JPH10316972A - ニードルコークスの製造方法 - Google Patents
ニードルコークスの製造方法Info
- Publication number
- JPH10316972A JPH10316972A JP12957197A JP12957197A JPH10316972A JP H10316972 A JPH10316972 A JP H10316972A JP 12957197 A JP12957197 A JP 12957197A JP 12957197 A JP12957197 A JP 12957197A JP H10316972 A JPH10316972 A JP H10316972A
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- Japan
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- weight
- quinoline
- pitch
- insoluble content
- toluene
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐熱衝撃性に優れた黒鉛電極を効率的に製造
することを可能とする、熱膨張係数が低く、パッフィン
グも低い高品質のニードルコークスを製造する。 【解決手段】 キノリン不溶分が0〜7重量%、トルエ
ン不溶分が0〜20重量%であるピッチ類をキノリン不
溶分の増加量が0.5〜5重量%、トルエン不溶分の増
加量が10〜30重量%となるように加熱処理した後溶
剤と接触処理して、キノリン不溶分を実質的に含まずか
つトルエン不溶分を0.5〜10重量%含む原料ピッチ
とした後、更に該原料ピッチをコークス化する。
することを可能とする、熱膨張係数が低く、パッフィン
グも低い高品質のニードルコークスを製造する。 【解決手段】 キノリン不溶分が0〜7重量%、トルエ
ン不溶分が0〜20重量%であるピッチ類をキノリン不
溶分の増加量が0.5〜5重量%、トルエン不溶分の増
加量が10〜30重量%となるように加熱処理した後溶
剤と接触処理して、キノリン不溶分を実質的に含まずか
つトルエン不溶分を0.5〜10重量%含む原料ピッチ
とした後、更に該原料ピッチをコークス化する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はニードルコークスの
製造法に関するものであり、詳しくは高品位のニードル
コークスの製造法に関するものである。
製造法に関するものであり、詳しくは高品位のニードル
コークスの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、人造黒鉛電極は電極使用条件の過
酷化に従い、高い機械強度及び耐熱性に優れていること
が求められている。更に電極消耗を減らすため日本にお
いては28インチ以上の太い径の電極が必要とされてき
ている。かかる人造黒鉛電極の製造には熱膨張係数の小
さいニードルコークスが必要であり、とりわけ熱膨張係
数の低い石炭系ニードルコークスが好まれている。
酷化に従い、高い機械強度及び耐熱性に優れていること
が求められている。更に電極消耗を減らすため日本にお
いては28インチ以上の太い径の電極が必要とされてき
ている。かかる人造黒鉛電極の製造には熱膨張係数の小
さいニードルコークスが必要であり、とりわけ熱膨張係
数の低い石炭系ニードルコークスが好まれている。
【0003】しかしながら石炭系ニードルコークスには
人造黒鉛電極製造の黒鉛化時に自身の中に比較的多量に
含まれる窒素及びその化合物が急激にガス化する事によ
り石油系のニードルコークスに比べ異常膨張(パッフィ
ング)を引き起こしやすいという欠点もある。それらを
克服する試みは種々行われており、特開平3−1975
89号公報に見られるように窒素含有量の低い石油系原
料をブレンドして原料中の窒素の含有量を実質的に下げ
る方法や、特開平6−299162号公報に見られるよ
うに仮焼方法を工夫することで窒素およびその化合物ガ
スを効果的にコークス外へ逃がす方法が提案されてい
る。しかしながら仮焼方法の工夫ではパッフィングを低
減させる効果は有る程度はあるものの、本質的に窒素含
有量の少ない石油系ニードルコークスのレベルには至ら
ず、十分にパッフィングを下げるには低窒素含有原料、
即ち石油系原料の導入が不可欠である。
人造黒鉛電極製造の黒鉛化時に自身の中に比較的多量に
含まれる窒素及びその化合物が急激にガス化する事によ
り石油系のニードルコークスに比べ異常膨張(パッフィ
ング)を引き起こしやすいという欠点もある。それらを
克服する試みは種々行われており、特開平3−1975
89号公報に見られるように窒素含有量の低い石油系原
料をブレンドして原料中の窒素の含有量を実質的に下げ
る方法や、特開平6−299162号公報に見られるよ
うに仮焼方法を工夫することで窒素およびその化合物ガ
スを効果的にコークス外へ逃がす方法が提案されてい
る。しかしながら仮焼方法の工夫ではパッフィングを低
減させる効果は有る程度はあるものの、本質的に窒素含
有量の少ない石油系ニードルコークスのレベルには至ら
ず、十分にパッフィングを下げるには低窒素含有原料、
即ち石油系原料の導入が不可欠である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、石油系の原
料を導入(石炭系原料にブレンド)するとパッフィング
は低下するものの熱膨張係数が悪化してしまい、パッフ
ィング、熱膨張係数ともに最高レベルのものを得るのは
極めて難しく、両者は相反するものとして考えられてき
た。
料を導入(石炭系原料にブレンド)するとパッフィング
は低下するものの熱膨張係数が悪化してしまい、パッフ
ィング、熱膨張係数ともに最高レベルのものを得るのは
極めて難しく、両者は相反するものとして考えられてき
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは当課
題を克服すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達し
たものである。即ち、本発明の要旨はキノリン不溶分が
0〜7重量%、トルエン不溶分が0〜20重量%である
ピッチ類をキノリン不溶分の増加量が0.5〜5重量
%、トルエン不溶分の増加量が10〜30重量%となる
ように加熱処理した後溶剤と接触処理して、キノリン不
溶分を実質的に含まずかつトルエン不溶分を0.5〜1
0重量%含む原料ピッチとした後、更に該原料ピッチを
コークス化することを特徴とするニードルコークスの製
造方法にある。
題を克服すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達し
たものである。即ち、本発明の要旨はキノリン不溶分が
0〜7重量%、トルエン不溶分が0〜20重量%である
ピッチ類をキノリン不溶分の増加量が0.5〜5重量
%、トルエン不溶分の増加量が10〜30重量%となる
ように加熱処理した後溶剤と接触処理して、キノリン不
溶分を実質的に含まずかつトルエン不溶分を0.5〜1
0重量%含む原料ピッチとした後、更に該原料ピッチを
コークス化することを特徴とするニードルコークスの製
造方法にある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用されるピッチ類はキノリン不溶分が0〜7
重量%、トルエン不溶分が0〜20重量%であるピッチ
類である。これに適合していれば特に制限はなく、公知
のいずれのものであっても良い。特に軟化点が100℃
以下の軟ピッチ又は中ピッチと称されるピッチ類が好ま
しい。
本発明に使用されるピッチ類はキノリン不溶分が0〜7
重量%、トルエン不溶分が0〜20重量%であるピッチ
類である。これに適合していれば特に制限はなく、公知
のいずれのものであっても良い。特に軟化点が100℃
以下の軟ピッチ又は中ピッチと称されるピッチ類が好ま
しい。
【0007】ピッチ類の加熱処理は0〜30kg/cm
2 G、好ましくは1〜20kg/cm2 Gの圧力及び3
50〜450℃、好ましくは380〜440℃の温度条
件下で0〜20時間、好ましくは1〜10時間の熱処理
の範囲から選択される。この時の加熱処理の程度はキノ
リン不溶分の増加量が0〜5重量%、トルエン不溶分の
増加量が10〜30重量%、好ましくはキノリン不溶分
の増加量が0.5〜4重量%、トルエン不溶分の増加量
が12〜25重量%となるように行う。
2 G、好ましくは1〜20kg/cm2 Gの圧力及び3
50〜450℃、好ましくは380〜440℃の温度条
件下で0〜20時間、好ましくは1〜10時間の熱処理
の範囲から選択される。この時の加熱処理の程度はキノ
リン不溶分の増加量が0〜5重量%、トルエン不溶分の
増加量が10〜30重量%、好ましくはキノリン不溶分
の増加量が0.5〜4重量%、トルエン不溶分の増加量
が12〜25重量%となるように行う。
【0008】尚、本明細書において「増加量がx重量
%」というのは、パーセント値がxポイント増加するこ
とであって、例えばキノリン不溶分が5重量%から10
重量%となった場合キノリン不溶分の増加量が5重量%
ということとする。
%」というのは、パーセント値がxポイント増加するこ
とであって、例えばキノリン不溶分が5重量%から10
重量%となった場合キノリン不溶分の増加量が5重量%
ということとする。
【0009】次にこの加熱処理されたピッチ類は例えば
静置分離法のような溶剤との接触処理により実質的にキ
ノリン不溶分の全てとトルエン不溶分の大部分を分離除
去する。実際には、ピッチ類を溶解度指数が20〜80
である溶剤と混合する。本発明において溶解度指数は溶
剤の沸点(但し沸点が80℃以上の溶剤では80℃)に
おけるピッチ類2gの溶剤100mlに対する不溶分量
を表す。
静置分離法のような溶剤との接触処理により実質的にキ
ノリン不溶分の全てとトルエン不溶分の大部分を分離除
去する。実際には、ピッチ類を溶解度指数が20〜80
である溶剤と混合する。本発明において溶解度指数は溶
剤の沸点(但し沸点が80℃以上の溶剤では80℃)に
おけるピッチ類2gの溶剤100mlに対する不溶分量
を表す。
【0010】上記の溶解度指数が20〜80である溶剤
としてはシクロヘキサン、シクロペンタン等の環状化合
物、アセトン、エチルメチルケトン等のカルボニル基を
持つ化合物、灯油、軽油等の脂肪族化合物等が利用でき
る。又これらの化合物とナフタリン油等の芳香族系油を
混合しても可能である。また、キノリン不溶分、トルエ
ン不溶分の除去方法は特にこれといって限定されるもの
ではなく、上記範囲を満足していればいずれの方法を用
いておこなっても良い。例えば、濾過法によっても良い
し、遠心分離法等の手法を用いても良い。
としてはシクロヘキサン、シクロペンタン等の環状化合
物、アセトン、エチルメチルケトン等のカルボニル基を
持つ化合物、灯油、軽油等の脂肪族化合物等が利用でき
る。又これらの化合物とナフタリン油等の芳香族系油を
混合しても可能である。また、キノリン不溶分、トルエ
ン不溶分の除去方法は特にこれといって限定されるもの
ではなく、上記範囲を満足していればいずれの方法を用
いておこなっても良い。例えば、濾過法によっても良い
し、遠心分離法等の手法を用いても良い。
【0011】ピッチ:溶剤の重量比としては、通常1:
5〜1:0.2、1:3〜1:0.3、好ましくは1:
0.8〜1:0.3になるように加え、混合される。混
合する際の温度は、通常室温〜350℃であれば問題な
いが、混合効率の観点より140〜300℃が好まし
い。この混合物を分離するが、通常静置分離した後、デ
カンテーション法などの簡便な操作により除去する。静
置分離は室温から350℃まで可能であるが、分離効率
から140〜300℃が望ましく、また静置時間は通常
数十分から10時間程度であるが30分〜5時間が好ま
しい。
5〜1:0.2、1:3〜1:0.3、好ましくは1:
0.8〜1:0.3になるように加え、混合される。混
合する際の温度は、通常室温〜350℃であれば問題な
いが、混合効率の観点より140〜300℃が好まし
い。この混合物を分離するが、通常静置分離した後、デ
カンテーション法などの簡便な操作により除去する。静
置分離は室温から350℃まで可能であるが、分離効率
から140〜300℃が望ましく、また静置時間は通常
数十分から10時間程度であるが30分〜5時間が好ま
しい。
【0012】得られた清澄液は次に溶剤の沸点あるいは
95容量%の留出温度以下、あるいは約350℃以下の
留出温度で蒸留される。留出分は回収され、必要に応じ
て溶剤として再使用される。このようにして本発明で使
用する原料ピッチが得られる。かかる本発明の原料ピッ
チは、キノリン不溶分を実質的に含まず、トルエン不溶
分の大部分も除去されている。
95容量%の留出温度以下、あるいは約350℃以下の
留出温度で蒸留される。留出分は回収され、必要に応じ
て溶剤として再使用される。このようにして本発明で使
用する原料ピッチが得られる。かかる本発明の原料ピッ
チは、キノリン不溶分を実質的に含まず、トルエン不溶
分の大部分も除去されている。
【0013】通常キノリン不溶分0.05重量%以下、
トルエン不溶分は0.5〜10重量%、好ましくは1〜
6重量%に調整されている。加熱処理した際、ピッチ類
が本来持っている様々な分子の混合体であるという性質
であるが故に、比較的反応性の高いもの、即ちその後の
ニードルコークスの熱膨張係数に悪影響を及ぼすであろ
う物質が選択的に重合反応を起こし、分子の巨大化によ
るキノリン不溶分化が進むと考えられる。これまで論じ
られてきたのは加熱処理等によりキノリン不溶分を発生
させ、それを除去する事によりニードルコークスの熱膨
張係数を下げることについてであった。しかしながら、
キノリン不溶分にまで至っていないトルエン不溶分の中
にも反応性の高いものが存在しており、それらの大部分
をも除去することでさらに良好な熱膨張係数の値が得ら
れるに至ったのである。
トルエン不溶分は0.5〜10重量%、好ましくは1〜
6重量%に調整されている。加熱処理した際、ピッチ類
が本来持っている様々な分子の混合体であるという性質
であるが故に、比較的反応性の高いもの、即ちその後の
ニードルコークスの熱膨張係数に悪影響を及ぼすであろ
う物質が選択的に重合反応を起こし、分子の巨大化によ
るキノリン不溶分化が進むと考えられる。これまで論じ
られてきたのは加熱処理等によりキノリン不溶分を発生
させ、それを除去する事によりニードルコークスの熱膨
張係数を下げることについてであった。しかしながら、
キノリン不溶分にまで至っていないトルエン不溶分の中
にも反応性の高いものが存在しており、それらの大部分
をも除去することでさらに良好な熱膨張係数の値が得ら
れるに至ったのである。
【0014】得られるピッチはコークス化装入原料とし
て通常のニードルコークスの製造法によりコークス化さ
れる。すなわち、ディレイドコーカーにより生コークス
を得、ついで仮焼してニードルコークスを得る。この様
に改質された原料ピッチを使ってニードルコークスを製
造するにあたり、もちろんそれ単独でニードルコークス
を製造しても良いが、別途コールタールからキノリン不
溶分を除いて調製されるピッチをブレンドして製造して
も良い。その際、該改質原料ピッチとコールタールから
キノリン不溶分を除いたピッチのブレンド比率はどの様
な割合でも本発明の効果自体を損なうものではないが、
その比率は前者1に対し後者0〜2.0、好ましくは
0.5〜1.5がよい。この範囲内であれば、改質原料
ピッチの影響が大きく、十分な効果が得られる。
て通常のニードルコークスの製造法によりコークス化さ
れる。すなわち、ディレイドコーカーにより生コークス
を得、ついで仮焼してニードルコークスを得る。この様
に改質された原料ピッチを使ってニードルコークスを製
造するにあたり、もちろんそれ単独でニードルコークス
を製造しても良いが、別途コールタールからキノリン不
溶分を除いて調製されるピッチをブレンドして製造して
も良い。その際、該改質原料ピッチとコールタールから
キノリン不溶分を除いたピッチのブレンド比率はどの様
な割合でも本発明の効果自体を損なうものではないが、
その比率は前者1に対し後者0〜2.0、好ましくは
0.5〜1.5がよい。この範囲内であれば、改質原料
ピッチの影響が大きく、十分な効果が得られる。
【0015】得られるニードルコークスは所定の割合に
粒度配合され加熱混合しながらバインダーピッチを適当
量添加ねつ合後、押し出し成形して生電極が製造され
る。この生電極を焼成、黒鉛化した後、加工して製品で
ある黒鉛電極を製造することが出来る。
粒度配合され加熱混合しながらバインダーピッチを適当
量添加ねつ合後、押し出し成形して生電極が製造され
る。この生電極を焼成、黒鉛化した後、加工して製品で
ある黒鉛電極を製造することが出来る。
【0016】
(実施例1)キノリン不溶分が0.1重量%、トルエン
不溶分が0.2重量%の石油系原料(エチレンヘビーエ
ンド)を2リットルの反応容器に仕込み、400℃、
3.5kg/cm2 G、5時間の条件で加熱処理を行っ
た。
不溶分が0.2重量%の石油系原料(エチレンヘビーエ
ンド)を2リットルの反応容器に仕込み、400℃、
3.5kg/cm2 G、5時間の条件で加熱処理を行っ
た。
【0017】その熱処理物のキノリン不溶分は0.8重
量%、トルエン不溶分は17.0重量%であった。この
熱処理物に対して、重量比で0.6のケロシンを加え、
200℃の条件下で静置沈降分離した。ここで得られた
上澄みの清澄液を360℃で蒸留し、ケロシンを取り除
いた。この時得られたピッチのキノリン不溶分は0.0
1重量%、トルエン不溶分は6.4重量%であった。こ
の改質原料ピッチをキノリン不溶分を実質的に0まで除
去したタールピッチと重量比で1:1の割合で混合し、
150mlの小型反応容器に仕込み、コーキング温度4
70℃、3.5kg/cm2Gの条件で12時間コーキ
ングし、生コークスを得た。
量%、トルエン不溶分は17.0重量%であった。この
熱処理物に対して、重量比で0.6のケロシンを加え、
200℃の条件下で静置沈降分離した。ここで得られた
上澄みの清澄液を360℃で蒸留し、ケロシンを取り除
いた。この時得られたピッチのキノリン不溶分は0.0
1重量%、トルエン不溶分は6.4重量%であった。こ
の改質原料ピッチをキノリン不溶分を実質的に0まで除
去したタールピッチと重量比で1:1の割合で混合し、
150mlの小型反応容器に仕込み、コーキング温度4
70℃、3.5kg/cm2Gの条件で12時間コーキ
ングし、生コークスを得た。
【0018】次いでこの生コークスを電気炉で1300
℃で2時間仮焼し、ニードルコークスをえた。このニー
ドルコークスを更に2800℃で黒鉛化し、黒鉛化した
ものの熱膨張係数を測定したところ、4.6×10-7/
℃であった。また、同様にパッフィングを測定したとこ
ろ、1700〜2600℃で1.60%の延びを示し
た。
℃で2時間仮焼し、ニードルコークスをえた。このニー
ドルコークスを更に2800℃で黒鉛化し、黒鉛化した
ものの熱膨張係数を測定したところ、4.6×10-7/
℃であった。また、同様にパッフィングを測定したとこ
ろ、1700〜2600℃で1.60%の延びを示し
た。
【0019】(比較例1)実施例1と同じ熱処理物を用
い、キノリン不溶分を目開き1μmのフィルターにて濾
過を行い、トルエン不溶分16.9重量%、キノリン不
溶分0.01重量%のピッチを得た。このピッチを実施
例1と同様にタールピッチとブレンドし、コーキング、
仮焼、黒鉛化を行い、熱膨張係数を測定したところ、
5.0×10 -7/℃であった。同様にパッフィングは
1.61%であった。
い、キノリン不溶分を目開き1μmのフィルターにて濾
過を行い、トルエン不溶分16.9重量%、キノリン不
溶分0.01重量%のピッチを得た。このピッチを実施
例1と同様にタールピッチとブレンドし、コーキング、
仮焼、黒鉛化を行い、熱膨張係数を測定したところ、
5.0×10 -7/℃であった。同様にパッフィングは
1.61%であった。
【0020】(実施例2)キノリン不溶分が0.2重量
%、トルエン不溶分が0.3重量%の石油系原料(エチ
レンヘビーエンド)を同様に420℃、3.5kg/c
m2 G、5時間の処理を行い、トルエン不溶分が30.
1重量%、キノリン不溶分が9.7重量%の熱処理物を
得た。
%、トルエン不溶分が0.3重量%の石油系原料(エチ
レンヘビーエンド)を同様に420℃、3.5kg/c
m2 G、5時間の処理を行い、トルエン不溶分が30.
1重量%、キノリン不溶分が9.7重量%の熱処理物を
得た。
【0021】この熱処理物に対して、重量比で0.6の
ケロシンを加え、180℃の条件下で静置沈降分離し、
上澄み液を得た。実施例1と同様にケロシンを取り除
き、得られたピッチのトルエン不溶分は3.6重量%、
キノリン不溶分は0.01重量%であった。このピッチ
をタールピッチとブレンドした後コーキング、仮焼、黒
鉛化して熱膨張係数を測定したところ4.4×10-7/
℃であった。同様にパッフィングは1.65%であっ
た。
ケロシンを加え、180℃の条件下で静置沈降分離し、
上澄み液を得た。実施例1と同様にケロシンを取り除
き、得られたピッチのトルエン不溶分は3.6重量%、
キノリン不溶分は0.01重量%であった。このピッチ
をタールピッチとブレンドした後コーキング、仮焼、黒
鉛化して熱膨張係数を測定したところ4.4×10-7/
℃であった。同様にパッフィングは1.65%であっ
た。
【0022】(比較例2)実施例2と同じ熱処理物を用
い、キノリン不溶分を目開き1μmのフィルターにて濾
過を行い、トルエン不溶分30.0重量%、キノリン不
溶分0.01重量%のピッチを得た。このピッチを実施
例1と同様にタールピッチとブレンドし、コーキング、
仮焼、黒鉛化を行い、熱膨張係数を測定したところ、
4.9×10 -7/℃であった。同様にパッフィングは
1.64%であった。
い、キノリン不溶分を目開き1μmのフィルターにて濾
過を行い、トルエン不溶分30.0重量%、キノリン不
溶分0.01重量%のピッチを得た。このピッチを実施
例1と同様にタールピッチとブレンドし、コーキング、
仮焼、黒鉛化を行い、熱膨張係数を測定したところ、
4.9×10 -7/℃であった。同様にパッフィングは
1.64%であった。
【0023】
【発明の効果】以上に示した如く、キノリン不溶分の実
質全てとトルエン不溶分の大部分を除去した後にコーキ
ング、仮焼、黒鉛化する事により、熱膨張係数が低く、
パッフィングも低いニードルコークスを製造することが
可能になり、そのコークスを用いることにより耐熱衝撃
性にすぐれた黒鉛電極を効率的に製造することが出来る
のである。
質全てとトルエン不溶分の大部分を除去した後にコーキ
ング、仮焼、黒鉛化する事により、熱膨張係数が低く、
パッフィングも低いニードルコークスを製造することが
可能になり、そのコークスを用いることにより耐熱衝撃
性にすぐれた黒鉛電極を効率的に製造することが出来る
のである。
Claims (2)
- 【請求項1】 キノリン不溶分が0〜7重量%、トルエ
ン不溶分が0〜20重量%であるピッチ類を、キノリン
不溶分の増加量が0.5〜5重量%、トルエン不溶分の
増加量が10〜30重量%となるように加熱処理した後
溶剤と接触処理して、キノリン不溶分を実質的に含まず
かつトルエン不溶分を0.5〜10重量%含む原料ピッ
チとし、更に該原料ピッチをコークス化することを特徴
とするニードルコークスの製造方法。 - 【請求項2】 加熱処理を温度350〜450℃、常圧
〜30kg/cm2Gの圧力下で行うことを特徴とする
請求項1の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12957197A JPH10316972A (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | ニードルコークスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12957197A JPH10316972A (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | ニードルコークスの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10316972A true JPH10316972A (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=15012772
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12957197A Pending JPH10316972A (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | ニードルコークスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10316972A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101353457B1 (ko) * | 2011-12-26 | 2014-01-22 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 침상 코크스의 제조 방법 |
CN113979432A (zh) * | 2021-09-07 | 2022-01-28 | 陕西榆能集团能源化工研究院有限公司 | 利用中低温煤焦油制备锂电池负极材料的方法和应用 |
WO2023233847A1 (ja) * | 2022-06-02 | 2023-12-07 | 株式会社レゾナック | 石油系ピッチの製造方法及び石油系ピッチ |
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1997
- 1997-05-20 JP JP12957197A patent/JPH10316972A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023233847A1 (ja) * | 2022-06-02 | 2023-12-07 | 株式会社レゾナック | 石油系ピッチの製造方法及び石油系ピッチ |
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