JP2775786B2 - 高品位コークスの製造方法 - Google Patents

高品位コークスの製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、人造黒鉛電極製造用の高品位コークスの製
造に関するものである。本発明は、石炭系原料油に、石
油系の残渣油を混合し、熱処理後、結晶阻害性物質を除
去した、熱処理残油を使うことを特徴とした高品位コー
クスの製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、ディレードコーキング法によってコークスを
製造する場合、原料油として、石炭系ではコールター
ル、コールタールピッチ又は、これらを主体とする炭化
水素物質を使用している。
〔発明が解決しようとする課題〕
これら石炭系原料を用いたコークスは、人造黒鉛電極
製造用に最近注目を集めている省エネルギー型急速黒鉛
化炉において使用される場合、急速加熱による温度の影
響により、人造黒鉛電極の径方向の膨張(以下パッフィ
ングという)が、低速黒鉛化炉に比べて、高い傾向にあ
り不利とされていた。
このパッフィングは、熱膨張係数と逆相関にあり、熱
膨張係数の低いコークスを製造する場合、パッフィング
が高くなり、低パッフィングコークスの製造が出来なか
った。また、高パッフィングのため、パッフィング時に
亀裂が生じることもあり、亀裂が生じないまでも見掛比
重が小さくなって、強度が十分な電極が得られないこと
がある。
〔課題を解決するための手段〕
そこで本発明者らは、黒鉛化時のパッフィング現象の
小さい石炭系コークスを提供すべく鋭意検討した結果、
キノリン不溶分が0.8重量%以下である石炭系原料油
に、エチレンヘビーエンド油を種々の割合で混合し、熱
処理してコークス結晶成長阻害性物質を発生させた後、
該コークス結晶成長阻害性物質を除去した熱処理残油を
使うことにより、熱膨張係数には何らそん色なしに黒鉛
化時のパッフィングを小さくし得るとの知見を得、本発
明の完成にいたった。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するコールタールは、石炭を乾留してコ
ークスを製造する際に得られる直留のコールタールであ
る。また、コールタールピッチは、前記コールタールを
蒸発する際に塔底から抜き出される軟化点0℃以上、好
ましくは30〜100℃の軟ピッチ又中ピッチと称されるピ
ッチである。このコールタールピッチには軟化点調整等
のためアントラセン油等の油分を添加したものであって
もよい。
さらにこれらのコールタール又はコールタールピッチ
に少量の石油系原料油を添加したものであってもよい。
これらの石炭系原料油は例えば次のような方法により
キノリン不溶分QIを除去される。すなわち、これらの原
料を溶剤として例えば沸点又は95容量%の留出温度が35
0℃以下であって次式で表わされるB.M.C.I.値 B.M.C.I.=48.640/K+473.7S−456.8 (式中Kは平均沸点(゜K)、Sは60゜Fにおける比重を
示す)が5〜20なる炭化水素物質、具体的に好ましく
は、シクロヘキサン、灯油、灯油+ナフタリン油等を配
合割合が原料:溶剤の重量比として1:0.3〜1:1になるよ
うに加え、混合する。次いで原料と溶剤との混合物を静
置沈降しデカンテーション法などの簡便な操作により不
溶分を分離除去してキノリン不溶物を実質的に含まない
炭化水素が得られる。ここで清澄液として得られる縮合
芳香族化合物を含む炭化水素物質のキノリン不溶分含有
量は通常0.8重量%以下、好ましくは0.3重量%以下、最
適には0.1重量%以下に減少する。
上記の混合、静置沈降、分離の各工程は操作を容易に
するため好ましくは60〜350℃程度の温度下で実施され
例えばコールタールを原料とする場合には60〜90℃程
度、軟コールタールピッチの場合には150〜290℃程度が
好適である。
得られた清澄液は、次いで、溶剤の沸点或いは95容量
%の留出温度以下、或いは約350℃以下の留出温度で蒸
留される。
留出分は回収され、必要に応じて溶剤として再使用さ
れる。例えば原料としてコールタールを使用する場合に
は、溶剤留出(例えば、シクロヘキサンの場合には81
℃)後、温度を約300℃に上昇させ、ピッチ化する方が
後のコークス化に有利である。このようにして蒸留後、
留出しない留分は原料油として取り出される。
本発明方法においては、このようにして得られる石炭
系原料油10〜90重量%に、エチレンヘビーエンド油を減
圧蒸留して得られる減圧蒸留残油を90〜10重量%混合す
る。10重量%未満であれば、パッフィングに実質的な効
果はほとんどあらわれず、90重量%を超えるとパッフィ
ングの効果が飽和状態となり、又、コークス歩留りが悪
化し混合メリットが少ない。又、好ましくは石油系原料
油60〜40重量%に対し、40〜60重量%の混合が、経済的
メリットおよび特性向上面において最も好ましい。
減圧蒸留は、上記石油系原料油中のコンラドソンカー
ボンと同程度の値になるまで行うのが好ましい。
ディレードコーキング時の収率を上記石炭系原料単味
の場合の収率と同程度に維持することができるからであ
る。
減圧は、通常50Torr以下から選定される。
また、熱処理条件については、熱処理時に、ディレー
ドコーキング初期段階のドラム内での結晶成長を阻害す
る結晶阻害性物質の発生をできるだけ抑制するために、
300〜400℃の温度、好ましくは、350〜380℃の温度で、
ゆっくりと1.0〜24.0時間かけ、常圧もしくは5.0気圧以
下で混合液の熱安定化を図るのが好ましい。
本発明方法においては、次に、熱処理中に混合液内に
発生する不溶性沈殿物、すなわちディレードコーキング
初期段階において、ドラム内でのコークス結晶成長を阻
害する結晶阻害性物質を通常の静置分離、ろ過等により
除去する。
なお、本発明方法において、上記のような温和な熱処
理に代えて、400〜600℃の温度で5.0時間以内、5〜10
気圧の高圧で急激に熱処理を行なっても、次工程で、前
記のように熱処理中に発生する結晶阻害性物質を除去す
ることによって、コーキング中での結晶の成長が悪化す
ることはなく、この結晶阻害性物質を除去した混合液
は、通常のディレードコーキング原料に使うことが出来
る。
本発明において得られる、上記原料混合液をディレー
ドコーキング用ドラムに装入することにより、ドラム内
での組織が比較的均一になるので、常法によりコークス
化して低パッフィングのニードルコークスを製造するこ
とが出来る。
(実施例) 以下、実施例によりさらに本発明を詳細に説明する。
実施例−1 石炭系コールタールピッチに灯油を溶剤比1:0.6で混
合し、溶剤処理で静置、分離することにより、実質的に
QIを除去した原料油に、エチレンヘビーエンド油を減圧
(5Torr)蒸留し、コンラドソンカーボンを原料油に合
せた蒸留残油を85重量%混合し、この混合液を350℃で2
4Hr熱処理後、灯油を溶剤比1:0.6で混合し、250℃で阻
害性物質を除去し、5℃/Hrの昇温速度で510℃まで昇温
させコークス化した。冷却後コークスを取り出し、粒
配、ニーディング、成形、焼成、黒鉛化後20φ×100Lで
パッフィング、熱膨張係数を測定した。
〔発明の効果〕 本発明によれば石炭系コールタールピッチの原料確保
がむずかしくなる背景において、原料の安定供給を図
り、かつエチレンヘビーエンドの有効利用をねらい、コ
ークス特性として、パッフィング現象の低い高品位コー
クスを製造し、人造黒鉛電極用急速黒鉛化炉に適した原
料コークスを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇都宮 幸夫 香川県坂出市番の州町1番地 三菱化成 株式会社坂出工場内 (56)参考文献 特公 昭49−11601(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10B 57/04,57/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石炭系原料より副生するコールタール、コ
    ールタールピッチ又はこれらを主体とする炭化水素物質
    からなり、キノリン不溶分が0.8重量%以下である原料
    油10〜90重量%に、エチレンヘビーエンド油を減圧蒸留
    して、得られる減圧蒸留残油を90〜10重量%混合してな
    る混合液を熱処理してコークス結晶成長阻害性物質を発
    生させた後、該コークス結晶成長阻害性物質を除去し、
    ついでディレートコーキングを行ないコークス化するこ
    とを特徴とする、高品位コークスの製造方法。
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