酸などの有機過酸化
物、活性ハロゲンを放出する化合物(例えばN−ブロム
スクシンイミド、クロラミンT、クロラミンB)を例示
することができる。好ましい酸化剤は、オゾン、過酸化
水素およびその付加物、ハロゲン元素、チオスルフォン
酸塩、キノン類である。
【0042】(その他の化学増感)本発明で使用するハ
ロゲン化銀粒子には、上記の還元増感以外の化学増感を
施こすことができる。好ましい化学増感はカルコゲン増
感と貴金属増感であり、2種以上の増感法を組み合せて
施すのがより好ましい。カルコゲン増感には硫黄増感、
セレン増感、テルル増感が含まれ、貴金属増感には金増
感、白金増感、パラジウム増感、イリジウム増感が含ま
れる。貴金属増感の中では、特に金増感、パラジウム増
感および両者を組み合わせて増感するのが好ましい。ま
た、カルコゲン増感と貴金属増感の組み合わせでは、硫
黄増感と金増感を組み合わせるのが好ましい。これらの
増感剤の使用量は、いずれもハロゲン化銀1モル当り1
×10-4〜1×10-7モルにするのが好ましく、1×10-5〜5
×10-7モルにするのがより好ましい。
【0043】これらの化学増感は、ジェームス著、ザ・
セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス
(T.H.James,The Theory of the Photographic Proces
s),第4版,マクミラン社刊(1977年)67−76頁に記載され
るように、活性ゼラチンを用いて行うことができる。ま
た、リサーチ・ディスクロージャー120巻,1974年4月,12
008、同34巻,1975年6月,13452、米国特許第2,642,361号
明細書、同3,297,446号明細書、同3,772,031号明細書、
同3,857,711号明細書、同3,901,714号明細書、同4,266,
018号明細書、同3,904,415号明細書および英国特許第1,
315,755号明細書に記載されるように、pAg5〜10、p
H5〜8、温度30〜80℃の条件下で、硫黄増感剤、セレン
増感剤、テルル増感剤、金増感剤、白金増感剤、パラジ
ウム増感剤、イリジウム増感剤またはこれら増感剤の複
数の組合せを用いて行うことができる。
【0044】これらの化学増感は、ハロゲン化銀乳剤の
製造工程の任意の段階で行うことができる。いかなる段
階でこれらの化学増感を行うかによって、種々のタイプ
の乳剤を調製することができる。例えば、粒子の内部に
化学増感核をうめ込むタイプ、粒子表面から浅い位置に
うめ込むタイプ、表面に化学増感核を作るタイプを調製
することができる。これらのタイプは目的に応じて適宜
選択することができる。一般に好ましいのは、表面近傍
に少なくとも一種の化学増感核を有する場合である。
【0045】以下に、代表的な化学増感に使用する化合
物を例示する。硫黄増感を行う場合には、ハイポ、チオ
尿素系化合物、ロダニン系化合物および米国特許第3,85
7,711号明細書、同4,266,018号明細書および同4,054,45
7号明細書に記載されている硫黄含有化合物等を用いる
ことができる。また、いわゆる化学増感助剤の存在下で
化学増感することもできる。化学増感助剤は、化学増感
の過程でカブリを抑制し、感度を増大するものをが有用
である。そのような化学増感助剤として、アザインデ
ン、アザピリダジン、アザピリミジンを例示することが
できる。また、化学増感助剤の改質剤を使用することも
でき、その具体例は米国特許第2,131,038号明細書、同
3,411,914号明細書、同3,554,757号明細書、特開昭58-1
26526号公報および前述ダフィン著「写真乳剤化学」,13
8〜143頁に記載されている。
【0046】セレン増感を行う場合は、公知の不安定セ
レン化合物を用いることができる。具体的には、コロイ
ド状金属セレニウム、セレノ尿素類(例えば、N,N−
ジメチルセレノ尿素、N,N−ジエチルセレノ尿素
等)、セレノケトン類、セレノアミド類等のセレン化合
物を用いることができる。セレン増感を行う場合は、硫
黄増感および金増感と組み合せて行うのがもっとも好ま
しい。金増感を行う場合には、塩化金酸、カリウムクロ
ロオーレート、カリウムオーソチオシアネート、硫化
金、金セレナイド等の公知の化合物を用いることができ
る。これらの金化合物は、チオシアン酸塩あるいはセレ
ノシアン酸塩とともに用いるのが好ましい。
【0047】パラジウム増感を行う場合は、パラジウム
2価塩または4価塩を用いることができる。好ましいパラ
ジウム化合物は、一般式R2PdX6またはR2PdX4で表わされ
る。ここで、Rは水素原子、アルカリ金属原子またはア
ンモニウム基を表わし、Xは塩素、臭素または沃素原子
を表わす。具体的には、K2PdCl4、(NH4)2PdCl6、Na2PdC
l4、(NH4)2PdCl4、Li2PdCl4、Na2PdCl6またはK2PdBr4
用いるのが好ましい。これらのパラジウム化合物は、チ
オシアン酸塩あるいはセレノシアン酸塩とともに用いる
のが好ましい。
【0048】(分光増感)本発明で使用するハロゲン化
銀粒子は、メチン色素類などの増感色素を添加すること
によって分光増感されていることが、本発明の効果を十
分に発揮させるうえで好ましい。増感色素の添加量は、
ハロゲン化銀1モル当り4×10-6〜8×10-3モルである。
ハロゲン化銀が好ましい粒子サイズ(0.2〜1.2μm)を
有する場合は、増感色素の添加量を約5×10-5〜2×10-3
モルにすればより有効である。分光増感に使用すること
ができる色素として、シアニン色素、メロシアニン色
素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポ
ーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色系
およびヘミオキソノール色素を例示することができる。
特に有用な増感色素は、シアニン色素、メロシアニン色
素および複合メロシアニン色素であり、その中でもシア
ニン色素が好ましい。これらの増感色素分子には、シア
ニン色素が通常有する塩基性異節環核がその構造の一部
として存在していてもよい。すなわち、ピロリン核、オ
キサゾリン核、チオゾリン核、ピロール核、オキサゾー
ル核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾール
核、テトラゾール核、ピリジン核などが存在していても
よい。また、これらの核に脂環式炭化水素環が融合した
核やこれらの核に芳香族炭化水素環が融合した核が存在
していてもよい。後者の例として、インドレニン核、ベ
ンズインドレニン核、インドール核、ベンズオキサドー
ル核、ナフトオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、ナ
フトチアゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベンズイミ
ダゾール核、キノリン核などを例示することができる。
これらの塩基性異節環核の炭素原子上には置換基が存在
していてもよい。また、メロシアニン色素または複合メ
ロシアニン色素には、ケトメチレン構造を有する核とし
て、ピラゾリン−5−オン核、チオヒダントイン核、2−
チオオキサゾリジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−
2,4−ジオン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核
などの5〜6員異節環核が存在していてもよい。
【0049】これらの増感色素は単独で使用してもよい
が、2種以上を組合せて使用してもよい。とくに強色増
感を目的とする場合は、2種以上の増感色素を組み合わ
せて使用することが多い。その代表例が、米国特許第2,
688,545号明細書、同2,977,229号明細書、同3,397,060
号明細書、同3,522,052号明細書、同3,527,641号明細
書、同3,617,293号明細書、同3,628,964号明細書、同3,
666,480号明細書、同3,672,898号明細書、同3,679,428
号明細書、同3,703,377号明細書、同3,769,301号明細
書、同3,814,609号明細書、同3,837,862号明細書、同4,
026,707号明細書、英国特許第1,344,281号明細書、同1,
507,803号明細書、特公昭43-4936号公報、同53-12375号
公報、特開昭52-110618号公報、同52-109925号公報に記
載されている。なお、本発明の乳剤中には、分光増感作
用を示さない色素や可視光を実質的に吸収しない物質で
あって、強色増感を示す物質がさらに含まれていてもよ
い。
【0050】増感色素は、有用なものとして知られてい
る乳剤調製法のいかなる段階で乳剤に添加してもよい。
通常は化学増感完了後で塗布前に添加するが、米国特許
第3,628,969号明細書および同第4,225,666号明細書に記
載されているように、化学増感剤の添加にあわせて増感
色素を添加して分光増感を化学増感と同時に行なうこと
もできる。また、特開昭58-113928号公報に記載されて
いるように、化学増感に先立って分光増感を行なうこと
もできるし、ハロゲン化銀粒子の沈殿生成が完了する前
に増感色素を添加して分光増感を始めることもできる。
さらに、米国特許第4,225,666号明細書に教示されてい
るように、増感色素を複数回に分けて添加することもで
きる。このため、例えば増感色素の一部を化学増感に先
立って添加し、残部を化学増感の後で添加することも可
能である。また、米国特許第4,183,756号明細書に開示
されているように、増感色素はハロゲン化銀粒子形成中
のいずれの時期に添加してもよい。好ましい添加時期は
化学増感剤添加時であり、より好ましいのは化学増感前
である。
【0051】(感光材料の層構成)本発明のハロゲン化
銀写真感光材料には、少なくとも1層のハロゲン化銀乳
剤層が存在する。複数の乳剤層が存在する場合は、感色
性が異なる乳剤層の組み合わせであってもよいし、感色
性は同じであるが感光度が異なる複数の乳剤層の組み合
わせであってもよい。後者の場合は、感光性層ユニット
を形成していてもよい。例えば、低感度青感光性層、中
感度青感光性層および高感度青感光性層が青感光性層ユ
ニットを形成し、赤感光性層ユニット、緑感光性層ユニ
ットとともにハロゲン化銀写真感光材料を構成していて
もよい。このような感光度や感色性の異なる乳剤層や感
光性層ユニットの選択や配列順序に制限はない。例え
ば、西独特許第1,121,470号明細書および英国特許第92
3,045号明細書に記載されるように、高感度乳剤層と低
感度乳剤層の2層構成を有するものを好ましい例として
挙げることができる。感光度が異なる層が存在する場
合、通常は特公昭49-15495号公報に記載されるように支
持体に向かって感光度が低くなるように配列するのが好
ましい。しかし、特開昭57-112751号公報、同62-200350
号公報、同62-206541号公報および同62-206543号公報に
記載されるように、支持体から遠い方に低感度乳剤層を
設置し、支持体に近い方に高感度乳剤層を設置してもよ
い。また、特開昭59-202464号公報に記載されるよう
に、同一感色性層中において、支持体に向かって中感度
乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配列しても
よい。また、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤
層の順や、低感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層
の順に配列してもよい。さらに、4層以上の場合もこれ
に準じて配列を適宜決定することができる。
【0052】感光性層ユニットの配列については、通常
支持体に向かって青感光性層ユニット、緑感光性層ユニ
ット、赤感光性層ユニットの順に設置するのが普通であ
る。しかし、目的に応じて変更することは可能であり、
また、同一感色性層中に異なる感色性層が挟まれた配列
順序をとることもできる。例えば、支持体に向かって低
感度青感光性層(BL)、高感度青感光性層(BH)、高感
度緑感光性層(GH)、低感度緑感光性層(BL)、高感度
赤感光性層(RH)、低感度赤感光性層(RL)の順に配列
したり、BH/BL/GL/GH/RH/RLの順に配列したり、BH/BL/G
H/GL/RL/RHの順に配列することができる。また、特公昭
55-34932号公報に記載されるように、支持体に向かって
青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもできる。
さらに、特開昭56-25738号公報および同62-63936号公報
に記載されるように、支持体に向かって青感光性層/GL/
RL/GH/RHの順に配列することもできる。これらのハロゲ
ン化銀感光性層の間や最上層および最下層には、各種の
中間層などの非感光性層を設けてもよい。また、支持体
の上にはハレーション防止層を設けてもよい。中間層に
は、特開昭61-43748号公報、同59-113438号公報、同59-
113440号公報、同61-20037号公報、同61-20038号公報に
記載されているカプラーやDIRなどを含ませてもよ
い。また、通常用いられている混色防止剤を含ませても
よい。
【0053】(非平板状粒子の併用)本発明のハロゲン
化銀写真感光材料の乳剤層には、(100)平板状粒子とと
もに、通常の化学増感を施したハロゲン化銀粒子(以
下、非(100)平板状粒子という)を含ませることができ
る。特にカラー写真感光材料の場合は、(100)平板状粒
子乳剤と非(100)平板状粒子乳剤を、それぞれ異なる乳
剤層に存在させてもよいし、同じ乳剤層に存在させても
よい。非(100)平板状粒子の種類は特に制限されない。
このため、臭化銀、沃臭化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀お
よび塩化銀などのいずれのハロゲン化銀であってもよ
い。好ましいハロゲン化銀は、30モル%以下の沃化銀を
含む沃臭化銀または沃塩臭化銀である。特に好ましいの
は、2−25モル%の沃化銀を含む沃臭化銀である。ま
た、非(100)平板状粒子の形状も特に制限されない。こ
のため、例えば立方体、八面体、十四面体のような規則
的な結晶体を有するレギュラー粒子、(111)平板状粒
子、球状やじゃがいも状のような変則的な結晶形を有す
る粒子などを使用することができる。粒径は0.1μm以下
の微粒子でも、投影面積直径10μm以下の大きな粒子で
もよい。また、狭い分布を有する単分散乳剤でも、広い
分布を有する多分散乳剤でもよい。
【0054】非(100)平板状粒子の結晶構造は一様なも
のであっても、内部と外部とが異質なハロゲン組成から
なる物であってもよい。また、層状構造をなしていても
構わない。これらの構造の詳細は、例えば、英国特許第
1,027,146号明細書、米国特許第3,505,068号明細書、同
第4,444,877号明細書および特開昭60-143331号公報に記
載されている。本発明に用いられる非平板状粒子は、例
えば、グラフキデ著「写真の物理と化学」(P. Glafkde
s. Chimie et Physique Photographique),ポールモン
テル社刊(1967);ダフィン著「写真乳剤化学」(G. F.
Duffin, Photographic Emulsion Chemistry),フォーカ
ルプレス社刊 (1966);ゼリクマンら著「写真乳剤の製
造と塗布」(V. L. Zelikman et al, Making and Coati
ng Photographic Emulsion),フォーカルプレス社刊(1
964)に記載された方法を用いて調製することができ
る。すなわち、酸性法、中性法、アンモニア法などのい
ずれによってもよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン
塩を反応させる形式として、片側混合法、同時混合法、
それらの組合わせなどのいずれを選択してもよい。粒子
を銀イオン過剰下で形成させる方法(いわゆる逆混合
法)を用いることもできる。同時混合法の一つの形式と
して、ハロゲン化銀が生成する液相中のpAgを一定に
保つ方法(いわゆるコントロールド・ダブルジェット
法)を用いることもできる。この方法によれば、結晶形
が規則的で粒子サイズが均一に近いハロゲン化銀乳剤が
得られる。また、別々に形成した2種以上のハロゲン化
銀乳剤を混合して用いてもよい。
【0055】前記のレギュラー粒子からなるハロゲン化
銀乳剤は、粒子形成中のpAgとpHを制御することに
よって調製することができる。詳しくは、フォトグラフ
ィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング,第6
巻,159〜165頁(1962);ジャーナル・オブ・フォトグラ
フィック・サイエンス,12巻,242〜251頁(1964)、米国特
許第3,655,394号明細書および同第1,413,748号明細書な
どに記載されている。また、単分散乳剤とその調製法に
ついては、例えば、特開昭48-8600号公報、同51-39027
号公報、同51-83097号公報、同53-137133号公報、同54-
48521号公報、同54-99419号公報、同58-37635号公報、
同58-49938号公報、特公昭47-11386号公報、米国特許第
3,655,394号明細書および英国特許第1,413,748号明細書
に記載されている。本発明のハロゲン化銀写真感光材料
には、0.6μm以下、好ましくは0.2μm以下の非感光性微
粒子乳剤を、例えば、現像促進、保存性改良、反射光の
有効利用などの目的でハロゲン化銀乳剤層、中間層また
は保護層に添加してもよい。
【0056】(その他の材料および製造工程)本発明の
ハロゲン化銀写真感光材料の製造にあたって、リサーチ
・ディスクロージャーNo.308119(1989年)、No.37038
(1995年)に記載される技術や無機素材・有機素材を用
いることができる。これに加えて、欧州特許公開第436,
938号の下記の箇所および下記に引用の特許に記載され
ている技術や材料も用いることができる。これらの開示
を参照することによって、当業者は本発明の感光材料の
製造に使用することができる材料、技術、素材を適宜選
択することができる。したがって、これらの刊行物の開
示を本明細書の開示として含める。
【0057】(1) 併用しうるハロゲン化銀乳剤:147 頁
26行〜148 頁12行; (2) イエローカプラー:137 頁35行〜146 頁33行、149
頁21行〜23行; (3) マゼンタカプラー:149 頁24行〜28行、欧州特許公
開第421,453号の3頁5行〜25頁55行; (4) シアンカプラー:149 頁29行〜33行、欧州特許公開
第432,804号の3頁28行〜40頁2行; (5) ポリマーカプラー:149 頁34行〜38行、 欧州特許公
開第435,334号の113 頁39行〜123 頁37行; (6) カラードカプラー:53頁42行〜137 頁34行、149 頁
39行〜45行; (7) その他の機能性カプラー:7頁1行〜53頁41行、 149
頁46行〜150 頁3行、 欧州特許公開第435,334号の3頁1行
〜29頁50行; (8) 防腐・ 防黴剤:150 頁25行〜28行; (9)ホルマリンスカベンジャー:149 頁15行〜17行; (10)併用しうるその他の添加剤:153 頁38行〜47行、欧
州特許公開第421,453号の75頁21行〜84頁56行、27頁40
行〜37頁40行; (11)分散方法:150 頁4行〜24行; (12)支持体:150 頁32行〜34行; (13)膜厚・膜物性:150 頁35行〜49行; (14)発色現像工程:150 頁50行〜151 頁47行; (15)脱銀工程:151 頁48行〜152 頁53行; (16)自動現像機:152 頁54行〜153 頁2行; (17)水洗・安定工程:153 頁3行〜37行
【0058】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるこ
とはない。
【0059】実施例1 本実施例において、種々の粒子を含有するハロゲン化銀
写真感光材料(試料11〜19)を作製し、その感度と粒状
性を比較した。 (粒子の作製) 粒子a 75℃に維持した撹拌中のゼラチン水溶液(0.037%)
に、硝酸銀水溶液(1.0M)および臭化カリウムと沃化
カリウムを含む水溶液(0.75M)を同時にダブルジェッ
ト法により添加した。この添加は流量加速しながら12.4
分かけて行い、その間、溶液の飽和カロメル電極に対す
る銀電位を+80mVに保った。可溶性塩類を除去した後、
ゼラチンを加えて、60℃、pH6.2、pAg8.6に調整し
た。以上の方法により調製した粒子aは、乳剤粒子のレ
プリカのTEM像から求めた結果、投影面積の約95%が
円相当径0.7μm、変動係数7%、沃化銀含量2モル%、ア
スペクト比1.0、主平面(100)の単分散立方体粒子である
ことが確認された。
【0060】粒子b 臭化カリウム15gおよび不活性ゼラチン25gを、蒸留水
3.7リットルに溶解した。この水溶液をよく攪拌しなが
ら、50℃の14%臭化カリウム水溶液と20%硝酸銀水溶液
を1分間一定流量でダブルジェット法により添加した。
この添加によって全銀量の10.0%を消費した。その後、
ゼラチン水溶液(17%、300ml)を加えて75℃まで昇温し
た後、pAgが8.40に達するまで20%の硝酸銀水溶液を
一定流量で加えた。この添加によって全銀量の5.0%を
消費した。次に、温度を75℃に上げ、25%アンモニア水
35mlを添加して15分間保持した。その後、1N硫酸を510
ml添加して中和した。
【0061】さらに、pAgを8.4に保ちながら、20%
臭化カリウム水溶液および33%硝酸銀水溶液をダブルジ
ェット法により添加した。添加は、全銀量の45%を消費
した時点で中断した。温度を55℃に下げ、臭化カリウム
を添加してpAgを9.4に調節した。さらに、1%の沃化
カリウム水溶液833mlを120秒かけて添加して、その後、
中断していた臭化カリウム水溶液と硝酸銀水溶液の添加
を50分かけて行った。以上の方法により調製した粒子b
は、乳剤粒子のレプリカTEM像から求めた結果、投影
面積の98%が球相当径0.7μm、アスペクト比5.0、平均
ヨード含有量2.0モル%、主平面が六角形の(111)面であ
る平板状粒子であることが確認された。
【0062】粒子c 反応容器に、ゼラチン溶液(水1200ml、脱イオン化アル
カリ処理骨ゼラチン24g、1N硝酸カリウム5mlを含み、1
N硝酸でpH4.0に調整)とC2H5SO2S-CH3 1×10-3モル
を入れて40℃に維持した。攪拌しながら硝酸銀水溶液
(AgNO3 3g/100ml)を10ml添加し、5分後に硝酸銀水溶
液(AgNO3 20g/100ml)およびそれと等モル濃度の沃臭
化銀水溶液(KBr:KI=98.5:1.5モル比)を48ml/分で1
分かけて添加した。添加は、精密送液ポンプを用いて同
時混合法により行った。1分間攪拌した後、硝酸と水酸
化カリウム水溶液を用いてpHを6.1に調節し、さらに
硝酸銀水溶液(AgNO3 3g/100ml)と臭化カリウム水溶
液(KBr 3g/100ml)を用いて銀電位を160mVに調節し
た。次に、10分かけて温度を75℃に上げ、30分間熟成し
た。硝酸アンモニウム水溶液(50重量%)5ml、アンモ
ニア水(25重量%)5mlを添加した後、硝酸銀水溶液(A
gNO3 10g/100ml)と沃臭化銀水溶液(100ml中にKBr 6.
8g、KI 0.294gを含む)を、銀電位を120mVに保ちなが
らC.D.J.(Controlled doublejet)添加した。初期流
量は10ml/分とし、0.05ml/分の直線的流量加速添加法
により合計570mlを添加した。2分間攪拌した後、30℃に
降温し、沈降水洗法で水洗した。ゼラチン水溶液を添加
して乳剤を再分散し、pHを6.4、pBrを2.8に調節し
た。
【0063】以上の方法により調製した粒子cは、乳剤
粒子のレプリカTEM像から求めた結果、投影面積の約
93%が平均球相当径0.7μm、平均アスペクト比4.9、粒
子サイズ分布の変動係数28%の平板状粒子であることが
確認された。該粒子はコア/シェル型粒子であり、I-
含率はコア層が1.5モル%、シェル層が3モル%、全体で
2.7モル%であった。
【0064】粒子d 反応容器に、ゼラチン溶液(水1200ml、脱イオン化アル
カリ処理骨ゼラチン24g、1N硝酸カリウム5mlを含み、1
N硝酸でpH4.0に調整)とC2H5SO2S-CH3 1×10-3モル
を入れて40℃に維持した。攪拌しながら硝酸銀水溶液
(AgNO3 3g/100ml)を10ml添加し、5分後に硝酸銀水溶
液(AgNO3 20g/100ml)およびそれと等モル濃度の沃臭
化銀水溶液(KBr:KI=98.5:1.5モル比)を48ml/分で1
分かけて添加した。添加は、精密送液ポンプを用いて同
時混合法により行った。1分間攪拌した後、硝酸と水酸
化カリウム水溶液を用いてpHを6.1に調節し、さらに
硝酸銀水溶液(AgNO3 3g/100ml)と臭化カリウム水溶
液(KBr 3g/100ml)を用いて銀電位を160mVに調節し
た。次に、10分かけて温度を75℃に上げ、30分間熟成し
た。硝酸アンモニウム水溶液(50重量%)5ml、アンモ
ニア水(25重量%)5ml、二酸化チオ尿素8×10-6モル/
モルAgを添加した後、硝酸銀水溶液(AgNO3 10g/100m
l)と沃臭化銀水溶液(100ml中にKBr 6.8g、KI 0.294
gを含む)を、銀電位を120mVに保ちながらC.D.J.添
加した。初期流量は10ml/分とし、0.05ml/分の直線的
流量加速添加法により合計570mlを添加した。2分間攪拌
した後、ベンゼンチオスルフォン酸8×10-6モル/モルA
gを添加し、30℃に降温して、沈降水洗法で水洗した。
ゼラチン水溶液を添加して乳剤を再分散し、pHを6.
4、pBrを2.8に調節した。
【0065】以上の方法により調製した粒子dは、乳剤
粒子のレプリカTEM像から求めた結果、投影面積の約
93%が平均球相当径0.7μm、平均アスペクト比4.9、粒
子サイズ分布の変動係数28%の平板状粒子であることが
確認された。該粒子はコア/シェル型粒子であり、I-
含率はコア層が1.5モル%、シェル層が3モル%、全体で
2.7モル%であった。
【0066】粒子e 反応容器に、ゼラチン溶液(水1200ml、脱イオン化アル
カリ処理骨ゼラチン24g、1N硝酸カリウム5mlを含み、1
N硝酸でpH4.0に調整)とC2H5SO2S-CH3 1×10-3モル
を入れて40℃に維持した。攪拌しながら硝酸銀水溶液
(AgNO3 3g/100ml)を10ml添加し、5分後に硝酸銀水溶
液(AgNO3 20g/100ml)およびそれと等モル濃度の沃臭
化銀水溶液(KBr:KI=98.5:1.5モル比)を48ml/分で1
分かけて添加した。添加は、精密送液ポンプを用いて同
時混合法により行った。1分間攪拌した後、硝酸と水酸
化カリウム水溶液を用いてpHを6.1に調節し、さらに
硝酸銀水溶液(AgNO3 3g/100ml)と臭化カリウム水溶
液(KBr 3g/100ml)を用いて銀電位を160mVに調節し
た。次に、10分かけて温度を75℃に上げ、30分間熟成し
た。硝酸アンモニウム水溶液(50重量%)5ml、アンモ
ニア水(25重量%)5mlを添加した後、硝酸銀水溶液(A
gNO310g/100ml)と沃臭化銀水溶液(100ml中にKBr 6.8
g、KI 0.294gを含む)を、銀電位を120mVに保ちなが
らC.D.J.添加した。初期流量は10ml/分とし、0.05m
l/分の直線的流量加速添加法により合計570mlを添加し
た。次いで、化合物I−26を1×10-4モル/モルAg添加し
て2分間攪拌した後、30℃に降温し、沈降水洗法で水洗
した。ゼラチン水溶液を添加して乳剤を再分散し、pH
を6.4、pBrを2.8に調節した。
【0067】以上の方法により調製した粒子eは、乳剤
粒子のレプリカTEM像から求めた結果、投影面積の約
93%が平均球相当径0.7μm、平均アスペクト比4.9、粒
子サイズ分布の変動係数28%の平板状粒子であることが
確認された。該粒子はコア/シェル型粒子であり、I-
含率はコア層が1.5モル%、シェル層が3モル%、全体で
2.7モル%であった。
【0068】粒子f 反応容器に、ゼラチン溶液(水1200ml、脱イオン化アル
カリ処理骨ゼラチン24g、1N硝酸カリウム5mlを含み、1
N硝酸でpH4.0に調整)とC2H5SO2S-CH3 1×10-3モル
を入れて40℃に維持した。攪拌しながら硝酸銀水溶液
(AgNO3 3g/100ml)を10ml添加し、5分後に硝酸銀水溶
液(AgNO3 20g/100ml)およびそれと等モル濃度の沃臭
化銀水溶液(KBr:KI=98.5:1.5モル比)を48ml/分で1
分かけて添加した。添加は、精密送液ポンプを用いて同
時混合法により行った。1分間攪拌した後、硝酸と水酸
化カリウム水溶液を用いてpHを6.1に調節し、更に硝
酸銀水溶液(AgNO3 3g/100ml)と臭化カリウム水溶液
(KBr 3g/100ml)を用いて銀電位を160mVに調節し
た。次に、10分かけて温度を75℃に上げ、30分間熟成し
た。硝酸アンモニウム水溶液(50重量%)5ml、アンモ
ニア水(25重量%)5ml、二酸化チオ尿素8×10-6モル/
モルAgを添加した後、硝酸銀水溶液(AgNO310g/100m
l)と沃臭化銀水溶液(100ml中にKBr6.8g、KI0.2
94gを含む)を、銀電位を120mVに保ちながらC.D.J.
添加した。初期流量は10ml/分とし、0.05ml/分の直線
的流量加速添加法により合計570mlを添加した。次い
で、化合物I−26を1×10-4モル/モルAg添加して2分間
攪拌した後、ベンゼンチオスルフォン酸8×10-6モル/
モルAgを添加し、30℃に降温して、沈降水洗法で水洗し
た。ゼラチン水溶液を添加して乳剤を再分散し、pHを
6.4、pBrを2.8に調節した。
【0069】以上の方法により調製した粒子dは、乳剤
粒子のレプリカTEM像から求めた結果、投影面積の約
93%が平均球相当径0.7μm、平均アスペクト比4.9、粒
子サイズ分布の変動係数28%の平板状粒子であることが
確認された。該粒子はコア/シェル型粒子であり、I-
含率はコア層が1.5モル%、シェル層が3モル%、全体で
2.7モル%であった。
【0070】粒子g 化合物I-26の代わりにI-12を用いて、上記粒子fの製造
方法と同じ方法で粒子gを調製した。得られた粒子の特
徴は、粒子fと同じであった。 粒子h 化合物I-26の代わりにI-1を用いて、上記粒子fの製造
方法と同じ方法で粒子gを調製した。得られた粒子の特
徴は、粒子fと同じであった。 粒子i 化合物I-26の代わりにI-7を用いて、上記粒子fの製造
方法と同じ方法で粒子gを調製した。得られた粒子の特
徴は、粒子fと同じであった。
【0071】(化学増感)上で作製した粒子a〜iに対し
て、60℃、pH6.20、pAg8.40の条件下で以下に記載
する化学増感を施した。先ず、後掲の増感色素S-9を銀
1モルあたり9×10-4モル添加した。続いて銀1モルあ
たり3.0×10-3モルのチオシアン酸カリウム、6×10-6
ルの塩化金酸カリウム、1×10-5モルのチオ硫酸ナトリ
ウムおよびセレン増感剤、ハロゲン化銀1モルあたり3
×10-6モルのN,N−ジメチルセレノ尿素を添加して、6
0℃で熟成した。熟成時間は、1/100秒露光の感度が最高
となる様に調節した。その結果、粒子a〜iに対応する乳
剤a〜iを得た。
【0072】(試料11〜19の作製)下塗層を有するトリ
アセチルセルロースフィルム支持体上に、銀量が0.5g/m
2となるように乳剤層と保護層を同時押し出し法で塗布
することによって、試料11〜19を作成した。乳剤層に
は、乳剤a〜iのいずれか1つ、後掲の化合物C-7、トリク
レジルフォスフェート、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラザインデン(安定剤)およびドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム(塗布助剤)を含有させ
た。また、保護層には、ポリメチルメタクリレート微粒
子、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナ
トリウム塩およびゼラチンを含有させた。
【0073】(試料の評価)作製した試料11〜19にセン
シトメトリー用露光(1/100秒)を与え、下記の現像処
理液を用いて現像処理を行った。その後、感度と粒状性
を測定して比較した。感度は、カブリ+0.2の濃度を与
える相対露光量で比較した。粒状性は、カブリ+0.2の
濃度を与える光量で一様に露光し、前述の現像処理を行
った後、ジェームス編、ザ・セオリー・オブ・ザ・フォ
トグラフィックプロセス,21章(1977年)に記載される
測定法によって測定した。各試料の感度と粒状性は、試
料11の値を100としたときの相対値で示した。結果は表1
に示すとおりであった。
【0074】 [現像処理液] 1−フェニル−3−ピラゾリドン 0.5g ヒドロキノン 10g エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩 2g 亜硫酸カリウム 60g ホウ酸 4g 炭酸カリウム 20g 臭化ナトリウム 5g ジエチレングリコール 20g 水酸化ナトリウムでpH10.0に調整 水を加えて 1リットル
【0075】
【表1】 試料番号 乳剤 感度 粒状性 11(比較例) a 100 100 12(比較例) b 120 120 13(比較例) c 150 120 14(比較例) d 200 200 15(比較例) e 150 80 16(本発明) f 210 80 17(本発明) g 210 80 18(本発明) h 210 80 19(本発明) i 210 80 本発明の試料16〜19と比較試料11〜15の結果を比較すれ
ば明らかなように、本発明の試料は高感度で粒状性も優
れている。
【0076】実施例2 実施例1の増感色素を後掲のS-2に変更して、実施例1と
同様の処理と試験を行った。結果は、実施例1と同様で
あった。 実施例3 実施例1の増感色素を後掲のS-12に変更して、実施例1と
同様の処理と試験を行った。結果は、実施例1と同様で
あった。
【0077】実施例4 本実施例において、ハロゲン化銀写真感光材料の試料10
1〜109を作製し、その感度と粒状性を比較した。 (試料101の作製)下塗りを施した厚さ127μmの三酢酸
セルロースフィルム支持体上に下記の組成の各層を施し
た多層カラー感光材料を作製し、これを試料101とし
た。各成分の右に表示される重量は、1m2当りの添加量
を表わす。なお、添加した各成分の用途は代表的な作用
に基づいて記載してあり、該化合物が記載した以外の用
途に用いられる場合があることを理解すべきである。
【0078】第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.30g ゼラチン 2.30g 紫外線吸収剤U-1 0.10g 紫外線吸収剤U-3 0.040g 紫外線吸収剤U-4 0.10g 高沸点有機溶媒Oil-1 0.10g 染料E-1の微結晶固体分散物 0.10g 界面活性剤W-4 13.0mg 界面活性剤W-5 13.0mg 第2層:中間層 ゼラチン 0.40g 化合物Cpd-C 5.0mg 化合物Cpd-J 5.0mg 化合物Cpd-K 3.0mg 高沸点有機溶媒Oil-3 0.10g 染料D-4 10.0mg 界面活性剤W-4 9.0mg 界面活性剤W-5 1.0mg
【0079】第3層:中間層 黄色コロイド銀 銀量 0.010g ゼラチン 0.40g 界面活性剤W-3 17.0mg 第4層:低感度赤感性乳剤層 乳剤A 銀量 0.16g 乳剤B 銀量 0.34g 乳剤C 銀量 0.19g ゼラチン 0.80g カプラーC-1 0.10g カプラーC-2 0.04g カプラーC-6 0.050g 化合物Cpd-C 5.0mg 化合物Cpd-J 5.0mg 高沸点有機溶媒Oil-2 0.10g 界面活性剤W-3 3.0mg 界面活性剤W-5 16.0mg
【0080】第5層:中感度赤感性乳剤層 乳剤D 銀量 0.50g ゼラチン 0.80g カプラーC-1 0.13g カプラーC-2 0.06g カプラーC-6 0.01g 高沸点有機溶媒Oil-2 0.10g 界面活性剤W-3 5.0mg 界面活性剤W-5 15.0mg 第6層:高感度赤感性乳剤層 乳剤E 銀量 0.50g 乳剤F 銀量 0.50g ゼラチン 1.70g カプラーC-6 0.02g カプラーC-3 0.70g 添加物P-1 0.20g 高沸点有機溶媒Oil-2 0.04g 界面活性剤W-5 125.0mg
【0081】第7層:中間層 ゼラチン 0.60g 混色防止剤Cpd-I 0.04g 染料D-5 0.020g 染料D-6 0.010g 第8層:中間層 黄色コロイド銀 銀量 0.040g ゼラチン 1.20g 混色防止剤Cpd-A 0.10g 化合物Cpd-C 0.17g 界面活性剤W-3 1.0mg 界面活性剤W-5 20.0mg
【0082】第9層:低感度緑感性乳剤層 乳剤G 銀量 0.24g 乳剤H 銀量 0.41g 乳剤I 銀量 0.30g ゼラチン 0.50g カプラーC-7 0.24g 化合物Cpd-B 0.03g 化合物Cpd-D 0.02g 化合物Cpd-E 0.02g 化合物Cpd-F 0.04g 化合物Cpd-J 10.0mg 化合物Cpd-L 0.02g 高沸点有機溶媒Oil-2 0.10g 界面活性剤W-3 4.0mg 界面活性剤W-5 45.0mg
【0083】 第10層:中感度緑感性乳剤層 表面及び内部をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、 変動係数18%、沃化銀含量1モル%) 銀量 0.05g 乳剤J 銀量 0.18g 乳剤K 銀量 0.28g ゼラチン 0.50g カプラーC-4 0.23g 化合物Cpd-B 0.03g 化合物Cpd-D 0.02g 化合物Cpd-E 0.02g 化合物Cpd-F 0.05g 化合物Cpd-L 0.05g 高沸点有機溶媒Oil-2 1.0mg 界面活性剤W-3 20.0mg 界面活性剤W-5 30.0mg
【0084】第11層:高感度緑感性乳剤層 乳剤L 銀量 0.44g ゼラチン 0.50g カプラーC-4 0.35g 化合物Cpd-B 0.080g 化合物Cpd-E 0.020g 化合物Cpd-F 0.040g 化合物Cpd-K 5.0mg 化合物Cpd-L 0.020g 高沸点有機溶媒Oil-2 0.020g 界面活性剤W-3 30.0mg 界面活性剤W-5 35.0mg
【0085】第12層:中間層 ゼラチン 0.30g 化合物Cpd-H 0.40g 界面活性剤W-4 18.0mg 第13層:イエローフィルター層 黄色コロイド銀 銀量 0.08g ゼラチン 0.50g 混色防止剤Cpd-A 0.02g 化合物Cpd-L 0.01g 高沸点有機溶媒Oil-1 0.01g 界面活性剤W-5 3.0mg 第14層:低感度青感性乳剤層 乳剤M 銀量 0.17g 乳剤N 銀量 0.04g 乳剤O 銀量 0.22g ゼラチン 0.80g カプラーC-5 0.30g カプラーC-6 5.0mg カプラーC-8 0.03g 界面活性剤W-5 25.0mg
【0086】第15層:中感度青感性乳剤層 乳剤P 銀量 0.08g 乳剤Q 銀量 0.08g ゼラチン 0.60g カプラーC-5 0.30g カプラーC-6 5.0mg カプラーC-8 0.03g 界面活性剤W-5 25.0mg 第16層:高感度青感性乳剤層 乳剤a(実施例1で調製) 銀量 0.47g ゼラチン 2.60g カプラーC-6 0.12g カプラーC-8 1.10g 高沸点有機溶媒Oil-2 0.40g 界面活性剤W-5 80.0mg
【0087】第17層:第1保護層 ゼラチン 1.00g 紫外線吸収剤U-1 0.10g 紫外線吸収剤U-2 0.03g 紫外線吸収剤U-5 0.20g 染料D-1 0.15g 染料D-2 0.050g 染料D-3 0.10g 高沸点有機溶媒Oil-2 0.30g 界面活性剤W-3 17.0mg 界面活性剤W-5 25.0mg
【0088】 第18層:第2保護層 コロイド銀 銀量 0.10g 微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、沃化銀含量1モル%) 銀量 0.10g ゼラチン 0.70g 紫外線吸収剤U-1 0.06g 紫外線吸収剤U-2 0.02g 紫外線吸収剤U-5 0.12g 高沸点有機溶媒Oil-2 0.07g 界面活性剤W-3 11.0mg
【0089】 第19層:第3保護層 ゼラチン 1.40g ポリメチルメタクリレート(平均粒径1.5μm) 5.0mg メチルメタクリレートとアクリル酸の4:6の共重合体 (平均粒径1.5μm) 0.10g シリコーンオイルB-1 0.030g 界面活性剤W-1 2.0mg 界面活性剤W-6 1.0mg 界面活性剤W-2 10.0mg 界面活性剤W-3 40.0mg ゼラチン硬化剤H-1 0.35g
【0090】上記組成物の他に添加剤F-1〜F-8を添加
し、防腐、防黴剤としてフェノール、1,2−ベンズイソ
チアゾリン−3−オン、2−フェノキシエタノール、フェ
ネチルアルコール、p−安息香酸ブチルエステルを添加
した。本実施例で使用した感光性ハロゲン化銀乳剤の詳
細を、表2および表3に示す。また、本実施例で使用した
各化合物の構造を、表3に続けて示す。
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】
【化6】
【0094】
【化7】
【0095】
【化8】
【0096】
【化9】
【0097】
【化10】
【0098】
【化11】
【0099】
【化12】
【0100】
【化13】
【0101】
【化14】
【0102】
【化15】
【0103】
【化16】
【0104】
【化17】
【0105】
【化18】
【0106】
【化19】
【0107】
【化20】
【0108】(試料102−109の作製)試料101の第16層
の乳剤aを、下記表4に示す乳剤に置き換えることにより
試料102〜109を作製した。
【0109】
【表4】 試料番号 乳剤 101(比較例) a 102(比較例) b 103(比較例) c 104(比較例) d 105(比較例) e 106(本発明) f 107(本発明) g 108(本発明) h 109(本発明) i
【0110】(試料の評価)白色光源を用いてイエロー
濃度2、3を与えるように試料101〜109を露光して、下記
の工程にしたがって処理した。各試料の感度とイエロー
濃度2、3の部分のRMS粒状度を測定して、試料101の
値を100とする相対値を得た。
【表5】
【0111】 〔第一現像液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 ニトリロ-N,N,N- トリメチレンホスホン酸・ 5ナトリウム塩 1.5g 1.5g ジエチレントリアミン5酢酸・ 5ナトリウム塩 2.0g 2.0g 亜硫酸ナトリウム 30g 30g ハイドロキノン・モノスルホン酸カリウム 20g 20g 炭酸カリウム 15g 20g 重炭酸ナトリウム 12g 15g 1-フェニル-4- メチル-4- ヒドロキシメチル-3- ピラゾリドン 1.5g 2.0g 臭化カリウム 2.5g 1.4g チオシアン酸カリウム 1.2g 1.2g 沃化カリウム 2.0mg - ジエチレングリコール 13g 15g 水を加えて 1000ml 1000ml pH(硫酸または水酸化カリウムで調整) 9.60 9.60
【0112】 〔反転液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 ニトリロ− N, N, N−トリメチレンホスホン酸・ 5ナトリウム塩 3.0g タンク液に同じ 塩化第一スズ・ 2水塩 1.0g 同 p−アミノフェノール 0.1g 同 水酸化ナトリウム 8g 同 氷酢酸 15ml 同 水を加えて 1000ml 同 pH(酢酸または水酸化ナトリウムで調整) 6.00 〔発色現像液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 ニトリロ− N, N, N−トリメチレンホスホン酸・ 5ナトリウム塩 2.0g 2.0g 亜硫酸ナトリウム 7.0g 7.0g リン酸 3ナトリウム・ 12 水塩 36g 36g 臭化カリウム 1.0g - 沃化カリウム 90mg - 水酸化ナトリウム 3.0g 3.0g シトラジン酸 1.5g 1.5g N-エチル-N-(β- メタンスルホンアミドエチル)-3-メチル- 4-アミノアニリン・3/2 硫酸・1 水塩 11g 11g 3,6-ジチアオクタン-1,8- ジオール 1.0g 1.0g 水を加えて 1000ml 1000ml pH(硫酸または水酸化カリウムで調整) 11.80 12.00
【0113】 〔前漂白液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 エチレンジアミン 4酢酸・ 2ナトリウム塩・ 2水塩 8.0g 8.0g 亜硫酸ナトリウム 6.0g 8.0g 1-チオグリセロール 0.4g 0.4g ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム付加物 30g 35g 水を加えて 1000ml 1000ml pH(酢酸または水酸化ナトリウムで調整) 6.30 6.10
【0114】 〔漂白液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・2水塩 2.0g 4.0g エチレンジアミン 4酢酸・ Fe(III)・アンモニウム・2水塩 120g 240g 臭化カリウム 100g 200g 硝酸アンモニウム 10g 20g 水を加えて 1000ml 1000ml pH(硝酸または水酸化カリウムで調整) 5.70 5.50
【0115】 〔定着液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 チオ硫酸アンモニウム 80g タンク液に同じ亜 硫酸ナトリウム 5.0g 同 重亜硫酸ナトリウム 5.0g 同 水を加えて 1000ml 同 pH(酢酸またはアンモニア水で調整) 6.60
【0116】 〔安定液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 1,2-ベンゾイソチアゾリン-3- オン 0.02g 0.03g ポリオキシエチレン-p- モノノニルフェニルエーテル(平均重合度 10) 0.3g 0.3g ポリマレイン酸(平均分子量 2,000) 0.1g 0.15g 水を加えて 1000ml 1000ml pH 7.0 7.0
【0117】
【表6】 試料番号 乳剤 感度 粒状性 101(比較例) a 100 100 102(比較例) b 120 120 103(比較例) c 150 120 104(比較例) d 190 180 105(比較例) e 150 80 106(本発明) f 215 80 107(本発明) g 215 80 108(本発明) h 215 80 109(本発明) i 215 80 本発明の試料106〜109と比較試料101〜105の結果を比較
すれば明らかなように、本発明の試料は高感度で粒状性
も優れている。
【0118】参考例 本参考例において、吸着性化合物の晶癖面選択性を判別
する際に用いる乳剤の調製法を示す。臭化カリウム0.53
gとゼラチン60gを含むpH5の水溶液を調製した。この
水溶液1.44リットルを75℃に維持して攪拌しながら、硝
酸銀水溶液(0.825M)190mlと臭化カリウム(0.825
M)を同時に添加した。添加は、銀電位を飽和カロメル
電極に対して25mVに保ちながら20分かけて行った。その
後、硝酸銀水溶液(1.65M)838mlと臭化カリウム水溶
液(1.65M)を、銀電位を70mVに保ちながら30分かけて
添加した。粒子形成終了後、通常のフロキュレーション
法で脱塩、水洗した後、ゼラチンと水とを加えてpH6.
3、pAg8.4に調製した。得られた臭化銀乳剤Aは、粒
子直径0.45μmで粒子直径の変動係数12%の単分散十四
面体乳剤であった。
【0119】この乳剤に、吸着性化合物を4×10-4モル
/モルAgとなるように添加して、乳剤粒子と同銀量によ
りシェル付けして晶癖面選択性を判別した。粒子晶癖の
(100)/[非(100)+(100)]比率が0.45以下である化合物
を、(100)面以外に選択的に吸着する化合物とした。
【発明の効果】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、
感度および粒状性が優れている。このため、本発明のハ
ロゲン化銀写真感光材料は、反転カラー写真感光材料と
して特に適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 1/12 G03C 1/12 7/00 510 7/00 510 530 530

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を
    支持体上に有するハロゲン化銀写真感光材料において、 乳剤層の少なくとも1層には、平行な2つの主平面が(10
    0)面であり、アスペクト比が1.3以上である還元増感さ
    れた平板状ハロゲン化銀粒子が、ハロゲン化銀粒子の全
    投影面積の50%以上含まれており、かつ、当該乳剤層に
    は、(100)面以外の面に選択的に吸着する化合物がさら
    に含まれていることを特徴とするハロゲン化銀写真感光
    材料。
  2. 【請求項2】 平板状粒子の平均沃化銀含有率が20モル
    %以下であり、平均臭化銀含有率が50モル%以上である
    請求項1のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 (100)面以外の面に選択的に吸着する化
    合物が、一般式[I]: 【化1】 (上式において、Zは5または6員環を形成するのに必要
    な原子群を表し、Mは水素原子またはアンモニウム基を
    表す)で表される請求項1または2のハロゲン化銀写真感
    光材料。
  4. 【請求項4】 平板状粒子がシアニン色素によって分光
    増感されている請求項1〜3のいずれかのハロゲン化銀写
    真感光材料。
  5. 【請求項5】 平板状粒子が金およびカルコゲン増感さ
    れている請求項1〜4のいずれかのハロゲン化銀写真感光
    材料。
  6. 【請求項6】 平板状粒子がシアニン色素の存在下で金
    およびカルコゲン増感されている請求項5のハロゲン化
    銀写真感光材料。
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